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【プロが解説】初夏の庭を華やかに彩るジギタリスの魅力と育て方

【プロが解説】初夏の庭を華やかに彩るジギタリスの魅力と育て方

宿根草のなかでも、バラとの相性がよく、人気が高いジギタリス。花穂が長く伸び、花壇や庭で主役級の華やかさがある初夏に咲く花の一つです。神奈川の自宅の庭で20年以上、ジギタリスをほぼ毎年育てているというガーデンプロデューサーの遠藤昭さんに、植えるタイミングから育て方のコツ、他の植物との組み合わせ例を教えていただきます。

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ナチュラルガーデンに欠かせないジギタリス

ジギタリスのテラス
ジギタリスとデルフィニウムが咲く海外のテラス。Gardens by Design/Shutterstock.com

初夏のイングリッシュガーデンの名脇役の草花と言えば、デルフィニウムとジギタリスの2種ですが、デルフィニウムと比べるとジギタリスの方が、花のボリュームもあり育てやすいのが魅力です。今回はジギタリスを深掘りしてご紹介したいと思います。

デルフィニウムについては『イングリッシュガーデンの名脇役! デルフィニウムが華やかに咲く庭づくり』をご覧ください。

ジギタリス
patjo/Shutterstock.com

ジギタリスは、本来は宿根草に分類されますが、高温多湿の日本では、二年草扱い(種子を播いてから1年以上経って開花しその年に枯れる植物)とされています。

自宅の横浜の庭でジギタリスを、かれこれ20年以上、ほぼ毎年育てていますが、稀に夏越しに成功する年もありました。しかし、基本的に暑さに弱い性質なので、特に鉢植えでの夏越しは難しいと実感しています。

ジギタリス
hhho/Shutterstock.com

また、ジギタリスには毒性があるのも有名です。ジキタリスは薬用にジギタリス薬として、心不全や頻脈性不整脈の治療に用いられる強心薬ですが、過剰摂取すると、逆に心不全や不整脈を起こすようです。イギリスでは水腫の薬に使用していたそうです。通常、園芸作業で手袋をして作業する分には問題ないようですが、小さな子供が花を口にしたりしないように注意しましょうね。

学名:Digitalis
英名:Fox Globe
和名:キツネノテブクロ(狐の手袋)
その他の名前:フォックスグローブ
科名 / 属名:オオバコ科 / キツネノテブクロ属(ジギタリス属)
原産:ヨーロッパ、北東アフリカ、中央アジア

ところでカタカナで示す名称は、ジギタリスなのか、ジキタリスなのか。ネット上では一文字違いで両方の名称で情報が混在していますが、英語のDigitalisは、発音するとディジィタリス(dɪdʒ.ɪˈteɪ.lɪs)なので、近年はジギタリスで「ギ」が主流となっています。

原産はヨーロッパ方面ですが、じつはオーストラリアにもオーストラリア・フォックス・グローブと呼ばれる、Pityrodia terminalis(フェアリーピンク)という植物があります。

フェアリーピンク
我が家で咲いたフェアリーピンク。花の形がよく似ていますね。

フェアリーピンクについて詳しくはこちらの記事も参考まで。

何色咲かせる? 何と組み合わせる? ジギタリスの魅力

ジギタリス
HAL-9000/Shutterstock.com

ジギタリスの魅力は、なんといっても花穂が林立する姿ですね。上写真は、ポーランドの自生地の様子です。何本も花穂が立っていて見事ですね。

ジギタリス

我が家の狭い庭では、なかなか林立とまでできませんが、2~3株まとめて植えると華やかで見事に見えます。

花の色は、白、ピンク、紫がポピュラーですが、黄色もあります。

ジギタリス
Digitalis grandiflora ahmydaria/Shutterstock.com
ジギタリス

そして、花の色も濃淡2色程度混ぜるとメリハリがついて美しいですね。

ジギタリス
左の濃い紫と薄いブルーがデルフィニウム。左奥と左端がジギタリス。中央ピンクのバラの右奥がアガベ・アテナータ。春到来の競演です。

同じ時期に咲くどんな種類のバラとも相性がよく、同じ高さで咲くデルフィニウムの花穂とも組み合わせやすいのもいいですね。

ジギタリスとバラ

ジギタリスの高さとちょうどよい位置にバラが咲くと、思わず写真を撮りたくなり、植えてよかったと過去の自分を褒めたくなります。初夏のバラの季節が楽しみです。

ジギタリスと夏の花

同じ時期に咲くスカシユリ(左)や、エキウム(右写真左側)とも合います。

ジギタリス育て方のコツとタイミング

ジギタリスの苗
2月に購入したジギタリスのポット苗。

我が家では、毎年2月にジギタリスのポット苗を購入して“初夏の花壇を夢見て”育てています。種子を秋に播いて育てるのも可能ですが、狭い我が家の庭には12ポット程度で充分満喫できるので、手間暇のかからないポット苗から育てています。

ジギタリスのつぼみ
ジギタリスのつぼみ。Tom Meaker/Shutterstock.com

ジギタリスは草丈が1m以上と大きくなるので、開花株はあまり園芸店に出回ることが無いですし、あったとしても、とても高価です。また背が高いので、花茎が折れないように運ぶのも大変です。苗から育てると、10分の1程度のコストで済みます。

何よりも、ジギタリスのような大型の草花は、成長も早く、豪華に咲いてくれるので育てるのが楽しいですね。

土づくり

まず、ポット苗を購入したら、花壇に植えますが、我が家は花壇を作るスペースがないので、大きめの鉢に植え替えます。花壇に植える際は、40~50cm間隔を空けて植えるとよいでしょう。さて、鉢植えに使用する用土ですが、毎年かなりの量の用土が必要になるので、冬に前年の用土を再生し、腐葉土、鶏糞、マグアンプを加えた、オリジナル用土をブレンドして用意します。庭にブルーシートに広げて、それぞれ適量混ぜる作業をします。

土づくりについては、こちらの記事を参考に。

ジギタリス
ベンチを花で囲むようにジギタリスの鉢植えを左右に配置。

鉢植えのいい所は、移動できること。開花してから、他の植物とのバランスを考えながら、飾りたいところに動かして、組み合わせたり置き換えたりが自由にできます。この作業も楽しみの一つです。

ジギタリス
左写真がポットから移植した直後。1カ月で1鉢が右写真のように成長します。

苗の植え替えは、7号鉢に2株ずつ植え付けていきます。理想的には、もう少し大きな鉢がいいかも知れませんが、我が家は場所が限られているので、鉢を小さくして、液肥をマメに与えるようにしています。

ジギタリスの庭

日当たりのよい場所で育てると、植え付けて2カ月ほどの4月末には開花します。

半日陰でも育つといわれていますが、やはり十分な日照の方がしっかりした苗になり立派な花が開花します。

花穂が上がってきたら、支柱を挿して紐でしっかり固定したほうが安心です。花茎にたくさんのつぼみをつけるので、雨の重みや突然の強風で花穂が折れてしまうことがあります。

ジギタリス

栽培20年の経験のなかで、地植えで夏越しに成功したことはありますが、大抵の場合、6月頃に枯れてしまいます。ごく稀に、根元から子株が出て咲くこともあります。

ジギタリス
ジギタリスの種子袋。Lacey Dent/Shutterstock.com

もし、毎年育てたいのならば開花後にそのままにしておくと種子ができるので、採種します。そして、秋に播いて育てる方法もあります。耐寒性は充分あるので、温室なしでも育てることが可能ですが、正直なところ手間暇のかかる作業です。

ジギタリスとバラ

豪華なジギタリスを咲かせるためには難しい栽培テクニックは必要ありません。苗を見つけて鉢に植え替え、液肥を施せば、2カ月の短い期間で開花が望めます。初夏の豪華な庭を夢見て、今からでも苗を見つけて育ててみませんか。

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