スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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ガーデン

【参加者募集中!】都立公園を花で彩るコンテスト「第4回 東京パークガーデンアワード 夢の島公園」応募方法
東京パークガーデンアワードとは 写真(上)は、「第1回 東京パークガーデンアワード 代々木公園」のコンテストが開催される以前の様子。オリーブなど既存の樹木はそのままに、芝地が整地されてコンテストの花壇エリア(写真下)が作られました。コンテスト期間中、東京の最新ガーデンが見られるスポットとして多くの人々が訪れました。 2022年にスタートした「東京パークガーデンアワード」は、都内の公園を舞台に、新しい発想を活かした花壇デザインを競うコンテストで、2022年には代々木公園、2023年は神代植物公園で開催。今年は、砧公園を舞台に開催中です。東京都が主催し、12月の作庭から翌年11月のファイナル審査まで約1年かけて行われているガーデンコンテストです。 「第2回 東京パークガーデンアワード 神代植物公園」で開花した多数の宿根草。ロングライフ・ローメンテナンスをテーマに選ばれた植物は、3月から11月の間、バトンタッチをするように花壇を彩りました。なかには3〜4カ月もの期間咲き続けた種類も。 このコンテストの最大の特徴は、宿根草を活用した「持続可能なガーデン」をテーマにしていること。デザインに加え、植物や土壌に関する確かな知識やノウハウが求められる、今までのものとは一線を画すガーデンコンテストとして注目されています。 「第2回 東京パークガーデンアワード 神代植物公園」でグランプリを受賞した「Grasses and Leaves, sometimes Flowers ~草と葉のガーデン〜」季節の変化。 書類審査を通過した5名の入賞者には、抽選によって割り当てられた区画に、それぞれのガーデンを制作いただきます。そして、植物が成長をスタートした4月中旬に「ショーアップ審査(春の見ごろを迎えた鑑賞性を審査)」を、7月中旬には「サステナブル審査(梅雨を経て猛暑に向けた植栽と耐久性を審査)」を、11月上旬には「ファイナル審査(秋の見ごろの鑑賞性と年間の管理状況を審査)」という、3回の審査を経てグランプリが決定します。 第4回コンテスト会場とテーマ コンテストの舞台となる東京都江東区にある夢の島公園は都心から近く、東京湾に浮かぶような立地の都立公園です。 かつてのごみの埋め立て地を緑豊かな海辺の公園へと変貌させた「都市再生のモデル」となる公園でもあります。 園内にはユーカリ、デイゴ、ヤシなど熱帯・亜熱帯植物が生育し、熱帯植物館やスポーツ施設、マリーナ、広大な 芝生広場を備え、訪れる人々に南国リゾートの雰囲気を感じさせてくれます。 今回のテーマは「海辺のサステナブルガーデン」です。 東京パークガーデンアワードが実施されるエリア(熱帯植物館西側の グリーンパークの一画)は、公園のシンボル樹であるユーカリの樹林地に面しています。ユーカリの木々を背景に広がるウェーブガーデン(波をイメージしたダブルボーダーの花壇)に、海辺という環境に適した宿根草を使い、持続可能なガーデンを制作していただきます。 ガーデン制作費として最大180万円支給 「第2回 東京パークガーデンアワード 神代植物公園」2023年12月作庭時の様子。 書類審査を通過した5名の入賞者には、植物代などガーデン制作にかかった材料費として最大180万円が支給されます。今年は花壇面積が約24㎡と、例年に比べ小さく、ご参加いただきやすくなっています。 【審査基準】公園の景観と調和していること/公園利用者の関心を得られる工夫があること/公園利用者が心地よく感じられること/植物が会場の環境に適応していること/造園技術が高いこと/四季の変化に対応した植物(宿根草など)選びができていること/「持続可能なガーデン」への配慮がなされていること/メンテナンスがしやすいこと/テーマに即しており、デザイナー独自の提案ができていること/総合評価※各審査は別途定める規定に従い、審査委員による採点と協議により行われます。 「第3回東京パークガーデンアワード砧公園」審査の様子。第4回の審査員は、福岡孝則さん(東京農業大学地域環境科学部 教授)、正木覚さん(環境デザイナー・まちなか緑化士養成講座 講師)、吉谷桂子さん(ガーデンデザイナー)、本木 一彦さん(東京都建設局公園緑地部長)、植村敦子さん(公益財団法人東京都公園協会 常務理事) 「第4回 東京パークガーデンアワード 夢の島公園」応募方法 【申込者について】 ・一般市民、企業・団体、学生などを含め、プロ・アマ、国籍を問わず応募できます。・グループでの応募の場合は、必ず代表デザイナー1名を決めてください。・応募は1名(1団体につき)1件までとします。・定められた期間にガーデン制作やメンテナンスを行なっていただきます。 【ガーデン制作について】 ・ガーデン制作エリアは、「グリーンパーク」内です。 ・ユーカリの樹林地を背にしたエリアです。・ 重機の使用はできません。・ 植物代などガーデン制作にかかった材料費について180万円(税込)を上限に支給します。 ・ガーデン制作は2025年12月15日(月)〜12月19日(金)の5日間の中で行っていただきます。 以降、メンテナンスを行う中で補植も可能です。 【応募に必要な書類】 ・申込書・平面設計図・デザイン画(様式不問) 過去のコンテストガーデンをチェック!
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園芸用品

植物の水やりを快適に! ラクに・効率的に・無駄がない「神アイテム」3選|プロも実践新水やり術
水やりが“試された”残暑の庭事情 今年の夏は、暑さがレベチ。40℃に達するような猛暑日が続き、全国各地で水田や農作物が干上がる被害が発生。また、ダムの貯水量が大幅に低下し、子ども達が楽しみにしているプール営業を中止する自治体まで出ているほどです。 さらに、環境省の「熱中症予防情報サイト」や気象庁のWBGT指数によると、8月下旬から9月上旬も厳しい残暑が続く見込みです。そんななか、私たちの庭やベランダ、室内の観葉植物にも、水不足の影響がじわじわと及び始めています。 庭や畑では… 枯れ始めたトマトの苗。VVVproduct/Shutterstock.com 強烈な日差しと乾燥で、キュウリやトマトなどの夏野菜の収穫が早く終わった 毎日水やりしていても、鉢植えや花壇の植物がチリチリに 水やりが追いつかず、「枯らしてしまった…」という声も 室内では… Tatiana Diuvbanova/Shutterstock.com エアコンによる乾燥で観葉植物の葉先が枯れ込んでいる 風通しの悪さと乾燥でハダニが発生 葉水が必要だとわかっていても、つい後回しにしてしまう さらに、留守中や旅行中は、「水やりどうしよう…」という不安がつきまといます。 今こそ、水やりを“ラクに・効率的に・無駄なく”見直すとき 水の確保が社会全体の課題となる中、限られた水を賢く使う工夫が、私たちのガーデニングにも求められています。 水不足でも植物を守る、プロやガーデナーの工夫とは? バラの株元をリシマキア‘オーレア’、タイムなどを這わせて、乾きを防止。造園家、阿部容子さん施工の庭。 朝夕の涼しい時間帯に水やりを行う 鉢の表面にマルチング材やグラウンドカバープランツを活用して乾燥を防ぐ 土の配合を保水性の高いものに変える(ピートモス、バーミキュライトなど) 鉢植えは直射日光を避け、日陰や半日陰に移動 室内では葉水で湿度を補い、ハダニ予防も 夏の間だけ給水装置や自動灌水器を設置する工夫も増加中 太田さんが土壌の保水性を上げるために使っている生分解性の有機吸水ポリマー。写真/太田敦雄さん また、園芸家の太田敦雄さんは、自身の園芸店「ACID NATURE 乙庭」でポット苗の用土や植栽工事などで生分解性の有機吸水ポリマーを活用しています。この方法では、 ポリマーが水を吸って膨らみ、土中でじわじわ水分を放出 根にとって必要なタイミングで水が届く 水のムダも手間も減らせて、暑い時期にも植物が元気に育つ という利点があり、植物にも人にもやさしい灌水方法として注目されています。 もちろん、植栽設計の段階から導入されているプロの事例ですが、家庭でも鉢植えや花壇の土に混ぜることで、手軽に応用することが可能です。 温暖化がますます進む昨今は、何も意識せず漫然と「水を与える」のではなく、太田さんの実践のように、「植物が必要なときに、必要なだけ水を使えるようにする」という視点が、これからのガーデニングに欠かせません。 昔ながらの壺「OLLA(オジャ)」は、最先端の灌水ツール 植物が“必要なときに、必要なだけ水を吸える”――それは吸水ポリマーのような土壌改良だけでなく、「給水のしかた」を変えることで実現できる方法もあります。 なかでも、今あらためて注目されているのが、2000年以上前から世界の乾燥地で使われてきた素焼きの壺「OLLA(オジャ)」による自動灌水です。 「OLLA(オジャ)」とは? スペイン語圏で「壺(pot)」を意味する「OLLA(オジャ)」は、素焼きのテラコッタ製の壺を土中に埋め、植物の根に水分を吸わせる伝統的な灌漑技術です。ただの壺のように見えて、じつはすごい機能性を発揮します。それが、「土が乾いたときにだけ」、じんわりと水をにじませてくれる仕組みです。 【OLLAのすごい機能】 土が湿っている間は自動で水が止まる 植物が必要なときにちょうどよく水が届く 水やりの手間も、水のムダもぐっと軽減! 国連食糧農業機関(FAO)やアリゾナ大学の研究でも、水やり効率は通常の5〜10倍とされているほど、超高効率な灌水法なんです。 OLLAの“必要なときだけ給水”の仕組み 必要なときだけ給水され、土が湿っている時は水が止まるという仕組みは、テラコッタ(素焼き陶器)という素材に秘密があります。テラコッタは焼き締め温度が低いため、微細な多孔質構造(無数の小さな穴)を持っています。そのため、内部の水はポットの表面を通じてじんわりとにじみ出ます。このにじみ出しは、土壌の乾燥状態に応じて起こるのが特徴です。 イギリスのガーデンセンターに並ぶOLLA。 周囲の土が乾いているほど、水が引っ張られて出ていき、逆に土がすでに湿っていると、外の水分量と壺内の水分量のバランスが釣り合って、水の動きが止まります。これは自然の毛細管現象や浸透圧と同様の原理で、電力・配管・複雑な設備不要で、エネルギーゼロで自律給水できる省エネ構造がSDGs時代に合致し、世界で改めて利用が高まっています。 用途や植物のサイズで選べる1.9Lと4Lの2タイプ 【1.9Lタイプ】 直径40〜60cmほどの鉢や小さな花壇に 約2〜4日分の給水が可能 旅行や週末留守時の水やり代行にぴったり 【4Lタイプ】 中〜大鉢や家庭菜園にも対応 1回の給水で約4〜7日持続(条件による) 直径70〜100cmまでの範囲に水を届けることが可能*実験では、1日あたり400〜800mlの範囲でじわじわ給水されることが確認されています(出典:extension.arizona.edu, nativeseeds.org)。 OLLAの設置はとても簡単です ① OLLAを土に埋めて、口が少し地上に出るように設置② 水を満タンに注ぎ、付属のコルク栓でフタ③ 数日ごとに水量をチェックするだけでOK! コルクを開けてときどき水量をチェック。 OLLAはこんな方におすすめです 鉢やプランターが多くて、水やりに時間がかかる 毎日忙しくて、つい水やりを忘れがち 留守中や旅行前の水やりが心配 水道代や水資源のムダを減らしたい 見た目にもナチュラルで庭になじむ灌水グッズが欲しい 使用者の声「なんでもっと早くOLLAを知らなかったんだろう!」 最初は“ただの壺”にしか見えなかったこのアイテム。でもOLLAの歴史を知り、仕組みを知り、実際に使ってみたら…その便利さにびっくり! 「大きなプランターがぜんぜん乾かない!」「水切れに弱いブルーベリーの鉢植えで重宝!」「朝晩の水やりを1回飛ばしても平気になった」「子どもや高齢の家族でも安心して育てられる」 などの感想も寄せられています。 「エコな暮らし」に、地球の先輩からのヒントを OLLAを活用して、夏も季節の花を楽しもう。 植物の根が欲しいだけ、必要な分だけ。乾いた土が水を“呼び寄せる”OLLAの仕組みは、今こそ見直すべき知恵です。 サステナブルな暮らしのパートナーとして、ぜひこの頼れるサイズをお庭やベランダに取り入れてみてください。 水やり中、ホースで植物を傷めるのを解決する「ホースガイド」という選択 「OLLAのような自動潅水も便利だけど、日常の水やりでも困ってる」という悩みも多いもの。 水やりの際によくある失敗…。 たとえ日々きちんと水やりをしていても、 「ホースが引っかかって大事な草花をなぎ倒してしまった…」「ホースを引っ張った拍子に植木鉢が倒れて割れた…」 そんなもったいない失敗、心当たりはありませんか? じつは、ガーデナーの多くが「ホースの扱い」に地味なストレスを感じており、そのプチストレスを解消してくれるのが“ホースガイド”というアイテムなんです。 ホースの通り道に立てて花を守るホースガイド このホースガイドは、ホースが曲がる場所に立てるだけで、回転するコマ状のパーツがホースの動きをスムーズに誘導。植物をなぎ倒すことなく、庭全体を気持ちよく水やりできるようになります。 しかも見た目は、アンティーク調の鋳鉄製で、上部のモチーフは「カエルの王様」「ジョウロ(左)」「エレガントハート(中)」「ロイヤル(右)」と、オーナメントのように庭に映えるデザイン。「便利グッズなのに可愛い!」とガーデンストーリーの投票でも人気でした。 「ホースが引っかからないだけで、水やりがこんなにラクになるとは!」「見た目が可愛いので、いくつか並べて使いたい」などの声も。 さりげなく庭に溶け込み、仕事はしっかり 地面に差し込むだけの簡単設置 ホースの引っかかりやねじれを軽減 デザイン違いも複数展開(「カエルの王様」「ジョウロ」など) 数本まとめて設置すれば、花壇まわりやアプローチも安心 「見た目重視で選んだのに、こんなに実用的だったなんて」という驚きが、ガーデナーの心をつかんでいます。 葉水で元気をチャージする、ガラス製霧吹き 外の植物だけでなく、室内の観葉植物もこの時期は水分不足に悩まされています。特にエアコンの風が当たる場所では、葉先が枯れたり、ハダニが発生したり。そこで大切なのが、「葉水(はみず)」というケアです。 葉水とは、植物の葉の表面に霧状の水をかけてあげること。湿度を上げて乾燥を防ぐほか、葉面からの水分吸収やハダニ予防にも効果的です。 そんな葉水を習慣づけるために、“気づいたときにすぐ使いたくなる霧吹き”があると、植物との距離がぐっと縮まります。 インテリアとしても美しい「ガラス製霧吹き Blue 3色セット」 この霧吹きは、クラシカルなフォルムの透明ガラス製。光を受けてキラリと輝くブルーのボトルは、窓辺や棚の一角に置くだけで絵になる存在感です。 片手で扱えるコンパクトサイズ 柔らかなミストで葉をやさしく包む 水量がひと目でわかるクリアボトル 丈夫なポリプロピレン製スプレー部分で安心 しかも、微妙にデザインが異なる3個セットなので、お気に入りの植物ごとに使い分けたり、花友さんとシェアしたり、プチギフトにも◎。 「“見える場所”に置けるから、葉水が習慣になった」「可愛いから、つい手に取ってしまう」――そんな声が届いています。 ガーデンストーリーが選んだ「GARDEN STORY Series」 今回ご紹介した便利で美しい水やりアイテムたちは、すべてガーデンストーリーが読者の声を取り入れながら、本気で選んだ“植物との暮らしをもっと心地よくする”ためのセレクションブランド【GARDEN STORY Series(ガーデンストーリーシリーズ)】の中からピックアップしたものです。 このシリーズでは、 ガーデナー視点で厳選した「使いやすさ」「見た目」「植物へのやさしさ」を兼ね備えたグッズ 50アイテムを超える多彩なラインナップ 季節や悩みに合わせた特集形式のおすすめ展開も 今後も、季節の変わり目や植物の困りごとに寄り添うアイテムを、続々ご紹介していきます。 まとめ:水やりを見直すことで、植物も、あなたもラクになる Toeizuza Thailand/Shutterstock.com 水不足が社会的な問題になる中、私たちの小さな庭やベランダでも、「ムダなく、効率的に水を届ける工夫」が求められています。 毎朝バタバタして水やりができない 暑さで鉢がすぐ乾いてしまう 留守中の水やりが心配 室内の観葉植物が元気をなくしている… そんな日々の小さな「困った」を、少しの工夫と“いい道具”でラクにする。それが、ガーデンストーリーが提案するこれからの「水やりのかたち」です。 あなたの植物との暮らしが、もっと心地よくなりますように。
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花と緑

「蘆薈」ってなんて読む? 正解できたらすごい難読植物名漢字【Let’s Try! 植物クイズ】Vol.8
身近な植物!「蘆薈」ってどんな植物? Fumeezz/Shutterstock.com 実際に育てている植物でも、漢字で表記されると案外分からないことが多いもの。普段呼び慣れている名称とは違う名前があったり、意外な漢字が使われていたりと、そこには面白い世界が広がっています。 ここでは、難読といわれる植物の漢字表記の中から、身近な植物に関するものをクイズ形式で出題! 今回のお題は「蘆薈」。あなたはこの漢字が表す植物が分かりますか? ヒント 薬用になる植物として知られ、食用にもなる多肉植物。別名は、医者いらず。 正解は… ↓ ↓ ↓ ↓ ろかい(あろえ) Roger de la Harpe/Shutterstock.com アロエの基本データ 学名:Aloe科名:ススキノキ科属名:アロエ属原産地:アフリカ南部から地中海沿岸、マダガスカル、カナリア諸島和名:ロカイ(蘆薈)別名:医者いらず英名:Aloe開花期:12~2月(種類により異なる)花色:赤、黄、オレンジ、複色形態:多年草(常緑性多肉植物)草丈:2~200cm アロエは多肉植物の一種で、乾燥した砂漠や岩場に自生し、強靭な生命力を持ちます。よく知られているものは、日本でも古くから栽培されているキダチアロエや、食用としてヨーグルトなどによく利用されるアロエベラなど。アロエは現在650種類以上が確認されており、大きく分けると観賞用、薬用、食用のカテゴリーがあります。姿や模様が多様で、特に観賞用のアロエには個性的なルックスのものが多く、コレクターにも人気です。アロエは非耐寒性の種類が多く、日本では冬は屋内に取り込んで管理するのが一般的ですが、中には耐寒性のあるものもあります。性質に合わせ、場所を選んで植栽することで、ユニークな庭演出にも活用できますよ。暑さや乾燥に強いため、近年の猛暑の夏を彩る植物としても魅力です。 「蘆薈」の由来とは? Andi WG/Shutterstock.com アロエは漢字で「蘆薈」と書きますが、これは漢名に由来します。もともとアロエの語源は古代アラビア語で“苦い”を意味する「alloeh」。これを中国では「蘆薈(ろえ)」と表記しました。その後、鎌倉時代もしくは室町時代初期に日本に伝わり、「蘆薈」を音読みして「ろかい」と読むようになりました。つまり、学名や英名と同じ由来なのです。現在も、アロエの和名や生薬名ではロカイ(蘆薈)が使われています。 クイズ一覧はこちら!
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樹木

エンジェルストランペット完全ガイド|豪華な花と育てるコツ・危険な毒性まで
エンジェルストランペットの基本情報 volkova natalia/Shutterstock.com 植物名:エンジェルストランペット学名:Brugmansia英名:Angel’s Trumpet、Brugmansia和名:キダチチョウセンアサガオ(木立朝鮮朝顔)その他の名前:ブルグマンシア、エンゼルトランペット、ダチュラ科名:ナス科属名:ブルグマンシア属(キダチチョウセンアサガオ属)原産地:熱帯アメリカ形態:常緑性低木 エンジェルストランペットは、ナス科ブルグマンシア属(キダチチョウセンアサガオ属)の花木です。以前はダチュラ属に分類されていたため、今でもダチュラと呼ばれることがあります。原産地は熱帯アメリカで、寒さに弱く、最低気温が0℃以下になる地域では冬越し対策が必要です。とはいえ強健な性質で放任してもよく育つので、初心者でも育てやすい花咲く樹木の1つです。また、樹高は1~3mの低木で、あまり大きくなりすぎず扱いやすいのも長所といえるでしょう。注意したいのは、花、葉、樹液すべてに毒があることで、花がら摘みや剪定などを行う際には、ゴム手袋などを着用して作業する必要があります。 エンジェルストランペットの花や葉の特徴 54613/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:5〜11月樹高:1〜3m耐寒性:やや弱い耐暑性:普通花色:白、ピンク、オレンジ、黄 ラッパ形の大きな花が下向きに咲くのが特徴で、花径は25~30cm。開花期は5~11月で、花色は白やピンク、オレンジ、黄色などがあります。数輪ずつ連なって咲く姿は迫力があり、大株に育つと一度に50~100輪もの花が咲くことも。品種によっては夕方から香りを漂わせるものもあります。花が終わった後には、トゲをまとった丸い実がつき、熟すと果皮が割れて中の種子を飛ばします。葉は10~20cmの楕円形で先が尖り、縁はギザギザとした鋸歯になっています。本来は常緑ですが、寒いと落葉して枝が枯れます。霜や凍結に注意すれば、地上部が枯れても株自体は生きていて、春に暖かくなると株元から新しく芽を吹きます。 植物全体、特に根や種子に強い毒性があるため扱いには注意が必要です。 エンジェルストランペットの名前の由来と花言葉 Sanatana/Shutterstock.com エンジェルストランペットは、当初チョウセンアサガオとして日本に伝わりました。チョウセンアサガオ属(ダチュラ属)に分類されていたので「チョウセンアサガオ」「ダチュラ」などと呼ばれることもありますが、現在は草本性で主に一年草のものをダチュラ(チョウセンアサガオ)、木本性で複数年生育するものをブルグマンシア(キダチチョウセンアサガオ)として区別し、近年はほとんど英名の「エンジェルストランペット」で流通するようになっています。学名はブルグマンシアですが、かわいらしい響きのエンジェルストランペットという名が浸透しており、学名ではあまり流通していません。エンジェルストランペットという名前の由来は、淡い黄色いラッパ形の花が、天使の持つトランペットのように見えることからといわれています。 エンジェルストランペットの花言葉は「愛嬌」「偽りの魅力」「変装」「あなたを酔わせる」など。「愛嬌」はかわいらしい花の姿をイメージしたもの。「偽りの魅力」や「変装」は、愛らしい花姿ながらも毒を持つことに由来します。「あなたを酔わせる」は、エンジェルストランペットが持つ毒に幻覚作用があるためです。 ラッパ形の花を咲かせるほかの植物 エンジェルストランペット以外にも、ラッパ形の花を咲かせる植物はたくさんあります。そのうち魅力的な花を2つご紹介しましょう。 チョウセンアサガオ(ダチュラ) ediy van de moel/Shutterstock.com チョウセンアサガオは、エンジェルストランペットと同じナス科で花姿も似ていますが別種で、ナス科チョウセンアサガオ属に分類されています。ガーデニングで広く栽培されるのは主に一年草ですが、多年草もあり、各地で野生化したものも見られます。チョウセンアサガオは大きなラッパ形の花を咲かせますが、花が下にぶら下がるエンジェルストランペットとは異なり、花が上を向いて咲きます。エンジェルストランペット同様に毒があるため、取り扱いには注意が必要です。 テッポウユリ Takakophoto/Shutterstock.com テッポウユリは、ユリ科ユリ属で日本の固有種です。開花時期は6~8月で、直径10~15cmのラッパに似た白い花を咲かせます。甘い香りを放ち、数輪咲く様子も豪華で海外でも人気。地植えにしている場合は2年に1回は植え替えが必要ですが、連作を嫌うので、球根を掘り上げたら前年と同じ場所には植え付けないようにしましょう。 エンジェルストランペットの栽培12カ月カレンダー 開花時期:5〜11月植え付け・植え替え:4〜6月肥料:4〜10月 エンジェルストランペットの栽培環境 imageBROKER.com/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みます。日照が不足すると花つきが悪くなるので注意してください。ただし、夏は半日陰のできるだけ涼しい場所に置くか、遮光するとよいでしょう。 【日当たり/屋内】戸外での栽培が基本です。 【置き場所】有機質に富んで水はけ・水もちがよく、肥沃な土壌を好みます。強風が吹きつける場所では葉や花が傷みやすくなるので、風の通り道となる場所は避けたほうが無難です。また、生育旺盛で大きくなりやすいため、スペースを確保して植え付けます。 耐寒性・耐暑性 エンジェルストランペットは、寒さにはやや弱く、耐寒性は0〜マイナス3℃。ほとんど凍結することがない暖地であれば戸外で越冬できますが、凍結する寒冷地では鉢栽培にして、季節に応じて適した場所に移動しながら管理するとよいでしょう。また、耐暑性は普通程度にありますが、高山に自生している種が多く、日本の夏の極端な暑さや強い日差しに弱いものもあるので、苗についているラベルを確認して適した品種を選ぶようにし、必要に応じて涼しい半日陰に移動したり遮光したりして夏越しさせるとよいでしょう。 エンジェルストランペットの育て方のポイント 用土 blueeyes/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、よく耕しておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の花木用培養土を利用すると手軽です。自身で用土を配合する場合は、赤玉土小粒6・腐葉土2・ピートモス2の割合で混ぜ合わせるとよいでしょう。 水やり Ivanko80/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために枝葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏は、気温が高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に行うと凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。特に開花期は水を欲しがるので、水切れしないように注意しましょう。 肥料 Singkham/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 植え付け時には、元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。 追肥は4〜10月の生育期に、月に1度を目安に緩効性肥料を株の周囲にばらまき、スコップなどで軽く表土を耕し、土になじませます。株に勢いがないようであれば、液肥を施して様子を見守りましょう。 注意する病害虫 nechaevkon/Shutterstock.com 【病気】 エンジェルストランペットに発生しやすい病気は、うどんこ病、灰色かび病などです。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみなどの表面が白く粉を吹いたような状態になり、放置するとどんどん広がるので注意。進行すると光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くならないように注意。発見したら病害部を摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境下で発生しやすく、ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合っていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすいので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は間引いて、風通しよく管理しましょう。 【害虫】 エンジェルストランペットに発生しやすい害虫は、アブラムシ、ハダニなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。 エンジェルストランペットの詳しい育て方 苗の選び方 苗を購入する際は、葉色が鮮やかで、株元がしっかりとしていてぐらつきがないものを選ぶとよいでしょう。 植え付け・植え替え Jurga Jot/Shutterstock.com エンジェルストランペットの植え付け・植え替えの適期は、4〜6月です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、入手したら真夏や真冬を除き、早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも1回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をくずして植え付けます。最後に、たっぷりと水を与えましょう。 地植えの場合、暖地では植えたままにしてもかまいません。熱帯性の花木のため寒さには弱いので、0℃以下になる地域では寒くなる前に鉢に植え替え、暖かく日当たりがよい室内や温室で越冬させてください。 【鉢植え】 8〜10号鉢を準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから花木用の培養土を半分くらいまで入れます。苗木を鉢の中に仮置きし、高さを決めたら、根鉢を軽くほぐし、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 鉢植えの場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して根鉢をくずして小さくし、新しい培養土を使って植え直しましょう。 日常のお手入れ jejim/Shutterstock.com 【支柱の設置】 苗木がまだ幼いうちは、支柱を立てて幹を誘引しておき、強風などによる倒伏を防ぎます。十分に育ったら、支柱を撤去してもかまいません。 【花がら摘み】 エンジェルストランペットの終わった花は、適宜摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 剪定・切り戻し Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com 【芽かき】 地際から出てくる新芽があれば、樹形を乱す原因となるので、全て切り取っておきましょう。 【切り戻し】 開花期間中は、開花が途切れた枝を2〜3節ほど切り戻すと、わき芽が出て再び花芽が上がってきます。 【剪定】 開花が一通り終わり、樹形が乱れていたら、切り戻して仕立て直します。深めに切り戻しても、翌年の生育期に入ると再び枝を伸ばして生育し始めます。 【枯れ枝の整理】 枯れた枝からは新芽を出さないので、越冬したのちの3〜4月に枯れ枝があれば切り取ります。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com エンジェルストランペットは、種まきと挿し木で増やすことができます。 【種まき】 種を採取する場合は、開花の後半になったら花がら摘みをやめて果実をつけさせます。熟すと果実が割れるので、種を採取して乾燥させ、種まきの適期まで保管しておきましょう。 エンジェルストランペットの種まきの適期は、5〜7月です。3号ほどの黒ポットに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れて十分に水で湿らせた後、数粒ずつ播きます。発芽までは乾燥・過湿にならないように適度な水管理をしてください。発芽後は生育のよい苗を1本残して間引き、日当たり・風通しのよい場所で管理します。育苗して根鉢が充実し、十分に育ったら植えたい場所に定植します。 【挿し木】 挿し木とは、枝葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、エンジェルストランペットは挿し木で増やせます。 エンジェルストランペットの挿し木の適期は、5〜8月です。新しく伸びた枝を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。発根後は日当たり・風通しのよい場所に移動し、十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じクローンになることです。 エンジェルストランペットの毒性とは Shulevskyy Volodymyr/Shutterstock.com エンジェルストランペットが持つ毒にはアルカロイド系の成分が含まれ、一定量以上摂取するとせん妄や幻聴・幻覚を起こし、ひどい場合は意識障害や呼吸困難に至るとされています。 また、切り口から出る汁が皮膚に付着すると炎症を起こし、目に入ると失明の可能性もあります。手などに傷がある時は触らないようにし、剪定などの作業の際には必ずゴム手袋を着用してください。子どもやペットがいる家庭では、十分に注意して管理しましょう。 果実やつぼみをほかの野菜と間違えて食べ、中毒を起こす事例も発生しています。つぼみはオクラに、葉はモロヘイヤに、根はゴボウに似ているため、誤認を防ぐためにもこれらの野菜をそばで育てないようにしてください。 エンジェルストランペットの見事な花を咲かせよう! Konstantinos Livadas/Shutterstock.com ラッパ形の花として知られるエンジェルストランペットは、大ぶりな花がたくさんつき、とてもゴージャスなシーンを作り出してくれます。自宅で育てる場合は、強い毒に注意してメンテナンスし、華麗な咲き姿を楽しみましょう。
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宿根草・多年草

夏の花壇やグラウンドカバーに最適! メカルドニアの魅力と育て方完全ガイド
メカルドニアの基本情報 Traveller70/Shutterstock.com 植物名:メカルドニア学名:Mecardonia英名:Mecardonia、Axilflowerなど和名:キバナオトメアゼナその他の名前:アメリカシソクサ科名:オオバコ科属名:メカルドニア属原産地:アメリカ大陸 形態:宿根草(多年草) メカルドニアは、オオバコ科メカルドニア属の植物です。もともとは多年草ですが、寒さに弱いため日本では一年草として扱われることが多いです。暑さや乾燥に強く、管理も簡単なので、夏花壇で人気が高い花です。 原産地は北南米で、草丈は5~15cm。匍匐(ほふく)して横に広がり、垂れ下がる性質もあるので、ハンギングバスケットやグラウンドカバーにおすすめです。 メカルドニアの花や葉の特徴 Sutana4/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:5~10月草丈:5~15cm耐寒性:弱い耐暑性:強い花色:黄 メカルドニアの花期は5~10月までと長く、夏も休まずに咲き続けます。花径は約1cmで、筒状の黄色い小さな花が次々と咲きます。白い花を咲かせる品種もありますが、ほとんど流通していません。花がらが自然に落ちるため、花がら摘みの手間が少なくローメンテナンスなのも魅力です。這性で茎が横に伸びて広がり、開花期には黄色いじゅうたんのように見えます。 メカルドニアの名前の由来や花言葉 FrentaN/Shutterstock.com メカルドニアという名前は、スペインの植物園設立に寄与したアントニオ・メカイ・カルドナ(Antonio Mecay Cardona)に由来します。また、メカルドニアの代表品種の1つである‘ゴールドダスト’は、小さい黄色い花を砂金に見立てて名付けられました。 花言葉は「知性」「思い続ける」など。「思い続ける」という花言葉は、花期が5~10月と長いことが由来とされています。 メカルドニアの代表的な品種 VarnakovR/Shutterstock.com メカルドニアにはいくつかの品種がありますが、ガーデニングでも人気の代表的な品種を一部ご紹介します。 ゴールドダスト Oksana_Ashurova/Shutterstock.com ‘ゴールドダスト’は、耐暑性・耐雨性・耐病性が高くなるよう改良された品種です。メカルドニアは一般的に6月頃から開花しますが、‘ゴールドダスト’は4~5月から咲く早咲き品種です。 モンフレール Nokzd/Shutterstock.com ‘モンフレール’は、耐寒性を強くした品種です。寒冷地でも工夫次第で地植えで冬越しできるため、寒冷地でメカルドニアを育てるならおすすめです。花径は1~1.5cmと小さめですが、鮮やかな黄色い花を次々に咲かせます。 メカルドニア・プロカムベンス Awali Kriswanto/Shutterstock.com 黄色い花を咲かせる品種で、一般に出回っている園芸品種の多くがこのプロカムベンスを改良親にしたものと考えられています。和名のキバナオトメアゼナはこの種を指し、外来種ですが沖縄に帰化しています。 メカルドニアの栽培12カ月カレンダー 開花時期:5~10月植え付け:4~6月 肥料:6~10月 メカルドニアの栽培環境 Saeedatun/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みます。特に日当たりのよさは重要で、半日陰で育てると花が咲かないこともあります。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】横に這うように広がるので、グラウンドカバーやハンギングに向きます。冬越しに挑戦する場合は、冬は寒風が当たらない場所に移動して管理しましょう。 耐寒性・耐暑性 メカルドニアの耐寒性は0℃程度と寒さに弱く、日本では一年草扱いされることが多いです。暑さには強く、特に対策をしなくても夏も花が咲き続けますが、夏前に切り戻しをするとよりきれいに夏越しできます。 メカルドニアの育て方のポイント 用土 Pixel-Shot/Shutterstock.com 水はけのよい土壌を好みます。鉢植えの場合は、市販の培養土で問題なく育ちます。自作する場合は、赤玉土と腐葉土を7:3で混ぜるとよいでしょう。 水やり topseller/shutterstock.com 地植えでは降雨に任せれば十分ですが、雨が降らない日が続き過度に乾燥しているときは水やりをして補います。鉢植えでは、表土が乾いたら鉢底から流れ出すまで、たっぷり水を与えます。植え付け後にしっかり根付くまでは、しおれているようなら水を与えましょう。 肥料 fotohunter/Shutterstock.com 植え付け時に、元肥として緩効性肥料を混ぜ込んでおくとよいでしょう。その後は月に1~2回のペースで液体肥料を与えます。ただし、多肥にするとかえって花付きが悪くなるため、あまり頻繁に施したり、たくさん与えないようにしましょう。 注意する病害虫 病害虫には比較的強いですが、過湿によるカビや根腐れには注意が必要です。 メカルドニアの詳しい育て方 Kaprisova/Shutterstock.com 苗の選び方 苗を購入する際は、株元の茎葉が枯れ込んだものや徒長したものは避け、つぼみがたくさんついた生き生きとした株を選ぶとよいでしょう。 植え付け・植え替え Snehalata/Shutterstock.com メカルドニアの植え付けの適期は、苗が出回る4~6月です。暑くなる前にしっかり根付いていれば、夏も元気に生育します。横に広がる性質があるので、株間をある程度あけて植え付けるとよいでしょう。 また、関東地方以西の平野部などの暖地では、戸外で冬越しできることもあります。冬越しできた株は春に1回り大きな鉢に植え替えるか、株分けして同じ大きさの鉢に植え替えましょう。 日常のお手入れ kaiwut niponkaew/Shutterstock.com 【花がら摘み】 咲き終わった花は自然に落ちる性質があるので、花がら摘みは必要ありません。 【切り戻し】 伸びすぎて草姿が乱れている、枯れ枝が目立つ、花上がりが悪いといった状態になったら、切り戻して整えます。これによりわき芽が増えてふんわりと成長し、風通しもよくなります。 冬越し Bowonpat Sakaew/Shutterstock.com メカルドニアは寒さに弱く、日本では一般に一年草として扱われますが、冬越しに成功すれば翌年も花が楽しめます。品種によってはある程度耐寒性が強く、寒冷地でも冬越しができるものもあります。冬越しに挑戦する場合、鉢植えなら霜があたらない軒下に移動するか、室内に取り込みます。地植えの場合も、不織布などで防寒するとよいでしょう。冬に地上部が枯れても、春になるとまた株元から新しい芽を出すことがあります。 増やし方 shihina/Shutterstock.com メカルドニアは株分けや挿し芽などの方法で増やすことができます。 【株分け】 メカルドニアの株分けの適期は4月頃で、植え替えと同時に行うと効率よく作業できます。掘り上げた株を適当な大きさに割り、別の鉢や花壇などに植え付けます。挿し芽よりも株分けのほうが成功しやすいです。 【挿し芽】 Khandaker Rashid/Shutterstock.com メカルドニアの挿し芽の適期は、5~6月または9月です。茎を3節ほどカットして下の節の葉を取り、挿し穂にします。挿し芽用の土に挿してたっぷり水やりし、発根を待ちます。秋に挿し芽をする場合はポットのまま越冬させ、春に定植するとよいでしょう。 メカルドニアが真っ黒になったときの対処法 冬になると、メカルドニアの茎が墨のように真っ黒に覆われることがあります。この状態は枯れたように見えますが、まだ生きている可能性があります。 冬越しに成功すると、真っ黒な茎の中から新しい葉や花が現れ、春には充実した株になります。したがって茎が真っ黒になってもすぐに廃棄せず、防寒対策をして春まで様子を見ることをおすすめします。 メカルドニアの楽しみ方 Fauzanil Azmy/Shutterstock.com メカルドニアの花は小さいですが、花つきがよく一面に黄色い花を咲かせるため、単体で植えても見応えがあります。鉢や花壇に植えるのはもちろん、匍匐するように伸びる性質のため、ハンギングやグラウンドカバーなどにも向いています。 ハンギングバスケット Travel Addicts/Shutterstock.com ハンギングバスケットは、吊り下げるタイプのプランターに植物を植えて楽しむ園芸手法で、地植えする場所がなくても育てることができ、目の高さで花を楽しむことができます。メカルドニアの黄花が空中でもアクセントになることでしょう。 ハンギング用のスリットが入ったバスケットなら、スリット部分に苗を差し込むことで簡単に植えられます。スリットバスケットにスポンジシールを張り、土を入れてから、植える植物を適度に配置しながら植えていきます。最後に土が流れないように水苔を張り、水やりをします。 ハンギングバスケットは風通しがよく乾燥しやすいので、毎日の水やりを忘れずに管理しましょう。 グラウンドカバー TomNovok/Shutterstock.com グラウンドカバーとは、這って広がる性質の植物を選んで地表を隠すように育てる栽培方法で、花色や葉色によって地面が明るくなる効果や雑草が生えるのを防ぐ利点もあります。メカルドニアは丈夫で広がるように育ち、花がよく咲くので、地面の空いているところなどを覆い隠すグラウンドカバーに向いています。日当たりのよい場所ならローメンテナンスでよく育ち、手軽に楽しむことができます。 ただし、寒冷地では屋外で越冬するのが難しいため、一年草と割り切って育てたほうが管理の負担が軽減されます。 メカルドニアは管理しやすくおすすめの花 Marty Feussner/Shutterstock.com メカルドニアは夏の暑い時期にもたくさんの黄色い花が楽しめ、丈夫であまり管理のいらない植物です。プランターなどに植えるだけでなく、ハンギングやグラウンドカバーにもおすすめ。ぜひお好みの植え方で庭を彩ってみてはいかがでしょうか。
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暮らし

365日、花と暮らす幸せ。めくるたびインスピレーションが湧く「美しい庭」の『ガーデンストーリー』カレンダー
花と暮らそう! 庭を彩る旬の植物を12カ月愛でる『ガーデンストーリー』のカレンダー 春のスノードロップやスイセン、初夏のバラ、梅雨のアジサイ……。その月に一番輝く花々に彩られた12のガーデンシーンを厳選した、庭を愛するあなたのための2026年カレンダーです。 めくるたび、庭と暮らす時間が増える 窓の外に“こんな景色があったらいいな”という憧れのガーデンシーンのなかには、庭で育てられる人気のガーデンプランツが登場。いつか育ててみたい、咲かせてみたいを集めた写真を365日眺めていると、花と緑と暮らす感覚が味わえ、庭づくりのインスピレーションが湧いてきます。 【各月のテーマ】 1月 スノードロップとプリムラ 【春の兆しを感じさせる早春の花を愛でて新年を明るく迎えよう】2月 クロッカスとアネモネ 【球根の芽出しの緑と小さな花の開花で知る春の足音】3月 クリスマスローズ 【木陰で年々花数を増やす宿根草の生命力に元気をもらう】4月 チューリップとハナリンゴ 【春本番を告げる無数のピンク花と瑞々しい新緑】5月 オールドローズ 【丹精した薔薇が一斉に咲き競い香り漂う季節を味わうひととき】6月 アジサイ 【青花の紫陽花を側に眺めて果実の甘みに癒やされる庭仕事の休憩タイム】7月 トマトと夏の花々 【色づくトマトの収穫を日々楽しむ夏色の庭空間】8月 ヒマワリとホオズキ 【暑さに負けず咲く花が日陰の空間に彩りを添える夏の午後】9月 ジニアとアキレア 【秋のガーデニングシーズン到来で来春に思いを馳せる】10月 パンパスグラスとダリア 【秋の陽光に輝く花々に刺激を受けて庭仕事に没頭する晩秋】11月 紅葉とアスター 【色とりどりの葉が舞い散り秋色に染まる庭シーズンのフィナーレ】12月 モミの木 【雪が降り積もり白樺やモミがアクセントに浮かび上がる静かな冬時間】 月々発見がある仕掛けつき! ◾️月々掲載の二次元コードを読み取ると、さらに詳しい植物情報がwebで得られる仕掛けつき◾️カレンダーページは水性ペンでも弾かず書き込める◾️書き込みスペースが広く使い勝手がよい◾️それぞれの月に翌月のカレンダーがついていて便利◾️最終ページにガーデンシーンの解説と植物名つき これらの魅力に加えて、二十四節気や月の満ち欠けといった季節のリズムを捉えた暦の情報も掲載。見ごろの花の育て方や採取したものを活用する方法など、植物を楽しむ月々のヒントも参考にしながら、季節に合わせた庭仕事の計画に役立つカレンダーです。 このカレンダーとともに、来るべき季節を心待ちに、花と緑あふれる心豊かな一年を始めませんか? 2025年9月3日より全国書店orネット通販にて発売中 『ガーデンストーリー』植物と暮らす12カ月の楽しみ 2026 Calendar 構成・文・制作:ガーデンストーリー発行:KADOKAWA価格: 1,540円 (本体1,400円+税)判型:B4判 ページ数:28 壁掛け時:幅36.4×縦51.4cm発売日:2025年09月03日 ISBN:9784048979375 ●お求めは、お近くの書店または、Amazon.co.jp、楽天ブックス、KADOKAWA公式オンラインショップにて発売中! 以下のバナーからお取り寄せいただけます。 【Amazon.co.jp限定】と【楽天ブックス限定デジタル特典】では、ガーデンストーリー編集部が撮影した、数々のガーデンシーンの美しい写真の中から珠玉の2枚をセレクト。花咲く風景のスマホ用壁紙データが特典で付きます。花と緑の写真で、スマホの画面からも癒やされてください。 『ガーデンストーリー』 2026 Calendarを抽選で10名様にプレゼント ※締め切りました ガーデンストーリー初の壁掛けカレンダーの発売を記念して、『ガーデンストーリー』植物と暮らす12カ月の楽しみ 2026 Calendarを10名様にプレゼント。応募締切は8月20日(水)。以下の応募フォームに必要事項をお書き添えの上ご応募ください。ご応募お待ちしております! ■締切 2025年8月20日(水)終日。 ■当選発表 厳正なる抽選を行います。当選発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。 ■賞品の発送 2025年9月3日(水)以降に発送いたします。
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猛暑に負けない花壇!「第3回 東京パークガーデンアワード 砧公園」の『サステナブル審査』を迎えた、5人の庭と審査の様子をご紹介
年3回審査を行うガーデンコンテスト「東京パークガーデンアワード」 “グランプリ”、“準グランプリ”、“審査員特別賞”と、最終的な結果が決まるまでに4・7・11月の3回に渡り審査が行われますが、ガーデンの施工から8カ月ほどが経過した今回、2回目となる『サステナブル審査』が行われました(梅雨を経て猛暑に向けた植栽と耐久性を審査します)。審査期間:2025年7月10日~16日。 審査員は以下の5名。福岡孝則(東京農業大学地域環境科学部 教授)、正木覚(環境デザイナー・まちなか緑化士養成講座 講師)、吉谷桂子(ガーデンデザイナー)、本木一彦(東京都建設局公園緑地部⻑)、植村敦子(公益財団法人東京都公園協会 常務理事) 【コンテスト審査基準】丈夫で長生きする宿根草・球根植物(=多年草)を中心に季節ごとの植え替えをせず、季節の花が順繰りに咲かせられること/公園の景観と調和していること/公園利用者の関心が得られる工夫があること/公園利用者が心地よく感じられること/植物が会場の環境に適応していること/造園技術が高いこと/四季の変化に対応した植物(宿根草など)選びができていること/「持続可能なガーデン」への配慮がなされていること/メンテナンスがしやすいこと/テーマに即しており、デザイナー独自の提案ができていること/総合評価※各審査は別途定める規定に従い、審査委員による採点と協議により行われます。 今回の評価のポイントは主にガーデンの耐久性で、「梅雨を経て、猛暑に向けた植栽がなされ、秋まで庭が維持されるような持続性が考えられているか」。しかし、単に猛暑に耐える庭であることだけが重要ではなく、「植物個々の特性・魅力がしっかり見せられているか」、「葉や花の組み合わせがデザイン的に美しいか」、そして今回のテーマ、「訪れる人々の五感を刺激し、誰もが見ていて楽しいと感じる要素を取り入れた“みんなのガーデン”が表現されているか」などの項目も含めて評価されています。※年によって気象条件が変わるため、開花の時期がずれていても評価に影響しません。※今回行われた審査結果の公表はありません。 7月のショーアップ審査を迎えた5名のガーデンをご紹介 コンテストガーデンAGathering of Bouquet 〜庭の花束〜 【作品のテーマ・制作意図】 皆さんの日常に癒やしや潤いを届けたいという願いを込め、プランツ・ギャザリングの視点で、ガーデンをひとつの大きなブーケに見立ててデザインを構成しました。動物たちが次の訪問者のために心遣いを残していく絵本から着想を得て、あらゆる世代の方が見て触れて、香りなどを楽しめるように、花の形や手触りがおもしろいものを用いた植栽計画をしています。ぜひ手に取って、お気に入りの植物を見つけてください。たくさんの感動や気づきが新たな会話を生み、笑顔になるシーンが増えますように。 【7月中旬(審査当日)の様子】 審査時の見どころ マツやケヤキなどが作る日陰などの外的要因によく合わせられた植栽。美しくまとめられた配植のバランスは絵画的。春に引き続き、絶妙な足し算と引き算でまとめられたガーデンからは高い技術力が伺える。 開花期を迎えていた植物 ユーパトリウム‘ベビージョー’、ルドベキア ‘フラメンコ・ブライトオレンジ’、ルドベキア ‘フラメンコ・バニラ’、アガパンサス‘エバーホワイト’、エキナセア・マグナス‘スーペリア’、アジサイ‘アナベル’、アガスターシェ‘モレロ’、ヘリオプリス ‘ブリーディングハーツ’、エキナセア ‘サンシーカーズ レインボー’ など コンテストガーデンBCircle of living things 〜おいでよ、みんなのにわへ〜 【作品のテーマ・制作意図】 季節によってカラーリングが変化する植物や、実をつけて味わい深い風景を作ってくれる植物に集まる多様な生き物たち。そして各所に配置したサークルネストはそんな生き物たちの拠り所に。命の循環というキーワードをもとに植物だけではなく生きとし生けるものたちの集まる「庭」をテーマにデザインしました。人間だけに限らず、あらゆる生き物たち「みんな」にとっても楽しめる「命を感じられるガーデン」は「みんなのにわ」となり、命を循環させてゆきます。 【7月中旬(審査当日)の様子】 審査時の見どころ 土壌の栄養がよいのか巨大な葉が見られるなど、整いすぎていないワイルドさが魅力。生物多様性を意識した自然に親しむことができるガーデンは、自然のエネルギーを感じさせ、見ているだけで元気が出てくる。やや日陰を好むアンジェリカ・ギガスがうまいところに植わっていて、形のおもしろさや色彩を際立たせている。 開花期を迎えていた植物 ヘリオプシス‘ブリーディングハーツ’、エキナセア‘ブラックベリートリュフ’、エキナセア・テネシーエンシス、ムスクマロー‘ホワイトパーフェクション’、ユーパトリウム‘マスク’、アンジェリカ・ギガス、バーベナ‘バンプトン’、バーベナ・ボナリエンシス など コンテストガーデンCLadybugs Table 「てんとう虫たちの食卓」 【作品のテーマ・制作意図】 砧公園で暮らす「小さな住人(虫たち)」がこのガーデンを訪れて住みやすいように生態系を意識した植栽のデザインをしています。植栽は、見る場所や角度によって印象が変わるように、カマキリなどの天敵が身を潜められるような複雑さが出るよう工夫しました。植物は、てんとう虫やカマキリの食料となるアブラムシなどが好む「バンカープランツ」や蝶やミツバチたちの蜜源となる植物を植えています。「小さな住人(虫たち)」の生活をそっとのぞき見ることができる場所を目指しています。ここでの小さな体験が、自分の身近な自然環境を考えるきっかけになってもらえたら嬉しいです。 【7月中旬(審査当日)の様子】 審査時の見どころ 高低差やレイヤーで魅せる美しいバランスが印象的。開花させることだけを目的とせず、葉形や幹、茎が全体的にマッチするよう形をうまく生かした配植は、多様な表情を見せ、自然の風景を存分に楽しめる。それぞれの植物の特性に合わせた配置も機能的に考えられている。 開花期を迎えていた植物 ユーパトリウム・マスク、ユーパトリウム‘ベビージョー’、アリウム‘ミレニアム’、アリウム‘サマービューティ’、アリウム‘イザベル’、エキナセア‘メローイエロー’、カノコユリ‘ブラックビューティー’、アンジェリカ‘ビガーズミード’、ペニセタム・カシアン、モリニア‘エデュスダッチェス’、エラグロディス・スペクタビリス など コンテストガーデンDKINUTA “One Health” Garden 【作品のテーマ・制作意図】 ヒトの健康、生きものの健康、環境の保全を包括的な繋がりとして捉えるワンヘルス (One Health)の概念を軸に、それら3つの主体が密接に関わり合う「ワンヘルスガーデン」をつくります。土壌環境を改善し、植物や微生物を豊かに育て、鳥や虫などの地域の生きものを呼び込む。ガーデンの香りや触れ合いを通し、ヒトの健康と安らぎを生み出すガーデンをつくり、いろいろな生きものがやってくる「みんなのガーデン」を実現します。 【7月中旬(審査当日)の様子】 審査時の見どころ 土壌のバクテリアを育てるなど、実験的な取り組みがおもしろい。自然を意識した植栽は、藪の中にいるような気分にさせる。昆虫も多く見られ、“生物多様性”の目標に達成していることが伺える。時間の経過でまとまってくると感じられる絶妙なバランス。 開花期を迎えていた植物 アーティチョーク、オミナエシ、ウスベニアオイ、モナルダ(赤)、ルドベキア‘ゴールドストラム’、クナウティア・マケドニカ、アジサイ‘アナベル’、スモークツリー など コンテストガーデンE「みんなのガーデン」から「みんなの地球(ほし)」へ 【作品のテーマ・制作意図】 私は「みんなのガーデン」を、来園者だけでなく、花を訪れる虫、土壌菌類などの分解者、そして庭の先につながるこの生きた星「地球」の環境といった全ての「生あるもの」をつなげる庭と捉えました。温暖化する東京の気候に合った植物を差別なく組み合わせ、虫や菌たちによる循環系の形成、見るだけでなく庭づくりに参加もできる「みんなのガーデン」。「みんな」が共に助け合いながら、末長く幸せに暮らす世界、生命共存の尊さ・美しさを伝えたい。この想いが、この庭から未来へ・社会へ・地球へと広がっていけば、と考えています。 【7月中旬(審査当日)の様子】 審査時の見どころ カラフルでダイナミック、ポップでパワフル。植物の種類をたくさん入れることを恐れず、植物の可能性を追及するあくなきチャレンジ精神に拍手。つい写真を撮りたくなる見栄えのするパートがいっぱい。人を長時間滞在させる、飽きの来ないガーデンです。 開花期を迎えていた植物 カンナ‘ベンガルタイガー’、ヘレニウム‘モーハイムビューティー’、ネリウム(キョウチクトウ)‘ペティットサーモン’、エリンジウム・ユッキフォリウム、コレオプシス‘ガーネット’、アガスターシェ‘ブルーフォーチュン’、エリンジウム‘ブルーグリッター’、フロックス‘ハーレクイン’、モナルダ‘ファイアーボール’、バーベナ‘バニティ’、サルビア‘ロッキンディープパープル’、バーベナ‘バンプトン’ など <News> オンラインイベント開催&第4回参加者募集 第3回 東京パークガーデンアワードの入賞者によるオンライン座談会イベント開催 現在、都立砧公園にて開催中の第3回コンテストガーデン入賞者5名によるオンライン座談会を2025年8月1日(金)15:30~17:00に開催します。座談会では、自身の応募書類の紹介、植物の調達から造園、メンテナンスまで、参加したからこそ分かる”ナマ”の声をお伝えします。ご視聴のお申し込み(無料)は、以下のバナーをクリック! 「第4回 東京パークガーデンアワード 夢の島公園」の参加者募集! 2022年にスタートしたガーデンコンテスト「東京パークガーデンアワード」が、代々木公園・神代植物公園・砧公園での開催を経て、2025年、夢の島公園で始まります。第4回のコンテストの舞台は、夢の島公園「グリーンパーク」内(東京都江東区)。コンテストのテーマは、「海辺のサステナブルガーデン」です。応募の締め切りは、2025年8月31日(日)18時必着。応募方法など詳細は、以下のバナーをクリック! コンテストガーデンを見に行こう! Information 都立砧公園「みんなのひろば」前所在地: 東京都世田谷区砧公園1-1電話: 03-3700-0414https://www.tokyo-park.or.jp/park/kinuta/index.html開園時間:常時開園※サービスセンター及び各施設は、年末年始は休業。営業時間等はサービスセンターへお問い合わせください。入園料:無料アクセス:東急田園都市線「用賀」から徒歩20分。または東急コーチバス(美術館行き)「美術館」下車/ 小田急線「千歳船橋」から東急バス(田園調布駅行き)「砧公園緑地入口」下車/小田急線「成城学園前駅」から東急バス(二子玉川駅行き)「区立総合運動場」下車駐車場:有料
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「天使のハーブ」アンジェリカの魅力とは? 育て方と活用法を徹底解説!
アンジェリカの基本情報 Elena Odareeva/Shutterstock.com 植物名:アンジェリカ学名:Angelica英名:angelica、garden angelica、wild celery、Norwegian angelicaなど和名:セイヨウトウキ(代表種のアンジェリカ・アルカンゲリカ)その他の名前:エンジェルズプラント科名:セリ科属名:シシウド属原産地:ヨーロッパ、西アジア形態:宿根草(多年草) アンジェリカは、セリ科シシウド属の草花で、学名は流通名そのままのAngelica。本来は多年草ですが、暑い夏を苦手として短命になることが多いため、日本では一般に二年草として流通しています。草丈は120〜200cm、株幅は60〜80cmになるので、庭に植える際は、成長を見越してスペースに余裕をもたせておくとよいでしょう。 Mariola Anna S/Shutterstock.com アンジェリカは北半球を中心に80種ほどが分布しており、日本に自生するノダケやシシウド、アシタバ、ヨロイグサなどもアンジェリカの仲間です。基本的には冷涼な気候を好み、高温多湿の環境を苦手としています。 アンジェリカの花や葉の特徴 Irenestev/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:6〜8月草丈:120〜200cm耐寒性:強い耐暑性:やや弱い花色:白、緑、紫、ピンク アンジェリカの開花期は6〜8月で、花色は白がほとんどですが、中には紫やピンク、グリーンの花を咲かせるものもあります。個々の花はごく小さいのですが、花茎を伸ばした先に集まって咲く繊細なレースのような風情が魅力。楚々とした草姿でナチュラルな雰囲気を持っています。葉は羽状複葉や三出羽状複葉で、品種によってはブロンズ色のシックな葉を展開するものもあり、カラーリーフプランツとしても活躍します。 大型のハーブなので花壇の構造的なアクセントにも。mcajan/Shutterstock.com 西洋では古くからハーブとして利用 アンジェリカの葉。SeDmi/Shutterstock.com 主にヨーロッパではセイヨウトウキ(Angelica archangelica アンジェリカ・アルカンゲリカ)が分布しており、古くからハーブとして利用されてきました。葉を乾燥させてハーブティーにするほか、若い葉はサラダのトッピングや料理の香りづけに。砂糖漬けにした茎はお菓子作りに用いられるほか、根や種子も香りづけに活用できます。 アンジェリカの名前の由来と花言葉 Francesca Leslie/Shutterstock.com アンジェリカという名前は、ラテン語で「天使」を意味する「Angelicus」が由来です。一般にアンジェリカと呼ばれるセイヨウトウキの学名はAngelica archangelica、種小名の「archangelica」も「大天使の」という意味で、大天使ミカエルにちなんだもの。「天使のハーブ」とも呼ばれるのは、昔、疫病が流行して世が荒れた際に天使が修道僧の夢に出てきて、このハーブを摂取すれば疫病に効果があると告げたという言い伝えがあるから。一説には、ミカエルの記念祭に開花することからともいわれますが、いずれもヨーロッパを中心に、古くから薬草として民間療法的に重宝されてきた歴史がうかがえます。 アンジェリカの花言葉は「インスピレーション」「霊感」「優しい憂鬱」「健康美」「旺盛な活動力」などです。 アンジェリカの代表的な品種 セイヨウトウキ。Tom Korcak/Shutterstock.com 一般に、アンジェリカというとセイヨウトウキ(アンジェリカ・アルカンゲリカ)を指しますが、人の手によって交配された園芸品種なども流通しています。代表的な品種をいくつかご紹介します。 アンジェリカ・パシカーパ‘サマーデライト’ アンジェリカ・パシカーパ。demamiel62/Shutterstock.com 草丈80〜100cmで、艶のある葉に明るいライムグリーンの花が咲きます。 アンジェリカ・シルベストリス‘ビカーズミード’ Lidia Kovacs/Shutterstock.com 草丈120〜150cmで、くすんだピンク色の花を咲かせます。茎葉がブロンズ色で、カラーリーフプランツとしても活躍します。 アンジェリカ・ギガス Ole Schoener/Shutterstock.com コリアン・アンジェリカとも呼ばれるように、朝鮮半島や日本の一部地域など、東アジアに分布しています。黒っぽい花茎に、黒みを帯びた濃い赤花がワイルドで目を引きます。国内の流通は少ないですが、欧米のガーデンでは人気の高い植物です。 アンジェリカの栽培12カ月カレンダー 開花時期:6〜8月植え付け・植え替え:10月頃肥料:特になし種まき:10月頃 アンジェリカの栽培環境 Ingrid Maasik/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みますが、明るい半日陰でも育ちます。ただし、日照が不足すると徒長して、ヒョロヒョロと間のびした株姿になるので注意しましょう。また、真夏に直射日光が強く当たると葉焼けして株が傷む恐れがあります。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】土質が酸性に傾くのを苦手とするので、土づくりの際に石灰を散布して調整します。また、乾燥しすぎない土壌を好むので、乾きやすい環境では土壌改良が必要です。 耐寒性・耐暑性 寒さには強く、基本的に特別な防寒対策をしなくても越冬できます。日本の夏の高温多湿が苦手なので、西日が当たる場所での地植えは避け、真夏は鉢上げして半日陰の涼しい場所に移すのも一案です。 アンジェリカの栽培方法のポイント 用土 blueeyes/Shutterstock.com 【地植え】 酸性に傾いた土壌を嫌うので、植え付ける3〜4週間前に苦土石灰を散布して土に混ぜ込んでおきましょう。さらに1〜2週間前に、腐葉土や堆肥などの有機質資材と緩効性化成肥料を投入し、よく耕してふかふかの土をつくっておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで分解が進んで土が熟成し、根張りがよくなります。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。 水やり Afanasiev Andrii/Shutterstock.com 株が蒸れるのを防ぐために株全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏は、気温の高い日中に行うと、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に行うと凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、毎日決まった分量の水やりをすればいいというものでもありません。動物が毎日の食事が必要なのとは違って、植物は適した水分量を保つことが大切です。乾きすぎるとしおれてしまいますし、反対に常にジメジメと湿った状態にしておくと、病気が発生しやすくなり、株も弱ります。土が乾くタイミングは、季節や天候によっても異なるので、まずは土や株の状態を観察しましょう。土の表面が白く乾いていたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。株の水分量が十分なら、茎葉は勢いよく隅々までピンと伸びています。もしも茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 肥料 Sarycheva Olesia/Shutterstock.com 【地植え】 植え付け時に十分な土づくりをしていれば、追肥は不要です。多肥にすると茎葉ばかりが勢いよく茂って株姿が乱れやすくなり、花数も少なくなるので注意します。株の状態を見て、生育に勢いがないようであれば、速効性のある液肥を与えて様子を見てください。 【鉢植え】 開花期に液肥を月に2回ほど与えて、株の勢いを保ちましょう。 注意する病害虫 M.V.Photography/Shutterstock.com 【病気】 アンジェリカはそれほど病気の心配はありませんが、まれにうどんこ病やべと病を発症することがあります。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放置するとどんどん広がるので注意。進行すると光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、感染しやすくなります。発見したら病害部を摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 べと病は糸状菌が原因の病気で、3〜6月または9月下旬〜11月の気温15〜20℃の条件下、かつ気温差が大きい時に発生しやすくなります。葉に黄色みがかった斑紋が現れ、だんだんと広がって枯れ上がっていきます。気温などの条件が揃うと2〜3日で全体に広がってしまうので注意。窒素成分が多い肥料を与えすぎると発生しやすくなります。 【害虫】 アンジェリカに発生しやすい害虫は、アゲハチョウやヨトウムシなどです。 アゲハチョウは春から秋にかけて発生しやすく、主に幼虫が食害します。幼虫が若いうちは黒字に白斑が入る姿でまだ小さく見つけづらいのですが、大きくなると5cmほどのビッグサイズになって姿を現し、ギョッとしてしまいます。若芽や葉を好み、幼虫が大きくなると旺盛に葉に穴をあけて一晩で被害が拡大することもあるので注意。葉の裏表をチェックし、見つけ次第捕殺します。成虫は花の蜜をエサとするので、近くに花が咲く植物を植えないこともポイントです。 ヨトウムシは蛾の幼虫で、漢字で「夜盗虫」と書くように、主に夜に姿を現して茎葉を食害します。大きくなった幼虫は食欲が旺盛で、一晩で株を丸裸にしてしまうほどです。葉から食害し始めるので、異変を見つけたら幼虫がまだ若いうちに駆除しましょう。発生しやすい時期は4〜6月、または9〜10月です。食害の跡が認められたら夜にパトロールして捕殺するか、適用のある薬剤を散布して防除します。 アンジェリカの詳しい育て方 苗の選び方 苗を購入する際は、節間が間のびしておらず、がっしりと締まって勢いのあるものを選びましょう。 植え付け Vlyaks/Shutterstock.com 植え付けの適期は10月頃で、苗の流通も秋になると多くなります。ほかの時期に苗を入手した際は、早めに定植しましょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗をポットから出して植え付けます。苗が複数の場合は、60〜80cmの間隔を取っておきましょう。植え付けた後に、たっぷりと水やりします。 【鉢植え】 7〜10号鉢を準備します。 底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。苗を鉢に仮置きし、高さを決めたら、根鉢をくずさずに植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 収穫 Nishihama/Shutterstock.com 花が咲くと葉が硬くなるので、開花前の5月頃に摘み取ります。根は地上部が枯れた頃に掘り上げて収穫しましょう。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com アンジェリカは種まきをして増やします。種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境になじみやすいことです。敷地が広く、たくさんの苗を植え付けたい場合は、コストカットにもなります。ただし発芽率がよくないため、多めに播いておいたほうが安心です。 種まきの適期は、10月頃です。庭に直まきしても、ポットに播いて育苗してもかまいません。アンジェリカは株が大きく育って充実するまでは開花しません。種まきから開花までには2年ほどかかります。 アンジェリカは自家採種する場合は、花が終わった後に花がらを摘まずにそのままにしておき、種子をつくらせます。種子を採取したら密閉袋に入れて保存しておき、適期に種まきします。 【直まき】 植えたい場所に2〜3粒ずつ播いて薄く覆土し、水やりをしておきます。種同士の間隔は、50〜70cm。しばらく経つと、細長い双葉が揃います。さらに本葉が出揃った頃に勢いのある苗を1本残し、徒長していたり虫に食われたりしている苗を間引きます。冬の間は、地面を這うように葉を放射状に伸ばすロゼット状態で越年します。寒さに大変強く、霜が降りても弱ることはありません。春になって暖かくなると、茎葉が立ち上がってきて旺盛に生育し始めます。 【ポットまき】 黒ポットに2〜3粒ずつ種子を播き、薄く覆土し、水やりをしておきます。しばらく経つと、細長い双葉が揃います。さらに本葉が出揃った頃に勢いのある苗を1本残し、徒長していたり虫に食われたりしている苗を間引きます。本葉が数枚ついたら、植えたい場所に定植します。複数植える場合は、株の間隔は60〜80cmあけておきましょう。 食用でも楽しめるアンジェリカを育てよう Penny Hicks/Shutterstock.com 野趣感あふれるナチュラルガーデンを目指すなら、繊細な草姿のアンジェリカはぜひ取り入れたいハーブです。ガーデンのアクセントとして植栽してみてはいかがでしょうか。
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宿根草・多年草

【毎年咲く!】ふわふわ花のアスチルベ|植え付けから冬越し、トラブル対策まで完全ガイド
アスチルベの基本情報 Tanya_Terekhina/Shutterstock.com 植物名:アスチルベ学名:Astilbe英名:Astilbe和名:チダケサシ、アワモリショウマその他の名前:アワモリソウ科名:ユキノシタ科属名:チダケサシ属(アスチルベ属)原産地:日本、中国、朝鮮半島、北アメリカ形態:宿根草(多年草) アスチルベはユキノシタ科の多年草です。原産地は日本、中国、朝鮮半島、北アメリカ。これらの地域に約25種が自生し、日本ではアワモリショウマ、チダケサシなど6種が分布しています。寒さに強く、マイナス15℃程度まで耐えるとされています。日当たりのよい場所を好みますが、半日陰の場所でも生育し、よく開花するので、日当たりに恵まれないシェードガーデンを明るく彩ってくれるとして人気のある植物です。 Ivanka Kunianska/Shutterstock.com 一度植え付ければ毎年開花し、株分けで増やしやすいので、コストパフォーマンスにも優れています。春に新芽を出して生育期に入り、開花は5〜7月。落葉性のため、晩秋に地上部の葉を落としますが、休眠して越年するので「枯れてしまった」と判断して抜き取って処分したりしないでください。そのまま春まで待つと、春には再び新芽を出す……というライフサイクルを繰り返します。 種類によって異なりますが、草丈は60〜90cm。株幅は環境にもよりますが40〜80cmと比較的大きく育つので、庭植えの場合はスペースを広めにとっておくのをおすすめします。花色は、赤、ピンク、白などがあります。 アスチルベの花や葉の特徴 Olga Glagazina/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:5~7月草丈・樹高:20~80cm耐寒性:強い耐暑性:普通花色:白、ピンク、赤、紫 アスチルベは、花茎を30cmほど伸ばし、下から頂部に向かって穂状に多数の花をつけます。ふわふわと柔らかな質感で花穂が大きいので、開花期には色の塊となって迫力のあるシーンを演出できます。 葉の形はほっそりとした楕円形で、縁はのこぎり状です。葉軸の両側に小葉がつく複葉タイプで、シダ植物のような繊細な姿をしており、花が咲く前後の期間も庭のアクセントとして活躍します。 アスチルベの名前の由来と花言葉 Helen Pitt/Shutterstock.com アスチルベの名前は、ギリシャ語の「a(~がない)」と「stilbe(輝き)」が組み合わされています。ふわふわとしてツヤのない質感の花を咲かせることから、「地味」「輝きがない」などのニュアンスがあります。 和名の一つである「泡盛草」は、花の見た目を泡に例えて名付けられました。なお、お酒の泡盛とはあまり関係がないとされています。 その花姿から、アスチルベの花言葉は、「恋の訪れ」「自由」「落ち着いた明るさ」などがあります。 アスチルベの代表的な品種 中国が原産地のアスチルベ・シネンシス(別名:Chinese astilbe)TasfotoNL/Shutterstock.com アスチルベにはいくつかの種類があります。ガーデニングで特に人気なのは、ドイツのブリーダー、ゲオルク・アレンツによって作出されたアスチルベの品種群「アスチルベ・アレンジー(Astilbe aredsii-hybr)」や「アスチルベ・シネンシス(Astilbe chinensis)」などあります。アスチルベの代表的な品種をご紹介します。 ‘チョコレートショーグン’Astilbe thunbergii 'Chocolate Shogun' 4H4 PH/Shutterstock.com 銅のような赤黒い、ツヤのある葉が特徴の品種。アスチルベの中ではひときわ鮮やかな銅葉品種で、国内外で人気が高まっています。真夏でも葉色が変わらず、日陰にも強いので、夏のシェードガーデンにもぴったりです。花は、薄いピンクから白色で、葉色とのコントラストが魅力です。 ‘ショースター’Astilbe arendsii-hybr‘Showstar’ 草丈30~45cmと、アスチルベのなかでは小型の品種です。コンパクトなので、小さなスペースの寄せ植えにも活用できるでしょう。花は、白、ピンク、赤のミックスがあります。 ‘ピーチブロッサム’Astilbe × rosea 'Peach Blossom' Helen Pitt/Shutterstock.com パステルピンクの花が可憐で可愛らしい品種。アスチルベのなかでは比較的小型で、花つきがよく丈夫です。 ‘カプチーノ’Astilbe × arendsii 'Cappucino' Lidia Kovacs/Shutterstock.com 茶色がかった葉色とクリーム色の花のコントラストを、飲み物のカプチーノになぞらえた品種。葉色は芽吹いた時がもっとも茶色が濃く、季節が進むにつれて徐々に濃い緑になります。 ‘マイティチョコレートチェリー’Astilbe chinensis 'Mighty Chocolate Cherry' Maria Schepers/Shutterstock.com 赤系の花が印象的な品種。茎も赤みを帯びています。葉は新芽は銅葉で、大きくなるにつれて茶色っぽくなります。 ‘ビジョンインフェルノ’Astilbe chinensis 'Vision Inferno' アスチルベ‘ビジョンインフェルノ’。InfoFlowersPlants/Shutterstock.com 淡いピンクの花をつけるピジョンインフェルノは、大きめの花房が特徴です。開花期が長く、花後は緑の房が残ります。 ‘スプライト’Astilbe x Simplicifolia ‘Sprite’ シンプリシフォリアタイプの小型品種。ピンクや白の花が、横に広がるように咲きます。繊細でやさしい印象を与える品種です。 ‘ファナル’Astilbe arendsii ‘Fanal’ AliScha/Shutterstock.com 深みのある赤い花色が特徴の品種。花が密に咲くため、ほかの品種に比べて花房がコンパクトです。 アワモリショウマAstilbe japonica 日本の山や森に自生するアスチルベの仲間です。白く可憐な花をつけます。収穫しても花が崩れにくいので切り花やドライフラワー、ブリザーブドフラワーなどのアレンジにも適しています。 アスチルベの12カ月栽培カレンダー 開花時期:5月中旬〜7月植え替え適期:3〜4月肥料:3〜4月、10月植え付け:3〜4月、10~11月 アスチルベの栽培環境 k.katsustudio/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 アスチルベは基本的には日当たりや風通しのよい場所を好みますが、半日陰でも育ちます。水はけや水持ちのよい土壌が適しているので、用土は腐葉土や堆肥を多めにして、栄養豊富な環境にしましょう。 真夏は強い日差しで乾燥しすぎてしまうことがあるので、午前中のみ日光が当たる場所や、木漏れ日が当たる木陰など、半日陰での管理がおすすめです。 耐寒性・耐暑性 アスチルベは寒さ・暑さには強いほうです。ただし近年の厳しい夏の暑さでは、葉焼けをしたり株が弱ったりする恐れがあります。日光が一日中当たる場所は避けて、半日陰で育てましょう。 冬越しの必要性は特にありません。冬の低温が翌年の開花につながるので、温室などには移動しないようにしましょう。 アスチルベの育て方のポイント 用土 bluedog studio/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、よく耕しておいてください。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の山野草用の培養土を利用すると手軽です。自身でブレンドする場合は、赤玉土小粒6、腐葉土4の割合で配合し、水はけのよい土を作るのがおすすめです。 水やり Osetrik/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏に水やりする場合、気温の高い昼間はすぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方は凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。アスチルベは乾燥するとつぼみがつかなくなったり、株が弱ったりするので、水切れに注意してください。ただし、いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬でもカラカラに乾燥させることのないように、適宜水やりを続けてください。 肥料 Vitalii Stock/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 植え付け時に元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。 その後は、生育期に入る3〜4月と、暑さがおさまった10月に、緩効性肥料を株の周囲にばらまき、軽く耕して周囲の土に馴染ませます。 注意する病害虫 nechaevkon/Shutterstock.com 【病気】 アスチルベの栽培で注意したい病気は、白絹病、灰色かび病などです。 白絹病はカビが原因で周囲に伝染しやすい病気で、根や茎に発生しやすく、発症初期は地際あたりに褐色の斑点が見つかります。病状が進むと株元の土に白いカビがはびこり、やがて株は枯れてしまうので注意が必要。病株を発見したら、周囲に蔓延させないためにただちに抜き取り、土ごと処分してください。土づくりの際に、水はけのよい環境に整えることが予防につながります。 灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境下で発生しやすい病気です。ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪い場所に植えている場合は花がらは摘み取り、葉が極端に込み合っていたら、間引いて風通しよく管理しましょう。 【害虫】 アスチルベの栽培で注意したい害虫は、アブラムシ、ハダニなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、シャワーではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5道ほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要です。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけてやるとよいでしょう。 アスチルベの詳しい育て方 Vera Petruk/shutterstock.com 苗の選び方 アスチルベの苗が出回るのは、春から初夏にかけて。苗を選ぶ際は葉がしっかりと茂っているかどうか、開花が近い時期ならば、花茎が伸び出しているかどうかをチェックしましょう。 植え付け AlenKadr/Shutterstock.com アスチルベの植え付けの適期は、3〜4月か10〜11月です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、根鉢をくずさずに植え付けましょう。最後にたっぷりと水を与えます。複数の苗を植える場合は、40〜60cmくらいの間隔を取っておきましょう。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、入手した苗よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから山野草用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出し、根鉢をくずさないよう鉢の中に仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて、植え付けていきます。水やりの際にあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から水が流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 植え替え Sandu Herta/Shutterstock.com アスチルベの植え替えの適期は、3〜4月か10〜11月です。 【地植え】 地植えの場合は、毎年植え替える必要はありません。しかし3〜4年経つと大株に育ち、根が込んで株が老化してくるので、掘り上げて根を切り分け、植え替えましょう。 【鉢植え】 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して古い根を整理し、根鉢をくずして新しい培養土に植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずして植え替えてください。 日常のお手入れ また株元の乾燥が気になる場合は、バークチップなどで根元の土を覆うマルチングを行うのも方法です。 剪定・切り戻し mihalec/Shutterstock.com 【花がら摘み】 株がまだ幼く、大きく育てたい場合は、花色があせてきたら花がら摘みをしておきましょう。また、花がらが残った姿があまり美しいと思わない状態の時は、株まわりを清潔に保つため花がらをきれいに摘んでおきましょう。 【剪定】 自然に株姿がまとまるので、基本的に剪定は不要です。冬には地上部が枯れて休眠するので、地際で刈り取っておきましょう。 増やし方 S_Photo/Shutterstock.com アスチルベは株分けして増やすことができます。作業の適期は10月頃です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りをはかります。株を掘り上げて数芽ずつ付けて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、同じ姿の株が増えていくというわけです。あまり細かく分けると開花しにくくなるので注意してください。 アスチルベは種まきからでも栽培できますが、種子の販売はほぼありません。花に種子をつけさせてとりまきすることもできますが、個体差が出やすいため、親と同じ花が咲くとは限らない点に注意しましょう。アスチルベは強健で株が太りやすいので、株分けして同じ個体を増やすほうが手軽でおすすめです。 アスチルベ栽培のよくあるトラブル Nahhana/Shutterstock.com アスチルベを栽培していると、花が咲かない、葉がチリチリになるなどのトラブルが起きることがあります。原因や対処方法について解説します。 花が咲かない アスチルベの花が咲かない場合、まず考えられるのは乾燥や水切れです。特に鉢植えでは乾燥しやすいので、十分な水やりを心がけましょう。 冬にしっかり寒さに当たっていないのも、花つきが悪くなる原因です。冬は室内に移動せず、低温で管理することが大切です。 アスチルベは日陰でも育ちやすい植物ですが、日当たりが悪すぎると花数が少なくなります。置き場所を再考するのも一つの対処法です。 また、株が充実していない状態でも花は咲きづらくなります。栽培環境を整えて、株をしっかりと大きく育てましょう。 葉がチリチリになる 葉がチリチリになってしまう主な原因は、水切れです。鉢植えは特に水切れを起こしやすいので注意しましょう。日光の当たりすぎも乾燥の原因になるので、置き場所を半日陰にするなど工夫が必要です。 地植えの場合も、雨が降らない日が続くと乾燥や水切れになることがあります。葉が傷むだけでなく、株も弱ってしまうので、土の状態を観察して適宜水をあげましょう。 アスチルベを上手に育てておしゃれな庭をつくろう Maria Evseyeva/Shutterstock.com アスチルベは丈夫で長生きな宿根草のなかでも定番のガーデンプランツです。耐寒性が強く、北海道など寒冷地の庭でも育てられます。 品種によっては日当たりの悪い庭でもよく育つので、シェードガーデンでも活躍するでしょう。同じユキノシタ科で、日陰に強いヒューケラとも相性抜群です。 花色があせても花房が残る9月のアスチルベ。photo/3and garden 開花期が長く次々と花が咲き、夏の庭を華やかに彩り、花色があせてきた秋口も房が残ってアクセントになる品種もあります。ビギナーでも育てやすい植物なので、ぜひ庭やベランダに取り入れてはいかがでしょうか。
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【南国気分を自宅に!】アメリカデイゴ(カイコウズ)の育て方と魅力|初心者も安心の栽培術
アメリカデイゴの基本情報 zzz555zzz/Shutterstock.com 植物名:アメリカデイゴ学名:Erythrina crista-galli英名:Cockspur Coral Tree、Common Coral Treeなど和名:カイコウズ(海紅豆)その他の名前:アメリカデイコ、マルバデイゴ科名:マメ科属名:デイゴ属原産地:南アメリカ形態:落葉性小高木 アメリカデイゴの学名はErythrina crista-galli(エリスリナ・クリスタ・ガリ)。マメ科デイゴ属の落葉樹です。原産地は南アメリカで、アルゼンチンやウルグアイでは国花として愛されています。暑さに大変強い一方で寒さには弱く、庭植えできるのは、関東以西の太平洋側などの温暖地です。 日本に渡来したのはいつ? dior2021/Shutterstock.com アメリカデイゴが日本にもたらされたのは、江戸時代末期から明治時代にかけて。和名では海紅豆(かいこうず)と呼ばれてきました。寒さに弱いため寒冷地ではなかなか見かけませんが、温暖地ではよく育ち、鹿児島県の県木となっています。街路樹としてもポピュラーに利用されているほどです。 アメリカデイゴの花や葉の特徴 Eko Budi Utomo/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:7〜8月樹高:5〜8m耐寒性:やや弱い耐暑性:強い花色:赤 アメリカデイゴは自然樹高が5〜8mになる小高木です。しかし、定期的に剪定を行うことによって、適した樹高にコントロールすることができます。開花期は7〜8月で、花色は赤。直径5cmほどの花が連なり、満開時は見事です。花後に切り戻せば、シーズン中に繰り返し開花を楽しむことができます。葉は楕円形で、三出複葉が互生します。冬には葉を落とす落葉樹です。 アメリカデイゴの名前の由来と花言葉 Joko Indra Prasetiawan/Shutterstock.com アメリカデイゴの学名Erythrina crista-galliは、ギリシャ語で「赤い」という意味の「erythros」と「鶏冠」という意味の「crista-galli」に由来します。また和名はカイコウズ(海紅豆)とされていますが、これは本来は、ナンバンアカアズキという別の植物を指す名前です。 アメリカデイゴの花言葉は「情熱」「活力」「勇気」などです。 ナンバンアカアズキの種子。Ikhsan darwisy/Shutterstock.com アメリカデイゴの仲間の種類 デイゴ。aquatarkus/Shutterstock.com アメリカデイゴに似た花木が何種かあります。ここでは、代表的な種類をご紹介します。 デイゴ Nuk2013/Shutterstock.com 原産地はインド、マレー半島などの熱帯地域。アメリカデイゴよりも寒さに弱いため、日本で庭植えにできるのは沖縄のみで、県花にもなっています。葉は卵形で、葉裏に産毛が生えているのが特徴です。開花期は3〜5月で、花色は赤。 サンゴシトウ(ヒシバデイゴ) Walter Erhardt/Shutterstock.com 原産地は熱帯アメリカで、アメリカデイゴをもとに作出された交配種です。開花期は6〜9月で、花色は赤。花は径5cmほどで、あまり開かず細長いのが特徴。耐寒性はデイゴとアメリカデイゴの中間くらいです。 フイリデイゴ Zulashai/Shutterstock.com デイゴの斑入り品種で、葉に黄色い斑が入ります。特徴や性質はデイゴとほぼ同じです。 アメリカデイゴの栽培12カ月カレンダー 開花時期:7〜8月植え付け・植え替え:4月〜5月上旬肥料:3〜4月剪定:3月頃 アメリカデイゴの栽培環境 Walter Erhardt/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みます。半日陰でも育ちますが、日照が不足すると花つきが悪くなるので注意してください。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】有機質に富み、水はけ・水もちがよい土壌を好みます。 耐寒性・耐暑性 アメリカデイゴは、熱帯性植物のため暑さには強い一方で、寒さにはやや弱い性質を持っています。関東以西の太平洋側など、ほとんど凍結することがない暖地であれば戸外で越冬できますが、凍結する寒冷地では鉢栽培にして、季節に応じて適した場所に移動しながら管理するとよいでしょう。 アメリカデイゴの育て方のポイント 用土 Wstockstudio/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの約2週間前に、直径・深さともに50cmほどの穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、埋め戻しておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の花木用培養土を利用すると手軽です。自身で用土を配合する場合は、赤玉土小粒7・腐葉土3の割合で混ぜ合わせて用いるとよいでしょう。 水やり topseller/Shutterstock.com 蒸れるのを防ぐために枝葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。 真夏は、気温が高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に行うと凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。特に開花期は水を欲しがるので、水切れしないように注意しましょう。 肥料 sasimoto/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 植え付け時には、元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。 アメリカデイゴは根に根粒菌がついて共生し、チッソ成分が供給されるので、頻繁に肥料を与えなくてもよく育ちます。毎年、芽吹く前の3〜4月に緩効性肥料をばらまいて中耕し、土になじませておくとよいでしょう。 注意する病害虫 Decha Thapanya/Shutterstock.com 【病気】 ほとんど病気の心配はありませんが、まれにすす病を発症することがあります。 すす病は、一年を通して葉や枝などに発生します。葉に発生すると表面に艶がなくなり、進行すると黒いすすが全体を覆って光合成がうまくできなくなり、樹勢が衰えてしまいます。カイガラムシ、アブラムシ、コナジラミの排泄物が原因なので、これらの害虫を寄せ付けないようにしましょう。込んでいる枝葉があれば剪定し、日当たり・風通しをよくして管理します。 【害虫】 ほとんど害虫の心配はありませんが、アブラムシやカイガラムシが発生することがあります。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することもあります。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われて薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 アメリカデイゴの詳しい育て方 Nature Clickz/Shutterstock.com 苗木の選び方 園芸店やホームセンターなどで、庭のスペースに合うサイズの苗木を選びます。大木になりやすいので幼木を選び、枝葉を広げて育っていく姿を楽しむのも一案です。苗木は株元がしっかりとして勢いがあるものを。枯れ葉や枯れ枝が多いものやヒョロヒョロと間のびしているものは避けたほうが無難です。 植え付け・植え替え Jurga Jot/Shutterstock.com 植え付け・植え替えの適期は、4月〜5月上旬です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、入手したら早めに植え付けるとよいでしょう(真冬を除く)。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも1回り大きな穴を掘り、根鉢をくずして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。 地植えの場合、暖地では植えたままにしてもかまいません。熱帯性の花木のため寒さには弱いので、寒さが厳しく凍結する地域では鉢に植え替えて、暖かく日当たりがよい場所で越冬させてください。 【鉢植え】 入手した苗木の根鉢よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから花木用の培養土を半分くらいまで入れます。苗木を鉢の中に仮置きし、高さを決めたら、根鉢を軽くほぐして植え付けていきましょう。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 鉢植えの場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して根鉢をくずして小さくし、新しい培養土を使って植え直しましょう。 剪定・切り戻し mihalec/Shutterstock.com 【花後の切り戻し】 花が終わったら、花のついた枝は葉を付け根から4〜5枚残して切り取りましょう。するとわきから新しい枝が伸びて、再び開花します。開花期であれば、繰り返し咲かせることが可能です。 【剪定】 アメリカデイゴは樹勢が強く、旺盛に枝葉を伸ばすので、大きくしたくなければ定期的な剪定が必須です。花芽は生育期に新しく伸びた枝にできるので、芽吹く前の3月頃が適期。枯れ枝や木の内側に向かって伸びている「逆さ枝」、垂直に立ち上がっている「立ち枝」、勢いよく伸びすぎている「徒長枝」などは根元から切り取りましょう。また、込み合っている部分があれば、日当たり・風通しがよくなるように、透かし剪定をします。樹形が乱れすぎている場合は、主枝のみ残して他の枝をすべて切り取ってもかまいません。萌芽力が強いので、再び枝を伸ばします。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com アメリカデイゴは、挿し木、種まき、根伏せで増やすことができます。ここでは、それぞれの方法についてご紹介していきます。 【挿し木】 挿し木とは、枝葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、アメリカデイゴは挿し木で増やせます。 アメリカデイゴの挿し木の適期は、7月頃です。新しく伸びた枝を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り、蒸散のバランスを取るために下葉は取っておきます。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。発根後は日当たり・風通しのよい場所に移動し、十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じクローンになることです。 【種まき】 種まきから増やしたい場合、開花後に種子を採取しておくとよいでしょう。種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。種子は秋口に莢を採取し、翌年の種まき適期まで、紙袋などに入れて常温で保存しておきます。 アメリカデイゴの種まきの適期は、4〜5月です。3号の黒ポットに市販の培養土を入れて十分に水で湿らせた後、種を播いて軽く土をかぶせます。発芽までは明るい半日陰に置き、乾燥・過湿にならないように適度な水管理をしてください。発芽後は日当たり・風通しのよい場所で管理します。適度な大きさの苗木になるまで鉢上げしながら管理したのち、植えたい場所に定植しましょう。 【根伏せ】 根伏せとは、植物の根を切り取って地中に埋めておくことで、発芽・発根させる方法です。アメリカデイゴの根伏せの適期は、6〜7月。株まわりの土を掘って根を20cmほど切り取り、短く切ります。3号の黒ポットに市販の培養土を入れて十分に水で湿らせた後、根を寝かせて入れ、軽く覆土します。乾燥しないように管理し、しばらく待つと発根、発芽し始めます。成長とともに鉢上げしながら育てて、適度な大きさになったら植えたい場所に定植しましょう。 南国リゾートにいるような気分に! 自宅のシンボルツリーとして育ててみよう tamu1500/Shutterstock.com 熱帯地域に自生するアメリカデイゴは、トロピカルな風情をもつため、自宅にいながらリゾート気分を味わえます。暑さに大変強い特性があるので、温暖地なら地植えも可能。どっしりと存在感のあるシンボルツリーとしておすすめです。




















