スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
-
観葉・インドアグリーン

宝石のような美しさ! ジュエルオーキッドの基礎知識と育て方
ジュエルオーキッドとは ジュエルオーキッドとは、葉の美しさを観賞するランの総称です。 東南アジアの熱帯や亜熱帯の森林などに生息する常緑性のラン科の植物で、マコデス属やドッシニア属、キバナシュスラン属などが含まれます。中でもマコデス属のジュエルオーキッドが、園芸用として最も広く普及しています。 ジュエルオーキッドは少しだけ栽培にコツが必要な植物で、急激な気温の上下などの環境の変化はやや苦手。こう聞くと難易度の高い植物と感じられるかもしれませんが、逆にいえば安定した環境を作ってしまえば、ほったらかしに近い状態でも栽培できます。何やら耳新しい名前に聞こえるかもしれませんが、日本国内に自生している種類もあります。国内での栽培の歴史は古く、江戸時代の中後期から葉を観賞する植物として親しまれています。 ジュエルオーキッドの中でも代表的なマコデス・ペトラは、無許可での販売・譲渡が禁止されているので、購入の際は注意しましょう。 ジュエルオーキッドの名前の由来 オーキッドというのはランのことで、ジュエルオーキッドはラン科のため、そのように呼ばれています。 ジュエルオーキッドの葉はビロード状で全体に美しい艶があり、葉脈はまるで光る糸で刺繍をしたような輝きを持っています。暗い森林の中でも葉が美しく光る様子が、まるで宝石のように見えることから「ジュエルオーキッド」と呼ばれるようになりました。そのまま日本語に直訳して「宝石蘭」と呼ばれることもあります。 どんな花を咲かせる? ジュエルオーキッドは、主に東南アジアの熱帯雨林などに自生しています。自生地では、時期になると白からクリーム色の花を咲かせます。花の細部の構造は属や種によって違いますが、基本的に開花時期には花茎を高く伸ばし、小さい花を穂状につけます。ジュエルオーキッドは花よりも葉の観賞がメインの植物ということもあり、大きな花が咲くものはあまりありません。 花期は7月頃です。開花により体力を消耗すると生育が鈍るので、愛好家の中には花茎が出てくると摘み取る人もいます。 ジュエルオーキッドの花言葉 ジュエルオーキッドの代表的な花言葉は3つあります。 1つめは「優雅」。葉が非常に美しく、光るような艶のある特徴的な見た目から「優雅」という花言葉がつけられたとされています。 2つめは「美しい淑女」。ラン科の多くはその美しさを女性に例えた花言葉が多く、ラン独特の花の形や気品に由来しています。ランは咲く姿の美しさから花の女王とも呼ばれています。 3つめは「日々平安」。ジュエルオーキッドは観葉植物として広く親しまれており、四季による変化が少ないことに由来しています。ちなみに、同じ花言葉を持つ植物にはホンコンシュスラン(香港繻子蘭)があります。 ジュエルオーキッドの葉は光る? 照葉樹林という、葉が太陽光を反射してキラキラと光る美しい森林があります。光るといっても、自らが発光しているわけではなく、太陽光を反射することで輝いて見えるというもの。ジュエルオーキッドは、その照葉樹林を構成する植物に含まれています。 照葉樹林とは冬でも葉を落とさない常緑広葉樹に覆われた、温帯に成立する森林のことです。照葉樹林を構成する植物の葉には厚みと光沢があります。葉に厚みがあるのは、鬱蒼とした森の弱い光の中でも光合成できるように葉緑体をたくさん持つためです。 照葉樹林の植物の葉の表面にはクチクラ層が発達しています。クチクラ層というのは水分の蒸発を防いだり、体表を保護する丈夫な膜のことで、髪の毛の「キューティクル」と同じものです。一年中葉を落とさない常緑広葉樹は、乾燥から身を守るためにこのクチクラ層が発達しています。照葉樹林に生息する植物の葉がキラキラと光って見えるのは、葉の表面にあるガラスのように透き通ったクチクラ層が光を反射するためです。 ジュエルオーキッドの育て方 美しい葉が魅力的なジュエルオーキッドの特徴についてご紹介してきましたが、ここからはジュエルオーキッドの育て方について詳しくご紹介します。 栽培環境 ジュエルオーキッドは、比較的湿った森の暗いところで育つ、常緑性の多年草です。そのため直射日光の当たらない、湿度が高くかつ風通しのよい環境を好みます。夏のギラギラとした直射日光は特に苦手。地上部は風通しよく、根は乾かさないように育てるとよいでしょう。また、熱帯雨林に自生する植物ですので、日本の寒い冬も苦手としています。 鉢植えや、上の画像のようにガラス容器などに入れ、春夏秋冬の気候に合わせて、もっとも適した場所に移動させてもよいでしょう。20〜25℃くらいの気温の場所が適しています。容器に入れる場合は、風が通るよう蓋をせずに栽培します。 土作り ジュエルオーキッドは水はけのよい環境を好みます。一般的なランと同様に、ジュエルオーキッドも水苔で育てるのが基本です。用土の場合はランの栽培向けに販売されているものを使うとよいでしょう。適度な湿度を保つために、生きた水苔でジュエルオーキッドの茎あたりを覆う方法もあります。また、pHを調整したピートモスでも育てられます。 植え付け ジュエルオーキッドは冬の寒さに弱いので、植え付けや植え替えも春や夏の暖かい時期に行います。 湿らせた水苔でジュエルオーキッドの根を優しく包み、その後用土や水苔を敷いた鉢に植えます。苗が安定するまでは直射日光の当たらない風通しのよい場所で管理し、乾燥しないように水やりを続けましょう。 水やり ジュエルオーキッドは熱帯雨林の植物ですが、過度な湿り気を嫌います。あまりに多湿の環境が続くと根腐れを起こして枯れてしまうことがあります。 水苔で植え付けた場合は、水苔が固く絞ったおしぼり程度の湿り気になっているのがベストです。 水やりは水苔が乾いた時に、株元や植えている周りに霧吹きで水を吹きかける程度がおすすめです。たっぷり水を与えて水苔が湿りすぎないよう注意しましょう。 肥料 ジュエルオーキッドはそれほど多くの肥料を必要としない植物です。もし成長具合が気になる場合は、成長期である初夏に液体肥料を与えるとよいでしょう。この場合、原液ではなく、かなり薄めた液体肥料を与えてください。ハイポネックス原液であれば、2,000〜5,000倍程度が目安です。 過度に肥料を与えたり、成長期以外の春、秋、冬に肥料を与えると根が傷んで枯れてしまうので注意が必要です。 病害虫 ジュエルオーキッドの栽培では病害虫の心配はあまりありません。 春から秋に直射日光の当たらない屋外に鉢を置く場合は、カイガラムシやアブラムシ、ハダニがつくことがあります。ハダニを防ぐためには適度に湿度を上げるのと同時に、ジュエルオーキッドの株全体や葉の裏側に霧吹きで水をかけることが重要です。 花がら切り 花芽が上がってきたら、葉や茎の生育を優先させたい場合は、ハサミなどで切り取ります。花を楽しみたい時はそのままにしておき、花が咲き終わったら花茎のつけ根で切ります。そのほか、枯れた葉や茎は、そのままにしておくとカビや病気の原因となるので、見つけたら取り除いておきましょう。また、ジュエルオーキッドは基本的に剪定は必要ありません。 ジュエルオーキッドの美しい葉を楽しもう この記事では、ジュエルオーキッドの特徴から詳しい育て方までご紹介しました。きらびやかな葉が美しいジュエルオーキッドは、鉢植えだけでなく、テラリウムなどにも適しています。ぜひ自分で育てて、その美しい姿を楽しんでみてはいかがでしょうか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
-
樹木

サツキは育てるのが難しい? 育てやすい植物から園芸を始めてみよう!
サツキとは サツキはツツジ科ツツジ属の植物で、原産地は日本(本州・九州)です。暑さや寒さに強く、真夏日の猛暑やマイナス10℃の極寒でも生育に影響を受けないほど。植え付け適期は、苗木の場合は3月下旬~6月中旬で、開花期は5月中旬~6月中旬です。 サツキの特徴 サツキは春になるとツツジによく似た花を咲かせ、公園の生け垣や交通量の多い道路沿いなどにもよく使われる身近な植物です。数ある園芸植物の中でも最も育てやすい花木の一つで、初心者でも盆栽に仕立てることが簡単にでき、すぐに幹を太らせて成長してくれます。サツキは江戸時代から品種改良が盛んに行われており、一般の愛好家でも人工授粉による交配に挑戦することができます。しかし近年では、園芸用に乱獲されたほか、河川の護岸工事やダムの建設によって自生地が少なくなっており、自然界での絶滅が懸念されている植物でもあります。 育てるための準備と植え方 サツキは、日陰に植えると枝ばかりが伸びて花つきが悪くなるため、庭などに植える場合はできるだけ午前中は日が当たる場所を選び、腐植質に富んだ水はけのよい土壌を用意しましょう。植え付け方は、まず根鉢の直径の3倍ほどの大きさの穴を掘ってよく耕します。次に、耕した土と同量の酸度未調整ピートモスを穴に入れて底土とよく混ぜ、地面より5~10cmほどこんもり高い小山状にします。鉢から抜いた根株の土を半分ほど落として根をほぐし、株を小山の中心に植え付けましょう。この際、深植えしないように注意しましょう。 育て方のポイント ここまでは、サツキの特徴とその植え付け方について説明してきました。続いては、実際にサツキを育てていく際に注意すべきポイントを押さえていきましょう! 植え付け サツキの植え付け(植え替え)の適期は、開花期を除く3月下旬から6月中旬、または9月下旬から10月です。鉢植えの場合は、2~3年ごとに植え替えましょう。根鉢を1/3程度くずし、深植えにならないように注意して、一回り大きな鉢に植え替えます。また、枝の部分の大きさに比較して鉢が小さく感じられるときには、一回り大きな鉢に変えるといいでしょう。大きな鉢に植えると株も大きくなります。鉢が小さいほうがコンパクトに育てられますが、水切れしやすくなります。 水やり サツキは春から新梢が伸びて盛んに成長するので、地植え、鉢植えともに極端に土が乾かないよう注意しながら水やりをしましょう。地植えは根づいてしまえば基本的に水やりは必要ありませんが、花や新梢が普段よりも元気がなければ水やりを。鉢植えの場合は、夏の高温時には土も乾きやすいため、日中を避けて朝と夕方の2回、鉢底から水が出てくるまでたっぷり水やりをしましょう。基本的に水やりの必要がない地植えでも、夏の猛暑日には日中を避けて、十分に土にしみ込むように水やりをするとよいでしょう。 肥料 サツキは、年に何度か肥料を与える必要があります。まず、開花後にはお礼肥として粒状肥料を。この場合は、1㎡当たり150g程度の肥料を7月までに与えましょう。また、植え替えをした株には植え替えから3週間ほど経過してから施肥しましょう。その後、9月下旬から10月にかけて1回、そして2月頃に寒肥として1回、肥料を与えるようにしましょう。このように、年間計3回に分けて施肥することによって通年で栄養分が土に行き渡るので、新芽や花芽の増加、樹勢の回復、根張りの強化などが期待できます。サツキの肥料には緩効性のものがおすすめです。 害虫・病気 サツキに発生する害虫は、ハダニ、ツツジグンバイムシ、ベニモンアオリンガ、ハマキムシなど。病気は、褐斑病や疫病などがあります。ハダニやツツジグンバイムシは乾燥期に発生し、サツキの葉の汁液を吸って白く変色させてしまいます。また4~6月、9~10月になると、ベニモンアオリンガの幼虫が発生し、新芽やつぼみの内部を食べてしまいます。虫や病気の発生に気付いたら、まず被害を受けた部分を早急に切り落として、その後害虫用スプレーや治療剤を全体に散布するようにしましょう。 剪定 サツキは開花前後に新梢を伸ばし始め、夏になると枝先に花芽をつくるため、剪定作業は開花後のなるべく早い時期に行いましょう。夏以降の剪定は、せっかくできた花芽を切ることになり、翌年に花が咲かない原因ともなります。またサツキは枝数も多く、芽吹きもよいので、伸び始めた枝を好みの形に刈り込むことができます。しかし、あまり深く切ってしまうと新芽が出にくくなることがあるので、刈り込みは3cm程度にしておきましょう。芽吹き前の2〜3月になると花芽が大きくなってきます。花芽を確認して適度に花が咲くように加減しながら、長すぎる枝をつけ根から切る剪定をすることもできます。 増やし方 サツキは挿し木で簡単に増やすことができる植物です。挿し木のやり方としては、開花後に伸び始めた新梢が6月下旬〜7月に充実して硬くなったところで、この枝を15cmほどの長さに切り取って挿し穂に利用します。絞りの花ではきちんと絞りが出ている枝を、咲き分け品種の場合は白無地か絞りの花の咲いた枝を選んで、挿し穂を採取しましょう。また、咲き分けの品種、特に単色、覆輪、絞りと咲き分ける品種は、絞り花を咲かせた枝から挿し穂を取らないと、親株のような変化が出ないので注意が必要です。 サツキを育ててガーデンを彩ろう サツキはとても育てやすく、園芸初心者にもおすすめの植物です。和のイメージが強い花ですが、華やかに咲く姿は意外と洋風の庭にもよく似合い、さまざまな庭に利用できることも魅力。これからガーデニングに挑戦したい! 庭に合う植物を育てたい! という方は、ぜひサツキを育ててみてはいかがでしょうか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
-
樹木

春を告げる上品な香りの花木 ジンチョウゲ
三大香木の一つ、ジンチョウゲ 春の暖かい日に誘われて歩いていると、甘く爽やかな香りが鼻をくすぐったことはありませんか? 辺りを見渡しても花の姿が見えず、どこから漂ってくるのか不思議に思った人もいるかもしれません。もしかしたら、それはジンチョウゲの香りだったかも。香りのよい花はたくさんありますが、その中でも強い香りを放つジンチョウゲは、夏に咲くクチナシ、秋に咲くキンモクセイと並んで三大香木の一つとされる芳しい花木で、少し離れたところにも豊かな香りを届けてくれます。その上品な香りから庭木として人気があり、道端に植えられている風景を見かけることもよくあります。 ジンチョウゲは漢字で書くと「沈丁花」。香木として有名な沈香と、スパイスの一つである丁子(クローブ)になぞらえて名づけられたといわれています。開花期は2月下旬~4月上旬頃。手毬のように小さくまとまり、紅紫色のつぼみから純白の花が開く様子は上品で可愛らしいものです。ほかに、純白の花を咲かせるシロバナジンチョウゲや葉に斑が入る品種などもあります。ジンチョウゲは雌雄異株ですが、日本には圧倒的に雄株が多く、雌株のつける赤い実は滅多に見ることがありません。 ジンチョウゲの花の香りからは、リナロール、シトロネロール、ゲラニオールなどをはじめ、120種以上の香気成分が報告されています。主成分の一つであるリナロールには、鎮静作用やリラックス効果があるそうで、ジンチョウゲの香りが人々に愛されている理由の一つかもしれませんね。 ジンチョウゲを育ててみよう ジンチョウゲの一番の魅力は、なんといってもその香りのよさですが、ゲッケイジュに似た常緑の葉や、半日陰でも育つこと、樹高1mほどであまり大きくならず、コンパクトにまとまる株姿などの特徴があり、庭木として人気が高いのもうなずけます。花のように見える部分は実は萼なので、花期が長いのも嬉しいですね。ただし、ジンチョウゲの実は有毒なので、誤って口に入れたりしないように気をつけましょう。 ジンチョウゲの植え付け時期は、3月下旬~4月頃と、9月下旬~10月頃。マイナス5℃程度まで耐寒性があるので、東北地方南部の平地以南では、庭植えで栽培できます。根が傷つくと枯れてしまうことが多く、移植が難しいため、植え付ける際は場所をよく考えて決めましょう。同様の理由で鉢替えも難しいので、地植えのほうが育てやすいです。また、根を深く張らないため、水切れには注意が必要。地植えの場合でも、夏場に乾燥が続くようであれば水を与えたほうがよいでしょう。 成長がさほど早くなく、樹形がまとまりやすいので、剪定は基本的に必要ありません。剪定をする場合は、花芽を落としてしまわないよう春の花後すぐに行います。強い剪定をすると枯れてしまうことがあるので、乱れた樹形を整える程度の軽い剪定にとどめましょう。 ジンチョウゲは比較的寿命が短い樹木で、突然枯れてしまうこともあります。そのような場合に備えて、事前に挿し木で予備の株をつくっておくのもよいでしょう。ちょっと気難しいところもありますが、基本的に栽培はさほど難しくありません。ジンチョウゲの香りが好きな方は、一株育ててみてはいかがでしょうか? 併せて読みたい ・花いっぱいの垣根をつくろう! オススメの花木3種 ・宿根草ショップの店長が教える! 旬の宿根草「冬〜早春」オススメ5種 ・一度はこの目で見てみたい! 英国の春を告げる スイセンの花景色 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 Photo/ 1)janken/ 2)High Mountain/ 3)F_studio/ 4)traction/ Shutterstock.com
-
宿根草・多年草

ヒメイワダレソウ(リッピア)とはどんな植物? 注意事項と育て方を解説します!
ヒメイワダレソウとは simona pavan/Shutterstock.com ヒメイワダレソウは、その生育力の強さからグラウンドカバープランツとして植栽されることもある植物。雑草よけにもなり、芝生よりもメンテナンスの手間が少なく管理できます。しかし、日本では「生態系被害防止外来種リスト」に掲載されているため、栽培の際には適切な管理が必要です。ここでは、そんなヒメイワダレソウについてご紹介します。 基本情報 Tortoon/Shutterstock.com ヒメイワダレソウ(姫岩垂草)はクマツヅラ科イワダレソウ属の多年生植物で、学名はフィラ・ノディフローラ(Phyla nodiflora)。原産地はペルーなどの南米で、同じイワダレソウ属(フィラ属)の仲間は世界で220種ほどが知られています。海浜の砂場に這うようにして自生しており、そのため乾燥や塩害にも強い種が多いです。その生育力の強さから世界中に帰化していて、ヒメイワダレソウも日本国内で繁殖するようになってきています。上に伸びるのではなく、横に這うように伸びる匍匐(ほふく)性で、放射状に茎を伸ばしながら広がります。また、初夏から秋には、白色から桃色の穂状花序の可愛い花を咲かせます。より赤みの強い花を咲かせるタイプは、ヒメイワダレソウ‘ロゼア’の名前で流通しています。 比較的乾燥に強く、庭のグラウンドカバーとしてだけではなく、石垣や敷石のすき間の植栽やコンテナの寄せ植えなどでも活躍。日本にもイワダレソウというやや大ぶりな自生種がありますが、ヒメイワダレソウは「ヒメ」と付くように小ぶりで葉の節の間隔も狭く、より密に茂ります。ヒメイワダレソウは「リッピア」という名前でも流通しています。 効果や役割 monkeyjump/Shutterstock.com 前述のように、ヒメイワダレソウは密に繁茂して這って広がる性質から、グラウンドカバーとして人気があります。旺盛な繁殖力により雑草の侵入を阻害し、また食害もほとんど無いことから雑草対策や害虫予防に役立ちます。踏みつけにも強く、芝よりも刈り込みの回数が少なくて済むなど、たくさんのメリットがあるヒメイワダレソウですが、「生態系被害防止外来種リスト」に入るほど繁殖力が強いため、栽培の際には注意が必要です。 ヒメイワダレソウを栽培する際に必ず確認したい注意点 Luis Molinero/Shutterstock.com ヒメイワダレソウはとても育てやすく丈夫な植物で、近年はその旺盛な繁殖力が問題になりつつあります。植えていた庭の外にまで出ていって増えたヒメイワダレソウが、もともとそこで自生していた植物を駆逐してしまうことがあるのです。 原則として国内の自然環境に放流してはいけなかったり、販売や持ち運びに制限がある「特定外来生物」として、マスメディアでよく取り上げられる「ブラックバス」や「ブルーギル」がありますが、このまままではヒメイワダレソウも同様の扱いを受けるようになってしまうかもしれません。生物の多様性は、その生物が住む土地の人々のみならず、全世界の人々にとっての財産であり、守るべきものです。最近話題のSDGsの15番目の目標にもなっているので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。 2022年現在、ヒメイワダレソウは特定外来生物とはなっていませんが、日本に自生している植物の植生に強い影響があるのではないかということで、環境省の「生態系被害防止外来種リスト」に掲載されています。実際、日本の各所でヒメイワダレソウが増えつつあります。ヒメイワダレソウの代わりに在来種のイワダレソウを選ぶか、管理には細心の注意を払い、庭の外に出さないように気を付けるようにしましょう。 基本的な育て方 Asada Nami/Shutterstock.com ヒメイワダレソウはとても強健ですが、栽培環境によっては徒長し、思ったように密にならないことがあります。ここでは、ヒメイワダレソウの特徴や性質を確認していきましょう。 まず、ヒメイワダレソウはとても日照を好む植物です。夏の強光や高温でも問題なく育ちます。日当たりのよい場所なら適宜刈り込むだけで葉がより密になり、グラウンドカバーとして綺麗に育てることができます。反対に、日陰や湿地のような場所では徒長したり枯れてしまったりすることがあります。 水はけのよさにだけ気を付ければ、土壌は特に選びません。鉢植えで管理する場合は水はけのよい園芸用土に植えるとよいでしょう。植え付けは一年通していつでも可能です。植え付け後はしっかりと水やりを行いましょう。鉢植えの場合は、用土が乾いたらたっぷり与えてください。月に1度液肥を与えると生育も良好です。 よく増えることから、鉢植えにしていると根詰まりで生育が鈍ることがあるので、ときおり間引いたり、植え替えるなどして株を整理しましょう。 天敵となる病害虫は特にいません。マイナス5℃を下回ると地上部が枯れて越冬し、春になると土中に残っている根から芽吹いてきます。 ヒメイワダレソウの代わりに! おすすめのグラウンドカバープランツ Sergey V Kalyakin/Shutterstock.com ヒメイワダレソウはグラウンドカバーとしての人気が高い一方で、外来種として繁殖力が問題視されていることをご紹介しました。ここでは、ヒメイワダレソウの代わりにグラウンドカバーや花壇の縁取りに活躍する、地植えしてみたい植物を4つご紹介します。 ●『グラウンドカバーに最適な植物10選【足元のカバーや雑草対策に活用!】』の記事もどうぞ。 クラピア Doikanoy/Shutterstock.com 日本在来種のイワダレソウから品種改良されたクラピアは、グラウンドカバープランツとして現在注目されている植物。ヒメイワダレソウよりもさらにグラウンドカバーとしての特性が強く、また管理しやすいのが特徴です。栽培方法は基本的にヒメイワダレソウと同じで、よく増えるので意図しない場所に広がらないよう気を付けましょう。 セージ Beekeepx/Shutterstock.com セージはシソ科サルビア属の植物です。ラテン語の学名ではサルビア、英語ではセージと呼ばれています。非常にたくさんの種類がありますが、コモンセージ(サルビア・オフィシナリス)やサルビア・ネモローサなど、横に広がっていくタイプがグラウンドカバー向きです。 サルビアは古来よりハーブとして利用され、さまざまな効能があり重宝されていました。過湿を嫌うため、栽培する際は水はけのよい用土を選び、酸性土壌の場合は苦土石灰などで中和するとよいでしょう。種子繁殖をする場合は、春か秋に行うと、翌年の春から夏にかけての開花が見込めます。ただし種子の発芽率が悪いため、挿し木などで増やすほうが効率がよいことも。夏の日差しや高温多湿といった環境に弱いため、秋から翌年の初夏までの生育期に肥料をしっかりと与え、丈夫な株にすることが大切です。 ムスカリ Agnes Kantaruk/Shutterstock.com ムスカリはキジカクシ科ムスカリ属の球根植物。広い範囲にたくさんの株を一斉に咲かせると壮観で、花壇の縁取りなどによく用いられます。春先に釣り鐘形のブドウの果実のような小さな愛らしい花が咲き、チューリップと開花時期が重なることから、春に一緒に植えられているのを目にすることも多い植物です。ちなみにムスカリという名前の由来はムスクで、品種によっては甘いマスクメロンのような香りがします。水はけと日当たりがよければどこでも育つ強健さと増殖力の高さ、手間の少なさから、とても人気があります。一般的には紫色の花が咲きますが、現在は白やライトブルー、ピンクなどさまざまな花色の品種があり、自分の好みに合わせて選べるのも嬉しいですね。球根を植える適期は10~11月です。一度植えたら放任でよく育ちます。開花後は花がらを茎の根元から切り取り、残った葉を日に当てて球根を充実させましょう。残った葉が伸びすぎて見た目がよくない場合は、2月頃に一度葉を刈り込むと、開花期に株姿が整います。 ローズマリー Maren Winter/Shutterstock.com ローズマリーはシソ科マンネンロウ属の植物です。茎が立ち上がるタイプもありますが、グラウンドカバー向きなのは横に這うタイプで、広い範囲を香りのよい葉で覆ってくれます。 ハーブとして肉料理や魚料理、煮込み料理の香り付けとして活用されるほか、アロマや化粧品の素材としてもよく使われています。多くの品種があり、花色も白、ピンク、青、紫などさまざま。樹勢も木立性から匍匐性、その中間のものもあります。食用と庭の彩り、どちらにも活用できるおすすめの植物です。ローズマリーは過湿に弱いので、用土は水はけのよいものにしましょう。地植えで排水性に心配がある場合は、小粒の赤玉土やバーミキュライトなどを混ぜるとよいでしょう。またローズマリーは植え替えに弱いという性質があるため、植える場所ははじめからしっかりと決めておきましょう。 ヒメイワダレソウを栽培するときは、環境への配慮を忘れずに! Doikanoy/Shutterstock.com ヒメイワダレソウは性質が強く、繁殖力旺盛な植物です。適切に管理すれば、速いスピードで庭を覆ってくれ、素敵な庭づくりに貢献してくれることでしょう。反面、その成長の早さから他の植物の生育や環境への影響が懸念され、環境省の生態系被害防止外来種リストにも名前が挙がっている植物でもあります。そのことを意識しつつ、栽培の際は外部で繁殖しないようしっかり管理することが大切です。 Credit 文/3and gardenガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
-
樹木

あなたが知らないサクラの一面があるかも? 美しいサクラの品種をご紹介
桜色だけじゃない! さまざまな特徴を持つサクラたち 日本人の心の情景として、多くの人に愛されているサクラ。ひと口に「サクラ」といっても、じつはたくさんの品種があります。ここではそんなサクラの中から、代表的な品種や特徴的な品種を8種ご紹介します。 ‘ソメイヨシノ(染井吉野)’ 日本でサクラといえば、この‘ソメイヨシノ’が代表的な品種。葉が展開するよりも前に、木を覆い尽くすように薄紅色の花を満開に咲かせるその姿は、まるで夢のような美しさです。江戸時代に作出されたと考えられ、サクラの名所、吉野山にちなんで吉野桜と呼ばれていましたが、吉野山のサクラはヤマザクラであることから、その後「ソメイヨシノ」と名づけられました。 ‘カワヅザクラ(河津桜)’ 他のサクラよりも一足早く、3月上旬頃に満開になるピンク色の早咲き品種。2月上旬頃から徐々に咲き始め、開花期が長いのも特徴です。名前の由来となった静岡県河津町の町の木でもあり、毎年2月10日前後~3月10日には河津桜まつりが開催されます。 ‘カンザン(関山)’(別名:セキヤマ) 4月中旬~5月上旬にかけて、濃い桜色の八重花を咲かせる‘カンザン’は、ボリュームのある花姿が特徴です。サトザクラの仲間の一つで、桜の花の塩漬けに使われているのも主にこの品種。丈夫で育てやすいので、街路樹や公園の植木として活用され、イギリスなどでも街路樹としてよく見かけます。 ‘ギョイコウ(御衣黄)’ 4月下旬頃から咲く‘ギョイコウ’は、花に葉緑体を持ち、緑色の花を咲かせる珍しい桜。花弁の数が10~15枚程の八重咲き品種です。咲き進むにつれて次第に黄色みを帯び、中心部から赤みが差していきます。 ‘ウコン(鬱金)’ 淡い黄色の花を咲かせる‘ウコン’。花に葉緑体を持つことや、咲き進むにつれて中心に赤みが差し、上品なピンク色に移ろう性質などは‘ギョイコウ’とよく似ていますが、淡い黄色の色合いであることが特徴です。美人桜という別称もあり、人気の高いサクラですが、なかなか見られない珍しい品種です。 カンヒザクラ(寒緋桜)(別名:ヒカンザクラ) サクラの原種の一つで、まだ寒さが厳しい早春に、緋色や濃い桃色の釣鐘状の花をうつむき加減に咲かせます。中国南部から台湾にかけて分布するほか、沖縄県でも野生化している姿が見られ、沖縄県ではサクラといえばこの‘カンヒザクラ’を指す、というほど一般的なサクラです。 シダレザクラ 柔らかく流れる枝に花を咲かせるエドヒガンの枝垂れ品種。花の滝のようにあたりを彩る満開の景色は見事なものです。‘ヤエベニシダレ’や‘ベニシダレ’などの紅花品種のほか、白い花を咲かせる‘キヨスミシダレ’などの品種が有名です。 ジュウガツザクラ(十月桜) その名の通り、春の開花のほかに10月頃にも花を楽しめるジュウガツザクラ。狂い咲きではなく、毎年花が楽しめます。春に比べて花は小さくなりますが、冬の間もポツポツと白い花を咲かせ続ける姿は、けなげでとても愛らしいものです。 併せて読みたい ・【二十四節気】桜咲く春分。目だけでなく舌でも季節を感じる桜とは? ・サクラ(桜)のドライフラワーを作る方法!シリカゲルで生花のように保存 ・日本の春を彩る美しい花 桜の名所 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 Photo/1)Marie C Fields/ 2)Kazu Inoue/ 3)skyfish/ 4)Yoshihide KIMURA/ 5)Hosi Zin/ 6)Key Kwok/ 7)islavicek/ 8)yoko_ken_chan /Shutterstock.com
-
樹木

触りたくなるチュルふわ感! 春を知らせるネコヤナギの育て方
ネコヤナギは低木なので庭木にもおすすめ! ネコヤナギは、ヤナギ科ヤナギ属の落葉性低木。中国、朝鮮半島のほか日本でも、山間部の渓流から平地の水辺にまで自生し、春の訪れを知らせてくれます。 ヤナギといえば、街路樹として植栽されている大木で、枝が枝垂れて揺れている「シダレヤナギ」を思い浮かべる方も多いでしょう。「ネコヤナギ」は枝が枝垂れず、天を向き、樹高は1〜3mほどとそれほど高くならないので、庭木にも向いています。 ネコヤナギは、ほかのヤナギに先駆けて、春を告げる猫のしっぽのようなふわふわした可愛い花穂をつけます。フラワーアレンジメントなどでもよく利用されますし、イースターの飾り付けなどでも活躍します。 このふわふわの花穂の構造はどうなっているのでしょう。早春、葉を出す前に、まず枝先に白銀の綿毛に覆われた花穂を作ります。このふわふわの白い綿毛は、とても滑らかな手触りです。 その中からやがて花びらのない無数の糸のような雄しべ、雌しべを出します。ネコヤナギは雄木と雌木に分かれていますので、雄木には雄しべ、雌木には雌しべの花が咲きます。見た目はどちらもあまり変わりません。花期は3〜4月。不思議な構造ですね! 葉は細長い楕円形で互生し、枝がよく分岐するので、夏季は涼しげな樹形を楽しめます。 ネコヤナギは耐寒性、耐暑性に優れているので育てやすい植物ですが、自生地が水辺なので乾燥を嫌います。その点に気をつけて育てれば、たくさんの美しい花穂を咲かせることができます。 白だけじゃない! ネコヤナギの種類 ネコヤナギは銀白色の花穂が特徴的ですが、ほかの花色もあります。主な品種をご紹介しましょう。 ギンネコ 一番馴染みがある、白いネコヤナギ。 ピンクネコヤナギ 愛らしいピンク色の花穂を咲かせる品種。開花が進むと黄色い花粉を持つしべが現れます。 クロネコヤナギ 花穂が黒い品種。花穂はギンネコのようにふわふわした感じではなく、小さめです。白いネコヤナギの中に混じると存在感があります。 シマントネコヤナギ 四万十川の川辺に自生する品種。花色はクリーム色で、盆栽用としてよく使われています。 ネコヤナギの育て方 植え付け場所 水辺に自生するネコヤナギは、日光と水を好みます。乾きすぎず、かつある程度日が当たる場所に植え付けます。 地植えの場合、根鉢の2倍ほどの穴を掘り、腐葉土をたっぷり混ぜた土に植えます。植え付け後は水をしっかり与え、棒などでつついて根と土を馴染ませておきます。 鉢植えの場合、赤玉土7、腐葉土3の一般的な配合土を使います。 植え付け時期 植え付け・植え替え共に、落葉期の11〜3月に行います。 肥料 ネコヤナギは多くの肥料を必要としない植物です。 地植えの場合、生育が悪いようなら2月頃に固形の油粕と骨粉を混ぜたものを株元に埋め込みます。順調に育っているようなら、肥料を与える必要はありません。 鉢植えの場合、冬の2月頃に寒肥として緩効性化成肥料を株元にばらまきます。 肥料を与えすぎると、枝が伸びすぎて樹形が乱れてしまうので注意しましょう。 剪定 剪定の適期は、花後すぐです。ネコヤナギの花芽は夏には形成されます。遅くとも5月中には終わらせるようにしましょう。 枝が込み合ってきたら、不要な枝を切り落としても樹勢には影響しません。しかし、毎年強い剪定を行っていると樹勢が衰えるので注意してください。3〜5年に1回くらいで十分です。 病害虫 ネコヤナギがかかりやすい病害虫は、アブラムシ、うどんこ病などです。 アブラムシは、春先に発生して新芽につき吸汁します。窒素分の多い肥料の与えすぎや密植状態だと発生しやすいです。木酢液やニームオイルを塗布して、アブラムシを引き寄せないようにすることが大事です。 うどんこ病は梅雨時に発生しやすく、葉が白い粉のようなカビに覆われてネコヤナギを弱らせます。葉が込み合っていると感染しやすいため、風通しをよくしておきましょう。被害を受けた葉は速やかに取り去り、焼却してください。 ネコヤナギの増やし方 ネコヤナギは、挿し木によって増やすことができます。 3月上旬に、前の年に伸びた枝を20〜30cm切り取り、挿し穂にします。先端に3枚くらい葉を残します。挿し穂を1、2時間水につけたのち、用土に挿します。挿し木用土として、赤玉土(小粒)を入れた鉢を準備しておいてください。水をたっぷり与え、土が乾かないように管理します。1カ月くらいで発根します。根が十分に生えたら鉢や地面に植え替えます。 ネコヤナギと一緒に育てたい庭木 一年を通して花や緑を楽しめる庭はガーデナーの理想です。そんな庭を目指して、ネコヤナギと共に育てたい庭木をご紹介します。 ツツジ ツツジはネコヤナギの花と入れ替わるように、初夏の頃、紫、赤、朱、ピンク、白など色とりどりの華やかな花を咲かせます。ふんわりした低木の樹形は、すらりと伸びるネコヤナギの足元をカバーするのにぴったり。日当たりを好み、乾燥を嫌うなどネコヤナギと同じ性質ですから、一緒に育てやすいです。 また、挿し木で簡単に増やせます。 ナンテン ナンテンは常緑低木で、一年中緑を楽しめます。そして、彩りの乏しくなった冬に、真っ赤な小さな実を房状にたくさんつけてくれます。その枝を切り取って、クリスマスやお正月の飾りとして利用できます。 半日陰でも十分育ちますので、家のあまり日の当たらないところに植えても大丈夫。半日陰を積極的に活用できます。 ナンテンは「難を転ずる」に通じるところから、厄除け、魔除けとして古くから庭に植えられてきたそうです。きっとあなたの庭にも幸運をもたらしてくれるでしょう。 まとめ 生け花の花材として利用した枝をそのまま土に挿しても発根するほど生命力が強く、育てやすいネコヤナギ。ガーデニング初心者だけれど、庭木にも関心がある方にぴったりの樹木です。手入れが簡単で、初心者でも十分剪定ができますよ。 庭に奥行きと変化を与えてくれ、白、ピンク、黒といろいろな種類の花穂があるネコヤナギ。ぜひあなたのお好きな色のネコヤナギを見つけて楽しんでください。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
-
樹木

フワフワの花が咲くスモークツリー! 育て方や楽しみ方をご紹介
スモークツリーの基本情報 weha/Shutterstock.com スモークツリーは、ウルシ科ハグマノキ属の高木で、学名はCotinus coggygria。原産地はヨーロッパやヒマラヤ、中国などです。暑さにも寒さにも強く、放任してもよく育ちます。逆に生命力が強いために、枝葉を旺盛に伸ばして樹形を乱しやすいので、適した剪定をして風通しよく管理するひと手間が必要です。自然樹高は4〜5mになるので、庭で栽培する場合は、剪定によって2〜3mの高さに抑えるとよいでしょう。ちなみにスモークツリーは、雌木と雄木がある雌雄異株。ガーデニングで一般に栽培されているのは、雌株です。冬にはすっかり葉を落とす落葉樹で、秋には赤く色づく紅葉を楽しめます。 名前の由来にもなったスモークツリーの花! 詳しい特徴は? muratart/Shutterstock.com スモークツリーの開花期は、6〜8月。花穂を立ち上げて3mmほどの花を咲かせます。花後に花茎が長く伸びて羽毛のような姿を現し、フワフワと煙がかかっているように見えることから、「スモークツリー」という名前がつけられました。ケムリノキ、カスミノキという別名も持っています。花茎の色は、白、ピンク、赤など。 スモークツリーには花や葉の色が違ういくつかの種類がある! Max_555/Shutterstock.com スモークツリーはカラーリーフとしても活躍する人気の花木で、さまざまな葉色の品種が出回っています。カラーリーフで有名な品種は、黄色みの強い明るい葉色の‘ゴールデンレデイ’、黒みを帯びたワインレッドの葉を持つ‘ロイヤルパープル’や‘ベルベットクローク’など。 また、鮮やかな赤い花茎の‘ワインカラー’、ピンクの‘ピンクボール’、白の‘ホワイトボール’、花茎がピンクからグリーンのグラデーションになる‘グリーンボール’などもあります。 スモークツリーは育てやすい? 育て方のコツをご紹介 スモークツリーは生命力旺盛なので、放任してもよく育ちます。一方で、繁茂しすぎる一面もあるので、適したメンテナンスも必要。ここでは、スモークツリーの育て方のコツを詳しくまとめました。 スモークツリーに適した環境は? Pixiversal/Shutterstock.com スモークツリーの栽培には、日当たり、風通しのよい場所が最適です。ただし根が浅く張る性質があり、風の通り道など強風が吹きつけやすい場所などは、倒伏の原因になるので避けたほうが無難です。 栽培適地は北海道南部〜沖縄で、暑さにも寒さにも強い性質です。真夏や真冬などの厳しい季節に鉢上げして養生させる必要はなく、地植えしても放任で育てることができます。また、スモークツリーは成長スピードが速く、枝葉を旺盛に茂らせるので、自由に枝葉を広げられるように広めのスペースを確保しておくとよいでしょう。 過湿を嫌うので、粘土質の土壌や水場に近くて低い場所など、水はけが悪くてジメジメとした環境には向きません。庭に植え付ける場合は、水はけのよい場所を選び、腐葉土や堆肥などの有機質資材をすき込んで、腐植質に富むふかふかとした土壌づくりをしておきましょう。 スモークツリーに適した土は? funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、直径、深さともに50cm程度の穴を掘りましょう。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきます。粘土質などの水はけの悪い土壌であれば、腐葉土や堆肥を多めにすき込んで土壌改良し、土を盛って周囲よりも高くしておくとよいでしょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 樹木用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。自身で配合用土を作りたい場合は、赤玉土5、腐葉土3、川砂2の割合でブレンドするとよいでしょう。 スモークツリーの植え付け方法 Monkey Business Images/Shutterstock.com スモークツリーの植え付け適期は、5〜9月です。 【地植え】 土りづくをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。しっかりと根づくまでは、支柱を立てて誘引し、倒れるのを防ぐとよいでしょう。最後にたっぷりと水を与えます。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、10号以上の大鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから樹木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗木をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢に仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。しっかりと根づくまでは支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぎましょう。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えます。 乾燥気味を好むスモークツリー! 水のやりすぎには注意 Osetrik/Shutterstock.com 水やりの際は、木の幹や枝葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると、温まった水により木が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。反対に、真冬は気温が十分に上がった日中に行います。夕方に水やりすると凍結の原因になるので避けてください。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、晴天が続いてひどく乾燥する場合は水やりをして補いましょう。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。ただし、スモークツリーは多湿を嫌うので、水の与えすぎには注意。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。また、茎葉がややだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。冬は生育が止まり、表土も乾きにくくなるので控えめに与えるとよいでしょう。 スモークツリーはどのくらい肥料を必要とする? Pawel Beres/Shutterstock.com スモークツリーに肥料を与えるのに適したタイミングは、12〜3月です。 【地植え】 スモークツリーは生育スピードが速く、旺盛に枝葉を伸ばすので、肥料を与えすぎると持て余すことになりかねません。地植えの場合、肥料は基本的には不要と捉えておくとよいでしょう。あまり生育に勢いがないようであれば、適期に肥料を与えて様子を見てください。 【鉢植え】 適期に、緩効性化成肥料を施します。 スモークツリーは毎年剪定しよう! mihalec/Shutterstock.com スモークツリーの剪定適期は、落葉期の11〜2月です。樹高が高くなりやすいので毎年剪定し、家庭で栽培する場合には2〜3m以内に樹高をキープしておきたいものです。 特に若木のうちは生育が早く、庭植えにすると1年で2mほども枝を伸ばすことがあるので、徐々に成長して落ち着くまでは、放任せず適期に剪定することが大切です。 スモークツリーは、直立した太くて強い徒長枝を、数本長く伸ばします。この徒長枝を残すと、この枝の上部からさらに強い徒長枝が伸びて樹形を乱すので注意。強い徒長枝は、樹高の1/2〜1/3までを目安に、外向きに伸びている細い枝の少し上で切り取ります。内向きに伸びて、明らかに将来込み合う原因になるような徒長枝は、根元から切り取ってかまいません。徒長枝を切り取った後は、細い枝を剪定します。内向きに伸びる枝、込み合っている枝の間引き剪定をして風通しをよくしてください。若木のうちは、地際から発生するひこばえが多く出るので、根元から切り取ります。 生育が落ち着いてきたら、枝の先端につく花芽を落とさないよう、込み合っている部分を間引く剪定を基本にするとよいでしょう。 スモークツリーを育てるうえで気をつけたい病気や害虫 Decha Thapanya/Shutterstock.com スモークツリーは強健な性質で、病害虫の心配はほとんどありません。しかし、まれに下記の病害虫が発生することがあるようです。 【病気】 スモークツリーに発生することがある病気は、うどんこ病です。 うどんこ病は、発生すると葉の表面に白い粉が吹いたようなカビが見られます。光合成を阻害されたり、葉から養分を吸収されたりして、生育が悪くなります。放置してひどくなると枯れてしまうこともあるので注意。木の勢いがなくなり、見た目もよくないので、兆候が見られたら早期に殺菌剤などを散布して対処しましょう。梅雨の時期に発生しやすい傾向にあるので、水もち、水はけのよい土壌づくりと、適切な水やりの管理が回避のカギです。チッ素成分の多い肥料を与えすぎるのも、発症のきっかけになります。 【害虫】 スモークツリーに発生しやすい害虫は、カイガラムシ、ハダニです。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫です。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。硬い殻に覆われ薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 ハダニは、乾燥が続くと発生しやすい小さな虫で、葉裏などについて吸汁します。大発生すると株が弱ることがあるので、葉の表や裏に水のシャワーを勢いよくかけましょう。小さな虫なので、水の勢いで押し流すことができます。 スモークツリーの植え替えはどうする? Nataly Studio/Shutterstock.com 【地植え】 暑さや寒さに強く、真夏や真冬などの厳しい気候下でも育つので、鉢上げなどの作業は不要。植地えの場合は、一度植え付ければそのまま放任してもかまいません。 【鉢植え】 鉢植えで楽しんでいる場合、スモークツリーは生命力旺盛なために成長とともに根詰まりしてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替えの適期は、落葉期の11月〜3月上旬。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から木を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢を崩す程度にして植え替えてください。 スモークツリーの増やし方は? Mila Naumova/Shutterstock.com スモークツリーは、種まき、株分け、挿し木の方法で増やすことが可能です。ここでは、増やし方について詳しく解説していきます。 スモークツリーは種まきで増やせる! スモークツリーが結実していたら種子を採取し、その種子を播いて増やすことができます。9〜10月に種子を採取し、黒ポットに新しい培養土を入れて十分に水で湿らせます。種子をまき、薄く土をかけて明るい日陰で管理。発芽後は日当たりのよい場所に置いて育苗します。本葉が3〜4枚ついたら勢いのある苗を1本のみ残し、ほかは間引きます。根が回るくらいに成長したら、植えたい場所に定植しましょう。 ひこばえから株分けする方法も! スモークツリーは、若木のうちは地際からたくさんのひこばえを発生させます。本来は剪定適期に地際でカットして処分するものですが、このひこばえを利用して株分けすることも可能です。ひこばえが1mほど伸びたら、掘り上げて根を落とさないように株分けし、植えたい場所に植え付けます。 成功率は低いが品種によっては挿し木でも増やせる 挿し木とは、枝を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、スモークツリーは成功率は低いものの、挿し木で増やすことができます。 挿し木の適期は、4月中旬〜6月中旬です。スモークツリーの挿し木は成功率が低いので、多めに挿し木をしておくとよいでしょう。その年に伸びた新しい枝を10cmほどの長さで切り取り、採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り取ります。3号(直径9cm)くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて水で十分に湿らせておきます。培養土に植え穴をあけ、挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて管理します。その後は日当たりのよい場所に置いて育苗し、大きく育ったら植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 スモークツリーの楽しみ方は? spline_x/Shutterstock.com スモークツリーは、フワフワとした花姿がユニークな花木です。花をカットしてインテリアに飾っても素敵ですし、ドライフラワーにすることもできます。 また、スモークツリーの葉は丸くて可愛らしく、色も青みがかったグリーン、黄味がかったグリーン、赤紫色などのバリエーションがあるため、カラーリーフプランツとしても利用できます。グリーンと赤紫色の葉を対比させて植えるのもいいですね。樹高が高くなるので、その家の顔となるシンボルツリーとして仕立てることもできますよ! フワフワで可愛い人気のスモークツリーを庭に! Edita Medeina/Shutterstock.com 丸い葉が愛らしいスモークツリーは、開花期以外でもカラーリーフとして庭で活躍する樹木です。暑さ寒さに強く、大変丈夫なので、毎年の剪定さえ忘れずに行えば、ビギナーでも簡単に育てられます。花も葉も観賞価値が高いスモークツリーを、ぜひ取り入れてはいかがでしょうか。 参考文献上条祐一郎『切るナビ! 庭木の剪定がわかる本』NHK出版 (2017年第17刷)
-
観葉・インドアグリーン

エアプランツでガーデニングデビュー! 初心者向けの品種や手入れをご紹介
エアプランツの基礎知識 まず、エアプランツとは何なのかについて解説します。エアプランツというのは通称で、正式には学名をチランジア(Tillandsia)といい、パイナップル科ハナアナナス属の植物です。種類は700種以上あり、その中の、主に葉から水分を吸収する一部のグループがエアプランツとして流通しています。管理のしやすさから、最近は100円ショップなどでも販売されており、手に入れやすい植物といえるでしょう。 原産地は北〜南アメリカ大陸や西インド諸島など。自生地では木の幹や枝、岩などに引っかかったり、くっついたりして生育しています。雨や霧の水分を葉から吸収するため土を必要とせず、時に根のようなものが出ても、それは自身が吹き飛ばされたりしないように着生するためのもので、水分は吸収できません。市販のエアプランツは着生のための根が切られていることが多く、そのため水やりの必要がないと思われがちですが、雨の降らない屋内で育てるためには、代わりの水やりは必要不可欠です。 また、エアプランツは形態的なことと管理方法の違いから、大きく2グループに分けられます。一つは葉に産毛のようなものがあり白っぽく見える銀葉種、もう一つは緑色で光沢がある緑葉種です。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。 銀葉種の特徴とは 銀葉種の産毛のようなものは、水分を効率よく吸収するための器官。トリコームと呼ばれ、雨や霧などの空中の水分を吸収します。トリコームがあることで葉の表面から水分を吸収できるだけでなく、強光から身を守っているとされています。比較的乾燥に強いですが、反面、夏の高温多湿には弱いという特徴があります。水やり後は風通しよく管理することが大切です。 緑葉種の特徴とは 緑葉種はトリコームが少ないため、表面が白くはならず、緑っぽい見た目となります。夏の高温多湿による枯死の心配はあまりありませんが、トリコームによる吸水量が少ないため乾燥しやすく、室内管理はしやすい分、銀葉種よりも水やりの回数は多くなります。 エアプランツをインテリアに生かそう! おすすめの飾り方 用土や植木鉢での管理の必要がないというエアプランツの特徴を生かした飾り方をしてみましょう。ワイヤーなどでハンギングにすれば、部屋のさまざまな場所にお洒落に飾ることができます。無機質な空間にグリーンが浮かんでいるだけで、だいぶ印象が変わります。またコルクやヘゴ、流木などに活着させることで、自生地風のインテリアとしても楽しむことができます。自分の好みの種類をたくさん着生させれば、世界に一つだけの素敵なインテリアになるはず。ほかにも、ガラスや耐水性のある器にのせると、スタイリッシュなインテリアとして可愛く活用できます。好きな小物の近くに置くだけでも、雰囲気はかなり変わりますよ。生育適性を考えると、銀葉種はハンギング、緑葉種はガラス製のコップやテラリウムのような透明の容器で育てるほうが管理しやすいでしょう。 初心者にも育てやすい! おすすめのエアプランツ エアプランツにはたくさんの種類があり、その中には育てやすい種から気難しい種までさまざまなものがあります。ここでは初心者でも気軽に育てられる、難易度低めの種類をご紹介します。 カプトメドゥーサエ 壺形のでっぷりとした形と、くねくねと伸びる葉が特徴的な銀葉種です。その姿がギリシャ神話に登場するメデューサに似ていることから名付けられました。丈夫で乾燥にも強く、赤紫の可愛い花を咲かせます。流通も多いため、エアプランツの中でもメジャーで人気のある種です。育てる上での注意点は、壺形なので葉と葉の間に水が溜まりやすく、夏は蒸れて腐りやすいこと。水やりは夜間に行い、その後は風にしっかりと当てて乾かしましょう。 イオナンタ エアプランツといったらコレ! というくらいに普及していて、おそらく一番簡単に入手できる種です。100円ショップなどでも購入できます。見かける機会は多いですが、同じ種でもさまざまなバリエーションがあるため、好みの形や花色のものをたくさん集めても楽しいでしょう。銀葉種なので乾燥に強く、丈夫です。蒸れに対しても他の種より耐性があり、水やり後の管理もさほど気をつかわず、日の当たる場所であれば、通年室内で管理しても問題がありません。花芽が上がってくると同時に葉も紅葉し、とても綺麗な姿になります。その際は、しっかりと日光に当てることが大切です。 ブルボーサ 壺形で葉がうねることからカプトメドゥーサエに似ていますが、この種は緑葉種で、トリコームが少なく艶のある緑色をしていることで区別できます。イオナンタ同様流通量が多く、100円ショップや園芸店、雑貨店などでも売られています。紫色の花を咲かせますが、その際、花芽の上がってくる茎の部分(花序)が赤く染まり、紫、赤、緑と段階的なコントラストがとても鮮やか。乾燥に弱い緑葉種のため、こまめに水やりをしましょう。 ストレプトフィラ 乾燥すると長くてやや幅広の葉がクルクルとカールする、印象的なエアプランツです。曲線を描く優美な姿や大ぶりな花から「チランジアの女王」と呼ばれています。銀葉種のため乾燥に強く、また乾燥すればするほどカールが強くなります。水やりのサインが分かりやすいので、初心者向けといえるでしょう。強光には弱いため、夏場に外に出す場合は遮光の必要があります。また室内で管理する場合も、窓からの直射日光で葉焼けする場合があるので、レースのカーテン越しの光が当たる場所などに置きましょう。 テクトラム ツンツンした細長い葉を多数つけ、ふわふわのトリコームで覆われた姿はどこか小動物的でとても可愛らしく、人気がある種です。銀葉種のため乾燥にも強いほうですが、涼しく、空中湿度が高いほうが綺麗に育ちます。夏の直射日光や蒸し暑さには弱く、水のやりすぎで葉が濡れた状態が続くと腐りやすいので、水やり後は風通しのよい場所でしっかり乾かしましょう。 初心者でも簡単! エアプランツの手入れ方法 種類によって水やりの頻度が違い、また生態も他の植物と異なるため、どう手入れをしたらいいのか分からないという方もいるかと思います。ここではエアプランツの管理の仕方について、ポイントを交えてご紹介します。 水やりは霧吹きとソーキングを組み合わせて エアプランツの水やりの基本は霧吹きです。最低週に2回、種によっては毎日、全体にまんべんなく水がかかるように行いましょう。また、栽培環境が特に乾いている場合や水切れを起こした場合は、水をためた器にエアプランツを浸し、1~2時間ほどそのままにするソーキングを行います。ただし、種類によってはソーキングをすると水分過多になる可能性があるので気を付けましょう。 水やりのポイントは、全体をしっかり濡らしたら、しっかり乾かすこと。特に壺形のエアプランツは葉と葉の間に水がたまって抜けにくいため、逆さに吊すなどして水をよく切りましょう。また夏場などは水やり後にたまった水が熱くなり、蒸れによる枯死の原因となります。夜間に水やりをするか、水やり後は日陰に移すなど、温度上昇を防ぐ工夫をすることが大切です。反対に、冬は暖かい日中に水やりをすることで水切れも早くなり、寒さによるダメージも軽減できます。 エアプランツを増やすには? エアプランツは通常開花後に親株は枯れ、その後周りに子株が数個出てきます。生育が順調だと開花前に子株を出して増えることもあります。その子株を外さずそのまま生育させ、群生させてボリュームのある株にするのも素敵ですし、別株として増やしたい場合は、子株を親株の2/3ほどの大きさまで生育させたあと外すことも可能です。 エアプランツに肥料を施すには? 適度な施肥はエアプランツの生育を促すのに効果的です。生育期の春と秋に週に1回程度、2,000倍に薄めた液体肥料を霧吹きで与えましょう。濃度や頻度によって肥料焼けする場合があるため、様子をよく観察しながら行いましょう。 エアプランツで心安らぐインテリアを作ろう エアプランツは「水やりが不要」というわけではありませんが、コツをつかめば手入れの手間も少なく、初心者でも育てやすい植物です。土を必要としないため植木鉢の必要がなく、スペースを取らず、また衛生的に植物を育てることができます。そのままシェルフに置いたり、お気に入りの容器や雑貨と合わせたりすることで、素敵なインテリアとして、おうち時間をさらに心安らぐものにしてくれることでしょう。まずは一株育ててみて、管理に慣れたら徐々に増やしていき、ナチュラルな癒やしのある部屋を目指してみてはいかがでしょうか?
-
宿根草・多年草

モナルダ(ベルガモット)はどのようにして育てる? 特徴・育てる際の注意点についてもご紹介!
モナルダとは? モナルダという植物名は学名のMonardaからきており、和名のタイマツバナ(松明花)やヤグルマハッカ(矢車薄荷)などとも呼ばれます。シソ科ヤグルマハッカ属に分類される植物で、北アメリカが原産です。 モナルダの特徴 モナルダは夏に花を咲かせるハーブです。最もポピュラーなのは赤色の花ですが、現在では品種改良が進み、さまざまな色の品種が存在します。花びらがほっそりとして繊細そうにも見えますが、じつは暑さ寒さのどちらにも強く、育てやすい植物です。また、モナルダの葉は香りがよく、ハーブとしてお茶やお香、アロマオイルなどに使用されています。 モナルダの生育サイクル モナルダの開花時期は初夏から夏。6月から咲き始め、9月頃まで花を楽しむことができます。春から初夏にかけての開花前が生育期で、一年草扱いの一部品種を除き、秋に落葉すると冬は根だけになって休眠する宿根草です。 春先に苗が出回ることが多いので、植え付けは3〜4月に行います。鉢で育てているものが根詰まりしたときや、大きくなったために株分けするときは、植え付けと同時期の3〜4月か、暑さが落ち着いた9月下旬~10月中旬に植え替えます。 モナルダの花言葉 モナルダの花言葉は「柔らかな心」「安らぎ」「火のような恋」「燃える思い」など。これらの花言葉は、モナルダの花に赤色が多いことからつけられました。 モナルダの種類 モナルダには数多くの種類がありますが、ここでは代表的なものをご紹介します。 モナルダ・ディディマは、タイマツバナと呼ばれる種類です。ハーブとしてのベルガモットというと、この種を指します。丸みのある集合花は、赤やピンク、白、オレンジ、紫など、さまざまな花色があります。 モナルダ・フィスツローサは、ヤグルマハッカと呼ばれる種類で、ワイルドベルガモットとも呼ばれ、薄紫や薄桃色の花を咲かせます。北アメリカに多く分布し、ネイティブアメリカンの多くの部族で薬草として使われています。 モナルダ・ディディマ‘ケンブリッジスカーレット’は、ディディマの一品種ですが、ひときわ目を引く濃い赤色の花が特徴的な品種です。 モナルダ・シトリオドラは、レモンベルガモットとも呼ばれる種類です。花の形が特徴的で、赤紫の花の丸い塊が縦に連なり、段状に咲きます。 モナルダの育て方・育てるコツ ここまで可愛らしい花やハーブとしての香りが魅力のモナルダの特徴についてご紹介しました。ここからは、魅力的なモナルダを家庭で育てる際のコツについて詳しく解説します。 植え付け 植え付けは3〜4月か9月下旬〜10月に行います。風通しと日当たりのよい場所を選びましょう。腐植質が豊富な土を好むので、植え場所の土や用土に、腐葉土や牛ふん堆肥などの有機質を、1㎡あたり10〜20ℓほど混ぜ込んでおきます。成長した後も風通しがよくなるよう、間隔をしっかりとあけて植え付けましょう。地下茎で増えるタイプは、周りに植物が込み合っていない場所に植え、意図しない場所に広がらないように注意しましょう。 剪定 植えっぱなしで放任栽培でも楽しめますが、4月に摘心(てきしん/茎や枝の先端を摘み取る作業。ピンチとも)を行うと芽数が増えて、花もたくさん咲くようになります。また、咲き終わって散った花びらが葉の上に落ちていたら取り除いておくと、カビや病気が発生しにくくなります。秋になって枯れた地上部は株元で切りましょう。 植え替え モナルダは、とても根を張る性質があります。鉢植えの場合は1〜2年で植え替えをしましょう。大きな鉢に植え替えてもよいのですが、よく増えるので、必要な分だけ株を残して元の鉢に植え直してもよいでしょう。 バラの下草などとして植えている場合も、株が広がりすぎたら、春先に掘り上げて整理すると株姿がまとまります。 増やし方 モナルダの増やし方にはさまざまな方法がありますが、最も手軽な方法が株分けや挿し芽(挿し木)です。 株分けは春か秋に行います。地下茎を適度な大きさに切って株分けしましょう。挿し芽も春か秋が適期で、切った茎を用土に挿して育てます。 株が込んできたら植え替えてもいいですが、株分けでもそれほど手間は変わらないので、いっそ株分けして株をリフレッシュさせるのもいいかもしれませんね。 肥料 春と秋に緩効性肥料を与えると、生育がより旺盛になります。地植えの場合も、春と秋に緩効性肥料をまくとよく生育します。成長期から開花期までは、液体肥料を月に3回程度与えるとよいでしょう。 水やり 鉢植えの場合は、表土が乾いたらたっぷりと水を与えます。特に成長期から開花期までは水切れに注意し、こまめに水を与えるようにしましょう。地植えの場合は水やりの必要はありません。 病害虫 モナルダは病害虫に強いといわれる植物ですが、蒸れなどにより被害を受けることもあります。病気ではうどんこ病や灰色かび病になりやすいため、風通しよく管理するなどして予防します。害虫ではアブラムシやヨトウガの食害を受けることがあるため、見つけ次第取り除きましょう。 初心者でも育てやすいモナルダを育てよう! モナルダは初心者の方にも育てやすく、可愛らしい花が咲き、さらにハーブとしても楽しむことができる人気の植物です。この機会にぜひ、モナルダを育て始めてみてはいかがでしょうか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
-
宿根草・多年草

栽培歴15年以上の愛好家が教えるクリスマスローズを庭でかわいく咲かせるコツ
花のバリエーションは無限! 多彩な花色・花形が魅力 クリスマスローズを育てるようになって、かれこれ15年ほど。ありとあらゆる種類を育ててきましたが、私のクリスマスローズへの情熱はまだまだ冷めることがありません。それほどクリスマスローズは多彩な魅力を持つ花です。とにかく花のバリエーションがとても豊富。えんじ、ピンク、白、黒、黄、緑、グラデーション、花びらの縁が糸のように別色で縁取られるピコティ、花形もシングル(一重)、ダブル(八重)、セミダブル (半八重)とじつに個性豊か。写真のようにクリスマスローズだけを集めても華やかでユニークなブーケが楽しめます。 冬の庭に立体感を出すのに最適 冬から早春にかけては、庭で咲いている花はまだまだ多くありません。わずかに咲いている花も原種シクラメンやビオラなど、地際で小さく咲いているものがほとんどなので、庭が平面的に見えがち。そんななか、クリスマスローズは草丈が30cmほどあり、花も比較的大きいので、この季節の庭では存在感抜群。ペタッと見えがちな冬の庭にボリュームを出してくれる貴重な存在です。ですから植栽エリアの中〜後方へ配置して、手前の小さな花々と共演させることが多いです。写真のクリスマスローズはセミダブル (半八重咲き)で、花びらの縁が糸でかがられたように色づく「ピコティ」と呼ばれる花色です。 早春の庭の小径です。クリスマスローズが花の小径にボリュームを出してくれています。地植えにして2〜3年すると株が太って、ブーケのように花をたっぷり咲かせてくれるようになり、フラワーアレンジメントの花材としても活躍してくれます。花が終わった後も緑の葉が残るので、夏の庭もみずみずしく見せてくれます。 クリスマスローズと早春の花々との共演で個性を引き立てて 私はクリスマスローズが小さな花々と共演する風景が大好きです。それぞれの花の個性が引き立ち、どれもこれもいっそう魅力的に見えます。クリスマスローズは宿根草なので、毎年ここから出てきて咲いてくれます。原種シクラメンやアネモネ、クロッカスも季節になれば何年も咲いてくれる球根花です。一年草のパンジーやビオラは、毎年植え替えて組み合わせの変化を楽しんでいます。これらの花とクリスマスローズは好相性です。 これはクリスマスローズと春の球根花の寄せ植えです。中央にクリスマスローズを配置し、周辺にピンク色のムスカリやアネモネ・フルゲンスなどの淡い花色の小球根を、鉢縁はベロニカで彩りました。 クリスマスローズは落葉樹がある庭にぴったり ウワミズザクラの下で咲く大株に育ったクリスマスローズ‘プチドール’。 クリスマスローズを上手に育てるコツは、生育の特徴を理解することです。といっても、とても簡単。クリスマスローズは多くの花が生育旺盛になる初夏には半休眠状態になり、逆にほかの花々が眠りにつく晩秋から翌年春までの寒い季節に生育します。眠りについている時はできるだけ涼しく、生育期間中は光合成を促すために日光を浴びられる場所が最適です。その条件にぴったり合うのが落葉樹の下です。落葉樹は、夏は葉を茂らせて日陰を作ってくれますし、冬は葉を落として日光を遮りません。私はベイリーズセレクト(ベニバスモモ)やウワミズザクラなどの落葉樹の下にクリスマスローズを植えています。またオリーブは常緑ですが、葉が小さく冬も木漏れ日がちょうどよく届くので、その下にも植えています。 オリーブの木陰で育つクリスマスローズ。色が濃く草丈の高い種類は、庭の隅など目立たない場所の彩りとしても活躍してくれる。 北側の庭の木陰で花を咲かせるクリスマスローズ。寂しくなりがちな北側の庭も、クリスマスローズが好む条件です。ピンクの花は原種シクラメンで、クリスマスローズと同じ環境を好むので、共演の相手にぴったりです。 この花壇は隣家との間のごくわずかなスペースで、コンサバトリー(温室)の窓下にあります。日が当たる時間は限られていますが、冬は太陽が低く日が差し込むので、クリスマスローズはきれいに咲いてくれます。うつむいて咲く花が多いので、窓のそばで間近に見られるのが気に入っています。 場所さえ合っていればどんどん増えるクリスマスローズ 基本的に、多くの種類はとても丈夫で、上記のように場所さえ合っていればあまり手間なく大きく育ち、そしてよく増えます。クリスマスローズは株が太っていくだけでなく、じつはこぼれ種でもよく増えるのです。写真のクリスマスローズもここに植えたのではなく、こぼれ種でいつの間にか石の間から咲いたもの。こういう自然のサプライズはとても嬉しいものですし、人の手では生み出せないナチュラルな雰囲気が庭に生まれるのも気に入っています。 こんなレンガの隙間にも、こぼれ種で育ったクリスマスローズが。陰になり涼しいところを選んでいるのですね。その下で咲いているピンクの花は、ユキワリソウです。この花もクリスマスローズと同じ環境を好みますが、山陰の夏の暑さはこの花には過酷。こうして残って咲いているのは、とても貴重です。 クリスマスローズとの上手な付き合い方 クリスマスローズの花苗は数千円から希少種になると数万円という価格帯です。花苗のなかでは少し高めに感じられるかもしれませんが、前述の通り何年もよく咲き、こぼれ種でも増え、病害虫の被害もあまり心配することがないので、とてもコスパのよい花です。とはいえ、失敗したくはないですよね。一番の心配は夏の暑さで枯れることで、種類によって夏の暑さがとても苦手なものもあります。ですから、私は新しい種類はいきなり地植えにせずに、一年目は鉢植えで様子を見るようにしています。通気性のよい素焼きの鉢に植え替え、季節によって場所を移動しながら様子を見て、よく株が太るようなら地植えにします。希少種といわれる流通量が少ないものは大事に鉢で育てられることが多いようですが、育てにくいかというとそうとも限りません。意外と地植えにすると株が太って見事な花付きを見せることがあるので、あまり怖がらずに庭で楽しんでいます。 希少種の‘ヨシノ’も地植えで大株に育ってきている。 クリスマスローズの季節のお手入れ 【花がら切り】 クリスマスローズは先ほど言ったように、夏は半休眠状態になります。花は遅くとも5月までには切って株の体力を温存します。「花」といっていますが、じつはクリスマスローズの花に見える部分はガク片なので、「花びらが落ちる」ことがありません。段々と色があせてはいきますが、散ることがないのでなんとなくそのままにしてしまいがち。ですが、放っておくと中心部に種をつけます。種取りをしたい場合にはそのまま成熟させるとよいのでしょうが、種をつけると株は種のほうに栄養を注ぎ込んでしまい、夏を越す体力がなくなってしまいます。ですから、花が色あせてきたなと思ったら、花がらをなるべく早く切るようにしています。切った花はフラワーアレンジメントにして楽しみます。 【肥料】 肥料は、とりわけクリスマスローズのためだけに与えるというわけではありませんが、庭にはバラもたくさん植わっているため、秋や冬、早春の庭の花の植え替え時に定期的に庭全体に肥料をまいています。鉢植えの場合は、生育期間中に定期的に緩効性肥料を施し、時々液体肥料を混ぜて水やりをします。 【葉切り】 クリスマスローズは葉が大きくこんもりとよく茂りますが、秋に十分涼しくなったら古い葉は切り取り、こうして新しい葉と交代させます。そのままにしておくと株元の花芽に日光が当たらず、春になっても花が上がってこなくなってしまうことがあります。全部とってしまうと庭の自然な雰囲気が損なわれるように思うので、いくらかは残そうと思うのですが、どれを残してどれを切るか、目下の私の課題です。 【病害虫】 夏の蒸れや加湿に注意すれば、あまり病害虫にも悩まされることなく丈夫に育ちますが、「ブラックデス」という葉や株元が黒く変色する病気には注意が必要です。クリスマスローズがかかるウイルス病ですが、薬剤がなく伝染するため、見つけたら残念ですが速やかに抜き取ります。ほかのクリスマスローズも感染していないかよく周辺を確認し、ブラックデスを触った手でほかの花に触れないようにします。ブラックデスの株を抜き取ったり切ったりした園芸ツールも消毒が必要です。 ブラックデスは数カ月間の潜伏期間があるようで、病気が発生するまで気付くことができません。潜伏期間中にほかの株にウイルスが伝染しないようにするためにも、新しく買ってきた株は、いったん鉢植えで育てて様子を見るのが無難です。 今、注目のクリスマスローズ ほとんどの花形・花色を育ててきたので、何か新しいものが育てたいなと思っていたところに、近年出会ったのが‘レッドサン’(左)と‘パピエ’(右)。花郷園というクリスマスローズのナーセリーの品種ですが、花が上向きに咲いているのが他のクリスマスローズとは異なる特徴です。華やかでエレガントな雰囲気なのと、バラのようなつぼみの姿も気に入っています。 ニゲルはクリスマスローズの原種で、クリスマスローズがクリスマスローズといわれる所以の花です。多くのクリスマスローズはクリスマスには咲かず、翌年2月以降になって咲きますが、ニゲルはまさにクリスマスの時期に咲きます。定番中の定番ですが、雪の中で咲いている姿には特別な美しさがあります。 また、何度か挑戦しては枯らしてしまっているのに、どうしても育てたくなる魅惑のクリスマスローズがチベタヌスという原種のクリスマスローズです。クリスマスローズらしいうつむいて咲く姿と、ちりめんのような花びらの繊細な質感がたまらなく魅力的です。原生地では小川のほとりのような涼しい場所に咲いていて、水をとても好みます。山陰は夏に40℃近くになり、いくら木陰とはいえチベタヌスには過酷なので、鉢植えで育てているのですが、なかなかうまくいきません。今年は生育6年目の充実した株を奇跡的に手に入れたので、どうにか頑張って夏越しをさせたいと思います。






















