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サツキは育てるのが難しい? 育てやすい植物から園芸を始めてみよう!

サツキは育てるのが難しい? 育てやすい植物から園芸を始めてみよう!

Phattara Away/Shutterstock.com

皆さんはサツキという花木をご存じですか? 数ある園芸植物の中でも育てやすく、初心者にもおすすめの植物案外正しい育て方を知らないという方が多いのではないでしょうか? 本記事では、ぜひサツキを育ててみたい! という方々のために、基本的な情報から詳しい育て方まで、徹底的に解説していきます。

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サツキとは

さつき
JenJ_Payless/Shutterstock.com

サツキはツツジ科ツツジ属の植物で、原産地は日本(本州・九州)です。暑さや寒さに強く、真夏日の猛暑やマイナス10℃の極寒でも生育に影響を受けないほど。植え付け適期は、苗木の場合は3月下旬~6月中旬で、開花期は5月中旬~6月中旬です。

サツキの特徴

さつき
Bernd Schmidt/Shutterstock.com

サツキは春になるとツツジによく似た花を咲かせ、公園の生け垣や交通量の多い道路沿いなどにもよく使われる身近な植物です。数ある園芸植物の中でも最も育てやすい花木の一つで、初心者でも盆栽に仕立てることが簡単にでき、すぐに幹を太らせて成長してくれます。サツキは江戸時代から品種改良が盛んに行われており、一般の愛好家でも人工授粉による交配に挑戦することができます。しかし近年では、園芸用に乱獲されたほか、河川の護岸工事やダムの建設によって自生地が少なくなっており、自然界での絶滅が懸念されている植物でもあります。

育てるための準備と植え方

植え付け
kram-9/Shutterstock.com

サツキは、日陰に植えると枝ばかりが伸びて花つきが悪くなるため、庭などに植える場合はできるだけ午前中は日が当たる場所を選び、腐植質に富んだ水はけのよい土壌を用意しましょう。植え付け方は、まず根鉢の直径の3倍ほどの大きさの穴を掘ってよく耕します。次に、耕した土と同量の酸度未調整ピートモスを穴に入れて底土とよく混ぜ、地面より5~10cmほどこんもり高い小山状にします。鉢から抜いた根株の土を半分ほど落として根をほぐし、株を小山の中心に植え付けましょう。この際、深植えしないように注意しましょう。

育て方のポイント

ポイント
Luis Molinero/Shutterstock.com

ここまでは、サツキの特徴とその植え付け方について説明してきました。続いては、実際にサツキを育てていく際に注意すべきポイントを押さえていきましょう!

植え付け

植え付け
KT Stock photos/Shutterstock.com

サツキの植え付け(植え替え)の適期は、開花期を除く3月下旬から6月中旬、または9月下旬から10月です。鉢植えの場合は、2~3年ごとに植え替えましょう。根鉢を1/3程度くずし、深植えにならないように注意して、一回り大きな鉢に植え替えます。また、枝の部分の大きさに比較して鉢が小さく感じられるときには、一回り大きな鉢に変えるといいでしょう。大きな鉢に植えると株も大きくなります。鉢が小さいほうがコンパクトに育てられますが、水切れしやすくなります。

水やり

水やり
Irene_A/Shutterstock.com

サツキは春から新梢が伸びて盛んに成長するので、地植え、鉢植えともに極端に土が乾かないよう注意しながら水やりをしましょう。地植えは根づいてしまえば基本的に水やりは必要ありませんが、花や新梢が普段よりも元気がなければ水やりを。鉢植えの場合は、夏の高温時には土も乾きやすいため、日中を避けて朝と夕方の2回、鉢底から水が出てくるまでたっぷり水やりをしましょう。基本的に水やりの必要がない地植えでも、夏の猛暑日には日中を避けて、十分に土にしみ込むように水やりをするとよいでしょう。

肥料

肥料
encierro/Shutterstock.com

サツキは、年に何度か肥料を与える必要があります。まず、開花後にはお礼肥として粒状肥料を。この場合は、1㎡当たり150g程度の肥料を7月までに与えましょう。また、植え替えをした株には植え替えから3週間ほど経過してから施肥しましょう。その後、9月下旬から10月にかけて1回、そして2月頃に寒肥として1回、肥料を与えるようにしましょう。このように、年間計3回に分けて施肥することによって通年で栄養分が土に行き渡るので、新芽や花芽の増加、樹勢の回復、根張りの強化などが期待できます。サツキの肥料には緩効性のものがおすすめです。

害虫・病気

病気
Greenseas/Shutterstock.com

サツキに発生する害虫は、ハダニ、ツツジグンバイムシ、ベニモンアオリンガ、ハマキムシなど。病気は、褐斑病や疫病などがあります。ハダニやツツジグンバイムシは乾燥期に発生し、サツキの葉の汁液を吸って白く変色させてしまいます。また4~6月、9~10月になると、ベニモンアオリンガの幼虫が発生し、新芽やつぼみの内部を食べてしまいます。虫や病気の発生に気付いたら、まず被害を受けた部分を早急に切り落として、その後害虫用スプレーや治療剤を全体に散布するようにしましょう。

剪定

剪定
Krisana Antharith/Shutterstock.com

サツキは開花前後に新梢を伸ばし始め、夏になると枝先に花芽をつくるため、剪定作業は開花後のなるべく早い時期に行いましょう。夏以降の剪定は、せっかくできた花芽を切ることになり、翌年に花が咲かない原因ともなります。またサツキは枝数も多く、芽吹きもよいので、伸び始めた枝を好みの形に刈り込むことができます。しかし、あまり深く切ってしまうと新芽が出にくくなることがあるので、刈り込みは3cm程度にしておきましょう。芽吹き前の2〜3月になると花芽が大きくなってきます。花芽を確認して適度に花が咲くように加減しながら、長すぎる枝をつけ根から切る剪定をすることもできます。

増やし方

さつき
SKY Stock/Shutterstock.com

サツキは挿し木で簡単に増やすことができる植物です。挿し木のやり方としては、開花後に伸び始めた新梢が6月下旬〜7月に充実して硬くなったところで、この枝を15cmほどの長さに切り取って挿し穂に利用します。絞りの花ではきちんと絞りが出ている枝を、咲き分け品種の場合は白無地か絞りの花の咲いた枝を選んで、挿し穂を採取しましょう。また、咲き分けの品種、特に単色、覆輪、絞りと咲き分ける品種は、絞り花を咲かせた枝から挿し穂を取らないと、親株のような変化が出ないので注意が必要です。

サツキを育ててガーデンを彩ろう

さつき
Petrychenko Anton/Shutterstock.com

サツキはとても育てやすく、園芸初心者にもおすすめの植物です。和のイメージが強い花ですが、華やかに咲く姿は意外と洋風の庭にもよく似合い、さまざまな庭に利用できることも魅力。これからガーデニングに挑戦したい! 庭に合う植物を育てたい! という方は、ぜひサツキを育ててみてはいかがでしょうか。

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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