スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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宿根草・多年草

カランコエは冬に咲くカラフルな花が魅力! 特徴や育て方を詳しく解説
カランコエの基本情報 inxti/Shutterstock.com 植物名:カランコエ学名:Kalanchoe英名:Kalanchoe和名:リュウキュウベンケイ(琉球弁慶)科名:ベンケイソウ科属名:リュウキュウベンケイ属(カランコエ属)原産地:アフリカ南部、東部、アラビア半島、東アジア、東南アジア分類:常緑多年草 カランコエはベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属(カランコエ属)の多年草です。原産地はアフリカ南部、東部、アラビア半島、東アジア、東南アジアなど。約100種が確認されており、大きく分けると花を観賞するタイプと、葉を観賞するタイプがあります。ここでは冬の鉢花として親しまれてきた、花を楽しむタイプについてご紹介します。 カランコエの花や葉の特徴 園芸分類:観葉植物・草花開花時期:1〜5月草丈:10〜50cm耐寒性:弱い耐暑性:強い花色:赤、オレンジ、ピンク、黄、白など 開花時期は1〜5月ですが、開花調整されたものが通年販売されています。花色は赤、オレンジ、ピンク、黄、白など。一重咲きのほか、八重咲きやベル形の花も出回っています。草丈は10〜50cm。寒さに弱く、耐寒温度は10℃くらいなので、基本的に鉢栽培にし、晩秋からは室内に取り入れます。初夏まで開花を楽しみ、その後は戸外に出して適した場所に移動しながら管理するとよいでしょう。 カランコエは肉厚な葉をもつ多肉植物で、体内に水分を溜め込んで乾燥した気候を乗り切る能力を身につけています。そのため水の与えすぎに注意し、乾燥気味に管理しましょう。また、日が短くなると花芽をつける短日植物なので、室内では、夜に照明が届かない暗い場所に置くよう注意しましょう。 カランコエの花言葉や名前の由来 Yui Yuize/Shutterstock.com 「Kalanchoe」という名前は、同属の植物「加籃菜」の中国語発音から、フランスの博物学者ミシェル・アダンソン(1727~1806)が名づけたという説が有力です。日本での花言葉は「幸福を告げる」「たくさんの小さな思い出」などで、小さな花をたくさんつける株姿から。一方、西洋での花言葉は「人気」「人望」などです。 また風水では、子孫繁栄を象徴する縁起のよい植物とされています。それは、一部に葉から多くの芽を出す種類があるほか、花つきもよく強い生命力をイメージさせるため。子宝に恵まれるとして、妊娠を希望する方へのプレゼントに選ばれることも多いようです。 カランコエの代表的な種類 Ivanka I/Shutterstock.com 主に、草丈20cm以下のミニサイズと、30〜50cmのレギュラーサイズに分類されます。 カランコエ・プミラ‘白銀の舞’は、草姿全体が細かい産毛で覆われているため、シルバーがかった姿が美しく、カラーリーフとしても人気。ピンクの花が咲き、やや寒さに強い性質を持っています。‘ウェンディ’はオランダで作出された改良品種で、草姿がコンパクトにまとまり、花が次々と咲くのが特徴。「クイーンローズ」シリーズはバラのような咲き姿を見せる八重咲き種で、花もちがよい特性があります。花色は白、ライム、オレンジなど。 カランコエの栽培12カ月カレンダー 開花時期:1〜5月植え付け・植え替え:5〜6月、9月肥料:5〜12月入手時期:通年(主な流通は晩秋~初春)挿し芽:4~7月、9月 カランコエの栽培環境 Dmytro Dzhyrma/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日向で風通しのよい場所が適しています。6月から10月までは屋外で栽培できますが、強い日差しにより葉焼けすることがあるので、真夏は明るい半日陰で管理するとよいでしょう。 【日当たり/屋内】明るい窓辺など、よく日の当たる場所で育てましょう。日光不足だと花色や葉色が冴えずに花つきも悪くなり、徒長して軟弱な株になります。 【置き場所】日照時間が短くなると花芽をつける短日植物なので、夜も明るい場所に置くと花芽がつきにくくなります。そのため秋以降は、夜に照明が届かない場所に置いてください。もしくは、日が落ちたら箱をかぶせるなどして暗くしてもよいでしょう。 温度 寒さには弱く、10℃を下回ると生育に影響が出ます。11月から5月くらいまでは室内の明るい窓辺などに移動しましょう。 カランコエの育て方のポイント カランコエは、基本的に冬の鉢花として出回っており、寒さに弱いために地植えではなく、鉢栽培で楽しみます。ここでは鉢栽培での管理のポイントについて、詳しくご紹介します。 用土 Wstockstudio/Shutterstock.com 贈答用の鉢花を入手した場合は、そのまま植え替えずに開花を楽しみましょう。ポット苗を入手した場合は、市販の草花用培養土を利用して植え替えると手軽です。または、自身で培養土をブレンドする場合は、赤玉土小粒5、腐葉土3、酸度調整済みのピートモス2の割合で用いるのがおすすめ。さらに元肥としてリン酸分を多めに含む緩効性肥料を施しておくとよいでしょう。 水やり wavebreakmedia/Shutterstock.com 鉢栽培が基本なので、日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、もともとは乾燥地帯で多肉質の葉に水分を溜め込んで生命をつないできた植物なので、乾燥に強い反面多湿を嫌うので注意。いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になってしまいます。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。特に花弁に水がかかると、傷みやすくなるので注意が必要です。また、真夏は気温の高い昼間に水やりするとすぐに水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。一方真冬は、気温が低くなる夕方に水やりすると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に行うようにしましょう。 肥料 Sarycheva Olesia/Shutterstock.com 5〜9月まで、緩効性肥料を月に1度を目安に与えます。ただし、真夏は暑さによって株が消耗するため、肥料を与えるとかえって弱ることがあります。控えめにするか、与えずに乗り切るとよいでしょう。10〜12月は、速効性のある液肥を、10日に1度を目安に与えます。 注意する病害虫 nechaevkon/Shutterstock.com 【病気】 カランコエが発症しやすい病気は、うどんこ病、灰色かび病などです。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用する殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境下で発生しやすい病気で、ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合っていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。 【害虫】 カランコエに発生しやすい害虫は、カイガラムシ、アブラムシなどです。 カイガラムシは、体長2〜10mmで、植物の幹や枝について吸汁し、だんだんと弱らせていきます。また、その排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、シャワーではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 カランコエの詳しい育て方 苗の選び方 花芽の多い、徒長していない株を購入するとよいでしょう。 植え付け・植え替え カランコエの植え付けの適期は、5〜6月か9月頃です。 まず、6〜7号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して鉢の中に仮置きし、高さを決めたら、根鉢を軽くほぐし、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るよう、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。水やりや降雨時の泥はねによって病気が発生するのを防ぐために、表土にバークチップなどを敷いておくとよいでしょう。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えます。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替えの適期は、開花が終わった後の6月頃です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。手始めに、草丈の半分くらいまで切り戻しておきましょう。そして鉢から株を取り出して根鉢をくずし、新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 日頃の管理 【摘心】 夏に新芽が出始めたら、早めに茎の先端を切り取る「摘心」をしておきましょう。そうすることで分枝して茂り、株張りがよくなって花茎の数も多くなります。 【花がら摘み】 終わった花は、早めに花茎の付け根で摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 【切り戻し】 草姿が乱れてきたら5〜6月と9月に切り戻して、株の若返りをはかります。新芽がついている部分は残し、地際から草丈の半分くらいの高さを目安にカットしましょう。株が込み合っているようなら、数本の茎を地際から切り取り、風通しをよくします。 【汚れを落とす】 インテリアに飾って楽しんでいる場合、葉にホコリが付着しやすいので、気になる場合は、洗い流して取り除いておきましょう。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com 【挿し芽】 挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し芽ができないものもありますが、カランコエは挿し芽で増やせます。 挿し芽の適期は、4〜7月か9月頃です。新しく伸びた茎葉に葉を3〜4枚つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した茎葉(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り取ります。黒ポットを用意して新しいバーミキュライトを入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。発根後は乾燥気味に管理し、成長して根が回ってきたら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 季節別の管理方法のポイント Alexey Medvednikov/Shutterstock.com 鉢植えにして育てるのが基本で、移動しやすいために季節に応じて適した場所で管理できるのがメリットです。日本は四季がはっきりしていて、夏や冬は厳しい気候条件となりますが、どんな場所で管理するのが適しているのか、解説します。 夏越し 暑さには強い性質を持っているので、鉢を戸外に出してもOK。ただし、強い日差しを浴び続けると、葉焼けを起こすことがあります。そのため梅雨明け以降の夏の暑さが本格化する前に、軒下やオーニングの下など強光線にさらされない半日陰の場所に移動するとよいでしょう。また、暑さで株が消耗し、肥料を与えるとかえって弱ることがあるので、真夏は肥料を与えないこともポイントです。 冬越し 寒さに弱く、耐寒温度は10℃以上とされています。生育期に戸外で管理していた場合は、寒くなる前に室内の日当たりのよい窓辺などに移動しましょう。気温が10℃以下になるとつぼみがつきにくくなり、5℃以下になると生育が止まって、悪くすると枯死することがあるので注意。また、冬の夜温は窓辺から冷えてくるので、室内に置いていても油断しないようにしてください。 温度や水やり、日照時間に配慮して、カランコエを冬の部屋でも楽しもう! barmalini/Shutterstock.com カランコエは室内を彩る鉢花として重宝しますが、多肉植物かつ短日植物であるため、季節ごとに適した場所へ移動して管理する必要があります。日照時間に配慮するなどのケアも必要ですが、その手間をかけた分、冬に見事な花を咲かせてくれると、喜びはひとしお。ぜひカランコエの栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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樹木

常緑樹なら手入れも楽! 庭木におすすめの品種や選び方のポイントをご紹介
ほかの樹木とどう違う? 常緑樹の特徴とは Wattlebird/Shutterstock.com 常緑樹とは、秋に一斉に落葉することなく、一年中葉を保つ樹木のことです。庭に数本植えておくと、冬もみずみずしい姿を楽しむことができます。とはいえ、常緑樹の葉はずっと枯れない訳ではありません。葉の寿命は種類によって異なりますが、一定の期間を過ぎれば枯死して落葉します。しかし、次々に新しい葉が芽吹くため、常に葉が茂っているように見えるのです。木が生きている限り、葉の新陳代謝は行われていますが、冬は生育が止まって既存の葉が残るのみとなります。 さて、常緑樹は常緑広葉樹と常緑針葉樹の2つに分類されます。常緑広葉樹は、カシやシイなどのように広くて光沢のある葉を持ち、もともとは熱帯~暖温帯の暖かい地域がルーツで、寒さが苦手。常緑針葉樹は、コニファーなどのように小さくて細い葉を持ち、主に冷温帯~亜寒帯などの寒い地域に自生することが多い樹木です。 常緑樹が庭木としておすすめな理由 秋に葉を一斉に落とす落葉樹は、冬になると幹や枝があらわになって、寂しい雰囲気を与えてしまいがち。常緑樹なら、冬でも美しい葉姿を楽しめるのが魅力です。落ち葉掃除などのメンテナンスが楽なうえ、外からの目隠しや境界線となる生け垣に利用できるというメリットもあります。 栽培や手入れにあまり手間がかからない Guppy2416/Shutterstock.com 常緑樹は落葉期がないために、落葉樹に比べて落ち葉掃除の手間がかからないといわれます。しかし「新陳代謝によって次々と葉が入れ替わるのなら、手間は同じでは?」と疑問に思うかもしれません。でも、落葉樹が毎年秋に一斉に葉を落とすのに比べ、常緑樹の葉の寿命は一般的に2~5年くらいなんです! 落ち葉の掃除もその分ラクになるという訳です。また、もともと日本に自生する種類も多いため、環境に馴染みやすい樹種を選べば、手をかけずともすくすくと育ちます。 常緑樹は目隠しになる romakoma/Shutterstock.com 常緑樹に限らず、樹木は低木・中木・高木と、成木になった時の樹高によって分類することができます。外から自宅に向けての視線を遮りたい場所に、ちょうどよい樹高の常緑樹を植えれば、周年葉をつけているので立派な目隠しとして重宝します。隣の家と密接していて視線が気になる場合や、交通量の多い道路に面した部分などには、一年中葉をつける常緑樹を植えるとよいでしょう。ツゲやサワラ、ドウダンツツジ、ウバメガシなどは葉を密に茂らせるので、生け垣にして「緑のフェンス」として利用するのもおすすめです。 庭木におすすめな常緑樹5種類 メンテナンスがしやすく、目隠しとしても利用できる常緑樹。ここでは、庭木として取り入れやすく、人気の高い常緑樹を5種、ピックアップしました。成長に合わせて必要な剪定のポイントも併せて解説しています。 1.シラカシ Martin Fowler/Shutterstock.com シラカシはブナ科コナラ属の常緑高木で、自然樹高では15mにも達するほどです。公園にもよく植栽される樹木で、強健で冬の寒さに強い性質があります。秋にはドングリを実らせるので、クラフトにも活用できそうです。強い生命力を持ち、葉を密に茂らせるので、刈り込みバサミで剪定すれば、生け垣にも利用できます。一方で、生育スピードが速いので、6~7月上旬と9月の年に2回を目安に、しっかりと剪定をして樹形をコントロールすることが大切です。茂りすぎると内側から枯れ込んでくるので、古い枝や内側に向かって伸びる枝などを付け根で切り取りましょう。込み合っている部分をすいて風通しよく管理することで、病害虫の発生を抑制することにもつながります。 2.コニファー BobrinSKY/Shutterstock.com コニファーは針葉樹の総称です。樹高が高くなる種類もあれば、這うようにして広がる種類もあるほか、葉の色もシルバーグリーンやイエローグリーン、ブルーグリーンなど多様。庭の雰囲気に合わせて選べる種類の豊富さが魅力です。ただし、樹形や生育スピード、耐寒性の強弱なども多様なため、前もって育てたいコニファーの性質をよく調べてから取り入れることが大切。自然に樹形が整いやすいものの、剪定が不要な訳ではなく、生育スピードに合わせた剪定も必要です。庭木として取り入れやすい、ポピュラーなコニファーは、ニオイヒバ‘スマラグ’(エメラルドグリーン)、‘グリーンコーン’、コロラドトウヒ‘ホプシー’、ジュニペルス‘ブルーアロー’など。 3.キンモクセイ Aoi190/Shutterstock.com キンモクセイ(金木犀)は、キンモクセイ科モクセイ属の常緑高木。オレンジ色の小花をたっぷりと咲かせ、芳香を強く漂わせるので、秋の風物詩となる庭木です。自然にまとまりやすい樹形ですが、自然樹高は約6mにも達するので、ある程度の高さになったら毎年剪定をして、樹高をコントロールしましょう。キンモクセイは春から伸びる新梢に8月頃に花芽がついて、9月下旬~10月に開花するので、花芽のない時期を選べばいつでも剪定できます。ただし、寒さにやや弱い性質があるので、生育期に入った春頃に行うのが無難です。長く伸びた枝や、込み合っている部分の枝を切り、前年くらいまでのサイズに戻しましょう。和風庭園なら、刈り込んで円筒状に仕立てることもできます。 4.シマトネリコ nitinut380/Shutterstock.com シマトネリコは、モクセイ科トネリコ属の常緑高木。軽やかな照り葉がサラサラと風に揺れる姿はたおやかで、シンボルツリーとしてもよく、近年特に人気の高い常緑樹です。地際から数本の細い枝を立ち上げる、株立ち種が流通のほとんどで、この繊細な樹形も人気の理由です。ただし、生育スピードが速く、自然樹高では10mにも達するほど。剪定を怠ると株立ちの幹が太くなって、最初のスマートな姿とはほど遠い印象になってしまいます。生育期は4~11月で、剪定の適期は3、6、9月頃。枝が込み合っている部分があれば、剪定して風通しをよくしましょう。主枝が希望の高さより高くなったら、側枝との分岐点で主枝を切り、側枝を短く切り返します。 5.ゲッケイジュ Nikolina Mrakovic/Shutterstock.com ゲッケイジュ(月桂樹)は、クスノキ科ゲッケイジュ属の常緑高木です。別名ローリエの名も持ち、葉に爽やかな芳香があるためハーブとしても利用されています。雌雄異株の性質を持っていますが、日本で出回っているのは雄株が多く、雌株の流通量は少ないようです。自然樹高は15mに達するので、庭でバランスよく調和する高さにまで成長したら、適宜剪定をして樹形を整えましょう。真冬以外ならいつでも剪定でき、長く伸びている枝をカットして前年のサイズくらいまでに切り戻します。込み合いすぎている部分があれば、適宜間引き剪定をして、風通しよく管理しましょう。カイガラムシがつきやすいので、見つけ次第ハブラシなどでこすり落としたり、適応する薬剤を利用したりと、早めの防除が大切です。 失敗しない常緑樹の選び方 一年中みずみずしい葉をつけて、生命力あふれる姿を楽しめる常緑樹。庭木として迎えるには、どんな樹種を選べばいいのかは、楽しむ目的や庭の環境によっても異なります。ここでは、常緑樹の選び方についてご紹介します。 【選び方その1】目的を決める tdemirboga/Shutterstock.com 一口に常緑樹といってもさまざまな種類があります。「種類がありすぎて、どんな樹種を選んだらいいのか分からない」なら、まずは庭に取れ入れる目的を整理してみましょう。シンボルツリーが欲しい場合は、比較的樹高が高くなる、存在感のある樹種が適しています。また、家族の誕生日や結婚記念日の訪れを告げる、記念樹にしたい場合は、そのシーズンに花や実が見頃になる樹種を選ぶとよいでしょう。目隠しに利用したいなら、低木は向いていませんね。人の視線の高さよりも大きく育つ樹木が適し、比較的葉を密につける樹種を選ぶようにします。「夏の暑さをしのぐために、庭に緑陰をもたらす庭木が欲しい」なら、たっぷりと枝葉を伸ばす樹形が向いていますし、「冬にクリスマスツリーの飾りつけがしたい」場合は、コニファーを選ぶのも一案。まずは、どんな目的で庭木を取り入れたいのかを整理すると、おのずと樹種も絞られてきます。 【選び方その2】生育環境を確認する tab62/Shutterstock.com 庭木を選ぶ際、事前にチェックしておきたいのは、自邸の庭の環境に合うかどうか。極端なたとえをすれば、もともと暑い熱帯地域に自生しているような植物を、雪が多く降る寒い地域で育てようとしても、1年ももたずに枯れてしまうでしょう。庭木も同様で、暑さや寒さに耐えるか、日照時間はどれくらい必要なのか、どのような土壌を好むのか、といった樹種に関する情報を調べて、環境に合うものを選ぶことが大切です。常緑広葉樹は、もともとは熱帯~暖温帯の暖かい地域がルーツで、寒さを苦手とするものも多くあります。一方で、ツバキやサザンカ、ツゲ、ツツジ、キンモクセイなど日本で古くから親しまれている樹種は、放任しても環境に馴染みやすいものです。また、コニファーも属する常緑針葉樹は寒さに強いイメージがありますが、なかには耐寒性に優れない樹種もあります。こちらも、前もって樹種の適した生育環境や性質を調べておきましょう。 【選び方その3】スペースが十分にあるか確認する geogif/Shutterstock.com 庭木を選ぶ際には、庭にスペースが十分にあるかどうかも確認しておきましょう。購入した時には、か弱く小さい苗木でも、環境に適応してしっかり根を下ろした後は、生育スピードが一気に速くなり、ぐんぐん枝葉を伸ばしていきます。シンボルツリーとして利用するなら、樹高はもちろん樹冠(樹木の枝が四方に伸びる範囲)も想定しておくことが大切です。「屋根やカーポートに当たって邪魔にならないか」「隣家の敷地まで侵入してしまわないか」など、どれだけの周囲のスペースを確保できるかを確認しておきましょう。常緑樹であれば特に、樹冠の足元が一年中日陰になりやすく、取り入れる下草の種類も限られてきます。ただし、「自然樹高が10~15mにも達する高木は、庭には取り入れられない」と諦めるのは尚早です。毎年の剪定をきちんと行い、正しくメンテナンスをすれば、樹高をコントロールできます。 美しい樹形を保つには剪定が必要 Nakornthai/Shutterstock.com 庭に樹木を植えたら、必ず剪定のメンテナンスが必要になります。放任するとどんどん枝を伸ばして「気がついたら鬱蒼として、手がつけらない状態になってしまった」ということも。毎年剪定をして美しい樹形を保つことが、庭を美しく保つことにもつながります。庭木の剪定には、必ず適した時期があるので、樹種の「剪定適期」を確認しましょう。常緑広葉樹は寒さが苦手なことが多く、冬に剪定すると寒さで木が傷むことがあります。花を楽しむ樹種の場合は、花芽がつくられる時期に剪定すると、花が咲かなくなるので注意が必要です。常緑針葉樹のコニファーは、新梢が伸び始める前の3~4月が適期。剪定の際は、だいたいのアウトラインを決めて、大きくはみ出る枝を切り取って樹高をキープします。枝が込み合っている部分があれば、適宜間引き剪定をして、風通しをよくしましょう。 庭木にも「縁起」がある? 気になる場合は要チェック 日本では「縁起植物」として、お正月飾りにも用いられる庭木を育てる文化があります。その一方で、「縁起の悪い植物」として嫌われる植物も。ここでは、昔から伝わる、庭木に取り入れるとおめでたいとされる常緑樹と、庭木には避けられてきた常緑樹をご紹介します。 縁起がよいとされる常緑樹 gianpihada/Shutterstock.com 縁起がよいとして重宝される常緑樹の一つに、ナンテン(南天)があります。「難転(難を転ずる)」とされ、古くから魔除けや厄除けとして鬼門に植えられてきました。お正月飾りの花材としてもポピュラーですね。小さな赤い実をつけ、常緑樹でありながら赤く紅葉する姿も楽しめます。ユズリハも縁起植物の一つで、新葉が出揃ったら、古い葉が一斉に散るために「譲り葉」と呼ばれています。子孫繁栄を願って、こちらもお正月飾りによく使われます。ただし、ユズリハは生命力旺盛で枝をぐんぐん伸ばすので、毎年の強剪定が必要です。また、マツは「松竹梅」の一つとして知られる縁起物で、寿命が長いために健康長寿をもたらしてくれるとされています。 縁起が悪いとされる常緑樹 scott mirror/Shutterstock.com 縁起が悪いとして嫌われる常緑樹は、ツバキが代表的。花が終わると、花弁を散らさず花首ごとポトリと落ちるので、「首が落ちる」ことを連想させるからです。特に武家社会では「庭に植えるものではない」と嫌われたようです。ビワは古くから「庭に植えると病人が絶えなくなる」と伝えられる常緑樹。その理由は、根が広がりやすく家の基礎を壊す原因になるため、植えないように理由づけられたとか、常緑のため大きく育つと日陰になって湿気を呼び、健康を害しやすい、などの諸説がありますが、今となっては迷信ですね。ジンチョウゲ(沈丁花)も嫌われ者で、漢字に「沈む」という文字が使われることから、家が没落するといったことが連想されたようです。早春を告げる甘い香りが魅力のジンチョウゲ、可愛い花ですけれど。 常緑樹でお気に入りの庭をつくろう Jamie Hooper/Shutterstock.com 四季を通してグリーンが絶えない常緑樹は、冬枯れた景色の中で凛とした美しい葉を見せてくれるため、庭にぜひ取り入れたいものです。周年葉を茂らせるために、外部からの視線が気になる場合は目隠しとしても重宝し、樹種を選べば生け垣に利用することもできます。日本に古くから自生してきた樹種なら、放任しても旺盛に生育し、初心者でも育てやすいのも嬉しいところ。豊富な常緑植物の中から自分好みの樹種を選んで、一年中みずみずしいエバーグリーンを楽しめる庭にしてはいかがでしょうか?
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イベント・ニュース

写真をInstagramに投稿しよう! 第1回東京パークガーデンアワード 代々木公園 キャンペーン開催中
東京・代々木公園で公開中の5つのコンテストガーデンを写真に撮って応募しよう! コンテストガーデンの入り口は、「TOKYO PARK GARDEN AWARD」の看板が目印。写真は9月の様子。 「第1回 東京パークガーデンアワード」の最大の特徴は、主に宿根草などを取り入れた「持続可能なロングライフ・ローメンテナンス」をテーマとする点。一度植え付けて根付いたあとは、最小限の手入れで維持されること、また同時にデザイン性と植物や栽培環境に対する高度な知識が求められる、新スタイルのガーデンコンテストとして注目されています。 各花壇には作庭者の名前とタイトルが書かれた看板があります。上面図の左、入り口から右へ、A/畑や かとうふぁーむ 渡部陽子さん B/鈴木 学さん C/GreenPlace (埼玉県朝霞市) 山越健造さん D/西武造園 永江晴子さん E/平間淳子さんの順にご覧いただけます。 5つのモデルガーデンがあるのは、JR山手線「原宿」駅から徒歩3分の「都立代々木公園」の中。原宿門から入ってすぐ右手の「オリンピック記念宿舎前広場」です。白いアーチをくぐると、手前から奥へA〜Eの5つのガーデンを順番に見ることができます。 レンガの道に沿って、入り口から奥へと5つのガーデンが作られています。歩くたびに景色が変わり、季節ごとに主役の植物が移ろうガーデンが、訪れる人を楽しませています。 コンテストガーデン中央付近から入り口を望む景色。10月中旬の様子。 「東京都公園協会」のインスタグラムでは、東京パークガーデンアワードをより多くの方に知っていただきたい!と、抽選で豪華プレゼントが当たる「東京パークガーデンアワード Instagramキャンペーン第2弾」を11月6日(月)まで実施中。お気に入りのコンテストガーデンの写真を投稿して応募しましょう! ■応募期間■ 2023年10月15日(日)〜11月6日(月) 23:59まで ■応募方法■ ▼ ▼ *スマホ、タブレット、カメラなど撮影機材は問いません。*お1人様1回のご応募でお願いします。*募集内容・期間は状況に応じて変更する場合があります。*アカウントが非公開の場合は応募対象外となりますので、「公開」に設定してからご応募ください。 ご応募いただいた中から素敵な景品をプレゼント! ご応募いただいた投稿の中から、抽選で3名さまに「第一園芸 花や緑のギフトカタログ」、「イギリス・ホーズ社 銅製ジョウロ1リットル(180/2/銅製カン)」、「スノーピーク 世界初のリサイクルチタンを採用して地球にやさしいオーロラボトル600オーシャン」のいずれか1つの商品をプレゼントいたします! 【当選者の決定】2023年11月7日(火)以降に事務局で抽選を行い、当選者にのみ公式アカウントからInstagramのダイレクトメッセージで通知いたします。 みなさまのご応募、お待ちしております! ⚫︎第1回 東京ガーデンパークアワード 代々木公園について、詳しくはこちら。
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野菜

春菊(シュンギク)の育て方! 栽培のポイントや失敗しないコツを大公開
春菊の基本情報 春菊は日本のハーブともいえる野菜で、さわやかな香りがあります。鍋物やすき焼きに入れると臭み消しにもなり、味に深みが増すことは知っている…「だけど春菊って、ほんとはどんな野菜だっけ?」と、もやっとしている方に向けて、ここではその基礎知識をガイドします。 春菊はどんな野菜? Tony_Traveler85/Shutterstock.com 春菊は、キク科シュンギク属の葉物野菜で、地上部の葉を収穫します。葉物野菜といえば、害虫がつきやすいというイメージがありますが、キャベツやハクサイ、ブロッコリーなどのアブラナ科の植物とは異なり、害虫がつきにくい傾向にあります。原産地は地中海沿岸で、比較的冷涼な気候を好みます。 春菊を野菜として食べているのは、日本、中国、東南アジア、インドなどの東アジアのみ。原産地のヨーロッパでは、観賞用の草花として栽培されています。キク科らしいマーガレットに似た花が咲くので、トウ立ちして収穫できなくなった後は、観賞用として楽しむのもいいですね。 春菊の栄養素 anaken2012/Shutterstock.com 春菊は、βカロテン、ビタミンC、ビタミンK、カリウム、鉄、食物繊維などを含む、栄養価の高い緑黄色野菜です。 自分で育てられる! 春菊栽培の基本 育てやすい野菜の春菊について、栽培をスタートするのに適した時期や、すくすくと生育する環境、種類について解説していきます。植える前にしっかり把握しておくと、よりスムーズに管理できますよ! 栽培時期 lzf/Shutterstock.com 家庭菜園で春菊を育てる際には、春に種を播く「春まき」と、秋に種を播く「秋まき」があり、年に2回の栽培が可能です。一般地を基準にすると、「春まき」は4月中旬〜5月中旬に種を播き、6月頃に収穫。「秋まき」は8月下旬〜9月に種を播き、10月〜12月上旬に収穫します。 栽培環境 Yeongha son/Shutterstock.com 日当たり、風通しのよい場所を好みます。生育適温は15〜20℃で冷涼な気候を好むため、夏の栽培には向きません。27〜28℃を超える環境では、生育不良になります。一方で寒さには比較的強く、簡易的なビニール被覆のトンネル栽培で冬越しできます。 春菊に適した土壌酸度はpH5.0〜5.5です。必要であれば植え付けの2〜3週間以上前に苦土石灰を散布して土壌改良をしておくとよいでしょう。肥沃で水はけ、水もちのよい、ふかふかとした土壌を好みます。 春菊の種類 Humannet/Shutterstock.com 春菊は、葉に入る切れ込みの形で分類することができます。葉に厚みがあり、切れ込みが浅いのが「大葉種」です。苦味が少ないのが特徴で、中国・九州地方で主に栽培されています。最もポピュラーな「中葉種」は葉の切れ込みがほどほどで、「株立ちタイプ」と「株張りタイプ」があります。葉の切れ込みが深い「小葉種」もありますが、収穫量が少なくトウ立ちしやすいことから、ほとんど栽培されていません。 実際に育ててみよう ここまで、春菊の基礎知識についてご紹介してきました。ここからは家庭菜園の実践編として、詳しい育て方について掘り下げていきます。菜園・プランター栽培に分けて、育て方を解説していきますよ! 土作り Sleepyhobbit/Shutterstock.com 【菜園】 種まきの2〜3週間以上前に、苦土石灰を1㎡当たり100〜150g散布し、よく耕して土に混ぜ込んでおいてください。さらに植え付けの1〜2週間前に、1㎡当たり堆肥約2㎏、緩効性化成肥料(N-P-K=8-8-8)約100gを均一にまいて、よく耕しましょう。次に、幅約60cm、高さ10cmほどの畝を作ります。畝の長さは作りたい量や広さに応じて自由に決めてかまいません。表土は平らにならしておきましょう。土作りは植え付け直前ではなく、事前に行っておくことで、分解が進んで土が熟成し、植物の生育がよくなります。 【プランター栽培】 野菜の栽培用にブレンドされた市販の培養土を利用すると便利です。 種まき〜発芽まで zcw/Shutterstock.com 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなりますね。ただし、春菊の苗は花苗店やホームセンターなどで入手できます。手軽にスタートしたいなら、苗の植え付けからがおすすめです。「2〜3株あれば十分だから、苗の植え付けから始めたい」という方も、次項に進んでください。 春菊の種まき適期は、「春まき」が4月中旬〜5月中旬で、「秋まき」が8月下旬〜10月上旬です。 【菜園】 土作りを済ませた畝に、20cm間隔を取って種を播くための溝を作ります。畝の幅と平行になるように園芸用の支柱などを表土に軽く埋め込んで、1〜2cmほどの深さの溝にしましょう。まき溝に、種を約1cm間隔で播きます。春菊は好光性種子といって、発芽に光を必要とする性質を持っています。そのため、かぶせる土はごく薄くしておくことがポイントです。最後に、たっぷりと水やりをしておきます。種が流れ出すのを防ぐため、はす口をつけたジョウロでやわらかな水流となるように高い位置から水を与えましょう。発芽までは乾燥させないように管理します。 【プランター栽培】 標準サイズのプランターを準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、底が見えなくなるくらいまで鉢底石を入れ、その上に野菜用にブレンドされた培養土を入れます。水やりの際にあふれ出さないように、ウォータースペースを鉢縁から2〜3cm残しておきましょう。10〜15cmの間隔を取り、2本のまき溝を作ります。プランターの幅と平行になるように園芸用の支柱などを表土に軽く埋め込んで、1〜2cmほどの深さの溝にしましょう。まき溝に、種を約1cm間隔で播きます。春菊は好光性種子といって、発芽に光を必要とする性質を持っています。そのため、かぶせる土はごく薄くしておくことがポイントです。最後に、たっぷりと水やりをします。種が流れ出すのを防ぐため、はす口をつけたジョウロでやわらかな水流となるように高い位置から水を与えましょう。発芽までは乾燥させないように管理します。 間引き・追肥と土寄せ Varts/Shutterstock.com 間引きながら育成し、十分な株間を取ります。抜き取った間引き菜は、サラダや汁物の具などに利用できますよ! 【菜園】 間引きは2回行います。 1回目は、本葉が1〜2枚ついた頃に、約3cm間隔になるように間引きます。葉が傷んでいるものや、弱々しく生育が悪い苗を選んで抜き取りましょう。根が浮いてしまったら、土を株元に寄せておきます。 2回目は、本葉が4〜5枚ついた頃に、10cm間隔になるように間引きます。この時、緩効性化成肥料(N-P-K=8-8-8)を1㎡当たり30gを目安にばらまき、クワで土によく混ぜ合わせて株元に土を寄せておきます。 【プランター栽培】 間引きは3回に分けて行います。 1回目は、本葉が1〜2枚ついた頃に、3〜4cm間隔になるように間引きます。葉が傷んでいるものや、弱々しく生育が悪い苗を選んで抜き取りましょう。根が浮いてしまったら、土を株元に寄せておきます。 2回目は、本葉が3〜4枚ついた頃に、5〜6cm間隔になるように間引きます。この時、緩効性化成肥料(N-P-K=8-8-8)約10gを苗の周囲にまんべんなくばらまき、土によく混ぜ合わせて株元に土を寄せておきます。 3回目は、本葉が6〜7枚ついた頃に、10〜15cm間隔になるように間引きます。2回目の間引きの時と同量の追肥を施しておきましょう。 苗の植え付け Vasyliuk/Shutterstock.com この項目は、苗の植え付けからスタートする方に向けた解説です。種まきからのスタートを選んだ場合は、次項に進んでください。 苗は花苗店やホームセンターなどで入手できます。本葉が4〜5枚ついた、節間が詰まって勢いのある苗を選びましょう。 【菜園】 土作りをして設けた畝に、株間(株と株の間)・条間(隣の列との間)ともに約15cmの間隔を取って苗を植え付けます。最後に、たっぷりと水やりをしておきましょう。 【プランター栽培】 標準サイズのプランターを準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、底が見えなくなるくらいまで鉢底石を入れ、その上に野菜用にブレンドされた培養土を入れます。水やりの際にあふれ出さないように、ウォータースペースを鉢縁から2〜3cm残しておきましょう。10〜15cmの間隔を取って苗を植え付け、最後に底から流れ出すまで、たっぷりと水やりをしましょう。 摘心・摘蕾 mihalec/Shutterstock.com 【摘心】 草丈が20cmくらいになったら、先端を10cmほど切り取る「摘心」の作業をします。こうすることで、下から新たにわき芽が出てきて、茎葉の数を増やすことができます。この「摘心」の作業を繰り返して株をこんもりと茂らせ、収穫量を多くしましょう。 【摘蕾】 つぼみがつくと茎葉がかたくなって老化が進むので、つぼみを見つけたら摘み取っておきます。 水やり Osetrik/Shutterstock.com 【菜園】 発芽後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、雨が降らず乾燥が続く場合は水やりをして補いましょう。 【プランター栽培】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。冬は、気温が十分に上がった昼ぐらいに与えましょう。夕方以降に水やりすると凍結の原因になるので注意します。 病害虫 T.Kai/Shutterstock.com 【病気】 春菊がかかりやすい病気は、べと病です。 べと病は糸状菌が原因で、3〜6月、9月下旬〜11月の気温15〜20℃の条件下、かつ気温差が大きい時に発生しやすくなります。葉に黄色みがかった斑紋が現れ、だんだんと広がって枯れ上がっていきます。気温などの条件が揃うと2〜3日で全体に広がってしまうので注意。チッ素成分が多い肥料を与えすぎると発生しやすくなります。 【害虫】 春菊に発生しやすい害虫は、アブラムシ、ハモグリバエなどです。 アブラムシは、3〜10月頃に発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目も悪いので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。 ハモグリバエは、葉の中に潜りこんで食害し、葉に白い線が浮き出てくるので発見しやすい害虫です。見つけたら葉の上から潰すとよいでしょう。 せっかく家庭で栽培するのなら、できるだけ無農薬で管理したいですよね。そんな時は、園芸用資材を上手に利用する方法があります。用意するのは、不織布と防虫ネット、園芸用支柱です。 不織布は、種を播いた直後に、畝にべた掛けにして四方に土を盛って固定しておくと、幼苗を虫から守ることができます。ある程度苗が育ってきたら、不織布を外して防虫ネットの設置に切り替えましょう。園芸用支柱を畝の両端と中央あたりにアーチ状にして深く差し込み、防虫ネットを被せます。畝の両端で防虫ネットを結んで固定し、四方の裾に土を盛ってしっかりと固定。これで物理的に虫の侵入を抑えられるというわけです。プランター栽培でも同様に管理できます。虫が苦手な方は、園芸用資材を上手に使って防除するのがおすすめです。「秋まき」で栽培する場合は、冬の寒さ対策にもなりますよ! 収穫 JIANG HONGYAN/Shutterstock.com 収穫の適期は、「春まき」が6月頃、「秋まき」が10〜12月上旬です。 春菊の収穫は、「抜き取り収穫」と「摘み取り収穫」があります。 「抜き取り収穫」は、草丈が20cmくらいまで成長したら、株を抜き取って収穫する方法です。節間が成長せず、株元から側枝がたくさん出てくるタイプの品種に向いています。 「摘み取り収穫」は、茎の途中で切り取る方法です。しばらくするとわき芽が出て再び茎葉を茂らせるので、長く収穫し続けることができます。つぼみがついてトウ立ちする頃までが収穫の目安。トウ立ちするとかたくなって質が落ちます。茎の節間が伸びる株立ちタイプの品種を選ぶとよいでしょう。家庭菜園では、長く収穫し続けられる「摘み取り収穫」がおすすめです。 春菊を家庭栽培してみよう! lzf/Shutterstock.com この記事では、春菊の基礎知識から育て方まで、幅広く取り上げてきました。春菊は、「摘み取り収穫」をすれば、長く収穫し続けることができますよ! ビギナーでも失敗が少ないので、ぜひ菜園やプランターで育ててみてはいかがでしょうか?
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ガーデニング

芽がでてからの大事な作業「間引き」とは? やり方とポイントをご紹介
種まき後の作業「間引き」とは 「間引き」は種まきの後、発芽して植物が次第に大きくなっていく過程で行う作業です。タネを播くときは複数粒を一緒に播くことが多いので、成長にしたがい近くの葉が重なり合うようになってきます。そのままにしておくと、必要な養分を土から得ることができなかったり、陽を十分に浴びられなかったりして、一つひとつが小さく弱々しい苗になってしまいます。そこで、若葉のうちに、間があくよういくつかを抜くことを「間引き」といいます。バジルの間引きを例に、間引きのやり方を見てみましょう。 間引きの方法 一本のライン状になるよう「すじ播き」したバジル。バジルは発芽率が高いので、とてもよく発芽し、本葉が展開するようになる頃には間がギュウギュウ詰めになってきました。まずこの時点で1回目の間引きを行います。 茎が太くて丈夫そうなものを残して、ヒョロヒョロのものや曲がっているものはそっと抜きます。せっかく発芽した可愛い若葉を抜くのは、なかなか切ない作業ですが、これをしないと全部がうまく育たないことになってしまいます。植物によってはスッと抜けないものもあるので、そういう場合は無理やり抜かずに、ハサミで地際からカットします。無理をすると残したいものまで抜けてしまうので注意。 間引いた芽は捨てないで! 抜いた若葉は「間引き菜」と呼びます。バジルや葉物野菜、根菜などの若葉はベビーリーフとしてサラダなどでも美味しくいただけるので、捨てずに利用しましょう。 間引いた後の畑。だいぶスッキリしました。このあと再び隣同士が重なり合うようになってくるので、もう一度間引きます。「それなら将来を見越して、最初から間をとって1回で間引けばいいじゃないか」と思うかもしれませんが、こうして段階的に間引くのには意味があります。隣り合うもの同士は競って育ち、成長段階で力の差が表れてきます。強者を選抜して残すことで、病虫害に強い丈夫な苗が育ち、結果的に収量も多くなります。つまり、競わせながら育てるということですね。 バジルの間引き菜を散らしたトマトスパゲッティー。小さくてもちゃんと味と香りがあり、美味しいですよ。
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野菜

カブの正しい栽培方法を知ろう! 上手に育てるポイントも押さえよう
カブについて知ろう julie deshaies/Shutterstock.com カブは、アブラナ科ダイコン属の根菜類で、根を収穫します。根菜類に属す野菜は、移植による根の変形を防ぐために、種まきから栽培をスタートすることになります。 カブの原産地は地中海沿岸地域、中央アジアで、寒さに強い性質を持っています。日本で栽培されてきた歴史は古く、縄文時代から親しまれてきました。歴史がある分地方品種も多く、全国に80種ほどがあるとされています。カブといえば白くて丸い根を想像しますが、種類によってその大きさには幅があり、直径5〜6cmの小カブ、10cmほどの中カブ、15cmを超す大カブがあります。ほかに赤カブ、扁平カブ、勾玉状になる津田カブなど多様です。家庭菜園で最も育てやすいのは、生育期間の短い小カブで、プランターでも栽培できます。 カブは漬物、炒め物、煮物、スープの具などに利用でき、和・洋・中いずれの料理でも活躍してくれます。カブの根には、消化酵素のジアスターゼやアミラーゼが含まれており、すずなと呼ばれる茎葉の部分には、カルシウム、鉄、カロテン、ビタミンC、ビタミンKなどを含みます。じつは根よりも茎葉のほうが栄養分は高いといわれているほどなので、捨てずにぜひ調理に使ってください。 栽培に適した時期・環境 annchan/Shutterstock.comj カブの生育適温は15〜20℃で、冷涼な気候を好みます。暑さと乾燥が苦手で、寒さには強く、旬は秋〜冬です。したがって、おいしくてビギナーでも作りやすいのは、秋に種を播いて育てる「秋まき」です。 じつのところ、カブの栽培は春に種をまく「春まき」と、秋に種を播く「秋まき」とができ、年に2回の栽培が可能です。一般地を基準にすると、「春まき」は3〜5月に種を播き、5〜7月上旬に収穫。「秋まき」は8月下旬〜10月上旬に種を播き、10月下旬〜12月に収穫します。 年に2回の栽培が可能なかぶですが、連作(同じ場所で同じ種類〔科〕の植物を育て続けること。土壌バランスが崩れて生育障害が起きやすくなる)を嫌う性質を持っています。そのため、かぶが属するアブラナ科の植物を1〜2年は育てていない場所を選びましょう。 畑の準備と種まきについて 根菜類に属すカブは、移植ができないので種まきからスタート。畑の準備はその2〜3週間前に行い、有機物などが分解されて土が熟成するのを待ちます。ここでは、土作りのポイントと種まきについてご紹介します。 土作り・肥料 Sleepyhobbit/Shutterstock.com 【菜園】 種まきの2〜3週間以上前に、苦土石灰を1㎡当たり100〜150g散布し、よく耕して土に混ぜ込んでおきます。さらに植え付けの1〜2週間前に、1㎡当たり堆肥2〜3ℓ、化成肥料(N-P-K=8-8-8)約100gを全面に散布し、よく耕して平らにならしておきましょう。 【プランター栽培】 野菜の栽培用にブレンドされた市販の培養土を利用すると便利です。 種まき Jaromir Urbanek/Shutterstock.com カブの種まき適期は、「春まき」は3〜5月、「秋まき」は8月下旬〜10月上旬です。 【菜園】 土作りをしておいた場所に、幅約60cm、高さ約10cmの畝を作ります。畝の長さは作りたい量や広さに応じて自由に決めてかまいません。この畝に、2列の種まき用の溝をつけます。溝の間隔(条間)を20cmあけて、園芸用の支柱を押し当て、深さ1〜2cmのまき溝をつけます。そのまき溝に、1cm間隔で株の種を播いていきましょう。溝の両側から土を寄せて薄く土を種にかぶせ、軽く手のひらで押さえます。最後に、はす口をつけたジョウロを使い、高い位置からやわらかな水流でたっぷりと水やりをしましょう。 【プランター栽培】 小カブの品種を選べば、プランターでも栽培することができますよ! 標準サイズのプランターを準備。底穴に鉢底ネットを敷き、底が見えなくなるくらいまで鉢底石を入れ、その上に野菜用にブレンドされた培養土を入れます。水やりの際にあふれ出さないように、ウォータースペースを鉢縁から2〜3cm残しておきましょう。園芸用支柱などを使い、手前と後ろに10〜15cmほどの間隔をあけて2本のまき溝をつけます。溝の深さは1cmほどが目安です。小カブの種を1cm間隔で播き、溝の両側から土を寄せて薄く種にかぶせ、軽く表土を手で押さえます。最後に、はす口をつけたジョウロを使い、高い位置からやわらかな水流で鉢底から流れ出すまでたっぷりと水やりしましょう。発芽までは乾燥させずに管理することがポイントです。 発芽・間引きについて かぶの栽培では、種を多めに播いて成長とともに間引きを繰り返しながら育成します。間引いた苗は、味噌汁やスープの具などに利用できますよ! ここでは、発芽から間引きの栽培プロセスについて解説していきます。 発芽・間引き tamu1500/Shutterstock.com 【菜園・プランター栽培ともに】 双葉が出揃ったら、3cm間隔になるように間引きます。葉が傷んでいるものや、弱々しく生育が悪い苗を選んで抜き取ります。 本葉が2〜3枚ついたら、5〜6cm間隔になるように間引きます。がっしりと締まって勢いのある苗を残しましょう。この時、追肥(菜園では化成肥料を1㎡当たり約30g、プランターでは約10g)を周囲にばらまき、土によくなじませて株元に土を寄せておきましょう。 本葉が4〜5枚ついたら、10〜12cm間隔になるように間引きます。この時、2回目の間引きの時と同様に、追肥と土寄せをしておいてください。 間引きをする理由 tamu1500/Shutterstock.com カブは移植ができないために、園芸用トレイなどで育苗せずに、菜園やプランターに直接種を播いて栽培する必要があります。そのため、発芽が揃わなかったり、幼苗のうちに虫に食われたりと、それなりにリスクが高くなるわけです。そのため、多めに種を播いておき、共に競わせながら成長を促します。成長と共に適切な株間を保つように、間引きながら育成して、より健やかな苗を残すのです。「間引き」の作業が遅れると、葉ばかりが茂って根が育たないので、適切なタイミングを逃さずに行いましょう。 水やり cam3957/Shutterstock.com 【菜園】 発芽後は、地植えの場合は地中から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、雨が降らず乾燥が続く場合は水やりをして補いましょう。 【プランター栽培】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 追肥・中耕・土寄せについて tamu1500/Shutterstock.com 【菜園・プランター栽培ともに】 発芽・間引きの項目でのべたように、2回目と3回目の間引きを行うタイミングで、追肥と土寄せを行います。量は前項を参照してください。この時、苗の周囲を軽く耕す「中耕」の作業を行っておきましょう。土は降雨や水やりが繰り返されると、かたく締まった状態になります。周囲を軽く耕すことで、土中に空気が送り込まれて根の生育がよくなります。また、株元に土を軽く寄せる「土寄せ」の作業も大切です。かぶは根の張りが浅く、株元がぐらついていると根の形が悪くなることがあるので、土寄せをして株元をしっかりと支えましょう。その際、雑草が生えていれば抜いておきます。 病害虫について THETAE/Shutterstock.com 【病気】 かぶに発生しやすい病気は、根こぶ病、白さび病などです。 根こぶ病は、カブの根にこぶが作られていびつな形になる病気で、症状が進むと枯死してしまいます。糸状菌の発生による土壌伝染病で、アブラナ科の植物を宿主とするので、連作を避けることが大切です。アブラナ科に属す野菜は、カブのほかにダイコン、ハクサイ、キャベツ、ブロッコリーなどがあり、1〜2年以内にこれらの野菜を育てていた場所でかぶの栽培を始めると、発症しやすくなるので注意してください。 白さび病も、糸状菌による病気で、はじめは葉の裏面に白い斑点が現れ、次第に白い粉状のものに覆われていきます。雨が多い時期に発生しやすいので注意しましょう。 どちらも発病した場合は、周囲に蔓延するのを防ぐために抜き取って処分します。 【害虫】 カブに発生しやすい害虫は、アブラムシ、アオムシ、コナガの幼虫などです。 アブラムシは、3〜10月頃に発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉について吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目も悪いので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。 アオムシは、モンシロチョウの幼虫です。葉裏などに卵を産み、孵化した幼虫は旺盛に葉を食害します。葉に穴があいているのを見つけたら、裏返して幼虫がいないか確認し、見つけ次第捕殺します。放置するとギョッとするほど大きくなり、葉脈のみを残して食べ尽くすほどの害を与えるので、早めの対処が大切です。 コナガの幼虫は、5〜10mmの小さなアオムシで、孵化した当初は葉の内部に潜り込み、大きくなると葉裏について食害します。表皮を残して食害する特徴があります。葉に穴があき、ふんが落ちているようなら、葉裏などをチェックして捕殺しましょう。 アブラナ科に属するカブは、大変虫がつきやすい野菜です。でも、せっかく家庭で栽培するのですから、できるだけ無農薬で管理したいですよね。そんな時は、園芸用資材を上手に利用する方法があります。用意するのは、不織布と防虫ネット、園芸用支柱です。 不織布は、種を播いた直後に、畝にべたがけにして四方に土を盛って固定しておくと、幼苗を虫から守ることができます。ある程度苗が育ってきたら、不織布を外して防虫ネットの設置に切り替えましょう。園芸用支柱を畝の両端と中央あたりにアーチ状にして深く差し込み、防虫ネットを被せます。畝の両端で防虫ネットを結んで固定し、四方の裾に土を盛ってしっかりと固定。これで物理的に虫の侵入を抑えられるというわけです。プランター栽培でも同様に管理できます。虫が苦手な方は、園芸用資材を上手に使って防除するのがおすすめです。 カブの収穫の目安 julie deshaies/Shutterstock.com カブは、収穫が近づくと根が太って地面にせり上がってくるようになります。小カブでは直径約5cm、大カブでは直径約15cmを目安に収穫。株元を持って一気に引き抜きます。収穫が遅れると、肥大しすぎて根が割れたり、スが入ったりして品質が落ちるので、適期のタイミングを逃さないようにしてください。葉を残しておくと水分が葉から蒸散されてしまうので、収穫したら、すぐに葉の部分を切り取りましょう。茎葉の部分も栄養価が高く、調理に利用できますよ! よくある失敗集 julie deshaies/Shutterstock.com ここでは、カブの栽培でよくある失敗をご紹介します。 【収穫したら根の形がよくない!】 カブは根を収穫する野菜です。畑に小石や異物などが混入していると、生育時に当たって変形することがあります。土作りの際には、よく耕して小石などを見つけたら取り除いておきましょう。とはいえ、根が変形していてもおいしく食べられますし、ユニークな形のカブは、家庭菜園ならではの楽しみでもあります。 【スが入っていた!】 収穫の遅れが原因と考えられます。根の内部がスカスカになって食感が落ちるので、適した時期に収穫するようにします。 【根が割れていた!】 これにはいくつかの原因が考えられます。 一つは、土壌の水管理がうまくいっていないこと。かぶは乾燥しすぎるのを嫌うので、雨が降らず乾燥が続く場合は水やりをして補います。ただし、いつも湿った状態にすると病気になりやすいのでNG。適した水分管理を心がけます。 もう一つは、適した時期に間引きを行っていないこと。かぶは間引きを繰り返して競合させながら育成しますが、早めに間引いたせいであまりに勢いよく育ちすぎると、根が割れる原因になるとされています。 最後に考えられるのは、収穫の遅れ。内部が肥大しすぎて割れてしまうので、早めの収穫を心がけましょう。 【表面が汚い!】 キスジノミハムシの食害が原因と考えられます。連作を避け、防虫ネットなどをかけておくとよいでしょう。傷がついたカブを食べても、問題はありません。 カブ栽培を楽しもう! yuratosno3/Shutterstock.com この記事では、カブの基本情報や栽培について、詳しくご紹介してきました。種まきからスタートして移植はしない、間引きながら育てる、適切に水を管理するなど基本さえ把握しておけば、順調に育って失敗することの少ないカブの一つです。ぜひ自身で育てた野菜を、食卓で味わってはいかがでしょうか。
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育て方

秋〜冬は鉢植えの植え替えシーズン。鉢植えでよくあるトラブルを未然に防ぐ方法
夏に急に葉がしおれた樹木を掘り上げてみると…… 写真は、前年までたくさんの実りがあったイチジクの木の根っこです。夏頃、水が足りないわけでもないのに、急に葉が落ち、木が枯れたため掘り上げてみました。すると、細かい根がびっしりついていたはずなのに、すっかり坊主になっていました。これは、一体どうしたのでしょう? 犯人はカブトムシの幼虫? ここでガーデニングの初心者さんによくあるエピソードを一つ。冬に植え替えをしていたら小さな幼虫に遭遇し、「あら、こんな都会にもカブトムシの幼虫がいるのね」などと勘違いをして、土中に幼虫を優しく戻したというのです。その後、おそらくその鉢に植わっていた植物は夏を越すことができなかったことでしょう。そう、イチジクの根を食い荒らした犯人は、カブトムシの幼虫ではなく、コガネムシの幼虫だったのです。 カブトムシの幼虫の頭はこげ茶色で、コガネムシの幼虫は写真のように頭は黄土色をしています。鉢植えの中で見つけた幼虫は、ほとんどの場合コガネムシの幼虫です。覚えておきましょう。 コガネムシの産卵は5月と9月 コガネムシの成虫がガーデンやベランダにやってきて、表土に産卵し、その後土中で幼虫が育ち始めます。産卵を防ぐために表土に網を張る防除法や、産卵時期に殺虫剤を使うのも方法ですが、秋冬の植え替えも駆除の手段の一つです。 鉢植えの用土をリフレッシュする植え替え 秋冬の植え替えは、コガネムシの幼虫を駆除するために行うというよりも、硬く古くなった用土を入れ替えるために行います。鉢植えの植物は1〜2年も経てば根が成長していますし、表土に雑草も生えている場合もあります。一度掘り起こして鉢の中の環境をリフレッシュさせることで、翌年の成長がスムーズになります。もし、コガネムシの幼虫が土中にいる状態で年を越してしまうと、夏頃には植物が枯れてしまいます。秋冬の植え替えは一石二鳥の作業なんですよ。 鉢植えの植え替えをしている時、必ずしもコガネムシの幼虫が出てくるわけではないので、あまり気にしすぎずに作業しましょう。虫が苦手という人には、鉢植えに使っていた古い土は一旦黒いビニール袋に入れて密封し、太陽が当たる場所でしばらく放置しておきましょう。こうしてから後日再生するのも一つの方法です。場所がなくてすぐに土を再生させたい方は、掘り出した土をふるいにかけながら、枯葉や古い根、幼虫を除くとよいでしょう。
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一・二年草

【秋の花】ノゲイトウはおしゃれな庭のアクセントにぴったり! 育て方や特徴を解説
ノゲイトウの基本情報 Galeh Nur Wihantara/Shutterstock.com 植物名:ノゲイトウ学名:Celosia argentea英名:Staghorn Fern和名:ノゲイトウ(野鶏頭)その他の名前:セロシア科名:ヒユ科属名:ケイトウ属(セロシア属)原産地:アジア、アフリカ、アメリカの熱帯〜亜熱帯地域分類:一年草 ノゲイトウは、ヒユ科ケイトウ属(セロシア属)の一年草です。原産地はアジア、アフリカ、アメリカの熱帯〜亜熱帯地域で、暑さに強く、寒さに弱い性質です。草丈は15〜150cmと大きな幅がありますが、これは矮性種から高性種まで品種が豊富なため。品種によっては支柱が必要となるものや、地植えにするならある程度スペースを必要とするものなどがあるので、苗を購入する際には、サイズ感などをラベルでチェックしておくことをおすすめします。 ノゲイトウは春夏まきで、5月頃に種子を播き、苗が順調に生育すると、7〜11月に開花します。開花後は冬の寒さに耐えられずに枯死してしまうので、ライフサイクルは半年ほど。宿根草のように越年して春に再び芽を出すことはないので、株が衰えたら抜き取って整地します。 ノゲイトウの花の特徴 園芸分類:草花開花時期:7〜11月草丈:15〜150cm耐寒性:弱い耐暑性:強い花色:ピンク、紫など ノゲイトウの開花期は7〜11月で、花色はピンク、紫など。咲き進むと下部からやや色褪せてきます。花径は5〜12cmで、円錐形のフォルムが特徴です。分枝しやすい性質で、花数が多く次々と開花します。花に含まれる水分が少なく、風通しのよい場所に逆さに吊しておくと、簡単にドライフラワーになります。 ノゲイトウの花言葉や名前の由来・歴史 Daolauong Kamkhom/Shutterstock.com ノゲイトウの学名、Celosia(セロシア)は、ギリシャ語の「燃やした」という意味をもつ「Keleos」が由来となっています。花の見た目が炎に似ていることにちなんでいるようです。日本には8世紀頃に中国や朝鮮半島を経て伝わったとされています。 花言葉は「おしゃれ」「風変わり」「おもむくままに」など。 ノゲイトウの系統や似た仲間 Oyeah 1301/Shutterstock.com 「ケイトウ」と名のつく植物は、比較的多く見つかります。ここでは、同系統や似た仲間についてガイドしていきます。 ケイトウ。Ben Phillips/Shutterstock.com ノゲイトウ。Indra Adi Gunawan/Shutterstock.com ノゲイトウ・セロシア・ケイトウの関係 ノゲイトウとケイトウは、同じヒユ科セロシア属です。セロシア属には約60種類があり、ノゲイトウとケイトウは同じ属の仲間同士なのですが、ノゲイトウはセロシアの名前で流通していることが多くなっています。また、ケイトウは和名で、フサゲイトウ、トサカゲイトウ、クルメケイトウ、ヤリゲイトウ、そしてノゲイトウも含めて5つに分類されています。さらには種苗会社などによって品種改良されたノゲイトウ、ヤリゲイトウ、トサカゲイトウの園芸品種をセロシアと呼ぶこともあり、かなりややこしくなっています。そのため、出自を確認したい場合は、学名に注目するのがよさそうです。 ハゲイトウ。Zulashai/Shutterstock.com ヒモゲイトウ。Svetliy/Shutterstock.com ハゲイトウ・ヒモゲイトウは別種 「ケイトウ」の名がつく、ハゲイトウやヒモゲイトウは、じつはノゲイトウやケイトウとは別種です。ノゲイトウはヒユ科セロシア属ですが、ハゲイトウとヒモゲイトウはヒユ科ヒユ属(アマランサス属)。ハゲイトウは葉色を、ヒモゲイトウはひも状に伸びる穂状の花を楽しみます。 ノゲイトウの栽培12カ月カレンダー 開花時期:7〜11月肥料:5〜9月植え付け:6月下旬〜7月中旬種まき:5月頃 ノゲイトウの栽培環境 liu yu shan/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 ノゲイトウは基本的には日当たり・風通しのよい場所を好みます。日当たりの悪い場所では、花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロとか弱い茎葉が茂って草姿が乱れたりするので注意。基本的にノゲイトウは暑さに強く、日本の気候に馴染んで放任してもよく育ちます。土壌は水はけと水もちのよい、ふかふかとした状態を好みます。 耐寒性・耐暑性 暑さに強く、寒さに弱い性質です。開花後は冬の寒さに耐えられずに枯死してしまう一年草で、ライフサイクルは半年ほど。宿根草のように越年して春に再び芽を出すことはないので、株が衰えたら抜き取って整地します。 ノゲイトウの育て方のポイント 用土 blueeyes/Shutterstock.com 【地植え】 丈夫な性質で土壌を選びませんが、植え付ける1〜2週間前に、腐葉土や堆肥などの有機質資材、緩効性肥料を投入し、よく耕してふかふかの土をつくっておくとよいでしょう。事前に土づくりをしておくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根の生育がよくなります。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。 水やり Osetrik/Shutterstock.com 株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏は、気温の高い昼間に水やりをすると、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 【地植え】 根付いた後は、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、常にじめじめと湿った状態にしておくと、根腐れを起こしてしまうので禁物です。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 肥料 New Africa/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 5〜9月に、株の状態を見て緩効性肥料を与えましょう。 注意する病害虫 nechaevkon/Shutterstock.com 【病気】 ノゲイトウの栽培で発症しやすい病気は、うどんこ病、灰色かび病などです。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用する殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境下で発生しやすい病気で、ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合っていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。 【害虫】 ノゲイトウの栽培で発生しやすい害虫は、アブラムシ、ハダニなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目も悪いので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、シャワーではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期に葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。 ノゲイトウの詳しい育て方 苗の選び方 花苗店でノゲイトウの苗を購入する際は、節間が短く茎ががっしりと締まって丈夫なものを選びましょう。 植え付け laenon/Shutterstock.com 苗の植え付け適期は、6月下旬〜7月中旬です。ただし、開花株などそれ以外の時期に苗を入手した場合は、早めに植えたい場所に植え付けます。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に苗よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。苗をポットから出したら、根鉢をくずさずに植え付けるのがポイントです。複数の苗を植え付ける場合は、草丈に応じて15〜30cmの間隔を取りましょう。最後に、たっぷりと水やりします。 【鉢植え】 5〜6号鉢に1株を目安に植え付けます。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れます。苗を鉢に仮置きし、高さを決めてから植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 日常のお手入れ摘心・花がら摘み・支柱 Aleksei Golovanov/Shutterstock.com 【摘心】 自然に分枝してこんもりとした株姿になりますが、幼苗のうちに茎の先端を切り取る「摘心」をしておくと、より分枝して茂り、株張りがよくなります。 【花がら摘み】 次々に花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 【支柱の設置】 草丈が高くなる高性種を栽培する場合は、早めに支柱を設置して麻ひもまたは園芸用のビニールタイで誘引しておくと、強風による倒伏を防ぐことができます。 増やし方 種まき Taras Garkusha/Shutterstock.com ノゲイトウは種まきで増やすことができます。種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くて多数の苗を植えたい場合は、コストカットにもなります。 発芽適温は25℃前後で、種まきの適期は5月頃です。種まきから栽培する場合、花壇などに直まきすると、幼苗のうちに病気や虫の害にあいやすく、天候不順に左右されやすいので、種まき用のトレイに清潔な市販の種まき用の培養土を使って種子を播き、適した場所で管理すると、より確実です。ただし、ノゲイトウは「直根性」で、ゴボウのように太く長く伸びる根を持っています。この根を傷めると後の生育が悪くなるので、移植する際は根鉢をくずさないよう、丁寧に扱ってください。 種まき用のトレイに種子を播く場合は、微細な種子なので覆土はごく薄くしてください。種子が流れ出さないように、水やりは水を浅く張った容器にトレイを入れ、底から給水します。発芽までは乾燥させないように水の管理をしましょう。1週間ほど経つと発芽し、双葉が揃います。 発芽したら日の当たる場所で管理し、込み合っている部分があれば適宜間引きましょう。もったいないからといって密のままにしておくと、ヒョロヒョロと間のびした徒長苗になってしまうので、ご注意を。 本葉が2〜4枚ついたら、トレイから抜いて鉢上げします。黒ポットに草花用の培養土を入れて、根を傷つけないように苗を周りの土ごと抜き取って植え付けましょう。日当たりのよい場所に置き、表土が乾いたら水やりして育苗します。多湿になると根の張りが悪くなり、ヒョロヒョロと頼りなく伸びる徒長苗になったり、病気が発生したりするので注意。適切な水分管理をすることがポイントです。ポットに根が少し回るくらいまでを目安に育苗し、幼苗のうちに植えたい場所に定植します。 ノゲイトウの楽しみ方 anny ta/Shutterstock.com 庭を豊かに彩るノゲイトウは、切り花やドライフラワーにも利用できます。ぜひインテリアに飾って楽しんではいかがでしょうか。 ドライフラワー ノゲイトウは、花に水分をあまり含まないので、簡単にドライフラワーにできます。雨が降らずに数日乾燥が続いた朝に、好みの長さで切り取ります。下葉を取ってひもで束ね、風通しのよい日陰に逆さに吊しておくと、2〜4週間でドライになります。 切り花 切り花にして楽しむ場合は、朝か夕方の涼しい時間にハサミで切り取りましょう。その際は、花がしっかり開いて、茎がある程度硬くなっているものを選びます。葉は傷みやすいので、下葉をできるだけ切り取っておいてください。茎の切り口を水の中で斜めに切り取って十分に水揚げし、花瓶などに飾ります。 ノゲイトウの可憐な花姿でお庭を明るくしよう SSG PHOTO/Shutterstock.com 花つきがよく、次々と咲いて庭を彩るノゲイトウは、ガーデニングで重宝するのはもちろん、切り花やドライフラワーとしても楽しめます。夏の暑さに負けず、手をかけずともすくすくと育つので、ビギナーにもおすすめです。ぜひノゲイトウを庭に植栽して、秋まで愛らしい花姿を楽しんでください。
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宿根草・多年草

球根の取り扱いのポイントは? フリチラリアの特徴や種類・育て方をご紹介
フリチラリアとはどんな花? チューリップやヒヤシンスなど、人気の球根植物に比べると、フリチラリアはややマイナーな存在かもしれませんね。名前を聞いても、どんな花姿をしているか、ピンとこない方も多いのではないでしょうか。ここでは、そんなフリチラリアの特徴について、詳しく解説していきます。 フリチラリアの見た目 Maleo/Shutterstock.com フリチラリアは、北半球の温帯に100種類ほどが確認されており、その花姿は多様です。日本では黒い花を咲かせるクロユリ、ごく淡いグリーンの花色の内側に網目模様が入るバイモなどが古くから自生し、茶花として利用されてきた馴染みのある植物です。 数ある種類のうち、ガーデニングで代表的な存在となっているのが、フリチラリア・インペリアリスです。逆に「フリチラリアって100種類もあるの!?」と驚く方もいるかもしれません。全てに言及すると紙幅が足りないので、ここでは最もポピュラーなインペリアリスの見た目についてご紹介しましょう。 インペリアリスは、4月中旬〜5月中旬に開花します。花色は、目を引く鮮やかな黄色かオレンジ。太い花茎を長く立ち上げた頂部に5輪ほどのベル形の花がうつむいて咲きます。これらの花の上にも葉がつき、まるでパイナップルのようなユニークな姿をしています。草丈は60〜100cmくらいになり、ビビッドカラーの愛らしい花姿は大変目を引くので、春のガーデンに個性を演出したい時におすすめです。 フリチラリアの特徴 Pawel Graczyk/Shutterstock.com フリチラリアは、ユリ科バイモ属の球根植物で、前述の通り北半球の温帯地域に100種類ほどが分布しています。 ここでも紙幅を考慮して、ガーデニングで最も親しまれているインペリアリスに絞ってご紹介しましょう。インペリアリスの原産地はトルコ、イランなどの中近東で、耐寒性には強いものの、暑さに弱い性質があります。特に高温多湿が大の苦手です。ライフサイクルとしては、10〜11月頃に球根を植えて、寒さにあわせて越年させます。3月下旬頃から生育が著しくなり、4月中旬〜5月中旬に開花。開花後も茎葉を茂らせますが、6月頃になると地上部の茎葉が黄色く枯れ込んで落葉します。地上部が枯れたからといって枯死したわけではなく、球根は休眠しているだけです。秋になると芽が動き出して春には再び開花するという、一度植え付ければ毎年開花してくれる、息の長い植物です。ただし、植えっぱなしにしてよいわけではなく、前述のように高温多湿な日本の夏は大の苦手なので、地上部が枯れ込んだら球根を掘り上げて保管するという一手間がかかることを知っておいてください。 フリチラリアの種類は? フリチラリアの種類は北半球を中心に100種以上が見つかっていますが、インペリアリスのほかに、メレアグリス、クロユリ、バイモなどの球根や苗も流通しています。それぞれの特性についてご紹介しましょう。 【フリチラリア・メレアグリス】 Keith Hider/shutterstock.com ヨーロッパ〜西アジアの高原地などが原産。草丈は20〜30cmほど。花色は深い赤紫で、網目模様が入るのが特徴です。細めの花茎を数本長く伸ばした先に、ベル形の花を1輪咲かせます。白花の‘アルバ’、紫×白のモザイク模様になる‘アルテミス’などの園芸品種もあります。 【クロユリ】 Nick Pecker/Shutterstock.com 北日本、サハリン、カムチャッカ半島が原産地。高山植物で、やや湿り気のある土壌を好みます。6〜8月頃、直立した茎の頂部に黒いベル形の花をうつむき気味に咲かせます。花には独特のにおいがあり、英語では「Skunk Lilly(スカンクユリ)」と呼ばれるほどです。 【バイモ】 High Mountain/Shutterstock.com 中国が原産地。日本には江戸時代に伝わり、「アミガサユリ」とも呼ばれ、薬草として用いられていたようです。草丈は40〜60cmくらい。開花期は4〜5月で、ごく淡いグリーンの花弁の内側に、黒い網目模様が入るのが特徴。細い花茎を伸ばした頂部にややうつむいて咲く姿が可憐で、山野草の趣があります。 フリチラリアの育て方は? ここまで、フリチラリアの特性や種類などについて、ご紹介してきました。ここからは実践編として、フリチラリアの育て方について、詳しく解説していきます。 フリチラリアの育て方1. 球根の植え付け OlegDoroshin/Shutterstock.com 球根植物に分類されるフリチラリアは、球根を入手して植え付けます。植え付け適期は10〜11月です。 花苗店などで開花株を買い求めた場合は、植えたい場所へ早めに定植します。植え付けの際は、根鉢を崩さないように作業しましょう。 【地植え】 フリチラリアを植える場所は、直射日光が強く当たりすぎない半日陰で、風通しのよい環境を選びます。植え付ける1〜2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで耕しておきましょう。あらかじめ土作りをしておくと、ゆっくりと分解が進んで熟成し、植え付ける頃には適した土壌になっています。水はけのよい土壌を好むので、水はけの悪い環境では盛り土をして対策をしておくとよいでしょう。 土作りをしておいた場所に、インペリアリスのように大型に育つ種類は、深さ10〜12cmの穴を掘って球根を植え付け、複数球を植える場合は約30cmの間隔をあけます。小型の種類は、深さを6〜10cmにし、約15cmの間隔で植え付けましょう。最後にたっぷり水を与えます。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、草花用にブレンドされた市販の培養土を利用すると便利です。鉢のサイズは、インペリアリスなど大型に育つ種類は、6〜7号鉢に1球を目安にします。小型に育つ種類は、5〜6号鉢に4〜5球を目安にするとよいでしょう。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を入れます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。フリチラリアの球根は、大型・小型ともに、深さ約5cmを目安に植え付けます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 フリチラリアの育て方2. 日常の管理 Osetrik/Shutterstock.com 水やり 水やりは、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、晴天が続いて乾燥しすぎる場合は、水やりをして補いましょう。 【鉢植え】 水やりは、日頃から忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。球根を掘り上げず、鉢に植えたままにして休眠期を過ごす場合は、カラカラに乾かない程度に、控えめに水やりをしましょう。 支柱の設置 インペリアリスなど大型に育つ種類には、支柱を立ててビニタイや麻ひもなどで茎をくくりつけて誘引し、倒伏を防ぎます。 開花期のケア 開花期に日当たりがよすぎる環境のもとでは、開花期間が短くなる傾向にあります。朝だけ日が差し込む東側や、木漏れ日がチラチラと差す半日陰の場所で育てるのが一番ですが、そのような環境ではない場合は、日よけのケアをしてあげましょう。 【地植え】 日当たりがよすぎる場所では、花が咲く頃に寒冷紗などを張って遮光します。 【鉢植え】 朝だけ日が差す東側や、チラチラと光が差す程度の緑陰など、明るい半日陰の場所に移動して管理します。 切り花として楽しむ バイモやクロユリなどは茶花として利用されてきたこともあり、ガーデンで咲いた花を摘み取って、インテリアに飾っても素敵です。ただしインペリアリスなどのように、種類によっては独特のにおいを放つものもあるので、ご注意を。 咲いた花を切り取るタイミングは、昼間のように植物が水分を発散していない朝か夕方にします。水に浸る葉があれば取り除いて、水が腐りやすくならないようにしましょう。 花がら摘み 花が咲き終わったら花首で切り取り、株周りを清潔に保っておきましょう。 フリチラリアの育て方3. 開花後の管理 Evtushkova Olga/Shutterstock.com 水やり 開花後、茎葉がみずみずしいグリーンの状態の時期は、日常の管理の項目で説明したように、地植えまたは鉢植えに適した水やりをします。 球根の掘り上げ 6月頃には葉が黄色く枯れ込んで、休眠の準備に入るので、球根を掘り上げて貯蔵します。高温多湿の環境を嫌うので、梅雨前には済ませておくとよいでしょう。 球根を傷つけないように掘り起こし、地上部の茎葉を切り取ります。球根が増えている場合は、分球してもかまいません。ベンレートなど殺菌剤を溶かした水溶液にしばらく浸した後に少し表面を乾かします。やや湿り気のあるおがくずやバーミキュライトなどに埋め込んで、涼しい場所で保管しましょう。秋の植え付け適期がやってきたら、再び植え付けます。 フリチラリアの育て方4. 肥料 Vitalii Stock/Shutterstock.com 元肥 元肥は、球根を植え付ける時に施す肥料です。植え付ける前に土壌を肥沃にしておくことで、生育するパワーの源となります。 地植えの場合は腐葉土や堆肥、有機質の緩効性肥料を施しておきます。鉢植えの場合、市販の草花用にブレンドされた培養土には、あらかじめ元肥が配合されたものが多いので、肥料過多にならないように元肥が必要かどうか確認しましょう。元肥が必要な場合は、緩効性化成肥料を使うと、においがなく手軽に利用できます。 追肥 追肥は、元肥のパワーを使い終えた頃に追加として与える肥料です。越年して春めいた後、ぐんぐん生育する3〜5月に与えます。庭植え、鉢植えともに緩効性化成肥料を表土にばらまいてなじませるとよいでしょう。 鉢栽培の場合、株に元気がないようであれば、速効性のある液肥を与えてもOKです。開花期には、10日に1度を目安に液肥を与えて株の勢いを保ってもよいでしょう。 お礼肥 開花が終わった後、株は花を咲かせたことによってエネルギーを消耗しています。株の体力をを回復させるためと、球根を充実させるために与える肥料をお礼肥といいます。開花後でも茎葉が青々としている間は株の勢いを保ち、養分をしっかりと球根に溜め込むように肥料を与えておきましょう。緩効性化成肥料を表土にばらまいて土によくなじませておきます。 フリチラリアの育て方5. 病害虫対策 schankz/Shutterstock.com フリチラリアは、3月下旬頃からアブラムシが発生しやすくなりますが、土壌に混ぜ込むタイプの粒剤で対処できます。また、ナメクジが発生して茎葉などを食害することがあります。ナメクジは夜に活動するので、日が落ちた頃にパトロールして見つけ次第捕殺しましょう。大量に発生しているようなら、ナメクジを駆除するための薬剤を利用するのも一案です。 また、フリチラリアは病気が発生しにくいほうですが、球根を掘り上げた時に柔らかくなっていたり、黒ずんだりしていたら、腐っている可能性があるので、病気が蔓延するのを防ぐためにも、ただちに処分しましょう。 フリチラリアは園芸初心者には難しい?休眠期間がポイント ビギナーにとって、フリチラリアの栽培はハードルが高いとよくいわれます。枯らしてしまいがちな注意すべきポイントがいくつかあるので、ご紹介します。 水やり 水やりを忘れて乾燥させると、根が傷んでしまいます。すると根から水分を吸収する力が弱くなるので注意を。フリチラリアは乾燥に弱いので、水の管理に気を配りましょう。ただし水をたっぷり与えればいいというものでもなく、適度に湿った土壌に保つことが大切です。また、開花後もしばらくは茎葉がグリーンを保っています。地上部の葉が黄色く枯れ込む休眠期を迎えるまでは、忘れずに水やりをしましょう。 球根の管理 地上部の葉が黄色く枯れ込んで休眠期に入ったら、球根を掘り上げて貯蔵することがポイント。フリチラリアは高温多湿の環境を嫌うので、掘り上げて涼しい場所で管理するとよいでしょう。 同じ理由から、残暑が残っている時期に球根を植え付けるのは厳禁。十分涼しくなってから植え付けるようにします。一定の寒さにあわないと開花しないので、寒くなる前に植え付け、鉢栽培の場合は戸外で管理することも大切です。 また、数年の栽培に成功して球根が充実した状態なのに、分球せずに植え付けると、茎葉が密集状態になり、うまく育たなくなってしまうこともあります。球根が分球できる状態に太っていたら、掘り上げた際に増えた球根をはずして分球するとよいでしょう。 インパクトが大きいフリチラリアの花!休眠期間中の管理を大切に Edita Medeina/Shutterstock.com フリチラリアは、インパクトのある咲き姿が魅力の植物です。もともとは一度植え付ければ何年も咲いてくれる息の長い植物ですが、枯らさずに長く楽しむためには、花が終わった後、休眠期間中の管理がポイントになります。基本を押さえればうまく栽培できるので、庭に個性を発揮してくれるフリチラリアを迎え入れてはいかがでしょうか。
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野菜

おいしいネギを自宅で育てる栽培法って?「ネギ坊主」って何?
ネギの基本情報 tamu1500/Shutterstock.com ネギは、ユリ科ネギ属の葉菜類で、原産地は中国西部です。日本には奈良時代には伝えられていたとされ、各地に散らばってさまざまな地方品種が生まれています。ネギの生育適温は15〜20℃で、暑さ、寒さに強い性質を持っています。また、病害虫にもかかりにくいため、比較的管理がしやすい野菜です。連作を嫌うので、1年はネギを栽培していない場所を選んで植え付けましょう。 どのネギを育てる? ネギの種類 Gereti Studio/Shutterstock.com ネギは、青々とした葉芯部を薬味として利用する葉ネギ(青ネギ)と、白い葉鞘部を薬味や鍋物などに利用する長ネギ(根深ネギ、白ネギ)があります。 葉ネギは、主に関西地方以西で栽培され、京野菜の九条系が多く出回っています。種まきから収穫までの期間が短いので、ビギナーさんなら葉ネギの栽培からスタートするのがおすすめ。葉ネギは酸性の土壌を嫌うので、土づくりの際に苦土石灰を散布して土壌改良しておくことがポイントです。3月下旬〜4月にタネを播き、7月頃に草丈が60〜70cmになったら収穫します。花苗店やホームセンターでは苗の販売もしているので、苗の植え付けから始めれば、より手軽に栽培できますよ! 長ネギは、関東地方以北でよく育てられており、東日本では千住ネギ系、北陸では加賀ネギ系が多く流通しています。群馬県の特産として知られる下仁田ネギは、軟白部が太くて短く、甘みがあって柔らかいのが特徴です。長ネギは、栽培の際に土を盛り上げて日光に当てないようにする「土寄せ」を繰り返し、人工的に軟白部を30〜40cmほど長く育てます。植え付けの際には、根を傷めないために苦土石灰や肥料を用いないのがポイント。栽培期間は、3月下旬〜4月にタネを播いて、収穫できるのは11月下旬〜2月頃と、野菜の中でも長いほうです。その間、場所を占領するため、周囲に育てる作物の状況も踏まえて、どこに植えるかじっくり検討するとよいでしょう。また、月に1度は追肥と土寄せの作業を繰り返すメンテナンスが必要なため、家庭菜園では上級者向きといえる野菜です。長ネギの収穫期間が11月下旬〜2月までと長期にわたる理由は、収穫適期が過ぎても、2月までは畑にそのまま置いても大丈夫なため。必要な分ずつ収穫することができます。 葉ネギの育て方 PThira89/Shutterstock.com 葉ネギは、青々とした葉の部分を収穫するので、長ネギのように軟白部を長く育てる管理が必要なく、ビギナーにおすすめです。 葉ネギのライフサイクルは、3月下旬〜4月にタネを播き、間引きながら育成。7月頃から収穫を始めます。 土づくり Liubkomr/Shutterstock.com 【地植え】 日当たりのよい場所を選び、タネを播く2〜3週間前までに、1㎡当たり苦土石灰100gを全体をばらまき、よく耕しておきましょう。 種まきの1週間前に、畝の幅を60cm取って印をつけ、中央に深さ20〜30cmの溝を掘り、1㎡当たり堆肥2kg、緩効性化成肥料(N-P-K=8-8-8)100gをまいて埋め戻します。そこに高さ10cmほどの畝をつくっておきましょう。 【プランター栽培】 葉菜類の野菜用にブレンドされた市販の培養土を使うと便利です。 種まき Anakumka/Shutterstock.com ビギナーさんや、プランター栽培なら、花苗店やホームセンターで苗を買い求めて植え付けるのがおすすめですが、葉ネギは種まきからでも簡単に育成できます。 畝の中央に、園芸用支柱などを埋めて深さ1cmほどのまき溝をつくります。そこに1cm間隔でタネを播き、溝の両側から土をかぶせ、軽く手で押さえましょう。最後に、たっぷりと水やりをします。水圧で種が流れ出ることのないように、はす口をつけたジョウロで、高い場所から水をまくとよいでしょう。 間引き zoyas2222/Shutterstock.com 草丈が3〜5cmに育ったら約3cm間隔に間引き、さらに草丈10〜15cmに育ったら約5cm間隔に間引きます。間引いた苗は、薬味として十分に利用できますよ! 苗の植え付け Pedarilhosbr/Shutterstock.com この項目では、花苗店やホームセンターで買い求めた苗の植え付けからスタートする方に向けて解説します。種まきから栽培するのを選んだ方は、この項目はスルーして、水やりの項目に進んでください。 【地植え】 土づくりの際につくった畝の中央に深さ10cmほどの溝をつくり、苗を10cm間隔で植え付けます。下部にある葉鞘と葉身の境目で、葉が分かれて広がっている分げつ部を埋めないように、浅植えにするのがポイントです。最後にたっぷりと水を与えましょう。 【プランター栽培】 標準サイズのプランターを用意。プランターの底穴に鉢底網を敷き、底が見えなくなるくらいまで鉢底石を入れます。野菜用にブレンドされた培養土に、元肥として用土10ℓ当たり化成肥料(N-P-K=8-8-8)を大さじ2ほど混ぜ込んでプランターに入れましょう。水やりの際にあふれ出さないように、ウォータースペースを鉢縁から2〜3cm残しておきます。株間を約10cm取って、分げつ部を埋めないよう、苗を浅めに植え付けましょう。最後に鉢底から流れ出すまでたっぷりと水やりをします。 水やり wavebreakmedia/Shutterstock.com 【地植え】 地植えの場合は、下から水が上がってくるので、天候にまかせてもよく育ちますが、雨が降らずに乾燥しすぎるようなら、適切に水やりをして補いましょう。 【プランター栽培】 土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えます。 追肥 Vitalii M/Shutterstock.com 月に1度を目安に緩効性化成肥料を、地植えでは1㎡当たり約50g、プランター栽培では大さじ1ぐらいを目安に、周囲の土にばらまきます。軽く耕して土になじませ、株元に軽く土を寄せておきましょう。この時、分げつ部を埋めてしまうと成長しなくなるのでご注意を。 収穫 Vanatchanan/Shutterstock.com 7月頃、草丈が60〜70cmくらいになったら、収穫します。根ごと引き抜いても、地際で切り取ってもかまいません。 長ネギの育て方 RPA Studio/Shutterstock.com 長ネギは、人の手によって軟白部を長く育てる必要があるため、上級者向けといえます。葉ネギよりも管理の手間がかかって栽培期間も長くなりますが、手をかけた分、自家製ならではの美味しさを味わえるので、ぜひチャレンジしてみてください。 長ネギのライフサイクルは、以下の通り。3月下旬〜4月にタネを播き、育苗します。7月頃に畑に植え付け、月に1度の追肥と土寄せの管理をしながら軟白部を育成。11月下旬〜2月頃に収穫します。 なお、長ネギの軟白部を育てるには、プランターでの栽培は難しいので、地植えでの栽培に限ってガイドしていきます。 種まき marilyn barbone/Shutterstock.com ビギナーさんなら、花苗店やホームセンターで苗を買い求めて植え付けるのがおすすめですが、長ネギは種まきからでも簡単に育成できます。「たくさん収穫したい!」という方には、タネを購入して栽培するのがお得です。 日当たりのよい場所を選び、種まきの2〜3週間前に、1㎡当たり苦土石灰100〜150gを均一にばらまいてよく耕しておきます。また、種まきの1〜2週間前に1㎡当たり堆肥2〜3kg、緩効性化成肥料(N-P-K=8-8-8)100〜150gをばらまいて、よく耕しておきましょう。 タネを播く前に、土壌改良資材や元肥となる肥料を施しておくことで、時間をかけて分解されて土が熟成します。タネを播く頃にはよい土壌に育っているので、あらかじめ土づくりをしておくひと手間が、収穫成功への第一歩となりますよ! 幅約70cm、高さ5〜10cmの畝をつくり、透明なマルチを張ります。株間・条間ともに15cmの間隔をとって、マルチに直径1cmほどの平らな穴をあけましょう。1カ所に6〜7粒のタネを播き、土をかぶせて軽く手で押さえます。発芽後、茎の太さが直径7〜8mmになるまで育苗しましょう。 苗の植え付け ibnu alias/Shutterstock.com 土寄せしながら育成するため、栽培には約1mの幅を確保できる、日当たりのよい場所を選びましょう。苗を植え付ける際は根を傷めないようにするため、苦土石灰や堆肥などの肥料は不要です。畝幅の中央に幅15cm、深さ20〜30cmの溝を掘ります。掘り上げた土は、溝の片側(北側がベター)に積み上げて土手をつくっておきましょう。 育苗した苗、または花苗店やホームセンターで購入した苗を、土を積み上げていないほうの溝側(南側がベター)に立てかけるように約5cmの間隔で配置し、根元に少し土をかけます。その上に、苗の根元を覆うようにワラをたっぷりと敷きましょう。ネギは根が呼吸するため、ワラを入れて空気が通るようにすることがポイントです。また、ワラは植え付け後の根を支える役割も果たしてくれます。 水やり Osetrik/Shutterstock.com 地植えの場合は、下から水が上がってくるので、天候にまかせてもよく育ちますが、雨が降らずに乾燥が続くようなら、適切に水やりをして補いましょう。 追肥と土寄せ tamu1500/Shutterstock.com 植え付けから1カ月後、ワラの上に1㎡当たり30gの緩効性化成肥料(N-P-K=8-8-8)をばらまき、ワラが軽く隠れる程度に、積んでおいた土を崩して薄くかけます。この土寄せの作業によって、本来は光に当てて濃いグリーンに育つところを、軟白部にして長く伸ばしていくのです。成長に応じて土寄せを繰り返します。 2回目の追肥と土寄せは、植え付けから2カ月後を目安に行います。株元に緩効性化成肥料を1㎡当たり30gを溝に均一にまきましょう。葉鞘と葉身の境目で、葉が広がり始めている分げつ部を埋めないように土を寄せます。分げつ部には成長点があるので、埋めると成長できなくなります。 3回目の追肥と土寄せは、植え付けから約3カ月後。分げつ部が地際より上に出てきたら、株元に1㎡当たり30gの緩効性化成肥料を均一にまきます。分げつ部を埋めないように株元に土を寄せ上げましょう。 4回目の追肥と土寄せは、植え付けから約4カ月後。株元に1㎡当たり30gの緩効性化成肥料を均一にまき、これまで同様に分げつ部を埋めないように株元に土を寄せて盛り上げましょう。土寄せを繰り返すため、最終的には高畝になります。 収穫 tamu1500/Shutterstock.com 最後の土寄せの約1カ月後から、収穫スタート。途中で折れたり、ちぎれたりすることのないように、根元まで土を崩して丁寧に掘り上げます。2月頃まで収穫でき、畑に残しておいても大丈夫なので、必要な分だけ抜いていきましょう。 ネギ栽培で気をつけたい病害虫 Lertwit Sasipreyajun/Shutterstock.com 発生しやすい病気は、淡黄色や褐色の斑点が現れるさび病です。初期症状であれば、適応する薬剤を散布して防除します。症状が進んでいたら、ただちに病株を抜き取って周囲に蔓延するのを防ぎましょう。 害虫は、ネギアザミウマ、ハスモンヨトウなどに注意。 ネギってどんな花が咲くの?「ネギ坊主」について 冬を越したネギが春を迎えると、花をつけて「ネギ坊主」ができます。ここでは、そのネギ坊主について、ご紹介しましょう。 ネギの花をネギ坊主という kim hyunbae/Shutterstock.com 「ネギ坊主」とは、ネギの花のこと。ネギの花は、花茎を伸ばした頂部に、6つの花弁を持つ小さな花が集まって咲き、球状になります。その姿から坊主頭を連想して名付けられたのでしょう。ネギ坊主ができるとネギの成長は止まり、食感も悪くなるので、ネギ坊主ができる前の2月までには収穫を終えるようにしましょう。 ネギ坊主の食べ方 ArtCookStudio/Shutterstock.com じつはこのネギ坊主、食べられるんです! ネギの風味をギューッと濃くしたような、癖のある味わいで、炒め物やおひたしに利用できます。なかでも、天ぷらにすると風味がよくおすすめ。ネギ坊主を味わうために、あえて畑に長く置いておくのもよいでしょう。 ネギの増やし方 Iva Villi/Shutterstock.com ネギは、種まきで増やすことができます。タネを採取したい場合は、ネギの花である「ネギ坊主」ができるまで収穫せずに残しておきましょう。花が咲いた後、6月頃まで待つと、ネギ坊主が茶色くなってタネを採取できます。茶色く枯れ込んだネギ坊主を摘み取り、トレイなどに入れてさらに乾燥させましょう。それを手で揉みほぐすと、中から簡単に黒いタネを取り出すことができます。保存する場合は、紙袋などに入れて種まきの適期まで冷蔵庫に入れておくとよいでしょう。 薬味として大活躍! ネギを自宅で育てよう Guppy2416/Shutterstock.com ここまで、葉ネギ、長ネギのそれぞれの特性や育て方について、深く掘り下げて解説してきました。同じネギでも栽培方法がまったく異なることに、驚いた方もいるのではないでしょうか。そばやうどん、みそ汁などの薬味のほか、鍋物料理などいろいろな料理に欠かせないネギの栽培に、ぜひチャレンジしてください。






















