2020年春は、Stay Homeで各地のガーデン公開やオープンガーデンも自粛となりましたが、Garden Storyでは読者のみなさんに最盛期の自宅の庭を公開する「バーチャルオープンガーデン」を企画。今回は、ガーデニング雑誌で幾度も紹介されてきた庭を持つ、千葉県在住の橋本景子さんのバラ咲く庭からお届けします。バラの香りを想像しながらお読みください。

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外出自粛時の庭時間

バラ

例年5月は各地でオープンガーデンが開催される時期でしたが、今年は新型コロナの影響で外出もままならず、ガーデナーの皆さんにとっては、忘れられない春になってしまいました。しかし、自宅にこもっている期間は、庭に出て植物の手入れをしていたという人がとても多く、私も家事を放り出すくらいじっくりと庭と向き合えた、めったとないチャンスであったことも事実です。

今回のバーチャルオープンガーデンでは、4月の終わりから咲き始めた、我が家の全バラをご紹介いたしましょう。

フォーチュンズ・ダブル・イエロー

‘フォーチュンズ・ダブル・イエロー’

まずは毎年、一番初めに咲き始める‘フォーチュンズ・ダブル・イエロー(Fortune’s Double Yellow)’をご紹介します。今年は5月1日にほぼ満開を迎え、見事な咲き姿でバラの季節の到来を教えてくれました。

このバラは、1845年にイギリス人のロバート・フォーチュンが中国で発見したクライミングチャイナ系で、一季咲き。クラシックな花形と個性的な色が魅力的です。

現在の草笛の丘に移転する前に、佐倉にあった「ローズガーデン アルバ」から連れ帰って育てている我が庭で最古のバラで、無冠水・無農薬・無肥料で育てています。何度もテッポウムシに入られていますが、それでも毎年咲き続けています。

‘フォーチュンズ・ダブル・イエロー’

自宅の裏側にあたる道路脇の所有地に植わっているので、派手なピンクのツツジと同時に開花しました。今年は例年になく花つきが素晴らしかったです!

香粉蓮(コウフンレン)

香粉蓮(コウフンレン)
撮影5月2日。

その次に咲き始めていたのは‘香粉蓮(Xiang Fen Lian)’。

これもかなり古くから育てているバラで、剣弁咲きから開花につれてロゼット咲きに変わり、香りがよく、年間を通して繰り返しよく咲くティーローズです。

今年はたくさんのつぼみを持っていましたが、雨が多く、ボーリングしてしまったので二番花に期待したいと思います。

つる セシル・ブルンネ

つる セシル ブルンネ
撮影5月5日。

3番目は‘つる セシル・ブルンネ(Cécile Brunner)’です。

ポリアンサの‘セシル・ブルンネ’の枝変わりで、芳香豊かな花は返り咲きします。

冬の剪定誘引で長く伸びたシュートを間違えてカットしてしまい、クライミングローズなのに、今年は低い位置でしか咲かせられなかったバラ。

階段庭へ降りる場所に誘引してあった‘ルィーズ・オディエ’と一緒に、毎年皆さんに香りを振りまいていましたが、‘ルィーズ・オディエ’が枯れ、このバラだけでは、あの頃のような濃厚なバラの香りが再現できずに残念です。

コンテス・ド・ムリネ

コンテス ド ムリネ(Comtesse de Murinais)’
撮影5月6日。

続けてご紹介するのは、モス系のバラ‘コンテス・ド・ムリネ(Comtesse de Murinais)’。

モス系のバラのつぼみはとっても個性的で大好きなのですが、咲いてしまうと普通だって思いませんか? 白くて美しいのですが、どうしても他のバラに目が行ってしまうのは残念なところ。

バラの庭

というのも、奥行き30cmほどのレイズドベッドに、この‘コンテス・ドゥ・ムリネ’をはじめ、‘ベル・イシス’、‘つるセシル ブルンネ’、西洋ニワトコ‘ブラックレース’、ヨーロッパブドウ・プルプレアが植えられているので、ワサワサになってしまい、‘コンテス・ド・ムリネ’は存在感が薄くなってしまうのです。

スブニール・ドゥ・ドクター・ジャメイン

‘スブニール ドゥ ドクター ジャメイン(Souvenir du Docteur Jamain)’
撮影5月7日。

‘スブニール・ドゥ・ドクター・ジャメイン(Souvenir du Docteur Jamain)’は、早咲きタイプのバラですが、トゲが少なく花首が短いので、誘引しやすく景色を作るのが容易です。黒みがかった赤のバラは日焼けしやすいのが難点ですが、花もちも悪くありません。

‘スブニール ドゥ ドクター ジャメイン(Souvenir du Docteur Jamain)’

‘スブニール・ドゥ・ドクター・ジャメイン’は、玄関先の一番目立つ場所に植えているので、「何というバラですか?」と聞かれることも多い人気の赤バラです。返り咲きも少ししてくれます。

カーディナル・ド・リシュリュー

‘カーディナル ド リシュリュー(Cardinal de Richelieu)’
撮影5月7日。

‘カーディナル・ド・リシュリュー(Cardinal de Richelieu)’。これも何年も育てているバラの一つで、紫の花が退色してなんともいえない美しさです。ただ花もちは悪く、アッと言う間に散ってしまうのが残念です。

‘カーディナル ド リシュリュー(Cardinal de Richelieu)’

今年は株の半分ほどにテッポウムシに入られて枯れてしまい、ボリュームがまったくなく残念でしたので、剪定で思い切りカットしてやり直す必要があるかもしれません。

モーヴァン・ヒル

‘モーヴァン ヒル(Malvern Hills)’
撮影5月7日。

‘モーヴァン・ヒル(Malvern Hills)’は、繰り返し咲くランブラーでイングリッシュローズです。

‘モーヴァン ヒル(Malvern Hills)’

可愛い顔のわりに樹勢がものすごく強く、半日陰の我が家の庭でも、幹が直径10cmほどに成長しています。毎年ガッツリと切り戻しますが、平気で元のように伸びてしまうのです。照り葉で病気にも強く、広い庭にはおすすめです。

レダ

‘レダ(Léda)’
撮影5月8日。

「ペインテッド・ダマスク」の別名を持つ‘レダ(Léda)’は、赤い縁取りが入るのが特徴のダマスクです。日陰に植えていましたが、なかなか成長しなかったので移動したら、やっと咲くようになったバラの一つです。

‘レダ(Léda)’

香りがよく、ボタンアイを持ち、西日だけでこれだけ咲いてくれるようになったのは本当に嬉しくて。10年以上前に、その頃仲良しだった友人と一緒に買ったバラなので、このバラが咲くたびに、彼女の消息がいつも気になっています。

レーヌ・デ・サンフェイユ

‘レーヌ デ サンフェイユ(Reine des Centfeuilles)’
撮影5月8日。

‘レーヌ・デ・サンフェイユ(Reine des Centfeuilles)’は、優しいピンク花で香りのあるバラ。クォーターロゼット咲きの中輪系のケンティフォーリアです。西向きの庭でも、たくさんのつぼみをつけてくれて、壁一面にあふれるように咲きます。

‘レーヌ デ サンフェイユ(Reine des Centfeuilles)’

枝も細くて柔らかく誘引しやすいので、おすすめの品種。香りに癒やされます。

ジプシー・ボーイ

‘ジプシー ボーイ(Gipsy Boy)’
撮影5月11日。

‘ジプシー・ボーイ(Gipsy Boy)’は、独特な色と黄色のシベが魅力的なブルボン系のバラです。花首が短く、多花で扱いやすいですが、棘はやや多め。

‘ジプシー ボーイ(Gipsy Boy)’

テラスは西向きですが、この通りよく咲きました。

ローラ・ダボー

‘ローラ ダボー(Lauré Davoust)’
撮影5月12日。

‘ローラ ダボー(Lauré Davoust)’は、ピンクの房咲きで優しい色のランブラー。性質はランブラーですので、かなり伸びますし暴れます。覚悟して育てたほうがよいと思います。毎年終盤に咲くバラなのですが、今年はなぜか早くて。他のバラたちと一緒に咲いていました。

バラの庭

小さなテラスに、バラが咲き乱れる景色は、年に一度、ほんの数日の夢です。

バラの庭

バフ・ビューティーとヒッポリテ

‘バフ ビューティー(Buff Beauty)’
撮影5月13日。

‘バフ・ビューティー(Buff Beauty)’。バフ色と表現したいくらい独特な花色のこのバラは、多花でムスクの香りが素晴らしく、全国各地のロザリアンたちを魅了し続けています。

‘ヒッポリテ(Hyppolyte)’
撮影5月14日。

‘ヒッポリテ(Hyppolyte)’は、階段庭のメインとして見せるバラですが、ガリカ系の中でも最後に辿り着いたバラで、友人からいただいたものです。一度テッポウムシに入られたのですが、なんとか復活しています。美しいパープルの花と可愛い形、そして香りがよく、枝ぶりの素直さで扱いやすい大好きなバラです。

バラのアーチ

‘ヒッポリテ’と‘バフ・ビューティー’、そして、大きめのピンクの花は‘アブラハムダービー’。毎年、階段庭の中段のアーチに溢れるようにバラの流れを作ります。

アルカタ・ピンク・グローブ

撮影5月25日。

謎の多いFound Roseの一つである、‘アルカタ・ピンク・グローブ(Arcata pink globe)’は上品で優しいピンク。お友達にいただいて3年、やっとそこそこの花数が咲くまでになりました。

バラの庭

計画ではこの‘アルカタ・ピンク・グローブ’とセアノサス‘マリーサイモン’やコバノズイナで景色を作るつもりでしたが、なかなか計画どおりには育ってくれませんでした。来年に期待します。

ロサ・レイラニ

ロサ レイラニ
撮影5月25日。

‘ロサ・レイラニ’。これは、お友達の庭に鳥が運んで来た実生のバラです。

小さいのにボタンアイで、白っぽく退色していくランブラーっぽい一季咲きのバラ。可愛くて大切にしています。

こうして、ほぼすべてのバラの開花を見届け、ちゃんと写真が撮れたのは、ステイガーデンの日々だったから。

雨が多くて少し残念でしたが、晴れていたら、もっとタイミングのよい美しいバラの姿をお見せできたかもと残念でなりません。

次回はこの春の宿根草の様子をご紹介します。

Credit

写真・文/橋本景子
千葉県流山市在住。ガーデングユニットNoraの一人として毎年5月にオープンガーデンを開催中。趣味は、そこに庭があると聞くと北海道から沖縄まで足を運び、自分の目で素敵な庭を発見すること。アメブロ公式ブロガーであり、雑誌『Garden Diary』にて連載中。インスタグラムでのフォロワーも26,000人に。大好きなDIYで狭い敷地を生かした庭をどうつくろうかと日々奮闘中。花より枯れたリーフの美しさに萌える。
Noraレポート https://ameblo.jp/kay1219/
インスタグラム kay_hashimoto

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