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ラベンダーの花言葉や花名の由来、英語名を紹介

ラベンダーの花言葉や花名の由来、英語名を紹介

夏、南仏や北海道・富良野で、一面を紫に染めるラベンダー。爽快な気分にさせる夏の花の代表です。そしてラベンダーは「ハーブの女王」。特有の清らかな香りにはリラックス効果が認められ、精油やポプリは、安らかな眠りへと誘うことでも知られています。ラベンダーはシソ科の小低木。そんなラベンダーの花言葉にはどんなものがあるのでしょうか? ここでは、気軽に毎日の暮らしに役立つアイデアもあわせてご紹介します。

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ラベンダーの花名の由来は?

まずは、ラベンダーについて、基本的なことを知っておきましょう。

ラベンダーの基本データ
学名:Lavandula
科名:シソ科
属名:ラヴァンドゥラ属
原産地:カナリア諸島、地中海沿岸、インドなど
和名:ー
英名:Lavende
開花期:5~10月
切り花の出回り時期:5~6月
花色:紫
花もち:4~5日

今では世界各地で栽培されるラベンダーですが、原産地はアフリカ・カナリア諸島から、地中海沿岸、インドまで。ヨーロッパ南部を中心に、39種のラベンダーが知られているそうです。花色は紫色のほかにも、じつは白やピンクの種類もあります。

英名では「lavender」と表記される名前は、もともとは古いフランス語の「lavandre」に由来するそう。では、その古い名前には、どんな意味が含まれているのでしょう? 名前の由来には諸説あります。

そのひとつは、「洗う」という意味のラテン語「lavo」や「lavare」から生まれたというもの。虫よけや緊張を緩和する効果を認めてか、古代ローマ人はラベンダーを入れた水で洗濯したり、入浴の際にお湯に入れたりして使っていたといわれます。真偽のほどを確かめる歴史的な証拠は見つかっていないそうですが、それが本当なら、なんとも豊かな暮らしですね。

もう一説は、シンプルに「花色」から生まれたという説です。ラテン語の「青みを帯びた、青みがかった」を意味する「livere」に由来するというもの。いずれにせよ、花名の由来を掘り起こしたくなる、ロマンを抱かせる魅力がラベンダーにはあるようです。

ラベンダーの英語名が知りたい

前述したように、「ラベンダー(Lavender)」は英語での名称。調べていると、ほかに「イングリッシュラベンダー(English lavender)」や「トゥルーラベンダー(True lavender)」などという英名も登場します。

このイングリッシュラベンダーという名前は、特定の種類を指します。ラベンダーにはさまざまな種類があるなか、特に香り高い種類。冬の寒さにも強いため、北海道でも栽培されています。一方、トゥルーラベンダーは日本語では「真正ラベンダー」。イングリッシュラベンダーの別名で、ほかの種のラベンダーと分けるためにこう呼ばれています。↓がそのラベンダーです。

ちなみに、フランス語では「ラ ラヴァンドゥ(la lavande)」。女性名詞のラベンダーには、女性名詞のための冠詞「la」がつきます。

ラベンダーの花言葉の由来はロマンティック!

さて、多くの人に愛されるこの花には、どんな花言葉がつけられているのでしょうか。興味が湧きますね!

「あなたを待っています」、「期待」
とても明るく、恋を連想させるような花言葉です。ヨーロッパには、こんな伝説があります。ラベンダーという名前の少女が、あるとき、とても美しい少年に恋し、告白できずに待ち続けた末、一輪の花になってしまったというもの。そこから生まれたのが「あなたを待っています」という花言葉のようです。「期待」は、その花言葉からの派生かもしれません。

ロマンティックな言い伝えを由来にする花言葉の一方、ハーブとしての効能から誕生した言葉もあります。それが↓。

沈黙
香りに、高ぶった精神を鎮める作用があることが、この花言葉の由来です。心の波風が静かに収まり、平穏が訪れたときの状態。何かに怒ったり、失望したりするときの沈黙ではありません。

清潔
ラベンダーにはリラックス効果のほかに、抗菌と殺菌の作用があります。その働きを早くから知っていた古代ギリシャ・ローマ人は、ラベンダーを入れた水で衣類を洗い、花の咲く季節には、花の上に洗濯物を干したともいわれています。そんな言い伝えから生まれたとされるのが「清潔」。古代ローマでは、室内にもラベンダーを吊るして、ハエ除けにしていたそうです。

英語では、こんな花言葉がついています。

「献身的な愛(devotion)」「沈黙、静寂(silence)」「疑い(distrust)」。

気になるのは「疑い」です。ブルー デイやブルー マンデイなどと、英語で「ブルー」は憂鬱でネガティブな気持ちを表す色。そんな色のイメージからついた花言葉かもしれません。

体と心にやさしいラベンダーの働き

こんな花言葉をもつラベンダーですが、「アロマテラピー」という自然療法が誕生したのもこのハーブがきっかけです。フランスの科学者、ルネ・モーリス・ガットフォッセ自身の体験から。実験中に負ったやけどの治療にラベンダーの精油を使ったところ、治癒に効果を上げ、そこから研究が進められたといわれます。ラベンダーの心身への働きについても、改めて知っておきましょう。

心を安らかに
ラベンダーの香りをかぐとリラックスするのは、酢酸リナリルという成分によるもの。中枢神経に作用し、セロトニンの分泌を強く促すためと言われています。不安や緊張感、イライラを鎮めることから、不眠にも効果があるそうです。

傷みを緩和
体への働きで、よく知られるのは鎮痛作用。ラベンダーの香りをかぐことで、頭痛や腹痛、生理痛や筋肉痛、神経痛などの痛みが緩和されるそうです。

※妊娠初期の場合、精油は刺激が強すぎるため、直接肌に触れる使用法は避けてください。

毎日の暮らしにラベンダーを取り込む3つの方法

ラベンダーの花期は、関東以西では5月から6月。鉢花としては、5月の初旬から花店や園芸店に並び始めます。見かけたら、鉢花を使って、毎日の生活に取り込んでみませんか?

その1 サシェにして、枕元に

ラベンダーをサシェにして枕元に置くと、蒸し暑い夏でも、ぐっすり眠れます。

作り方は、簡単! ドライフラワーにしたラベンダーを細かく切って、布の小袋に詰めるだけです。葉や茎からも芳香がするので、捨てる部分はありません。コツといえば、袋の隙間からこぼれると厄介なので、お茶パックに詰めてから入れることくらいです。ガーゼやリネンの小袋なら、肌触りのよいサシェに。なお、ラベンダーは風通しのよい場所に吊るして、しっかり水分が抜けてから使いましょう。お好みで、バラのドライフラワーを加えても。

撮影:落合里美

その2 タンスに入れると虫よけ効果

サシェをいくつも作ったら、古代ローマの人にならって、ラベンダーで衣類の防虫対策をしませんか? ラベンダーオンリーなので、肌に触れる衣類にも安心して使えます。この場合も、数日、風通しのよい場所に干して、十分に乾燥させてから使用します。

その3 バスタイムのお供に

これもお茶パックを利用します。生のラベンダーをカットして、お茶パックに詰めたら、お風呂へ。すがすがしい香りが立ち上り、贅沢なバスタイムが楽しめます。これも、葉や茎もすべて刻んでフル活用。洗面器に張ったお湯に浮かべて、ハンドバスやフットバスもおすすめです。夏の快適ライフにお役立てください。

撮影:落合里美、鈴木清子 構成と文・鈴木清子

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