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ガーデニングのトラブル時に 薬として愛用されてきたラベンダーオイル

ガーデニングのトラブル時に 薬として愛用されてきたラベンダーオイル

Africa Studio/Shutterstock.com

ラベンダー栽培史研究家で、自らも長野の庭でラベンダーを栽培し、暮らしの中で活用している岡崎英生さん。ガーデニング中のトラブルにもラベンダーが活躍してくれると話します。どんな時に有効なのか、お話を伺いました。

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薬として愛用されてきたラベンダーオイル

野生のラベンダーが豊富に自生していた南仏プロヴァンス地方では、古くから農家の人たちが家庭用の小型の蒸留器でラベンダーのエッセンシャルオイルを抽出し、傷薬や虫刺されの時の薬として使っていました。また、お酢とオイルをブレンドしてラベンダービネガーをつくり、捻挫や打ち身への湿布薬としても利用されてきた歴史があります。

今日では、ラベンダーオイルには強い抗菌力と抗ウイルス性、鎮痛の効力があることが科学的に確かめられています。こうしたエッセンシャルオイルの効能はヨーロッパでは代替・補完医療として医療の現場で活用され、「メディカルアロマセラピー」は一般の人々の間でも常識となっています。近年は日本でも専門知識を学んだ看護師やアロマセラピストによる施術を取り入れている病院もあります。

岡崎さんのガーデン救急箱。左のボトルは北海道富良野産の100%天然の「ラベンダーオイル」(50ml・5,652円 /ファーム富田)、右の小さなボトルはフランス産のオイルでアロマ環境協会認定精油「GAIA オーガニック エッセンシャルオイル ラベンダー・トゥルー」(5ml・1,620円/GAIA NP)

ガーデニングのトラブルにラベンダーオイル

私はガーデニング中のトラブルでラベンダーオイルを使うことが度々あります。庭仕事をしていると、トゲが刺さったり、ちょっとした切り傷ができたりすることがあります。最近も、こんな出来事がありました。

庭に出て、剪定バサミであちこちチョキチョキやっていた時のこと。ハサミを持つ手に力が入り過ぎたのか、いつのまにか小指の爪が裂けて出血。市販の消毒薬で一応の処置はしたものの、嫌な感じの痛みがずっと続くようになってしまいました。

この時私が一番恐れたのは、傷口が化膿してしまうのではないかということでした。庭仕事でしょっちゅう土に触れている私の爪先には、ブラシで洗い落とせない泥が入っていて、その爪先に傷ができてしまったからです。

ラベンダーオイルの抗菌・鎮痛作用

そこで、以前からよく使っている北海道富良野産のラベンダーオイルを傷口に1〜2滴。それで痛みはほぼおさまったのですが、翌朝もまだほんの少し嫌な感じが残っていたので、ラベンダーオイルを傷口にさらに1〜2滴。すると痛みはその日のうちに消え、4〜5日経つと、裂けていた爪が自然に癒着し、化膿することもなくキッチンで水仕事ができるようになりました。

また、ある日妻がレッドカラントを収穫していた時、腕をアシナガバチに刺されてしまいました。私は小さい頃から何度も色々な種類のハチに刺されているのでよく知っているのですが、ハチに刺されると直後から強烈な痛みと腫れが出て、その後しつこくかゆみが続くのです。そこで、刺された箇所をよく洗った後、ラベンダーオイルを塗布したところ、「あ、痛みがスッと引いてく」と妻。その後、1〜2時間ほど保冷剤で冷やしておいたところ、腫れもかゆみも残ることなく翌日には完治してしまいました。

必ず天然100%のラベンダーオイルを

というわけで、私の庭の救急箱にはラベンダーオイルが常備されています。ただし、オイルは必ず天然100%のラベンダーオイルでなければなりません。ブレンドオイルや合成香料でつくられたものには、本来の効用がないので切り傷に使うのはNGです。

ちなみに、芳香浴に使えるのも天然のオイルだけで、合成香料製のオイルは肌トラブルを引き起こすこともあるので使ってはいけません。

Credit

文・岡崎英生/ラベンダー栽培史研究家。

ラベンダーの原産地の一つ、フランス・プロヴァンス地方や北海道富良野地方を訪れ、ラベンダーの栽培史を研究。日本のラベンダー栽培の第一人者、富田忠雄氏に取材した『富良野ラベンダー物語』(遊人工房刊)や訳書『ラベンダーとラバンジン』(クリスティアヌ・ムニエ著、フレググランスジャーナル社)など、ラベンダーに関する著書を執筆。自らも長野の庭でラベンダーを栽培し、暮らしの中で活用している。

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