ほぼ放置で美しく育つ! 夏の庭を彩る「ハゲイトウ」の失敗しない育て方
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夏の暑さや乾燥に強く、赤や黄色などの鮮やかな葉で庭をトロピカルに彩る「ハゲイトウ」。日当たりと水はけさえよければ、忙しい人でも“ほぼ放置”で簡単に育てられるのが大きな魅力です。しかし、じつは「肥料の与えすぎ」や「不慣れな植え替え」など、きれいに色づかせるためには知っておくべき意外な注意点もあります。 この記事では、失敗せずに美しくハゲイトウを育てるためのポイントを栽培のプロが分かりやすく解説します。
目次
ハゲイトウの基本情報

植物名:ハゲイトウ
学名:Amaranthus tricolor
英名: Joseph’s coat, Tricolor amaranth
和名:ハゲイトウ(葉鶏頭)
別名:ガンライコウ(雁来紅)
科名:ヒユ科
属名:ヒユ属
原産地:アジアの熱帯地域
形態:一年草
ハゲイトウは春まきの一年草で、インドからフィリピンなどの熱帯アジアの広い地域が原産です。生育が早く大きく育ち、人目を引く派手な色彩の葉が魅力的です。同じヒユ科のケイトウが花を観賞目的に栽培されるのに対し、ハゲイトウは美しい葉を観賞するために栽培されることからハゲイトウ(葉鶏頭)の和名があります。ただしケイトウとは同じ属には分類されず、同じ仲間ではありません。
ハゲイトウの鮮やかな葉は、明るくトロピカルな景観の演出に最適です。花壇などに地植えしたり、鉢植えやプランターでもよく育ちます。初心者でも育てやすく、日当たりと水はけのよい場所なら放置気味でもよく育ちます。
ハゲイトウには亜種のヒユナがあり、暑さに強い葉物野菜として熱帯地域で広く利用されています。また同じ属の仲間にはヒモ状の花がユニークで美しいヒモゲイトウ(アマランサス)があり、種子が雑穀として利用され、栄養豊富なスーパーフードとして人気があります。
アゲラタムを背景に、風に揺れるハゲイトウ。nnattalli/Shutterstock.com
ハゲイトウの特徴・性質

園芸分類:草花
観賞期:7~10月(葉)
草丈:60~120cm
耐暑性:強い
耐寒性:弱い
茎は直立して伸び、株元は太くなります。肥沃な土壌では人の背丈くらいまで大きくなることがあります。砂や石の多い乾燥気味の痩せた土壌などでは、株が大きく育たたない状態で葉が色づきます。
葉が赤色の品種は小苗のうちから葉が赤紫色です。葉は最初は緑色でも、夏が近づくにつれて赤やオレンジ、黄色などに鮮やかに色づきます。
花は葉の付け根にかたまって咲き、葉の中に隠れて目立たず、ほとんど観賞価値はありません。
暑さや乾燥に強く、夏のガーデニングで重宝します。
ハゲイトウの品種・近縁の種類
‘トリカラー・パーフェクタ’ Amaranthus tricolor ‘Tricolor Perfecta’

黄色と赤、本来の葉色の緑色の3色の対比が美しい品種です。
‘アーリー・スプレンダー’ Amaranthus tricolor ‘Early Splendor’

葉が早く色づく早生種で、鮮やかな赤色が人目を引きます。
‘イエロー・スプレンダー’ Amaranthus tricolor ‘Yellow Splendor’

細長い葉は黄色く色づき、明るい印象の美しさが特徴です。
‘イルミネーション’ Amaranthus tricolor ‘Illumination’

明るい赤紫色に頂点付近が黄色がかり、美しいグラデーションが魅力の品種です。
ヒユナ Amaranthus tricolor spp.mangostanus

ヒユナはハゲイトウの亜種で、夏に収穫できる貴重な葉物野菜です。葉色はさまざまで、熱帯地域でよく栽培されています。
ヒモゲイトウ(アマランサス) Amaranthus caudatus

エクアドルやアルゼンチン、ペルー、ボリビアの亜熱帯地域が原産の一年草です。栄養価の高い種子が穀物として食用に利用され、アマランサスの名で流通します。ヒモ状の花穂が特徴的で、観賞目的にも栽培されます。
ハゲイトウの栽培12カ月カレンダー
種まき:4月中旬~6月
植え付け:5~6月
肥料:6~8月
ハゲイトウの栽培環境

適した環境・置き場所
日なたの風通しのよい場所が適します。よく日光に当たることで葉が鮮やかになりますが、夏の暑さが厳しい場合は西日の当たらない半日陰の場所でよく育ちます。乾燥しやすい鉢植えやプランターは、猛暑時は半日陰で育てたほうがよいでしょう。
土壌
乾燥には比較的耐えますが、過湿にすると根腐れします。あまり用土は選ばず育ちますが、水はけのよい場所に植えるようにしてください。
生育温度
生育に適した温度の目安は、20~30℃です。夏を中心に温度の高い時期によく成長します。
ハゲイトウの種まき・植え付け

栽培をはじめるには?
ハゲイトウの苗が販売されていることはほとんどないので、種まきから育てるのが一般的です。種まきから育てても成功しやすく、根が直根性で移植を嫌うので、植える場所に直播きするとよいでしょう。苗を多く作って植える場合は、根を傷つけると生育が衰えやすいので早めに植え付けるようにしてください。
ハゲイトウを育てる場所にあらかじめ腐葉土や堆肥をすき込んで準備しておくと、よく生育します。
種まき
発芽適温が20~25℃と高いので、5月から種まきします。温度が足りない場合は播種箱などに種まきして室内で管理するとよいでしょう。
5mmくらい覆土し、発芽まで用土を乾かさないように水やりしてください。本葉が3~枚になったら、根を傷めないようにやさしく鉢上げします。
苗の植え付け
育成した苗を植え付ける際は深植えを避け、やや浅めに植えるとよいでしょう。大きく育つので、株間は30cmくらいあけてください。
鉢植えやプランターの用土
水はけと排水のよい用土が適します。多くの植物に使える一般的な培養土か、赤玉土小粒7:腐葉土を混ぜた用土などを使います。
ハゲイトウの育て方・日常の手入れ

水やり
地植えした場合は、ほとんど水やりの必要はありません。ただし夏に長期間雨が降らず、土壌がひどく乾燥したら水やりしてください。
鉢植えやプランターで育てている場合は、用土の表面が乾いたらたっぷり水やりしてください。夏に株が大きく育ってくると、水切れしやすいので注意してください。水やりが不十分だと、下葉が枯れあがってきます。
肥料
油かすなどの窒素分が多い肥料を与えると葉色が鮮明にならず、軟弱に育って強風などで倒れやすくなります。
腐葉土や堆肥などを混ぜて土づくりした土壌なら、元肥を施せば追肥しなくてよいでしょう。
鉢植えやプランターで育てている場合は、6~8月に3要素が等量くらい含まれた緩効性化成肥料などを規定量の半分程度与えてください。
病害虫
目立った病害虫の被害は少ないです。小苗のうちは、ナメクジやイモムシ類の食害に注意してください。また軟弱に育つとアブラムシが発生することがあります。
間引き
花壇などに直まきした場合は、株間20~30cmくらいになるように間引きしてください。あまり間引きせず密植気味にすると、株が小さくなって全体的にコンパクトな株姿になります。
支柱立て
背が高くなってくると強風で倒れることがあります。支柱を立てて支えてください。
ハゲイトウの栽培ポイント

- 日当たりと風通しのよい場所で育てる
- 過湿にすると根腐れする
- 特に窒素分など、肥料の与えすぎに注意
- 直まきで育ちやすく、移植を嫌う
花壇では色彩豊かな葉はよく目立ち、草丈も高いので植栽のよいアクセントになります。いろいろな品種を混合して多くの株を群生させても非常に見応えがあります。初心者でも種子から育てやすく、手間がかかりません。ハゲイトウを育てれば、夏から秋にワンランク上の見応えのあるガーデニングを楽しめることでしょう。
Credit
文 / 小川恭弘 - 園芸研究家 -

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