トップへ戻る

【プロが伝授】ブルーデージーを夏越し成功で長く楽しむ育て方|枯らさない秘訣を徹底解説!

【プロが伝授】ブルーデージーを夏越し成功で長く楽しむ育て方|枯らさない秘訣を徹底解説!

martapujolraspalomeras/Shutterstock.com

空のようなさわやかな青色、中心部は黄色の可憐な花が魅力のブルーデージー。小さいながらも人目を引く花をたくさん咲かせます。夏に枯れることが多いため、春に咲く一年草と思われていることも多いようですが、本来は秋も開花し、長く楽しめる多年草です。この記事では、ブルーデージーの栽培上の重要ポイントである夏越しの他、基本的な育て方や手入れの方法、増やし方まで栽培のプロが詳しく解説します。

ブルーデージーの基本情報

ブルーデージー
Ruth Swan/Shutterstock.com

植物名:ブルーデージー
学名:Felicia amelloides
英名:Blue Daisy、Blue Felicia、Blue Marguerite
和名:ルリヒナギク(瑠璃雛菊)
科名:キク科
属名:フェリシア(ルリヒナギク)属
原産地:南アフリカ ケープ州
形態:多年草

ブルーデージーは南アフリカ原産で、半耐寒性の常緑多年草です。こんもりと茂った株に、小花をたくさん咲かせます。花の中心部は鮮やかな黄色の筒状花で、まわりの青い舌状花とのコントラストが映えます。春と秋に開花し、夏越しできれば半年近く花を楽しめます。上手に育てれば大株に育ち、一株でも非常に見応えがあります。やや肉厚の葉は光沢があり、斑入りや黄金葉の品種もあります。

ブルーデージーとして主に流通するのはフェリシア・アメロイデスですが、フェリシア・アモエナもブルーデージーとして出回っています。タネができると枯れる一年草のフェリシア・ヘテロフィラは、属名のフェリシアの名でタネや苗が流通します。

こんもりと茂って多数のつぼみを持つブルーデージー。青い花が咲く夕暮れ。Krakenimages.com/Shutterstock.com

ブルーデージーの特徴・性質

ブルーデージー
Krakenimages.com/Shutterstock.com

園芸分類:草花
草丈:20~50cm
開花時期:3~5月、10~12月
耐寒性:やや弱い
耐暑性:弱い
花色:青、白、ピンク

ブルーデージーの原産地は、夏はあまり暑くならず乾燥していて、冬は比較的温暖で湿潤な地中海性気候の地域です。自生地では基部が木質化し、樹高1mほどまで大きく育つことがあります。そのため、暑さの厳しい日本では大きく育っても50~60cmほどの高さにとどまります。茎は地際付近からよく分枝し、低い位置でよく茂ります。四季咲き性があり、気温が15~28℃の間は花が咲き続けます。

夏の高温多湿を嫌い、強い寒さに当たると枯れます。花を多く咲かせるには日光によく当てるようにしますが、夏は強い日差しや雨を避けたり、冬は防寒する必要があります。季節によって置き場所を移動できる、鉢植えやプランターで育てるのがおすすめです。

ブルーデージーの仲間・品種

ブルーデージー斑入り Felicia amelloides  ‘Variegata’

ブルーデージー斑入り Felicia amelloides  'Variegata'

銀がかった緑の葉の縁が黄色く色づく斑入り葉の品種で、青い花と対比して美しいです。

フェリシア・ヘテロフィラ Felicia heterophylla

フェリシア・ヘテロフィラ Felicia heterophylla
Nahhana/Shutterstock.com

ブルーデージーの仲間の一年草で、属名のフェリシアの名で流通します。秋にタネを播くと春に花が咲き、花後に枯れる生育周期です。品種の一つである‘スプリング・メルヘン’のタネが、紫と白、ピンクの混合で販売されています。

ブルーデージーの栽培12カ月カレンダー

開花時期:3~5月、10~12月
植え付け・植替え:3月中旬~5月、9月中旬~10月
肥料:3~5月、9月中旬~11月
切り戻し:6月中旬~7月上旬
挿し芽:4~5月、10月

ブルーデージーの栽培環境

ブルーデージー
Lhoussain29/Shutterstock.com

適した環境・置き場所

日当たりのよい場所を好みます。生育期の春と秋は、一日中日光が当たる日なたで育ててください。半日以上日光が当たる場所に置けば花は咲きますが、よく日光に当てて育てることで多くの花を咲かせることができます。

生育温度

15~22℃が、最もよく生育する温度の目安です。春と秋に最もよく生育します。

夏越し

7月から9月は、高温多湿による蒸れで枯れやすい時期です。近年は暑さが厳しいので、夏に枯れることが多いです。

午後からの強い直射日光と、雨に当てるのを避け、涼しい場所で乾燥気味に管理してください。猛暑時は明るい日陰に移動してもよいでしょう。

雨が当たらず、比較的涼しい朝頃に4時間ほど日光が当たる場所が理想的です。建物の東側の軒下などに置き、地面から高い位置に置き、風通しのよい場所で育てましょう。

冬越し

最低温度の目安は、マイナス3℃~マイナス5℃で、一時的な軽い霜に当たる程度なら耐えます。関東地方南部の海沿いの地域や都心部などでは、屋外の軒下などの場所で越冬することが多いです。ただし気温が0℃以下まで下がると株が傷むことが多いので、室内の日当たりのよい場所で育てるのがおすすめです。

ブルーデージーの植え付け・植え替え

ブルーデージー
becky’s/Shutterstock.com

植え付け・植え替えの適期

春の3月中旬~5月、秋の9月中旬~10月が適期です。根鉢をくずさず作業を行うので、開花中でも問題ありません。

植え付け

水はけがよく、ひさしがある場所など雨が当たらない場所に植えるようにしてください。腐葉土などの有機物を混ぜてから、根鉢をくずさず苗を植えつけます。水はけがあまりよくない地植えの場所では、周囲より10~20cmほど土を高く盛って植えるとよいでしょう。専用のガーデンフレームなどを使用して花壇にすると見た目もきれいです。

鉢植えの植え替え

ひどく根詰まりすることは少なく、根を傷つけると枯れやすいです。2年に1回、根鉢をくずさずに一回りから二回り大きな植え替えます。

用土

多湿を嫌うので、排水のよい用土を使うようにしてください。草花に広く使える一般的な培養土に、山野草の用土を3割程度混ぜた用土などが適します。または赤玉土小粒と鹿沼土、腐葉土、パーライトを等量ずつ混ぜた用土などを使います。プランターに植える場合は、赤玉土は中粒を使って水はけよくしてください。

ブルーデージーの育て方・日常の手入れ

ブルーデージー
LifeCollectionPhotography/Shutterstock.com

水やり

常に用土が湿っていると、過湿で根腐れします。必ず用土の表面が乾いてから水やりしてください。

冬は乾かし気味に管理します。

肥料

春の3~5月、秋の9月中旬~11月に、リン酸が多い緩効性化成肥料などを規定量与えてください。

病害虫

春頃に、つぼみや葉にアブラムシが発生します。見つけ次第指でつぶすか、適用のある薬剤で防除してください。

夏頃に風通しが悪いと茎に白い点のようなコナカイガラムシがつきますが、切り戻しすることで予防できます。

ブルーデージーの手入れ作業

ガーデニング
Pedal to the Stock/Shutterstock.com

切り戻し

葉がよく茂っていると風通しが悪くなり、蒸れて枯れやすくなります。7月上旬頃までに、株全体を半分程度の高さでバッサリ切り戻してください。夏越しさせるには、非常に重要な作業です。

増やし方

春の4~5月、秋の10月に挿し木で増やすことができます。充実した花の咲いていない茎の先端部分を5~7cmほど切り、下葉を取って葉を3~4枚ほど残して挿し穂とします。赤玉土小粒などの清潔な用土に挿し、明るい日陰で乾かさないように管理してください。

ブルーデージーの栽培ポイント

ブルーデージー
tulinphoto/Shutterstock.com
  • 季節によって移動できる鉢植えで育てるのがおすすめ
  • 夏以外の季節はできるだけ日光に当てる
  • 夏前に切り戻して蒸れを防ぐ
  • 夏は雨の当たらない涼しい場所に置く
  • 強い霜や雪、凍結は避ける

うまく夏越しできれば、数年にわたって長期間花を楽しめます。ブルーデージーだけの花壇や寄せ植えは、心を落ちつかせるような爽やかな美しさを楽しめます。他の植物と植えても相性がよく、まとまりのある洗練した美しさを演出するのに役立つことでしょう。主役にも脇役に活躍できるブルーデージーの青い花で、庭やベランダを素敵に彩ってください。

人気の記事

連載・特集

GardenStoryを
フォローする

ビギナーさん向け!基本のHOW TO