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【常緑アジサイ】ジョウザンアジサイの神秘! 青い星形の花から実までを育てる完全ガイド

【常緑アジサイ】ジョウザンアジサイの神秘! 青い星形の花から実までを育てる完全ガイド

Photo/3and garden

アジサイと名がつきながらも、冬でも葉を楽しめる常緑性の低木、ジョウザンアジサイ。白い紙風船のような愛らしいつぼみが時間と共に青く色づき、美しい星形の花を咲かせ、秋には「碧の瞳」と呼ばれる艶やかな濃いブルーの実をつける、その神秘的な姿は多くの人を魅了します。この記事では、ジョウザンアジサイの基本情報から、青い花や実を最大限に楽しむための植え付け、剪定、冬越しまで、育て方のポイントを網羅した完全ガイドをお届けします。

ジョウザンアジサイの基本情報

ジョウザンアジサイ
hhho/Shutterstock.com

植物名:ジョウザンアジサイ
学名:Dichroa febrifuga
英名:Chinese quinine、blue evergreen hydrangea
和名:ジョウザン(常山)
その他の名前:ジョウザンアジサイ、碧の瞳、ディクロア、中国アジサイ、トキワアジサイ、常緑アジサイ、
科名:アジサイ科
属名:ディクロア属
原産地:中国
形態:常緑性低木 

ジョウザンアジサイは、アジサイ科ディクロア属の常緑低木で、その原産地は中国です。名前にアジサイとついていますが、厳密にはアジサイ属ではなく、アジサイの近縁種です。「碧の瞳」、「中国アジサイ」、「ディクロア」などとも呼ばれています。草丈は60cmから2mほどで、野生では山地の斜面などに育ちます。

ジョウザンアジサイの花や葉の特徴

ジョウザンアジサイ
NOPPHARAT236/Shutterstock.com

園芸分類:庭木
開花時期:6〜7月
樹高:1〜2m
耐寒性:普通
耐暑性:強い
花色:青、紫など

ジョウザンアジサイの花期は初夏から夏にかけて。複数の花が集まり球状に咲きます。紙風船のような形の白っぽいつぼみは、時間が経つにつれて青くなり、つぼみが割れるように開くと、花弁が美しい星形になります。花弁は薄いブルーで、中心付近は濃いブルーのものなど青紫系がポピュラーですが、花色は土壌の酸度によっても変化し、また白っぽいままの場合もあります。花が終わったあと、秋には光沢のある濃い青色の実をつけます。

葉は常緑で、暖かい地域であれば冬でも落葉しません。しかし、寒冷地では戸外で越冬させると葉が傷んだり、落葉することもあります。

ジョウザンアジサイ
紙風船のような白っぽいつぼみと青い花。Hhho/Shutterstock.com

ジョウザンアジサイの名前の由来と花言葉

ジョウザンアジサイ
Photo/3and garden

ジョウザンアジサイという名前は、中国名の「常山」から。流通名の「碧の瞳」は、開花後にできる艶やかな青い実が由来です。

ジョウザンアジサイの花言葉は「辛抱強い愛情」「一家団欒」「家族の結びつき」など。なお、ジョウザンアジサイはアジサイ属とは異なりますが、近縁種のため一般的なアジサイの花言葉が引用されることもあります。アジサイの花言葉は「家族」「団らん」「和気あいあい」などで、これらは小さな花がひしめき合って咲く姿からきています。また、アジサイの色が変化する特性から、「移り気」や「浮気」などのネガティブな花言葉も存在します。さらに、色によって花言葉は異なり、青いアジサイは色のイメージから「冷淡」「無情」「あなたは美しいが冷淡だ」「高慢」などの花言葉がつけられています。

アジサイの代表的な種類

アジサイ
Wassei/Shutterstock.com

ジョウザンアジサイはアジサイによく似ていますが、アジサイとは別の種類の植物です。アジサイには近縁な種類がいくつか存在します。そんなアジサイの中から代表的な種類をピックアップしてご紹介します。

ガクアジサイ

ガクアジサイ
YukoF/Shutterstock.com

ガクアジサイは日本原産で、アジサイの原種の一つです。落葉性の低木で、その花の形には特徴があります。中心に集合している小さなつぼみに見える部分が本来の花びらで、周辺には萼が変化した装飾花が花びらのようについています。この装飾花で囲まれた姿が額縁のように見えることから、ガクアジサイと名付けられました。人気があるアジサイで、多くの新しい品種が次々と作出されています。

セイヨウアジサイ

セイヨウアジサイ
LAURA_VN/Shutterstock.com

セイヨウアジサイは、日本のアジサイが西洋に渡り、品種改良を経て作出された品種です。大輪で、さまざまな色の花を咲かせることが特徴です。日本ではセイヨウアジサイという名前よりも、英名である「ハイドランジア」と呼ばれることが多いです。

ヤマアジサイ

ヤマアジサイ
High Mountain/Shutterstock.com

ヤマアジサイは、日本各地で古くから自生しているアジサイです。ガクアジサイと似ていますが、装飾花の量が少なく枝が細いという特徴があります。また、葉は小ぶりで表面にツヤがありません。枝の先端には丸くて小さめの花が咲き、素朴な雰囲気です。

ジョウザンアジサイの栽培12カ月カレンダー

開花時期:6〜7月
植え付け・植え替え:5〜7月、10~11月
肥料:2~3月、5〜7月
剪定:7月下旬頃

ジョウザンアジサイの栽培環境

ジョウザンアジサイ
theapflueger/Shutterstock.com

日当たり・置き場所

【日当たり/屋外】半日陰から明るい日陰で、風通しのよい場所を好みます。夏の直射日光は葉焼けの原因になるので避けましょう。

【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本ですが、寒冷地では必要に応じて室内に取り込みます。

【置き場所】乾燥に弱いため、夏に西日が強く当たる場所は避けましょう。

耐寒性・耐暑性

耐寒温度はマイナス5℃程度とある程度耐寒性はありますが、土が凍結すると枯れてしまうため、凍結防止のためにマルチングをしたり、軒下などに移動するなどの対策が必要です。耐暑性もある程度ありますが、夏は半日陰に移動するなど、強い直射日光や西日が当たらない場所で管理するとよいでしょう。

ジョウザンアジサイの育て方のポイント

ジョウザンアジサイ
hhho/Shutterstock.com

ジョウザンアジサイは地植えでも鉢植えでも育てることができます。コンパクトに育てたい場合は鉢植えが、大株に育てたい場合は地植えがおすすめです。寒冷地では冬に室内に取り込めるので、鉢植えが向いています。

用土

アジサイ栽培
Agnes Kantaruk/Shutterstock.com

【地植え】

ジョウザンアジサイは肥沃な土壌を好むため、植え付け前に堆肥や腐葉土を植え場所にすき込んでおくとよいでしょう。

【鉢植え】

アジサイ用や草花用など、市販の培養土を利用すると便利です。

水やり

水やり
New Africa/Shutterstock.com

【地植え】

根がしっかりと付いてからは特別な水やりは必要ありません。ただし、夏場は乾燥しがちなので、様子を見ながら水やりをしましょう。

【鉢植え】

土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えてください。ジョウザンアジサイは水切れに弱く、夏に乾燥しすぎると花芽がダメになる可能性があるので、注意が必要です。

肥料

土
kram-9/Shutterstock.com

ジョウザンアジサイに肥料を与える際は控えめにするのがポイント。過肥になると花がつかず、葉ばかりが茂るようになるため、与えすぎには注意が必要です。

【地植え】

2~3月に寒肥として油粕と堆肥などを株周りに与えます。

【鉢植え】

生育期に化成肥料と有機肥料を少量与えます。

注意する病害虫

ジョウザンアジサイには特に注意する病害虫はありませんが、梅雨時には灰色かび病やアブラムシに注意が必要です。

ジョウザンアジサイの詳しい育て方

苗の選び方

ジョウザンアジサイの苗を購入する際は、葉色や枝ぶりがよく、株元がしっかりしたものを選ぶとよいでしょう。

植え付け・植え替え

植え付け
ajlatan/Shutterstock.com

植え付けや植え替えは、真冬と夏を避けて行います。ポットから出した苗の根鉢をくずさないように注意しながらそっと植え付け、たっぷりと水を与えます。

【地植え】

順調に生育している場合、特に植え替えの必要はありません。

【鉢植え】

1〜2年に1回のペースで、一回り大きな鉢に植え替えます。植え替え時には地上部の枝を半分程度切り詰めると、根への負担を軽減できます。

剪定・切り戻し

剪定
アジサイの剪定。izzzy71 /Shutterstock.com

花後は花茎の新芽の上で剪定します。6〜7月に開花後、8月に花芽ができるので、遅くとも7月終わりまでに剪定しましょう。8月以降に剪定すると、来年咲く花芽まで落としてしまう可能性があるので、注意が必要です。ただし、剪定すると秋になる実が見られなくなります。実をつけさせたい場合は、実がほしいぶんだけ花を残して剪定するとよいでしょう。

夏越し・冬越し

ジョウザンアジサイ
Joel_420/Shutterstock.com

【夏越し】

ジョウザンアジサイは直射日光に弱く、葉焼けを起こしたり枯れたりする可能性があります。鉢植えの場合は夏は半日陰に移動して管理します。地植えの場合は夏に直射日光が当たる場所には植えないようにしましょう。また、ジョウザンアジサイは水切れに弱いため、特に夏場は水やりに注意が必要です。

【冬越し】

耐寒性はマイナス5℃程度で、土が凍結すると枯れてしまうため、マルチングや軒下に移動するなどの寒さ対策が必要です。またジョウザンアジサイは常緑ですが、冬の寒さで葉が落ちることもあります。北風が当たらない場所で育て、必要に応じて寒冷紗で全体を覆うなどの対策を。寒冷地では室内に取り込んで冬越しさせてもよいでしょう。

増やし方

アジサイの挿し木
Mariia Boiko/Shutterstock.com

ジョウザンアジサイは挿し木によって増やすことが可能です。剪定後の枝を挿し穂として利用すると無駄がありません。

挿し木をする際は元気で勢いのある株の枝から下の葉を全て取り除き、上の葉は半分に切ります。その後、1時間以上水に浸けて水揚げを行います。水を吸わせた挿し木用の清潔な用土に、割りばし等を使ってくぼみを作り、そこに挿し木をします。

ジョウザンアジサイの毒性

ジョウザンアジサイ
SKY Stock/Shutterstock.com

ジョウザンアジサイは一般的なアジサイと同様に、全草に毒があります。アルカロイドのフェブリフギンなどが含まれており、口にすると吐き気やめまい、嘔吐などの症状が現れることがあります。

季節感のある美しい見た目から料理に添えたくなりますが、間違って口にすると危険です。実際に飲食店などでの食中毒事例もありますので、アジサイの仲間が有毒であることには注意しておきましょう。

ジョウザンアジサイを育てて美しいブルーの花や実を愛でよう

ジョウザンアジサイ
F_studio/Shutterstock.com

ジョウザンアジサイはアジサイの近縁種で、小さな星形の花と丸いつぼみが可愛らしい雰囲気をもっています。育てやすく、つぼみと花の他にも、秋にできる実や常緑の葉など一年を通して楽しめます。ぜひご家庭でジョウザンアジサイを育てて、白や淡いブルーのお花を楽しんでみてはいかがでしょうか?

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