花瓶の中の名画 ゴッホの『ひまわり』風に楽しむ“ヒマワリ一種生け”アレンジ
真夏の花といえば、やっぱりヒマワリ。太陽に向かってエネルギッシュに大輪の花を咲かせるその姿は、見ているだけで元気をもらえます。今回は、フィンセント・ファン・ゴッホの名作『ひまわり』をお手本に、ヒマワリだけを使った一種生けのアレンジに挑戦。フラワー&フォトスタイリストの海野美規さんが、簡単にできる手順とヒントを写真とともに解説します。
目次
夏はヒマワリの季節

8月。この季節のフラワーショップには、ヒマワリがたくさん揃っています。ニュースでも、全国各地でヒマワリ畑が見頃を迎えていると伝えています。私がいつも訪れる公園の花壇にもヒマワリが植えられています。ヒマワリの成長は早く、どんどん伸びて私の身長はあっという間に越し、大きな花を咲かせました。
ヒマワリは夏のイメージそのもの。暑い中でも顔を上げてすっと立っている姿を見ると、なんだか元気になってきます。
今月は、そんなヒマワリのアレンジを楽しみたいと思います。
ゴッホの『ひまわり』

ヒマワリというと、ゴッホの名画を思い起こす方も多いのではないでしょうか。
フィンセント・ファン・ゴッホの『ひまわり』は1作品だけではなく、7点制作されたと考えられています。構図はすべてほぼ同じで、壁の前に置かれた花瓶にヒマワリが活けられています。
緑色の花瓶に3本と5本のヒマワリが活けられているのが1点ずつ、黄色の花瓶に12本から15本のヒマワリが活けられているものが5点。黄色の花瓶のほうは、2種類くらいの違う品種なのか、それともつぼみなのか、少し雰囲気の違うヒマワリが、自由に伸び伸びと描かれています。
ゴッホは南仏アルルの「黄色い家」と呼ばれていた家で、芸術家たちと共同生活を送っていました。黄色の花瓶は、その黄色い家を表しているといわれています。ゴッホは、アトリエを半ダースのヒマワリの絵で飾る考えを手紙に残しているそうです。
「ゴッホのひまわり」風のアレンジ

今回は、ゴッホの名画『ひまわり』をモチーフに、ヒマワリだけの一種生けのアレンジを飾りましょう。
ヒマワリは大輪で平面的な花です。花と花の間に、何かほかの葉物などを入れるとヒマワリが留めやすくなるのですが、ヒマワリ1種だけではバランスをとるのがちょっと難しいかもしれません。同じ方向、同じ高さ、同じ向きに揃えてしまうと、平面的で単調な感じになってしまいます。
そこで、高さは高低差をつけてデコボコに、向きは正面向き・横向き・やや下向きなどあっちこっちに向くようにすると、ゴッホの『ひまわり』のように、生き生き伸び伸びした印象になります。また、色や咲き方が異なる何種類かのヒマワリを選ぶと、アレンジに変化をつけられます。

アレンジの手順

今回は、2色のヒマワリを8本使います。そのヒマワリ1~8を順番に器に入れていきましょう。
少ない本数の一種生けでも、花そのものに存在感があるので、印象的なアレンジになります。
1. 器にしっかり吸水させた吸水性スポンジ1/6ブロックを入れます。その際、ぎゅうぎゅうになるよう器に詰めて、器から外れないようにします。

2. ヒマワリ1 器の中心より少し手前に、器の縁のギリギリ上の高さになるよう入れます。
3. ヒマワリ2 正面から見てヒマワリ1の右斜め上に花が来るよう、少し高めに入れます。

4. ヒマワリ3 ヒマワリ1の右隣に、色の異なるヒマワリを高さと向きを変えて入れます。
5. ヒマワリ4 ヒマワリ3の後方に、茎を短めに切って入れます。

6. ヒマワリ5 茎の曲がりが面白いヒマワリだったのでそのまま生かし、ヒマワリ2の後方に高めに入れます

7. ヒマワリ6 ヒマワリ5の左横を埋めるように入れます。

8. ヒマワリ7 ヒマワリ6のさらに左横に、向きを変えて入れます。

9. ヒマワリ8 ヒマワリ5の下に、裏側を向くように入れます。


完成!

ヒマワリの花の付き方は、前向きか上向きかのどちらか。入れる場所に合わせて、どちらを向いた花かを選ぶとよいでしょう。茎が曲がっているものは、曲がり方を生かして、茎が見えるように入れるのもおすすめ。動きが感じられます。
正面から見て、後方のヒマワリが全部見えなくても、もう1本あるとないとでは、与える奥行きの印象が変わってきます。今回のアレンジのヒマワリ8のように、後方や足元にも1本入れるといいですね。

ゴッホについて触れるには

フィンセント・ファン・ゴッホについて、とても有名な画家なのに、私はこの『ひまわり』という作品と、耳を切る事件を起こしたと聞いたことがある程度にしか知りませんでした。
私は、『楽園のカンヴァス』を読んで以来、原田マハさんのアート小説作品が好きで、いくつか読み楽しんでいます。ゴッホについて書かれた『たゆたえども沈まず』は発売されてすぐに読みました。

『たゆたえども沈まず』は、ゴッホの生涯と、ゴッホを支え続けた弟のテオの物語です。ゴッホがどんな状況に陥っても、兄と兄の作品を愛し続けたテオの気持ちは心に響きます。それにしても、ゴッホの孤独さ、悲しみ、不遇さに、読んでいると私もだんだん気が重くなり、読み続けるのが辛くなることもありましたが、どんどん引きこまれてページが進んでいきました。当時の日本の美術、浮世絵とパリの美術との関係についても知ることができて、とても興味深い作品です。

今年も残暑が厳しいようです。涼しいお家で、アレンジや文学作品からゴッホを楽しんではいかがでしょうか。
参考:『絵画の知識百科』主婦と生活社
Credit
文&写真(クレジット記載以外) / 海野美規 - フラワー&フォトスタイリスト -

うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
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