「部屋やオフィスで植物を育ててみたいけれど、難しそう」「枯らしてしまわないか心配」…。そんな風に思っていませんか? じつは室内で育てる観葉植物には丈夫で手がかからないものが多く、ポイントさえ押さえれば、初心者ガーデナーさんの第一歩としてもおすすめなのです。ここでは、観葉植物の育て方の基本ポイントと、初めて育てる方にも管理しやすい、丈夫で育てやすい、おすすめの観葉植物7種類をご紹介します。

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観葉植物が初心者でも育てやすい理由

インドアグリーン
Photographee.eu/Shutterstock.com

緑に触れる機会が少なくなりつつある都市空間の中、生活に潤いを与えてくれる観葉植物。インドアグリーンとも呼ばれ、ストレスの軽減やリラックス効果が得られるという研究もあり、センスのよいインテリアとしても人気の高い植物です。ちなみにこの観葉植物とは特定の種類を指すのではなく、主に葉の形や色が美しい植物を総称した言葉で、特に熱帯や亜熱帯を原産とする植物を呼ぶことも多くあります。

さて、この観葉植物は、初心者ガーデナーさんが初めて育てるのにもおすすめ。一般に販売されている観葉植物の多くは熱帯や亜熱帯を原産とし、室内で育てることを前提にした鉢植えです。そのため、多くは耐陰性が強い(日陰に強い)品種で、屋外にガーデニングスペースがなくても、手軽に栽培をスタートすることができます。また、強健な品種が多く、病虫害によって枯れてしまうことが少ないのも特徴。乾燥にも強く、頻繁に水やりをしなくても丈夫に育ちます。

観葉植物
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花ではなく葉を楽しむものが多いので、一年草などと違い、花が咲いたり実がなったりといった大きな変化は少ないですが、一年を通して観賞することができ、手入れが簡単なのもおすすめの理由です。

また、観葉植物は花屋やホームセンターはもちろん、さまざまな場所で販売されているので、お気に入りの植物と出合いやすいのも、初心者さんにおすすめの理由の一つ。実際に株を購入する時には、店頭に並んでいる株が状態よく管理されていて、質問にも答えてもらえるような専門の知識をもった店員さんのいるお店を選ぶとよいでしょう。

観葉植物の中には、原産地では大木に成長するものもあるので、栽培に慣れてきたら成長に合わせて剪定なども行うと、より栽培が楽しくなりますよ。

●こちらの記事も参考に『観葉植物が伸びすぎた! 剪定して1株増やす2つの方法

観葉植物の育て方【基本の3つのポイント】

観葉植物の栽培の際に押さえておきたい基本のポイントは、次の3つ。これだけ注意すれば、栽培も難しくありません。それでは早速、3つのポイントをご紹介します。

基本ポイント1:置く場所

観葉植物の置き場
Imnoom/Shutterstock.com

観葉植物を育てるにあたって、まずポイントとなるのが鉢を置く場所です。初めて植物を育てる場合、ついインテリアデザインを意識して場所を決めてしまいがちですが、これはNG。観葉植物は当たり前ですが生き物ですので、合わない環境に置かれると、元気がなくなったり、最悪の場合は枯れてしまうこともあります。観葉植物を室内で栽培する際には、次のような点に注意しながら置き場所をチェックしてみましょう。

【明るさ】

観葉植物は耐陰性が強く、直射日光の当たらない場所でも生育するものが多いです。しかしながら、原産地ではもちろん屋外で生育するので、太陽の光が一切届かないような場所ではうまく育たないことがほとんど。照明の明るさは太陽光に比べると意外と暗いため、日光が不足しないよう注意しましょう。一般に観葉植物の生育に必要な光量は800luxほどといわれますが、この必要な光量に足りないと、徒長といって茎や葉がヒョロヒョロと伸びてしまったり、生育に支障が出る場合があります。かといって、常に光が当たっていればよいというわけではありません。強い日差しを当て続けると、葉焼けして枯れてしまうこともあるため、注意が必要。レースのカーテン越しに日が当たる窓辺など、直射日光の当たらないできるだけ明るい場所に置きましょう。植物によっては、春や秋など日差しが柔らかく、外気温の高い成長期には、屋外に出して十分に日光を当ててやるのもよいでしょう。

また、多くの場合、室内では光は一方向からしか当たりません。そのため、時々鉢の向きを変えてやると、まんべんなく成長させることができます。また、夏と冬では太陽の高さが異なるため、季節によっては同じ場所に置いてあっても光が届かないことがありますので、光量不足に陥らないように注意しましょう。

●こちらの記事も参考に『[半日陰]ってどんな感じ? 植物に必要な光の量とは

【気温】

多くが熱帯や亜熱帯を原産とする観葉植物は、暑さには強い反面、寒さに弱いものがほとんどです。基本的には、室内の温度が10℃を下回らないようにすれば、多くの場合は問題ありません。冬の窓辺は意外と気温が下がるため、少し窓から離しておくとよいでしょう。また、急激な温度変化のある場所は、植物へのダメージとなりますので避けましょう。

【風通し】

室内で栽培する場合も、カビや害虫の発生を防ぐためには風通しよく育てることが大切です。しかし、エアコンなどの風は非常に乾燥していることが多く、植物に大きなダメージになりかねません。室内で植物を育てる場合には、エアコンの風が直接当たらない場所に置きましょう。

【用土】

置き場所とは少し異なりますが、観葉植物の用土も重要な要素。多くは基本的に水はけのよい土を好むので、ガーデニング初心者の場合は、市販の観葉植物の土を利用するのがおすすめです。ほとんどの観葉植物はこの土でOK。ガーデニングに慣れている人は、赤玉土やバーミキュライトを組み合わせて自分で配合してもよいでしょう。

植物の種類によって、好む光の強さや気温などは異なりますので、それぞれの性質を確認しながら置き場所を決める必要があります。鉢植えは移動できるのが大きな利点なので、季節によって置き場所を変えるのもいいですよ。その際、急激な環境変化は植物にとってストレスとなることもありますので、少しずつ環境に慣らしながら移動させるようにしましょう。

基本ポイント2:水やり

観葉植物の水やり
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植物の手入れで欠かせないのが水やりです。これはインドアグリーンであっても同じこと。植物の種類や季節によって異なりますが、一般に水やりは、鉢土の表面が乾燥したら行うとよいとされています。夏は植物がよく成長し、土からの蒸発も多いので、早朝か夕方に1日1~2回、春秋は土の表面が乾いたら行います。冬は植物の成長が止まり、また土中の水分が凍って根を傷めないよう夜は避けて控えめに、土の表面が乾いてから2~3日後に行うとよいでしょう。植物の種類によっては、休眠期には水やりをストップするものもあります。

観葉植物を枯らしてしまうケースにありがちなのが、毎日手入れしなくてはと思い、毎日少しずつ水をやること。土が常に湿った状態だと、根腐れの原因になり、株を傷めてしまうこともあります。また、少しずつ水を与えると、一部の土には水が行き届かず、乾いたままの状態になることがあるので、水をやる際は鉢の底から溢れ出るくらいたっぷりと。受け皿や鉢カバーにたまった水は、そのままにしておくと根腐れや虫の発生原因になるので、水やり後には捨てることを忘れずに。

また、水やりには成長に必要な水分を補給するほか、土の中に含まれる老廃物や古い水を押し流し、根に新鮮な空気を補給するという側面もあります。そのため、普段は底面吸水鉢を使って水を与えているという人も、時々土の上からたっぷり水をかけてやるとよいでしょう。

基本ポイント3:葉の状態

観葉植物の葉
hiroshi teshigawara/Shutterstock.com

観葉植物を上手に育てるには、株の状態を把握して、それに応じた世話をしてやるのが大切。そのためには、葉の状態をよく観察するとよいでしょう。といっても、難しいことはありません。毎日、育てている植物を見て癒やされながら、変化がないかチェックしてみてください。

・葉色が薄かったり、葉が黄色くなってくる場合は、土の栄養が足りてないサイン。即効性のある液体肥料を1/2~1/3程度に希釈し、水と一緒に与えてみましょう。また、植物の成長に応じて追肥を施すことも忘れずに。

・葉の色が抜けてしまったり、茶色くなることを葉焼けといい、一度なってしまったら元には戻りません。強い日差しを浴び続けたり、急に浴びることで起こるため、特に寒い季節から温かい季節への変わり目は置き場所に注意し、徐々に光が当たるようにしましょう。

・葉が枯れていくときは、根の異常を疑ってみましょう。鉢の中で根が育ちすぎて根詰まりを起こしているか、水やりのしすぎで根腐れを起こしている可能性があります。根詰まりを起こしている場合は、鉢から出し、一回り大きい鉢に植え替えましょう。根腐れを起こしている場合は、鉢から出して傷んだ部分を取り除き、土を入れ替えて植え直します。その際、肥料を与えると更にダメージを受けることもあるので、追肥は控えましょう。

また、室内で植物を育てていると、忘れがちなのが植物の葉への水やりです。水分を吸収するのは根ですが、葉が乾燥すると、葉ダニや葉焼けの原因にもなるので、時々霧吹きなどで水を吹きかけてやるとよいでしょう。お風呂場でシャワーなどを掛けて洗うのもオススメです。室内で栽培していると、いつの間にか葉にホコリがたまっていたりもするので、時々水をやったり、濡れたタオルで拭いたりすることで、より色艶のよい葉を観賞することができますよ。

●こちらの記事も参考に『ウンベラータの不調を改善する植え替え方法と症状

手入れが簡単!
初めて購入する際におすすめの観葉植物7選

さまざまな種類がある観葉植物ですが、その中でも手入れが簡単で育てやすく、手に入りやすい、初めて購入する方に最適な観葉植物を厳選して7種類ご紹介します。

1:サンセベリア(サンスベリア)
Sansevieria

サンセベリア
Aquarius Studio/Shutterstock.com

多肉質の葉に横縞や覆輪などの模様が入るサンセベリア。その特徴的な縞模様の葉から別名「トラノオ(虎の尾)」とも呼ばれ、古くから観葉植物として親しまれています。多肉質の葉で乾燥に強い反面、過湿には弱いので、水は鉢土が乾いてから与えるようにしましょう。また、寒さには非常に弱いので注意が必要。最低温度が10℃以下になってから水を与えると、葉が凍傷になり、地際が腐って倒れてしまいます。冬は完全に水を切り、暖かい場所で休眠させましょう。葉が乾燥してシワがよることがありますが、気温が高くなって水やりを再開すれば元に戻るため、心配する必要はありません。

サンセベリアは日当たりのよい場所を好むので、直射日光の当たらない窓辺などで栽培しましょう。春や秋には屋外に出して光に当てるのもいいですが、夏は直射日光に当てないように気を付けましょう。生育旺盛な5~9月頃には、月1回程度追肥をするとよいでしょう。

2:パキラ
Pachira glabra

パキラ
Atsushi Hirao/Shutterstock.com

耐陰性・耐寒性に優れ、インテリアグリーンの中でも代表的な存在。別名「発財樹」といわれるように、お金がたまる木として風水的にもよい観葉植物とされています。室内のどこに置いても育てられますが、光量が不足すると徒長して間延びしがちなので、春から秋は光にたっぷりと当てて育てるとよいでしょう。冬は5℃程度で越冬するので、明るい室内で育てます。水を好むほうなので、鉢土が乾いてきたら水を与えましょう。また、空中湿度を求めるので、こまめに葉水を行うとよいでしょう。

原産地では20mを超す大木に成長する植物なので、栽培しているうちに大きく育つことがあります。購入前にスペースを確保しておくか、剪定をしながら樹形をコントロールするとよいでしょう。

3:ゴムの木(インドゴムノキ)
Ficus elastica

ゴムの木
Sandeep.Mishra/Shutterstock.com

名前の通り、その樹液からゴムを作ることができるゴムの木ですが、日陰や乾燥に強く丈夫で、光沢のある美しい葉を持ち、観葉植物としても非常に人気の高い植物です。ゴムの原料となる白い樹液は、触るとかぶれたり、服につくとシミになったりすることがあるので、手入れの際は手袋やエプロンをするとよいでしょう。

耐陰性はありますが、茎葉が軟弱にならないよう、よく光に当て、充実した株に育てます。葉が大きい分汚れやすいので、時々葉水をやったり、拭き取ってやるとよいでしょう。また、基本的に斑入りの種は緑葉のものに比べ、寒さにやや弱いので注意しましょう。

観葉植物としてポピュラーなゴムの木は、種類も豊富で、葉も大きなものや小さなもの、斑入りや覆輪が入るものまでさまざま。そんなゴムの木の仲間の中でも、特に観葉植物としてよく栽培されるものをいくつかご紹介します。

ガジュマル
Ficus microcarpa

ガジュマル
Axel Bueckert/Shutterstock.com

日本では屋久島・種子島以南に生息する亜熱帯~熱帯植物で、太い幹が特徴。複雑に絡み合うように育てた独特の姿を楽しむ人が多い観葉植物です。暑さや日差しに強い反面、霜や寒さに弱いので、冬は暖かい場所で管理し、寒さに当てないように注意しましょう。

ウンベラータ(フィカス・ウンベラータ)
Ficus umbellate

ウンベラータ
patchii/Shutterstock.com

ほどよい大きさでハート形の葉は、やや薄めでインテリアとも調和させやすく、人気の高い観葉植物。熱帯アフリカを原産とし、寒さに弱いので、室内でも10℃以上の場所で管理するとよいでしょう。

ベンジャミン
Ficus benjamina

ベンジャミン
loflo69/Shutterstock.com

ゴムの木の仲間の中では小さめの、肉厚な葉が特徴のベンジャミン。現地では高さ20mにも達する高木になり、生育がよいので、根詰まりしないように株の状態に合わせて植え替えを行うとよいでしょう。

4:モンステラ
Monstera deliciosa

モンステラ
Mirage_studio/Shutterstock.com

葉に穴があいていたり、深い切れ込みがあったりと、その独特な姿形の面白さから、インドアグリーンとして人気の高いモンステラ。寒さにも強く、5℃あれば越冬するので、育てやすい観葉植物です。強い光線に当てると生育が悪くなることがあるので、春秋はレースのカーテン越しの光に当て、夏は半日陰に置くとよいでしょう。乾燥には強いので、鉢土が完全に乾いてから水を与えるようにし、冬は控えめに水をやりましょう。根詰まりや株の老化により、株元がスカスカになりやすいので、生育に応じて鉢増しをしましょう。あまり大きくしたくない場合は、肥料を控えてコンパクトに生育させます。

5:シェフレラ
Schefflera

シェフレラ
Totokzww/Shutterstock.com

シェフレラは耐陰性が強いため、室内で育てるインドアグリーンにぴったり。葉の形がカポックに似ているので、ホンコンカポックやカポックという名で流通していることもありますが、まったくの別種です。

暗い場所でも枯れることはありませんが、光が必要ないという訳ではありません。健全な生育を保つには、十分に光を当てたほうがよいでしょう。長期間光量の少ない場所で育てると、下葉が落ちたり株が徒長するため、時々日光浴を。また、今まで明るい場所に置いていた株を急に暗い場所へ移動すると、下葉が落ちることがあるので注意しましょう。水を好みますが、乾燥にも強く、水が多いと徒長しがちなので、水やりは鉢土が乾いてからで大丈夫。寒さにも強く、2~3℃あれば越冬するので、5℃以上であれば屋外での冬越しも可能です。

6:エバーフレッシュ
Cojoba arborea var. angustifolia

エバーフレッシュ
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エバーフレッシュはコヨバ属の植物で、鳥の羽のような繊細な羽状複葉を持つ観葉植物。オジギソウのように、夜になると葉が閉じる就眠運動をすることから、昼と夜の姿の違いが楽しめることでも人気があります。4~9月頃に黄色の花を咲かせた後、真っ赤なサヤを実らせることから、アカサヤネムノキという和名も持っています。

乾燥にやや弱く、水切れすると葉が落ちることがあるので、鉢土の表面が乾いたら水やりを。昼間に葉が閉じているようなら、水不足のサインかもしれません。また、乾燥する時期には葉水も行うとよいでしょう。寒さには弱いので、冬はできるだけ日光の当たる10℃以上の暖かい場所で、水を控えて管理します。春から秋は戸外で直射日光に当てるとよく育ちますが、霜に当てると枯れてしまうので注意しましょう。

7:コーヒーの木
Coffea arabica

コーヒーノキ
Sharaf Maksumov/Shutterstock.com

光沢のある濃い緑の葉を持つコーヒーの木。数年栽培して株が大きくなると、5~6月頃に白い星形の花を咲かせ、真紅のコーヒーの実をつけることから、果樹としても人気が高く、育てる楽しみのある観葉植物です。徒長させず、艶のある葉を育てるには、十分に日光に当てましょう。寒さには弱いので、越冬には10℃以上が必要です。冬は明るく暖かい室内に置き、水やりを控えて寒さへの耐性を高めましょう。

お気に入りの観葉植物を見つけてじっくり育ててみよう!

観葉植物は室内で育てることができ、水やりも頻繁に行う必要がないことから、育てやすく初心者にもおすすめの植物です。仕事などで夜しか家にいない人も、自宅の室内で手軽に緑が楽しめるのが嬉しいですね。また、室内での栽培はもちろん、地植えにしてガーデン素材として使うこともできますよ。その中でも、ここでご紹介した10種類の観葉植物は特に育てやすいため、気に入った種類が見つかったら、早速購入して楽しんでみてはいかがでしょうか?

Credit

写真&文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

参考文献:「決定版 失敗しない観葉植物入門」(主婦の友社)

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