観葉植物が伸びすぎた! 剪定して増やす簡単な方法
リラックスできる室内空間がつくれる観葉植物は、今やインテリアの必須アイテムです。そんなグリーンが順調にすくすく育つのは嬉しいですが、伸びるに任せていては、枝葉が増えていつしか姿が乱れてしまいます。だからと言って、せっかく伸びた枝を自分で切り落とすなんてハードルが高い! と思っている方に試して欲しい簡単な方法をご紹介。 この方法なら、切った枝を苗にしてもう1鉢育てたり、友人にプレゼントしたりすることもできます。賢くお得に観葉植物をお手入れしましょう!
目次
観葉植物の剪定、ビフォー&アフター
育てている観葉植物がとても調子がよく、思いがけないところから新しい芽が伸びて、葉っぱが増えてきた! とても嬉しいけれど、このまま伸びたら部屋に収まらないかも……。そう思ったら、剪定のタイミングです。剪定とは、はさみで枝を切り落として、木の姿を整えるガーデニング作業のひとつで、観葉植物にも時としてこの剪定が必要になるときがあります。
湾曲した幹が気に入って購入したフィカス・ウンベラータ。育てはじめて3年目に、新しい枝が脇から伸び出て葉数が増えました(写真左)。葉の数が増えたのは嬉しいのですが、湾曲した枝が隠れてしまい、バランスが崩れているように感じたので、中央付近に伸び出た枝を短く剪定しました(写真右)。
観葉植物のすっきりさせたい場所の枝を切る
剪定は、花切りバサミや剪定バサミなど、園芸用を使いましょう。紙を切るようなハサミは刃先が長いので思わぬ怪我をすることがありますよ。観葉植物の種類によって切った後に右写真のような白い液が出てきます。そのまま何もしなくても自然に乾くのでむやみに触らないように。植物の種類によってはかぶれることがあります。
なお、切り口から水分や養分が流出するのを防いだり、雑菌などの侵入を防ぐために癒合剤(ゆごうざい)を塗布するのも方法ですが、フィカスのような丈夫な観葉植物には、特に必要はありません。
観葉植物剪定後の枝は捨てなくてもOK
切り取った枝は水に入れておくと、根が自然と出てくることが多いので、水をはった器や花瓶に切った枝を挿しておきましょう。下方にある邪魔な葉は取ってしまっても大丈夫。でも、できるだけ葉を残しておく方が根が発生します。
水に入れて一週間で発根
切った枝の下方2節くらいを水につけて、数日ごとに新しい水に変えて一週間で、丸い窓にあるように白い根っこが出てきました。用土への植えつけにはまだ根の数や長さが足りないので、切って1カ月このまま様子を観察します。
発根させるもうひとつの方法
発根させるやり方には、もうひとつあります。それは、枝を切る前に幹の途中に発根させる「取り木(とりき)」方法で、根が生えた後にその上部を切り取って苗にするものです。用意するのは、水を含ませた水苔、小ぶりなビニールポット(切れ込みをいれておく)かビニール袋(黒い方が発根によい)、カッター、ホチキス、ゴム手袋です。
取り木する場所の樹皮を剥がす
樹液で手がかぶれるのを防ぐためのゴム手袋を装着したら、切り取りたい枝にカッターで3〜4㎝間をあけて上下2カ所をぐるりと枝を一周するように切れ込みを入れます。その上下の切れ込みの間に1本縦に切れ込みを入れたら、樹皮を1枚はぎとります。
樹皮を剥がした部分に水苔を巻く
樹皮を剥がした部分が乾かないうちに、水苔をひとにぎり当てます。次に黒ポットかビニールで水苔を包むようにかぶせ、ホチキスや紐で上下をとめて作業は完了です。
終わったら、いつ作業をスタートしたかメモを書いておくとよいでしょう。中の水苔が乾かないように時々霧吹きなどで湿らせてください。乾くと発根がストップしてしまいますよ。
1カ月が経過。さて、発根しているでしょうか?
黒ポットをゆっくり外してみたら、根が回っていました! 取り木に成功したので、切り離しましょう。
切る場所は、根が発生している位置のすぐ下です。根が傷まないように気をつけながら切り取ります。このまま土に植えて、次の植え替えの頃に水苔を外します。
お家で楽しめる植物の実験。観葉植物の剪定をお子さんと一緒にチャレンジ!
右が水に漬けて発根した枝、左が取り木で発根させた枝です。ここまで根が出ればあとは土に植えてOKです。
1カ月前に枝をバッサリ切って白い樹液がでていた切り口は、すっかり乾いて、脇から新芽が出始めています。新しい枝ぶりになるのが楽しみですね。
2本の枝を切って、2つの鉢植えが完成!
観葉植物の成長力を生かして剪定枝を発根させることで新しい株ができました。この方法におすすめの時期は、植物が成長する春から秋(できれば真夏は避けましょう)。冬の間に、株の形をどう整えたいか、どの枝を切るかよーく考えて、道具などをあらかじめ準備し、ぜひチャレンジしてみてください。増えた株は、予備の観葉植物として育てたり、お友達にプレゼントするのもよいですよ。
Credit
写真&文 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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