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春の庭、いま見逃すと危ない害虫3つ。アリウムの芽もバラのつぼみも守るためにやるべきこと

春の庭、いま見逃すと危ない害虫3つ。アリウムの芽もバラのつぼみも守るためにやるべきこと

春の庭は日ごとに美しくなる一方で、害虫被害も始まる季節です。せっかく上がってきたアリウムの芽、あと少しで咲きそうなバラのつぼみ、やわらかく伸びる新芽は、ナメクジ、アブラムシ、バラゾウムシの標的になりやすい部分。この記事では、春の庭で見逃したくない3つの害虫について、被害の出方と早めの対処法を面谷ひとみさんの実例を通してご紹介します。今のうちにチェックポイントを知っておけば、春の庭の被害を最小限に抑え、5月の美しい花景色をしっかり守ることができます。

春に気をつけたい3大害虫!
ナメクジ、アブラムシ、バラゾウムシ

春の庭

春の始まりには、石畳のまわりに草花がやわらかく広がり、手をかけながら季節を迎える庭の静かな気配があります。でも、春の庭はただ花を愛でるだけの季節ではありません。植物たちが勢いよく動き始めるこの時期は、害虫たちもまた、静かに活動を始める季節。みずみずしい新芽や花芽、ふくらみかけたつぼみは、虫たちにとっても格好の標的です。被害が広がってから慌てるより、まだ数が少ないうちに気づき、先回りして守ること。そのひと手間が、この先の庭の景色を大きく左右します。

庭仕事
花がら摘みをしながら害虫チェックも。

この時期、特に気をつけたいのが、ナメクジ、アブラムシ、バラゾウムシの3つ。どれも珍しい害虫ではありませんが、放っておくと「せっかく楽しみにしていた花が見られない」「あと少しで咲くはずだったつぼみがダメになる」といった、大きながっかりにつながります。

私がこの時期行っている害虫対策をご紹介します。

パンジーより痛い⁉︎ アリウムの花芽を死守したい!
ナメクジ対策

ナメクジ対策
左のビオラはナメクジに盛大に食べられて、右の株と比較し株が極端に小さい。でも、ナメクジ対策をすれば、まだ復活は可能。

春の庭でナメクジというと、まず思い浮かぶのはパンジーやビオラの花びらかもしれません。たしかに、やわらかな花弁がかじられてしまう被害はよくあります。けれど、実際にはそれ以上に深刻に感じることがあるのが、アリウムの芽や花芽への食害です。

アリウムの花芽

パンジーやビオラは、傷んだ花を摘んでも次々に新しい花が上がってきます。多少食べられても、株全体の楽しみが失われてしまうことは少ないでしょう。

一方でアリウムは、基本的に1球に1花。春になってようやく土の中から芽を上げ、すっと茎をのばし、その先に丸い花を咲かせるまでには長い時間がかかります。その大切な花芽をこの時期ナメクジに食べられてしまったら、その年の花はもう望めません。

初夏のバラとアリウム
5月のバラとアリウムの競演。

しかもアリウムは、秋に球根を植え付けてから開花まで半年近く待つ植物です。球根も決して安価ではなく、庭の中での見せ場として植え込んでいることも多いもの。だからこそ、春になって芽が上がってきたところで傷まされると、被害以上に喪失感が大きくなります。花が咲きそろった最盛期の庭で、バラの間からアリウムがのぞく風景は本当に美しいからこそ、その一輪一輪の重みもまた大きいのです。

ナメクジ
夜間に現れ花やつぼみを食べるナメクジ。

ナメクジは、少しずつ気温が上がるこの時期から活動を再開します。しかも、日中は落ち葉の下や鉢の下などにいて、夜間に活動するので、見つけるのが困難。まだ活動が本格化する前に忌避材を使い、株元や芽の周囲をよく見るといった先回りが大切です。特にアリウムのように、その一輪を失うと一年待ちになる植物がある庭では、春先の予防が大事な意味を持ちます。

5匹でも油断禁物。アブラムシは“今”止める!

アブラムシ
バラの柔らかな新芽に集まるアブラムシ。

春の庭で、気づけばいつの間にか増えている代表格がアブラムシです。まだ本格的な大発生には至らないこの時期でも、新芽の先やつぼみの周囲をよく見ると、5〜6匹ほどの小さな集まりができていることがあります。ほんの少しの数だと「このくらいなら」と見過ごしてしまいがちですが、ここが最初の分かれ道です。

テントウムシ
アブラムシを食べてくれるテントウムシは庭の益虫。

5〜6匹くらいならたいしたことがないように見えても、アブラムシは驚くほど増殖の早い害虫です。メスだけで子を産み、条件がよければ1匹の成虫が1週間で最大80匹前後を増やすこともあるとされるため、5〜6匹を放っておくと1週間後に400匹になることもあり得るのです。

アブラムシ被害のバラ
アブラムシの被害によって、ところどころ葉がねじれてくっついたバラ。

その有様はあまり想像したくないですが、見た目の不快感だけにとどまらず、アブラムシは植物の汁を吸うため新芽の伸びが悪くなる、葉が縮れる・巻く、黄化する、全体の生育が鈍るといった症状が出ます。さらに厄介なのは、アブラムシが出す甘い排泄物である「甘露(かんろ)」です。これによってすす病が出たり、種類によっては植物ウイルスを媒介したりするため、数が増える前の対処が大切です。

バラのつぼみ
4月上旬につぼみが上がってきている早咲きのバラ。

特に見たいのは、新芽の先端、つぼみの付け根、葉裏

勢いよくのびているところ、やわらかくてみずみずしい部分ほど要注意です。まだ少数のうちなら、見つけて取り除いたり、必要に応じて対策資材(後述)を使うことで、増殖を抑えやすくなります。

そのつぼみのしおれ、水切れではなくバラゾウムシかも!

鉢植えのバラ
花数が限られた鉢植えのバラは、バラゾウムシ対策が特に大事。

春のバラを育てるなら、ぜひ知っておきたいのがバラゾウムシです。

体長は2mmほどと小さく、黒っぽく目立たないため、知らないと見逃しやすい虫ですが、新芽やつぼみに与えるダメージは決して小さくありません。

バラの新芽に集まるバラゾウムシやアブラムシ
柔らかなバラの新芽に集まるバラゾウムシやアブラムシ。

バラゾウムシは、新芽やつぼみの下に穴をあけて加害し、その先をしおれさせます。すると、順調に育っていたはずのつぼみが、ある日急にうなだれたり、新芽の先だけがくたっと力を失ったりします。ぱっと見では水切れや風の影響のようにも見えるため、原因に気づかず「なんとなく調子が悪い」で済ませてしまいやすいのが厄介なところです。

バラゾウムシ被害
一部がしおれているのは水切れではなく、バラゾウムシによる被害。

でも、春のバラで「一部だけが不自然にしおれる」「つぼみの下に違和感がある」ときは、バラゾウムシを疑ってみる価値があります。特に被害がこたえるのは、買ったばかりの若い株や、まだ花数の少ない株です。つるバラのようにたくさん咲く品種なら多少の被害は目立ちにくいかもしれませんが、これから育てていきたい株の限られたつぼみが傷むと、その痛手はとても大きいものです。

水切れ
全体的につぼみや先端がグッタリするのは水切れ。早急にたっぷりの水やりを。

バラゾウムシ対策で何より大切なのは、まずよく見ること。新芽やつぼみをこまめに観察し、しおれた部分があれば付け根まで確認する。本体や被害箇所を早めに見つけられれば、被害の広がりを抑えやすくなります。

バラは手をかけた分だけ応えてくれる花。だからこそ、春は水やりや施肥だけでなく、 “虫がいないかを見る習慣”もセットで行いたい季節です。

害虫対策は「資材+手で捕獲」の組み合わせが確実

庭作業

防除は、被害が広がる前の初期対応が肝心です。私は、アブラムシやバラゾウムシ対策として、発生初期にどちらにも適応がある園芸用殺虫剤のベニカXシリーズも活用しています

バラゾウムシ
気絶? 死んだふり? 油断大敵、程なく起き上がって逃げます。

一方で、庭ではそれだけに頼らず、見つけた虫をその場で取り除くことも大切にしています。特にバラゾウムシは、人の気配を感じるとぽろっと下に落ちて逃げるため、取ろうとする手とは別に、もう一方の手を下に添えて受けるのがコツ。落ちた瞬間はおとなしく見えても、しばらくすると起き上がって逃げるので、確実に捕殺するまで気が抜けません。

発生初期に薬剤で抑えつつ、日々の観察と手取りを組み合わせる――それが、春の庭をきれいに保ついちばん現実的な防除です。

きれいな庭を守るのは、日々の小さな確認

5月の庭
日々の害虫対策なくしては望めない5月の花々の競演。

今回取り上げたナメクジ、アブラムシ、バラゾウムシは、それぞれ性質も被害の出方も異なります。けれど共通しているのは、早く気づけば、防ぎやすいということです。

  • ナメクジは、本格的に動き出す前の予防が効きやすい。
  • アブラムシは、少数の段階なら抑え込みやすい。
  • バラゾウムシは、こまめな観察が最大の対策になる。
バラの庭
5月も水やりをしながら一つひとつの花を観察。

つまり、春の害虫対策は「何か特別なことを一度すれば安心」というものではなく、日々の庭の見方を少し変えることが本質です。花を見るだけでなく、新芽の先、芽の付け根、株元といった“これからの景色をつくる場所”に目を向けること。その小さな意識の差が、数週間後の満開の景色を守ります。

春の庭で見ておきたい3つのチェックポイント

✅アリウムの芽や花芽に食害はない?
✅新芽の先にアブラムシの小さなコロニーはできていない?
✅バラのつぼみや新芽が一部だけしおれていない?

発生初期の薬剤散布と手での捕獲を組み合わせながら、毎日少しずつ確認していくこと。そんな地道なひと手間こそが、5月のバラとアリウムが競演する、あの美しい景色につながっていくのだと思います。

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