私たちの身の回りにある植物には、驚くほど難しい漢字表記がたくさんあります。普段はカタカナやひらがなで目にする植物たちも、漢字で見るとまるで別物かも? 身近な植物をテーマにした「難読漢字クイズ」をお届けします。
目次
香りのよい花!「梔子」ってどんな植物?

実際に育てていても、漢字で表記されると案外分からない植物も多いもの。普段呼んでいるのとは違う名前があったり、意外な漢字表記があったり、植物の漢字も面白いものです。
そんな植物の漢字表記の中から、身近な植物に関するものをクイズで出題!
今回のお題は「梔子」。あなたはこの漢字が表す植物が分かりますか?
ヒント
梅雨どきに甘く濃厚な香りを漂わせる花が咲きます。一重咲きのほか、ガーデンでは八重咲き品種も人気です。
正解は…
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クチナシ

クチナシの基本データ
学名:Gardenia jasminoides
科名:アカネ科
属名:クチナシ属
原産地:日本(東海地方以西の本州、四国、九州、沖縄)、台湾、中国、韓国、インドシナ半島
和名:クチナシ(梔子、山梔子、口無)
別名:ガーデニア、サンシシ(山梔子)、シシ(梔子)など
英名:gardenia、cape jasmine
開花期:6~7月
花色:白
形態:常緑性低木
樹高:1~2m
春のジンチョウゲ、秋のキンモクセイと並び、日本の三大香木に数えられるクチナシ。アカネ科クチナシ属の花木で、梅雨頃に咲く純白の花は、甘く上品で濃厚な香りをあたりに漂わせます。艶のある葉は常緑で冬も瑞々しく、庭木としても人気。ガーデニアという名でも呼ばれ、香水にもよく使われます。


クチナシの基本種は6弁のように見えるシンプルな一重花ですが、ガーデンではより華やかな、大型で八重の花が咲くオオヤエクチナシ(ヤエクチナシ、ガーデニア)がよく利用されます。オオヤエクチナシはまるで白バラのような豪華な花を咲かせますが、実はつけません。基本種のクチナシは秋にオレンジ色の実をつけます。ほかに、樹形が低く横に広がり、グラウンドカバーや盆栽にも使われるコクチナシや、葉に丸みがあるマルバクチナシなどもあります。

クチナシは、花や香りだけでなくその実もなじみ深い存在です。クロシンというカロチノイドの一種などの色素が含まれ、鮮やかな黄色に染まることから、古くから染料として利用されてきました。有毒成分を含まないことから、たくあんや栗きんとん、和菓子など食品の着色料としても使われています。

クチナシは日陰に強く、日向~半日陰まで栽培できますが、あまりに日当たりが悪いと花付きが悪くなります。また、強い西日が当たって乾燥する場所は避けたほうがよいでしょう。寒さにはやや弱く、耐寒温度はマイナス5~0℃。温暖な地域では屋外でも越冬できますが、寒冷地では冬は室内に取り込んだほうが無難です。

「梔子」の由来とは?

クチナシの漢字「梔子」は、漢名に由来します。クチナシの果実の形が中国の「巵(し)」と呼ばれる酒器に似ていたことから「梔」の漢字が当てられました。ちなみに「梔子」の「子」は果実のこと。もともとは「梔子」とはクチナシの果実を指し、その漢字を用いて和名のクチナシと読ませています。生薬でもクチナシの果実を乾燥させたものが「山梔子(さんしし)」として利用されます。
ちなみに、クチナシという名前の由来には諸説ありますが、よく知られているのが、クチナシの実は熟しても割れないことから「口無し」という意味で名づけられたという説。ほかに、萼(がく)が鳥のくちばしに、果実が果物のナシに似ていることに由来するという説などもあります。

クチナシの実で染めた少し赤みのある黄色の「梔子色(くちなしいろ)」は、この「口無し」にかけて、「不言色(いわぬいろ)」とも呼ばれます。日本の伝統色には奥深く素敵なネーミングがたくさんありますね。
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Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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