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初心者でも失敗しない! この春お迎えしたい育てやすいバラ品種5選

初心者でも失敗しない! この春お迎えしたい育てやすいバラ品種5選

lupankun.10.29さんのバラ咲くガーデン。

春から初夏にかけては、宿根草や一年草、樹木まで、数多くの花が開花し、庭が一年でも一番色鮮やかな季節です。中でも、華やかで香り豊かなバラはガーデニングの憧れの花。しかし、「育ててみたいけれど手がかかりそう」「初心者には難しいのでは…」と不安に思ってはいませんか? じつは、選ぶ品種さえ間違えなければ、初めてでも美しい花をしっかり咲かせられるんです! 本記事では、見た目も愛らしく、手間もかかりにくい“初心者向けバラ品種”を厳選してご紹介します。今年こそ、あなたも「バラのある暮らし」を始めてみませんか?

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この春、バラに挑戦したいあなたへ

バラ‘アンジェラ’
バラ‘アンジェラ’が美しく咲き誇るlupankun.10.29さんの初夏の庭。

バラが庭で美しく華やかに開花する季節は、初夏。一年で一番多く花が咲く今がバラ栽培デビューにぴったりのタイミングです。

バラ栽培の成功のカギは、まずは「育てやすい品種」を選ぶこと! 「難しそう」と思われがちなバラも、じつは選び方次第で驚くほど簡単に育てることができます。ガーデニング初心者でも、鉢植えでの栽培でも美しい花を咲かせることができますよ。

バラ初心者が押さえておきたいポイント

バラ苗
Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com

苗選びのポイント

春~初夏は最も多くのバラ苗が出回るため、栽培をスタートさせるには最適の時期。苗は園芸店やホームセンター、バラ園、バラ苗専門のネット通販などで購入することができます。

バラの苗には次の3つのタイプがあります。

新苗
前年の夏から秋、または当年の冬につぎ木してポット上した小さな苗。春に販売されます。比較的安価ですが、成長に時間がかかり、栽培に慣れていない人には向いていません。

大苗(鉢植え苗)
前年の秋まで圃場で育てられた大苗や新苗を鉢に植え込み、半年以上育てられた株。新苗よりも価格は高いですが、苗がすでに大きく充実しているので、そのまま地植えにすることもできます。

長尺苗
鉢植えの苗のうち、枝を長く伸ばしてつるバラらしい姿に育てた苗。つるが伸びる時間を待たずに構造物に誘引することができます。株が大きい分、価格は高く輸送費もかかります。

バラ栽培の初心者さんには、「新苗」よりも「鉢植え苗」か「長尺苗」から栽培をスタートさせるのがおすすめ。すでに株が充実しているため、育成が安定し、失敗なく花を楽しめます。

鉢植えでもOK! まずは1鉢から始めよう

「地植えの庭がないからバラは難しい」と思ってしまう人もいるかもしれませんが、バラ栽培は鉢植えでも問題なし! 品種を選べばベランダでも玄関先でも、広いスペースがなくても十分栽培できます。まずは1鉢から栽培をスタートしてみましょう。自分で育てたバラの開花の美しさは格別です!

失敗しにくい育て方のポイント

バラを育てる際に重要なのが、バラが好む環境を整えてあげること。多くのバラは半日以上、日が当たる場所で水はけがよく、風通しのよい環境を好みます。バラに合わない環境では手をかけてあげても調子が悪くなりますが、生育しやすい環境で栽培することで、余計な手間をかけなくても健康的にバラに育ちます。自宅の庭やベランダの条件を把握し、その環境に合ったバラを選ぶのが失敗しないコツ!

バラ栽培の基本についてはこちらの記事もご参考に。

初心者におすすめ! 育てやすいバラ5選

バラ‘バレリーナ’

「バラ栽培のポイントは品種選びにアリ」。といっても、園芸植物の中でも指折りの膨大な品種数を誇り、毎年新品種も登場するバラですから、どの品種を選んでいいか迷ってしまうかもしれません。そこで今回は、育てやすく美しい花を楽しめる、ファーストローズにおすすめの5品種をご紹介します。どれもバラ初心者さんにとって「失敗しにくい」「本当に育てやすい」と世界中で実証されてきた、信頼の定番品種だけを厳選しました。目新しさはないかもしれませんが、だからこそ安心して「バラのある暮らし」をスタートできます。木立ち性バラやつるバラ、四季咲きや一季咲き、小輪~大輪まで、バリエーションを持ってセレクトしたので、きっとあなたの庭にぴったりのバラが見つかるはず!

<ワンポイントバラ用語>

★木立ち性バラ/自立して育ちます。樹高や株張り(横幅)を要確認。
★つるバラ/つるをフェンスやアーチなどに留めつけて栽培します。空間を立体的に使うことができるので、省スペースでも栽培可能。
★半つる性バラ/半自立する樹形で、木立ち性バラよりも枝がしなやかで長く伸びますが、つる樹形ほどは伸びません。シュラブローズとも呼びます
★一季咲き/一年に1回、春〜初夏に咲きます。
★返り咲き/春〜初夏に咲いた後、秋まで何度か咲きます。
★繰り返し咲き/春から秋まで繰り返しよく咲きます。
★四季咲き/条件が合えば一年中繰り返しよく咲きます。

【5品種のセレクトポイント】

① 初心者でも失敗しにくい「育てやすさ」

  • 耐病性(特にうどんこ病・黒星病)に比較的強い
  • 成長が安定していて、管理に関するストレスが少ない
  • 花付きがよく、剪定や手入れに神経質にならなくても大丈夫

② 花が多く咲いて「育てて楽しい」!

  • 1年目から比較的花数が多く、開花までの満足度が高い
  • 「やっぱりバラってきれい!」と実感できる、色や姿に魅力ある品種
  • 知名度があり、プロ・アマ問わず支持され続けた信頼ある品種

①アイスバーグ(Iceberg) 
-世界中で愛される“初心者向け名花”-

バラ‘アイスバーグ’
zzz555zzz/Shutterstock.com

◾️木立ち性・樹高/伸長1.2m(つる性は3〜5m)・株張り1.4m・四季咲き・中香

世界中で愛され続ける、純白のバラの名花です。耐病性に優れ、剪定や手入れも簡単なため、バラ初心者に特に人気の高い品種です。枝代わりにつる性の‘つる アイスバーグ’もあり、どちらも花の特徴は同じです。また、花色の異なる枝代わり品種もあります。

花の特徴

清らかな白い丸弁平咲きの中輪花が房咲きになります。花付きがよく、開花期は株全体が雪をかぶったように華やかになります。春から秋まで繰り返しよく咲き、適切な剪定をすれば秋も春と変わらないほどの花数を楽しめます。雨でも花弁が傷みにくく花もちがよいのも特徴。香りはティー系の中香。

栽培のしやすさ

バラのポピュラーな病気であるうどんこ病や黒星病に強く、悪条件にも耐えて生き残るので、育てやすさは抜群。鉢植え・地植えどちらにも適し、花枝はしなやかさがあり、剪定も比較的ラフでOK。初心者が最初に選ぶバラとして世界的にも定番です。樹高約1.2m。

こんな人におすすめ!

「バラを育ててみたいけれど、手間がかかるのは心配」という方に最適。小さな庭やベランダでも美しいバラのある暮らしが実現できます。爽やかな白花は、ホワイトガーデンはもちろんどんな庭にもよく似合います。

ワンポイントアドバイス

風通しと日当たりのよい場所で育てると、さらに花つきがよくなります。

バラ‘つる アイスバーグ’
‘つる アイスバーグ’。zzz555zzz/Shutterstock.com

<ワンポイントバラ用語>

★房咲き/1本の花茎に、ブーケのように何輪も花が咲くタイプ。1本の花茎に1輪ずつ咲くタイプに比べて華やか。

★平咲き/花を横から見たときに、中心部分が高くならず平らになる咲き方。

② バレリーナ(Ballerina)
-可憐な小花が房咲きに! 手間いらずでどんどん咲く-

バラ‘バレリーナ’
Joe Kuis/Shutterstock.com

◾️半つる性・樹高/伸長1.5~2m・株張り1.5m・繰り返し咲き・微香

淡いピンクの小輪の花が株を覆い尽くすように咲き誇り、最盛期の花付きは圧巻。花は中心部が白く抜け、イエローの雄しべがよく映え、清楚な雰囲気です。

花の特徴

小輪、平咲きの一重花が、競い合うような房咲きとなります。底白のピンク花は花付きがとてもよく、開花後にやや退色するものの花もちもよい品種です。春以降も繰り返しよく返り咲きます。微香。

栽培のしやすさ

樹勢が強く、多少の日陰でも咲くなど悪条件にも耐え、育てやすい品種。耐病性が非常に強く、減農薬栽培にも向きます。2mほど伸びる枝はしなやかで誘引しやすく、まんべんなく花がつき、小型のフェンスやアーチ、オベリスクなど、さまざまなシーンで活躍します。短く切り詰めてコンパクトに仕立ててもよく咲くので、鉢植え栽培も可能。

こんな人におすすめ!

「初心者でも失敗知らず」と評判の超強健種。植物栽培に自信がない方にもおすすめしたい品種です。小輪の一重花は素朴な印象もあり、ナチュラル系のガーデンが好みの方にもぴったり。フェンスなど構造物に誘引したり、鉢植えに仕立てたり、幅広い用途で活躍します。

ワンポイントアドバイス

よく返り咲きますが、結実しやすいのでこまめに花がらを切るとよいでしょう。そのままにしておけば、秋にローズヒップが楽しめます。

バラ‘バレリーナ’
Galina Bolshakova 69/Shutterstock.com

③ ピエール・ドゥ・ロンサール(Pierre de Ronsard)
-育てやすくエレガントな憧れの大輪花-

バラ‘ピエール・ドゥ・ロンサール’
Gary Matuschka/Shutterstock.com

◾️つる性・樹高/伸長2~3m・株張り2~3m・返り咲き・微香

詩人の名を冠し、たっぷりした花弁、白にほんのりとピンクが差す大輪の花は、どこまでも優雅でロマンチック。性質も強健で育てやすく、平成のバラブームの火付け役の1つにもなった、国内で最も多く販売されているつるバラ品種です。

花の特徴

整ったカップ咲き、花径約10cmの大輪の白い花は、中央がピンクに染まります。数輪の房咲きになることが多く、花付きがとてもよい品種。弱い返り咲きで、花首はややうつむくため、高い位置に誘引してもよく見えます。微香。

栽培のしやすさ

樹勢が強く、耐病性もある育てやすい品種。枝が剛直で生育旺盛、約3m伸びるので、ある程度の栽培スペースを確保し、アーチやフェンス、オベリスクなど、しっかりした構造物に誘引するとよいでしょう。古枝にもよく花が咲きます。

こんな人におすすめ!

夢見るような花の美しさは‘ピエール・ドゥ・ロンサール’ならでは。樹勢が強く、つるを伸ばして大きめの花が咲くので、庭全体の印象を決めるような、大型のアーチやフェンスに仕立てる育てやすいバラを探している方におすすめです。鉢植えでも栽培できます。

ワンポイントアドバイス

日照不足で発色が悪くなることがあるので、風通しと日当たりのよい場所で育てましょう。

バラ‘ピエール・ドゥ・ロンサール’
Gary Matuschka/Shutterstock.com

<ワンポイントバラ用語>

★カップ咲き/花弁数が多く、カップ状に丸い花形。

④ ブルー・バユー(Blue Bajou)
-青みがかったバラの中で、初心者にも育てやすい希少種-

バラ‘ブルー・バユー’
MasterChefNobu/Shutterstock.com

◾️木立ち性・樹高/伸長1.2~1.5m・株張り1m・四季咲き・微香

青みがかった紫の花色が大人っぽく、幻想的な美しさがある青バラ。やや性質が弱いものが多い青バラ品種の中では比較的育てやすい品種で、入門にもおすすめです。

花の特徴

青みの強いラベンダー色の花は、丸弁平咲きで、1輪から数輪程度の房咲きになり、花付きよく咲きます。青バラでは珍しい中輪の花は優しい雰囲気です。微香。

栽培のしやすさ

樹勢や耐病性は中程度なので、一定の防除をしたほうが順調に成長します。やや細い枝はまとまりよく生育し、鉢植えにも向きます。トゲが少ないのも手入れしやすいポイント。樹高は約1.2m。

こんな人におすすめ!

透明感のある青バラの栽培にチャレンジしてみたい人におすすめ。まとまりよく育つので、ベランダや小さな庭にも取り入れやすい品種です。

ワンポイントアドバイス

青バラの中では比較的育てやすいとはいえ、悪条件下には向きません。また夏に葉が落ちることがあります。

バラ‘ブルー・バユー’
MasterChefNobu/Shutterstock.com

⑤ アンジェラ(Angela)
-生命力抜群! 初心者でも見事な花つきに感動-

バラ‘アンジェラ’
zzz555zzz/Shutterstock.com

◾️つる性・樹高/伸長2〜3m・株張り1.5m・繰り返し咲き・微香

鮮やかなローズピンクの花が溢れんばかりに開花し、満開時は株を覆うように見事な咲き姿を見せてくれます。非常に丈夫で誰にでも育てやすく、アーチやフェンスなどを彩るにもピッタリの人気のつるバラです。

花の特徴

ややカップ状のセミダブル咲き。花径約5cmのピンク花は花付きがとてもよく、数輪から大房で開花します。雨でも花弁が傷みにくく、花もちがとてもよいのも特徴。やや遅咲きで、春以降も秋までよく返り咲きます。微香。

栽培のしやすさ

非常に強健で耐病性も強く、生育旺盛。枝はしなやかで誘引しやすく、初心者にもとても育てやすいつるバラです。約2.5mと枝がよく伸びるので、スペースがある場所に植えるとよいでしょう。日陰にも強い品種です。

こんな人におすすめ!

愛らしいピンクの花が一面に開花するので、圧巻の花景色作りにぴったり。主につるバラとしてフェンスやアーチに絡ませるなど、構造物に仕立てたいシーンにおすすめです。

ワンポイントアドバイス

生育旺盛で根がよく伸びるのでスペースを確保して地植えで育てるのがおすすめ。日陰に強く、日向ではさらに大きく成長します。

バラ‘アンジェラ’
Tonic Ray Sonic/Shutterstock.com

<ワンポイントバラ用語>

★セミダブル咲き(半八重咲き)/花弁数が10〜19枚程度のもの。ヒラヒラとした花びらが優雅な雰囲気。

まとめ

品種名セレクトポイント
アイスバーグ美しい純白の花を咲かせる、世界的な人気品種。耐病性抜群・手間なし・開花力高い。世界バラ会議で選出された「殿堂入りのバラ」。
バレリーナ超強健な小輪房咲き。初心者でも「失敗知らず」と評判。ナチュラル系の姿に人気も高い。
ピエール・ドゥ・ロンサール世界一有名なバラの一つ。大輪で見栄えがよく、初心者にも根強い憧れの花。「殿堂入りのバラ」。
ブルー・バユー紫の花色が美しい青バラ系の中で比較的丈夫。初心者にも楽しめる希少カラーとして人気上昇中。
アンジェラ超強健・多花性で初心者向き。壁面・フェンス仕立てにも最適。可愛い濃ピンクで華やか。

バラを育てる「はじめの一歩」

バラの栽培
Mariia Boiko/Shutterstock.com

鉢・土・肥料、これだけ揃えればOK

バラを鉢植えで育てる場合、初めに必要なのはバラ苗のほかに鉢・土・肥料の3つ。まずはこれだけあればバラ栽培をスタートできます。ワンランクアップの栽培のためのポイントは、バラ専用の培養土や肥料を使うこと。バラの生育に最適に調整されているので、失敗のリスクをぐっと減らし、より美しい花が楽しめます。

植え付け時期はGW〜5月中旬がベスト

バラの苗を買ったら、まずは植え替えを。購入時の鉢は小さいことが多く、そのままではすぐに根詰まりして順調に生育しない恐れがあります。買ってきたら地植えにするか、元のサイズより2回りほど大きな鉢に植え替えましょう。

バラ苗の植え付け時期は、春~初夏のGW~5月中旬がベスト。夏になると暑さで株が弱りやすく、植え替えのダメージからの回復が遅れることがあります。

水やりと日当たりの基本ルール

多くのバラは日当たりがよい環境を好みます。また風通しよく管理することで、病害虫の発生を予防し、健康な株に育ちやすくなります。

日々の基本的な管理は、水やりと施肥。地植えの場合は根付いた後は基本的に水やり不要ですが、鉢植えの場合は水切れに注意して、表土が乾いたらたっぷりと与えましょう。また、バラは肥沃な環境を好むため、必要に応じて追肥をすると花付きよく開花します。開花中は終わった花を切り取ることで、見た目もよく長く開花を楽しむことができます。

まとめ|この春、あなたの庭やベランダにバラのある暮らしを

バラの庭
lupankun.10.29さんのガーデンのワンシーン。

今回ご紹介した5品種はどれも、育てやすさと美しさを兼ね備えた、パフォーマンスの高さは折り紙付きの品種です。バラを育ててみたいけれど、どの品種を選んだらよいか迷っていたら、ぜひこの中から気になる品種を育ててみませんか? 初めの1鉢が、きっと大きな喜びにつながります。「バラってなんだか難しそう」とあきらめず、まずは一歩踏み出してみてください。

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