小川恭弘 -園芸研究家-
小川恭弘 -園芸研究家-の記事
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宿根草・多年草

【プロが解説】モフモフの赤い花が魅力! キャッツテールの育て方
キャッツテールの基本情報 Hikko.ne/Shutterstock.com 植物名:キャッツテール学名:Acalypha chamaedrifolia (=Acalypha hispaniolae、=Acalypha reptans)英名:Red Cat's Tail別名:キャットテール科名:トウダイグサ科属名:アカリファ(エノキグサ)属原産地:西インド諸島、フロリダ南部形態:多年草 常緑の多年草で、主に小型から中型の鉢植えとして栽培されるキャッツテール。猫のしっぽに似た赤い花穂を枝先にたくさん付け、春から秋の長期間、愛らしい花姿が楽しめます。 寒さには意外と強く、霜に少し当たる程度なら耐えます。また、屋外でも関東南部や都心部の条件のよい場所では地上部はほぼ枯れますが、越冬して春に再び芽を出して花を咲かせます。 葉に白斑が入った品種や、花穂が濃い赤色の品種などがあります。 キャッツテールの特徴・性質 Camila Pereira Perico/Shutterstock.com 園芸分類:熱帯植物、草花草丈:10~50cm耐寒性:やや弱い耐暑性:普通花色:赤 茎は細くて直立せず、横や斜め上方向などに伸びます。地面に接した茎からは根が出て広がり、群落を作るようになります。鉢からあふれ落ちるように茎が伸びるので、吊り鉢やスタンド鉢などの栽培にも適します。卵形の葉には産毛が密生し、葉の縁には鋸歯があります。 花は四季咲き性で、温度を保てば一年中開花する嬉しい性質も。花穂の長さは5~10cm。地植えすると赤い花穂が直立して目立ちます。 キャッツテールの品種と仲間 アカリファ属は、アメリカ大陸を中心に世界の熱帯から亜熱帯、北米などに約440種が知られています。斑入りの品種は白斑と赤い花穂が対比して美しいですが、葉焼けに注意してください。 ‘メメ’ Acalypha chamaedrifolia ‘Meme’ 赤紫ともいえる濃い赤色(RHSカラーチャート46A)の花穂が特徴の品種です。 ※RHSカラーチャートとは、RHS(英国王立園芸協会)のカラーチャートのことで、花や葉など植物の色を特定する際に使われる色基準です。 ベニヒモノキ Acalypha hispida Camila Pereira Perico/Shutterstock.com ビスマルク諸島原産で、2~4mほどの熱帯花木です。花穂は最大50cmほどの長さになり、人目を引きます。寒さには弱いですが、適温が保たれていれば周年開花します。観賞価値が高いので、植物園などではよく見られます。 アカリファ・ウィルクシアナ Acalypha wilkesiana AnnaNel/Shutterstock.com 観葉植物として栽培される種類で、ビスマルク諸島からソロモン諸島、フィジーにかけての地域が原産です。3m以上にもなる常緑低木で、ヒモ状の花穂がつきますが目立ちません。鮮やかな斑が入る品種が沖縄などの熱帯・亜熱帯地域で広く栽培されています。鉢植えが流通することがあります。 キャッツテールの栽培12カ月カレンダー 開花時期:4〜11月植え付け(地植え):5~6月植え替え:4~6月肥料:5~10月切り戻し:4~5月、11~12月挿し芽:6~9月 キャッツテールの栽培環境 Young Swee Ming/Shutterstock.com 適した環境・置き場所 日当たりのよい場所が適しますが、半日陰でも十分育ちます。明るい日陰でも育ちますが、花付きや花色が悪くなります。 屋外の日なたで吊り鉢にして育てると風通しがよく、元気に育ちやすいです。コンクリートの上などに鉢を置くと、夏に蒸れて調子が悪くなることがあるので注意。高い場所に鉢を置くか、午前中だけ日光が当たる半日陰に移動してください。風通しの悪い場所では、夏は半日陰で育てたほうがよいでしょう。 生育温度 20~30℃が適温です。夏に暑さで弱ることは少ないですが、35℃以上の猛暑が続く場合は半日陰に移動してください。 冬越し 室内の日当たりのよい場所に置けば、越冬は容易です。 四季咲き性が強く、冬でも室内の暖房が効いた部屋の日当たりのよい場所に置くと、花が咲き続けるのは珍しくありません。 温度が0℃近くに下がると茎葉が傷みますが、小株でなければ地下部は生存しています。5~6月には新芽が出てくるので、あきらめずに育ててください。新芽が伸び出せば気温の上昇とともに成長が早くなり、夏までには花を咲かせます。 キャッツテールの育て方・日常の手入れ Falah1486/Shutterstock.com 水やり 鉢土の表面が乾いたら、たっぷり水やりしてください。花がよく咲いている場合は乾きやすいので、水切れに注意してください。夏の晴れの日は毎日水やりするほか、朝夕2回の水やりが必要な場合があります。 冬は乾かし気味に管理します。 肥料 5~10月に、肥料の3要素であるチッ素(N)・リン酸(P)・カリ(K)が等量か、リン酸が多めの緩効性化成肥料を規定量与えてください。液体肥料を月に3回程度与えるのもよいでしょう。 病害虫 夏などの乾燥時にハダニが発生することがあります。葉にかすれ模様が見られたら、早めに薬剤で防除してください。 茎葉が茂るなどして風通しが悪くなると、まれにカイガラムシが発生することがあります。切り戻してから薬剤で防除してください。 手入れ 咲き終わって黒ずんできた花穂は、見つけ次第切るようにしましょう。 キャッツテールの作業・剪定と増やし方 Susanne Castillo/Shutterstock.com 剪定 伸びすぎた茎や、込みすぎた部分は、随時切っても問題ありません。全体を切り戻したい場合は、4~5月の春か、冬前の11~12月に行うとよいでしょう。 増やし方 6~9月に、挿し芽で増やすことができます。茎葉を7~10cmほど切り、下葉を切って葉を3枚程度残して挿し穂とします。赤玉土小粒などの清潔な用土に挿し、明るい日陰で乾かさないように管理してください。1カ月ほどで発根したら、3号ポット鉢などに3本くらいずつ鉢上げします。 キャッツテールの植え替え Hikko.ne/Shutterstock.com 購入したばかりの株で鉢が小さく乾きやすい場合は、そのまま1回り大きな鉢に植え替えてください。 冬越しさせた株は、1~2年に1回、4~6月に植え替えるとよいでしょう。花をよく咲かせるには、毎年植え替えするのがおすすめです。 植え替えは、古い土を1/3程度落とし、1回り大きな鉢に植え付けます。その際、伸びすぎた茎葉を剪定して株姿を整えるとよいでしょう。 鉢を大きくしたくない場合は、全体を半分程度まで切り戻し、古い土を半分程度落としてから同じ鉢に植えます。半分に株分けすることもできます。 用土 草花用の一般的な培養土が使えます。配合する場合は、赤玉土小粒7、腐葉土3を混ぜた用土などを使います。 地植えもおすすめ! キャッツテールのモフモフの花をいっぱい楽しもう Panisara manosila/Shutterstock.com 寄せ植えや吊り鉢にも最適なキャッツテール。寒さに弱いと紹介されていることが多いようですが、軽い霜程度なら耐えるので、暖地では手間のかからない宿根草のように育てられます。グラウンドカバーにすれば、ユニークな美しさと愛らしさで人目を引くことでしょう。霜がよく降りる地域で地植えしても、冬前に掘り上げて室内に移動すれば冬越しも容易です。ガーデニングでキャッツテールをもっと活用してみてください。
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野菜

プロが教える【ルッコラ(ロケット)の育て方】種まきから収穫、育て方を一挙解説
ルッコラの基本情報 reisezielinfo/Shutterstock.com 植物名:ルッコラ学名:Eruca vesicaria英名:Rocket、Garden Rocket、Arugula和名:キバナスズシロ(黄花蘿蔔)科名:アブラナ科属名:キバナスズシロ属原産地:地中海沿岸~中国、アラビア半島形態:一年草 イタリア料理には欠かせない野菜で、日本ではイタリア語に由来するルッコラの名で主に知られています。またハーブとしても古代ローマ時代から利用され、古くはエルーカ、現在は英名のロケットとも呼ばれます。 葉は肉厚でダイコンの葉に似ており、栄養豊富です。クレソンのようにピリッと辛く、ほのかにゴマのような香ばしい風味があり、サラダにもよく使われます。一年草ですが、こぼれダネでよく増えます。丈夫な性質で、家庭での栽培も簡単です。 ルッコラの特徴・性質 Orest lyzhechka/Shutterstock.com 園芸分類:野菜収穫時期目安:春まきで約30~40日後、秋まきで約60日後から収穫 3月中旬~6月に播種の場合、5月~8月中旬 9月中旬~10月に播種の場合、10月中旬~12月 草丈:40~80cm耐寒性:普通耐暑性:やや弱い花色:クリーム 春まき、または秋まきの一年草です。生育は早く、春まきで1カ月後、秋まきで2~3カ月後くらいから収穫できます。秋から冬はロゼット状の姿で越冬し、春に茎を伸ばして背が高くなります。春~初夏に咲く白い花は十字形で、ダイコンに似ています。花後にナバナのようなタネができ、株は枯れます。 涼しく湿度の高い環境では苦みは少ないですが、強い日光に当たると葉が硬くなり、苦みも出ます。 夏の猛暑には弱いですが、関東の北部でも冬越しできるほどの耐寒性があります。 ルッコラの栄養・効能 Sea Wave/Shutterstock.com ホウレン草の約2倍のビタミンCやほかのビタミン類、カルシウムや鉄分などのミネラル、βカロテンなどが含まれています。またワサビやカラシ、ダイコンの辛味成分であるアリルイソチオシアネートを含み、強い抗酸化力や殺菌力があります。 これらの成分が含まれていることから、メディカルハーブとして利用され、葉は消化不良や健胃、強壮などの薬効があることで知られています。そして、ビタミンCとβカロテン、アリルイソチオシアネートの抗酸化作用により美肌効果が期待できます。 ルッコラの利用方法 SosnaRadosna/Shutterstock.com 若く柔らかい葉はサラダに最適で、おひたしや油炒め、汁物の具など、用途は多彩。またイタリア料理には欠かせない野菜で、オリーブオイルやチーズなどと相性がよく、ピザやパスタ、サンドイッチなど、さまざまな料理に使われます。 クリーム色の花もエディブルフラワーとして利用でき、サラダの彩りになります。 タネを使ったお茶は、強壮薬としての効能が期待できます。お茶の淹れ方は、砕いたタネ5gをカップに入れ、熱湯を注いで10分蒸らしてから飲みます。 ルッコラのつぼみ菜 photographyfirm/Shutterstock.com ルッコラは花やつぼみも食べることができます。またトウが立ち始めた頃の柔らかい先端部分の茎葉も食べられ、野菜売り場で「ルッコラのつぼみ菜」などとして売られていることがあります。火を通せばくせもなく、炒め物やパスタ、ピザ、スープの具材などさまざまに使うことができます。 ルッコラの栽培12カ月カレンダー 種まき・植え付け適期:3月中旬~6月、9月中旬~10月、肥料:4~6月、9月中旬~11月中旬 ルッコラに適した環境や土壌・置き場所 BearFotos/Shutterstock.com 日なた~半日陰の場所が適します。ただし夏に日なたで育てると、葉が硬くなります。鉢植えやプランターは明るい日陰に移動し、地植えでは遮光ネットを張るとよいでしょう。 腐葉土など、有機物の多い肥沃で水はけのよい土壌でよく育ちます。水がたまりやすい場所は避けてください。酸性土壌を嫌うので、石灰などで酸度調整します。またルッコラのほか、アブラナ科の野菜との連作は避けたほうがよいでしょう。 生育温度 生育温度の目安は15~25℃です。春と秋に生育が最も盛んになります。 冬越しの最低温度はマイナス10℃です。関東の多くの地域では、冬にビニールを張ってトンネル栽培すると、葉を収穫することができます。 ルッコラの種まき・苗の植え付け Denis Shitikoff/Shutterstock.com ルッコラは種子がよく市販されています。種子は比較的大きくて扱いやすく、直まきで発芽しやすく育てやすいです。 ポット苗もよく流通しています。野菜苗というより、ハーブとして販売されていることが多いです。 種まきと苗の植え付けの適期 春の3月中旬~6月、秋の9月中旬~10月が適期です。生育の衰えがちな夏と冬は避けます。 発芽温度は15~20℃です。3月に種まきする場合、室内の暖かい場所などで管理するとよいでしょう。 地植えで育てる場合の準備 2~3週間前に、1㎡あたり苦土石灰100g、完熟堆肥1kg、有機配合肥料70gを施して耕し、土づくりをしておきます。 種まきの方法 畑では、条間15cmで播きます。プランターでは線2本を引き、条まきします。鉢植えは、全体にまんべんなく播きます。2~3mm覆土し、発芽まで乾かさないようにしてください。 発芽後、株間が6~8cmぐらいの間隔になるよう、混んだ部分から間引いていきます。間引いた芽は柔らかく、サラダなどに最適です。間引き後は株がグラつかないよう、株元に軽く土寄せするとよいでしょう。 苗の植え付け 地植えの場合、土づくりをした後に15cm間隔で苗を植えます。標準的な65cmのプランターでは、4~5株植えてください。鉢植えは2回り大きな鉢に植え替えます。根詰まりしたら、さらに1~2回り大きな鉢に植え替えてください。 用土 肥沃で水はけのよい用土が適します。さまざまな植物に使える一般的な培養土が手軽に利用できます。または赤玉土小粒7、腐葉土3の割合で混ぜた用土を使います。 ルッコラの育て方・日常の手入れ flauma/Shutterstock.com 水やり 地植えの場合、根付けばほぼ水やりしなくても育ちます。ただし乾燥させると葉の苦みが強くなり、風味は悪くなります。美味しい葉を収穫するには、土壌が乾いたら水やりしたほうがよいでしょう。ただし土壌が湿っているのに水やりすると、過湿で根腐れするので注意してください。 鉢植えやプランターは、用土の表面がしっかり乾いてから水やりします。 肥料 4~6月、9月中旬~11月中旬に肥料を与えます。チッ素(N)・リン酸(P)・カリ(K)の3要素がおおよそ等量の液体肥料などを1週間に1回、規定の倍率で与えてください。植え付け後は元肥が3~4週間効いているので、その後に追肥してください。 病害虫 春頃からアブラムシやアオムシが発生することがあります。不織布などをトンネル状にかけて栽培すると、予防できます。 ルッコラの収穫 VH-studio/Shutterstock.com 春まきで30~40日後、秋まきで60日後くらいから収穫できます。株全体を抜かずに、下のほうの葉から適宜切り取れば長期間収穫できます。葉が10cmくらいの大きさになったら、ハサミなどで切ります。 春に花茎が伸びてきたら、早めに株元近くの位置で切ってください。柔らかい花茎は食べることができます。花を咲かせないようにすると、葉を収穫できる期間が長くなります。 ヘルシーなルッコラを育てて収穫しよう! Peter Turner Photography/Shutterstock.com <ルッコラ栽培の成功のポイント> 日なた~半日陰で育てる 夏は強い直射日光を避ける 葉が硬くなり苦みが出るので、強光線や乾燥を避ける 肥料を十分与える ルッコラは丈夫で生育が早く、初心者でも栽培しやすいのでおすすめです。プランターや鉢でもよく育ち、ベランダでも栽培できます。採れたての新鮮な葉を使えば、料理も格別な味になることでしょう。栄養豊富でヘルシーなのも魅力です。ぜひ庭や家庭菜園、ベランダでルッコラの栽培にチャレンジしてみてください!
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樹木

【人気上昇の樹木】花や実も楽しめる「ソヨゴ」の育て方
ソヨゴの基本情報 植物名:ソヨゴ学名:Ilex pedunculosa英名:Longstalk Holly和名:ソヨゴ(冬青)別名:フクラシバ科名:モチノキ科属名:モチノキ属原産地:日本、台湾、中国形態:常緑高木 ソヨゴは、国内の関東地方以西に自生する常緑の高木です。植える場所を比較的選ばず、丈夫で育てやすいです。生育がゆるやかで樹形がまとまりやすく、メンテナンスが容易。生育旺盛で持て余したシマトネリコを撤去した後などに、ソヨゴは最適な樹木です。 濃い緑色の葉は革質で光沢があり、縁は滑らかで波打ちます。葉の縁があまり波打たない系統もあります。雌雄異株で、春の5~6月に白い花が咲きます。雌株には、秋に赤い実が付きます。 幹が1本の単幹仕立てと、3本以上の幹がある株立ち仕立てが流通しています。生育に時間がかかり人気があるため、ほかの樹種より高額な傾向があります。 ソヨゴの特徴・性質 Guppy2416/Shutterstock.com 園芸分類:庭木樹高:10m開花時期:5~6月耐寒性:強い耐暑性:強い花色:白 高さ10mにもなる高木ですが、一般の庭などでは2~5mほどの大きさにとどまります。根が浅いので、樹高が高くなると台風などの強風で倒れやすくなります。 生育は特筆すべきほどゆるやかです。枝が横に広がりにくく、狭い場所に適します。樹高が高くなりにくい木を植えたい場合は、株立ちに仕立てたソヨゴが適しています。 新葉が展開する前に、古い葉が多く落ちることがあります。葉が落葉するなどのトラブルがあった場合、復活まで時間がかかります。 雌株の花は、数が少なくひっそりと咲く雰囲気です。一方、雄株は花の数が明らかに多く、花が比較的目立ちます。花を観賞したい場合は、雄株を選びましょう。 ソヨゴの仲間 ソヨゴが含まれるモチノキ属の仲間は、約560種類が世界の熱帯から温帯に広く分布します。葉や果実が美しい種類が多く、栽培されている代表的なものに、モチノキやイヌツゲ、クロガネモチ、アオハダ、セイヨウヒイラギなどがあります。 キミソヨゴ Ilex pedunculosa f. aurantiaca 果実が黄色の変種です。 クロソヨゴ Ilex sugeroki 本州中部以西の太平洋側、四国が原産で、ソヨゴに外観や性質が似ています。ソヨゴと比較すると、樹高は2~5mほどとより低く、生育も遅いです。また葉は小さく、幹や枝が黒っぽいです。ソヨゴと同様に雌雄異株で、雌株に赤い実が付きます。流通量は少なく、庭木としては比較的珍しいです。 ソヨゴの栽培12カ月カレンダー 植え付け適期:4~5月肥料:2月剪定:7月入手時期:通年挿し木時期:9月 ソヨゴの栽培環境 tamu1500/Shutterstock.com 適した環境・置き場所 日なたから明るい日陰で育てることができます。ただし夏に高温になり乾燥が激しいと、葉色が悪くなることがあります。 西日がよく当たって乾燥しがちな場所は避けてください。また水がたまりやすい場所は、根腐れして枯れることがあります。 明るい日陰でも葉数が減少しにくく、環境適応性が高いです。ただし暗すぎる場所は避けてください。 冬越し、耐寒性 寒さに強い、貴重な常緑樹です。北海道南部より南の地域で栽培できます。強い寒さに当たると、葉が黄色っぽくなることがあります。 ソヨゴの育て方・日常の手入れ Honki Kumanyan/Shutterstock.com 水やり 庭などに植え付けてから1~2年は、春から秋に土壌の表面が乾燥したら水やりしてください。根付けば水やりは不要です。 鉢植えで育てている場合は、用土の表面が乾いたら水やりしてください。 肥料 地植えの場合は2月に油かすなどの有機肥料を、株の周辺に浅く埋めておきます。早く大きくしたい場合は、5~6月に追肥してもよいでしょう。 鉢植えは、3月に緩効性化成肥料などを規定量与えてください。 病害虫 ルビーロウムシなどのカイガラムシの発生に注意してください。薬剤が効きにくいので、見つけ次第ブラシなどでこすり落とします。植え付け後に根が周囲に張るまでの1~2年は、特に注意してください。 ソヨゴの植え付け・植え替え wavebreakmedia/Shutterstock.com 植え付け 4~5月が植え付けの適期です。油かすなどの肥料と腐葉土などの有機物をよくすき込んでから、株を植え付けてください。根が張るまで時間がかかるので、支柱を必ず立てて固定するとよいでしょう。 雌株の実付きをよくするために、雄株と雌株の両方を植える場合が多いです。 鉢植えの植え替え 根鉢をくずさず1~2回り大きな鉢に植え替える場合は、4~10月の生育期にいつでも行えます。 鉢の大きさを変えたくない場合は、4~5月に根鉢を1/5程度落とし、枝葉を1/4~1/5程度切って減らしてください。 用土 肥沃で水はけのよい一般的な用土が適します。赤玉土小粒7、腐葉土3を混ぜた用土を使います。または樹木用の培養土などが気軽に利用できます。 ソヨゴの手入れ Guppy2416/Shutterstock.com 剪定 ひんぱんに剪定する必要はありません。年に1回程度の剪定で、ほぼ問題ないでしょう。生育が遅いため、強い剪定は避けてください。 徒長枝は見つけ次第付け根から切りますが、すぐに伸びて樹姿を乱すほどではありません。株立ち仕立ての場合、枝が重なりあうなどして込み合った場所は、適宜間引いてください。 剪定の適期は、新しい枝が充実し始める7月頃です。対生した枝は、互生するように間引くと形が整いやすいです。 増やし方 挿し木で増やすことができます。9月頃に今年伸びた充実した枝を10cmほど切り、下葉を取って葉を3枚程度残して挿し穂とします。小粒の赤玉土などの清潔な用土に挿し、明るい日陰で乾燥させないように管理します。鉢上げしたばかりの小苗は寒さに弱いので、室内などの暖かい場所に置くと安心です。 植え場所を選ばず手間のかからないソヨゴを育てよう ソヨゴは、寒さや日陰にも強い貴重な常緑樹です。和風・洋風を選ばず、さまざまな雰囲気の場所になじみます。濃い緑の葉は存在感があり、シンボルツリーにも最適です。周囲にカラーリーフの植物を植えると、お互いの色合いが引き立ちます。入手する際は高額ですが、その後のメンテナンスを考えれば経済的でしょう。住宅事情で狭い場所や日当たりのよくない場所だからと樹木を植えるのを諦めていた人にもおすすめですので、ソヨゴの栽培をぜひ検討してください。
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樹木

【人気の庭木】トキワマンサクの育て方
トキワマンサクの基本情報 Federico Magonio/Shutterstock.com 植物名:トキワマンサク学名:Loropetalum chinense英名:Chinese Fringe Flower和名:トキワマンサク(常盤万作)科名:マンサク科属名:トキワマンサク属原産地:日本、中国、アッサム州(インド)、タイ、台湾形態:常緑低木 春に、リボンのような小花が株全体を覆うように咲く花木です。葉は常緑で、カラーリーフや斑入り葉の品種は、花がない時期も楽しめます。小さな葉は密に茂るので目隠しの効果が高く、生け垣にもよく利用されます。病害虫の被害も少なく、初心者でも育てやすい樹木です。 トキワマンサクの仲間は、中国や東南アジア、日本に4種が知られています。従来の白花のほか、赤い花の変種のベニバナトキワマンサクが出回るようになって人気が上昇しました。近年は魅力的な園芸品種が多く作り出され、銅葉や斑入り葉、2色の咲き分けの品種などもあります。また樹形は直立性のものから、鉢植えやグラウンドカバーになる矮性の品種までさまざまあります。品種や用途が非常に広いのもトキワマンサクの魅力です。 トキワマンサクの特徴・性質 Scisetti Alfio/Shutterstock.com 園芸分類:花木、庭木開花時期:4~5月樹高:3~4m耐寒性:普通耐暑性:強い花色:ピンク、赤、白 葉に産毛があり、軍手などに付きやすいです。花芽は夏にでき、翌年の4~5月に開花します。開花期は株いっぱいに花が咲き、見事な美しさです。ただし開花後にたくさん花が落ちて目立ちます。 温暖な気候を好むので寒さにはやや弱く、寒冷地の植栽には向きません。日照や乾燥には適応性が高く、比較的場所を選ばず植えることができます。 剪定しなくても樹形は自然にまとまりやすいです。ただし樹勢が強いので、強めに剪定しないと肥大しやすい傾向があります。剪定に強く、刈り込んでさまざまな形に仕立てることができます。 トキワマンサクの用途・楽しみ方 従来の白花のトキワマンサクとベニバナトキワマンサクは、花色や葉色が違うので印象も変わります。白花種とベニバナ種に分けて解説します。 トキワマンサクの白花種 simona pavan/Shutterstock.com 黄緑色の明るい葉色と白い花の対比が爽やかな印象です。和風の庭をはじめ、いろいろな雰囲気の庭に調和しやすいでしょう。ナチュラルで明るい庭にしたい場合にもおすすめです。 ベニバナトキワマンサク Primi2/Shutterstock.com 紅色の花が美しく、人目をよく引きます。存在感のある美しさで人気が高く、目立つ場所でのシンボルツリーにも最適です。多く流通している銅葉の品種は、花のない時期でも大人っぽいおしゃれな雰囲気があります。秋には葉が部分的に紅葉する美しい姿も楽しむことができます。洋風の庭によく似合います。 白花種に比べると、寒さにやや弱い傾向があります。 トキワマンサクの品種 七彩 ベニバナトキワマンサクの園芸品種で、緑の葉に白や桃色、紫色などの斑が入ります。季節により葉色の変化も楽しめます。ほかに葉色が楽しめるものとして、美しい紅色の斑が入る「紅彩」という品種もあります。 花吹雪 白と赤の異なる花色が一緒に開花する、咲き分け品種です。株が小さなうちは白色が出やすい傾向があります。 紅姫 ベニバナトキワマンサクの極矮性品種で、葉は銅葉です。枝が這うように横に伸びるので、グラウンドカバーにも利用できるでしょう。 ‘ルビースノー’ 樹高50cmほどの矮性品種で、花は白花です。葉も若いうちは、強く赤みを帯びます。 トキワマンサクの栽培12カ月カレンダー 植え付け:4~5月、9~10月植え替え:4~5月、9~10月肥料:2月、9月入手時期:通年挿し木時期:6~8月 トキワマンサクの栽培環境 tamu1500/Shutterstock.com 適した環境・置き場所 日当たりのよい場所が適しますが、明るい日陰でも育ちます。乾燥しやすい場所でも、比較的よく育ちます。 日陰では花が咲かなくなり、葉の艶は増しますが葉数は少なくなります。また樹形も乱れがちで、病害虫も発生しやすくなります。カラーリーフの品種は、日陰では葉の発色が悪くなります。 生育温度 温暖な気候が適し、厳しい寒さは嫌います。15~30℃が生育に適した気温です。夏の暑さで弱ることは少ないです。ただし鉢栽培の場合、日当たりがよいコンクリートの上などに直接置いてしまうと、夏には40℃以上の高温になって葉焼けすることがあります。 冬の耐寒温度はマイナス5~マイナス7℃なので、関東地方北部から東北地方や北海道などの寒冷地の地植えには向きません。寒冷地では、冬は鉢植えにして室内で越冬させます。 トキワマンサクの植え付け・植え替え Itsunfotos/Shutterstock.com 庭への植え付け 春の4~5月、秋の9~10月が、植え付けの適期です。花を多く咲かせたい場合は、日当たりのよい場所に植えます。冬の冷たい北風がよく当たる場所は避けてください。 腐葉土などの有機物を十分すき込んで植え付け、支柱を立てて支えます。細い枝は折れやすいので、若い苗木は取り扱いに注意してください。秋に植え付けた場合は株元に敷き藁を施すなど、防寒対策をするとよいでしょう。 鉢植えの植え替え 2年くらいで根詰まりしたら、植え替えてください。春の4~5月か、秋の9~10月に1回り大きな鉢に植えます。 用土 赤玉土小粒7、腐葉土3の一般的な配合の用土を使います。 トキワマンサクの育て方・日常の手入れ simona pavan/Shutterstock.com 水やり 地植えの場合、根付けば水やりは不要です。ただし公道沿いの南側など、乾燥しやすい場所では、夏に過度の乾燥が続く場合は水やりするとよいでしょう。 鉢植えは、表土が乾いたら水やりします。 肥料 地植えの場合は、2月に寒肥として骨粉入り油かすなどを規定量与えるとよいでしょう。成長させたい場合や鉢植えは、9月にも追肥してください。 病害虫 日なたでは、病害虫の発生は比較的少ないです。ただしハマキムシの被害が発生する場合があります。また日照不足の場所ではカイガラムシが発生することがあります。 強い寒さにあうとシミのような傷みが出ることがありますが、病気ではありません。 トキワマンサクの手入れ Kirkam/Shutterstock.com 剪定 放任しても樹形は整いやすいですが、一定の美しい姿を保つには刈り込みなど、適切な手入れが必要です。剪定の適期は、花後の4~5月です。大きくしたくない場合は、強めに刈り込んでください。枝が込み入った場所は、間引いて風通しをよくしてください。 地際から出るひこばえや徒長枝などの直立した太い枝は、根元から随時切るようにしてください。そのまま放っておくと樹形が乱れて密生状態になり、ほかの枝を枯らすことにもなります。 増やし方 6~8月に挿し木で増やします。枝を10cmほど切り、上の部分の葉を2~3枚残して挿し穂とします。小粒の赤玉土などの清潔な用土に挿し、明るい日陰に置いて乾燥させないように管理してください。 多彩な楽しみ方ができるトキワマンサク Photo/小川恭弘 寒さには強くないので寒冷地の植栽には向かない 花後に剪定する コンパクトに保ちたい場合は、強めに剪定する 樹形を保つには、徒長枝やひこばえを見つけ次第切る トキワマンサクは、美しい花や紅葉、カラーリーフなどさまざまに楽しめます。日なたでよく咲きますが、明るい日陰でも育ちます。乾燥にも比較的強く、場所を選ばず育てやすいのも魅力です。 矮性の品種は、鉢植えで育てるのもおすすめです。またスタンダード仕立てにした木の根元に、グラウンドカバーとして矮性の銅葉品種を植えてもよいでしょう。花やカラーリーフが美しいおしゃれな雰囲気の赤花種と、爽やかでナチュラルな美しさの白花種があるので、好みによって使い分けてください。
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宿根草・多年草

【プロが解説】洋ラン「デンドロビウム・ノビル系」の育て方
デンドロビウム・ノビル系の基本情報 PAUL ATKINSON/Shutterstock.com 植物名:デンドロビウム・ノビル系学名:Dendrobium科名:ラン科属名:セッコク属原産地:東南アジア、インド、ネパール、中国南部形態:多年草 デンドロビウム・ノビル系は日本で育種が盛んに行われた洋ランで、その素晴らしさは世界に誇るレベルです。節のある太い茎のようなバルブはほぼ直立して伸び、バルブ全体を覆うようにたくさんの花を咲かせます。 冬から春に開花株が流通し、豪華で美しい花を咲かせる多くの品種があります。ギフトにも選ばれるボリュームのある大株から、テーブルの上に気軽に置けるコンパクトなサイズまで大きさも幅広くあります。花色はピンクや赤紫、白、黄、オレンジ、緑のほか、さまざまな色合いの複色もあり、多様です。花もちがよく、1~2カ月以上美しい花を楽しめます。 洋ランの中では特に寒さに強いほうで、家庭でも十分育てられます。近年は日本原産のセッコク(Den. moniliforme)との交配により、コンパクトで寒さに強い品種が増えています。 デンドロビウム・ノビル系の特徴・性質 Nakornthai/Shutterstock.com 園芸分類:ラン開花時期:2~5月草丈:20~60cm耐寒性:弱い耐暑性:強い花色:ピンク、赤紫、白、黄、オレンジ、緑、複色 樹上で根が付着して育つ、着生ランです。原種のノビル(Dendrobium nobile)は、東南アジアの山岳地帯などが原産です。樹木の高い位置によく着生し、十分な日光と風通しのよい環境で生育します。自生地では冬は3℃くらいまで気温が下がり、夏は40℃まで上昇することもあります。また乾季には2カ月ほど雨が降らないことがあり、長期間の乾燥に耐えます。 光沢のある楕円形の葉を左右交互につけ、1年ほどで落葉します。通常育てた場合、主に春に開花します。花は落葉した古い茎に咲くものと、葉をつけた状態の新しい茎に咲くものに分かれます。現在の品種は、新しい茎に咲くタイプがほとんどです。咲き終わった茎に再び花が咲くことはありませんが、新芽の成長に蓄えた栄養分が使われます。 デンドロビウムの仲間 熱帯アジアから太平洋諸島、オセアニアなどに約1,600種が知られています。種類が多く、栽培されているデンドロビウムには以下のタイプがあります。 デンファレ 7th Son Studio/Shutterstock.com 茎の先端から花茎を伸ばし、コチョウラン(ファレノプシス)のような花を付けるタイプです。直射日光を好み、高温性で最低温度を15℃以上に保つ必要があります。タイなどから輸入された切り花がよく流通しています。 キンギアナム系 Flower Studio/Shutterstock.com オーストラリア原産で、性質が強く丈夫で育てやすいです。花色はピンクや白、紫、黄などがあります。関東地方南部や都心部などでは屋外でよく越冬します。ノビル系とほぼ同じ管理で育てます。 デンドロビウム・ノビル系の品種 ピンク・ビューティー ‘クィーン’ Dendrobium Pink Beauty ‘Queen’ FIFTYONE by Athi/Shutterstock.com 濃いピンクに黄色の目が入った大輪の品種です。花付きがよく、丈夫です。 オリエンタル・スマイル ‘バタフライ’ Dendrobium Oriental Smile ‘Butterfly’ gimi.petals/Shutterstock.com 花びらの色が変化する美しい花が咲きます。ピンクや黄色の花は、あかね色に色づきます。 スプリングドリーム ‘アポロン’ Dendrobium Spring Dream ‘Apollon’ Ole Schoener/Shutterstock.com 白に薄緑の目が入る清楚な美しさが魅力の品種です。非常に花付きがよく、育てやすいです。 ‘スイートキャンディ’ Dendrobium ‘Sweet Candy’ PAUL ATKINSON/Shutterstock.com 以前から流通している定番の品種です。原種の特徴をよく受け継いだ美しい花がたくさん開花します。 デンドロビウム・ノビル系の栽培12カ月カレンダー 植え替え適期:4~6月肥料:5~7月入手時期:12~5月 デンドロビウム・ノビル系の栽培環境 Dale Lorna Jacobsen/Shutterstock.com 適した環境・置き場所 葉焼けしない範囲の明るい場所で育ててください。また風通しのよい環境を好みます。 4月~11月上旬は、屋外で育てるとよいでしょう。4月と10月以降は直射日光に当てますが、葉焼けの心配がある5~9月は、30~50%程度の弱めの遮光をしてください。 また地面から離した高い位置に鉢を置くようにします。コンクリートの上などに直接置くと、照り返しによる蒸れなどで株が弱ります。 生育温度 13~25℃が生育に適した温度です。夏は遮光して水分が十分なら、暑さで弱ることはありません。 冬越し 寒さに強く、関東南部や都心部の条件のよい場所では屋外で越冬することもあります。よく花を咲かせるには、室内に置いて7℃以上を保つとよいでしょう。窓の近くの日当たりのよい場所に置いてください。 デンドロビウム・ノビル系の育て方・日常の管理 SandroSalomon/Shutterstock.com 水やり 4~9月は、植え込み材の表面が乾いたらたっぷり水やりしてください。過湿にすると根が腐りますが、特に春の気温が低い時期に根腐れが起こりやすいので注意してください。また受け皿に水をためると過湿になるので、避けてください。 7~9月の晴れた日は乾燥が激しいので、1日1~2回の水やりが必要なことがあります。夏に水分が不足すると葉焼けしやすくなり、株も弱ります。一方、水分が十分な状態なら40℃近くの高温にも耐えます。 花芽を付けるために、10月からは乾燥気味に管理します。水やりは3~4日に1回を目安としてください。最低気温が10℃以下になったら、7日に1回、水やりします。与える量も、夜までに乾く程度を心がけてください。 肥料 肥料は控えめに与え、与える時期を間違えないようにすることが大切です。 最低気温が10℃以上になる5~7月に肥料を与えます。8月以降に与えると、かえって花が咲きにくくなるので注意してください。 3要素が等量、または洋ラン用の液体肥料を月に2~3回与えます。鉢花や観葉植物、シンビジュームなどより薄い倍率で、商品により異なりますが1,000倍程度を目安に薄めて施します。 また根が傷んだ株に与えるとさらに傷むので、肥料は与えないでください。 病害虫 新芽やつぼみなどがナメクジに食害されます。屋外で発生しやすいので注意してください。 冬に購入した開花株の管理 温度の低い場所(5~10℃)に置くと、花が長もちします。日照不足解消のために、窓際の日当たりのよい場所に置く必要はありません。暖房機の近くや風の当たる場所には、鉢植えを置かないようにしてください。 水やりは冬の通常どおりでよく、7~10日間隔で少量与えます。与えすぎると根を傷めて、花も早く終わってしまいます。 デンドロビウム・ノビル系の植え替え joloei/Shutterstock.com 購入した鉢植えは、すぐに植え替えなくても大丈夫です。1~2年後くらいでほぼ問題ありません。 用土と鉢 ①ミズゴケと素焼き鉢②ベラポン(ヤシガラの植え込み材)とプラスチックまたは陶器製の鉢③バークとプラスチックまたは陶器製の鉢 以上の組み合わせで植えます。 ①のミズゴケは生育に定評がありますが、植えるのにコツが要ります。 ②と③の組み合わせは植えるのが簡単ですが、③は乾きすぎる欠点があります。 鉢のサイズは、根が収まる範囲で小さめのものを使います。鉢が大きすぎるとかえって通気性と水はけが悪くなり、根が傷みやすくなります。 植え替え 4~6月が植え替えの適期です。根が成長して鉢の中に伸びるスペースがなくなる2~3年くらいの間隔で、1回り大きな鉢に植え替えるようにしてください。また根がびっしりと張っているミズゴケやベラポンは無理にくずさず、鉢増しします。無理にくずすと根の損傷が激しくなるので避けてください。腐っている根は、部分的に取り除きます。 根鉢が水分を含み、根が柔らかい状態で植え替えましょう。長い根は切らずに鉢の内側に巻きつけるようにします。底穴に鉢底ネットを敷き、発泡スチロール片を用土の1/4程度入れます。新しい植え込み材料をやや多めに足して、1回り大きな鉢にやや固めに植えます。植える際は、深植えにならないように注意してください。 植え替え後の管理 植え替え直後は、水やりを控えます。明るい日陰に置き、水やりは少量を与えます。2週間くらいは乾かし気味に管理してください。その後は徐々に水やりを多くしていきます。 植え替えて1カ月後くらいから日光に当てます。肥料は2~3カ月の間は与えないようにしてください。 デンドロビウム・ノビル系の日常の手入れ RHJPhtotos/Shutterstock.com 花後の手入れ 花が咲き終わったら、花茎を付け根から切り取ってください。 花が咲き終わった茎は、切らずに1~2年ほどはそのままにしてください。栄養を蓄えているので、新芽の成長に役立ちます。2年経って茎にしわが寄ったら、地際から切るとよいでしょう。 鉢から根がはみ出ることがありますが、切る必要はありません。根が多いほうがよく生育します。 増やし方 バルブの上方に「高芽(たかめ)」といわれる子株ができます。高芽を育てることで、容易に増やすことができます。高芽の根が伸びたら摘み取り、小さな鉢にミズゴケで植えます。 株分けは、根を著しく傷めることが多いため、栽培上級者以外は避けたほうがよいでしょう。 デンドロビウム・ノビル系の栽培ポイント joloei/Shutterstock.com できるだけ日光に当てる 春から夏は水を十分に与える 10月から水やりを控える 5~7月に肥料を与える。時期を間違えないように注意 洋ランの中でも、デンドロビウム・ノビル系は強健な性質で育てやすく、初心者におすすめです。花色やサイズが豊富で、好みの1鉢を見つけることができるでしょう。株いっぱいに豪華な花が咲くので、開花株を部屋に置けば見事な華やかさです。育てるのに慣れてきたら、板付けすればおしゃれな雰囲気で楽しめます。手頃な価格で流通することも多いので、気軽に栽培に挑戦してみてください。
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樹木

【冬の花】常緑の花木「エリカ」の種類と夏に枯らさない育て方
エリカの基本情報 zzz555zzz/Shutterstock.com 植物名:エリカ学名:Erica英名:Heath別名:ヒース科名:ツツジ科属名:エリカ属原産地:南アフリカ、ヨーロッパ、アラビア半島形態:常緑低木 冬に美しい開花株の鉢植えが流通する花木で、パンジーなどと共に寄せ植えなどにも使われます。 エリカの仲間は、アフリカからアラビア半島、ヨーロッパに約840種類が知られています。その大部分は南アフリカ原産ですが、鉢植えとして日本で流通しているのも主に南アフリカ原産の種類です。ヨーロッパ原産の種類は寒さには非常に強いのですが、夏の高温多湿に耐えられないことが多く、日本では多くは流通していません。 暖地では庭木としても植えられるジャノメエリカが以前からよく流通しています。ほかにも比較的栽培しやすく、花の美しい種類が数十種類ほど流通しています。 エリカの特徴・性質 Israel Hervas Bengochea/Shutterstock.com 園芸分類:花木、庭木開花時期:主に3~4月(種類による)樹高:10~200cm耐寒性:やや弱い~弱い耐暑性:やや弱い花色:赤、ピンク、オレンジ、黄、白 エリカの自生地は、海の近くなどの荒れ地が多いです。夏は日本より涼しく雨が少ないですが、冬は温暖で雨が降る気候です。そのため日本の梅雨や夏の高温多湿には弱く、また霜が降りるような厳しい寒さにも弱いです。ジャノメエリカ以外の種類は、置き場所を移動できる鉢での栽培がおすすめです。 花の色や形、大きさなどは変異に富みますが、小さく可愛い雰囲気の花が多いです。また開花期も種類によって異なり、春咲き、夏〜秋咲き、不定期咲きなどもありますが、冬〜春咲きの種類が主に栽培されています。店頭では冬に並ぶ種類も、戸外で育てると多くは3~4月に開花します。 エリカの仲間7種 国内で主に流通する、南アフリカ原産の種類を7種ご紹介します。 ジャノメエリカ Erica canaliculata LFO62/Shutterstock.com 庭木でも楽しめる、最も一般的な種類です。エリカの仲間では比較的大型で、樹高2mほどになります。花色はピンクですが、黒色の葯が目立つことが和名の「ジャノメエリカ」の由来です。冬から春の寂しくなりがちな庭で、可愛い小花を株全体に咲かせます。 アワユキエリカ Erica sparsa 樹高50cmほどの小型の種類です。ジャノメエリカより小さく、ピンク色の花は明るい印象です。分枝や花付きがよいため、開花期の冬に鉢植えが多く流通します。 ファイアーヒース Erica cerinthoides Graeme L Scott/Shutterstock.com 最大で1.5mほどの高さになります。枝の先端に筒状の花が咲きます。開花期は冬から春ですが、周年開花することもあります。花色は主に赤色ですが、ピンクや白もあります。 スズランエリカ Erica formosa よく分枝して樹高60cmほどに生育します。冬から春に、白い壺形の花が垂れ下がるように咲きます。ツリー状に仕立てられた鉢植えが、クリスマスエリカとしても出荷されます。 ホワイトデライト Erica colorans zzz555zzz/Shutterstock.com 直立した枝は樹高70㎝ほどになります。白から薄ピンクの花が、主に冬から春に開花します。伸びた枝が充実すると開花する、不定期咲きの性質があります。 エリカ・パターソニア Erica patersonia Misshaa/Shutterstock.com 直立した枝はあまり分枝せず、1mほどの高さになります。筒状の黄色の花が、冬から春に開花します。 エリカ・セシリフローラ Erica sessiliflora Podolnaya Elena/Shutterstock.com 高さ1.5mほどになり、南アフリカ、ケープタウンの湿地に生育します。直立した枝はあまり分枝せず、小さな線状の葉が密生します。緑色がかった花は冬から春に咲きますが、周年開花の性質もあります。 エリカの栽培12カ月カレンダー 植え付け適期:4~5月植え替え適期:4~5月(冬咲き種)肥料:4~5月、9月下旬~11月上旬入手時期:11~3月(冬咲き種) エリカの栽培環境 R. Maximiliane/Shutterstock.com 適した環境・置き場所 日当たりと排水のよい場所が適しています。生育期の春と秋は、直射日光によく当てて育ててください。ただし梅雨などの長雨に当たると過湿で弱ります。鉢植えは雨の当たらない場所に移動してください。 高温多湿は嫌うので、夏は午前中だけ日光が当たる半日陰で管理してください。また鉢を高い場所に置いて、風通しのよい環境で育てるとよいでしょう。 生育温度 生育適温は15~25℃です。厳しい寒さや暑さには弱いです。 冬越し 耐寒性は種類によって変わりますが、ジャノメエリカはマイナス5℃程度までの低温に耐えます。性質も比較的強いので、関東地方以南の海沿いの地域などは庭木として地植えにもできます。ただし冬の冷たい北風が当たる場所は避けてください。 ほかの南アフリカ原産の種類は、最低温度を0~5℃に保つようにします。関東地方南部や都心部の条件のよい場所では、屋外で越冬することもあります。基本的には室内の日当たりのよい窓辺に置くようにしてください。 エリカの育て方・日常の手入れ Irina Kvyatkovskaya/Shutterstock.com 水やり 鉢植えの表土が乾いたら水やりします。ただし、砂や軽石などが多い用土は見た目では分かりにくいので、触ってみるか重さで乾燥具合をチェックするとよいでしょう。購入した鉢植えは、水はけのよい用土に植えられている場合が多いので、意外と水切れしやすいです。完全な乾燥には弱く、水切れすると枯れることも多いので、十分注意してください。株の様子を見て水切れしていることが分かるときは、手遅れの場合が多いです。 肥料 4~5月、9月下旬〜11月上旬に肥料を与えます。ただし、開花中は肥料を与えないでください。3要素が等量の液体肥料を月に2~3回、規定より半分程度薄めの倍率で与えるとよいでしょう。 病害虫 高温多湿にすると立ち枯れ病が発生しやすいので注意してください。 害虫類の発生は少ないですが、ミノムシは大発生して深刻な被害になることがあります。ただし近年ミノムシが外来の天敵により激減しています。 またジャノメエリカが大きく育つと、カミキリムシの食害で突然枯れることがあります。スミチオン乳剤などを春から夏にかけて、幹を中心に数回散布することで予防できます。 エリカの手入れ作業 Madelein Wolfaardt/Shutterstock.com 剪定 鉢植えは、花後に全体を1/3~半分程度切り戻します。さらに強く切り戻すと復活しないことも多いので避けてください。特に太い枝は、切り戻すと芽吹きしないことが多いです。弱った枝や込み合った部分は、間引くように切ります。 地植えの株も、花後に伸びすぎた部分などを剪定して形を整えるとよいでしょう。 鉢植えの植え替え 立ち枯れなどの失敗を防ぐには、毎年、剪定と植え替えを同時に行うとよいでしょう。 適期は、冬咲きのジャノメエリカの場合、成長が盛んになる直前の3~4月です。遅くても5月までには植え替えを終えてください。 一方、春遅くまで咲く種類や夏咲きの種類は、9月に行います。 また植え替えと同時に剪定も行ってください。根鉢を1/3程度落とし、1回り大きな鉢に植え替えます。 用土 山野草用の培養土など酸性で排水のよい用土が適します。自分で作る場合は、鹿沼土5、赤玉土小粒3、ピートモス2の割合で配合します。 庭への植え付け 地植えする場合は、春の4~5月に植え付けます。植え付ける株は根鉢を軽くくずし、余分な枝などを切り戻しておきます。掘り上げた土に鹿沼土や軽石を混ぜ、周囲より10cmほど高くなるように植え付けます。 増やし方 春の4~5月、秋の10月に挿し木で増やすことができます。若い柔軟な枝を7cmほど切り、下半分の葉を取って挿し穂とします。鹿沼土などに挿して明るい日陰で管理すると、1カ月ほどで発根します。 エリカは寄せ植えにもおすすめ shepherdsatellite/Shutterstock.com 常に用土が湿っていると根腐れしやすい 水切れで枯らすことが意外と多く、用土の乾湿をしっかりチェックする 夏は半日陰などの涼しい場所で管理 冬に冷たい北風が当たる場所は避ける 鉢植えは毎年剪定と植え替えを行う 関東地方南部や首都圏など多くの地域では、屋外の北風の当たらない場所なら鉢植えで育てられます。寄せ植えなどに使うと、単調になりがちな冬のガーデニングで重宝します。パンジーやプリムラなどの背景にエリカを植えると、寄せ植えに立体的な美しさや可憐な雰囲気を演出できることでしょう。可愛い小花がたくさん咲いて美しいエリカを、夏などに枯らさずにぜひ毎年楽しんでください。
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宿根草・多年草

【プロが伝授】観葉ベゴニア(根茎性ベゴニア)の育て方
観葉ベゴニア(根茎性ベゴニア)の基本情報 Photo/小川恭弘 植物名:観葉ベゴニア学名:Begonia英名:rex begonia、king begonia別名:根茎性ベゴニア、レックスベゴニア科名:シュウカイドウ科属名:シュウカイドウ(ベゴニア)属原産地:世界の熱帯、亜熱帯形態:常緑多年草 ベゴニアの仲間は、世界の熱帯から亜熱帯に約2,000種が分布しています。園芸植物として栽培される種類や品種が非常に多く、1,500以上もの園芸品種が知られています。 なかでも「観葉ベゴニア」というと、多肉質の根を持つ根茎性ベゴニアを指すことが多く、レックスベゴニアはベゴニア・レックスから作られた園芸種ですが、根茎性ベゴニアの中に含まれる系統とされます。 ほかに、茎が直立する木立性ベゴニアなどにも葉の美しい種類があります。現在はいろいろなベゴニアとの交配が進んで中間的な形質を持つ品種もあり、系統分けするのが難しくなっています。 家庭でも越冬は難しくなく、明るい日陰での栽培が適しているので、室内で育てるのに適した観葉植物といえます。日本にもベゴニア協会があり、熱心な愛好者が観葉ベゴニアを栽培しています。入手できる品種も幅広くあるので、コレクションするのも楽しいでしょう。 観葉ベゴニア(根茎性ベゴニア)の特徴・性質 Bill Roque/Shutterstock.com 園芸分類:観葉植物開花時期:3~9月草丈:10~100cm耐寒性:弱い耐暑性:やや弱い花色:白、ピンク、黄色、オレンジ、複色 葉の形は卵形、心臓状、掌状葉などさまざまで、渦巻き葉などの珍しい品種もあります。葉の色や模様もバリエーションが豊富で、多色の斑入り葉や派手な網目模様、渋いブラックリーフや妖艶な赤紫の葉、ベルベットのような質感の葉などがあります。レックスベゴニアにはメタリックな光沢のある葉が多く、非常にユニークです。 根茎性ベゴニアは、根茎が地面を這うように伸びる種類が多く、ほかに根茎が斜め、または直立したり、地中で伸びるものもあります。あまり目立ちませんが、花も咲き、素朴な美しさがあります。 熱帯の森林の下層に自生する植物なので、直射日光を嫌います。暑さも嫌うので夏は生育を停止しますが、枯れるほど弱ることは少ないです。冬は室内で冬越しさせます。 観葉ベゴニア(根茎性ベゴニア)の仲間・品種 ベゴニア・マソニアナ Begonia masoniana untungsubagyo/Shutterstock.com 中国南東部、 ベトナム原産の根茎性ベゴニアです。葉の十字模様からアイアンクロスベゴニアの名があります。開花期は主に夏で、葉は大きく根茎は横によく伸びます。比較的丈夫で育てやすく、根茎性ベゴニアの中では流通量が多い品種です。 ベゴニア・ブレビリモサ Begonia brevirimosa nnattalli/Shutterstock.com ニューギニア原産の木立性ベゴニアで、強い光沢のある葉にピンクの斑が入ります。ピンクの花は春と秋に咲き、環境の変化を嫌います。 ベゴニア・ボウエレ(ボウエラエ) Begonia bowerae Elena Odareeva/Shutterstock.com メキシコ原産で、観葉ベゴニアの重要な交配親となった種類です。コンパクトにまとまる株姿のニグラマルガ(B. bowerae var. nigramarga )など、いくつかの変種があります。 レックスベゴニア Begonia Rex Cultorum popular business/Shutterstock.com ブータンからミャンマー原産のベゴニア・レックス(Begonia rex)をもとに作られた園芸種がレックスベゴニアとされます。葉色やサイズはさまざまで、太い根茎は横に伸びるものが多く、数千種ほどの品種があります。 レックスベゴニア ‘エスカルゴ’ Begonia 'Escargot' Real_life_photo/Shutterstock.com 渦を巻くような葉の形と模様が非常にユニークな人気品種です。 レックスベゴニア ‘メリークリスマス’ Begonia 'Merry Christmas' LM.photo/Shutterstock.com クリスマスを象徴するような色と模様が入った美しい葉が魅力的な品種です。あまり目立ちませんが、薄ピンク色のかわいい花も咲きます。 観葉ベゴニア(根茎性ベゴニア)の栽培12カ月カレンダー 植え替え適期:5~6月肥料:4~6月、9月中旬~10月入手時期:5~12月挿し芽時期:5~6月 観葉ベゴニア(根茎性ベゴニア)の栽培環境 Bozhena Melnyk/Shutterstock.com 適した環境・置き場所 強い直射日光を嫌い、日向では葉焼けします。1年を通して明るい日陰の場所を好むので、室内で育てるのには最適です。 湿度70%ほどの多湿の環境を好み、透明なガラス容器の中でもよく育ちます。またサーキュレーターと加湿器があると、適度に空気が循環して湿度不足にならず、元気に育ちます。 エアコンやヒーターなど、冷暖房器具の近くやその風の当たる場所は避けてください。大きな温度変化や湿度不足の環境下では株が弱ります。 5月から10月は屋外でも育てることができます。ただし用土の過湿は嫌うので、雨と直射日光の当たらない軒下のような場所が適します。 生育温度 人間にとっても快適な15~25℃が生育に適しています。30℃以上の暑さも嫌うので、室内では温度の上昇しやすい窓周辺から離すとよいでしょう。 冬越し 寒さには弱く、関東地方では屋外での越冬はできません。屋外で栽培している場合は、11月までに室内に移動したほうがよいでしょう。レックスベゴニアは0℃近くの温度に耐える品種もありますが、葉を綺麗に保つには最低温度を5℃以上に保つようにしてください。 観葉ベゴニア(根茎性ベゴニア)の育て方・日常の手入れ Sara Robledinos/Shutterstock.com 水やり 表土がしっかり乾いてから水やりしてください。過湿を嫌い、常に用土が湿っていると根腐れします。 冬は乾かし気味に水やりします。最低温度が低い場合は、できるだけ乾かし気味に管理してください。また水やりは、暖かい日の午前中に行ってください。 肥料 4〜6月に、3要素(チッ素・リン酸・カリウム)が等量の化成肥料か、液体肥料を10日に1回、規定量与えます。夏は暑がるので、肥料は与えません。 9月中旬〜10月に、3要素が等量の液体肥料を10日に1回、規定よりやや薄めの濃度で与えてください。生育の停止する冬は肥料を与えません。 病害虫 葉に白い粉をまぶしたような症状が出たら、それは、うどんこ病です。ベゴニアに発生しやすい病気で、ひどくなると全体に広がって葉が落ちます。梅雨など、湿度の高い時期に風通しの悪い場所で蒸れてしまうと発生します。見つけ次第早めに薬剤などで防除してください。あらかじめ殺菌剤を月に1回程度散布して予防してもよいでしょう。また湿度の高い時期は、葉を濡らさないように水やりしましょう。 手入れ 枯れ葉などは、こまめに取り去るようにしてください。そのままにしていると、灰色かび病が発生しやすくなります。 観葉ベゴニア(根茎性ベゴニア)の植え付けと手入れ Kanurism/Shutterstock.com 植え替え 木立性ベゴニアは1~2年に1回、根茎性ベゴニアは根茎が鉢の縁まで伸びたら植え替えます。適期は5~6月です。根茎性ベゴニアは根が深く伸びないので、鉢は浅鉢が適します。浅鉢を使わない場合は、鉢底石を多めに入れて水はけをよくしてください。 大株にしたい場合は、根鉢を1/3程度くずし、1回り大きな鉢に植え替えます。大きくしたくない場合は、根鉢は半分程度落とし、株を分けます。根茎の芽の部分が、鉢の中央になるように植えてください。 用土 水はけと通気性がよく、適度に水もちのよい用土が適します。赤玉土5、ピートモス3、パーライト2などの用土が配合土を作ってもよいでしょう。 増やし方 Kulbir G/Shutterstock.com 5~6月に、葉柄(葉と茎の間の棒状の部分)挿しや根茎挿し、挿し芽などで増やすことができます。 葉柄挿しは葉柄をつけて葉を切り、バーミキュライトなどの清潔な用土に挿します。大きい葉は、周囲を切って小さくすると挿しやすいです。 根茎挿しは2~3節ごとに切り分け、バーミキュライトなどに軽く埋めます。葉が付いている場合は1枚程度残したほうがよいですが、葉の周囲を切って小さくしたほうが安定します。 木立ベゴニアは葉芽のある茎を2~3節切って挿し穂とします。水挿しでもよく発根します。 観葉ベゴニア(根茎性ベゴニア)の栽培ポイント Victoria Sharratt/Shutterstock.com 直射日光に当てない 水やりは必ず用土の表面が乾いてから与える 過湿を嫌うが、湿度を好む 夏は肥料を与えず、涼しい場所に置く 屋外では強い日光と雨に注意 以上のポイントに注意すれば、観葉ベゴニアの栽培は難しくありません。葉の美しさやユニークさは、観葉植物の中でも随一の素晴らしさです。葉を挿すだけでも根が出るので、様子を見ているだけでも楽しいでしょう。大株に仕立てて、玄関先の素敵なウェルカムプランツにするのもおすすめです。
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樹木

寒さに強いヤシで冬もリゾート風景を庭に作ろう
ヤシの基本情報 Anthony King Nature/Shutterstock.com ヤシ科の植物は、約180属2,600種が知られており、多くが熱帯・亜熱帯地域に分布します。 葉は掌状のものと羽状のものがあり、分岐しない幹の先端部につきます。ごく一部の種類に分枝するヤシもあります。幹は単独で生育する種類と、株元近くから多くの幹が群生する種類に分かれます。カナリーヤシの仲間などは雌雄異株のものもあります。 ナツメヤシやココヤシの実は食用にされ、アブラヤシの実は油の原料になります。ヤシからは食品のほか、さまざまな製品が作られ、また多くの地域で平和や豊かさなどの象徴とされています。 観葉植物としては、小型のテーブルヤシやフェニックス・ロベレニー(ロベ)のほか、大型になるアレカヤシやココヤシも鉢植えがよく流通しています。熱帯のイメージを代表する植物ですが、品種によっては寒さに強く、関東地方でも屋外で栽培できるものがあります。 寒さに強いヤシの主な品種 TATIANA GRIAZNEVA/Shutterstock.com テーマパークなどの観光施設やショッピングモールなどの植栽に多く使われているように、寒さに強い種類は造園用としても人気があります。関東地方以西で地植えで越冬できる種類を6種、特徴と育て方とともにご紹介します。 カナリーヤシ Nick Pecker/Shutterstock.com 学名 Phoenix canariensis和名 カナリーヤシ英名 Canary Island date palm属名 ナツメヤシ属(フェニックス属)原産地 カナリア諸島 高さ20mにもなる大型のヤシで、葉も大きく広がり、雄大な姿が魅力です。明るい日陰でも育ち、乾燥や過湿、あらゆる土壌に耐えるので、世界各地に多く植えられています。 カナリーヤシの仲間は雌雄異株です。セネガルヤシ(P. reclinata)やナツメヤシ(P. dactylifera)も、造園用のヤシとして植えられています。 家庭ではかなり広い庭がないと地植えできませんが、小株を鉢植えで育てることができます。 最低温度の目安はマイナス10℃なので、関東地方でも多くの地域で植栽可能です。 育て方 Beekeepx/Shutterstock.com 日当たりと水はけのよい場所を好みます。環境適応性が高いので、明るい日陰でも育ちます。小株は日なたでも葉焼けしにくいです。 冬に根を切ると病気で枯れることがあります。地植えする場合は、植え替えなどで根を傷つけないよう、花壇の近くなどには植えないほうがよいでしょう。 ヤタイヤシ(ココスヤシ) Alexander Denisenko/Shutterstock.com 学名 Butia和名 ヤタイヤシ英名 Yatay palm、Jelly palm属名 ブティア属原産地 アルゼンチン、ブラジル、ウルグアイ 名前や分類に混乱が多いヤシです。ココスヤシの名でよく流通していますが、この名前は以前にココス属に分類されていたことに由来します。よく似た同じ仲間のブラジルヤシ(Butia capitata)は現在の分類では誤称で、正しくはオドラタ(B. odorata)とされます。寒さに強いオドラタは変異が多く、国内でココスヤシ、またはヤタイヤシとされる種類はオドラタの可能性があります。 生育は遅く、樹高6mくらいの中型のヤシです。葉色は青緑色で、株によっては白みがかったような葉色で幅があります。古い葉柄は硬く、いつまでも残ります。 雌雄同株で、黄色からオレンジ色の実は芳香があり甘く、食用になります。ブラジルなどの原産地ではジュースやリキュール、アイスクリームなどに加工されます。 最低温度の目安はマイナス10℃で、関東地方でも多くの地域で植栽可能です。高温多湿を嫌い、沖縄などでの植栽には向きません。 育て方 Dinesh tulsiyahi/Shutterstock.com 日なたから半日陰の水はけのよい場所が適します。広い場所が確保できるならば、地植えしてもよいでしょう。大株でも移植が可能で、その場合、ユンボなどで掘り上げます。 小株は日なたから明るい日陰に置くことができます。乾燥や直射日光に強く、初心者でも育てやすいです。 ワシントンヤシ 学名 Washingtonia filifera和名 ワシントンヤシ別名 オキナヤシ(翁椰子)、シラガヤシ(白髪椰子)英名 California fan palm属名 ワシントンヤシ属原産地 カリフォルニア州、アリゾナ州、メキシコ北西部 カリフォルニアの乾燥地などに自生し、樹高30mほどに生育することがある大型のヤシです。雄大な樹姿で性質が強く、世界の熱帯から温帯地域で広く植栽されます。国内でも道路沿いなどに列植され、観光名所となっています。雌雄同株で、実は原産地では食用にされています。 最低温度の目安は、マイナス10℃です。水はけが悪いと耐寒性が弱くなります。 育て方 Pryimachuk Mariana/Shutterstock.com 日当たりと水はけのよい場所を好みます。半日陰から明るい日陰でも育ちます。小株は強い直射日光下でも葉焼けしにくく、よく育ちます。 乾燥に比較的強いですが、用土の表面が乾いたら水やりしたほうがよく育ちます。 ビロウ Mauro Rodrigues/Shutterstock.com 学名 Livistona chinensis和名 ビロウ英名 Chinese fan palm属名 ビロウ属原産地 日本南部、中国、台湾 海岸近くの地域に自生し、樹高15mくらいまで大きくなります。掌状の葉が大きく広がり、先端部は細かく裂けて垂れ下がります。雌雄異株で、雄株と雌株があります。 沖縄では葉が実用品に加工されたり、若芽が食用されています。 最低温度の目安は、マイナス8~マイナス10℃です。成木は葉が傷んでも復活しやすいので、さらに低い温度に耐える可能性があります。 育て方 kaiwut niponkaew/Shutterstock.com 日当たりのよい場所を好みます。地植えすると長い主根を伸ばし、乾燥にも強いです。 小さい株を鉢植えで育てる場合は半日陰に置き、水を十分与えるようにしてください。株が小さい間は夏の直射日光で葉焼けすることがあり、水を多く与えると成長が早くなります。 チャボトウジュロ Luziana5588/Shutterstock.com 学名 Chamaerops humilis和名 チャボトウジュロ(矮鶏唐棕櫚)英名 European fan palm属名 チャボトウジュロ属原産地 地中海沿岸 高さ4mほどの小型のヤシで、雌雄異株です。荒涼とした岩場などに自生します。大きくならないので庭植えに最適です。トウジュロに似ていますが葉柄にトゲがあり、幹が複数集まって株立ちになります。 最低温度の目安は、マイナス12~マイナス15℃です。最も寒さに強いヤシの1つとされ、世界各地で広く植栽されています。 育て方 phM2019/Shutterstock.com 日なたから半日陰の、水はけのよい場所が適します。夏の暑さや乾燥に非常に強いですが、水はけの悪い場所を嫌い、水のたまりやすい場所では根腐れします。小型で成長が遅いので、鉢植えに最適です。 シュロ Alexander Denisenko/Shutterstock.com 学名 Trachycarpus fortunei和名 シュロ(棕櫚)別名 ワジュロ(和棕櫚)英名 Chinese windmill palm属名 シュロ属原産地 中国、ミャンマー 最低温度の目安はマイナス20℃で、最も寒さに強いヤシといわれます。日本でも東北や北海道の一部の地域で育てることができます。日本の南西部に自生していることがありますが、過去に持ち込まれた株が帰化したものと考えられています。 雌雄異株で樹高10mにもなり、葉は熊手のような形で先端が垂れ下がります。幹の繊維層が厚く、シュロ縄など繊維利用のために古くから栽培されてきました。 生育は非常に遅く、手間がかかりません。苗は園芸店で流通することは少ないので、庭木などを主に扱う植木販売店か、ネットショップなどで入手するとよいでしょう。 栽培品種に矮性のトウジュロがあります。シュロに比べて葉が小さく、先端は垂れ下がりません。葉軸も短く、庭木としてシュロより観賞価値が高いとされています。 育て方 Samuel Petrovich/Shutterstock.com 肥沃で水はけのよい土壌を好み、日なたから明るい日陰で育ちます。小株は乾燥を避け、半日陰から明るい日陰で育てたほうがよいでしょう。また小株は強い寒さで傷みやすいので、注意してください。 ヤシの育て方のポイント Liami/Shutterstock.com 幼苗は明るい日陰に置けるので、室内で育てるのもよいでしょう。暑さの心配のない11~翌年4月は、窓際の日当たりのよい場所で育ててください。夏の日の当たる窓際は異常な高温になりやすいので避けます。 小株は寒さに強くないので、冬は北風の当たらない場所に置いてください。発芽したばかりの苗は、室内で冬越しさせてください。 小株は、屋外の風通しのよい場所でも夏に葉焼けすることがあります。コンクリートの上などに直接鉢を置くのは避けましょう。水切れしても葉焼けします。葉焼けしやすいビロウやシュロは、夏の西日は避けたほうがよいです。 種子を入手した場合、発芽まで半年程度かかることは珍しくなく、1年ほどかけて発芽することもあります。 ヤシの栽培に挑戦してみよう Dusan UHRIN/Shutterstock.com 耐寒性の強いヤシは、造園業界などで人気があります。大きく育って持て余した株は、造園業者に相談すれば買い取ってもらえる可能性が高いです。 ヤシは豊かさの象徴でもあり、庭やベランダなどに置くと、リゾートのような明るい雰囲気になることでしょう。意外と手間もかからないのも魅力です。初心者でも育てやすいので、苗を入手して気軽に鉢栽培に挑戦してみてください。
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果樹

アボカドを自宅で収穫! 短期収穫の裏技&実のなる育て方
アボカドとは Krasula/Shutterstock.com 植物名:アボカド学名:Persea americana英名:avocado 、alligator pear和名:ワニナシ科名:クスノキ科属名:ワニナシ属原産地:中央アメリカ形態:常緑高木 脂質を多く含むことから「森のバター」という愛称でも呼ばれるアボカド。ビタミンやミネラルも豊富で、栄養価が最も高い果物とされます。美容効果もあり、高カロリーでも適量ならダイエットにもよいことから、女性からも非常に好まれているようです。 アボカドは、バナナやパイナップルの次に多く輸入されている熱帯果実で、日本で流通しているのは、メキシコ産の「ハス」という品種がほとんどです。近年はペルーからの輸入も増え、2割程度を占めています。 anarociogf/Shutterstock.com 国産のアボカドは和歌山県や愛媛県、宮崎県で生産されています。出荷量が非常に増えていますが、全体に占める割合はまだごくわずかです。ただし高値で取引されているので、今後さらなる普及が見込まれています。 アボカドは高木に育ちますが、根は地表付近に浅く伸び、台風などの強風で倒れやすいです。また根は酸素不足になると枯れやすく、風当たりの強い平坦地に植えると、大きく育って実を付ける頃に突然枯れてしまうことも珍しくありません。 葉は大きくたくさん付き、多くの水分を必要とします。特に梅雨明け後の夏の高温乾燥期に水不足を起こしやすいので、地植えで育てる場合は、適地に植えることが非常に重要で、灌水設備があることも望ましいです。 鉢での栽培のほうが排水や樹勢を制御しやすいですが、灌水設備の必要性が高いです。 アボカドの栽培12カ月カレンダー 開花時期:5〜6月収穫時期:11〜翌年1月植え付け・植え替え:3月下旬〜4月、10月頃肥料:3月下旬〜4月、10月頃種まき:5月頃 アボカドの生育サイクル 秋遅くから初冬に花芽が分化し、冬に花芽を形成していきます。4月に気温が上がるにつれて花芽が成長し、5~6月に開花します。開花期から7月くらいまで新しい枝が伸びてきますが、新しい枝の成長が盛んな場合、結実した果実が落果しやすくなります。8~9月に果実がよく肥大しますが、乾燥させるとうまく肥大しません。収穫期は11月から翌年1月です。 アボカドの受粉と品種 Michaela Warthen/Shutterstock.com アボカドは、同じ花でも午前と午後の活動で性別が変わり、2回開花します。アボカドの品種は開花習性によって、A・B2つのグループに分けられています。 【Aタイプ】 午前が雌で、午後が雄の活動をするタイプメキシコーラ、メキシコーラグランデ、スチュワート、ウィンターメキシカン、ハス(寒さに強くない) 【Bタイプ】 午前が雄で、午後が雌の活動をするタイプベーコン、フェルテ、ズタノ 受粉させるには、AとBの2つの異なるタイプの品種を2株用意する必要があります。 寒さに強い品種を選ぶと暖地では露地栽培でき、鉢植えでも越冬が容易になります。上記のハス以外の品種は、寒さに強くマイナス4~マイナス6℃程度までの低温に耐えます。 アボカドの開花・結実までの期間 Vitalie B/Shutterstock.com 接ぎ木苗は高さが1m以内と大きくない株でも、購入してすぐに開花しやすいです。接ぎ木苗を購入して育てれば、最も早く確実に実がなります。 一方、種子から育てた実生苗は、開花させるのがまず第1の問題です。ある程度広いスペースで大きく育てないと開花しにくいのですが、温室などで加温すれば、実生からでも5~6年で結実させることは可能です。ただし親株とは形質が異なる果実になります。 関東地方南部や都心部など条件のよい場所では屋外で越冬しますが、開花まで10年以上かかることが多いでしょう。さらに結実させるには、授粉樹も必要です。 大きく育って多くの花を咲かせるようになると、1本でも結実するようになります。1本の木の中でも開花習性に時差などが生じるので、花が多く咲くと結実する可能性が高くなります。 アボカドの鉢植え栽培 matunka/Shutterstock.com 最小限の栽培で少しの果実を収穫したい場合は、接ぎ木苗を2本用意し、最終的に10号鉢程度の大きさで栽培してください。 多く収穫したい場合は、直径50cm、60Lくらいの容量の鉢を使い、広いスペースが必要です。実生で果実を収穫したい場合も、同様の大きさの鉢を使って大きく育てます。水やりの労力が多くかかるので、自動灌水装置の設置をおすすめします。 アボカドの実生株を早く省スペースで開花・結実させる裏技 MINTED VasitChaya/Shutterstock.com 比較的入手容易な品種「ハス」の種子だけで開花結実させます。 まず5月に「ハス」の種子を播いて(土に埋めて)、実生苗を多く作ります。鉛筆程度の太さまで育った苗を台木として、同じ「ハス」の実生の枝を接ぎ木します。6~7月が接ぎ木の適期ですが、やや難しいので多くの苗を作ったほうがよいでしょう。 接ぎ木が成功すれば、大きく育てなくても早く開花します。同様の開花株を複数育てると、結実するようになります。ただしハスは寒さにあまり強くない品種なので、冬はビニールハウス内などで栽培するとよいでしょう。 違う品種の授粉樹を用意しなくても結実するのは、実生苗のため開花習性に変異が生じやすいことが考えられます。 アボカドの剪定・仕立て方 Alexandre Laprise/Shutterstock.com 全く剪定しないとあまり分枝しないことも多く、急速に背が高くなります。地植えした場合は、どんどん成長して2階建ての家を越える高さになってしまいます。 実生苗は、30cmくらい伸びたら枝先を切る摘心を行ってください。接ぎ木苗も、購入したら直立した枝の摘心を行ってください。上方向に伸びる枝の摘心を繰り返すことで樹高を抑え、コンパクトな樹形にすることができます。 結実している場合、梅雨明け頃から伸びる新しい枝は、早めに摘心してください。そのままにすると栄養を取られ、果実が落ちる原因になります。 アボカドに適した環境・置き場所 Doikanoy/Shutterstock.com 鉢植えの置き場所 鉢植えは、日当たりがよく風が強く当たらない場所が適します。室内で冬越しさせた鉢植えは、4月下旬から11月までは、屋外の日向に置いてください。 地植えに適した場所 Theeraya Nanta/Shutterstock.com 根が酸素不足に弱いので、水没しない場所を選ぶことが重要です。10年育てて実を付け始めた株が、例年にない台風で1晩水没しただけで枯れた例もあります。斜面や高台など、確実に水没しない場所に植えるようにしてください。 南面のゆるやかな傾斜地が理想的です。ただし傾斜地の上のほうは乾燥しやすく、水やりが必要になりやすいので注意してください。また強風や塩害に弱いので、周囲に防風林があるなど風当たりの弱い場所が適します。 木が大きくなってくると夏に乾燥しやすいので、灌水設備のある場所が望ましいです。 屋外で栽培できる地域 関東地方南部の海沿いの地域や都心部が、アボカドが屋外栽培できる北限とされます。ただし冬に花芽が枯死する場合もあるため、結実が安定しないことが多いです。温室で無加温栽培できるので、温室内のほうが結実させやすいでしょう。 アボカドの育て方・日常の手入れ Seplin1989/Shutterstock.com 水やり 春と秋は鉢土の表面が乾いたら水やりしますが、夏は毎日水やりしてください。また葉が多く茂った鉢植えは乾きやすく、より多くの水やりが必要になります。夏は1日2回の水やりが必要な場合も多いです。 受け皿に水をためるのは避けてください。根が酸素不足になって傷み、突然枯れる可能性が高くなります。 肥料 鉢植えは4~10月に、3要素が等量の緩効性化成肥料などを規定量与えてください。 地植えした場合は、4月と10月に施肥してください。実が付くようになったら、7月にも肥料を与えてください。 植え替え 大きく育てるには、毎年春に1~2回り大きな鉢に植え替えてください。根が酸素不足に弱いので、急に大きな鉢に植え替えると生育が衰えやすいです。 用土は特に選ばないので、草花用の一般的な培養土で大丈夫です。水はけが悪い場合は、パーライトを1~3割足すとよいでしょう。 病害虫 生産地では病害虫は重要な問題ですが、日本では目立つ病害虫がありません。無農薬で栽培しやすいです。 温室栽培では害虫類の被害が発生します。カイガラムシやコナジラミなどに注意してください。 冬越し 室内の日当たりのよい窓際のような場所に置いてください。室内に置けば、比較的容易に越冬します。 アボカドが屋外で越冬できる海沿いの暖かい地域や都心部でも、種まきから3年くらいまでの幼い株は寒さで枯れやすいので、室内で冬越しさせたほうがよいでしょう。 アボカドを結実させるポイント anarociogf/Shutterstock.com 異なる開花タイプの接ぎ木苗を2株用意する 根が確実に水没しないようにする 夏は水切れしないように注意する 摘心を繰り返して樹高を抑える 地植えは適地の選定が非常に重要 消費量が多く栄養価が高いアボカドは、今後日本での栽培が盛んになることが見込まれます。国内で生産された高品質な果実は、多くのアボカドファンが待望しています。アボカドの実を家庭で収穫するのも、やりがいのある挑戦になることでしょう。ぜひアボカドを育てて、樹上で完熟させた美味しい果実を味わってください。
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観葉・インドアグリーン

ポインセチアの育て方 クリスマスシーズンが終わっても枯らさない栽培法
ポインセチアの基本情報 Yuliasis/Shutterstock.com 植物名:ポインセチア学名:Euphorbia pulcherrima英名:Poinsettia、Christmas Flower和名:ショウジョウボク(猩々木)科名:トウダイグサ科属名:ユーフォルビア属原産:メキシコ、グアテマラ形態:常緑性低木 ポインセチアは、クリスマスを演出する鉢花としても有名で、世界中で広く親しまれています。購入したばかりの鉢植えは茎が柔らかく草花のように見えますが、本来は樹高3~4mまで成長する低木です。 花のように見えるのは葉に由来する苞で、本来の花は花弁がなく、小さく目立ちません。 苞の色は最も一般的な赤のほか、品種改良によりピンクや白、クリーム、黄、オレンジなどが作られています。また複色や八重咲きのように見える品種があり、バリエーションが豊富です。 ポインセチアの特徴・性質 ioanna_alexa/Shutterstock.com 園芸分類:鉢花、観葉植物樹高:10~60cm耐寒性:弱い耐暑性:強い 改良された園芸品種と比較すると、原種は葉が細長いです。また、葉は柔らかく濃い緑色で、葉脈がやや目立ちます。 伸びたばかりの柔らかい枝は寒さに弱いですが、木質化すると丈夫になり、耐寒性も強くなります。また株が大きくなると、地下部や太く木質化した枝はマイナス4℃くらいまで耐えます。宮崎県ではかつて地植えのポインセチアが多く見られる観光スポットがありました。 個性的な開花習性があるポインセチア Kwanbenz/Shutterstock.com 短日性で、昼の長さが12時間以下になる日が40~50日間続くと花芽を付けます。自然状態では10月下旬から花芽分化が始まり、12月のクリスマスの頃に苞が美しく色づきます。ただし、夜間も明るい場所に置いていると花芽が分化しないので注意してください。 また短日処理により栽培された開花株は、10月頃から園芸店などに並び始めます。 ポインセチアの主な品種 ウインターローズ Amy Lutz/Shutterstock.com 苞がカールして八重咲きのバラのように見える、ユニークで美しい品種のシリーズです。赤色のほか、ピンクや白、ピンクと白の2色咲きなどもあります。 プリンセチア Khairil Azhar Junos/Shutterstock.com メキシコ南西部原産のコルナストラ(Euphorbia cornastra)との種間交配によって作られた品種のシリーズです。暑さ寒さにより強く丈夫で、育てやすいです。葉はやや細く、枝はしなやかで折れにくいです。豪華な八重咲きや斑入りなど、品種がバリエーション豊富なのも魅力です。 ‘アイスパンチ’ Edita Medeina/Shutterstock.com 赤い苞に抜けるように白色が入る複色の人気品種です。暑さにやや弱いので、夏の剪定は控えてください。 ポインセチアの栽培12カ月カレンダー 入手時期:10~12月植え替え適期:5~6月肥料:5~10月挿し木:5~6月 ポインセチアの栽培環境 Matyas Rehak/Shutterstock.com 適した環境・置き場所 日当たりのよい場所を好みます。日照不足になると草姿が乱れ、花付きも悪くなります。春から秋は、屋外の日向で育てるのが理想です。 株が小さいときは、夏の強い直射日光は避けたほうがよいでしょう。午前中だけ日光が当たる場所か、遮光ネットなどを利用して30~50%くらいの遮光下に置きます。 生育適温 18~21℃がポインセチアにとって最も快適な温度です。夏は用土が乾燥した状態なら暑さに耐えますが、過湿にすると根腐れします。ただし、株が小さなうちは乾燥にも強くないので注意してください。 冬越し 購入したばかりの鉢植えは特に寒さに弱いので、10℃以上を保つようにしてください。茎が木質化した株は、5℃以上を保てば越冬します。また大きく育った株は0℃付近の低温で地上部が枯れても、翌春に株元付近から新芽が出てきます。 ポインセチアの入手 Pixel-Shot/Shutterstock.com 株を選ぶポイント 下葉が枯れているものや株元がグラグラする株は避ける 葉にシミがあったり、縁が枯れている株は避ける 苞が黒ずんでいる株は観賞期間の終わりが近づいている 葉は硬くて張りがある 葉が多く、葉の大きさが揃っている 購入後の管理 日当たりのよい室内に置いてください。日陰に置くと株が弱って観賞期間が短くなります。また暖房器具の近くや風が当たる場所は避けてください。 購入したばかりの苞が色づいている株は乾燥に弱いです。鉢土の表面が乾いたら水やりしますが、完全に乾くと傷みます。適切なタイミングで水やりするために、観賞期間中は特にこまめに土の状態をチェックしてください。 株が傷んで葉が落葉した場合、茎がしっかりしていれば復活する可能性は高いです。室内の暖房の入る部屋に置き、乾かし気味に管理してください。 ポインセチアの育て方・日常の手入れ Maya Kruchankova/Shutterstock.com 水やり 5~10月は、鉢土の表面が乾いたら水やりしてください。乾燥には比較的強いですが、過湿には弱いです。常に用土を湿らせていると根腐れするので注意してください。 花後の2~3月は生育が止まるので、特に水を控えて管理します。 肥料 5~10月に、3要素が等量の緩効性化成肥料などを規定量与えてください。 病害虫 冬などに多湿にすると、灰色カビ病が発生しやすいです。水やりする際は、株に水をかけないようにしてください。 風通しの悪い室内では、オンシツコナジラミが発生することがあります。発生すると薬剤が効きにくく、防除が厄介です。あらかじめベストガードやアドマイヤーなどの粒剤を定期的に鉢土にまいておくとよいでしょう。また屋外の風通しのよい場所で育てることをおすすめします。 ポインセチアの植え替えと手入れ pundapanda/Shutterstock.com 植え替えと切り戻し 1~2年に1回、5~6月に植え替えと切り戻しを行ってください。 1~2回り大きな鉢に植え替える場合は、古い土を軽く落としてから新しい鉢に植え替えます。同時に間のびした枝を1/3程度残して切り戻すとよいでしょう。 大きくしたくない場合は、全体の枝を半分程度まで切り戻してください。古い土も半分から1/3程度落とし、同じサイズの鉢に植え替えます。 用土 清潔で水はけのよい用土が適します。市販の観葉植物用の培養土を利用してもよいでしょう。または赤玉土5、ピートモス3、パーライト2などを配合した用土を使います。 剪定 枝数が少ない場合は、7~8月まで枝先を切ってこんもりと茂るように仕立てます。大きくしたくない場合は、春に全体を半分程度までバッサリ切ってください。状態によっては葉がない場合もありますが、大丈夫です。 また支柱を立てて枝を伸ばし、スタンダード仕立てにするのもおすすめです。主となる枝の途中から出る枝は切り、先端部分だけ茂らせるように仕立てます。また、株元と先端部分だけ茂らせる仕立て方もおすすめです。 ポインセチアの増やし方 lorenza62/Shutterstock.com 5~6月に挿し木で増やすことができます。枝を10~12cmほど切り、上の葉を2~3枚残してほかの葉を落とします。切り口から白い乳液が出るので、固まらないようによく水洗いしてから挿します。 パーライトとバーミキュライトを等分ずつ配合した用土や赤玉土小粒などの清潔な用土に挿し、風の当たらない明るい日陰に置きます。 挿し木をした後、1週間くらいは乾かさないように水やりをします。その後は表土が乾いてから水やりしてください。水分が多すぎると挿し穂が腐りやすくなります。 1カ月くらいで発根するので、3号程度の鉢に1株ずつ鉢上げしてください。 ポインセチアの栽培ポイント Amy Lutz/Shutterstock.com 購入した鉢植えは10℃以上を保つ 花後は乾燥気味に 日向で育てる 夏は小~中株は遮光するとよい ポインセチアは、家庭でも十分育てられる低木です。大株に育つと見応え抜群で自慢の1株になります。茎が木質化すると丈夫になり、観賞できる期間が長くなります。ポインセチアはクリスマスだけの植物ではありません。冬の間ずっと楽しめるので、購入した株はぜひ枯らさずに大きく育ててみてください。




















