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【夏花】暑さに強く花が長く咲く! ペンタスの育て方や品種、冬越し全解説

【夏花】暑さに強く花が長く咲く! ペンタスの育て方や品種、冬越し全解説

Fransiska Nindya/Shutterstock.com

ペンタスは星形の可愛い花が春から秋までの長期間たくさん咲く、夏に貴重な植物です。暑さにも強くて丈夫なので、花壇や寄せ植えなどで活躍します。一年草として扱われることが多いですが、掘り上げて鉢植えで管理すれば冬でも花が咲くことも珍しくなく、鉢花としても開花期間の長さはトップレベル! 魅力あふれる夏の花ペンタスについて、多彩な品種とおすすめの楽しみ方、育て方などをプロが徹底解説します。

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ペンタスの基本情報

ペンタス
jackdreamhd/Shutterstock.com

科属:アカネ科ペンタス(クササンタンカ)属
学名:Pentas lanceolata
和名:草山丹花(クササンタンカ)
英名:Egyptian Starculuster
原産地:熱帯東アフリカからイエメン

ペンタスの名前は、5つの花弁を持つことから5を意味する「ペンテ」に由来します。また同じ科の熱帯花木のサンタンカに花が似ていることから、クササンタンカの和名もあります。草本性の植物に見えますが、本来は1.5mほどの高さになる常緑低木です。

一昔前は、鉢花などの用途の植物として出回っていましたが、流通量は現在ほど多くありませんでした。矮性で種子から育てられる品種が登場してから、一年草扱いの花壇・ガーデニング用のポット苗などとして多く流通するようになり、春から夏の花売り場では定番の植物です。

開花期は春から秋で、最低温度を10℃以上に保てば周年開花します。寒さには弱いですが、冬に室内で管理すれば容易に越冬することも可能です。暖房事情のよい家で窓越しの日光に当てれば、冬でもよく開花します。

花言葉は、「願い事」や「希望が叶う」です。最近はエディブルフラワーとしても人気があります。

ペンタスの花色や品種

ペンタス
F_studio/Shutterstock.com

花色は豊富で、赤やピンク、白、紫、紫に近い青色などがあります。また2色のバイカラー咲きや八重咲き、葉に斑が入る品種などがあります。

・種子から育てる矮性品種

ペンタスの現在の主流の品種で、草丈は30cmほどです。分枝性が非常によく、こんもりとまとまった株姿になります。「グラフティー」「ニュールック」「ラッキースター」などのシリーズがあります。

・八重咲きの品種

「ライカ」シリーズは、豪華な印象の八重咲きの栄養系品種です。花色は豊富で、特に青色のライカブルーなどの珍しい色もあります。

・バイカラー咲きの品種

「ギャラクシー」シリーズは、鮮明な2色咲きの花が人目を引きます。種子から育てる矮性品種ですが、他の矮性品種よりやや大きくなります。パープルスター、レッドスターのバリエーションがあります。

また「グラフティー」シリーズにも、バイカラー咲きのバリエーションが含まれます。

・高性品種

「パニックタワー」シリーズは、草丈60cmほどになり、ボリューム感を出したい場合に重宝します。花色は、レッド、ピンク、ホワイトがあります。

・葉に斑が入る品種

「サマースター」は、葉にライム色の斑が入り、赤色の花とのコントラストが美しい品種です。枝はやや伸びやすいので、適宜切り戻すとよいでしょう。

ペンタスの入手方法

ペンタス
Nokzd/Shutterstock.com

主に5~8月に、ポット苗や小~中型の鉢植えが販売されます。種子から育てられた矮性品種は、比較的手頃な価格で販売されています。購入する際は、コンパクトで枝数が多く、がっしりとした印象で、葉色もよい株を選ぶようにしてください。根元がグラグラしていたり、下葉や葉先が茶色く枯れているような株は避けましょう。

ペンタスの楽しみ方

花壇に植える

ペンタス
Fauzanil Azmy/Shutterstock.com

見頃は7〜10月で、真夏の暑さで開花が少なくなる植物が多い中、元気に咲き続けます。

カラフルな花が株いっぱいに開花するので、大きな葉が目立つカンナやホワイトジンジャー、またコルディリネやカラジウム、コリウスなどの葉物と組み合わせると、トロピカルな雰囲気を演出できます。

鉢花

ペンタス
Fehmi/Shutterstock.com

小型の鉢花としても販売されていますが、少しずつ鉢のサイズを大きくして大株に仕立てると見応えが出ます。比較的手間いらずで株いっぱいに花が長期間咲き続け、大株にまで仕立てる人も案外少ないため、珍しさもあります。

また大株に仕立てることで樹勢と耐寒性が強くなり、花もさらに長期間咲きやすくなるのでぜひチャレンジしてください。きっと、ペンタスの花付きのよさとトップレベルの連続開花性の強さを実感できると思います。労力をかけずに人目を引くことができるので、ぜひ挑戦を。

寄せ植え

大きくなりすぎないので、長期間楽しむ寄せ植えに最適です。一般的な矮性品種なら、寄せ植えの前面から中央に配置し、長期間花を楽しむことができます。また高性種は中央から後ろ部分に植えるとよいでしょう。

栽培に適した環境と置き場所

ペンタス

日当たりと風通しのよい場所を好みます。最低でも半日以上日光が当たる場所に置いてください。暗すぎると花が咲かなくなり、枝が間のびして立ち枯れしやすくなります。また鉢植えや小さなプランターは、コンクリートなどに直接置くと、夏の照り返しで弱りやすいです。台の上など地面からできるだけ離し、風通しのよい環境に置くようにしてください。

過湿や蒸れに弱いので、梅雨時など長雨が続くと立ち枯れしやすくなります。鉢植えやプランターは、軒下の雨の当たりにくい場所に移動するとよいでしょう。

ペンタスの植え付けのコツ

ペンタス
Feng Cheng/Shutterstock.com

庭やプランターなどへの植え付けの適期は5~7月です。植え付ける前に腐葉土や堆肥を加え、株の周囲を20~30cmの深さまで耕しておきます。また株間は20~30cmとりますが、高性種や風通しのよくない場所では30cmほどあけるようにしてください。

排水の悪い場所では、木材やレンガで枠を作り、周囲から30cmほど土を盛り上げた場所(レイズドベッド)に植えるとよいでしょう。また専用のガーデンフレームを利用すれば、どのような場所でも手軽に花壇が作れます。

ペンタスの水やりのコツ

ペンタス
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植えやプランターでは、表土が白っぽく乾いてから水やりします。ただし、根詰まり気味でよく開花している株は乾きやすいので、夏の晴れた日は毎日与えるとよいでしょう。夏以外は、水のやりすぎで根腐れする失敗例が多いようです。常に用土が湿っている状態は避けてください。

地植えされた株は、根付いてしまえば水やりの必要はほとんどありません。むやみに水やりすると根腐れの原因になり、根の発達も阻害されて生育が悪くなります。

ペンタスの施肥のポイント

春から秋まで長期間開花するので、肥料を切らさないようにしてください。肥料の3要素が等量か、リン酸が多めの化成肥料や有機肥料を規定量与えてください。ただし、猛暑や長雨が続くときは、肥料が多いと立ち枯れの原因になりやすいので注意してください。

ペンタスの植え替えのコツ

ペンタス
LIN MEI CHEN/Shutterstock.com

鉢植えは、1年に1回植え替えてください。花を多く楽しむには、植え替えは大切な作業です。

鉢を大きくしたくない場合は、5〜6月が作業の適期です。根鉢の底の部分を1/3程度くずし、同じ鉢に新しい用土で植えます。また同時に枝葉も1/3程度、伸びすぎた枝などを剪定し、根とのバランスをとってください。

大株に仕立てる場合は、鉢から抜いたら根をくずさず、そのまま1〜2回り大きな鉢に植え替えます。根を傷めないので、5〜8月に作業を行うことができます。

ペンタスに使う用土は、草花用の万能タイプの培養土でよいでしょう。自分で配合する場合は、赤玉土小粒に腐葉土を3割程度混ぜた一般的な用土などが適します。

ペンタスの手入れ

ペンタス
simona pavan/Shutterstock.com

終わった花は、こまめに切って取り除くと花付きがよくなり、美観が保てます。

剪定の必要はほとんどなく、日向ではよく分枝して自然に形が整います。ただし徒長したり、大きくしたくない場合は、全体を半分程度までバッサリと切ってもよいでしょう。

ペンタスの病害虫

害虫類の被害は比較的少ないです。風通しの悪い場所で密植すると、カイガラムシが発生する場合があります。また立ち枯れやカビも発生しやすくなるので、株間を詰めないように植えてください。枝が混みすぎたら、伸びすぎた枝をすかすように切ってください。過湿も病気の原因になるので注意してください。

屋外の日当たりと風通しのよい場所で過湿に気をつけて育てれば、病害虫のトラブルはほとんどないでしょう。

ペンタスの増やし方

挿し木と市販されている種を播いて増やすことができます。

挿し木

5~8月に挿し木で増やすことができます。充実した枝先を8~15cm、または2~3節切り、葉を3枚ほど残して挿し穂とします。大きすぎる葉は半分程度に切るとよいでしょう。

挿し床は、赤玉土小粒やバーミキュライトなどの清潔な用土を使い、軒下のような雨が当たりにくく、明るい日陰に置くようにしてください。また室内の明るい日陰も適します。水やりは、はじめ1週間くらいは乾かさないように与えますが、その後は表土が白っぽく乾いてから与えるようにしてください。常に用土が湿っていると腐ります。

種まき

大型のグリーンショップやホームセンター、ネット通販などでペンタスの種が販売されています。大量に苗が欲しい場合は種まきで増やすのがよいでしょう。

5月のゴールデンウィーク明けから6月が種まきの適期です。用土は種まき用の培養土が便利ですが、自分で配合する場合は、赤玉土とピートモスを等量ずつ混ぜた用土などを使います。

種は細かいので、室内など風のない場所で播いてください。覆土はいりません。置き場所は、雨の当たらない明るい日陰、または室内の午前中だけ日光が当たる場所がよいでしょう。水やりは、受け皿などに水を入れて底面から吸収させるようにしてください。

ペンタスは冬越しが可能

ペンタス
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寒さには強くありませんが、室内で管理すれば容易に越冬します。

花壇などで地植えしている株を越冬させる場合は、10月中に株を掘り上げて鉢に植えます。寒さに当たると葉が黒っぽく変色し、枯れていきます。葉がきれいなうちに作業を済ませてください。

鉢上げする際は、観葉植物用の培養土か、赤玉土にピートモスを2割くらい混ぜたような清潔な用土が適します。

温かい室内で管理し、冬でも開花している場合は、規定の半分程度に薄めた液体肥料を1週間に1回与えます。ただし花が咲かなくなったり調子が悪くなったら、肥料は与えないでください。

ペンタスを大株にして長く咲かせよう!

ペンタス
Karen Brough/Shutterstock.com

ペンタスは蒸れや過湿に気をつければ、手間がかからず丈夫で育てやすい夏花です。さらにその周年開花性の強さは特筆すべきレベルです。低価格で気軽に入手でき、しかも花を長期間たくさん楽しめるのでお得な植物ともいえます。一年草扱いと諦めて冬前に処分せず、ぜひ鉢上げして大株仕立てにも挑戦してみてください。花壇から寄せ植え、鉢植えなど、さまざまに長期間楽しめるペンタスは、初心者から上級者までおすすめできる植物です。

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