イギリスのプディングの美味しさをもっと多くの人に知ってもらいたいと活動する、イギリス菓子研究家、パティシエ。ル・コルドン・ブルー横浜校にて菓子ディプロムを取得。英国コッツウォルズのスリーウェイズ・ハウス・ホテルにてイギリス伝統菓子作りの腕を磨く。
〈The Pudding Party Tomoとイギリス菓子作り〉 https://youtube.com/channel/UCV1hGcG5t0SELBBiuJ1GqBA
The Pudding Party Tomo -イギリス菓子研究家/パティシエ-
イギリスのプディングの美味しさをもっと多くの人に知ってもらいたいと活動する、イギリス菓子研究家、パティシエ。ル・コルドン・ブルー横浜校にて菓子ディプロムを取得。英国コッツウォルズのスリーウェイズ・ハウス・ホテルにてイギリス伝統菓子作りの腕を磨く。
〈The Pudding Party Tomoとイギリス菓子作り〉 https://youtube.com/channel/UCV1hGcG5t0SELBBiuJ1GqBA
The Pudding Party Tomo -イギリス菓子研究家/パティシエ-の記事
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レシピ・料理

イギリス生まれの真夏のスイーツ「サマートライフル」
トライフルは「つまらないもの」? 夏のイギリス菓子といえば、サマープディングとトライフル! サマープディングは以前ご紹介しましたが、トライフルってどんなもの? と思われる方も多いと思います。英語でトライフルとは「つまらないもの」という意味。ありあわせのものを重ねただけ、ということなのかなと思いますが、これがとっても美味しい! 一般にトライフルとは、ガラスの器の中にフルーツ、スポンジ、カスタード、そして、泡立てた生クリームを重ねたもので、冷やしていただきます。バリエーションがいろいろあって、スポンジをシェリー酒に浸して大人用に作ることもあれば、子ども用にはフルーツジュースで代用することも。スポンジの上からゼリーを流して、冷やし固める場合もあります。 トライフルは私にとって、思い出深いデザートです。以前、パブロヴァの回でお伝えした、語学留学中のアルバイト先で出会った日本好きのイギリス人夫妻。私が和食を作る代わりにパブロヴァの作り方を教えてもらったのですが、その後も何回か自宅に招いていただき、一緒にイギリス菓子を作りました。トライフルもその1つで、バーズ社のトライフルキットを使って作りました。 バーズ社のカスタードパウダー。イギリス人はこのパウダーを使ったカスタードが大好き。Philip Kinsey/Shutterstock.com バーズ社について、詳しくはブレッド&バタープディングの回で書いていますが、インスタントのカスタードパウダーで有名な会社です。トライフルはカスタードが欠かせないお菓子なので、キットが作られたのでしょう。キットは現在も販売されていますが、私が使ったものには、カスタードパウダーのほかに、フィンガービスケット、ゼリーの素、ホイップクリームの素、飾り用チョコスプレーが入っていました。 私にとって初めてのトライフルがフィンガービスケットにゼリー入りだったので、私はいつもフィンガービスケット&ゼリー入りで作ります。ですが、イギリス人の中にはゼリー入りが嫌いな人もいます。シンプルに、スポンジにフルーツ、カスタード、生クリームという組み合わせも美味しく、私はどちらも好きです。 私が働いていたイギリス、コッツウォルズのホテルでも、夏になるとトライフルを作りましたが、そのときもフィンガービスケット&ゼリー、バーズ社のカスタードパウダーを使って作りました。このフィンガービスケット、ゼリー液の中に浸すと、液をどんどん吸って、最終的にはゼリーの中でなんだかグレープフルーツのような見かけに変身するのが不思議です。ビスケットと言われなければ、これは何のフルーツだろう? と思うくらい、元の姿が分からなくなります。その変化も面白くて、私は好きです。 女王に捧げるプディング 優勝レシピのトライフル。下からレモンスイスロール、カスタード、オレンジゼリー、上にのっているのがアマレッティ。Traceyaphotos2/Shutterstock.com 2022年、イギリスでは、今は亡きエリザベス女王の即位70年を記念する行事「プラチナジュビリー」が行われました。お祝いのイベントがいくつも催されましたが「女王に捧げるプディング(イギリスでデザートの意味)」を決めるコンテストも行われました。5,000通のレシピの中から選ばれ、優勝したのはトライフル。それは、レモンスイスロールとアマレッティのトライフルでした。 スイスロールというのはロールケーキのことで、レモンカード(レモンバター)を巻いたロールケーキに、オレンジのゼリー、カスタード、アマレッティ(アーモンドの軽いビスケット)などを重ねた、豪華なトライフルです。 このレシピは、エリザベス女王とフィリップ殿下の結婚式で振る舞われた、レモンポセットとアマレッティをモチーフに作られたそうです。結婚式の思い出を絡めたレシピとは、なんて素敵! オーブンを使わず、手軽にできて美味しい最高のイギリスの家庭菓子、トライフル。基本の形に加えて、チョコレート入りだったり、マンゴーなどのフルーツを使ったり、バリエーションは本当にいろいろあります。 私としては、酸味のあるフルーツを使うのがおすすめ。写真は小さな器に盛ったルバーブのトライフルで、ゼリーは使わず、ルバーブのコンポートにスポンジ、カスタード、生クリームを合わせたものです。フルーツはいろいろなものに代えられますよ。 トライフルは、じつはイギリスでは季節にかかわらず人気です。今回ご紹介するように大きなボウルで作れば華やかなので、家族や友人が集まるクリスマスなどにもぴったりです。 今回はゼリー入りのレシピ。10人分くらいの、大きな器で作るパーティー用です。普段のデザート用には量が多いので、レシピを半量(5人分くらい)にして、小さなカップなどに1人分ずつ作ってもよいでしょう。1人分の器に盛るのも、とっても可愛いです。 サマートライフルの作り方 材料(4Lの器1個分) 〈ゼリー〉 フィンガービスケット 適量 板ゼラチン 16g 白ワイン 500ml 水 240ml グラニュー糖 265g 冷凍ベリー 350g(今回はラズベリーとブルーベリーを合わせて) 〈カスタード〉 牛乳 500ml バニラビーンズ 1/2本 卵黄 6個 グラニュー糖 130g 薄力粉 25g コーンスターチ 25g 生クリーム 200ml 〈生クリーム〉 生クリーム 400ml グラニュー糖 大さじ2 〈オプション〉 アーモンドスライス(ロースト) 適量 作り方 1.板ゼラチンを氷水につけて戻す。 *粉ゼラチンの場合は表示に従って使用してください。 2.白ワイン、水、グラニュー糖を鍋に入れ、火にかけてグラニュー糖を溶かす。 アルコールが苦手な方は、アルコールが飛ぶまで沸騰させ続けます。3分くらいでアルコールは抜けます。それでも心配な場合は、リンゴジュースなどで作ってもよいでしょう。 3.ゼラチンの水気を切って鍋に入れ、溶かす。よく溶けたら、濾しながらボウルに注ぐ。 4.ボウルの底を氷水に当て、冷凍ベリーを入れて、一気に冷ます。 5.ガラスの器の底にフィンガービスケットを敷き詰める。 6.その上に冷めたゼリー液を流し、冷蔵庫で冷やし固める。最低でも1時間は冷やす。 7.カスタードを作る。バニラビーンズを半分に切り、サヤからビーンズをナイフで出し、サヤと一緒に鍋に牛乳と共に入れ、火にかける。 8.卵黄とグラニュー糖をボウルに入れ、白っぽくなるまでホイッパーでよく混ぜる。 9.薄力粉とコーンスターチをふるい入れ、よく混ぜる。 10. 沸騰した7の牛乳を少しずつボウルに入れながら、ホイッパーでよく混ぜる。 牛乳は少しずつ加えます。一気に熱い牛乳を入れると卵に火が入ってしまうので注意。 11.10を漉しながら7の鍋に戻す。 12.11を強火にかける。焦げやすいので常にホイッパーで混ぜる。 だんだん重くなってきて、もったりしてきます。沸騰して気泡が湧き出てくるようになったら、ゆっくりと混ぜましょう。重くもったりしていたのが少しサラサラと軽くなり、ボコボコと沸騰してきたら完成。 13. すぐにラップを敷いたボウルやバットに入れ、表面にもラップをする。 上からも、下からも、保冷剤などで冷やします。 14.冷ましている間にボウルの底を氷水に当て、生クリームを泡立てる。 15. 冷めたカスタードをボウルに入れ、ゴムベラを使い柔らかく戻す。 16. 14の生クリームを、15のカスタードに2回に分けて混ぜ入れる。 17. 固まったゼリーの上にカスタードを平らに流し入れ、冷蔵庫で冷やす。 18. 生クリームと砂糖をしっかり泡立て、ここで上にカスタードの上に重ねる。 アーモンドをのせる場合は、散らして完成! 大きなスプーンで取り分けたら、パーティースタートです! さっぱりしていますが、食べすぎ注意です。 ぜひ作ってみてくださいね!
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レシピ・料理

イギリスで大人気! 「バノフィーパイ」誕生の秘密と作り方
バナナとトフィーの甘い出合い 〈バノフィー(Banoffee)〉とは、〈バナナ(banana)〉と〈トフィー(toffee)〉を合わせた造語です。トフィーはキャラメルのようなもので、バナナとキャラメル、と聞くだけで、その美味しさが想像できるでしょう? このバノフィーパイの最大の特徴は、コンデンスミルクを缶ごとコトコト煮て作る、トフィーソース。このキャラメルのような甘いソースを、ショートクラストペイストリーというパイ生地、日本でいうところのタルト生地に流し、バナナを敷き詰めて、その上にコーヒー風味の生クリームをたっぷりのせる。そして仕上げに、生クリームの上に砕いたコーヒー豆をパラパラと振りかける。これが、バノフィーパイのオリジナルレシピです。 パイ誕生の秘密 さて、この大人気パイはどのようにして生まれたのでしょう? このパイが誕生したのは、1971年。ロンドンから南に下ったイーストサセックス州の小さな村、ジェビントン にある〈ハングリーモンク〉というレストランでのことでした。 店の新メニューを考えていた、オーナーのナイジェルさんとシェフのイアンさん。参考にしたのは、アメリカの〈コーヒートフィーパイ〉というものでした。そのパイをもとに、オレンジやリンゴなどを合わせて独自のパイを試作しますが、最終的に、これだ、と思ったのはバナナ。バナナがぴったりと合ったのです。 さて、この新しいお菓子を〈バノフィーパイ〉としてレストランのデザートに出したところ、これが大ヒット! それからというもの、イギリス中にバノフィーパイを模したものが出てきます。コーヒー風味の生クリームの代わりに普通の生クリームだったり、パイ生地が簡単にできるビスケットタイプだったり、上にかけてあるのが削ったチョコレートだったり。数々のバリエーションが生まれたのです。 元祖レシピの完璧な組み合わせ チョコレートを合わせるのも一見美味しそうですが、やはり、コーヒーのほうが、味がしまって美味しいです。バナナとトフィーの甘い組み合わせを、キリリと引き締めるコーヒー。コーヒーがとってもいい味を出しているのです。私はどちらでも作ったことがありますが、断然コーヒー派! コーヒーの風味があるとないでは大違いなので、ぜひオリジナルレシピのコーヒー風味で作っていただきたいです。 日本では聞きなれない〈トフィーソース〉の作り方は、コンデンスミルクの缶を、缶ごと鍋でコトコト約5時間茹でるというもの。日本でも昔は缶のコンデンスミルクを売っていましたが、最近ではチューブタイプのものしか見かけませんね。ですので、チューブから耐熱皿などに出して、オーブンで湯煎焼きする、というのが一番いい方法なのかなと思います。チューブごと茹でる方法もあるようですが、チューブの素材が茹でても大丈夫なものなのか少し心配なので、私は試したことがありません。 イギリスでは、バノフィーパイの人気を受けて、すでに煮詰まってトフィー状になったものの缶詰も売られています。これがあれば、すぐにバノフィーパイが作れる! 羨ましい限りです。 ちなみに、〈ハングリーモンク〉は惜しまれながらも2012年に閉店してしまいました。いつか絶対オリジナルを食べてみたい! と思っていたのに、残念です。 今回のレシピでは、パイの部分はビスケットで作る簡単タイプのものを、また、生クリームはコーヒー風味のものにしています。パイ部分で使うビスケットは、ティフィンの記事でもご紹介しましたが、マクビティの全粒粉ビスケットが私のお勧めです。 バノフィーパイの作り方 材料 底の抜けるタルト型(21cm) 全粒粉ビスケット……220g 無塩溶かしバター……120g コンデンスミルク……400g バナナ……3〜4本 生クリーム……400ml グラニュー糖……大さじ1 インスタントコーヒー……小さじ1(水にサッと溶けるタイプのもの) コーヒー豆の粉……適量 作り方 1. オーブンを200℃に予熱する。コンデンスミルクをオーブン焼き可能な容器に注ぎ入れ、アルミホイルを被せる。その容器を、ひと回り大きなトレイに置き、トレイの半分の高さまでお湯を注ぐ。予熱したオーブンで、約90分湯煎焼きする。 焼き時間が長いので、時々お湯の量を確認し、トレイの高さの半分を切っていたら、その都度足す。 焼き上がったら、冷ましておく。 2.ビスケットを袋に入れ、叩いて細かく砕く。もしくは、フードプロセッサーにかけてもよい。細かくなったら、溶かしバターと混ぜる。 3.タルト型に2のビスケットを入れ、スプーンの背やカップなどを使って平らにし、冷蔵庫で冷やしておく。 4.冷ましておいた、トフィー状態のコンデンスミルクをよく混ぜて、均一にする。 ☆オーブンで湯煎焼きすると、どうしても表面に膜のようなものができてしまいます。気になる方は濾すとよいでしょう。 5.冷やしておいたビスケット生地にトフィーを入れ、平らにする。 6.バナナをスライスして、たっぷりのせる。 7.生クリームとグラニュー糖、インスタントコーヒーをボウルに入れ、ボウルの底を氷水に当てながら、しっかりめに泡立てる。 8.6に7の生クリームをのせ、砕いたコーヒー豆をパラリと表面にかけたら完成。 コーヒー風味のパイですが、紅茶にも合うのが不思議。 一度食べたら病みつきになること、間違いなし! 子どもはもちろん、大人もハマる美味しさです。トフィーソースに時間はかかりますが、それ以外は簡単。ぜひ作ってみてくださいね。
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レシピ・料理

ニンジンの美味しさがたまらない〈キャロットケーキ〉
砂糖の代わりにニンジンを 日本でもカフェメニューで大人気のキャロットケーキ。イギリス生まれのこのお菓子、始まりは、砂糖の代わりに甘いニンジンを使って作られたプディング(蒸したスポンジケーキ)だったといいます。砂糖が手に入りにくかった第二次世界大戦中、イギリス政府が大々的に、ニンジンを使って作るお菓子を流行らせました。その一つが、このキャロットケーキだったとか。 キャロットケーキは一般にバターではなく植物油を使うので、ケーキ生地に軽さがあり、それでいて、しっとりとしています。味わい深いお菓子で、私も大好きです。 朝食用のマフィンに仕立てたキャロットケーキ。 イギリス生まれのキャロットケーキは、アメリカに渡ると、現在のようなクリームチーズフロスティングをたっぷり塗るスタイルに変化しました。フロスティングをのせるスタイルは、今や日本でもイギリスでも人気ですが、イギリスでは、昔ながらのバターに粉糖を混ぜただけのアイシングを施すスタイルもあります。アメリカ人はヘルシーなものが大好きといいますが、このフロスティングには砂糖がたっぷり。全然ヘルシーではないなと、作っているとついつい笑ってしまいます。 野菜たっぷりのケーキ 夏野菜のズッキーニ(左)とサトウニンジンとも呼ばれるパースニップ(右)。FotosDo/Jiri Hera/Shutterstock.com イギリスでは、ニンジンのほかにもズッキーニケーキやパースニップケーキなど、野菜を使ったお菓子が人気です。白いニンジンのようなパースニップは、欧州ではよく見る野菜ですが、日本では手に入りにくいもの。寒さに当てて甘味を増してから収穫するそうで、加熱調理するとホクホクして、イモ類のような甘味があります。よくポタージュスープにもされますが、甘味の中に、ニンジンと同じセリ科の植物らしい独特な香りが感じられます。 チョコをトッピングしたズッキーニたっぷりのマフィン。 一方、ズッキーニは日本でもポピュラーな存在で、我が家でもよくズッキーニケーキを作ります。ケーキの味を想像できないかもしれませんが、ズッキーニの味は全くしません! とてもしっとりとしていて美味しいです。ズッキーニ嫌いの私の子どもたちも大好きでよく食べてくれるので、夏になるとマフィン型で焼いてよく朝ごはんに出します。 ファーマーズマーケットの楽しみ 南の町ライで食べたキャロットケーキはクルミたっぷり! イギリスで暮らしていた頃は、キャロットケーキにはそんなに興味のなかった私。あの頃たくさん食べておかなかったのを、今は後悔しています! キャロットケーキはファーマーズマーケット(農家の市)でもよく見かけました。イギリスでは、よく週末などに地元の朝市としてファーマーズマーケットが開かれますが、新鮮な地場産の野菜や肉類、チーズなどの酪農品が並び、そぞろ歩くだけでも楽しいものです。私が住んでいたコッツウォルズ地方の村の朝市は、とってものんびりした雰囲気でした。たまにはバスを乗り継いで、この地方で有名な、ストラウド村のファーマーズマーケットに行くこともありました。地場産のオーガニック野菜やチーズ、卵といった食品のほかに、陶器や衣料も売られ、なかなかの賑わいでした。ロンドンでも、多くのファーマーズマーケットが開催されていますが、こちらはさすが、都会の朝市! とっても活気があって人も多く、ロンドンならではの洗練された雰囲気も楽しいものです。 ファーマーズマーケットの雰囲気にぴったりのキャロットケーキですが、イギリスではお店で買うより、家庭で作ることのほうが多いでしょう。イギリス菓子はもともと家で簡単に作れるものが多いのですが、本当に、ごく普通にみんな自宅で作ります。キャロットケーキはその代表格。誰でも簡単に、美味しく作れるのも、このお菓子の魅力です。では、作ってみましょう! キャロットケーキの作り方 材料(直径20cmのケーキ型) 薄力粉……120g ミックススパイス……大さじ1/2(シナモンだけでもよい)*下記参照 ベーキングパウダー……小さじ1 クルミ……50g レーズン……50g サラダ油……100ml マスコバド糖……120g(きび砂糖でもよい) 卵……2個 ニンジン……120g 〈フロスティングの材料〉 クリームチーズ……200g(室温に戻す) 無塩バター……50g(室温に戻す) 粉糖……80g *ミックススパイスについて 英国で売られている一般的な製菓用ミックススパイス(Mixed Spice)は、日本では入手が困難。手に入るものの中では、米国製の「パンプキンパイ・スパイス」がいちばん近いように思います。ミックススパイスは、文字通りスパイスを混ぜて、自分で作ることもできます。おすすめの配合は次のとおりですが、好きなようにアレンジしても結構です。 〈お手製ミックススパイス〉 シナモン、コリアンダー……各大さじ1 ジンジャー、クローブ……各小さじ1 キャラウェイシード、ナツメグ……各小さじ1/2 作り方 1.オーブンを180℃に予熱し、型にオーブンペーパーをセットしておく。 2.薄力粉、ミックススパイス、ベーキングパウダーをボウルにふるい入れ、そこに刻んだクルミとレーズンを加えて、軽く混ぜておく。 3.別のボウルにサラダ油とマスコバド糖を入れ、木べらでよく混ぜる。 4.卵を割り入れ、しっかりと混ぜる。 5.混ざったら、2の粉類を入れてさっくりと混ぜる。 6.ニンジンをチーズグレーター(なければ普通のおろし金)ですりおろして加え、さっくり混ぜる。 *ニンジンの水分が出てしまうと、水っぽくなり、生地がべたっとしてしまいます。ニンジンをすりおろして、もし水気が出てしまった場合は、水気を切ってから使用するとよいでしょう。 7.できた生地を型に流し入れ、180℃のオーブンで約40分焼く。 焼き上がったら、冷ましておく。 8.フロスティングを作っていく。クリームチーズとバターは同じくらいの柔らかさになっているのがベスト。 ボウルにクリームチーズとバターを入れ、スパチュラでしっかりと混ぜていく。 9.粉糖をふるい入れ、よく混ぜれば完成。 10.ケーキが冷めたら半分にスライスする。 11.カットした下半分の表面に、全体の半量のフロスティングを塗る。 12.上半分を重ね、その上にもフロスティングを塗る。 13. お好みでシナモンをふりかけて、完成! 密閉容器に入れて冷蔵庫で1日置くと、味わい深くなるのでおすすめです。我が家では待ちきれず、できた瞬間から食べてしまいますが、 翌日や翌々日まで残っているときは、そのほうが美味しいと、いつも思います。翌日でも美味しいし、翌々日はもっと美味しいお菓子です! ぜひ作ってみてくださいね。
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レシピ・料理

バレンタインに! 手軽に手作り〈チョコレートファッジ〉
ハリポタにも登場する定番おやつ ファッジはイギリスでは定番の、なくてはならないお菓子です。見かけはキャラメルのようですが、歯にくっつく感じはなく、口の中でスッと溶けます。キャラメルが苦手な私も好きな、紅茶やコーヒーと一緒に出されると、ついつい、あと一つ! と、手が止まらなくなるイギリス菓子です。 バニラ味の伝統的なファッジ。 伝統的なファッジはキャラメルのようなバニラ味のものですが、今はチョコレート味や、マシュマロ入り、ナッツ入り、リキュール入りなど、いろいろなバリエーションがあります。ファッジは〈ハリー・ポッター〉のお話にも出てきますし、日本の人気テレビ番組でも紹介されているので、ご存じの方もいらっしゃるでしょう。私がかつてイギリス、コッツウォルズで働いていたホテルでは、このお菓子はデザートの後、コーヒーや紅茶と共に食事の最後に出すものでした。甘いデザートの後の、甘いファッジ…。イギリス人の甘いもの好きにはいつも驚かされます。 ちょっと寄り道 語学学校時代の思い出 イギリスのミントチョコ〈アフター・エイト〉。Only_NewPhoto/Shutterstock.com ファッジのように食後に出すお菓子といえば、私が語学留学時代にアルバイトをしていた中国人経営の和食レストランでは、〈アフター・エイト〉という、ミントクリームを挟んだ薄いチョコレートを出していました。イギリスでは有名なお菓子で、日本人はこの爽快なミントクリームに好き嫌いがあるかもしれませんが、私は大好き。日本でも手に入るので、ミント好きな方はぜひ試してみてください。 ちなみに、このアルバイトは語学の実地体験の場として本当によかったと思います。語学学校では先生たちは分かりやすい英語を話してくれるので、なかなか一般の人が話す、生の英語に触れることはありません。一方、このレストランに来るのは現地のイギリス人ばかり。生きた英語、特に若者の話す英語は、早口でスラングが混じって分かりづらいものでしたが、あー、そんな言い回しもするのね……と、自分で使いこなすまではいかなくても、学ぶことができました。予約など、顧客からの電話に出なくてはならないこともあり、最初は本当にドキドキしましたが、鍛えられて度胸がつきました。また、店では、日本語を教えてほしいというビジネスマンや、家に招いてイギリス菓子を教えてくれる方など、日本好きな方たちとの出会いもあり、貴重な体験をしました。 フランスのパティスリーに美しく並ぶお菓子。 わずかながらも収入を得ると、心の余裕もできました。どんどん減っていく貯金額に恐怖を感じて、節約に徹していた日々から脱し、そのお金でさらにティールーム巡りをしたり、イギリス国内やフランス、イタリアを旅したり。語学学校で出会ったフランス人の友達とはフランスへ、イタリア人の友達とはイタリアへ。出逢いに恵まれた、かけがえのない旅の思い出です。 イタリアのお菓子屋さんはおおらかで親しみやすい雰囲気。 どこを旅しても、お菓子屋さんばかり訪ねていました。店もお菓子も、その国によって個性があって、面白いなと思いました。フランス菓子はやはり美しい! それに比べてイタリアはおおらかな印象です。 苦戦したファッジ作り さて、ファッジに話を戻しましょう。これがまた、コッツウォルズのホテルでパティシエとして働いた際に、特に苦戦したお菓子の一つでした。見たことも、食べたことも、もちろん、作ったこともないお菓子。それを、とてつもなく大きな寸胴で大量に作らなくてはならない。なのに……以前の記事でもお話ししましたが、レシピは適当! ファッジ作りの手順は、生クリーム、砂糖、バター、バニラを寸胴に入れて火にかけ、鍋から目を離さずに、煮詰め具合の色とテクスチャー(質感)を確認しつつ、ちょうどよいタイミングになったら、目分量で粉糖を振り入れながら混ぜていく、というもの。レシピはあるようでなく、とにかく自分の感覚で作るのです。お客様に出すものなので、失敗は許されません。大量の材料を無駄にできないというプレッシャーもあって、最初は本当に気の重いミッションでした。仕上がりが固すぎたり、柔らかすぎたり……。もちろん、何度も何度も作るうちに、慣れて感覚を掴むことができましたが、失敗して落ち込むことも度々ありました。というわけで、ファッジは私にとって、思い出深いお菓子の一つです。 今回ご紹介するチョコレート入りのファッジは、伝統的なバニラ味のものより、ずっと簡単に作ることができます。チョコレート自体の固まる性質を利用したレシピで、バニラ味の場合のように煮詰めなくていいので、失敗が少ないと思います。ただ、チョコレートは高温になりすぎないよう注意。チョコレートが焦げるとボソボソになってしまうので、溶かすときは慎重に、ゆっくり弱火で。そこだけは注意が必要です。 それでは、作っていきましょう! チョコレートファッジの作り方 材料(18x18cmの型) 練乳……240gチョコレート……280gバター……40g塩……ひとつまみバニラエッセンス……少々 *チョコレートは高級なものを使えばもちろん美味しくなりますが、普通のチョコレートのほうが、こういったイギリス菓子には合う気がします。ミルクかビターかは、お好みでお選びください。甘いのがお好きな方はミルクで。ミルクのほうが、若干柔らかめに仕上がります。 作り方 1.練乳とチョコレートを鍋に入れて、弱火にかける。 とにかく弱火でゆっくりと。チョコレートを高温にしないように。チョコレートが溶けたらすぐに火から下ろす。 2.1の鍋にバターと塩、バニラエッセンスを入れ、しっかり混ぜる。 しっかり混ぜると、下写真のようなツヤが出る。 3. 型にオーブンペーパーを敷き、2を流し、平らに整える。 大体きれいにならす程度でよく、そのまま固める。冷蔵庫に入れるなら1時間、常温なら4時間以上おく。 仕上がりはこんな感じ。 4.好きな大きさにカットする。 常温で1週間ほど保存が可能。冷蔵庫に入れて保存してもよいが、食べるときは口どけをよくするため、常温に戻しておくのがおすすめ。 ラッピングは、生チョコの空箱に入れたり…… 袋に入れてシールで飾ったり。ポップにしてもかわいい! ただ混ぜて冷やし固めるだけで、美味しくなる魔法のファッジ。 ぜひ作ってみてください。
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レシピ・料理

【クリスマスレシピ】サクサクふわふわの華やかケーキ〈メレンゲルーラード〉
本で見つけた気になるお菓子 メレンゲルーラードって、どんなお菓子? この名前を初めて耳にする方もいらっしゃるかもしれませんね。一言でいうと、メレンゲで作るロールケーキ。ケーキ生地の代わりにふわふわのメレンゲをシート状に焼いて、クリームとフルーツを巻き込んでロールケーキにします。 私がこのお菓子を知ったのは、まだイギリスで働く前のこと。東京にあるイギリス風のティールームで働いていたときに、当時の先輩が「この本、絶対気に入るよ」と一冊の本を貸してくれました。イギリスの田舎にあるティールームを紹介したもので、その中にこのお菓子が載っていたのです。 今でこそイギリスが大好きな私ですが、じつは当時、初めて挑んだロンドンでの語学留学がうまくいかず、敗北感を抱いていたところでした。季節が冬だったとか、理由はいろいろありますが、とにかくイギリスなんて大嫌い! と思っていたのです。それなのに、なぜかイギリス風のティールームで働くことに。イギリスに行った後だったのと、その店が私の大好きな町にあったという、単純な理由からでしたが、思えば不思議な巡り合わせでした。このティールームのおかげで今の私があると言っても過言ではありません。大嫌いと思っていたイギリスに、再び導かれることになったのですから。 集めたイギリス本の数々。今も大切にしています。 店までの毎日の通勤は、片道1時間半。電車の中で、いつも本を読んでいました。先輩に借りた本に夢中になって、次第に読むのはイギリス関連の本ばかりになりました。本に出てくるイギリスの田園風景は美しく、お菓子も素朴でとっても美味しそう! 日本では見たこともないお菓子がたくさんある。これはもう行くしかない! 本が伝える景色に魅せられ、私はそう決めました。 大都市ロンドンに行ったのが間違いだった。田舎に行けばよかったんだ! 私は再びイギリスでの語学留学を計画しました。本で紹介されているコッツウォルズ地方の数々のティールームを訪ねられるよう、コッツウォルズの中心地、チェルトナムの語学学校を調査。斡旋業者に頼んだロンドン留学の失敗に懲りて(それから節約のためにも)、自力で見知らぬ町の学校を調べ、英語もろくにできないのに入学手続きをし、学生ビザを取得しました。お金の許す限り滞在することにしたのです。 コッツウォルズでついに遭遇 花々に囲まれた、コッツウォルズらしい石造りの家。 さて、無事コッツウォルズに乗り込んだ私。語学学校の生活はとっても楽しかったのですが、この留学の一番の目的は、休日にバスを乗り継いでいろいろな村に行き、お菓子を食べることでした。夏休みなどの長い休暇には電車も使って、イギリス各地の田舎に出向きました。英語が特に好きというわけでもなく、語学力は日本の学校で培った程度。でも、乏しい英語でも頑張って話せば伝わる! という精神です。自分でもすごい行動力だと思いますが、大抵のことはなんとかなる! ティールーム巡りでは、いつもクリームティーというスコーンと紅茶のセットを注文していましたが、コッツウォルズの小さな村のティールームで、ついに見つけたのです! あの本に出てきたメレンゲルーラードを。いつか食べてみたいと思っていた、よく分からないお菓子! いつものようにクリームティーを食べた後、待望のメレンゲルーラードを注文しました。その店のものは、ヘーゼルナッツ風味のふわふわサクサクのメレンゲでチョコレートクリームをロールしてあります。ワクワクしながら一口。しかし……率直な感想は「とてつもなく甘い……!」でした。それでも、これはどうやって作るのだろう? と、興味をそそられます。メレンゲをどんな風に焼いて、ロールケーキの生地にするのだろう? その謎は解けないままでしたが、食い倒れの旅、いえいえ、語学留学を無事終えて、私は帰国の途に就きました。 コッツウォルズ、チッピング・カムデンのよく通ったティールーム。 それから1年後、ラッキーなことに、私はワーキングホリデーで再びイギリスに向かうことになりました。パティシエとして働くことになったコッツウォルズのホテルでは、イギリス伝統のお菓子を作っていましたが、その中にあったのです。あのメレンゲルーラードが! やった! ついに作り方を学べる! それまでメレンゲといえば、フワフワの卵白を泡立てたものか、焼いたらサクサクのクッキーになるものの、2種類しか知らなかった私。初めて作るメレンゲ生地に、これで焼いて大丈夫なの? と心配になりましたが、焼き上がったものは、あのティールームで食べたサクサクふわふわのメレンゲ生地そのものでした。 そのホテルでは、メレンゲ生地に無糖の生クリームとフルーツを巻き込んで、ロールケーキにしていました。ティールームで初めて食べたルーラードはちょっと甘すぎると思ったけれど、このレシピはフルーツの酸味で意外とさっぱりしています。 今でもよく作るこのお菓子。初めて食べる人は必ず感動しますので、ぜひ作ってみてくださいね! 作り方は、以前ご紹介したパブロバとよく似ています。生地がメレンゲで軽いので、たくさん食べられてしまう危険なお菓子です。ご注意くださいね。 メレンゲルーラードの作り方 材料(ロールケーキ1本分) 〈メレンゲ〉天板1枚分 卵白……4個分グラニュー糖……200gコーンスターチ……小さじ1(片栗粉で代用可)バニラエッセンス……小さじ1モルトビネガー……小さじ1(白ワインビネガーやレモン果汁で代用可) 〈トッピング〉 生クリーム……200mlイチゴなど、好みのベリー類を好きなだけ粉糖……適量 右は英国サーソン社のモルトビネガー。左はバニラエッセンス。 作り方 1.オーブンを160℃に予熱する。 2.メレンゲを作る。卵白に、分量のグラニュー糖のうち、大さじ1をまず入れて、ふんわりするまで泡立てる。 3.ふわっとしたら、残りのグラニュー糖の1/3を入れ、またツノが立つまでしっかり混ぜる。 4.3と同じように、残りのグラニュー糖を2回に分けて加え、その都度ツノが立つまでしっかり混ぜる。 5.コーンスターチ、バニラ、モルトビネガーを入れ、混ぜる。 6.混ざったら、クッキングペーパーを敷いた天板にメレンゲを流す。 天板の四隅にメレンゲを少しつけて、クッキングペーパーを貼り付けると、メレンゲを平らにしやすい。 7.スパチュラなどで平らにならす。 それほど神経質になる必要はなく、このような感じで大丈夫。大体平らになったら、160℃のオーブンで約20分焼く。 8.焼き上がり。 9.焼き上がったらすぐに、茶こしを使って、粉糖をメレンゲの表面全体にたっぷりと振りかける。 10.もう1枚のクッキングペーパー(後でこのペーパーを使ってケーキを巻く)を上にかぶせ、メレンゲ生地をひっくり返す。 底に敷いていたクッキングペーパーをゆっくりと剥がす。 11.ペーパーを剥がしたら、底面にも粉糖をたっぷりと、茶こしを使って振りかける。 メレンゲはこのまま置いておく。 12.氷水を入れたボウルにもう一つボウルを重ね、生クリームを泡立てる。 13.メレンゲ生地に(底側が上)生クリームを塗っていく。 14.好みのフルーツを並べる。 このように横1列に並べると、どこを切ってもフルーツが均等にある状態になる。 15.クッキングペーパーを使いながら、ロールケーキを作る要領でメレンゲを巻く。 16.皿に置いて、フルーツを飾り付けたら完成! ハーブの緑を添えれば、ぐっとクリスマスらしくなりますよ。今年のケーキにぜひどうぞ。
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レシピ・料理

気軽に作れる英国のおやつ〈フラップジャック〉
みんな大好き! フラップジャック イギリスの伝統菓子、フラップジャックは、子供にも大人にも愛される国民的おやつ。スーパーはもちろん、小さな売店のようなところでも売っています。オートミールが主材のお菓子で、見た目はいま流行のグラノーラバーに似ています。グラノーラバーというとヘルシーなイメージですが、フラップジャックは作ってみると、砂糖とバターがたっぷり。ヘルシーとはちょっと言い難いのですが、でもオートミールだからヘルシー、と自分に言い聞かせて食べてしまいます。とっても甘いのですが、噛むたびに味わい深く、また、ミルクティーにぴったりで、お茶が進みます。さすが、王道のイギリス菓子! です。 作り方はシンプルで、基本は、オートミールとバター、砂糖、ゴールデンシロップ(黄金色の糖蜜)を混ぜて焼くだけ。そこに、レーズンやナッツ、チョコチップ、マシュマロなどを加えるレシピもあります。洗い物も少なく、簡単なので、お子様と一緒に作って楽しめますよ。 オートミールの食べ方いろいろ 英国の伝統的な朝食。オートミールのお粥、ポリッジ。 さて、レシピをご紹介する前に、イギリスでなくてはならない食材、オートミールについて少しお話ししましょう。以前、〈メルティングモーメント〉というビスケットもご紹介しましたが、イギリスでは、オートミールがお菓子作りによく使われます。それから、朝食に食べる、オートミールを使った〈ポリッジ〉も人気のメニューです。 皆さんはポリッジ、食べたことがありますか? 日本でいうお粥みたいなものでしょうか。私はイギリスでホームステイした際に初めて食べましたが、それ以来、ゴールデンシロップたっぷりのポリッジは、お気に入りの朝食となりました。特に、寒い秋や冬の朝にミルクティーと一緒にいただくと、ほっこり温まってよいものです。ポリッジの作り方は簡単で、鍋にオートミールと牛乳、もしくはお水を入れて、数分クツクツと火にかけ、温まって、ドロッとしたら完成です。そこに、さらに牛乳を回しかけて、ゴールデンシロップをたっぷりかけていただきます。 ポリッジは我が家の娘たちの大好物でもあります。栄養もあり、鍋を使わなくてもレンジで簡単にできて、インスタントオーツという砕けたオートミールを使えば、より短時間で作れます(スーパーで購入可能)。ちなみに、アメリカ人の夫はオートミールに、レーズンやくるみ、黒糖、そして、モラセス(少し苦味のある糖蜜)を加えて作りますが、これもコクがあって美味しいです。ポリッジのレシピは特になく、作り方はいつも適当。ココアやシナモンを加えたり、ジンジャーを加えたりしても美味しいですね。ポリッジの食べ方は無限大! ぜひ、寒くなってきたら作ってみてください。ほっこり温まりますよ。イギリス式のシンプルなゴールデンシロップだけの味付けも、ぜひ挑戦してみてくださいね。 安心で美味しい手作りグラノーラ。 我が家ではグラノーラも手作りしていて、本当にオートミールはなくてはならない食材です。ちなみに、市販のグラノーラは便利ですが添加物が入っていますし(子供が好きなのでたまに買いますが)、かといって、こだわりのお店で買うとかなり高価。手作りすれば、安心で安く済むのでおすすめですよ! グラノーラも、かつて勤めていたイギリスのホテルで作っていましたが、こんなに簡単に、すぐできるのかとびっくりしたものです。こちらも手作りすれば、アレンジ無限大です。 チューイー派? ザクザク派? さて、フラップジャックの話に戻りますが、イギリス人はわりとチューイーな食感(ちょっと柔らかくて、歯にくっつく感じ)を好む人が多い気がします。が、私は断然サクサクザクザク派。歯にくっつく感じが苦手なので、ざっくりとした硬めのものが好きです。今回ご紹介するレシピはザクザクなものになりますが、ちょっと歯にくっつく感じが好き、という方は、焼き時間を少し短めにするか、もしくは、オーブンの温度を下げて焼いてみてください。 オーブンについても話すと長くなりますが、180℃といっても、オーブンによってちょっと違ったりします。え? と思うかもしれませんが、本当です。私のオーブンは火力が弱めなので、ご自分のオーブンが強めだと思う方は、指定された温度より下げて焼いてみてください。レシピを完成させる際、決めるのが一番難しいのは焼き時間だといつも思うのですが、ご自身が美味しい! と感じるのが一番。なので、焼いてみて、あれ? と思った方は、ちょっとずつ調整してみてくださいね。 イギリス伝統のゴールデンシロップ(糖蜜)については、ジンジャーブレッドの記事などで少し触れましたが、輸入食品店や製菓材料店で購入できます。入手が難しい場合はハチミツで代用も可能ですが、フラップジャックの場合、テクスチャー(質感)は同じでも味が全然違うので、ゴールデンシロップを使うことをおすすめします。 では、作っていきましょう。今回は秋らしくペカンナッツ(ピーカンナッツ)入りでご紹介します。 フラップジャックの作り方 材料(18cmx18cmの型) 有塩バター……100gきび砂糖……25g*マスカバド糖……25g*(*マスカバド糖はコクがあり美味しく仕上がるのでおすすめ。なければ代わりに、きび砂糖を50gでもよい)オートミール……180gペカンナッツ……30g(適当な大きさに刻む)ゴールデンシロップ……75g 作り方 1.オーブンを200℃に予熱する。 2.バターと砂糖を火にかけ、溶かす。 3.溶けたら火からおろし、オートミール、刻んだペカンナッツ、ゴールデンシロップを加え、ざっくり混ぜる。 オートミール全てにバターがコーティングされたらOK! 4.オーブンペーパーを敷いた型に入れる。 5.スプーンなどを使い、表面を平らにしながら、ぎゅっぎゅっと押す。 6.予熱したオーブンで約20分焼く。焼けたら、そのまま5分ほどおく。 7.5分くらい経ったら、切れ込みを入れる。ここで切っておかないと、硬くて切れなくなります! タイマーをセットしておくといいですよ。 8.完全に冷めたら、完成です。 こういうお菓子が美味しい季節になってきましたね。 たっぷりの紅茶と召し上がれ! ●グラノーラ作りにご興味のある方は、こちらをご参照ください。混ぜて焼くだけ!簡単ヘルシー!手作りグラノーラ Homemade granola! - YouTube
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英国のティールームの人気者 ビクトリアスポンジ
ビクトリア女王が好んだケーキ イギリス伝統のビクトリアスポンジは、近頃、日本でも少しずつ見かけるようになってきました。バラの庭でのアフタヌーンティーをご紹介した前回の記事でこのケーキを取り上げましたが、今回は作り方をお教えしますね。 日本ではビクトリアケーキともいわれていますが、イギリスでは、ビクトリアスポンジ、もしくは、ビクトリアサンドイッチと呼ばれます。ビクトリア、といえば、思い浮かぶのは19世紀にイギリスを治めたビクトリア女王。このケーキはその名のとおり、大英帝国の発展を支えた偉大な女王が好んだものといわれています。 その素敵な名前とは裏腹に、ビクトリアスポンジはなんともシンプルなケーキです。スポンジケーキを2枚焼いて、その2枚でラズベリージャムを挟むだけという、信じられないほどのシンプルさ。ですが、とっても人気のあるケーキで、私もおもてなしの際に何度もお出ししていますが、なぜか特に男性受けがとてもいいのですよ。 ちなみに、スポンジといっても、日本のふわふわしたショートケーキのスポンジとは別物で、生地はしっかりとしています。ビクトリアスポンジのスポンジ部分は、焼き菓子の定番であるバターケーキと同じく、バター、砂糖、卵、粉、が同量、というレシピ。作り方も、泡立て器で卵を泡立てることはせず、木べらで混ぜるだけです。イギリスのケーキにふわふわしたものはほとんどない、といってもよいでしょう。イギリスのケーキはとにかくどっしりしていて食べ応えがあり、そして、紅茶によく合うものばかりです。 日本のショートケーキは、ふわふわで口溶けのよいスポンジに、スッととろける生クリームが美味しさの魅力だと思いますが、イギリス人にしてみたらふわふわすぎて、何だこれは? と戸惑うのではないでしょうか。とはいえ、最近、イギリスでもふわふわした食パンも出てきましたし(それでも日本の軽さとは比較にならないですが)、軽い食感も人気になってきたのかもしれません。イギリスの一般的な食パンはドライで硬く、トースターでカリカリにして食べるのが美味しく、私もそのカリカリが大好きです。私の食感の好みはどうもイギリス人に近いようで、例えば、日本で人気のシフォンケーキは食べた気にならないので、あまり好みではありません。 大切な3つのルール さて、ビクトリアスポンジを作る上で、シンプルなケーキだからこそ私が大事にしている3つのルールがあります。まずは、スポンジについて。ビクトリアスポンジはスポンジ2枚でジャムを挟むと言いましたが、このスポンジは2枚焼きます。どういうこと? と思われる方もいるかもしれません。日本では一つのケーキを焼いて半分に切ってサンドするのが一般的ですが、イギリスではサンドイッチティンという2枚セットの浅いケーキ型があって、これを使います。この型は、じつに優れもの。このセットを使って2枚同時に焼けば、ケーキをカットする手間が省けるし、焼き時間も短くできます。合理的なイギリス人らしさが表れている焼き型です。 2枚セットの浅い焼き型、サンドイッチティン。Amanda J Jackson/Shutterstock.com そして、何よりサンドイッチティンの素晴らしいところは、焼けてカリッとした面が、スポンジ2枚の上下で、合わせて4面もできること。これによって、1枚の高さのあるスポンジを半分に切る場合より、食感がよりしっかりとしたものになります。というわけで、私のビクトリアスポンジ、1つ目のルールは〈スポンジを2枚焼く!〉。しっかりと焼けている食感のほうが、絶対に美味しいからです。サンドイッチティンは日本にはありませんが、普通の型を2つ用意すれば大丈夫です(今回は100円均一の店で購入したものを使用しました)。 Jiri Hera/Shutterstock.com 2つ目のルールは〈ラズベリージャムだけをサンドする!〉です。バタークリームや生クリームを一緒に挟むレシピもあって人気ですし、最近ではレモンカードを挟むレシピもあるようです。要は好みの問題ですが、私はとにかく、ラズベリージャムだけ、というのがシンプルで好きです。 そして最後、3つ目のルールは〈上にかけるのはグラニュー糖!〉です。表面に粉糖をかけるレシピもあるのですが、私は断然グラニュー糖派。シンプルなケーキに、ちょっとジャリッとした食感が加わって、アクセントになります。 さあ、あとはミルクティーがあれば、幸せなティータイムが待っています。それでは、作っていきましょう。 ビクトリアスポンジの作り方 材料(直径12cmのケーキ型 2つ分) 無塩バター……65gきび砂糖……65g卵……1個薄力粉……65gベーキングパウダー……小さじ1/2 ラズベリージャム……適量グラニュー糖……適量 作り方 1.オーブンを170℃に予熱する。ケーキ型にオーブンペーパーを敷く。バターを木べらで柔らかくする。木べらがなければスパチュラを使ってもOK。 2.砂糖を加えて白っぽくなるまで混ぜる。 3.溶いた卵を少しずつ加え、その都度しっかりよく混ぜる。 卵が全部入ったところ。 4.薄力粉とベーキングパウダーをふるい入れる。 5.木べらでさっくりと混ぜる。 6.用意しておいた2つの型に均等に入れ、170℃のオーブンで20~30分焼く。 7.焼けたらそのまま冷ましておく。 8.冷めたら型から外し、1枚のスポンジの表面にジャムを塗る。 9.もう1枚のスポンジをのせ、表面にグラニュー糖を振りかける。 出来上がり! お好きな茶器に紅茶をたっぷり入れて、ティータイム。 ぜひ皆さんも、このシンプルなレシピ、マスターしてくださいね。
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【花咲く庭のおもてなし】イギリス仕込みのアフタヌーンティー
自宅の庭で開く特別なお茶会 テーブルセッティングも特別に。 みなさん、こんにちは。先日、とっても素敵なお庭でアフタヌーンティーをする機会をいただいたので、その様子をご紹介します。 ホテルでのアフタヌーンティーも素敵ですが、自宅でわいわい、友達を呼んで楽しむお茶が、私は大好きです。今回、私はサンドイッチと焼き菓子をたくさん用意して、集まってくれた友人に、イギリス仕込みの本格的なアフタヌーンティーを楽しんでもらうことにしました。とはいえ、スコーンをはじめ、お菓子は私がこれまでご紹介してきたものがほとんど。ご家庭で気軽に焼いていただけるものばかりです。イギリスののどかな田園地帯のホテルやティールームで出されるような、伝統的なアフタヌーンティーです。 バラの見頃はまだ先でしたが、‘ジャクリーヌ・デュ・プレ’(左)や‘マダム・ポンパドール’(右)がお客様をお出迎え。写真/萩尾昌美 アフタヌーンティーに出されるものの基本は、サンドイッチ、スコーン、それからお菓子を数品です。今回は贅沢に、9品を準備。たくさんのお菓子を用意するのはちょっと大変ですが、段取りを組んで準備すれば、当日は案外スムーズに進められます。そのコツをお教えしますね。 準備した9品 〈サンドイッチ 3品〉きゅうりサンド・卵サンド・サーモンサンド 1762年に発明されたという、サンドイッチ。カードを楽しんでいた第4代サンドイッチ伯爵が、プレイしながらその場で食べられるように、パンに肉を挟んで出すよう頼んだことから生まれたといわれています。今回のサンドイッチは基本的な3種。ハーブを挟むなど味にアクセントをつけると、ぐっと美味しくなりますよ。サンドイッチの作り方のコツは、この後、ご紹介します。 〈焼き菓子 6品〉 焼き菓子は、これまでガーデンストーリーでご紹介したレシピ、もしくは、ちょっとアレンジを加えたレシピで作れるものばかりです。まだご紹介していないものは、今後レシピを公開しますので、乞うご期待! スコーン&チーズスコーン プレーンのスコーンにはイチゴジャムとクロテッドクリームを添えて。 イギリスでお茶といったら、スコーンは外せません。今回はプレーンなスコーンと、甘くない食事感覚のチーズスコーンを用意しました。スコーンのレシピはこちら。中はふわっ、外はカリッ、のスコーンが楽しめますよ。 ●イギリスのお菓子代表、スコーン!【The Pudding Party Tomoのイギリス菓子便り】 チーズスコーンのレシピは、近いうちに公開しますので、お楽しみに。 コーヒー&ウォルナットケーキ イギリスではティールームの定番として人気の高いケーキ。コーヒーとクルミのこっくりした味わいが魅力です。バターと粉糖を使ったアイシングに、イギリスらしさを感じます。 ●紅茶党のイギリス人も大好き コーヒー&ウォルナットケーキ【The Pudding Party Tomoのイギリス菓子便り】 ラベンダーショートブレッド 日本でも大人気のショートブレッド。今回は、下記の基本レシピを少しアレンジして、ラベンダーがほのかに香るものにしてみました。日本ではあまり馴染みがないと思いますが、イギリスではラベンダーを使ったビスケットやケーキが結構あります。このラベンダーショートブレッドは基本のレシピにラベンダー2gを加えたものですが、ラベンダーは好みが分かれるので、心配な方は基本レシピでどうぞ。 ●自分へのご褒美に、贈り物に、大人気のショートブレッド【The Pudding Party Tomoのイギリス菓子便り】 キャラウェイシードケーキ こちらもイギリスらしい一品。ヨーロッパでよく使われるスパイス、キャラウェイシードの風味が珍しいかなと思い、ラインナップに加えてみました。 ●キャラウェイシードの香りを楽しむシードケーキ【The Pudding Party Tomoのイギリス菓子便り】 ビクトリアスポンジ こちらもイギリスのティールームの定番ケーキ。スポンジ生地にラズベリージャムを挟んだシンプルなケーキですが、その素朴さが魅力です。こちらも、近いうちにレシピを公開しますので、お楽しみに! これ以外にも、いままでにご紹介したお菓子をお好きに組み合わせていただければ嬉しいです。例えば、イチゴが美味しい季節のお茶会なら、パブロヴァもおすすめ。ふわふわのメレンゲと真っ赤なイチゴが目を引き、テーブルが華やぎますよ。 ●真っ赤なイチゴが輝くパブロヴァ 【The Pudding Party Tomoのイギリス菓子便り】 お茶会準備の秘策 さて、美味しそうなお菓子のラインナップですが、こんなに作るの? と圧倒されてしまう方も多いかもしれません。でも、大丈夫です。これらを1日で作るとなると大変ですが、じつは、私が当日に作ったのはサンドイッチだけ。ほかは、数日前に徐々に作って、冷凍してしまいます。あまり知られていないと思いますが、お菓子屋さんも、毎日毎日、フレッシュなものを、あんなにたくさん用意しているわけではありません。冷凍をうまく活用しているのです。焼き菓子はもちろん、ムースなどもある程度のところまで作って、朝は仕上げをしてカットする、といった感じ。ですので、皆さんもお菓子を冷凍してみましょう。もちろん、よりフレッシュなものを用意したいということなら、品数を減らして、前日や当日に焼いて準備するのもよいですね。 準備の手順 今回どのように準備をしたか、手順をお教えします。 1.スコーン、チーズスコーンを焼く。冷めたらジッパーバッグに入れて冷凍(1週間〜10日くらい保存可能)。 2.ビクトリアスポンジを作る。ラップでくるみ、ジッパーバッグに入れ、冷凍(1週間〜10日くらい保存可能)。 3.2〜3日前にショートブレッドを焼き、密閉容器に入れ保存(シリカゲルを入れれば2週間は保存可能)。 4.2日前に、キャラウェイシードケーキ、コーヒー&ウォルナットケーキを焼く。どちらもラップをして、常温保存(暑い時期は冷蔵)。 5.前日に、コーヒー&ウォルナットケーキのアイシングを仕上げて、カバーをかけて常温保存(暑い時期は冷蔵)。 冷凍している菓子をすべて、常温で解凍する。 6.当日の朝、サンドイッチを作って冷蔵保存する。 ケーキ類をカットしてラップしておく。スコーンは少し焼き直してからお出しする。 私にとっては、集中すれば2日くらいですべて焼き上げられる量ですが、今回は普段の家事や仕事、子どもの世話と並行しながら、少しずつコツコツ焼きました。みなさんもご自分のペースで取り組んでみてくださいね。 サンドイッチは、朝のうちに仕上げておけばバッチリ。しかし、お出しするまでの、冷蔵保存のコツがあるので、準備の様子を交えながらご紹介しますね。 サンドイッチの作り方のコツ きゅうりは薄くスライスが鉄則。 まずは、きゅうりのサンドイッチ。アフタヌーンティーに、きゅうりのサンドイッチは外せません。アフタヌーンティーは1840年、第7代ベッドフォード公爵夫人によって始められたといわれますが、当時のきゅうりは温室で栽培するため、とても貴重なものだったようです。きゅうりサンドは最高のおもてなしだったのかもしれませんね。 私の作り方は、薄くスライスしたきゅうりを、マヨネーズを塗ったパンに重ね、塩胡椒をする、というもの。それだけなのですが、あのシャキシャキ感がたまらなく、私の中ではサンドイッチといえばきゅうり! ちなみに、きゅうりを薄くスライスするにはスライサーが一番。今はスライサーをお持ちの方も多いと思うのですが、私は昔、仕事中にバッサリ……という流血事件がトラウマなので、包丁で薄く切っています。スライサーをお持ちの方は、ぜひスライサーを使ってくださいね。 最初に仕上げたきゅうりのサンドに、水で濡らしてキュッと絞ったキッチンペーパーを被せ、重ねます。次に作った2つ目のサンドをその上に乗せ、その2つ目にも、濡らしたキッチンペーパーを被せておきます。 さて、次はサーモン。サーモンといえばディル! そしてコショウを少々…。今回はこんな感じに仕上げましたが、ピンクペッパーを使っても美味しいですね。 サーモンサンドもきゅうりサンドの上に積み重ね、同じように濡らして固く絞ったキッチンペーパーを被せておきます。 最後は、卵サンド。今回は卵サンドにチャービルを一緒に挟みました。でも、ディルを使ったり、きゅうりを一緒に挟んでしまったり、わたしはその時々で、いろいろ変えて楽しんでいます。自宅でお茶をするときは、好きなものを作って楽しむのが一番! 皆様も、お好きなサンドイッチを作ってくださいね。でも、きゅうりはマストです! さて、すべて仕上がったら、きゅうりサンドからカットしていきます。 出来上がったサンドイッチを重ねておいたのには、理由があります。重さでしっかりとくっついて、切りやすくなるのです。 三角にカットしたら、また先ほどかけておいた、濡れたキッチンペーパーを被せ、その上からラップをしておきましょう。あとは、サーブする時まで冷蔵保存です。 テーブルセッティングは美しく 高さのあるケーキスタンドは重宝します。 さて、食べ物の準備はこれでOK。当日は、お客様がいらっしゃる前にテーブルセッティングをします。 まず、お菓子やサンドイッチを置く場所を決めておきます。カラスなどの心配がなければ、お菓子を盛り付けて、ラップをしておくのもいいかもしれません。お菓子は出した瞬間から乾燥していくので、ラップを外すのは直前にしましょう。 もし、揃いのティーセットがあれば、ぜひこの機会に使ってみてください。とっておきのティーセットを使えば、優雅な気分になりますよ。ホテルでは、アフタヌーンティーはよく3段のケーキスタンドでサーブされますが、お家のお茶会はそこまで凝らなくても大丈夫。大皿に形よく盛り付けてみてくださいね。 庭の花も飾って、これで完璧! 素敵なティーパーティーの始まりです! さあ、お客様がいらっしゃったら、お茶を入れ、スコーンを温め、サンドイッチを並べましょう。お茶は、ぜひミルクティーをお試しください。 お腹いっぱい、幸せいっぱい! 楽しいおしゃべりはエンドレス。 アフタヌーンティー、大成功でした!
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しっとりどっしり、味わい深いジンジャーブレッドケーキ【The Pudding Party Tomoのイギリス菓子便り】
じつはスパイス好きなイギリス人 ジンジャーブレッドと聞くと、クリスマスのクッキーを思い浮かべる方が多いかもしれません。私も毎年クリスマスの時期になると焼きますが、ジンジャーを使った、クッキー以外のお菓子も大好きです。ちょっとピリッとくる、ジンジャーならではの風味を存分に楽しめるお菓子の一つが、このジンジャーブレッドケーキ。硬めに焼くジンジャークッキーとは違って、しっとり、そして、どっしりとした、いかにもイギリスらしいケーキで、見た目は素朴だけれど、スパイス使いの奥深さを感じる美味しさです。 ジンジャーはよく使われるポピュラーなスパイス。mama_mia/Shutterstock.com イギリス人はスパイス好きな人が多い気がします。お菓子作りにはシナモンはもちろんのこと、ミックススパイス(mixed spice)もよく使われます。ミックススパイスとは、名前の通り、いろいろなスパイスを混ぜ合わせたもので、クリスマスプディングやジンジャーブレッド、りんごのケーキなど、さまざまなお菓子に使われています。イギリスで売られているミックススパイスの多くは、シナモン、コリアンダー、キャラウェイシード、ナツメグ、ジンジャー、クローブのブレンドですが、私はよく自分で適当にブレンドして使っています。それぞれの粉末状スパイスをただ混ぜればいいだけなので、難しいことはありません。私のブレンドは、シナモンを全体の半量、あとは、カルダモン、ナツメグ、クローブをそれぞれ少々、といった具合です。なお、日本でもミックススパイスという名の商品が売られていますが、それらはクミンなどもブレンドされた、中華料理やインド料理用のもので、イギリスの製菓用とは異なりますのでご注意ください。 甘くてスパイシーなステムジンジャー(ショウガのシロップ漬け)。Sarah Marchant/Shutterstock.com 今回注目するジンジャーも、イギリス人がよく使うスパイスの一つです。イギリス人はジンジャーの風味をお菓子や料理にうまく取り入れ、使いこなしていると思います。お菓子作りにはステムジンジャーという、ショウガのシロップ漬けもよく使われますが、これは瓶詰めのものがスーパーで一般的に売られています。例えば、フレッシュなルバーブやプラムなど、酸味のあるフルーツにこのステムジンジャーを加えてお菓子を焼いたり、ジャムを作る時に加えたり。ジンジャーの辛みのある風味によって味がしまり、美味しさがアップします。 ジンジャーブレッドケーキがくれたご縁 誕生会のケーキ。上にステムジンジャーとチョコレートがたっぷり。 さて、私がイギリスに語学留学していた頃のこと。ある友達が、ステイしていたお家にたくさんの友人を招いて、私の誕生会を開いてくれました。その時、そのステイ先のママが私のために焼いてくれたバースデーケーキが、チョコレートとジンジャーのケーキでした。チョコレートケーキにステムジンジャーがたっぷりとのっていて、私にとっては初めて目にする、驚きの組み合わせ。ねっとりと甘くてピリリと辛いステムジンジャーは、ケーキ生地にももちろん入っていて、味のアクセントとなってとても美味しかったのを覚えています。 じつは、そのお宅に初めて遊びに行った時に、ママお手製のジンジャーブレッドケーキをいただいて、ひどく感動し、興奮したことがありました。そのときママはご不在でしたが、後で友達から私の喜びようを聞くと、そのレシピをプレゼントしてくれました。そんなことがあったので、ママは私の誕生会にもジンジャーのケーキを焼いてくれたのです。 そのときのレシピは、今も大切にしまってあります。ママとはいまだに交流していて、時折「これ、美味しかったわよ!」と、レシピを送ってくれたりします。とてもアクティブで明るいママで、昔、ティールームを開いていたことがあると話していました。お家で本当によくお菓子作りをされていて、私のイギリス菓子へのパッションは、彼女の影響もあります。 イングランド南東部、美しいライの町並み。Helen Hotson/Shutterstock.com ジンジャーブレッドケーキとそんな幸せな出合い方をした私は、それからというもの、ティールームめぐりでジンジャーブレッドを見つけるたびに食べていました。中でも、ライという小さな村のパブで食べたものはとっても美味しくて、よく覚えています。私が働いていたホテルで出していたジンジャーブレッドも、パンチが効いていて気に入っていました。 イギリス菓子に欠かせない糖蜜 アメリカのモラセス(左)と、イギリスのブラックトリークル(右)。 ジンジャーブレッドケーキにはさまざまなタイプがありますが、私が好きなのは、とってもしっとり、どっしりしていて、ジンジャーがしっかり効いているものです。これは昔ながらのタイプのジンジャーブレッドで、糖蜜(トリークル、treacle)が大量に入っています。 今回のレシピには、イギリスのブラックトリークル(black treacle/右の缶)という、どろりとしていて黒っぽい色の、少し苦味のある糖蜜と、ゴールデンシロップという、イギリスのお菓子作りに欠かせない、さらりとした黄金色の糖蜜の2つを使います。 イギリスのブラックトリークルは個人輸入しないと日本では手に入らないのですが、それに似た、アメリカのモラセス(molasses/左の瓶)は、輸入食品店やネット通販で購入できます。ゴールデンシロップも同様に、輸入食品店やネット通販で入手可能です。 砂糖はブラウンシュガーを使います。きび砂糖などでも代用できますが、私はマスコバド糖というものを使っています。よりコクがあって、美味しく仕上がるので、もし手に入るようならこちらをおすすめします。 今回ご紹介するレシピは、しっとりとした食感を出すために、何度も試作を重ねた末に完成したレシピです。焼く前は、大丈夫かな? と心配してしまうくらい、ダラダラの水のような生地ですが、それで大丈夫です。低めの温度でじっくり焼くのがポイントです。 このジンジャーブレッドケーキは、いつもご紹介しているイギリス菓子と同様、見た目の華やかさはありません。でも、食べたら味わい深くて、また食べたい! と思うお菓子ですよ。 ジンジャーブレッドケーキの作り方 材料(21cm x 8cm x 6cmの焼き型) 〈ケーキ〉 バター……50gモラセス……100gゴールデンシロップ……50g(蜂蜜で代用可)マスカバド糖……50g(きび砂糖で代用可)牛乳……120ml卵……1個薄力粉……100gシナモン……小さじ1/2コリアンダー……少々ナツメグ……少々クローブ……少々ジンジャー……小さじ1重曹……1g 〈アイシング〉 o 粉糖……50go レモン汁……小さじ2 作り方 1.オーブンを170℃に予熱する。 2.バター、モラセス、ゴールデンシロップ、マスカバド糖を鍋に入れ、弱火にかけて溶かす。溶けたらすぐ火から下ろして、冷ましておく。 3.2が人肌くらいに冷めたら、別のボウルに移して牛乳を入れ、混ぜる。 4.溶いた卵を入れて、混ぜる。 5.粉類(薄力粉、スパイス、重曹)をふるい入れ、さっくりと全体によく混ぜる。このとき、少し粉がダマのように残っていても大丈夫。 6.型に入れ、170℃のオーブンで約1時間焼く。 7.中心に串を刺してみて、何もついてこなければ完成。型に入れたまま、十分に冷ます。 8.アイシングを作る。粉糖とレモン汁をスプーンでよく混ぜる。 9.ケーキが冷めたら、アイシングをかけて完成。 完成といっても、じつはケーキの食べ頃は数日後! 待てない我が家ではあっという間に無くなりますが、数日間かけて、味わい深くなる様子を観察するのもおすすめです。秋から春にかけては、ラップをして常温で保存。2、3日後が食べ頃です。夏は冷蔵庫で保存しましょう。スパイスを使った焼き菓子は、時間をおくと味がなじんで美味しくなるので、ぜひお試しください。 紅茶と一緒にいただくと美味しい、味わい深いお菓子です。 気に入っていただけたら嬉しいです。
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手軽で美味しさ抜群 スコットランド発祥の「チョコレートティフィン」
チョコレート大好きの英国人 ヨークの有名ティールーム〈ベティーズ〉にて。素敵な特製チョコレートがたくさん! チョコレートが街に溢れるこの季節。チョコレート好きとしては嬉しい限りです。イギリス人はチョコレートが大好き、というのは以前にもお伝えしましたが、私がかつて働いていた、イギリス、コッツウォルズのホテルでは、この時期になると〈チョコホリック(チョコレート中毒)〉というイベントが行われていました。コース料理のすべてにチョコレートを使うというイベントで、もちろん、数種類のデザートもすべてチョコレート! チョコレートアイスクリーム、チョコレートムース、チョコレートタルト、温かいチョコレートプディングなどチョコレート三昧の盛り合わせという、なんとも夢のような(でも想像すると、ちょっとくどいような)イベントです。 チョコレートトリュフやチョコレートタルト、お家で〈チョコホリック〉パーティはいかが? 私はデザート担当だったので、あいにく料理のすべてを見る機会はありませんでしたが、ステーキなどの肉料理にチョコレートソースは意外に合うので、皆さまにもぜひ挑戦していただきたいなと思います。それから、イギリスではキャセロールという、さまざまなタイプの煮込み料理があるのですが、そういったものにもチョコレートが使われていました。コッツウォルズの冬はとても寒いので、お客様の数は夏のハイシーズンの半分以下になります。だから、集客のためにこういったイベントが催されたのだと思いますが、なかなか面白く、人気のあるイベントでした。 英国王室でも人気のチョコレートティフィン ビスケットのサクサクが美味しいチョコレートティフィン。 さて、今回ご紹介するチョコレートティフィン。なんだか可愛らしい名前のお菓子ですが、オーブンで焼く必要もなく、冷蔵庫で固めるだけなので、フリッジケーキ(冷蔵庫ケーキ)とも呼ばれています。このチョコレートティフィンはスコットランド発祥といわれています。英国王室のウィリアム王子もお好きなようで、ロイヤルウエディングでも振る舞われたとか。 でも、作り方はいたって簡単。砕いた全粒粉のビスケットとレーズンに、バターとチョコレートを溶かしたものを混ぜて、型に入れ、さらに上から溶かしたチョコレートをかけて、冷蔵庫で冷やし固めるだけ。子どもでも気軽に作れる、失敗のないお菓子です。 表面のチョコレートはパリッとして、その下で、ビスケットのサクサクと、レーズンのほんのりした酸味や甘味、それから、ビスケットの軽い塩気が一体となって、素晴らしいハーモニーを奏でるというこのお菓子。ついつい止まらなくなりそうですが、かなりボリュームがあります。紅茶やコーヒーのお供に、ぜひどうぞ。 全粒粉ビスケットといえば、やっぱりマクビティ。Stephen Plaster/Shutterstock.com 今回使った全粒粉ビスケットは、マクビティ社の、イギリスでもとっても人気のものです。私もイギリスでよく同社の、チョコレートコーティングされたダイジェスティブビスケット(全粒粉ビスケット)を買っていました。程よい塩気とザクザク感が最高なのです。ちなみにマクビティ社はスコットランドで創立された会社で、英国王室御用達となっています。 日本で売っている個包装されたパッケージはイギリスでは見たことがなく、あちらでは大容量のビスケットが一つのパックにぎゅっと収まっているスタイルが一般的。多分、日本だと湿気てしまうから、そのパッケージはできないのだろうなと思います。 もしもマクビティ社のビスケットが見つからなくても、全粒粉ビスケットは製菓材料店などで販売されているので、そちらで大丈夫です。チョコレートも高級なものを使う必要はありません。イギリスでもティフィンは家庭で作るお菓子なので、お好きなチョコレートで気軽に作りましょう。ここではイギリスの定番チョコレート〈カドバリー〉のミルクチョコレートを使いましたが、こちらもお好きなものをお使いください! 今回は子どもと一緒に作れる簡単なお菓子なので、我が家の子どもたちにも手伝ってもらいました。では作っていきましょう! チョコレートティフィンの作り方 材料(18x18cmのバット) *容器のサイズは目安です。器が小さければチョコレートが厚く、大きければ薄くなるだけなので、大体のサイズでOKです。 全粒粉ビスケット……200gレーズン……70g (お好みでクランベリーなど、ほかのドライフルーツに変えてもよい)無塩バター……180gミルクチョコレート……100gゴールデンシロップ……大さじ2ココア……大さじ2 *ゴールデンシロップはイギリスではお菓子作りに欠かせない、サトウキビから作られた糖蜜で、輸入食品店や製菓材料店で購入できます。蜂蜜で代用可能。 〈コーティング用〉 ミルクチョコレート……200gホワイトチョコレート……40g(飾り用なので、なくてもよい) 作り方 1.全粒粉ビスケットをジッパーバッグなどに入れ、麺棒で叩く。あまり砕きすぎず、塊が残っているくらいのほうがいい。 2.無塩バター、ミルクチョコレート、ゴールデンシロップ、ココアを湯煎で溶かす(耐熱性のガラスか陶製のボウルに入れて、電子レンジにかけてもOK。様子を見ながら数秒ずつ加熱する)。 3.2のチョコレートにレーズンとビスケットを入れ、全体を混ぜる。ビスケット全体にチョコレートがかかればよい。 4.オーブンペーパーを敷いた型に3のビスケットを入れ、スプーンの背などでぎゅっと押さえて平らにし、冷蔵庫に入れておく。 5.コーティング用のチョコレートを湯煎で溶かす(電子レンジでもOK)。ホワイトチョコレートも使う場合は、別々に溶かす。 6.4の型を冷蔵庫から出し、上から5の溶かしたミルクチョコレートを流し、平らにする。 7.その上に5の溶かしたホワイトチョコレートを、スプーンを使いながら適当に流す。 爪楊枝でくるくるしながら、適当に模様をつけて、 冷蔵庫で2時間ほど冷やし固めて完成。 8.カットする際はナイフをお湯や火で温めて、ゆっくりと押しながら切ると切りやすい。 出来上がり! せっかくなので、表面が見えるようにラッピング。 大人な感じも素敵ですが、ポップにたくさんのハートのスパンコールと一緒に袋に入れても。 今年のバレンタインにぜひ作ってみてください!





















