イギリスのプディングの美味しさをもっと多くの人に知ってもらいたいと活動する、イギリス菓子研究家、パティシエ。ル・コルドン・ブルー横浜校にて菓子ディプロムを取得。英国コッツウォルズのスリーウェイズ・ハウス・ホテルにてイギリス伝統菓子作りの腕を磨く。
〈The Pudding Party Tomoとイギリス菓子作り〉 https://youtube.com/channel/UCV1hGcG5t0SELBBiuJ1GqBA
The Pudding Party Tomo -イギリス菓子研究家/パティシエ-
イギリスのプディングの美味しさをもっと多くの人に知ってもらいたいと活動する、イギリス菓子研究家、パティシエ。ル・コルドン・ブルー横浜校にて菓子ディプロムを取得。英国コッツウォルズのスリーウェイズ・ハウス・ホテルにてイギリス伝統菓子作りの腕を磨く。
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レシピ・料理

特別なおもてなしに クイーン・オブ・プディングス【The Pudding Party Tomoのイギリス菓子便り】
偉大なるエリザベス女王 2022年6月のロンドン。エリザベス女王の誕生日パレードに集まった人々。Watcharisma/Shutterstock.com クイーンといえば、エリザベス女王。今年は〈プラチナジュビリー〉と呼ばれる、女王の在位70周年を祝う記念の年で、英国は大盛り上がり。イギリス国内だけでなく、日本でも各地のホテルでお祝いの特別なアフタヌーンティーメニューが楽しまれていました。しかし、そんな中、女王が亡くなられるというニュースが。とてつもないショックで、日本にいる私も少し落ち込んでしまいました。イギリスはきっと、今までのイギリスではなくなってしまうと……。 ロンドンのレストランで開かれたプラチナジュビリーを祝うアフタヌーンティー。女王モチーフのお菓子が可愛い。Kelly Chow/Shutterstock.com 国民から愛されていた偉大なエリザベス女王を偲びつつ、今回は「クイーン」という名がついたプディング、クリーン・オブ・プディングス(Queen of Puddings)をご紹介します。といっても、このお菓子はエリザベス女王と何の関係もありませんが。「プディングの女王」という名前の由来は分かっていませんが、その華やかな見た目からついたのでは、といわれています。 パン粉を使った伝統のプディング 一見すると、作るのが大変なように思われるかもしれませんが、材料はいたってシンプルです。パン粉を使ったカスタードプディングのような生地の上に、ラズベリーやストロベリーなどベリー系のジャムを塗り、その上にメレンゲをのせて焼きます。 ちょっと待って! パン粉? と驚いた方も多いかもしれませんが、イギリスではパンを使うお菓子がいくつかあります。以前にブレッド&バタープディングをご紹介しましたが、その昔、パンは高級品でした。貴重なパンの残りも美味しく食べたいと、作られたお菓子なのでしょうね。ちなみにこのレシピ、焼いてしまうと、パン粉の感じは全くなくなるのでご安心を! 今回、久しぶりに作ったこのプディング。久しぶりすぎて、食べてみるまで、どんな食感になるのだっけ? とワクワクが止まりませんでした。 修行の日々を送ったコッツウォルズの〈スリーウェイズ・ハウス・ホテル〉。 このプディングに出合ったのは、コッツウォルズのホテルでパティシエとして働いていたときのことです。普段のメニューにはないけれど、イベント用に提供されることになり、忙しいヘッドシェフが自ら作りながら、私に教えてくれたのです。イギリス修行時代、いろいろあってとても大変な毎日を送っていましたが、ヘッドシェフは寡黙で一番の働き者。忙しくても取り乱して怒り出すこともなく、本当に尊敬できるシェフでした。私にとってこのプディングは、そんな思い出がよみがえるお菓子です。 コッツウォルズに暮らしていた頃、近所で見かけたイルミネーション。 さて、パン粉を使うこのプディングですが、イギリスのパン粉は、日本のパン粉とかなり質が異なります。日本のものより粒子が細かく、サラサラの粉のような質感です。日本風のパン粉は、イギリスでは〈PANKO〉という名で売られていたのを見たことがあります。 イギリスで働いていたときは、いつも余り物の堅くなったパンを取っておいて、必要になるとフードプロセッサーで粉砕し、サラサラの粉状のパン粉を作っていました。日本のパン粉も、フードプロセッサーにかければ同様の粉状になりますが、そのまま使っても大丈夫です。今回は、日本のパン粉をそのまま使い、作ってみましょう! クイーン・オブ・プディングスの作り方 材料(1.4リットル入るオーブン皿1つ分) 〈生地〉 牛乳……600mlバター……50gレモンの皮……2個分卵黄……4個分グラニュー糖……30gパン粉……150g 〈ジャム〉 ラズベリージャム……140g 〈メレンゲ〉 卵白……4個分グラニュー糖……150g 作り方 1.鍋に牛乳、バター、レモンの皮を入れ、ふつふつとするまで温め、バターを溶かす。 2.ボウルに卵黄を入れ、グラニュー糖を加えて泡だて器でよく混ぜる。 3.2の卵黄のボウルに、1の鍋で温めた牛乳を加える。このとき、泡立て器で絶えずかき混ぜながら加えていく。 4.型にバター(分量外)を薄く塗り、パン粉を広げて入れる。 5.4の型に、3の牛乳液を漉しながら入れる。そのまま15分ほどおいて、パン粉に水分を吸わせる。その間にオーブンを170℃に予熱する。 6.15分経ったら、予熱したオーブンで20分焼く。 7.生地を焼いている間にメレンゲを作る。ボウルに卵白を入れ、ふんわりするまで泡立てる。 8.ふんわりとしたら、150gのグラニュー糖のうち、ひとつかみくらいをまず入れ、また泡立てる。 9.またふんわりとしたら、残りのグラニュー糖の約1/3の量を入れ、泡立てる。この作業をあと2回ほど繰り返す。 10.砂糖の全量が混ざり、しっかりとしたメレンゲになったところ。 11.生地の焼き上がり。焼き色はついていないが、中心部分まで火が入っている。真ん中を押してみて、ふんわりとしていれば大丈夫。 12.ラズベリージャムを全体に塗る。次に、オーブンを今度は180℃に予熱する。 13.メレンゲをのせていく。 14.全体に広げたら、スプーンの背やフォークなどで、ツンツンと角を立てると可愛い仕上がりに(絞り袋に入れて、絞ってもよし)。予熱したオーブンで18分ほど焼く。 15.メレンゲ全体に色がついたら完成!(焼き時間は目安) 熱々で食べても、冷めてから食べても! 私は熱々よりも、冷めてから生クリームをかけて食べるのが好きです。 ふわっとしたメレンゲに、プリンのようなスポンジ。きっと病みつきになること、間違いなし! クリスマスはもちろん、人が集まる年末年始のデザートにもぴったりですので、ぜひ作ってみてくださいね。
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レシピ・料理

紅茶党のイギリス人も大好き コーヒー&ウォルナットケーキ【The Pudding Party Tomoのイギリス菓子便り】
コーヒーとクルミの素朴なケーキ コッツウォルズにある私のお気に入りのティールーム。美味しそうなケーキが並びます。 寒くなってきて、温かいミルクティーが美味しい季節になりましたね。今回は、そんなミルクティーにぴったりの、クルミをたっぷり使ったイギリス菓子をご紹介します。 イギリスでは、クルミを使ったお菓子や料理はとても身近なものです。バナナケーキに入れたり、リンゴのケーキやクランブルに入れたり、それから、チーズなどと合わせて料理にも使われます。そんなクルミを使ったお菓子の中でも代表的なのが、このコーヒー&ウォルナットケーキです。 コーヒー味と聞くと、コーヒーのほうが合うのでは? と思いますが、コーヒー風味のバターアイシングと香ばしいクルミの風味が、紅茶によく合います。このバターアイシングというのは、いわゆるバタークリームですが、メレンゲを使って作る舌触り滑らかな洗練されたバタークリームではなく、粉糖とバター、そして、濃く入れたコーヒーやコーヒーエッセンスを混ぜ合わせた、シンプルなものです。溶けきらない粉糖による、その少しざらざらとした舌触りも、このちょっと田舎くさいケーキの魅力の一つです。 英国ティールームの三大定番ケーキ 左がヴィクトリアスポンジ、右がレモンドリズルケーキ。 コーヒー&ウォルナットケーキはイギリスで人気が高く、スーパーマーケットでも売られていますし、もちろん、ティールームでも定番のケーキです。以前にもお話ししましたが、イギリス人は定番が好き。どこに行ってもあるケーキといえば、まず、スポンジ生地にラズベリージャムを挟んだヴィクトリアスポンジで、ヴィクトリアサンドイッチと呼ばれることもあります。基本はシンプルにジャムだけを挟みますが、一緒にバターアイシングや生クリームを挟む場合もあります。次に、レモン汁と砂糖を合わせたレモンシロップを生地の上から染み込ませる、レモンドリズルケーキ。爽やかなレモンの風味がたっぷりのケーキです。そして、コーヒー&ウォルナットケーキ。この3つは英国のティールームで欠かせないケーキです。 もっとも、イギリス人だけでなく、日本人も定番が好きかもしれませんね。私がかつて働いていたケーキ屋でも、圧倒的人気はショートケーキとモンブランでした。私は仕事柄、日本にいると定番よりも、ちょっと変わった組み合わせのものを選びがちですが、イギリスにいた頃は、イギリス人のようにいつも、この定番のケーキたちかスコーン! という感じでした。 手前右側がコーヒーのアイシングにクルミをトッピングしたコーヒー&ウォルナットケーキ。 さて、このコーヒー&ウォルナットケーキですが、大抵は2段重ねの丸いホールケーキの形で作られます。コーヒー風味のスポンジの上にコーヒー風味のバターアイシング、さらにスポンジを重ね、一番上にもたっぷりとバターアイシングをのせて、クルミを飾って完成、という形。このケーキを焼く時に使うのが、サンドイッチティンという、高さのない焼き型です。日本では通常、こういった、何かを挟んでスポンジを重ねるケーキは、高さのあるスポンジを焼いてから横半分に切りますが、イギリスでは、このサンドイッチティンを使って薄いケーキを2枚焼いて、重ねます。この焼き型を使えば半分に切る手間もなく、さらに、1枚1枚が薄いので、焼き時間も短くて済みます。なんて効率のいい焼き型! ですが、このサンドイッチティンを持っているのは、おそらくかなりのイギリス菓子マニアだけと思うので、今回はトレイベイクという、もっと手軽に焼けるスタイルでご紹介します。もし、通常の丸い型で厚く焼く場合は、焼き時間を調整してくださいね。 切り分けやすいトレイベイクはパーティーにぴったりのスタイル。 今回ご紹介するトレイベイクは、バットなどのトレイで1枚に大きく焼いた生地の上に、アイシングやクリームを塗って仕上げるスタイルです。生地を半分にスライスする手間もなく、生地を重ねる手間もなく、切り分けやすいので、私はよく作ります。イギリスでも、イベントやパーティーなど、人が集まる場でよく作られます。ご家庭でも手軽に作れるので人気です。それでは、作っていきましょう! 材料(29x23cmのトレイ1枚分。同じようなサイズのトレイなら大丈夫です) 〈ケーキ生地〉 無塩バター……225g(常温で柔らかくしておく)粉末の黒糖……75gきび砂糖……150g卵……4個コーヒーエッセンス……大さじ2(インスタントコーヒー大さじ3と、お湯大さじ2を混ぜたもので代用可)薄力粉……210gベーキングパウダー……小さじ2クルミ……80g(ざっくりと刻んでおく) 〈アイシング〉 無塩バター……80g(常温で柔らかくしておく)粉糖……200g牛乳……小さじ1コーヒーエッセンス……小さじ2(インスタントコーヒー小さじ3と、お湯小さじ2を混ぜたもので代用可) 飾り用クルミ……適量 コーヒーエッセンスはコーヒーの香りづけに使われるもので、製菓材料店で入手できますが、代わりにインスタントコーヒーとお湯を混ぜたものを使用しても大丈夫です。写真は、私が使ったコーヒーエッセンス。イギリスにいた頃はCAMP社のエッセンスを使っていました。 作り方 1.オーブンを180℃に予熱する。型にオーブンシートを敷く。 2.バターをボウルに入れ、砂糖を入れて、木べらで白っぽくなるまでしっかり混ぜる。 3.溶いた卵を少しずつ入れ、その都度しっかり混ぜる。 4.コーヒーエッセンスを入れ、しっかり混ぜる。 5.薄力粉とベーキングパウダーを合わせて、ふるい入れ、さっくり混ぜる。 6.薄力粉が混ざりきる前に、刻んだクルミを入れ、さっくり混ぜる。 7.できた生地を用意したトレイに流し入れ、180℃のオーブンで約40分焼く。 8.焼き上がり。冷ましておく。 9.アイシングを作る。ボウルに柔らかくしておいたバター、ふるった粉糖、コーヒーエッセンス、牛乳を入れ、混ぜる。コーヒーの味は、味見をしながら好みに仕上げてもOK。 10.ケーキが冷めたら型から外し、アイシングを上に塗る。スプーンの後ろやパレットなどで塗って模様をつけても素敵。 11.飾り用のクルミをお好みでのせて完成。 ミルクたっぷりの温かい紅茶と召し上がれ!
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レシピ・料理

秋のリンゴを楽しむイブズ・プディング
料理用リンゴ〈ブラムリーアップル〉 私の秋はリンゴで始まります。毎年インターネットで注文している〈ブラムリーアップル〉というイギリス生まれのクッキングアップル(料理用のリンゴ)が届くと、秋が来たなと思うのです。ブラムリーアップル(または、ブラムリー)の話をすると長くなりますが、少しご紹介したいと思います。 イギリスには、生食用のリンゴのほかに、加熱して使う料理用のリンゴというものが存在します。その代表がブラムリー。見た目は大きな青リンゴのような感じですが、一番の特徴は、生では食べられないくらいの強い酸味と、火にかけるとなめらかに煮溶ける、ということでしょう。イギリスでは、私が暮らしていた田舎の村の小さなお店でも手に入るくらい、一般的なリンゴです。 ブラムリーアップルの花。長野県小布施町では4月末から5月初めに開花します。写真提供:ブラムリーファンクラブ そのブラムリーを日本で手に入れることができるということを知ったのは、10年ほど前、私がイギリスから帰国してまもなくのことでした。友人が、長野県の小布施町で作られていると教えてくれたのです。今では日本でもだいぶ知られてきましたが、当時、ブラムリーの存在はほとんど知られていませんでした。 そんな頃に出会ったのが、ブラムリーを広めようとブログで発信する、ブラムリーファンクラブの皆さんです。ブラムリーとはどんなリンゴなのか、歴史や産地を紹介したり、イベントを開催したり、とにかく熱量がすごい方たちで、彼女たちの活動があったからこそ、こんなに広まったのではないかなと思っています。ご興味のある方は、ぜひブログをご覧になってくださいね。 ブラムリー誕生の物語 小布施町の〈小布施屋〉前で栽培されているブラムリーの木。青い実がいっぱい。写真提供:ブラムリーファンクラブ イギリスでブラムリーが生まれたのは200年ほど前のこと。1809年、ノッティンガムシャー州のサウスウェルという町で、メアリーアンという少女が庭にリンコの種を播いたことに端を発します。その実生の一つが、のちに素晴らしい実をつけ、そのことに気づいた地元ガーデナーのメリーウェザー氏が品種登録をしたことから、次第に広まっていきました。ブラムリーという名前は、その時に、このリンゴのある家を所有していたブラムリー氏に由来します。正式名称は〈Bramley’s Seedling(ブラムリー氏の実生)〉というのだそうです。 一人の少女が庭に播いた種から生まれたという、このブラムリー誕生の話を聞くだけでワクワクしてしまいます。ブラムリーは、庭用の植物として優れた品種に与えられる、英国王立園芸協会のガーデンメリット賞を受けた、とても育てやすいリンゴで、今ではイギリス中の庭で作られています。自分の庭にブラムリーがあるなんて、私には夢のような話ですが、日本では、気候の合う長野県や北海道で栽培されています。 料理のアクセントにも 信州サーモンの押し寿司。薄切りのブラムリーが甘酢ショウガのような感じで酢飯の間に挟まれています。写真提供:ブラムリーファンクラブ ブラムリーファンクラブの方が、ブラムリーの魅力を教えてくれました。 「イギリスに200年の物語のあるリンゴ、ブラムリーは、日本のリンゴ産業にクッキングアップルという新たなジャンルを開きました。私たちは〈リンゴスイッチ〉と呼ぶのですが、ブラムリーを知ることで興味のスイッチが入り、日本で入手可能な珍しい品種を探したり、新たな調理方法を探したりと、皆がリンゴに夢中になってしまいます。ブラムリーは、人と人をつなぐ不思議なリンゴなのです」 帆立貝のソテー、ブラムリーのピクルス添え。ブラムリーの爽やかな酸味を楽しみます。写真提供:ブラムリーファンクラブ ブラムリーは、クッキングアップルという名の通り、イギリスではスイーツのほかにも肉料理のソースなど、幅広い料理によく使われていますが、日本のブラムリーの産地でも、その酸味を生かした料理が開発されています。ブラムリーは、シェフが思わず研究したくなる、面白い素材のようです。 リンゴがとろけるイブズ・プディング さて、今回はこのブラムリーを使ったイブズ・プディング〈Eve‘s pudding〉をご紹介したいと思います。アダムとイブの、イブの名前が付いているのは、リンゴを使う美味しいデザートだからでしょうか。温かくてほっこりとする、イギリスらしいプディングです。カリッとした表面の下は、ふわふわのスポンジ。スポンジの下のほうはリンゴで少しトロッとしていて、一番下には煮溶けたリンゴが待っています。一つで何層もの異なる食感が楽しめるプディングです。 19世紀、ヴィクトリア朝のデザートについて記した “A YEAR OF VICTORIAN PUDDINGS”という本にも、同じ名のプディングのレシピがあるのですが、この頃はオーブンがなかった時代で、今とはだいぶ様子が違います。「パン粉、スエット(牛脂)、カレンツ、卵、砂糖、ナツメグを混ぜ、プディング型に入れて2時間ボイルする。甘いソースと一緒に召し上がれ」とあり、蒸して作るクリスマスプディングに似ているのかな、と思います。 今回は、オーブンで焼く、現代版のイブズ・プディングを作ります。ブラムリーアップルがなければ、紅玉やグラニースミスなど、酸味のある品種のリンゴで代用するとよいでしょう。その場合は、リンゴを先に鍋で少し煮てから型に入れましょう。 イブズ・プディングの作り方 材料(容量1.5リットルの型) ブラムリーアップル……約450g きび砂糖(グラニュー糖でも可)……70g 〈ケーキ生地〉 無塩バター……100g きび砂糖(グラニュー糖でも可)……100g 卵……2個 薄力粉……100g ベーキングパウダー……小さじ1 レモンの皮……1個分 〈仕上げのオプション〉 アーモンドスライス……適量 グラニュー糖……適量 作り方 型にバターを薄く塗り、オーブンは180℃に予熱しておく。 リンゴの皮をむき、スライスする。 スライスしたリンゴを型に入れ、70gのきび砂糖を入れ、全体にまぶしておく。 常温に戻したバターを柔らかくし、木べらを使って100gの砂糖をしっかりと混ぜる。 溶いた卵を少しずつ入れ、その都度、しっかり混ぜていく。 薄力粉とベーキングパウダーを振るい入れ、さっくりと混ぜる。 レモンの皮をすりおろして入れ、さっくりと混ぜる。 ③のリンゴの上に、できたケーキ生地をのせて平らにならす。 お好みでアーモンドスライスを上に散らし、予熱したオーブンで約40分焼く。 焼き上がり。お好みでグラニュー糖を適量ふりかける。 私はたっぷり生クリームをかけていただくのが好きです。ギリシャヨーグルトを添えるのも、さっぱりとしておすすめです。
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自分へのご褒美に、贈り物に、大人気のショートブレッド
スコットランド生まれの焼き菓子 イギリスのお菓子といえば、スコーンとショートブレッド。でも、正確に言うと、ショートブレッドはスコットランド発祥のお菓子です。赤いタータンチェックのパッケージで有名な〈ウォーカーズ〉も、スコットランドの小さな村にある老舗メーカー。1898年の創業以来ずっと変わらない、伝統のレシピを守って作り続けています。 いまやショートブレッドはお茶菓子の定番として広まり、イギリスのスーパー各社も自社ブランドで製造販売しています。イギリスに暮らしていた頃は、身近にありすぎて食べそびれてしまいましたが、次に渡英の機会があれば、ぜひ食べ比べてみたいもの。チャールズ皇太子が手がけるオーガニック食品のブランド〈ダッチー・オリジナルズ〉の品は、とっても美味しかったのを覚えています。 ショートブレッドは、バターたっぷりでとってもリッチなお味。分厚く焼いたその食感は、普通のビスケットとは違って特別感があり、その特別感ゆえに、イギリスではチョコレートと並んで贈答用として高い人気があります。高級スーパーに行けば、いつでもステキな缶に入ったショートブレッドが並んでいて、特に、家族の集まるクリスマス時期には贈り物に重宝されます。 暖炉の前でお茶を イギリスの冬は暗くなるのも早く、寒いので、家で過ごすことが多くなります。お茶の時間を大事にするイギリス人にとって、たっぷりの牛乳を入れた温かいミルクティーに、小皿にのせたビスケットという組み合わせは、ティータイムにマストのもの。暖炉に火を入れ、間接照明をつけて、ブランケットを膝にかけて、お茶をする。これこそ、イギリス流の冬の過ごし方です。ホームステイをしていた時も、ワーキングホリデー中に仕事仲間とお家をシェアしていた時も、少し時間が空くと、そのように過ごしていました。思い出していたら、なんだかしみじみ。暖炉ってやっぱりいいなあ、欲しいなあ、と思ってしまいます。 女王も愛したシンプルな美味しさ さて、話は戻って、ショートブレッド。 ショートブレッドはその特別感から、作るのが難しそうに思えますが、なんと材料は4種類のみ。薄力粉、砂糖、バター、塩と、とってもシンプルです。シンプルな分、素材の味がダイレクトに伝わるので、いつもより上質な材料を使うなど、こだわってみるのもおすすめです。 ショートブレッドの形はいくつかありますが、日本でいちばん知られているのは、長方形に穴がプツプツある「フィンガー」形でしょう。イギリスでは、型抜きしたものもよく見かけます。もう一つの伝統的な形は「ペチコートテイル」と呼ばれるもの。ホットケーキみたいな大きな円形にのして、フォークや指を使ってフリルのような縁飾りを付けて焼き、放射状にカットします。16世紀のスコットランド女王、メアリー1世は、この形のショートブレッドが大好きだったといわれています。 今回は、フィンガー形をご紹介しましょう。生地をのして、冷蔵庫で休めて、包丁でカットしたら、フォークで穴をあけるだけ。特別な型も必要なく、手軽に作れます。おうちで家族と食べるなら、これで十分。お友達にも、手作りのショートブレッドをプレゼントできたら最高ですね! それでは、作っていきましょう! ショートブレッドの作り方 材料(約12枚分) 有塩バター……110g(常温に戻す) グラニュー糖……55g 薄力粉……170g 塩……ひとつまみ(私はフランス産の「ゲランドの塩」を愛用) 仕上げ用グラニュー糖……適量 作り方 常温に戻したバターをボールに入れ、木べらなどで均一になるよう混ぜる。 *電子レンジで柔らかくしてもよいですが、溶かさないように要注意。 グラニュー糖を入れ、全体的に白っぽくなるまでしっかりと混ぜる。 白っぽくなったところ。 薄力粉と塩を入れ、木べらでさっくりと混ぜる。 上写真のような状態になればよい。 3のようになったら、手でひとまとめにする。 ラップで包み、めん棒を使って厚さ1.5cm程に伸ばす。 この時、形は特に気にしなくても大丈夫。丸みが出たら、端を切り落とせばOK。形よりも厚さが重要です。 このまま冷蔵庫で30分ほど休ませる。 オーブンを180℃に予熱する。休ませていた生地を冷蔵庫から出し、包丁で好きな大きさにカットして、フォークで穴をあける。 自宅用なら、形もそこまで気にすることはありません。もちろん、お店のように仕上げたければ、定規を使ってカットしてくださいね。 天板にオーブンペーパーを敷き、7を並べ、予熱したオーブンで20~25分焼く。 ショートブレッドは色をつけないで焼くほうがいいのですが、私はいくらかしっかりと焼くのが好きなので、端っこがほんのり色づくまで焼いています。焼いてみて、お好きな焼き加減を試してみてください。 焼き上げたら、すぐにグラニュー糖(分量外)を適量振りかけ、冷ましたら完成! お店のように仕上げたい時は、焼いた後すぐに、膨らんで歪(いびつ)になった部分をカットしてください。 大好きな本とたっぷりのミルクティーを用意したら、もうイギリス気分。 気づくと何枚も食べてしまうから危険です!(私はこの時、カロリーを考えないようにしています……) それでは、皆さま、楽しいお茶のひとときを。 Credit 写真&文/The Pudding Party Tomo イギリスのプディングの美味しさをもっと多くの人に知ってもらいたいと活動する、イギリス菓子研究家、パティシエ。ル・コルドン・ブルー横浜校にて菓子ディプロムを取得。英国コッツウォルズのスリーウェイズ・ハウス・ホテルにてイギリス伝統菓子作りの腕を磨く。 〈The Pudding Party Tomoとイギリス菓子作り〉 https://youtube.com/channel/UCV1hGcG5t0SELBBiuJ1GqBA





















