イギリスのプディングの美味しさをもっと多くの人に知ってもらいたいと活動する、イギリス菓子研究家、パティシエ。ル・コルドン・ブルー横浜校にて菓子ディプロムを取得。英国コッツウォルズのスリーウェイズ・ハウス・ホテルにてイギリス伝統菓子作りの腕を磨く。
〈The Pudding Party Tomoとイギリス菓子作り〉 https://youtube.com/channel/UCV1hGcG5t0SELBBiuJ1GqBA
The Pudding Party Tomo -イギリス菓子研究家/パティシエ-
イギリスのプディングの美味しさをもっと多くの人に知ってもらいたいと活動する、イギリス菓子研究家、パティシエ。ル・コルドン・ブルー横浜校にて菓子ディプロムを取得。英国コッツウォルズのスリーウェイズ・ハウス・ホテルにてイギリス伝統菓子作りの腕を磨く。
〈The Pudding Party Tomoとイギリス菓子作り〉 https://youtube.com/channel/UCV1hGcG5t0SELBBiuJ1GqBA
The Pudding Party Tomo -イギリス菓子研究家/パティシエ-の記事
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レシピ・料理

具はジャムだけ!? 日本人が驚くほど地味だけどクセになる英国菓子「スイスロール」
不安になるほど地味だけどクセになる英国菓子「スイスロール」 スイスロールというシンプルなイギリス菓子。レトロでもありますし、今もお茶菓子として人気のお菓子。多くのイギリス人にとっては懐かしの味かもしれません。このお菓子、スポンジ生地でジャムを巻いただけというシンプルさ。 ふわふわでフルーツやクリームたっぷりの美味しいロールケーキをたくさん食べている日本人にとっては、これが完成系なの?? と不安になってしまうような地味な見た目、シンプルすぎる味。ですが、これがイギリス伝統のお菓子! という感じで、ミルクティーをお供にすると癖になってきます。 私はイギリスのホテルで働いていた時、このスイスロールをたくさん作っていたのですが、そのままお客様にお出しする用ではなく、違うお菓子に使うためでした。 そのままでは出さない!? 老舗ホテルの料理イベント“プディング・クラブ” 私がかつて働いていたイギリス・コッツウォルズ地方にあるホテル。 私が働いていたホテルは、イギリス伝統のお菓子を大切にしていて、毎週末、夕食後に7種類のプディングを食べ比べる“Pudding club”というイベントを行っていました。 その7種類のうち、夏以外は、温かいプディングを6つ、冷たいプディングを1つ用意していました。夏は逆に冷たいプディングを5つ、温かいプディングを2つ用意していました。その冷たいプディングの中に定番で、「シャルロット」というお菓子を作っていました。 断面を見せてゴージャスに!「シャルロット」や「トライフル」に大変身 この「シャルロット」とは、プディング型の周りに薄く切ったスイスロールを敷き詰め、ムースを詰めて固めたお菓子のこと。日本の煌びやかなお菓子に慣れている私にとっては、なんだかなあ……という見た目でしたが、このシャルロットが一番、イベントの中では映えていました。他のプディングは控えめな印象だったことから、派手な見た目で目立ったのかもしれません。 それ以外には、以前ご紹介したトライフルにも使われることがあります。トライフルに使う時も、ロール生地の断面を見せるように使うと、いつもとは違った見た目になってゴージャスになりますよ! ふわふわのメレンゲでクリームとイチゴを巻く魅力的なお菓子「メレンゲルーラード」もイギリスのロールケーキの一つ。 材料はたった3つ! 本場流はバターなしで作る「ジェノワーズ」 このスイスロールというシンプルなお菓子の生地は、お菓子作りが好きな方なら知っている、定番の生地「ジェノワーズ」です。ジェノワーズを作ることができれば、もうあとはお好きなジャムを巻くだけです。ただ、日本のジェノワーズはバターが入ることが多いですが、私がイギリスで作っていたものは卵、砂糖、薄力粉のみでした。いろいろなレシピを見ても、イギリスではバターなしのものが多いように思います。 ちなみに、ジェノワーズにバターを入れると、コクが出るのはもちろん、生地がパサつきにくくなり、ふんわりとした柔らかさが持続します。 なので、イギリスで作っていたものは、日本のものと比べると、しっかりとしたかみごたえのある生地で、少し乾燥した生地でした。それが逆に、紅茶に合うのかなと思います。 それでも、重めのバター生地が多いイギリスでは、ふわふわの部類に入るジェノワーズのお菓子は貴重な存在! それも人気の理由の一つなのではないかと思います。 ちなみに、使うジャムはイチゴやラズベリーなどのベリー系が人気ですが、レモンカードなども美味しいですよ。 スポンジが「灰色」に!? イギリスと日本の決定的な食材の違い 一度、語学学生時代に、当時イギリスに住んでいた日本人の友達に日本のようなショートケーキを作りたいから教えて欲しい! と頼まれ、教えたことがあります。ショートケーキといえば、ジェノワーズ生地。 まだイギリスでのお菓子作りをしたことがなかった当時、知らなかったことがありました。それは、材料の違いです。特にイギリスと日本の卵のは違うのです! イギリスの卵は日本の卵のように黄身が黄色くありません。なので、できたスポンジケーキがなんだか白というか灰色に(ちなみに、スクランブルエッグなども、白っぽく出来上がります)。全然美味しそうじゃありませんでした。見た目の色って大事なんですね。日本に帰国した時に、今度は逆に卵の色の濃さにびっくりしました。 そして、小麦粉も全然違うため、なんだかふわふわというよりは弾力があり、生クリームもすぐにボソボソになってしまうのです。本当に頑張って作ったのに、思い通りにはいかなかったのです。友達はそれでも日本風のお菓子の完成に、とっても喜んでくれて、ホッとしましたが、こんなにも材料が違うのかと思い知った出来事でした。イギリスでのパティシエ修行をする前の懐かしい思い出です。 気張らずさっと作るのが本場流! 失敗を恐れず楽しむイギリスの家庭菓子 ということで、同じレシピ、同じ手順で作っても、どうしてもイギリスのものとは別のものができてしまいます。イギリスから帰国してすぐの頃は、イギリスと同じように作りたい! と思ってあれこれとチャレンジしましたが、どのように作っても、完全に一緒にはなりません。最近では、私が美味しい! と思えるのが一番だなぁと思って、レシピを作っています。 失敗することもありますが、私がご紹介しているイギリス菓子はイギリスの家庭菓子。家族や友達、もちろん自分も美味しいと思えて、気を張らずに、さっと作ってみんなで食べるということがイギリスの家庭菓子の原点。あまり深く考えず、楽しく作って、みんなで美味しくいただくのが一番かなと思っています。 それでは作っていきましょう! スイスロールの作り方 【材料(26.5×37.5cmの天板1枚分)】 卵 3個 グラニュー糖 75g 薄力粉 75g お好みのジャム(私はイチゴを使用) 適量 天板の大きさは機種によって違うと思いますが、おおよそ26.5×37.5cmなら、上の量で大丈夫です。 もし、天板の面積が約2/3なら卵2個、グラニュー糖50g、粉50gというように微調整してください。 なお、同じ天板で卵4個、砂糖、粉100gで焼くと、もう少しボリュームのあるロールケーキになります。焼き時間は少し変わるので、調整してみてください。 ◾️スイスロールの作り方手順 天板にオーブンシートを敷いて用意しておく。オーブンは200℃に予熱する。 2. ボウルに卵とグラニュー糖を入れ、そのボウルを湯煎にかけて卵と砂糖を人肌くらいに温める。その時、常にホイッパーで混ぜるのを忘れないように。 人肌くらいまで温まったら、湯煎から外す。 3. 湯煎から外したら、ハンドミキサーに持ち替え、高速で泡立てる。 ハンドミキサーを持ち上げると、リボン状に落ちてくるくらい、もったりしたらOK。そのくらいもったりしたら、今度はハンドミキサーを低速にして、2分くらい回し、キメを整える。 4. 薄力粉を振るいいれ、ゴムベラで粉気がなくなるまで、さっくりと混ぜる。 5. 用意していた天板に流し、平らに整え、天板の底を2回ほどパンパンと叩いて、大きな空気の穴を消す。 予熱していたオーブンで10分焼く。 その間に、ティータオルの上に生地がのる大きさのオーブンシートを広げ、グラニュー糖(分量外)をふりかけておく。 6. 焼き上がり。表面を優しく触って、跳ね返ってくるようなら焼き上がりです。 焼きすぎると、お煎餅のように弾力があって、巻けなくなるので注意してください。 7. 焼き上がったら用意しておいたティータオルとオーブンシートの上に、ひっくり返す。 8. 上側に貼り付いたオーブンシートをゆっくりと剥がす。 9. 下に敷いたオーブンシートごと生地を巻いて、ティータオルで包んで生地を冷ます(このようにすると、ロール作業時に生地が割れづらくなる)。 10. 生地が冷めたら、巻いていた生地を開いて、お好みのジャムを全体に塗る。 11. ロールケーキを作る要領で、生地をしっかりと巻く(この時、オーブンシートを巻き込まないように!)。 12. お好みの厚さに切って完成! ぜひ、ミルクティーと一緒に手作りスイスロールを味わって、花咲く季節を楽しんでください。 ちなみに、シャルロットを作りたい場合、適当な大きさのボウルにラップを敷いて、薄めにスライスしたスイスロールを敷き詰め、以前ご紹介したパッションフルーツのムースを中に詰めて一晩冷やし、固まれば完成です。 ぜひ組み合わせて作ってみてくださいね!
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レシピ・料理

バレンタインに手作り! 黒ビール×クリームチーズで作る「泡まで美味しい」大人のケーキ
イギリスのカフェで人気の黒いケーキとは ギネスケーキ? ギネスってあの黒いビールの? そうです。あの有名なギネスビール入りのケーキというものが、イギリスにはあるのです。厳密にいえば、アイルランド発祥のお菓子なのですが、イギリスのカフェなどでもよくメニューにある、人気のケーキです。 野菜のズッキーニが入ったマフィン。今度ご紹介しますね! ビール入りのお菓子があったり、ズッキーニ入りのお菓子があったり、イギリスのお菓子って日本人の感覚からすると大丈夫なの?? という不思議な組み合わせのお菓子がありますよね。想像できない味。 でも大丈夫です。全然ビールの味はしませんよ! 言われなければ気が付かない、ちょっとほろ苦いチョコレートケーキです。 今回ご紹介する「チョコレートギネスケーキ」スポンジが真っ黒。 ただ、じつはこのケーキ、びっくりする量のお砂糖が入っています。普段からお菓子作りをしている私も、え? 本当に? 間違ってないよね?? と何度も確認してしまうくらいの量。 それでも甘さを感じず、少しほろ苦いくらい。そして、見た目も真っ黒! ギネスの黒、ギネスの苦味。ココアの苦味。今までにない、コクなんです。 表面にたっぷりとクリームチーズのフロスティングを乗せて、甘さと苦味のハーモニー! これは美味しくないわけはありません。 砂糖の量は見なかったことにしておきましょう。正直、甘いものが苦手な方にもおすすめできるケーキです。 クリームチーズのフロスティングをビールの泡に見立てて作るのがポイントですよ! だんだんとケーキ自体がギネスビールに見えてくるから不思議です。 アイルランドのギネスビールとお祭り Ronin83/Shutterstock.com アイルランドといえば、1759年創業の国民的黒ビール「ギネス(Guinness)」。アイルランドで最も飲まれているパブに欠かせない飲料です。 あのクリーミーな泡は本当に美しいと思います。もちろん日本でも人気があり、スーパーなどでも気軽にギネスが購入できますよね。 そして、アイルランドといえば、もう1つ、3月17日に祝われるアイルランドの祝日「セントパトリックデー(St. Patrick's Day)」。最近では日本でも「セントパトリックデー」が少しずつ盛り上がってきている気がします。 セントパトリックデーは、町中が緑色に染まります。s8/Shutterstock.com 聖パトリックがアイルランドにキリスト教を伝えた日とされ、それを讃えてお祝いする日。みんなアイルランドを象徴する緑色を身につけ、お祝いやパレードに出かけます。 三つ葉のクローバー、シャムロックは聖パトリックが三位一体を人々に説く時に使ったとされていて、シンボルになっています。 パブでは緑色のビールが提供されたりしているらしいですが、美味しいのでしょうか? 美味しいほうが絶対いい派の私は、こういう時、挑戦しないタイプなのです。 チョコレートギネスケーキの作り方 3月のセントパトリックデーにはもちろん、バレンタインにもおすすめのこのケーキ、ぜひ作ってみてくださいね! 甘いものが苦手な方にもぜひ食べてほしいスイーツです。 【チョコレートギネスケーキの材料(直径15cm)】 無塩バター 125g ギネスビール 125g ココア 40g きび砂糖 180g サワークリーム 80g 卵 1個 バニラエクストラクト 大さじ1/2 薄力粉 180g 重曹 小さじ1 【フロスティングの材料】 無塩バター(室温に戻しておく) 50g 粉糖(振るっておく) 50g クリームチーズ(室温に戻しておく) 100g バニラエクストラクト 少々 ■ チョコレートギネスケーキの作り方 1. オーブンを180℃に予熱し、型にオーブンペーパーを貼り付けておく。バター、ギネスビールを鍋に入れて火にかけ、バターを溶かす。 2. 火を止め、砂糖とココアを入れ、よく混ぜ溶かす。 3. ボウルにサワークリーム、卵、バニラを入れ、よく混ぜる。 4. 3のボウルに2のココア液を入れ、混ぜる。 5. 4に薄力粉と重曹を振い入れ、ホイッパーでさっくりと混ぜる。 6. 最後にゴムベラに持ち替え、さっくりと混ぜ、用意した型に流し入れる。予熱しておいたオーブンで約45分焼く。 7. 竹串を刺してみて、何もついてこなければ焼き上がり。冷ましておく。 8. ケーキを冷ましている間に、フロスティングを作る。全ての材料をボウルに入れ、ハンドミキサーでよく混ぜる。滑らかに混ざったら完成。 9. ケーキが冷めたら、ケーキの上にフロスティングをのせて出来上がり! ずっしりと重そうに見えるのは色だけで、意外と軽い味わいのケーキ生地に仕上がります。そこに、ふわふわのフロスティングが乗ることで案外ペロリと食べられる、危険なケーキ。我が家の娘たちもビール入りとは全く気づかなかったので、ビールが苦手な方でも美味しくいただけるちゃうケーキです。いつもとは違ったチョコレートケーキが食べたいなと思ったら、ぜひ作ってみてくださいね!
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レシピ・料理

イギリスのクリスマスに「絶対になくてはならない」お菓子! 魅惑のミンスパイの作り方
イギリスのクリスマスに欠かせない伝統菓子「ミンスパイ」 Michael Ting/Shutterstock.com イギリスの「ミンスパイ(Mince Pie)」は、クリスマス時期に欠かせない伝統菓子です。名前に“ミンス(挽き肉)”とありますが、近年はお肉は入らず、スパイスが香るドライフルーツが詰まったパイです。 中に入っている「ミンスミート(mincemeat)」は、レーズンやカランツ、リンゴ、オレンジピール、シナモン、ナツメグ、クローブなどのスパイスをブランデーやラムで漬け込んだ、ジャムのようなフィリングです。 語学学校のクリスマスパーティーで出されたミンスパイ。おそらく、スーパーで購入したもの。イギリスでは手軽に買えますが、自家製が絶対に一番美味しい! かつて中世では、本当に牛や羊のひき肉+ドライフルーツ+スパイスを混ぜた甘塩っぱいパイでしたが、18〜19世紀を境に肉が抜け、現在の甘いお菓子に変化しました。 お茶の時間に出てきたり、ホームパーティーでお皿に山盛り置いてあったり、スーパーにも大量に並びます。また、サンタクロースのために用意する「おやつ」でもあります。 サイズは一口大や手のひら大が一般的で、家庭ごとに味が違う“おふくろの味”のようなお菓子です。 昨年ご紹介した「クリスマスプディング」も、11月中に作ってじっくり熟成させるイギリスの伝統菓子。 クリスマスプディングもそうでしたが、ミンスパイもクリスマスよりずっと前に仕込みが始まります。 私の場合は、クリスマスプディングと同じ日に作って熟成させるのが恒例です。作るといってもパイではなく、まずはパイの中身に入れるミンスミートというものを作ります。 この料理をする日は、家中クリスマスの香りで満たされて、とっても幸せな気分になります。 イギリスでパティシエとして働いて帰国してから、もう10年以上。ずっとクリスマスには欠かさず作っているので、私や家族にとって、このクリスマスプディングやミンスパイのスパイスの香りは、クリスマスが近いと知らせる香りなのです。 現在のミンスミートは、以前ご紹介したクリスマスプディングの中身とほとんど同じですが、昔はミートと呼ばれるとおり、お肉が入ったものだったようです。ちなみにクリスマスプディングも、その昔はお肉が使われていました。 さまざまな種類のドライフルーツとブラムリーアップル(イブズ・プディングの回で詳しく説明しています)、お砂糖、ブランデー、スパイスもたっぷり入れます。クリスマスプディングの回で詳しく書きましたが、本来はバターではなく、スエットという脂を使います。ですが、なかなか日本では手に入れにくいので、バターを使用したレシピをご紹介します。 材料は多いのですが、混ぜるだけなので、とっても簡単。そのミンスミートを熟成させておいて、クリスマス前にショートクラストペイストリー(ジャムタルトの回でご紹介しています)を作り、ミンスパイにします。ちなみに、熟成期間は人それぞれ。 最近私はクリスマスの1カ月前くらいにしか作れませんが、1年熟成させたこともありました。理想は3カ月くらいだと思います。 1年熟成させてしまうと、香りがだいぶ飛んでいて、あまり美味しくなかったです。それもいろいろ試してみると、自分好みの熟成度合いが分かると思いますよ! 実験のようで面白いです。ちなみに、知人は継ぎ足し、継ぎ足し、何十年……と話していました。今年からは、その方法でやってみようかしら。 ミンスパイは、パイ生地で完全に上部を覆うタイプのものと、星や雪の結晶などの形にくりぬいた生地を乗せたものがあります。これは好みですが、完全に覆うタイプのほうがレトロな雰囲気です。 我が家のクリスマスツリー。いつもクリスマスの飾り付けはかなり張り切ります。 このミンスパイには逸話があって、クリスマスの日から年明けまで1つずつ食べると健康に過ごせるといわれています。 我が家では家族みんながこのミンスパイが大好きですし、友人知人に配ったりもするので、クリスマスまで残っているかがいつも危うく、クリスマス以降残っていることがほぼありません。なので、この逸話が正しいかは証明できないのが残念。 我が家ではクリスマスイブの寝る前に、子供たちがサンタクロースにビスケットやミンスパイと紅茶またはミルクを用意して、クリスマスツリーの横に置いておくので、パイを焼いたらサンタさん用に必ず1つは隠しておきます。隠しておかないとサンタさんの分までなくなってしまう、それくらい大人気のミンスパイです。 ミンスパイの作り方【20〜25個分】 【ミンスミートの材料】 無塩バター 100g カランツ 100g レーズン 100g サルタナ 100g ブラムリーアップル 100g アーモンド 20g モスコバド糖(きび砂糖でもよい) 70g シナモン 小さじ1/2 ミックススパイス 小さじ1 レモンの皮 1/4個分 レモン汁 1/4個分 オレンジピール 50g ラム酒 大さじ1 ブランデー 大さじ1 Disaronno 大さじ1 *バターを最初に計量し、冷凍庫に入れておく。 【シナモン風味のショートクラストペイストリーの材料】 薄力粉 300g 塩 少々 バター 150g 水 大さじ6 シナモン 少々 【ミンスパイの作り方 手順】 1. まずはミンスミートを作る。 クリスマスの1カ月前くらいに材料全てを刻んでボウルに入れる。 冷凍庫で少し冷やし固めたバターはチーズ削り器で削る。そして材料全てを混ぜ合わせ、ラップをして冷蔵庫で一晩休ませる。 2. 一晩休ませたら、もう一度さっくりと全体を混ぜ、用意しておいた瓶に詰める。瓶に入れたらクッキングペーパーを瓶の大きさに合わせて切り、空気を抜くように押さえてから蓋をする。 3. この状態で冷蔵庫に入れ、熟成させる(イギリスでは常温保存ですが、湿気の多い日本では念のため冷蔵庫で保存しています)。 4. 焼く日になったら、ショートクラストペイストリーを作る。 粉類と角切りにしたバターをボウルに入れ、全体がサラサラになるまで手ですり合わせる(この作業はフードプロセッサーでもできます)。 5. 水を入れ、ナイフで切るようにして、ひとまとめになるまで混ぜる(もしまとまらないようなら、水を大さじ1足して混ぜてみる)。まとまったらラップをして、最低30分冷蔵庫で休ませる。 6. 休ませた生地に打ち粉をして、厚さ2mmくらいになるまで伸ばし、型で抜く。 7. ミンスミートは一度全体を混ぜておく。オーブンは180℃に予熱する。 8. 6の型で抜いた生地をマフィン型に入れていく。そしてミンスミートを適量入れていく(私はたくさん入っているほうが好みなので、ギュギュッとスプーンで押さえながら入れています)。 9. 好きな形に抜いた生地を上にのせ、予熱したオーブンで20分ほど焼く。 焼けたら粗熱を取って粉糖(分量外)を振ると、雪が降ったように可愛らしく仕上がります。 冷めたら出来上がり! 密閉容器に入れて保存しましょう。 ちなみに、ミンスミートはもしも余ったら、普通のバターケーキに混ぜて焼いたりしても美味しいですよ。 お皿のデザインによってミンスパイの雰囲気が変わるので、盛り付けでクリスマスらしさを演出してみましょう。 素敵なクリスマスになりますように!
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レシピ・料理

秋に食べたい! イギリス伝統料理「ドーセットのリンゴケーキ」の病みつきレシピ
秋に食べたい! リンゴたっぷりのケーキ イギリスのリンゴ園。そろそろ赤い実の収穫の季節。Lucy M Ryan/Shutterstock.com 名前だけでは分からないケーキ。そして、ただただ茶色いケーキ。イギリス菓子には多いですよね。本当に写真映えしなくて、どうやったらおいしさが伝わるかな? といつも悩みます。 でもこのケーキ、と〜〜っても美味しくて、我が家で大ヒット! 家族全員が、「これ、今までの中で、一番美味しい! 誕生日ケーキはこれにして!」というくらい、人気のケーキです。季節的に私の誕生日しか秋じゃないのは残念。 イギリス・ドーセットで生まれた伝統的なレシピ ドーセットの雄大な海辺の風景。Sven Hansche/Shutterstock.com ドーセットはイギリスのサウス・ウエストにある州の名前で、リンゴの産地でもあります。イギリス海峡に面した本当に美しい観光地で、映画などにもよく出てくる白い岩壁がある海岸を一度は見てみたいなあと思います。 その美しい場所で生まれたのが、今回ご紹介するこのケーキです。 ケーキの生地より多いくらい沢山のリンゴを入れて焼き上げます。 伝統的なレシピなので、配合が決まっています。 それは、リンゴ:薄力粉:砂糖:バターが4:2:1:1。 使うリンゴの種類は、クッキングアップルの「ブラムリーアップル」がやはり酸味があって美味しいと思います(ブラムリーアップルについてはイブズ・プディングの記事をご参照ください)。 バターと薄力粉を、スコーンのような手でサラサラにする“ラブイン”と呼ばれる方法で生地を作ります。そこに砂糖と卵、角切りにしたリンゴを入れて、デメララシュガーというお砂糖を振りかけて焼き上げるのが定番のレシピです。 その中にレーズンなどのドライフルーツを入れたりすることもあります。また、リンゴも角切りばかりではなく、スライスしたり。家庭で作るお菓子なので、皆それぞれアレンジは違うようです。 バターをつけて食べるケーキ イギリスに住んでいる時、私はドーセットには行かなかったのですが、近くのコーンウォールに行ったことがあります。 コーンウォールといえば、コーニッシュパスティ。 私が訪れたペンザンスという海辺。イギリスの海辺の風景もなかなか素敵なのです。 その時に泊まったペンザンスという海辺の町で見つけた、この地方のお菓子のレシピ集を買って帰りました。その中の1つが、このドーセットアップルケーキでした。リンゴがたっぷり入ったお菓子で、素朴だけど味わい深い、本当に美味しいケーキです。 その本に、このケーキは焼き上がったら、冷ましてカットしてバターをつけて食べたり、温めてクロテッドクリームと一緒に食べましょう! と書いてありました。イギリスでこういうケーキにつけるとしたら、大抵は無糖の生クリームをそのままかけるか、温かいカスタードソース。パンではないのにバター? と思ったのですが、バターの塩気とコクがとってもポイントになって、病みつきになる美味しさです。それでは作っていきましょう! ドーセットアップルケーキの作り方 材料(直径18cmの型1台分) 薄力粉 100g ベーキングパウダー 小さじ2 塩 ひとつまみ 無塩バター 50g きび砂糖 50g 卵 2個 ブラムリーアップル(紅玉でも可) 200g カレンツ 25g(小粒のレーズン) オレンジピール 15g デメララシュガー 15g*デメララシュガーはシードケーキの記事でご紹介しています。カソナードでも代用可。 作り方 1. オーブンを180度に予熱する。薄力粉、ベーキングパウダー、塩をボウルにふるう。 2. 角切りにしたバターを入れ、手を擦り合わせてサラサラにする。 3. 砂糖を入れ、さっくりと木べらで混ぜる。 4. 卵を入れ、さっくりと木べらで混ぜる。 5. 皮を剥き、角切りにしたリンゴとドライフルーツ類を入れ、さっくりと木べらで混ぜる。 6. オーブンペーパーを張った型に入れ、デメララシュガー(カソナード)を表面に振りかけて、180度のオーブンで40〜45分焼く。 7. 焼き上がったら型のまま冷ます。 冷めたらカットして、バターをつけて召し上がれ! バターの塩気がアクセントとなって、本当に美味しい‼︎ ぜひ作ってみてくださいね。 もちろん、温めてプディングのようにして食べるのもおすすめです。もう少し涼しくなってきたら、お庭のティータイムに食べてほしい一品です。
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レシピ・料理

【英国伝統菓子】ゴールデンシロップが決め手! キャラメル生姜が香る「ブランデースナップ」の作り方
魅惑的な名前のお菓子「ブランデースナップ」 ブランデースナップというお菓子。聞いたことのある方は、なかなかの英国通かもしれません。イギリスには不思議な名前のお菓子が沢山あります。 ブランデースナップといっても、ブランデーが入っているわけではありません。ではなぜブランデースナップというの? というと、昔は“brandy”は“branded”、すなわち“burnt”、焦げたお菓子ということだったようです。 具体的にどんなお菓子かというと、キャラメル風味のパリパリしたお菓子で、最後にほんのりピリリとくる生姜の風味が日本人も好む味だと思います。 キャラメルのような風味は、材料にたっぷり使うゴールデンシロップからきています。 ゴールデンシロップについては、ジンジャーブレッドの記事で少し触れましたが、輸入食品店や製菓材料店などで購入可能です。テクスチャー(質感)は、はちみつと同じなのですが、このシロップがブランデースナップの風味のカナメになるので、ゴールデンシロップを使うことをおすすめします。どうしても手に入らないという場合は、はちみつで代用できます。 くるくると巻くのはコツがいる! このくるくると巻かれた特徴的な形は、イギリスのお菓子作りでよく使う木のスプーン、木ベラの柄で形作ります。 じつはこのお菓子、生地を作るのは簡単なのですが、焼いてからが少し大変! 焼いた後1分ほど置いて、少し冷めた頃に木ベラの柄に巻きつけて、この形を作ります。焼きたての熱すぎる状態だと生地が破れてしまうし、冷めすぎると巻けずに割れてしまいます。なので、コツを掴むまでは、一度に焼くのは3枚くらいがいいかもしれません。 木ベラがない場合は、菜箸を束ねて直径1cmくらいにして代用してもよいでしょう。 形を変えれば、ブランデースナップバスケットに くるくる巻くだけでなく、違う形にしてデザートにすることもできます。 上写真は、同じ生地を焼いて少し冷めたところで、ココット型を裏返してその上に生地を被せて形作ったもので、ブランデースナップバスケットと呼ばれています。私が働いていたホテルでも、ブランデースナップバスケットを作って出していました。このバスケットにはアイスクリームを乗せることが多いです。 ちなみに、くるくる巻いたほうには泡立てた生クリームを絞り入れて仕上げます。こちらもシンプルにブランデースナップの味を楽しめて、とっても美味しいです。 ブランデースナップバスケット 材料(小さじ1ずつ焼いて約15個分) <生地> 無塩バター 50g きび砂糖 50g ゴールデンシロップ 50g 薄力粉 50g ジンジャーパウダー 少々 <トッピング> 泡立てた生クリーム 適量*ブランデーバスケットを作った際は、バニラアイスクリームなどを。 計量のコツバター、砂糖を量り入れた片手鍋に、ゴールデンシロップを流し入れながら計量すると簡単です。 作り方 1. オーブンを180℃に予熱する。その間に、バター、砂糖、ゴールデンシロップを入れた鍋を弱火にかけ、全てを溶かす。 2. 溶けたら火からおろし、薄力粉とジンジャーをふるい入れる。 3. さっくり混ぜる。 4. 混ざったら、オーブンペーパーを敷いた天板に、生地同士がくっつかない程度離れた場所に小さじ1ずつ生地を落として、180℃のオーブンで8〜10分焼く。 作り始めは生地が熱いため小さじを使いますが、冷めれば手でコロコロ丸めることもできます。丸く形作るのは、熱くても冷めても、どちらの状態でもOK。 焼き上がるとレース状の模様ができて綺麗。写真のように形がくずれても大丈夫! 5. 焼けたら1分ほど冷まして、パレットナイフで生地を動かしても破れないか確認したら、木ベラの柄に巻きつけて冷ます。冷ます時は、写真のようにフライパンの縁を利用するなど、生地を少し浮かしておくと、より丸く仕上がります。 左端にあるのがブランデースナップバスケット。こちらは裏返したココットの上に生地を乗せておくだけなので簡単。 ブランデースナップの味わい方 泡立てた生クリームを絞り入れて出来上がり! ブランデースナップのジンジャーやキャラメルの風味を味わうなら、断然こちらがおすすめ。 ブランデースナップバスケットも見た目が華やか。アイスを乗せてエディブルフラワーや自家製ジャムを飾れば、ガーデンの恵みで彩られたオリジナルのデザートになります。 クッキーとはまた違った、パリパリした食感とのコントラストが美味しい、イギリスの昔ながらのお菓子です。 焼いたら密閉容器に入れておけば2週間ほど持ちます。乾燥剤を入れると、よりよいです。湿気には弱いので、注意してくださいね!
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レシピ・料理

英国ティータイムの主役! 基本生地で作る素朴な「ジャムタルト」レシピ
イギリスのお茶菓子の定番「ジャムタルト」 イギリスのお茶菓子の定番中の定番といえば「ジャムタルト」(イギリスの発音ではジャムターツ(Jam tarts))。ジャムタルトと紅茶があれば、そこはもうイギリスのお家のティータイム! ティールームなどで出てくるというよりは、お家で作る素朴なお菓子です。日本で例えれば、緑茶と共に出てくるお煎餅といったところでしょうか。 ジャムタルトとは何か? というと、ご想像のとおり、ジャムが入ったタルトです。私はパティシエなので、ジャムだけでは素朴すぎて、スパイスやナッツなどいろいろ足したくなってしまいますが、このジャムタルトは、絶対にこの素朴さがいい! というお菓子です。ちなみに、我が家の子どもたちの感想は「美味しいけど……まあまあだね」という微妙な反応でしたが。 なんともシンプルなお菓子ですが、何種類かジャムを使えばカラフルになり、パッとテーブルが華やかになるのも人気の秘密ではないでしょうか。 ジャムを使ったイギリスのお菓子たち シンプルなスポンジ生地でジャムを挟んだビクトリアスポンジ。 イギリスにはジャムを使ったお菓子が、たくさんあります。 以前ご紹介したクイーン・オブ・プディングやバタフライカップケーキ、ビクトリアスポンジもそうですし、ロールケーキのスポンジ生地にジャムを巻いたスイスロールというお菓子も定番で、挙げればきりがありません。イギリスの気候的に、短い夏の間に収穫したフルーツをジャムにして保存しておくのが、昔から習慣としてあるからでしょうか。 今回ご紹介する「ジャムタルト」は、タルト生地の余りを使って作ることもできる手軽なお菓子なので、お子様と一緒に作るのも楽しいでしょう。イギリスでは学校で作ったりもするそうですよ。 ショートクラスト ペイストリーのタルト生地。 ちなみに、今回ご紹介するタルト生地は“ショートクラスト ペイストリー”といって、イギリスのお菓子の基本となるタルト生地です。粉の量に対して油分が1/2というのが基本。そこに少量の水を入れてまとめるだけの生地で、砂糖も入っていないので、お菓子だけではなく、キッシュやミートパイなど、お料理にも使われます。油分はバターのほかに、ラードやマーガリンなどが使われることもあります。それによって食感も違ってくるので、シンプルですが奥が深い生地です。この生地は砂糖入りや卵入りなどバリエーションもあって、そういったものは“リッチ ショートクラスト ペイストリー”と呼ばれます。 エピファニーに食べるお菓子 フランスの「ガレット・デ・ロワ」Jerome.Romme/Shutterstock.com 1月6日のエピファニー(Epiphany=キリスト教の祝日で、イエス・キリストの顕現を記念する日)の時には、ジャムタルトの形を変えただけの、その名も「エピファニータルト」というお菓子があります。ほかの国でも、エピファニーというと定番がありますが、日本でも有名なフランス菓子「ガレット・デ・ロワ」もその1つ。ガレット・デ・ロワは最近ではよく売られているので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。イギリスのエピファニータルトはパティスリーで売るような凝ったお菓子ではないので、なかなか知る機会がないかもしれません。 このエピファニータルトは、大きな型で作ります。表面には余っているタルト生地を細長く切り、それを並べて星形を作り、13個に区切ります。その区切られた一つ一つに、それぞれ違う種類のジャムを入れて、カラフルなタルトを作ります。カットされた部分で違う味が楽しめるというお得なタルト! 我が家には13種類もジャムがないので、5種類使って作りました。ただジャムの色が似ていて、あまり見分けがつかなくなってしまったけれど、1切れで味の変化が楽しめる贅沢なお菓子。 イギリスのジャムタルトが絶滅の危機? イギリスではこのジャムタルト、大きなバットで作って学校の給食で出されたりするそう。イギリス人にとっては、とにかく懐かしの味! といったお菓子なのではないでしょうか。 でも先日読んだイギリスの記事によると、ジャムタルトやビクトリアスポンジなど、イギリスの昔ながらのお菓子はどんどんなくなってきていて、遠くない将来、全く見られなくなるかもしれないというのです。その記事のコメント欄には「いやいやいや、そんなはずはない!」という反論のメッセージもありましたが、昔ながらのお菓子は、やっぱり少なくなってきてしまっているのかと寂しく思います。 私は、イギリスから離れた地に住んでいても、こういった昔ながらの伝統的なイギリス菓子を作り続けます! だから私が生きている限り、昔懐かしいイギリス菓子がなくなることはないですね。 ジャムタルトの作り方のポイント このジャムタルト、シンプルですが、とっても難しいポイントがあります。 それは、ジャムを入れすぎないこと! だけど、欲張りで大雑把な私は、毎回入れすぎてしまって、いつも何個か溢れてしまいます。溢れると型から外れなくなってしまうので要注意です。でも、ついたくさん入れたくなってしまいますよね? ジャムの種類によって、火が入ると流れやすいものもあるので、何回か作ってみるとコツがつかめるようになります。今回作った経験では、ボンヌママンのいちごジャムは、とても溢れやすかったです。 絶対に溢れさせたくない方は、今回使った直径7cmよりも1回り大きなサイズの型で生地を抜けば、もう少しだけ深いタルトになるので、ジャムがこぼれるのを軽減できます。 それでは、作っていきましょう! ジャムタルトの作り方 材料 直径7cmのマフィン型約24個分 薄力粉……200g 塩……少々 無塩バター……100g 水……大さじ4〜6 ジャム……お好みのもの適量今回はイチゴ、ブルーベリー、柚子マーマレードを使用 作り方 1. 薄力粉、塩、バターをボウルに入れ、両手をすり合わせて全体がサラサラの状態にする(この作業はフードプロセッサーを使ってもよい)。 2. 水を入れ、ナイフなどで切るように混ぜる。まずは大さじ4を入れてみて、まとまらなかったら大さじ1ずつ足すとよい。気温や湿度によって、入れる量は変わる。 3. 全体をひとまとめにしたら、ラップで包んで冷蔵庫で最低30分休ませる。 4. オーブンを180℃に予熱する。休ませた生地を2〜3mmの厚さに伸ばして、直径7cmの型で抜く。 5. 生地をマフィン型に入れたら、ジャムを小さじ1杯分くらいずつ入れていく。 6. 180℃のオーブンで約20分焼く。 7. 焼けたら冷まして出来上がり。 サンドイッチやスコーンを用意して、アフタヌーンティーにしても。 ティータイムのお供に気軽に作ってもらえたら嬉しい「ジャムタルト」。私が朝ごはんに食べてしまったのは、ここだけの秘密です。サイズ的に、小腹が空いた時にパッと食べられる気軽さも魅力! イギリスの定番の生地をマスターするには、とてもよいお菓子です。ぜひチャレンジしてみてください。
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お家の採れたて果実や野菜を使って、お庭で食べたい! もっちもちの「イギリス流〈パンケーキ〉のレシピ」
薄くてもっちりのイギリス流 日本でも、今や定番のパンケーキ。皆さんもお家で作ることがありますでしょうか? いろいろなレシピがありますよね。日本のパンケーキはフワフワが定番です。卵を黄身と白身に分けてメレンゲにして作ったり、チーズを入れて作ったりするレシピもありますよね。 さて、イギリスのパンケーキは、ひと味違います。 まず、フワフワではありません。日本でいうクレープの生地のような感じで、薄く焼き上げます。ただ、日本のクレープよりは少し分厚く、もっちりしている感じかなと思います。 その生地にグラニュー糖とレモン汁をかけて、くるくる巻いて食べるのが定番です。この食べ方、私たち日本人は、パンケーキといえばバターにメープルシロップ、と思っている人が大半なので、結構衝撃的ですよね。でも、このレモン汁と砂糖だけというのがシンプルに美味しくて、私は好きです。 キリスト教由来の〈パンケーキ・デー〉 レモン&シュガーの甘酸っぱさがたまらない。レモンは自家採取のものを使いました。 イギリスには〈パンケーキ・デー〉というものがあります。 パンケーキ・デーは〈ざんげの火曜日 (Shrove Tuesday)〉とも呼ばれるキリスト教の宗教的な意味合いを持つ日で、イースター(復活祭)に合わせて、毎年、日にちが変わります。復活祭前に40日間の断食期間があるのですが、それが始まる前に卵や牛乳を使い切ろうと、パンケーキが焼かれたのが始まりといわれています。現在では実際に断食する人がいるのか分かりませんが、その日にパンケーキを食べるという伝統が残っています。 さらに、今では〈パンケーキ・レース〉なるものもあります。パンケーキの入ったフライパンを片手に、そのパンケーキを決められた回数、ひっくり返しながら走って競うレースです。面白いですよね。私も出てみたかった! ちなみに2025年のパンケーキ・デーは3月4日でした。 パンケーキ・デーの苦労話 イチゴと食べても美味しい! 自家採取なら特別なひと皿に。 じつは、このパンケーキには苦い思い出があります。 私がイギリスで働いていたホテルでも、パンケーキ・デーにはパンケーキを振る舞っていたのですが、私はそのパンケーキを焼く役目を与えられました。しかし、それまでそんなに薄いパンケーキを焼いたことがなかった私……。 火加減も焼き方も全然分からず、千切れちゃったり、焦がしちゃったり、フライパンにくっついちゃったり……散々な結果に! 大量に焼かなければいけないのに、どうすればいいのか……。困り果てたその時、ちょうどフランスから研修生として来ていた女の子が、苦戦している私に手を貸してくれました。 さすがクレープの国のフランス人! 「朝ごはんに作らないの!?」と、私ができないことに驚きながら、手際よく、綺麗にパパッと作ってくれました。あの時は本当に助かりました……! 彼女によると、フランス人は日常的にクレープを焼くようです。もちろん、人によるだろうけれど。 私には、そんな苦い思い出のあるパンケーキ・デーです。 チーズとマッシュルーム、玉ねぎのソテーをパンケーキで包んで。 イギリスでは、パンケーキ・デー以外でも、パンケーキをデザートや料理に使っていました。チョコレートムースを包んだココア味のパンケーキや、チーズとマッシュルームのソテーをパンケーキで包んだ前菜などもありました。 翌年のパンケーキ・デーには、そのフランス人の子はいなかったのですが、彼女が作るところをたくさん見て、教えてもらっていたし、焼く機会もあったので、私も上手になっていました。練習あるのみ! でも、日本には薄焼き卵などの料理があるから、料理上手な皆さんなら簡単に焼けるかもしれません。その頃の私はお菓子しか作らず、料理が全くできなかったので、イギリスでの修行生活、大変な思い出はまだまだいっぱいあります。 帰国してからも、時々イギリススタイルの薄いパンケーキを焼きます。その度に、やっぱり美味しいなあと思うのです。そんなイギリススタイルのパンケーキを皆さまにもぜひ作っていただきたく、ご紹介します。 イギリス流パンケーキの作り方 材料 (底の直径18cmのフライパン 約10枚) 薄力粉……100g塩……ひとつまみ卵……2個牛乳……280mlバター……適量グラニュー糖……適量レモン……好きなだけ 作り方 薄力粉と塩をボウルにふるい入れる。 2. 卵を割り入れ、泡だて器で混ぜる。 3. 牛乳を少しずつ入れ、泡だて器でよく混ぜる。混ぜたらラップをして、冷蔵庫で最低30分休ませる。 4. ダマが気になる場合は、1度漉す。 5. フライパンを温め、バターを溶かす。溶けたら、生地を薄焼き卵の要領で焼いていく。表面が乾いたらひっくり返す。裏側はサッとで大丈夫。 焼き上がり。 グラニュー糖を好きなだけふりかけ、レモンをギュッと絞ってレモン汁をかけたら、クルクル巻いて完成! グラニュー糖は、たっぷりがおすすめですよ! ぜひ作ってみてくださいね!
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バレンタインにイギリスの温かいデザートはいかが?〈チョコレートセルフソーシングプディング〉
作りたてを楽しむ「おうちおやつ」 今回ご紹介するチョコレートセルフソーシングプディング。 イギリスには名前だけでは想像できないお菓子がたくさんあります。ファッジ、ジャムローリーポーリー、スティッキートフィープディング……。こんな名前を聞いてワクワクするのは、私だけでしょうか? 私の一番好きなイギリス菓子、スティッキートフィープディング。見た目は地味ですが、と〜っても美味しい! 今回ご紹介するチョコレートセルフソーシングプディングも、その1つでしょう。チョコレートのお菓子ということは分かりますね。イギリスではデザート全般のことをプディングというので、チョコレートのデザート。そして、セルフソーシングというのは、ひとりでにソースができる、という意味です。フランス菓子の、フォンダンショコラのいとこのような感じと思っていただければよいでしょうか。 レモンの香りが爽やかなレモンセルフソーシングプディング。 以前の記事で、レモン風味のセルフソーシングプディングをご紹介しました。そのときも、作り方が面白いと思われたかもしれませんが、今回はまた、それともちょっと違います。 途中で「どうしてこんなこと思いついたの?!」「これで本当に大丈夫?!」と思ってしまう、理科の実験のような工程があります。イギリスには、そんな不思議な作り方のプディングがほかにもあるのですが、もしかしたら、昔々、誰かが間違えて作ったものがたまたまとっても美味しかった、ということで残ったレシピなのかもしれませんね。 じつは、私がこのお菓子を知ったのは、イギリスのホテルで働いていたときではなく、日本に帰国してからのことです。現地で買い集めたイギリス菓子の本に作り方があって、なんだ、これは⁉︎ と興味を持ち、それから何度も作りました。作ってみて分かったのは、このお菓子は作りたてが一番美味しいということ。大勢のお客様がいらっしゃるホテルやティールーム、パブなどでは、タイミングよくサーブするのが難しい一品です。家庭で手作りしてこそ、その美味しさを存分に味わえる。そういったお菓子のレシピがイギリスにはたくさんあるのですが、私はそれがイギリス菓子の大きな魅力だと思っています。 代表的なフィッシュ&チップス。モルトビネガーをたっぷりかけて食べると最高に美味しい! 写真を見ているだけでヨダレが……。 パブといえば、イギリスの田舎に行くとパブのご飯もとっても美味しいので、機会があればぜひお試しください。パブ飯といえば、フィッシュ&チップスが有名でおすすめですが、パブの中には、ちょっと凝ったコース料理を出すガストロパブなどもあります。勉強がてら、私もよく行きました。 生地の下にはチョコソースがたっぷり! さて、チョコレートセルフソーシングプディングの作り方に話を戻しますと、なんと、容器に入ったケーキ生地の上に、液状のココアをジャバジャバとかけて焼く、というもの。表面はバシャバシャの液体だけど大丈夫? と不安になりますが、焼くと、あら不思議! ココア液が生地の下にいき、うまい具合にチョコレートのソースに変身しているという訳です。 焼きたてはソースが結構ありますが、時間が経つにつれて生地にどんどん吸収されてしまうので、やはり、作りたてをすぐ、みんなで食べるのがおすすめです! 全部食べられなければ、冷蔵庫で保管しましょう。その場合はソースが少なくなりますが、それでも十分美味しく、レンジで温めて、バニラアイスクリームを添えれば最高。作りたては断然アイスクリームがおすすめですが、翌日なら生クリームをそのままかけて食べるのも美味しいです。 それでは、作っていきましょう。 チョコレートセルフソーシングプディングの作り方 材料(容量1,000mlの耐熱容器1個分) 〈ケーキ〉 チョコレート……50g 無塩バター……50g 牛乳……75ml 卵……2つ 薄力粉……125g ココア……25g きび砂糖……70g 塩……ひとつまみ ベーキングパウダー……小さじ1 〈ソース〉 水……300ml ココア……15g マスカバド糖……100g (他の砂糖でも代用可) 作り方 1.チョコレートを刻む。オーブンを180℃に予熱する。 2.小鍋でバターを溶かし、ボウルに入れる(レンジで様子を見ながら溶かしてもよい)。 3.バターに、溶いた卵と牛乳を入れて混ぜる。 4.薄力粉、ココア、砂糖、塩、ベーキングパウダーをふるい入れ、混ぜる。 5.刻んだチョコレートを入れ、ゴムベラでさっくり混ぜる。 6.バター(分量外)を塗った型に生地を流し入れる。 7.ソースを作る。分量の水を沸かし、ココア、砂糖を入れて混ぜる。 8.7のソースを6の生地の上に流し入れ、予熱したオーブンで約30分焼く。 9.焼き上がり! ケーキの縁からグツグツと沸いたソースが見えています。 今回は仕上げに粉糖(分量外)を振りましたが、ココアを振っても美味しいです。もちろん、そのままでもOK。 あ〜、パイ皿からこのまま直接食べてしまいたい! いちごを添えるのはオプションですが、酸味がアクセントになって美味しいですよ! 寒い冬の季節にぴったりのプディング、ぜひ作ってみてください。
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11月中に作ってじっくり熟成! イギリス伝統のクリスマスプディングを楽しもう
みんな大好きクリスマス ドアにはもちろん、クリスマスリース。 クリスマスは一年の中で、私が一番好きなイベントです。イギリスでは、家の中を飾り付け、家族で集まり、たくさんのご馳走を作っていただきます。ちょうど、日本で迎えるお正月と似たものがあります。クリスマスのご馳走の定番はローストターキー! 七面鳥の丸焼きです。嫌いな人もいますが、私は大好き。見た目は鶏と似ていますがだいぶ大きく、鶏肉よりややサッパリした風味です。日本だとなかなか手に入れるのは難しいですが、東京の外国人御用達のスーパーやインターネットなどで手に入れられますので、気になる方はぜひ試してみてください。 クリスマスの定番デザート 美味しさの詰まったクリスマスプディング。 さて、イギリスのクリスマスのデザートというと、ポーチドペアーの回『クリスマスにぴったりの上品デザート、ポーチドペアー』でもご紹介しましたが、ドライフルーツたっぷりの、どっしりとしたクリスマスプディング、もしくは、クリスマスケーキが定番です。どちらもお酒の香る、どっしりと重いフルーツケーキ。とっても美味しいのですが、イギリスでも最近はこういった重いケーキの人気はなくなってきているとも聞かれ、軽めのフルーツケーキやチョコレートケーキなど、ヘルシーなもののほうが喜ばれるようです。見た目が華やかなトライフル『イギリス生まれの真夏のスイーツ「サマートライフル」』も、クリスマスのデザートとして人気です。 マジパンに包まれたクリスマスケーキ。marilyn barbone/Shutterstock.com こちらの、白いマジパンで全体を包まれているケーキが、イギリスの伝統的なクリスマスケーキです。ところで、クリスマスプディングとクリスマスケーキは何が違うのか。簡単にいうと、プディングにはドライフルーツのほかにリンゴを入れて、蒸して作り、1カ月ほど熟成させます。一方のケーキは、マジパンとドライフルーツがたっぷりのケーキを焼いて、それをマジパンとアイシングでデコレーションします。こちらも、できれば数カ月前から作って、熟成させていくケーキです。 クリスマスプディングに使うリンゴは、加熱調理に向くクッキングアップル〈ブラムリーアップル〉が定番です。イギリスでよく使われるこの青いリンゴは、〈イブズ・プディング〉『秋のリンゴを楽しむイブズ・プディング』の回でもご紹介しましたね。 サクサクのタルトが美味しいミンスパイ(右)。 それからもう1つ、イギリスのクリスマスに欠かせないお菓子があります。それは、ミンスパイ。クリスマスプディングと同様の材料で作られる、〈ミンスミート〉という熟成させたドライフルーツのお酒漬けを、小さなタルトに詰めて焼いたもの、それがミンスパイです。 我が家ではクリスマスイブに、子どもたちが寝る前に、サンタクロースのためのお菓子を準備します。ミンスパイにショートブレッド、ジンジャーブレッドクッキーをお皿に乗せ、紅茶かミルクを添えて、置いておくのです。サンタさんがあのお腹になるわけが、分かりますね! ステアアップサンデーの伝統 クリスマスプディングは人気のクリスマスモチーフ(中央)。 私が初めて、スチームして作るクリスマスプディングのことを知ったのは、イギリスのホテルで働くようになってからのことでした。写真のマグカップに描かれているプディングは丸い形をしていますが、これは、昔は生地を布に包んで、茹で蒸していたから。今は〈プディングベイスン〉という型を使うので、上が平らな形が一般的です。 クリスマスプディングは家庭で作る場合、〈ステアアップサンデー(Stir up Sunday、混ぜる日曜日)〉に家族揃って作るのが伝統です。12月25日から遡って4週間前の日曜日からがアドベント期間になるのですが、その1週間前の日曜日がステアアップサンデーになります。 私の働いていたホテルでは、クリスマスプディングを11月から作り始めて熟成させていましたが、私はいつも、クリスマスプディングは11月中には作っておく! と頭に入れています。ステアアップサンデーの日にちを割り出すのはややこしいですし、夫がアメリカ人なので、この時期はサンクスギビング(感謝祭)のために七面鳥も焼かなくてはならず、少々忙しいからです。 でも、クリスマスプディングを12月に入ってから作ったこともあるので、それはそれで大丈夫です。ちなみに、クリスマスが終わったらすぐに次の年のプディングを作って、1年熟成させる人もいるそうですよ! では、そのステアアップサンデーに家族揃ってどうするのか? もちろんクリスマスプディングを作るのですが、すべての材料をボウルに入れたら、一人ひとり、願い事をしながら、ぐるぐる、ぐるぐると混ぜます。 昔は、指輪や指貫、ボタンや6ペンス銀貨を中に入れて、食べたときに出てきたもので来年の運勢を占ったりもしていたそうです。英国の児童書のクマのパディントンでも、パディントンが銀貨を飲んでしまった! とみんなが大騒ぎをしたクリスマスのエピソードがありました。結局、飲み込んでなかったのですけれどね。 気長にゆっくり蒸すプディング スチームするのがクリスマスプディングの特徴。 さて、クリスマスプディングはたくさんの材料が必要ですが、作り方は至って簡単です。どっさり大量のドライフルーツに、オレンジピール、ブラムリーアップル、砂糖、パン粉、卵、ブランデーやラムなどのお酒、そして、スパイスに、スエット(牛脂)。それらをボウルに入れて混ぜるだけです。 材料も家庭によってそれぞれで、バリエーションがあります。お酒はブランデーだけなのか、ビールも入れるのか。ニンジンは、アーモンドは、ドライイチジクはどうするか、などなど。私は、アーモンドとイチジクを入れると、美味しくなる気がします。 ただ、型の大きさによりますが、それを3〜10時間蒸します。10時間⁉︎ びっくりですよね。今回のレシピでは、蒸す時間は3時間ですが、私が働いていたホテルで作っていたプディングはとても大きかったので、やはり合計10時間ほどは蒸していたと思います。11月に作って熟成させたら、食べる当日に、もう一度蒸します。 私のプディングベイスン。ホーロー、プラスチック、陶器、大きさもさまざま。 また、材料のスエット(牛脂)ですが、イギリスでは、細かくサラサラの状態のものが箱に入って売られていますが、あいにく日本では販売されていません。生の牛脂をその状態にするのも難しいし……ということで、今回はバターをチーズおろし器で削って代用する方法で作ります。冷凍したバターを削るという方法がよくありますが、冷凍したバターを削るのはかなり大変なので、私は今回、キンキンに冷やしたバターを使っています。それでも全く問題なく美味しくできるので、大丈夫です。 最後に、食べるときはブランデーバターかブランデーソースをかけていただきます。私は、ホテルで出していたのがブランデーソースだったので、いつもブランデーソースを作ります。これまで仕事場でも、帰国してから家で作るときも、いつも目分量で作っていたのですが(それがイギリス流!)今回、ソースのレシピを初めて作りました。目分量でも大丈夫、皆さんもそのくらいの大らかな気持ちで作っていただければと思います。 早めに作って熟成させるなど、手間は少しかかりますが、食べてみると本当に美味しいので、ぜひ作ってイギリスを感じていただきたいです! 我が家の娘たちも大好きで、このサイズがあっという間になくなってしまうほどです。日本のデパートで売られている煌びやかなクリスマスケーキに比べたら、何これ⁉︎ という見た目ですが、ずっしりとした重さの中に、美味しさも、ぎゅぎゅっと詰まっています。あ〜、香りだけでも伝わればいいのにな! 町のギフトショップもクリスマス一色。可愛い! クリスマスプディングの作り方 【材料】 (600ml入るボウル1つ分。プディングベイスンがなければ、耐熱性のボウルで代用可) 無塩バター・・・・・・30g (最初に計量して、すぐに冷凍庫に入れておく) 薄力粉・・・・・・30g パン粉・・・・・・30g ミックススパイス・・・・・・小さじ1/3(*詳細は下記参照) ナツメグ・・・・・・小さじ1/3 シナモン・・・・・・小さじ1/3 マスカバド糖・・・・・・70g(なければキビ糖でも大丈夫ですが、マスカバド糖のほうがコクが出るのでおすすめ) サルタナ・・・・・・50g レーズン・・・・・・25g カランツ・・・・・・50g(サルタナ、レーズン、カランツは、製菓食材店で売っています。サルタナは少し酸味があって甘味がレーズンよりやや少なめ。カランツは粒が小さくて酸味が強く、味が濃い。揃わなければレーズンだけでも) オレンジピール・・・・・・50g ドライアプリコット・・・・・・15g ドライイチジク・・・・・・15g アーモンド・・・・・・10g ブラムリーアップル(もしくは、紅玉など酸味のあるリンゴ。皮を剥いて)・・・・・・約150g オレンジの皮・・・・・・オレンジ1/2個分 ブランデー・・・・・・25ml 卵・・・・・・1個 オレンジジュース・・・・・・オレンジ1/2個分 【ミックススパイスについて】 英国で売られている一般的な製菓用ミックススパイス(Mixed Spice)は、日本では入手が困難。手に入るものの中では、米国製の「パンプキンパイ・スパイス」がいちばん近いように思います。ミックススパイスは、文字どおりスパイスを混ぜて、自分で作ることもできます。おすすめの配合は次のとおりですが、好きなようにアレンジしても結構です。 〈お手製ミックススパイス〉 シナモン、コリアンダー……各大さじ1 ジンジャー、クローブ……各小さじ1 キャラウェイシード、ナツメグ……各小さじ1/2 【クリスマスプディングの作り方】 1. パン粉をサラサラの状態になるまでフードプロセッサーにかける(イギリスのパン粉は粉のようなものなのです)。 2. アプリコットとイチジク、リンゴをレーズンと同じくらいの大きさに刻む。アーモンドは細かく刻む。 3. ボウルにドライフルーツ類、リンゴ、アーモンドを入れる。 4. パン粉、薄力粉、砂糖、スパイス類を入れ、木べらで混ぜる。 5. チーズおろし器でキンキンに冷やしたバターを削る。チーズおろし器も冷やしておくとさらによし! 6. オレンジの皮を削り入れ、木べらで混ぜる。 7. ブランデー、卵、オレンジジュースを入れ、木べらで混ぜる。 8. 混ぜたらラップをして、冷蔵庫で1晩休ませる。 9. 翌朝、もう1度混ぜて、バターを塗った型に入れる。 10. オーブンペーパーを被せ、紐でしばる。もしくはアルミホイルでカバーしてもよい。 11. 鍋の底に耐熱の皿などを置き、鍋底がプディングに直接当たらないようにしてプディングを入れる。お湯はプディングの型の半分くらいまでくるようにし、3時間蒸す。 火加減は弱めの中火で、お湯がユラユラするくらい。グツグツ煮立たせるとプディング型が倒れることもあるので、倒れないくらいの火加減にします。また、火が弱すぎると蒸す時間が長くなります。 12. 鍋は蓋をする(今回は蓋が閉まらなかったので、アルミホイルを蓋代わりに利用)。蒸す時間が長いので、時々、お湯の量をチェックするのを忘れずに。お湯が減っていたら足すこと。 13. これが3時間蒸したもの。熱いので取り出すときに注意! 真ん中がグチュグチュしていなかったら大丈夫。冷めたら表面をオーブンペーパーで覆い、アルミホイルなどで蓋をして、クリスマスまで冷蔵庫で保管する。 ここからはクリスマス当日の作業です! プディングは作ったときと同じ要領で、食べる時刻の2時間前から蒸します。そして、食べる直前にブランデーソースを作ります。 ブランデーソースの作り方 【材料】 無塩バター・・・・・・50g 薄力粉・・・・・・50g 牛乳・・・・・・500ml 砂糖・・・・・・50g ブランデー・・・・・・適量 バターを鍋に入れ、火にかけて溶かす。 2. バターが溶けたら、小麦粉をふるい入れ、泡立て器でよく混ぜながら粉気がなくなるまでしっかりと弱火で火を入れる。ここでしっかり火を入れておかないと、粉っぽく仕上がってしまうので注意。 3. 火が入ったら、牛乳、砂糖を入れ、混ぜる。 4. ブランデーを好きなだけ入れる(私の好みは大さじ2くらい)。 5. とろみが出てくるまでしっかり混ぜながら火にかける。このとき、常に弱火を保つ。 ホワイトソースを作る要領で、とろみが出たら完成。 アルコールが大丈夫な人はここでブランデーを入れれば、ほろ酔いソースの完成です。冷たくなるとブリンブリンに固まるので、サーブするときは温め直します。 寒いクリスマスに、熱々のプディングとソースは本当に特別です。 ちなみに、伝統的なサーブの仕方はさらに特別。プディングをサーブするときにブランデーをかけて、火をつけるのです。プディングが青い炎に包まれ、さらに幻想的で特別なものとなるでしょう!
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英国の定番パンケーキ「クランペット」 アツアツをミルクティーと一緒に
大事なのは表面の穴 イギリス菓子といえば、今では誰でも知っているスコーン! が定番ですが、今回ご紹介するクランペットも、イギリスでは朝食やお茶の時間に大人気です。どんなものかというと、パンとパンケーキの間、とでも言いましょうか。もちっとしたパンケーキのような感じです。 クランペットはイギリスのティールームでも定番のメニューですし、スーパーでも購入できます。イーストで発酵させて、さらにベーキングパウダーを入れた生地を、型を使ってフライパンで焼くのですが、型を使うのでパンケーキより分厚く、表面に蜂の巣のように穴がたくさんあいているのが特徴です。材料や作り方はとてもシンプルですが、シンプルなものほど上手に作るのは難しいもの。でも大丈夫! 今回、分かりにくいポイントをしっかりとお教えします。 ちなみに、似たような見た目のイングリッシュマフィンとは全くの別物です。クランペットは少しドロドロしたゆるい生地をフライパンで焼きますが、イングリッシュマフィンはパン生地を丸めてセルクルに入れてオーブンで焼きます。 私がクランペットを知ったのは、まだイギリスで働く前のこと。イギリスのお菓子に興味を持って買った、イギリス菓子を紹介した本の中にクランペットがありました。その本にあったお菓子は、当時は知らないものばかりでしたが、材料と作り方を見れば、なんとなく味や食感が想像できます。ですが、クランペットはちょっと想像できないものでした。普通のパンと何が違うのだろう? イギリスへ語学留学した際、最初はホストファミリーと住んでいて、食事はすべて用意されていたのですが、途中イギリス人から部屋を借りるスタイルに変更。食事はついていないので、好きなものをスーパーで買ってきていました。ある日、クランペットが目に入り、ふと、留学前に読んだ本のことを思い出しました。そうだ、これを食べてみたかったんだ! すぐに買って、家で食べてみました。トーストして、バターをたっぷりと塗って。 一口食べてみて、おおげさでなく感動しました! 表面はカリッと、中はもちっとした生地。表面にある無数の穴から、溶けたバターが染み込んで、噛むたびにジュワジュワっと溢れ出すバター。 一瞬でクランペットの虜となりました。 食べ方の好みは人それぞれ ゴールデンシロップは輸入食材店などで購入できます。 いつからそうするようになったのか、覚えていないのですが、私はバターとゴールデンシロップ(イギリスの糖蜜)をかけて食べるのが好きです。イギリスでも、クランペットをどうやって食べるかにはいろいろ好みがあるよう。たっぷりのバターだけの人。バターと蜂蜜の人。ジャムをつける人。レモンカードをつける人。あとはクリームチーズを塗って、サーモンをのせたり、ポーチドエッグをのせたりして、オープンサンドのようにして食べる人もいるようです。 寒い日に、トーストしたクランペットとミルクティーがあれば幸せな気分になれます。寒いのは苦手な私ですが、クランペットとミルクティーのティータイムを想像すると、これからだんだんと寒くなるのが待ち遠しくなります。 サーモンやサラダをのせれば軽食に。 クランペットは焼くときにセルクルという丸い型を使うのですが、なければツナ缶などの蓋と底面を取ると代わりになります! 私はセルクルを持っていなかったときは、トマトの缶詰の蓋を取って使っていましたよ。でも高さのある缶は使いにくいので、ツナなどの薄い缶がおすすめです。ちゃんとした型を用意したい方は、日本では「イングリッシュマフィンリング」などの名前で売られているので、チェックしてみてください。型が1つしかないとちょっと時間はかかりますが、1つずつ焼きましょう。型がたくさんあると、フライパンに乗るだけ一気に作れるのでおすすめです。 上手に作るポイントは、 混ぜ具合! 発酵具合! 火加減! 生地の濃度! これさえ注意すれば、美味しくなるはずです。 自分で作るクランペットは、何より美味しいです。表面をカリッとさせたいので、冷めたらトーストして食べる! ということも忘れないでくださいね! では、作っていきましょう。 クランペットの作り方 材料(直径9cmのセルクル 5個分) 人肌くらいの温度の水……235ml イースト……5g 砂糖……8g 準強力粉……180g(なければ、強力粉140g+薄力粉40gで代用可) 塩……5g ベーキングパウダー……5g バター……適量 作り方 1.人肌くらいの温度に温めた水とイースト、砂糖をよく混ぜておく。 2.粉、塩、ベーキングパウダーをボウルにふるい入れ、混ぜておく。 3.2に1を入れ、なめらかな生地になるまでホイッパーでしっかり混ぜる。 もういいかな? と思ってから、さらに1分ほど頑張って混ぜるくらいを目安に。 4.キッチンタオルなどを3にかけ、暖かい場所で45分くらい発酵させる。 5.膨らんで表面に泡が出てきたら発酵完了! スプーンですくってみて、ドロドロと濃度のある生地が流れ落ちるくらいが目安です。もしも、生地が流れ落ちず、ポタポタと落ちるくらい濃度がある場合、表面に穴がうまくできないので、水を少しだけ加えてスプーンで混ぜて調整します。 6.フライパンにバターを溶かし、内側にバターを塗ったセルクルをしっかり温める。熱すぎると焦げるが、温まっていないとうまく表面に穴ができないので、弱火でしっかり温める。温まったらスプーンで型の半分くらいまで生地を入れて弱火で焼く。 7.表面が固まってきたら、セルクルを外し、ひっくり返す。 火傷にご注意! トングなどを使うといいです。横着な私は何度も火傷しました。 8.ひっくり返した面にも焼き色がつくまで焼く。 9.完成! バターもゴールデンシロップもたっぷりとかけて、生地に染み込ませるのが美味しく食べるポイントです! お皿に盛るときは、穴のあいた面を上にするとよく染みますよ。 ぜひ作ってみてくださいね。





















