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庭を格上げする「ラークスパー」の魅力。涼しげで上品な花を美しく咲かせる栽培のポイント

庭を格上げする「ラークスパー」の魅力。涼しげで上品な花を美しく咲かせる栽培のポイント

AlenaUA/Shutterstock.com

初夏のガーデンに軽やかな彩りを添えるラークスパー(千鳥草)。デルフィニウムに似た豪華な花穂を立ち上げ、青紫やピンク、白など、色幅に富んだ繊細な花が風に揺れる姿は、ガーデンでも存在感を放ちます。
ラークスパーは、コツさえ掴めば初心者でも種まきから簡単に育てられるおすすめの植物。今回は、ラークスパーの基本情報から、失敗しない育て方のポイント、人気の品種やデルフィニウムとの違い、さらには知っておきたい毒性の注意点までを詳しく解説します。

ラークスパーの基本情報

ラークスパー
Bubushonok/Shutterstock.com

植物名:チドリソウ
学名:Consolida ajacis 
英名:larkspur、doubtful knight’s spur、rocket larkspurなど
和名:チドリソウ(千鳥草)
その他の名前:ラークスパー、ラクスパー、ヒエンソウ(飛燕草)など
科名:キンポウゲ科
属名:コンソリダ属
原産地:ヨーロッパ南部
形態:一年草

ラークスパーの学名はConsolida ajacis。キンポウゲ科コンソリダ属の一年草です。原産地はヨーロッパ南部。生育適温は10〜20℃で比較的冷涼な気候を好み、寒さには強い一方で、夏の暑さには耐えられずに枯死します。日本には明治初期にもたらされたようです。草丈は80〜120cmで株幅も取るので、地植えにする際は広めのスペースを確保するとよいでしょう。初夏を彩る花として人気が高いこともあって園芸品種も多く、一重咲きや八重咲きなど選ぶ楽しみがあります。

夕日に映える紫色のラークスパー。rinatfaiz/Shutterstock.com

ラークスパーの花や葉の特徴

ラークスパー
Melinda Nagy/Shutterstock.com

園芸分類:草花
開花時期:5〜7月
草丈:80〜120cm
耐寒性:強い
耐暑性:弱い
花色:青、紫、白、ピンクなど

ラークスパーの開花期は5〜7月。花色はブルー、紫、白、ピンクなどで、それぞれ色幅があります。デルフィニウムに似ていますが、ラークスパーは一年草で、葉がより細かく繊細なのが異なる点です。花径2〜3cmほどで一つひとつの花は小さいのですが、花穂を長く伸ばし、総じて30輪ほども連ねるのでダイナミックな咲き姿を楽しめます。花弁のように見えるのは萼片が変化したもので、実際の花弁は中心部にあり、花の後ろには距がつくのが特徴的です。葉は細く裂けて糸状になり、花後は莢ができます。

ラークスパー
花の後ろに長く伸びる距があるのが特徴。soba_apple/Shutterstock.com

ラークスパーの名前の由来と花言葉

ラークスパー
olko1975/Shutterstock.com

ラークスパーの和名は「千鳥草(チドリソウ)」。また「飛燕草(ヒエンソウ)」という別名もあります。どちらも鳥の名前が入っているのは、花姿が鳥が飛んでいるように見えることが由来となっています。ラークスパーは英名で「Larkspur」。「lark」はヒバリ、「spur」は鳥の足の後ろにある、上に向かって伸びる蹴爪のことです。直訳すると「ヒバリの蹴爪」で、ラークスパーの花の後ろに距があることにちなんでいます。

ラークスパー
Pilar Andreu Rovira/Shutterstock.com

ラークスパーの花言葉は「自由」「陽気」「快活」です。カラフルな花姿をイメージしたものと考えられます。

ラークスパーは毒性に注意

ラークスパー
Bing Dwen Dwen/Shutterstock.com

キンポウゲ科の植物には毒があるものが多く、ラークスパーも全草、特に種子に毒性のあるアルカロイドを含む有毒植物です。子供やペットが誤って口にしないように注意が必要です。ガーデンで栽培している分には基本的に問題はありませんが、皮膚に触れるとかぶれることもあるため、手入れの際は手袋を着用するとよいでしょう。

ラークスパーの代表的な種類と品種

ラークスパーは花色の幅もあり、また園芸品種も多くあります。人気の品種を一部ご紹介します。

‘アールグレイ’

クラシックな印象のニュアンスカラーの園芸品種。くすんだモーブピンクは、どんな草花にもよく似合います。半八重、八重の花姿もエレガント。

‘ミスティラベンダー’

グレーがかったシックなラベンダーカラーが特徴的。落ち着きのある色合いが人気です。八重~半八重咲き。

‘マーベラスピンク’

八重~半八重咲きの穂咲き大輪種。従来の繊細な印象に対し、サーモンピンクの花が密についてボリューム感のある品種。

カンヌ系

耐病性に優れ、八重〜半八重の大輪で花のボリューム感があるカンヌ・シリーズ。白に青紫の覆輪が爽やかな‘ブルーピコティ’、濃い桃色に淡いピンクの絞りが入る‘ローズストライプ’、濃い青紫色が目を引く‘ディープブルー’、純白の‘ホワイト’などの品種があります。

‘かぐや姫’

ピンクの花弁に紫の絞りが入る、珍しい絞り柄のラークスパー。見元園芸が生産する希少な品種。

ルリヒエンソウ

ルリヒエンソウ
Nick Pecker/Shutterstock.com

学名はConsolida regalis。青紫がかった花を咲かせ、ややコンパクトに生育します。園芸店ではこちらもラークスパーやチドリソウとして販売され、明確に区別されないことも多いです。

ラークスパーとデルフィニウムの違い

ラークスパーとデルフィニウム
左がラークスパー、右がデルフィニウム。Yulcha、Nadezhda Nesterova/Shutterstock.com

ラークスパーは、もともとはデルフィニウムの一種として同じデルフィニウム属に分類されていましたが、現在では、ラークスパーはコンソリダ属に分類されています。デルフィニウムは宿根草が多いのに対し、ラークスパーは一年草であるという違いがあります。花姿や草姿はよく似ていますが、大きな違いは葉の形。ラークスパーの葉はデルフィニウムのものよりも細かく裂け、コスモスの葉に似た糸状になるのが特徴です。ただしデルフィニウムは系統により葉の形が異なり、深く切れ込むものもあります。

ラークスパーの栽培12カ月カレンダー

ラークスパー
Helga_foto/Shutterstock.com

開花時期:5〜7月
種まき:10月〜11月上旬
植え付け:3~4月、11〜12月
肥料:3月、10〜11月

ラークスパーは秋まき一年草で、一般地でのライフサイクルは次の通りです。

秋に種まきをして育苗し、年内に定植。越年して春になると旺盛に生育し始め、5〜7月に開花します。開花が終わると夏越しできずに枯死する、短いライフサイクルです。とはいえ、こぼれ種で増えるほど強健で種まきが容易なので、種子を採取して種まきすれば毎年開花を楽しめます。

ラークスパーの栽培環境

ラークスパー
Bubushonok/Shutterstock.com

日当たり・置き場所

【日当たり/屋外】日当たり、風通しのよい場所を選びます。日当たりの悪い場所では、花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロとしたか弱い茎葉が茂って草姿が間のびしたりするので注意しましょう。

【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。

【置き場所】連作を嫌うため、キンポウゲ科の植物を植えていた場所を数年は避けることがポイント。水はけ、水もちのよい環境を好み、酸性に傾いた土壌を嫌う性質があるので、土づくりの際に苦土石灰を散布して土壌の酸度調整をしておきます。植え付け前に腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入してよく耕し、ふかふかの土づくりをしておくとよいでしょう。

耐寒性・耐暑性

寒さには強く、耐寒温度はマイナス12~マイナス15℃。ただし、霜に当たると株が傷むため、霜除け対策をしておくと安心です。高温多湿に弱く、夏に枯れる一年草として扱われます。

ラークスパーの育て方のポイント

用土

土
funnyangel/Shutterstock.com

【地植え】

植え付けの1カ月ほど前に苦土石灰を、表土がうっすらと白くなる程度に散布してよく耕しておきます。さらに植え付ける1〜2週間前に腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入し、よく耕して水はけのよい土壌をつくっておくとよいでしょう。植え付けの少し前に土づくりをしておくことで次第に分解して土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。

【鉢植え】

市販の草花用培養土を利用すると便利です。

水やり

水やり
Zoom Team/Shutterstock.com

株が蒸れるのを防ぐために株全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。なお、種まきしたあと、育苗中の冬は夕方に水やりすると凍結の原因になるので、十分に気温が上がった真昼に行いましょう。

【地植え】

地植えの場合は根付いた後はほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続いて乾燥し、茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら水やりをして補います。

【鉢植え】

日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、多湿にすると株が弱るので、水の与えすぎには注意。土の表面がしっかり乾いてから鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。成長期を迎えてぐんぐん茎葉を広げるようになると、水を欲しがるようになります。気候や株の状態に適した水やりを心がけましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。

肥料

肥料
Sarycheva Olesia/Shutterstock.com

多肥を嫌うので、地植えの場合は十分に土づくりをしていれば追肥の必要はありません。鉢栽培の場合は、生育期に株の勢いがないようであれば、液肥を与えて様子を見ましょう。

注意する病害虫

アブラムシ
schankz/Shutterstock.com

【病気】

発生しやすい病気は、灰色かび病やうどんこ病などです。

灰色かび病は花や葉に褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境で発生しやすく、ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれます。風通しが悪く込み合っていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。

うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。茎葉やつぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放置するとどんどん広がって光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用する殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。

【害虫】

ラークスパーに発生しやすい害虫は、アブラムシやヨトウムシなどです。

アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。

ヨトウムシは蛾の幼虫で、漢字で「夜盗虫」と書き、主に夜に姿を現して茎葉を食害します。大きくなった幼虫は食欲が旺盛で、一晩に株を丸裸にしてしまうほどです。葉から食害し始めるので、異変を察したら幼虫がまだ若いうちに駆除しましょう。発生しやすい時期は4〜6月、9〜10月です。食害の痕が認められたら夜にパトロールして補殺するか、適用のある薬剤を散布して防除します。

ラークスパーの詳しい育て方

種まき

種まき
Taras Garkusha/Shutterstock.com

ラークスパーは、ビギナーでも種まきから育てられます。種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなります。

ただし、ラークスパーの苗は春から花苗店に出回り始めます。手軽にスタートしたいなら、苗の植え付けからのスタートがおすすめです。「1〜2株あれば十分だから、苗の植え付けから始めたい」という方は、後ろの「植え付け」の項に進んでください。

ラークスパーの種まき適期は一般地で10月〜11月上旬で、発芽適温は15〜20℃です。まず、種まき用のトレイに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れ、十分に湿らせます。種を1〜2粒ずつまいて5mmほど覆土します。最後に浅く水を張った容器に入れて、底から水を給水します。これはジョウロなどで上から水やりすると水流によって種が流れ出してしまうことがあるからです。発芽までは明るい半日陰で管理し、乾燥しないように適度に底から給水しましょう。発芽まで10〜15日ほどかかります。

発芽後は日当たりのよい場所で管理します。勢いがあって元気のよい苗を1本のみ残し、ほかは間引きましょう。ヒョロヒョロと伸びて弱々しい苗や葉が虫に食われている苗、葉が黄色くなっている苗などを選んで間引きます。本葉が3〜4枚ついたら花壇や鉢などの植えたい場所に植え付けます。

植え付け

ガーデニング
Vasyliuk/Shutterstock.com

ラークスパーの植え付け適期は種まきして育苗した場合は11〜12月です。花苗店で苗を購入する場合は3〜4月です。花苗店で苗を購入する際は、節間が短く茎ががっしりと締まって丈夫なものを選びましょう。

【地植え】

土づくりをしておいた場所に苗よりもひと回り大きな穴を掘り、根鉢をくずさずに植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、20〜30cmの間隔を取りましょう。最後に、たっぷりと水やりします。

【鉢植え】

鉢の大きさは、6〜7号鉢を準備しましょう。

用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。ラークスパーの苗を鉢に仮置きし、高さを決めます。苗をポットから出し、根鉢をくずさずに植え付けましょう。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと水が流れ出すまで、十分に水を与えましょう。

支柱・摘心

支柱
NinaMalyna/Shutterstock.com

【支柱】

ラークスパーは草丈が高くなるため、早めに支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぎましょう。

【摘心】

ラークスパーは草丈が10cmほどの幼苗のうちにも茎の先端を切り取る「摘心」をしておくと、分枝して株張りがよくなります。

日常の管理

はさみ
Aleksei Golovanov/Shutterstock.com

【花がら摘み】

ラークスパーは次々に花が咲くので、終わった花穂は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。

夏越し・冬越し

敷きワラ
xpixel/Shutterstock.com

【夏越し】

ラークスパーは一年草で、夏前には枯死するので夏越しする必要はありません。開花が終わり、茎葉が枯れてきたら抜き取っておきます。

【冬越し】

寒さに強いほうですが、種まき後に定植して冬越しする場合は、株元にワラやバークチップなどを施してマルチングをしておくとよいでしょう。

増やし方

ラークスパーの種子
sophiecat/Shutterstock.com

ラークスパーは種子を採取し、種まきして増やすことができます。ただし、園芸品種の場合は必ずしも親と同じ花が咲くとは限りません。

【種子の採取】

種子を採取したい場合、開花期の終わりが見えてきたら花がら摘みをせずに、そのままにしておくと莢がつきます。茶色く変色したら完熟したタイミングなので莢を採取し、中から種子を取り出しましょう。密閉できる袋に入れておき、種まきの適期(10〜11月)まで保管します。

【こぼれ種でも増える】

花がら摘みをやめると莢がつくので、そのままにしておきます。完熟すると自然に莢が弾けて周囲に飛び散り、適期になると発芽して生育し始めるので幼苗のうちに掘り上げて植えたい場所に定植しましょう。連作を嫌うので、別の場所に移したほうがよく育ちます。

ラークスパーの育て方を知り上品な花を楽しもう

ラークスパー
bykot photo/Shutterstock.com

強健な性質で、ビギナーでも種まきから容易に育てられるラークスパー。花穂を長く伸ばしてダイナミックに咲き誇るので、縦のラインを強調して庭に華やぎをもたらしてくれます。ぜひラークスパーの栽培にチャレンジしてみてください。

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