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【春のガーデニング】園芸店で迷わない! プロが教える相性抜群の植物コンビ5選

【春のガーデニング】園芸店で迷わない! プロが教える相性抜群の植物コンビ5選

Gartenbildagentur Friedrich Strauss / Strauss, Friedrich

園芸店に並ぶ色とりどりの花苗を前に、「どの花とどの花を買えばいいのか分からない!」と悩んでいませんか? ドイツ出身のガーデナー、エルフリーデ・フジ-ツェルナーさんが、春の庭をナチュラルに彩るおすすめの植栽コンビネーションアイデアをご案内します。併せて、この春実現した「理想のイチゴジャム作り」にまつわるエピソードもご紹介。春の庭からの贈り物をたっぷりお届けします。

爽やかな新緑の季節

新緑の庭
Gartenbildagentur Friedrich Strauss / Strauss, Friedrich

庭や道端、公園、森、そして手つかずの自然が残る場所、あらゆる隅々にまで、みずみずしい緑が芽吹く季節です。私が特に好きな緑の1つが、カキの若葉の色。フレッシュな淡い緑色は、特に太陽の光を透かしたときに、とても美しく輝きます。カキの木は樹形も印象的で、私のお気に入りの木は九州の義母の庭にあるもの。和室のすぐ前の小さな庭に植えられたこの木は、隣家の駐車場と家との間に素敵な目隠しを作ってくれると同時に、低い屋根の家々と近くの森との景観を美しく区切る役割も果たしています。

カキの木の若葉
カキの木の若葉。smtd4/Shutterstock.com

カキの木は四季折々の姿が楽しめる樹木。しっかりとした幹に最初の淡い緑色の葉が開く芽吹きの春に、想像の中ではもう美味しい果実を食べている秋の自分の姿が目に浮かびます。夏には葉が厚く濃い緑色になり、秋には黄色に色づきます。葉が落ちる冬も、ごつごつとした角張った樹皮が、1つの美しい景観を作り出します。

秋のカキ
重たげに実を吊り下げる秋のカキの木。shen renjie/Shutterstock.com

春のおすすめ植物組み合わせアイデア

庭づくりの準備には、想像力が非常に重要です。小さな種子が成長するとどのような立派な植物に変貌するか、周囲にはどれくらいのスペースが必要で、どんな植物が合うのか、など。こうした想像力を働かせるためには、日ごろから植物の成長した姿や組み合わせた時の印象をストックしておくことが大切です。組み合わせの妙は偶然により生まれることも多いので、私はどこにいても、「自然に見える組み合わせ」を探しています。

そんな中で見つけたおすすめの植物コンビネーションをいくつかご紹介します。春は、園芸店やナーセリーにはじつにさまざまな苗が並び、どれを買えばいいのか、どれが合うのか迷ってしまうほどですが、参考にしてみてください。

アガパンサス&グラジオラス

アガパンサス
初夏に旺盛に茂るアガパンサス。Gartenbildagentur Friedrich Strauss / Green Solutions

先日、4月にアガパンサスの葉の間から、春咲きの赤いグラジオラスが咲いているのを見つけました。春のアガパンサスの葉は取り立てて目立つものではありませんが、花茎を長く伸ばした花が現れると、美しい緑のフレームのように花を彩ります。グラジオラスの花が散った後、枯れた茎は見頃を迎えるアガパンサスに覆われ、見事なバトンタッチを見せてくれます。

スパラキシス&グラス類

スパラキシス・トリカラー
スパラキシス・トリカラー。billysfam/Shutterstock.com

ハーレクインフラワーとも呼ばれるスパラキシス。育てやすく、日当たりのよい場所を好む植物で、春から初夏にかけて庭を彩ります。ガーデンで最もよく見られるスパラキシス・トリカラーは、オレンジ色の花弁に中心は黄色、そして黒色の模様が入る、ユニークで目を引く花です。園芸品種も豊富で、オレンジ、ピンク、赤、白、黄など明るく華やかな花が楽しめます。草丈は20~30cmほど。球根は9~12個をまとめて植えると、より鮮やかな色彩を楽しむことができるのでおすすめです。花もちがよく、切り花としても長く楽しめます。

乾燥に強いスパラキシスは、ロックガーデンや水はけのよい土壌でよく育ちます。プランター、コンテナ、鉢植え、地植えなど、幅広い環境で育てやすいことも魅力です。温暖な気候では植えっぱなしにできますが、寒冷地では冬は土から掘り上げて保管し、早春に植え付けるとよいでしょう。

スパラキシス
Photo/Elfriede Fuji-Zellner

九州・長崎地方で私が目にした素晴らしい植栽は、小さな丘を覆うように一面に植えられた白と黄色のスパラキシスと、グラス類を組み合わせたもの。桜の開花が終わった直後の公園で見かけ、散り落ちた桜の花びらが周囲を覆い尽くしていたその光景は、本当に目に美しいものでした。

スパラキシス
白と黄色のスパラキシス。Photo/Elfriede Fuji-Zellner

鮮やかな赤色に黄色い目が入ったスパラキシスもあり、早春から赤い花を咲かせる珍しい存在として、ひときわ目立つアイキャッチャーになります。背の低い緑のグラウンドカバーと組み合わせるほか、ローズマリーやラベンダー、黄色やクリーム色のガザニアとの相性も抜群です。

スパラキシスには、こんな思い出もあります。九州の義母の家の近所にある、小さな庭のある昔ながらの平屋には90歳を過ぎたおばあさんが暮らしていて、庭の前の小さなベンチによく腰掛けています。ある日、彼女の家を訪ねると、黒と黄色の目が入った赤い花を咲かせている美しいスパラキシスに目を奪われました。ちょうど満開で、少なくとも100輪はあったでしょうか。その美しさに見とれていたところ、彼女は喜んで苗を分けてくれ、すぐにいくつか掘り起こしてくれたのですが、小さなハンドスコップで一生懸命掘ったので、スコップの柄が曲がってしまいました。

そんなこんなでいただいた苗は、大事に箱に入れ、九州から持ち帰った他の素敵な品々とともに東京までやってきました。苗のお返しには、農家から直接買った美味しいミニトマトをお裾分け。こうしたやり取りができるのもガーデニングの醍醐味ですね。

植物には、それにまつわる素敵なエピソードと、愛おしい思い出があります。こうした庭での小さな出来事や、大切な思い出話を持つことは、とても大切なことだと思います。

イベリス&シランや球根植物

イベリス
イベリス。Khairil Azhar Junos/Shutterstock.com

ドイツ語では「リボンの花」という意味の名を持つイベリスは、低く茂って春に純白の花を咲かせる美しい植物。這うように育つグラウンドカバープランツで、石の多い土壌やロックガーデンによく似合います。私のおすすめは、植物の隙間を埋めるように植栽すること。例えばピンク色の花を咲かせるシランは、イベリスの白い花とのコントラストが美しく、すっきりと伸びた葉も観賞価値があります。

シラン
シラン。tamu1500/Shutterstock.com
イベリスとチューリップ
優しい印象のイベリスとチューリップは春の黄金コンビ。Gartenbildagentur Friedrich Strauss / Strauss, Friedrich

フリージアなどのカラフルな花のミックス、チューリップやスイセン、ラナンキュラスといった球根植物との組み合わせでもぜひお試しを。多年草のイベリス・センペルビレンスは秋冬に咲くこともあるので、秋に咲くネリネ(ダイアモンドリリー)と合わせてもいいですね。

ネリネ
ネリネ。F_studio/Shutterstock.com

ちなみにネリネは、英名ではガーンジーリリーとも呼ばれます。ガーンジーとは、チャンネル諸島を構成する島の1つ、ガーンジー島のこと。豊かな自然と壮大な景色、そして手つかずのビーチで知られるチャンネル諸島は、イングランド南岸とフランス北岸(ノルマンディー地方)の間にあり、ジャージー島、ガーンジー島、オルダニー島、サーク島、ハーム島の5島と島しょ部からなります。南アフリカを原産地とするこの植物が、イギリス海峡に浮かぶガーンジー島の名を持つ由来には、次のような説があります。

それは、17世紀にある船が難破し、積み荷であったユリの球根が流されて漂着した先が、チャンネル諸島のガーンジー島であったというもの。そこで350年以上もの間、野生のまま生息していたのだそうです。

植物の原産地は、ガーデナーにとって重要な情報。原産地の気候が分かれば育てるヒントになりますし、植物の組み合わせを考える際にも役立ちます。

コキア&コスモス

コキアとコスモス
Gartenbildagentur Friedrich Strauss / Strauss, Friedrich

コキアの種まきは4~5月が適期。温暖な地域では草丈120cmほどまで成長しますが、寒冷地ではもっと小さく育ちます。鮮やかな緑の葉とコスモスの組み合わせは、まさに絶妙。私の一番好きな色合わせは、赤く染まった秋のコキアと白いコスモスの花です。白だけでなく、赤、淡いピンク、黄色なども素敵なので、お好み次第で組み合わせられますね。

今年の晩秋は、コキアでほうきを作るのが、私の次の目標です。

コキアとコスモス
コキアの名所として知られる茨城県の「国営ひたち海浜公園」で、赤く色づいたコキアを背景に咲く色とりどりのコスモス。vichie81/Shutterstock.com

ネメシアとスイートピー

スイートピーとネメシア
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ネメシアとスイートピーも、色鮮やかな美しい景観を作り出すことができるコンビネーション。スイートピーは支柱やトレリスに沿って垂直に伸び、ネメシアは豊かな花の絨毯のようにふんわりと横に広がります。この組み合わせはコテージガーデンのスタイルでよく用いられ、幾重にも重なる、香りと色彩豊かな演出になります。草丈が低いネメシアは、つる性のスイートピーの株元をカバーするのにぴったり。茎がひょろひょろとむき出しになりがちな株元を、ネメシアが美しく隠してくれます。

スイートピーとネメシアは、どちらも香りがよく、生育条件も似ているので、一緒に育てやすい組み合わせ。日当たりのよい場所から半日陰を好み、肥沃で湿り気があり、水はけがよい土壌が理想的です。

スイートピーと相性のよい植物として、クローバーも挙げられます。クローバーも草丈が低いグラウンドカバープランツ。マメ科のクローバーは根粒菌の働きにより空気中の窒素を固定し、土壌を肥沃で豊かにして保水性を高める役割もあります。白い花もスイートピーによく似合いますよ。

イチゴの季節!

イチゴ
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春は植物の組み合わせのアイデアが尽きない楽しい季節ですが、この時期は新鮮な果物も大きな楽しみです。

自宅で育てやすい春の果物といえば、イチゴ。バルコニーやベランダ、玄関先でイチゴを育ててみませんか? 美味しい実はもちろん、可愛らしい花と美しい葉も見逃せません。花色は白やピンクがあり、小さなワイルドストロベリーから大粒のイチゴまで、品種も豊富です。

イチゴと合わせて植える野菜には、ニンニクやタマネギが人気。ボリジ、サラダ菜、ほうれん草、キンセンカなどと組み合わせると、より華やかなキッチンガーデンになります。

リーズナブルな手作りイチゴジャムを求めて

イチゴジャム
Photo/Elfriede Fuji-Zellner

この春の美味しいエピソードは、自分と家族のためにイチゴジャムを作ったこと。何年も前からチャレンジはしていたのですが、なかなかジャム作りに適したイチゴを手に入れることができていませんでした。

今年は、九州に短期間滞在した時がちょうどイチゴの収穫期だったという機会があり、さらに有名なイチゴの産地がすぐ近くにあるとか。めったにない機会なので、ジャム用のイチゴも探してみたのですが、多くの場所で販売されているイチゴはどれも、ジャム作りにはもったいないほど良質なものばかりでした。

そこでいくつかのイチゴ農園に電話をかけたところ、ある農園で、ジャム用のイチゴを販売しているというお返事をいただきました。ただし、すぐに売り切れてしまうということなので、次の入荷分を予約することに。待つこと数日、そして九州の山道を1時間近くかけて車で走った末、小さな道端のお店で、ジャム用のイチゴ2kgをたった1,500円で手に入れることができました。

ジャム用イチゴ
ようやく手に入れた理想のジャム用イチゴ。Photo/Elfriede Fuji-Zellner

帰るついでに図書館に立ち寄る予定だったので、イチゴが車の中で温まってしまわないよう、図書館のロッカーに預けることにしました。2kgのイチゴと一緒に図書館を訪れるのは初めての経験。一風変わった体験もさせてもらった図書館は、建築的にも素晴らしいものでした。木材などの自然素材がふんだんに使われ、大きな窓からは光と風がたっぷりと差し込んで、雰囲気も最高でした。

この地域は柑橘類も有名で、いろいろな種類を手に入れることができたおかげで、満足いくまで自家製のイチゴジャムとマーマレードを作ることができました。九州からの帰りの荷物には、ジャムをたっぷり詰めたガラス瓶がいくつかと、九州の素敵なお土産がたくさん増えました。

今回学んだことは、ちょっと大げさですが「諦めければ、必ず望みを叶える道が開ける」ということです。今回の私の望みは、「手頃な価格で自家製イチゴジャムを作る」こと。シンプルながらも意外と難しいものでしたが、この九州旅行で達成することができました。

ガーデン
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この九州滞在を通して改めて実感したのは、人と人とのコミュニケーションがいかに大切かということ、そして花や食べ物は、そのコミュニケーションの素晴らしい手段だということです。

喜びと満足感、そして素敵な思い出を数多くもたらしてくれる人との繋がりは、身体と心の健康のもとですね。

季節のおすすめアイテム

バードバス 自立式 -GARDEN STORY Series-

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