手軽で美味しさ抜群 スコットランド発祥の「チョコレートティフィン」

もうすぐバレンタインデーですね。今回はチョコレートのお菓子をご紹介しましょう。イギリスの家庭でよく作られるという、簡単だけれどとっても美味しい「チョコレートティフィン」。ボリュームもあって、やみつきになってしまうかも。子供と一緒に手作りできるチョコレートティフィンを、イギリス菓子研究家でパティシエのTomoさんに教えていただきます。
チョコレート大好きの英国人

チョコレートが街に溢れるこの季節。チョコレート好きとしては嬉しい限りです。イギリス人はチョコレートが大好き、というのは以前にもお伝えしましたが、私がかつて働いていた、イギリス、コッツウォルズのホテルでは、この時期になると〈チョコホリック(チョコレート中毒)〉というイベントが行われていました。コース料理のすべてにチョコレートを使うというイベントで、もちろん、数種類のデザートもすべてチョコレート! チョコレートアイスクリーム、チョコレートムース、チョコレートタルト、温かいチョコレートプディングなどの、チョコレート三昧の盛り合わせという、なんとも夢のような(でも想像すると、ちょっとくどいような)イベントです。

私はデザート担当だったので、あいにく料理のすべてを見る機会はありませんでしたが、ステーキなどの肉料理にチョコレートソースは意外に合うので、皆さまにもぜひ挑戦していただきたいなと思います。それから、イギリスではキャセロールという、さまざまなタイプの煮込み料理があるのですが、そういったものにもチョコレートが使われていました。コッツウォルズの冬はとても寒いので、お客様の数は夏のハイシーズンの半分以下になります。だから、集客のためにこういったイベントが催されたのだと思いますが、なかなか面白く、人気のあるイベントでした。
英国王室でも人気のチョコレートティフィン

さて、今回ご紹介するチョコレートティフィン。なんだか可愛らしい名前のお菓子ですが、オーブンで焼く必要もなく、冷蔵庫で固めるだけなので、フリッジケーキ(冷蔵庫ケーキ)とも呼ばれています。このチョコレートティフィンはスコットランド発祥と言われています。英国王室のウィリアム王子もお好きなようで、ロイヤルウエディングでも振る舞われたとか。
でも、作り方はいたって簡単。砕いた全粒粉のビスケットとレーズンに、バターとチョコレートを溶かしたものを混ぜて、型に入れ、さらに上から溶かしたチョコレートをかけて、冷蔵庫で冷やし固めるだけ。子供でも気軽に作れる、失敗のないお菓子です。
表面のチョコレートはパリッとして、その下で、ビスケットのサクサクと、レーズンのほんのりした酸味や甘味、それから、ビスケットの軽い塩気が一体となって、素晴らしいハーモニーを奏でるというこのお菓子。ついつい止まらなくなりそうですが、かなりボリュームがあります。紅茶やコーヒーのお供にぜひどうぞ。

今回使った全粒粉ビスケットはマクビティ社の、イギリスでもとっても人気のものです。私もイギリスでよく同社の、チョコレートコーティングされたダイジェスティブビスケット(全粒粉ビスケット)を買っていました。程よい塩気とザクザク感が最高なのです。ちなみにマクビティ社はスコットランドで創立された会社で、英国王室御用達となっています。
日本で売っている個包装されたパッケージはイギリスでは見たことがなく、あちらでは大容量のビスケットが一つのパックにぎゅっと収まっているスタイルが一般的。多分、日本だと湿気てしまうから、そのパッケージはできないのだろうなと思います。
もしもマクビティ社のビスケットが見つからなくても、全粒粉ビスケットは製菓材料店などで販売されているので、そちらで大丈夫です。チョコレートも高級なものを使う必要はありません。イギリスでもティフィンは家庭で作るお菓子なので、お好きなチョコレートで気軽に作りましょう。ここではイギリスの定番チョコレート〈カドバリー〉のミルクチョコレートを使いましたが、こちらもお好きなものをお使いください!
今回は子供と一緒に作れる簡単なお菓子なので、我が家の子供達にも手伝ってもらいました。では作っていきましょう!
チョコレートティフィンの作り方

材料(18x18cmのバット)
*容器のサイズは目安です。器が小さければチョコレートが厚く、大きければ薄くなるだけなので、大体のサイズでOKです。
- 全粒粉ビスケット……200g
- レーズン……70g (お好みでクランベリーなど他のドライフルーツに変えてもよい)
- 無塩バター……180g
- ミルクチョコレート……100g
- ゴールデンシロップ……大さじ2
- ココア……大さじ2
*ゴールデンシロップはイギリスではお菓子作りに欠かせない、サトウキビから作られた糖蜜で、輸入食品店や製菓材料店で購入できます。蜂蜜で代用可能。
〈コーティング用〉
- ミルクチョコレート……200g
- ホワイトチョコレート……40g(飾り用なので、なくてもよい)
作り方
- 全粒粉ビスケットをジッパーバッグなどに入れ、麺棒で叩く。あまり砕きすぎず、塊が残っているくらいのほうがいい。
- 無塩バター、ミルクチョコレート、ゴールデンシロップ、ココアを湯煎で溶かす(耐熱性の陶製かガラス製のボウルに入れて、電子レンジにかけてもOK。様子を見ながら数秒ずつ加熱する)。
- 2のチョコレートにレーズンとビスケットを入れ、全体を混ぜる。ビスケット全体にチョコレートがかかればよい。
- オーブンペーパーを敷いた型に3のビスケットを入れ、スプーンの背などでぎゅっと抑えて平らにし、冷蔵庫に入れておく。
- コーティング用のチョコレートを湯煎で溶かす(電子レンジでもOK)。ホワイトチョコレートも使う場合は、別々に溶かす。
- 4の型を冷蔵庫から出し、上から5の溶かしたミルクチョコレートを流し、平らにする。
- その上に5の溶かしたホワイトチョコレートを、スプーンを使いながら適当に流す。
爪楊枝でくるくるしながら、適当に模様をつけて、
冷蔵庫で2時間ほど冷やし固めて完成。
- カットする際はナイフをお湯や火で温めて、ゆっくりと押しながら切ると切りやすい。
出来上がり!

せっかくなので、表面が見えるようにラッピング。

大人な感じも素敵ですが、ポップにたくさんのハートのスパンコールと一緒に袋に入れても。

今年のバレンタインにぜひ作ってみてください!
Credit

写真&文/The Pudding Party Tomo
イギリスのプディングの美味しさをもっと多くの人に知ってもらいたいと活動する、イギリス菓子研究家、パティシエ。ル・コルドン・ブルー横浜校にて菓子ディプロムを取得。英国コッツウォルズのスリーウェイズ・ハウス・ホテルにてイギリス伝統菓子作りの腕を磨く。
〈The Pudding Party Tomoとイギリス菓子作り〉 https://youtube.com/channel/UCV1hGcG5t0SELBBiuJ1GqBA
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