スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 2026年10月5日発売の書籍第3弾『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行/KADOKAWA)予約受付中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 2026年10月5日発売の書籍第3弾『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行/KADOKAWA)予約受付中!
3and gardenの記事
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暮らし

庭で野鳥観察! バードハウスづくりの6のポイント
巣箱(バードハウス)の作り方 巣箱の素材は木製で、合板ではなく厚み1cm以上の一枚板が最適です。巣箱の外はペイントしてもOKですが、中は塗料を使用しないでおきましょう。巣箱の床には水がたまらないように水抜け穴を。一家族が利用した後は掃除をして新たな家族を迎え入れる準備ができるよう、壁面か屋根を開閉できるようにつくります。鳥の出入り口となる丸い穴の大きさは、鳥の種類によって微妙に異なります。林野庁・東北森林管理局によれば、鳥の種類ごとに快適な住まいのサイズは次の通りです。巣箱づくりの参考にしてみてください。 野鳥に合わせた巣箱(バードハウス)のサイズ 巣箱づくりのポイント6まとめ 木製にする 厚み1cm以上の一枚板 内側は無塗装 水抜け穴を作る 開閉する箇所を設ける 丸穴は鳥に合わせる バードハウスのデザインバリエーション D.I.Y.の小鳥アパートメント。ガーデンオーナメントとしては素晴らしいこだわりの巣箱ですが、小鳥が気に入ってくれるかどうかは…。小鳥が入ってくれたら、巣箱には不用意に近づかないようにします。子育て中の親鳥はとても敏感になっていて、巣箱の中で恐怖を感じると親鳥はヒナがいても巣箱に戻らなくなってしまい、ヒナが死んでしまいます。そうならないよう、そっと見守ってあげてください。 Photo/ 1)Volker Rauch/ 2)Heather L. Hubbard/ 3)Heather Reeder/ 4)Gina Smith/ 5)Robert J. Beyers II/ Shutterstock.com
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宿根草・多年草

葉色の美しさが魅力的なカレックス! 寄せ植えやグラウンドカバーで楽しもう
カレックスの特徴 Gardens by Design/Shutterstock.com カレックスは葉色やサイズもさまざま。種類によって乾燥地向きとそうでないものがあるので、それぞれの特徴を知ることが栽培する上で大切です。ここでは、そんなカレックスの特徴について解説します。 基本情報 Henrik Larsson/Shutterstock.com カレックスはカヤツリグサ科スゲ属の植物で、多年生と一年性の種があります。自生環境も湿地を好むものから乾燥地を好むものまでさまざまで、草丈は20~120cmと幅があります。耐寒性はおおむね高く、耐暑性も問題ありません。日本にも約210種が自生し、世界中には2,000種類以上が分布しているという、大きなグループです。そのため園芸品種も非常に多くあります。 栽培難易度が低く、日陰でも育つので、ナチュラルガーデンや寄せ植えなど、園芸を始めたばかりの人でも使いやすい植物です。 花や葉の特徴 Burhan Oral GUDU/Shutterstock.com 一見するとイネ科のような細い葉を放射状に広げ、冬でも常緑で綺麗な葉色を保つ種が多いです。そのため一年を通して葉の繊細なラインを楽しめるのが魅力。光沢のある葉は緑色や銅葉、斑入りのものなどがあります。異なる品種を組み合わせて、グラウンドカバープランツとして葉色の違いを楽しむのもおすすめです。花期は4~6月で、穂状の花を咲かせます。華やかさはありませんが、風に揺れる様は涼やかで可愛らしいものです。 アレンジ Beekeepx/Shutterstock.com カレックスはコンパクトにまとまり、ほかの植物とも合わせやすいため寄せ植えの素材や引き立て役として活躍します。また地植えの際、庭のコーナーに沿って数種をまとめて植え、グラウンドカバーとして使うこともできますし、ロックガーデンなどでオーナメンタル的に植えても様になります。和風、洋風、ナチュラルな雰囲気の庭など、どんなタイプの庭にも合わせることができるため、とても重宝します。 栽培環境 Vankich1/Shutterstock.com どんな庭にも合わせやすいカレックスですが、乾燥地に自生する種もあれば湿地に自生している種もあります。そのため、種類に応じた環境に植えてあげることが大切です。ここでは自生地に応じた栽培環境について解説します。 適した場所 Mariia Boiko/Shutterstock.com カレックスのほとんどはあまり場所を選ばず、日当たりのよい場所から半日陰まで問題なく育てることができます。ただし、斑入り種は夏の強い日差しで葉が傷む場合があります。そのため地植えの際はやや日陰の場所に、鉢植えの場合はその時期だけ場所を移動するようにしましょう。反対に銅葉やオーレアと呼ばれる黄色みがかった葉色の種は、日差しが遮られると葉色もはっきりしないので、植える場所に注意しましょう。日本原産の種はやや湿り気のある土壌を好むようですが、地植えであれば極端に乾燥しない限りは問題なく育ちます。 用土 SHDStockProject/Shutterstock.com ほとんどの種類は、水はけと通気性のよい土壌が適しています。肥沃な土壌でよく育つので、地植えの際は、植える前に腐葉土を混ぜておくとよいでしょう。寄せ植えなど、鉢植えの場合は、赤玉土に腐葉土を7:3程度の割合で混ぜた土か、市販の草花用培養土で育てるのがおすすめです。 育て方の基本 guentermanaus/Shutterstock.com 丈夫で手間のかからないカレックスですが、基本を知ることで失敗なく栽培することができます。ここでは、育て方の基本について解説します。 水やり Silarock/Shutterstock.com 地植えであれば、植え付け後すぐはしっかりと水やりを行い、活着後は基本的に雨水だけで問題なく育ちます。土の乾燥が進み、水不足になると、葉が先端から枯れてきます。地植え、鉢植えにかかわらず、その際はしっかりと水やりを行いましょう。特に夏場は注意が必要です。 肥料 Singkham/Shutterstock.com 基本的には肥料は必要としません。植え付け時に緩効性肥料を規定量混ぜ込んでおく程度でよいでしょう。小苗から早く大きくしたい場合や、葉の色艶がよくない場合は、2カ月に1回を目安に液体肥料を施したり、春に置き肥をしたりすると調子よく育ちます。 植え付け・植え替え Mariia Boiko/Shutterstock.com 植え付けは、新芽の動き出す3月から4月上旬がおすすめです。園芸店では春になるとたくさんの品種が出回るので、苗の購入後すぐに植え付け、その後はたっぷりと水やりを行い定着させましょう。地植えの場合は、植え替えの必要はありません。大きくなりすぎた場合は株分けを行い、サイズを小さくすることができます。鉢植えの場合、成長とともに根の張りも強くなり、鉢の中で根が詰まってしまうと生育が悪くなるため、一回り大きな鉢に植え替えましょう。その際、古くなって黒くなった根を取り除き、整理しておくと、その後の育ちもよくなります。 剪定・切り戻し Gold Picture/Shutterstock.com 大株になると古い葉が中心部に溜まって風通しが悪くなり、そのままだと枯れ始めます。そのため、冬に葉を株元から5cm程度の位置で全体的に刈り込み、古い葉を取り除いておきましょう。中心部まで光が届くようにしておくと、春になったときに新しい葉が綺麗に展開することができます。それ以外の時期でも、草丈を揃えたいときは適宜刈り込んでかまいません。 増やし方 Vankich1/Shutterstock.com カレックスは種まきと株分けで増やすことができます。一度に多くの苗が必要な場合は、種まきがおすすめです。種まきの適期は9〜10月上旬、もしくは3月下旬〜5月上旬。播種後2~3週間ほどで発芽します。ある程度の大きさになったら移植します。種子繁殖の場合、斑入り種は斑の出ていないものも発芽してくるため、不要なものは間引きましょう。また大株を株分けし、増やす方法もあります。特に斑入りなどの品種では、安定して同じ性質を持った苗が確保できるのでおすすめ。ハサミなどを使って株元を縦に割るように切り取ります。この時、切り取る株にも根がしっかりと付いているように注意しましょう。適期は3月~4月上旬です。 病害虫や冬越しの注意点 RomanLebedev/Shutterstock.com 注意する病害虫は特にありません。葉の過密が原因で中心部が蒸れ、腐ることがあるので、葉の刈り込み作業をしっかりと行いましょう。耐寒性も高く、冬越しは厳寒地を除き特に対処することはありません。ただ鉢植えで、長期間土まで凍るような状態の時は、室内に取り込んだり、防寒用のカバーを巻いたり、寒冷紗で覆うなど凍結防止の対策が必要です。 斑入り品種で先祖返りが起こったときの対応 Nahhana/Shutterstock.com 斑入りのカレックスを育てていると先祖返りを起こし、斑のなくなった葉が出てくるときがあります。そのような葉は斑入りの葉より性質が強いため、そのままにしていると斑なしの葉の勢いが強くなってしまいます。斑入りの葉を楽しみたければ、斑なしの葉が出てきた場合はすべて取り除くようにしましょう。 代表的な品種 Tatyana Mut/Shutterstock.com 前述のように、カレックスは世界に2,000種以上が分布し、園芸品種も数多くあります。ここでは、その中でも代表的な品種について解説します。 ジェネキーCarex brunnea ‘Jenneke’ Photowind/Shutterstock.com 主な自生地は日本で、東南アジアやオーストラリアにも自生しています。草丈30cmほどでコンパクトにまとまり、葉は細く、立ち上がるようにして弧を描きます。密に茂り、一年を通して綺麗な中斑が入ります。暑さ寒さに強く、大きな株になるととても丈夫です。ただ成長がやや遅く、小苗の時期は土の乾燥と高温多湿にやや弱い面があるため注意しましょう。 オシメンシスCarex oshimensis Svetlana Zhukova/Shutterstock.com 日本原産のカレックスで、別名をオオシマカンスゲやベアグラスともいいます。中でも葉に斑の入った‘エバーゴールド’という園芸品種がよく流通しています。日本の気候にあった品種ですが、夏の用土の蒸れに弱いので、水はけのよい場所に植えましょう。 フロステッドカールCarex comans 'Frosted Carls' Joe Kuis/Shutterstock.com ニュージーランド原産です。淡い緑色の葉は糸のように細く、弧を描くように伸び、葉先はカールします。暑さ寒さに強く丈夫で、姿が乱れてきたら強剪定をすると再び綺麗に育ちます。乾燥と多湿に弱い面があるので、小苗のうちは特に注意しましょう。 カレックスを植えて、美しい葉色や株姿を楽しもう guentermanaus/Shutterstock.com カレックスはとても丈夫で、メンテナンスも少ないため、園芸初心者でも扱いやすいリーフプランツです。葉色やサイズも豊富なことから、選んだり、組み合わせたりする幅も広く、初心者だけでなく上級者も多用しているオーナメンタルグラスといえるでしょう。さまざまな花と合わせて、自分だけの組み合わせを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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おすすめ植物(その他)

秋を彩る花を探そう! 10月に咲く人気の花20選
ガーベラキク科多年草/主な花色:赤・ピンク・黄・オレンジ・白・緑・茶・複色/開花期:3~5月、9~11月 Suleymagination/Shutterstock.com ガーベラは、切り花、鉢花ともに人気が高く、伸ばした花茎の先に、色鮮やかでパッチリ開いた明るい雰囲気の花を咲かせます。原種のガーベラは一重咲きですが、現在では品種改良により咲き方もバリエーション豊富に。常緑で寒さに強く、種まきからでも育てることができます。苗を購入するときは、葉の数が多く下葉が黄ばんでいないもの、花つきがよくてつぼみが多いものを選び、根鉢を崩さずに植え付けましょう。日当たりが悪いと葉ばかりが茂って花が咲きにくくなるので、日当たりと水はけのよい場所で管理します。ガーベラ全般の花言葉は「希望」「常に前進」などです。 ●ガーベラの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します バラバラ科低木/主な花色:白・赤・ピンク・オレンジ・黄・紫・茶・黒・緑・複色/開花期:5~11月 写真/元木はるみ 四季咲き性のバラは、秋に今年最後の花を咲かせます。初夏の開花シーズンに比べるとボリュームや花数は少ないですが、花色が冴えて花もちもよく、秋バラならではの凛とした姿を見せてくれます。秋バラを綺麗に咲かせるためには、夏の終わりに不要な枝を取り除き、剪定や整枝をするとともに、施肥を行うとよいでしょう。夏の剪定では、必要以上に葉の量を減らさず、光合成を妨げないようにすることがポイントです。また、猛暑で株が消耗したバラは、土壌改良材をすき込むなどして対処してあげるとよいでしょう。バラ全般の花言葉は「愛」「美」などです。 ●秋バラが綺麗に咲くように~今から行う鉢植えバラの手入れ方法 ワレモコウバラ科多年草/主な花色:赤茶/開花期:7~10月 Flower_Garden/Shutterstock.com ワレモコウは日本でも古くから自生してきた、お馴染みの山野草。花茎を立ち上げて、頂部に1〜2cmの卵形の穂状花序ができます。花に見える部分はじつは萼で、花自体はほとんど退化しています。細い茎は少しの風にも揺れて、繊細な雰囲気。野趣感のある咲き姿は、ナチュラルガーデンや雑木の庭、和の庭にぴったりです。ドライフラワーにして、長く楽しむこともできます。耐寒性、耐暑性に優れ、植えっぱなしでもよく育ちます。ワレモコウの花言葉は「変化」「移りゆく日々」「愛慕」「もの思い」「明日への期待」「あこがれ」「移ろい」などです。 ●ワレモコウを育てたい! ワレモコウの楽しみ方や育て方のポイント ソリダゴキク科多年草/主な花色:黄/開花期:6~11月 Gardens by Design/Shutterstock.com ソリダゴといえば、日本中に生えている外来雑草の「セイタカアワダチソウ」があまりにも有名なため、日本では少し嫌われているかもしれません。ですが、世界中に膨大な種類があり、ヨーロッパ、アメリカなどガーデニングの盛んな国では、古くから親しまれています。切り花としても人気が高く、秋の花壇には欠かせない存在です。ボリュームある黄色の花は、秋色の庭でひときわ目を引きます。園芸品種は、丈夫ですが繁茂しすぎることもありません。日当たりと水はけのよいところで育て、花が終わったら切り戻しをしましょう。ソリダゴの花言葉は「内気」「用心」などです。 ●秋の移ろう庭を彩り・演出する宿根草1 キク科編【乙庭Styleの植物27】 ムラサキシキブクマツヅラ科低木/主な花色:ピンク /開花期:6~7月 scott mirror/Shutterstock.com 秋に艶やかな明るい紫の実を付けるムラサキシキブ。開花と実の美しさの両方が楽しめます。ガーデニングでは、たっぷりと実をつける近縁種のコムラサキがよく利用されていますが、交雑種も多く、園芸店などではどちらもムラサキシキブとして流通していることも多くあります。コンパクトにまとまる樹木なので、中高木の足元を彩ったり、樹高の高い中高木と草花の間をつなぐ役割としても活躍。リースやスワッグなどクラフトに利用しても素敵です。日当たり、風通しのよい環境を好み、乾燥がやや苦手なので、適度に水はけ、水もちのよい土壌で育てましょう。ムラサキシキブの花言葉は「聡明」「上品」「愛され上手」などです。 ●ビビッドな紫が魅力的なムラサキシキブ! 自宅でキレイに育てるには? コルチカムイヌサフラン科多年草/主な花色:ピンク・紫・白・黄/開花期:9~10月 Artem Charkin/Shutterstock.com 秋になると、地面からにょっきりと花茎を伸ばし、ピンクや白、紫などの花を、地際付近に美しく咲かせるコルチカム。寄り添うように咲く姿が愛らしく、秋花壇を彩ってくれる球根植物です。丈夫で育てやすく、植えっぱなしでも毎年美しい花が楽しめます。球根に蓄えた栄養により、土や水がなくても開花する珍しい植物で、机の上にそのまま転がしておくだけでも、手軽に花を楽しむことができます。毒性があり、ギョウジャニンニクなどと誤って摂取した死亡事例もあるので、口にしないよう気を付けましょう。イヌサフランという別名もありますが、コルチカムは食用にはなりません。コルチカムの花言葉は「私の最良の日々は過ぎ去った」「危険な美しさ」などです。 ●コルチカム(イヌサフラン)の育て方! 透明感のある美しい花を咲かせよう パンパスグラスイネ科多年草/主な花色:白/開花期:9~10月 elinaxx1v/shutterstock.com パンパスグラスは草丈2〜3mほどに成長する大型のグラスです。50~70cmにもなるボリュームたっぷりの花穂は、羽毛のようにふわふわ。花穂の色は雌株では白色が一般的ですが、ピンクや紫になる品種もあり、ドライフラワーとしても楽しめます。かなり大きく育つので、スペースをよく考えて植えましょう。暑さに強い一方で冬の寒さにはやや弱いため、霜が降りるような場所での栽培は不向きです。細長い葉は縁がギザギザのノコギリ状になっているので、手入れの際は手袋をはめるなど注意するとよいでしょう。パンパスグラスの花言葉は「光輝」「雄大な愛」「強気な心」「人気」などです。 ●パンパスグラスを庭で育てるには? 室内でおしゃれに飾る方法もご紹介 ペルシカリアタデ科多年草/主な花色:赤・白・ピンク/開花期:6~11月 Irene Fox/Shutterstock.com 細い花茎の先に花穂が揺れるナチュラルな草姿で、自然な雰囲気の庭によく似合うペルシカリア。ナチュラルガーデンは白い花や淡い色が主体になりがちですが、赤い花をポイントに入れると、全体の色合いがグッと引き締まります。日向のほうが花つきよく育ちますが、木陰でも花が咲き、真夏から秋まで繰り返し咲く花期の長さも魅力です。秋に開花する種は、初夏に一度切り戻しをしておくと、株がまとまった状態で花を咲かせます。花が咲き終わったら、次の花芽の上で摘み取っておきましょう。ペルシカリアの花言葉は「節操」「健康」などです。 ●野趣溢れる姿が魅力的なペルシカリア! 丈夫で育てやすく初心者にもおすすめ ノコンギクキク科多年草/主な花色:紫・ピンク /開花期:7~10月 写真/前田満見 ノコンギクをはじめとする野菊は日本各地に見られる野草で、小さくて可憐な花を楚々と咲かせます。一般に流通するものは小型で細身の花姿が多く、大きくなりすぎないため、庭植えにもおすすめ。落ち着いた秋の風情が楽しめ、切り花にして一輪挿しなどに飾っても美しいものです。日当たり、水はけのよい場所を好み、日向で栽培したほうが花つきがよくなります。猛暑地では夏の暑さを考え、西日が避けられる場所を選ぶとよいでしょう。性質は丈夫で、一度植えれば特に難しい手入れもなく、植えっぱなしでも育つ花です。ノコンギクの花言葉は「守護」「忘れられない想い」「長寿と幸福」などです。 ●小さな庭と花暮らし「秋から初冬の庭を彩る野菊」 フランネルフラワーセリ科多年草/主な花色:白/開花期:4~6月、9~12月 写真/遠藤昭 細かい産毛が密生した厚みのある乳白色の花びらは、まるでフランネルのように優しくふんわりとした感触。銀白色の葉と相まって、モダンアートな雰囲気が人気の花です。フランネルフラワーはオーストラリアを原産とする植物で、雨や高温多湿、多肥を嫌います。真夏の直射日光や雨が当たらない場所で管理しましょう。弱酸性の土を好むので、用土に鹿沼土をブレンドするのもおすすめです。極端な乾燥も嫌うので、水切れさせないように注意しましょう。フランネルフラワーの花言葉は「高潔」「誠実」などです。 ●造形的でアートな花「フランネルフラワー」【オージーガーデニングのすすめ】 ミセバヤベンケイソウ科多年草/主な花色:ピンク/開花期:10~11月 YukoF/Shutterstock.com 晩秋に咲くピンクの花と、ぷくっとした多肉質の丸い葉が可愛いミセバヤ。種類が豊富で、秋の深まりにつれて葉が赤く紅葉する姿も美しいものです。枝垂れる葉姿を生かして寄せ植えやハンギングの縁に植えれば、動きのある演出に一役買ってくれます。もともと岩場などに自生する植物のため、ロックガーデンや傾斜地の地植えにも向きます。環境を選ばない丈夫な植物で、冬は落葉して休眠します。休眠中は乾燥気味に管理することがポイント。ミセバヤの花言葉は「大切なあなた」「つつましさ」などです。 ●寄せ植えにして可愛いミセバヤ! 育て方のポイントや種類など スカビオサスイカズラ科(マツムシソウ科)多年草/主な花色:青・紫・白・ピンク・赤/開花期:4~6月、9~10月 Ottochka/Shutterstock.com 爽やかな淡い青紫の花が風に揺れ、ナチュラルな雰囲気のスカビオサ。マツムシソウという和名でも親しまれ、和の庭にも洋の庭にもよく馴染みます。こまめに花がらを摘むことで、次々に花を咲かせてくれます。酸性の土を嫌うため、石灰を施して中和させてから植え付けます。乾燥や寒さに強い反面、高温多湿に弱いので、過湿に注意して風通しよく育てましょう。日本では夏に株が弱るため、多年草タイプでも多くは一・二年草として扱われます。スカビオサの花言葉は「不幸な愛」「私はすべてを失った」などです。 チョコレートコスモスキク科多年草/主な花色:茶・赤/開花期:5~11月 flowermedia/Shutterstock.com その名にふさわしい濃厚なチョコレートブラウンのシックな花を咲かせます。さらにその花からはチョコレートを思わせる甘い香りが漂うというおまけつき。春から秋まで長く咲くタイプと、秋咲きのタイプがあり、バレンタインの季節には切り花としても出回ります。原種のチョコレートコスモスは高温多湿にやや弱いですが、丈夫な交配種が多く出回っているので、庭植えにもおすすめ。日当たりのよい戸外で育て、休眠期は球根が凍らないよう寒さ対策をしたうえで、乾燥させすぎないよう管理しましょう。チョコレートコスモスの花言葉は「恋の思い出」「恋の終わり」などです。 ●バレンタインに再認識! チョコレートカラーの花をコレクション ジュウガツザクラバラ科小高木/主な花色:白・ピンク/開花期:9~4月 yoko_ken_chan /Shutterstock.com その名の通り、春の開花のほかに10月頃にも花を楽しめるジュウガツザクラ。季節外れのように思いますが狂い咲きではなく、毎年花が楽しめます。春に比べて花は小さくなりますが、冬の寒空の下でもポツポツと白い花を咲かせ続ける姿は、けなげでとても愛らしいものです。ちなみに、冬に咲くサクラを総称して冬桜と呼ぶこともありますが、フユザクラという品種も別にあります。ジュウガツザクラの花言葉は「神秘的な心」「寛容」などです。 ●あなたが知らないサクラの一面があるかも? 美しいサクラの品種をご紹介 ツワブキキク科多年草/主な花色:黄・白/開花期:10~12月 oasis2me/Shutterstock.com 艶のある大きくて丸い葉の中心から花茎を伸ばし、鮮やかな黄色の花を咲かせます。花の美しさだけでなく、大きくて目立つ常緑の葉も斑入りや獅子葉などバリエーション豊富なので、カラーリーフやグラウンドカバーとして、一年中庭を彩ってくれます。明るい日陰でも育ち、土質もさほど選ばない丈夫な植物。枯れた葉は取り除いてきれいな見た目を保ちましょう。また、若葉の葉柄は下処理をすることで食用でき、山菜としても親しまれています。ツワブキの花言葉は「謙遜」「困難に負けない」などです。 ダリアキク科多年草/主な花色:ピンク・赤・白・オレンジ・黄・紫・複色/開花期:6~11月 suprabhat/Shutterstock.com 豪華で華やかな花を咲かせるダリアは、秋花壇の主役級の存在。花径30cmに達するような超巨大輪種から大輪、中輪、小輪種まであり、花形のタイプもさまざま、また木のように大きく育つ皇帝ダリアなど、非常に豊富な種類があります。和名では「天竺牡丹」と呼ばれ、古くから親しまれてきた春植え球根植物です。地中で越冬しますが、寒さに弱いので、場所によっては球根が凍らないよう掘り上げて保管し、遅霜の心配がなくなってから植え付けるとよいでしょう。乾燥気味に管理し、必要に応じて支柱を立てて栽培します。ダリアの花言葉は「華麗」「エレガント」などです。 ●寄せ植えや花壇に活躍「ダリア」の種類と上手な育て方 ノブドウブドウ科低木/主な花色:緑/開花期:8月 EQRoy/Shutterstock.com 道端や空き地などでも見かけることが多いノブドウ。周囲につるを絡ませて伸びる落葉低木です。葉の切れ込みの深さは個体差が大きく、また葉に繊細な斑が入る五色ノブドウはガーデニング素材としても魅力的です。春の芽吹きから一年を通して楽しめますが、中でも秋の紅葉と宝石のような翡翠色の実の美しさは格別。緑や白、青紫、藍色など、さまざまに異なる色合いに一つひとつ色づきます。ちなみに、ノブドウの実は食用にはなりません。よく伸びるので、あまり大きくしたくない場合は、冬の間に短めに剪定をしておくとよいでしょう。ノブドウの花言葉は「慈悲」「慈愛」などです。 モミジムクロジ科高木/主な花色:赤 /開花期:4月中旬〜5月上旬 robert armitage/Shutterstock.com 紅葉の美しい樹木の代表格で、秋を彩る植物として古くから日本人に愛されてきたモミジ。同じく紅葉の美しいカエデは、じつは植物の分類学上では同じものになります。夏の青葉も美しく、四季を通してさまざまな表情が楽しめます。耐寒性はありますが、暑いのがやや苦手で、真夏の強光線によって葉焼けすることがあるので注意。適度に水はけ、水もちのよい土壌を好み、乾燥を嫌いますが、日本に自生してきたので育てやすい樹木です。自然樹高は5〜25mなので、剪定で樹形をコントロールしましょう。モミジの花言葉は「節制」「遠慮」「自制」「大切な思い出」「美しい変化」などです。 ●モミジの育て方! 基本情報や豆知識も大公開 キクキク科多年草/主な花色:白・赤・ピンク・オレンジ・黄・緑・茶・複色/開花期:9〜11月 New Africa/shutterstock.com キクは日本を代表する花の一つで、大ギク、小ギク、古典ギク、野生ギク、洋ギクなど、非常に豊富な種類があります。この季節のガーデニングに気軽に取り入れやすいのは洋ギクで、ポットマムとも呼ばれています。花つきがよいので、主役にも脇役にも利用でき、また暑さ寒さに強く、放任してもよく育つので、ビギナーにおすすめです。日当たりのよい場所で育てましょう。矮化剤を使った鉢花も多く出回っているので、2年目以降は草丈が高くなることがあります。キク一般の花言葉は「高貴」「高潔」「高尚」などです。 ●【二十四節気】白露は秋の訪れ。彩り豊かなキクの庭花と重陽の節句 ナナカマドバラ科高木/主な花色:白/開花期:5〜7月 sunsinger/Shutterstock.com 秋の庭に美しい色彩を提供してくれるナナカマド。赤い実だけでなく鮮やかな紅葉も楽しめ、燃えるような樹姿は山野でもよく目立ちます。落葉した後にも梢の先に残る赤い実は、真っ赤な宝石のよう。耐寒性に優れ、平地はもちろん寒冷地でも丈夫に育ち、剪定すれば樹高を抑えて栽培することも可能です。コンパクトに育つニワナナカマドという樹高の低いものもありますが、こちらは赤い実はならないので、選ぶ時にはご注意を。ナナカマドの花言葉は「慎重」「賢明」「私はあなたを見守る」などです。 ●真っ赤なナナカマドでガーデンアクセサリーを作ろう 10月に見頃を迎える人気の草花や樹木を育てよう! 今回は、10月のガーデニングで人気の植物を20種類ご紹介しました。ここで取り上げたもの以外にも、まだまだたくさんあります。ぜひお気に入りを見つけて、10月のガーデニングを楽しんでくださいね。
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宿根草・多年草

野趣溢れる姿が魅力的なペルシカリア! 丈夫で育てやすく初心者にもおすすめ
ペルシカリアの主な特徴 まず、ペルシカリアの主な特徴について解説します。 基本情報 ペルシカリアはタデ科ペルシカリア属(イヌタデ属)の多年草、宿根草の総称です。原産地はヒマラヤ、ヨーロッパなど。道端でよく見られるイヌタデもこのペルシカリア属に含まれます。草丈は品種によって差があり、40~200cm。株幅は前後左右に大きく広がるため、60~100cmほどを想定しておくとよいでしょう。花色は赤い品種が多いですが、中には白やピンクの品種もあります。暑さ寒さに強く、日本の気候で問題ありません。冬期に地上部は枯れて、また春に芽吹きます。 ペルシカリア属の仲間 ペルシカリア属には日本でもなじみのある植物が多くあります。例えばよく目にするミズヒキやイタドリ、ヒメツルソバやイヌタデも、ペルシカリア属の植物です。中でもヒメツルソバはピンクや白色の細かな丸い葉を多数つけ、可愛らしく、栽培も簡単でよく増えることから、グラウンドカバープランツとして使われているのを見かけることも多いでしょう。イタドリは日本各地に分布する多年草で、草丈2mと大きく育ちます。茎が太く中には空洞があり、山菜や漢方薬として古来より食されてきました。春の新芽は爽やかな酸味があり、そのまま食べたり、和え物や佃煮などにしても美味しいです。またイヌタデは道端や至る所で見られる一年草で、茎の先に小さな可愛らしい赤色の花穂をつけます。タデ科には食べられる種類のものがありますが、イヌタデの「イヌ」には「偽の」や「食べられない」という意味合いがあります。 育て方の基本 丈夫なペルシカリアですが、環境によっては株が暴れたり、病気になってしまったりすることもあります。ここでは、ペルシカリアの育て方についての基本を解説します。 適した栽培環境 ペルシカリアは、日当たりのよい場所から半日陰の環境であれば問題なく育ちます。ただし、半日陰など日照量があまり少ないと茎が間のびし、葉姿がまとまりなく暴れやすいので、できれば日当たりのよい場所でコンパクトに育てたほうが扱いやすいでしょう。土壌もさほど気にすることはありませんが、水はけと水もちがよい場所を好みます。土壌の乾燥にはあまり強くなく、適度に湿り気のある所を好みます。大きくなる種類が多いので、鉢やプランター栽培よりも地植えにしてしっかりと育てるほうが本来の魅力を発揮できるでしょう。鉢などから植え替える場合、腐葉土とバーミキュライトを混ぜ込むと水はけもよくなり、より適した土壌にすることができます。 水やり・肥料 地植えの場合、しっかりと根付いていれば自然の降雨だけで問題ありません。乾燥には弱い面があるので、夏の降雨量が少ない場合にのみ水やりしてください。肥料の必要はほとんどありません。生育不良なときや、大きく育てたい場合は、緩効性肥料を成長期に与えてください。 植え付け・植え替え 植え付けは、春か秋の天気のよい時に行いましょう。植え替えは芽吹き始める3~4月と、地上部が枯れて休眠し始める秋が適期です。また株が大きく育ち、混み合ってきたときも株分けを兼ねて植え替えるとよいでしょう。 剪定・切り戻し・花がら摘み ペルシカリアは成長とともに茎が伸び、剪定しないと草丈が高くなるので、倒れやすかったり、暴れやすかったりします。そのためコンパクトにまとまるよう剪定が必要です。秋に開花する種では、初夏に一度切り戻しをしておくと、株がまとまった状態で花を咲かせるためおすすめです。花が咲き終わったら、次の花芽の上で摘み取っておきましょう。また枯れ葉はその都度取り除いておくと株が蒸れず、健康に育ちます。 夏越し・冬越し 耐暑性、耐寒性ともに強く、日本の環境では基本的に心配することはありません。夏は水切れに注意し、また冬は地上部を枯らして越冬するため、植えてある場所に目印を付けておくとよいでしょう。霜よけなど、冬越しの対策は必要ありません。 病害虫 特に注意する病害虫はありません。葉が混んでいたり、風通しが悪い環境ではハダニが付くことがあります。放っておくと植物の成長を阻害し、進行すると枯らしてしまうため、見つけた場合は薬剤を散布して対処しましょう。少しでも残っているとすぐに増えるので、葉の裏表、両面に丁寧に散布しましょう。また時々葉裏にも水をかけてやると、ハダニ予防につながります。 増やし方 ペルシカリアは株分けで増やすことができます。適期は春と秋です。とても丈夫で、成長期であれば株分け時に多少傷ついてもすぐ回復し、根付くのも早いです。そのため、株分けの際に伸びすぎたり傷んだ根は取り除くとよいでしょう。株が大きくなり、掘り上げる必要が出てきたときも、株分けをするよい機会です。丁寧に掘り上げたら古い土を落とし、切り分けます。分けたら植えたい場所に植え付け、水をしっかりと与えましょう。 代表的な品種 ペルシカリアには多くの品種があります。ここでは、代表的な園芸品種について解説します。 シルバードラゴン 春の芽吹きとともに赤黒い葉を展開し、進むにつれ、中心部が銀葉に変化してきます。その外側はまるでV字模様のような緑の縁取りとなり、美しいです。夏から秋にかけて白く小さな花をまとまって咲かせます。また春から秋にかけては葉色の変化も楽しめるので、カラーリーフとしても魅力的です。茎は細く長く伸び、グラウンドカバーのように育ちます。 レッドドラゴン ‘シルバードラゴン’に似ていますが、葉の展開が進むにつれて、紫や赤、緑や銀色が混ざり合い、より多彩な葉色になります。‘シルバードラゴン’より茎はしっかりとしていて自立しやすい種です。白くまとまった小さな花を多数付けます。草丈は25cmから60cmほどになります。 ブラックフィールド アンプレキシカウリスの花色の濃いものを選抜した品種です。鮮やかな赤色の花を多数付け、ゆらゆらと風に揺れる様は野趣もあり、とても綺麗です。国内での流通はまだ少なめです。 ポリモルファ 草丈、根張りともに2m程度になる大型の原種のペルシカリアです。まるで樹木のようになり、開花期には小さな白い花が集まってモコモコとした雲のようにも見えます。植栽の後方に植えるとよい雰囲気になるでしょう。流通はあまりありません。 ピンクエレファント アンプレキシカウリスの改良品種です。夏にピンク色の踊るような花を多数付けます。ほかの種に比べて草丈は低く40cm程度。小さな庭や花壇前方にも植栽しやすい品種です。葉は明るいライムグリーンで、夏になると斑点が現れます。 さまざまなテイストの庭によくなじむペルシカリア ペルシカリアは道端などで見かける種もあり、ともすると雑草の仲間とも思われがちですが、強健で可愛い花が咲くので、うまく活用すると庭の名脇役になることでしょう。使い方次第で和の庭にも洋の庭にもマッチするペルシカリア、ぜひ育ててみてはいかがでしょうか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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樹木

日本のドングリは22種類あり食べられるものも! 特徴や見分け方をご紹介
ドングリとは New Africa/Shutterstock.com 皆さんもきっと一度は目にしたことがあるドングリ。そもそもドングリとはどのようなものなのでしょうか。ここでは、ドングリの特徴について詳しく解説します。 概要と特徴 YRABOTA/Shutterstock.com ドングリとは、ブナ科の植物になる果実の総称で、漢字では「団栗」と書きます。秋の味覚として名高い「栗」もドングリの一種。 ドングリは硬い実の部分と、それを覆う殻の部分で構成されています。 ドングリが属しているブナ科植物は「コナラ属」「マテバシイ属」「ブナ属」「クリ属」に分けられます。日本には、ドングリがなる樹木はクリを含めて22種類もの固有種があり、交雑種や変種、亜種を含めるとさらに多くのバリエーションがあります。これらのドングリには花が咲いた年に実をつける一年成と、花が咲いた翌年に実をつける二年成があります。 堅果(けんか)とは Hanasaki/Shutterstock.com 堅果とは、ドングリのように堅く木化した果皮が種子を包む果実のことです。ドングリは楕円状に丸みを帯びているものが多いですが、種類によって形はさまざまです。 殻斗(かくと)とは Natalya Vdovina/Shutterstock.com 殻斗とは堅果を覆う帽子のような部分のことです。「ぼうし」や「はかま」などとも呼ばれています。殻斗は表面がうろこ状のものや、横縞模様のもの、トゲがついているものなど、種類によってさまざまな形状があります。 コナラ属のドングリ Mameraman/Shutterstock.com コナラ属には、コナラやクヌギ、ミズナラ、アベマキ、カシワなど、たくさんの木が属しています。ここでは、代表的なドングリについて詳しくご紹介します。 コナラ High Mountain/Shutterstock.com コナラはドングリの代名詞的な存在といわれるほど、非常にポピュラーな種類です。 実は一年成です。実の形はうろこ状の短い殻斗がスマートな形の堅果を覆っており、個体によって堅果の大きさはさまざまです。葉には外側に鋸歯があり、葉柄は長くなっています。秋には紅葉します。 コナラの木は、沖縄を除く日本全国に広く分布しています。 クヌギ traction/Shutterstock.com クヌギの実はダルマのような丸い大きな堅果を、うねうねしたイソギンチャクのような殻斗が覆っています。実は二年成です。葉は鋸歯状の細長い形で、外側に白いトゲが並んでいます。 コナラとともに里山の重要な構成樹です。 シラカシ Trialist/Shutterstock.com シラカシの実は堅果の半分ほどが殻斗に覆われており、殻斗にはっきりとした横縞模様が入ります。実は一年成です。葉はアラカシと比べて細く、小さな鋸歯があります。 アラカシ Gondronx Studio/Shutterstock.com アラカシの実は殻斗に横縞模様があり、堅果は丸みのある樽形で白い縦縞が入っています。実は一年成で、ドングリの中では最も実りの時期が遅く、12月頃でもよく落ちています。葉は上部分のみが鋸歯状で、はっきりとした葉脈を持っています。 マテバシイ属のドングリ kimchin/Shutterstock.com ここでは、マテバシイ属のドングリについて解説します。 スダジイ Honki Kumanyan/Shutterstock.com スダジイの実は二年成です。 堅果は細長く先がとがった円錐形ですが、個体差が大きく球形のものもあります。殻斗が堅果全体を包み込んでいて、木から落ちると3つに裂けるように殻斗が割れます。 マテバシイ glory_yabe/Shutterstock.com マテバシイの実は、二年成です。 堅果は細い砲弾形。殻斗には白いロウ状の物質が付着しており、取れやすくすぐ脱げる特徴があります。葉は外側にギザギザはなく、なめらかな形です。 ブナ属のドングリ footageclips/Shutterstock.com ブナ属にはブナとイヌブナという種類があります。どちらも一年成の落葉広葉樹です。 ブナの実は円錐形でイソギンチャク状の殻斗が覆い、落下すると殻斗が4つに裂けて分かれます。堅果は2つ入っており、油脂分が多いため、動物の食料に好適です。 イヌブナの実はブナとよく似ていますが、大きさは2/3ほどと小さめなのが特徴です。殻斗はうろこ状で細長い柄が伸びているので判別しやすいです。 クリ属のドングリ Masayuki/Shutterstock.com クリ属のクリもドングリの一種です。一年成の落葉広葉樹で、日本ではほぼ全国に自生しています。 実はイソギンチャク状の殻斗で覆われ、堅果は丸みのある形です。山野に自生するヤマグリやシバグリは、実が小さく甘みが強いのが特徴で、生食もできます。 ドングリを見分けるには m-tsukasa/Shutterstock.com ここからは、たくさんの種類があるドングリを見分ける方法についてご紹介します。 殻斗の形状 Perutskyi Petro/Shutterstock.com 殻斗は種類によって形が違うため、これで種類を見分けることもできます。 鱗片状の殻斗はコナラやミズナラ、マテバシイなど、横縞模様はアラカシやシラカシなどです。 殻斗が堅果を包むようになっているのは、スダジイやブナ、イヌブナなどです。 イソギンチャクのようなひげ(トゲ)状のものは、クヌギやカシワなどで、クリもこのタイプです。 堅果の形状や大きさ Gulei Ivan/Shutterstock.com 堅果は一般的に細長い形のものが多いですが、丸みを帯びたクヌギやアベマキ、三角錐のブナやイヌブナなど、種類によってさまざまなので、種類を判別する手掛かりになります。 そのほかの見分けるポイント traction/Shutterstock.com 殻斗や堅果以外では、木や葉の形で見分けることもできます。 ブナやイヌブナ、コナラ、ミズナラ、クヌギ、クリなどは落葉樹のため秋には葉が枯れます。葉の形状もそれぞれ異なり、長いものや縁がギザギザしているものなどさまざまです。 ブナやナラの仲間は東日本に多く、シイの仲間は西日本に多く見られます。 食べられるドングリの種類と食べ方 Pavinee Chareonpanich/Shutterstock.com 古くから食用とされてきたドングリ。現代ではほとんど口にする機会はありませんが、あく抜きをすれば食べられるものも多いです。ここでは食べられる種類や、あく抜きの方法について解説します。 食べられるドングリの種類 ElenVik/Shutterstock.com マテバシイ属のドングリはあくが少ないため、下処理があまり必要なく、じつは生でも食べることができます。ブナ属もあくが少なく食べられます。 コナラ属はあくが強く、下処理が必須です。あく抜きした後に粉末にしてクッキーなどにすると食べやすくなります。 クリ属は一般的な栗ですので、もちろん食べられます。 ドングリの栄養 Sadovnikova Olga/Shutterstock.com 文部科学省の「日本食品標準成分表」によると、ドングリの一種であるシイの実の100gあたりの主な栄養価は、エネルギー252kcal 、タンパク質3.2g、脂質0.8g、炭水化物57.6gとなっています。また、マンガンやマグネシウムなどのミネラルやビタミンCも豊富に含まれています。 あく抜きの方法 kurukuru/Shutterstock.com シイ・マテバシイ属以外のドングリは、あく抜きをする必要があります。シイ・マテバシイ属でも、苦みが気になる方はあく抜きをしたほうが美味しく食べられます。 あく抜きの手順は以下の通りです。 ドングリを水に浸け、浮いたものは取り除きます 水に沈んだドングリを選んで取り出し、殻をむいて小さく砕きます 10分ほどゆでながら、出てきたあくをその都度取り除きます 湯から上げたらざるに入れて水洗いし、水気を切ります 渋みが残っているときは、3・4をくり返します 秋の山でドングリを探して楽しんでみては Marich/Shutterstock.com 日本固有種のドングリは22種類もあり、見かけたドングリは何の種類か調べてみても楽しいもの。可愛らしい姿はクラフト材料としても人気です。一般に食用としておすすめできる種類は多くありませんが、下処理をすれば食べられるドングリもあるので、味が気になる方はあく抜きして食べるのに挑戦してみてはいかがでしょうか。
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樹木

丈夫でぐんぐん育つ! 初心者でもできるシルバープリベット(プリペット)の育て方
初心者でも安心! 可憐な花が咲くシルバープリベット シルバープリベット(プリペット)はモクセイ科イボタノキ属に分類され、中国やヨーロッパを原産とする植物です。別名セイヨウイボタノキ、セイヨウボタ、ヨウシュイボタノキなどとも呼ばれています。 萌芽力が強く丈夫なのが特徴で、大きさは3mほどになることもあります。暑さや寒さ、乾燥にも強く、初心者にも育てやすい植物です。好きな形に刈り込んでも元気よく成長するため、生け垣や目隠しにも向いています。 花期は5〜6月で、白くて小さく、香りのよい花を咲かせます。関東以西の暖かい地域では常緑ですが、寒い地域では葉を落とすこともあるため、「常緑〜半落葉低木」に分類されます。 シルバープリベットは剪定がポイント シルバープリベットのお手入れで欠かせないのが剪定です。 シルバープリベットは白い斑入りの葉が特徴ですが、時々「先祖返り」を起こして斑のない緑色の葉が生えてくることがあります。緑の葉が生えてきた場合、そのまま放置してしまうと、樹木全体が緑色の葉になってしまいます。これを防ぐためには、緑の葉がついた枝を見つけたら、時期を問わず切ることが大切です。 さらに、適期に本格的な剪定も行う必要があります。しかし、非常に萌芽力が強いため、剪定に多少失敗してしまってもまたすぐに枝が伸びてきます。強い剪定が初めての人でも安心してチャレンジできるのも魅力です。 置き場所や手入れ方法は? シルバープリベットの育て方 丈夫なので、難しいお手入れもいらず、育てやすいシルバープリベットですが、ビギナーさんでも安心して栽培できるよう、育て方についても詳しく解説します。 シルバープリベットの土は水はけがポイント シルバープリベットはある程度豊かな土壌であれば肥料が無くても育つほど、あまり土質を選ばない植物ですが、水はけがよいほうが栽培に適しています。 庭植えの場合は、植え付けの時に掘り上げた土に堆肥や腐葉土を混ぜ込んで戻します。 鉢植えの場合は、赤玉土と腐葉土を6:4または7:3の割合で配合した土、もしくは市販の培養土を使いましょう。 シルバープリベットはなるべく日向に置いて シルバープリベットは日向を好みます。夏の直射日光でも葉焼けしないほど日差しに強いので、日当たりのよい場所で育てましょう。半日陰だと、葉の斑が綺麗に出なくなったり、前述の「先祖返り」により斑がなくなってしまうこともあります。また花付きが悪くなったりすることもありますので注意しましょう。 ぐんぐん育つ! 植え付け・植え替えは余裕を持って 植え付けや植え替えの適期は春か秋です。具体的には3〜5月、もしくは9〜10月がよいでしょう。基本的には、地植えで育てるのが一般的です。 地植えの場合は、苗の根鉢の直径の2倍ほどの大きさの穴を掘り、掘り上げた土に堆肥や腐葉土を混ぜ込みます。株間は30〜40cmほどあけましょう。掘った穴に株を植え付けて土を戻し、最後に水をたっぷり与えます。苗が不安定な場合は支柱を立てて固定します。 鉢植えの場合は、スリット鉢または網を敷いて軽石を入れた鉢の1/3ほどまで土を入れます。その上に株を置き、残りの土を入れて植え付けます。最後に水をたっぷり与えましょう。植え替えをする場合は、基本的に1回り大きなサイズの鉢に植え替えます。 乾燥にも強い! 水やりはタイミングをみて シルバープリベットは乾燥に強いため、地植えの場合は基本的に自然の雨水のみで育ちます。夏に日照りが続いたときなど、ひどく乾燥する場合には水を与えます。また、植え付けから約2週間は、根がしっかり張るまで毎日水やりをします。 鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら水やりをします。 軽い剪定はこまめに! 本格的な剪定は初夏がおすすめ シルバープリベットの剪定は、傷んだ枝を取り去ったり先祖返りを防ぐために軽く切ったりする剪定と、株の形を整える本格的な剪定があります。 軽い剪定は季節を問わず行います。 本格的な剪定は2〜3月、もしくは6〜7月に行います。ただし2〜3月に剪定を行うと花芽を取り除いてしまうため、花を楽しみたい場合は本格的な剪定は6〜7月に行いましょう。 剪定せず放任すると株がどんどん大きくなってしまうので、剪定は欠かせない手入れです。適度に剪定することで、株の蒸れや病害虫の予防にも繋がります。 シルバープリベットの肥料はゆっくり効くものを シルバープリベットは肥料がなくても育つ丈夫な植物ですが、大きくしたいときには肥料を与えると生育がよくなります。 肥料の適期は春と秋、2〜3月と9月です。緩効性化成肥料または骨粉入り固形油かすを、葉先や枝先の下に位置する地面にまきましょう。 反対に、これ以上大きく育てたくない場合には、肥料を控えるとよいでしょう。 シルバープリベットにつきやすい病害虫は? シルバープリベットは丈夫なので、基本的に病害虫によるトラブルは少ないです。 ときどき葉の表面に白いカビが生えるうどんこ病が発生することがあります。うどんこ病は見つけ次第、感染した葉を切り取ります。 害虫はハマキムシやコガネムシ、ガの幼虫などのイモムシ類が付くことがあります。 ハマキムシが付いた場合は、葉ごと切り取って除去します。その他の虫は割りばしなどで1匹ずつ取るか、殺虫剤で対処します。 植え付けの際に株間をきちんとあけたり、定期的に剪定して株が蒸れないようにすることで、病害虫の予防になります。 丈夫なシルバープリベットは挿し木も成功しやすい! シルバープリベットは挿し木で増やせます。挿し木に適した時期は6〜7月です。 挿し木の方法は以下の通りです。 若くて生育のよい枝を、切り口が斜めになるように10〜15cm程度に切り、切り口付近の葉を取り除きます。15〜30分ほど水揚げをした後、小粒の赤玉土などを入れたポットに挿します。その後は、乾燥しないよう水をこまめに与えましょう。根と新芽が出てきたら、鉢か地面に植え付けます。 生け垣づくりにはぜひシルバープリベットを 生け垣づくりはサイズも大きく、少し大がかりに見えて、初心者は不安に思うかもしれません。シルバープリベットなら丈夫でよく伸びるので、安心して生け垣づくりに挑戦できます。少しくらい剪定を失敗してしまっても大丈夫。初めての強い剪定の練習用としてもおすすめの植物です。生け垣や庭木として、シルバープリベットを取り入れてみてはいかがでしょうか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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宿根草・多年草

秋のガーデンの主役を担う豪華な球根花「ダリア」
豪華な花を咲かせるダリア 秋のガーデンの主役を担うダリア。その醍醐味はなんといっても圧倒的な存在感。ダリアにおいては花径10cmでも小輪と呼ばれ、大きな花では30cmに達するものもあります。色はもちろん咲き方、草丈、花径、花期のバリエーションが豊富で、数万という単位で品種数が存在しています。 近年では大型のダリアと区別して、プチダリアまたはガーデンダリアと呼ばれる小型の品種も人気です。草丈が20cmからと扱いやすく、寄せ植えなどにも用いることができます。 ガーデンダリアは一年草扱いですが、従来の大型のダリアは夏から秋に開花する春植え球根植物で、1mを超える草丈のものも多いので、支柱を立てて育ててあげましょう。特に、巨大輪は花を支えるためのサポートがあった方がキレイに咲かせることができます。 美しいダリアの品種を一部ご紹介 左/‘ジョイフル・インベストメント’ 2種類の花びらが組み合わさった面白い咲き方は「コラレット咲き」と呼ばれます。 中/‘デヴリル’ 淡いピンクのグラデーションが美しい花。「カクタス咲き」。 右/‘ジェスコット・ジュリー’ 花びらの表は淡いオレンジ色、裏は朱色というおしゃれな花。 左/‘ハワイ’ 花びらが幾重にも重なってまん丸い形を作る「ポンポン咲き」。 中/‘アラウナ・クレア・オブスキュア’ ルビーレッドと白のドラマチックな花色。細い花弁が集まって咲く「カクタス咲き」。 左/‘ホンカ・ピンク’ フューシャピンクの花びらと黄色い花心のコントラストが鮮やか。花びらが内巻きになる面白い花姿の「オーキッド咲き」。 中/‘ラッキー・ラブ’ 着彩したかのような個性的な花色。花びらが8枚並ぶシンプルな「シングル咲き」。 右/‘シニアズ・スピリット’ 黄色と赤色の花弁が目を引きます。平たい花びらがキレイに並んだ八重咲きで「デコラティブ咲き」と呼ばれます。 Credit 写真&文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 Photo/top)Pakorn Chunhaswasdikul/1-3)InfoFlowersPlants/Shutterstock.com
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果樹

【完全版】おうちで果樹園をつくろう! 家庭で育てやすい人気の果樹を厳選紹介!
果樹とは? Jennifer Vinciguerra/Shutterstock.com 果樹とは、フルーツやナッツなど実がなる木のことで、ライフサイクルの長い植物です。新芽を吹いて新緑を展開し、開花後に結実。落葉性のものは晩秋に葉を落として休眠します。また翌年の春には目を覚まして新芽を出すというライフサイクルで、年を経るごとに木は成長していきます。一度植え付ければ、四季が巡るごとに表情を変えて季節感を味わえ、さらに実りの恵みをもたらしてくれるのも果樹栽培の醍醐味です。 果樹の育て方 encierro/Shutterstock.com 果樹の苗は、まだ幼い一年生苗が出回っていることがほとんど。この場合、2〜3年は収穫を見送って、木の育成に努めることになります。幼木にはまだ実をつける能力が十分に備わっていないので、木に負担がかかってしまうからです。子孫を残せる力をつけた大人の木になるまでは、まず枝葉を充実させる管理からスタートすることを知っておいてください。ただし、すでに繁殖能力を備えた成木を購入した場合は、植え付け後のシーズンから収穫が楽しめます。 果樹は、一度根付けば放任しても毎年の収穫を楽しめます。しかし、その果実の質を高めようとすると、比較的手のかかる植物といえるでしょう。人工授粉、摘果、袋かけ、果実を充実させるための剪定など、美味しくするテクニックはさまざま。けれども、手をかけた分だけ応えてくれるのが、果樹栽培の楽しさともいえます。青果店やスーパーに並んでいるフルーツは、じつのところ早採りして追熟させたものが一般的です。家庭栽培では、完熟したフルーツ本来の味わいを堪能できるのも魅力の一つといえます。 果樹の植え付け azem/Shutterstock.com 果樹の苗木を植え付け時期は、根が活動していない休眠期が適期。果樹の種類によっても異なりますが、多くの場合、11~3月が植え時です。寒さに弱い常緑果樹は厳冬期を過ぎた3月頃に、熱帯性の果樹なら4~6月に植え付けるとよいでしょう。また、鉢栽培の場合は厳冬期を過ぎた3月頃に植えるのがおすすめです。 地植えの場合は、植え付け場所の日当たりや土壌に加え、果樹が十分に根を伸ばせる深さと広さがあるかも確認しましょう。一度植え付けると移動が難しいので、場所をよく吟味してから植え付けるのがベターです。植え場所は事前によく耕し、堆肥や腐葉土など植えたい樹種に合わせた土壌改良剤や肥料を混ぜて準備しておきましょう。 鉢植えの場合は果樹栽培用の培養土など、それぞれの樹種に合った土を用意し、1~2回り大きな鉢に植え付けましょう。鉢植えの場合、木が成長すると鉢の中で根がいっぱいになり、根詰まりを起こしてしまうため、必要に応じて植え替えながら栽培します。 植え付け後はたっぷりと水をやりましょう。 果樹の水やり Silarock/Shutterstock.com 地植えの場合、よほど乾燥しなければ、基本的に水やりは必要ありません。モモやブドウなど、乾かし気味に育てたほうが美味しい実ができるものもあります。 鉢植えの場合は、鉢土の表面が乾いたのを確かめてから、鉢底から流れ出るくらいたっぷりと与えましょう。 果樹の肥料 photowind/Shutterstock.com 肥料を与えるタイミングは樹種によっても異なりますが、翌年のための栄養分が蓄えられる9月下旬~10月下旬頃の秋に緩効性の肥料を、また花後にお礼肥、実が膨らみ始めた頃に追肥を与えるとよいでしょう。まだ充実していない若い苗の場合、4~5月にも追肥を行うと成長が促進されます。果樹を美味しく育てるために最適な肥料分は、花苗用の配合とは少し異なるため、果樹専用の肥料を使うのがおすすめです。肥料は多く施せばよいという訳ではなく、控えめにしたほうがよい場合もありますので、適量を施すようにしましょう。 果樹の剪定 vladdon/Shutterstock.com 樹勢や樹形をコントロールし、枝数を調整して充実した実を付けさせるためにも、果樹の剪定は欠かせません。落葉果樹の場合は12~2月の落葉期、常緑果樹の場合は新芽が芽吹く直前の2月下旬~3月下旬に主な剪定を行います。冬に開花して実がなる果樹は、9月に行うとよいでしょう。 剪定の際は、残す芽のすぐ上で切るのが基本。また、果樹は種類によってその年の伸びた枝(新梢)に花を咲かせて実をつけるものと、前年に伸びた枝(前年枝)に花を咲かせて実をつけるものがあります。間違えて花芽を落としてしまうと実がならないので、それぞれの果樹の剪定方法をよく確認しておきましょう。 果樹の病害虫対策 果樹栽培で、どうしても避けては通れないのが病気や虫による被害。剪定をして風通しよく育て、落ち葉などを掃除することで、ある程度病害虫の発生を抑制することができます。また、病気に強い苗木を選ぶことも効果的です。庭で果樹を育てている場合は、他の植物から病害虫が移ってこないよう、庭全体の植物もチェックを。それらの対策に加え、病害虫が発生してしまったときは、薬剤も上手に使って対処しましょう。 薬剤というと、少し心配になるかもしれませんが、日本で販売されている農薬はすべて厳しい安全基準をクリアしているので、必要以上に怖がらなくても大丈夫。使用の際は、ラベルなどに記載されている注意事項をよく確認し、用法・用量を守って使用するようにしましょう。 また、ジューンベリーなどの果樹は、野鳥に実を食べ尽くされないよう、防鳥ネットを張るなどするとよいでしょう。 種類別! おすすめ果樹紹介 ここからは、「ベリー系」「柑橘系」「トロピカルフルーツ系」「育ててみたい人気のフルーツ」「少ないメンテナンスで育つ果樹」の項目を立てて、おすすめの果樹を取り上げていきます。いずれも家庭で栽培しやすい果樹ばかりです。 ベリー系 【ブルーベリー】 Likee68/Shutterstock.com ツツジ科スノキ属の落葉性・半落葉性低木で、原産地は北アメリカ。樹高は1.5〜3mで、樹形は株立ち性です。3月下旬〜4月中旬にベル形の小さな花が鈴なりに開花。収穫期は6月下旬〜9月。ハイブッシュ系、ラビットアイ系、サザンハイブッシュ系に大別されます。ラビットアイ系は暑さや乾燥に強く、収穫は主に6月下旬〜7月中旬頃、ハイブッシュ系は涼しい気候を好み、乾燥が苦手で、収穫は7月中旬〜8月下旬頃。授粉樹が必要なため、異なる品種を2本以上植える必要があります。品種によって開花期に幅があるので、同時期に咲くもの同士を選ぶことがポイント。日当たり、風通しのよい肥沃な土壌に植え付けます。鉢栽培する場合は、10号鉢または幅90cmのプランターに異なる品種を2株植え付けましょう。たくさん収穫できたらジャムづくりにもチャレンジを。 【ラズベリー】 Nitr/Shutterstock.com バラ科キイチゴ属の落葉性低木で、原産地はヨーロッパ、北アメリカ。樹高は1〜1.5mで、樹形はほとんどが株立ち性です。4月下旬〜6月頃に白または淡いピンクの花が咲き、収穫期は6月下旬〜7月中旬。品種によって果実の色は赤、黒、紫の3つに分けられます。自家受粉するので1本植えるだけでよく実ります。寒さに強く、樹勢が強いためビギナーでも育てやすい果樹です。日当たり・風通しがよく、水はけのよい場所に植え付けましょう。鉢栽培する場合は、7〜8号鉢に植え付けます。ジャムやソースにしても美味です。 【ブラックベリー】 ch_ch/Shutterstock.com バラ科キイチゴ属の落葉性低木・つる植物で、原産地は北アメリカ。樹高は1.5〜3m。樹形は木立性・半つる性・つる性と品種によって異なりますが、多くはつる性で、フェンスなどに誘引して仕立てるとよいでしょう。5〜6月頃に白または淡いピンクの花が咲き、収穫期は6月下旬〜8月中旬。果実は赤から黒へと変化し、見映えがよく美しいのも特徴です。自家受粉するので1本植えるだけでよく実ります。寒さに強いものの、地植えの北限は東北地方辺りまで。日当たりのよい場所を好みますが、半日陰にも耐えます。風通しがよく、水はけのよい場所に植え付けましょう。鉢栽培する場合は、7〜8号鉢に植え付けます。ジャムやソースに加工できます。 柑橘系 【レモン】 IgorZh/Shutterstock.com ミカン科ミカン属の常緑低木で、原産地はインド。自然樹高は2〜4mですが、剪定によって1.8mくらいに抑えて管理するとよいでしょう。5〜6月頃に香りのよい花が多数咲き、収穫期は10月下旬〜3月。自家受粉するので1本植えるのみでOK。きちんと管理すれば鈴なりに果実がつくので、料理などに重宝します。寒さには弱いのですが、東京以西の太平洋側では地植えが可能です。凍結する地域では地植えは難しいので、鉢栽培で楽しむのがおすすめ。日当たりのよい場所を選び、水はけのよい肥沃な土壌に植え付けましょう。鉢栽培する場合は、8号鉢に植え付けます。 【温州ミカン】 Tuzemka/Shutterstock.com ミカン科ミカン属の常緑低木で、原産地は中国南部、日本。樹高は1.5〜2mです。5月中旬〜6月中旬頃に香りのよい花が多数咲き、収穫期は9月中旬〜12月。自家受粉するので1本植えるのみでOK。温州ミカンは収穫時期によって、極早生、早生、普通、晩生に分類されます。寒い地域では早生を、温暖な地域では晩生を選ぶとよいでしょう。日当たりのよい場所を選び、水はけのよい肥沃な土壌に植え付けましょう。鉢栽培する場合は、8号鉢に植え付けます。 【ユズ類】 Owl_photographer/Shutterstock.com ミカン科ミカン属の常緑中高木で、原産地は中国。樹高は3〜10mに達しますが、剪定によって1.5m程度に抑えて管理するとよいでしょう。5月中旬〜6月中旬頃に香りのよい花が多数咲き、収穫期は8月下旬〜12月中旬。自家受粉するので1本植えるのみでOK。ビギナーでも育てやすく、病害虫に強いのが特徴。ユズは特に柑橘類の中でも寒さに強いほうで、東北地方南部までは越冬できます。日当たりのよい場所を選び、水はけのよい肥沃な土壌に植え付けましょう。鉢栽培する場合は、8号鉢に植え付けます。 トロピカルフルーツ系 【パッションフルーツ】 Angela Rohde/Shutterstock.com トケイソウ科トケイソウ属のつる性常緑多年草で、原産地はブラジル南部。草丈は3mほど。4、6、10月頃にユニークな姿の花が咲き、収穫期は8月頃。果実を半分に切り、ゼリー状の部分を種ごとすくって食します。自家受粉するので1本植えるだけでOK。つるを伸ばして生育するため、フェンスや支柱などに誘引して仕立てましょう。霜が降りない場所であれば越冬しますが、それ以外では鉢栽培にするのが無難。日当たり、風通しがよく、水はけのよい砂壌土に浅植えにします。鉢栽培する場合は7号鉢に植え付け、行灯仕立てにします。 【フェイジョア】 hvoya/Shutterstock.com フトモモ科アッカ(フェイジョア)属の常緑低木で、原産地はブラジル南東部、ウルグアイ、パラグアイ。樹高は2mほど。6月下旬頃に愛らしいピンクの花が咲き、収穫期は10月下旬〜11月下旬頃。果実は横から半分に切り、中心をすくって食べます。パイナップルとイチゴ、バナナをミックスしたような芳醇な香りでクリーミーな食感です。授粉樹が必要なので異なる品種を2本以上植え、人工授粉をして確実に実らせましょう。トロピカルフルーツですが、-10℃程度まで耐えるようです。日当たり、風通しがよく、水はけのよい土壌に植え付けましょう。鉢栽培する場合は8〜10号鉢に植え付けます。収穫は自然落下した果実を拾い、3〜10日ほど追熟するとよいでしょう。ジャムにしても楽しめます。 【ポポー】 EQRoy/Shutterstock.com バンレイシ科ポポー(アシミナ)属の落葉高木で、原産地は北アメリカ南部。高木に分類されていますが、樹高を2.5mほどに抑える剪定にして管理しやすくするとよいでしょう。5月中旬〜6月中旬頃にチョコレート色の花が下向きに咲き、収穫期は9月下旬〜11月上旬頃。カスタードとバナナをミックスしたような濃厚な香りの果肉を食します。「森のアイスクリーム」とも評されますが、なかなか市販されていないので、家庭で栽培するメリットのある果樹です。授粉樹が必要なので異なる品種を2本以上植え、人工授粉をして確実に実らせましょう。トロピカルフルーツですが、耐寒性が強いのが特徴です。日当たり、風通しがよく、水はけのよい土壌に植え付けましょう。鉢栽培する場合は8号鉢に植え付けます。収穫は自然落下した果実を拾い、数日追熟するとよいでしょう。 育ててみたい人気のフルーツ 【モモ・ネクタリン】 Anton Watman/Shutterstock.com バラ科サクラ属の落葉高木で、原産地は中国。高木に分類されていますが、剪定によって2m程度に抑えて管理するとよいでしょう。果皮にうぶ毛があるものがモモ、ないものがネクタリンです。4月上旬頃に多数の花が咲き、収穫期は7月下旬〜9月上旬頃。自家受粉するので1本植えるのみでOKですが、人工授粉をして確実に実らせましょう。実がついたら袋かけをして、病害虫から守ります。市販のモモは完熟の4〜5日前に収穫して流通させるので、家庭栽培では糖度が2〜3度上がる完熟の甘みを味わえるのがメリットです。日当たりのよい場所を選び、水はけのよい肥沃な土壌に植え付けましょう。乾燥がやや苦手です。鉢栽培する場合は、8〜10号鉢に植え付けます。 【ナシ】 Christian Jung/Shutterstock.com バラ科ナシ属の落葉高木で、原産地は日本。高木に分類されていますが、剪定によって2m程度に抑えて管理するとよいでしょう。寒さに弱く、地植えの北限は関東北部まで。4月下旬頃に多数の花が咲き、収穫期は9月中旬〜10月中旬頃です。授粉樹が必要なので異なる品種を2本以上植え、人工授粉をして確実に実らせます。一つの花房に7〜8個の花をつけますが、摘果して最終的に1個のみ残します。病気になりやすいので袋かけをしましょう。日当たりのよい場所を選び、水はけのよい肥沃な土壌に植え付けます。乾燥がやや苦手です。鉢栽培する場合は、8〜10号鉢に植え付けます。 【ブドウ】 sirokuma/Shutterstock.com ブドウ科ブドウ属のつる性落葉樹で、原産地は中央アジアから地中海沿岸、北アメリカ。つるを旺盛に伸ばし、10mに達することも。つるを支える棚やフェンスなどの設置が必要です。5月下旬〜6月上旬に開花し、収穫期は8月中旬〜9月中旬頃です。自家受粉するので1本植えるのみでOK。実がついたら摘果して袋かけをし、病害虫から守りましょう。日当たりのよい場所を選び、水はけのよい肥沃な土壌に植え付けましょう。寒さ、暑さに強く、北海道から九州まで栽培可能です。雨が苦手なので、雨よけ対策が必須。鉢栽培する場合は、8〜10号鉢に植え付け、行灯仕立てにします。 少ないメンテナンスで育つ果樹 【カキ】 Cristina Nakamura/Shutterstock.com カキノキ科カキノキ属の落葉高木で、原産地は東アジア・東南アジアの温帯。高木に分類されていますが、剪定によって2.5m程度に抑えて管理するとよいでしょう。5月中旬〜6月中旬頃に花が咲き、収穫期は9月下旬〜11月中旬頃。渋ガキ、甘ガキともに自家受粉するので1本植えるのみでOKですが、甘ガキの中には授粉樹が必要なものもあるので、品種を選ぶ際には確認しておきましょう。日当たりのよい場所を選び、水はけのよい肥沃な土壌に植え付けます。地植えでも乾燥が続く場合は、水やりをして補いましょう。鉢栽培する場合は、8〜10号鉢に植え付けます。 【クリ】 Masayuki/Shutterstock.com ブナ科クリ属の落葉高木で、原産地は日本。高木に分類されていますが、剪定によって2.5m程度に抑えて管理するとよいでしょう。6月頃に花が咲き、収穫期は9〜10月頃。クリは授粉樹が必要なので、異なる品種を2本以上植えましょう。日陰では花芽ができないため、日当たりのよい場所を選び、水はけがよく、堆肥をたっぷりと施した肥沃な土壌に植え付けます。地植えでも乾燥が続く場合は、水やりをして補いましょう。鉢栽培する場合は、8〜10号鉢に植え付けます。 【ビワ】 traction/Shutterstock.com バラ科ビワ属の常緑高木で、原産地は日本、中国。高木に分類されていますが、剪定によって2m程度に抑えて管理するとよいでしょう。11〜2月頃に花が咲き、収穫期は6月頃です。自家受粉するので1本植えるのみでOKで、放任してもかまいませんが、人工授粉をすると実つきがよくなります。温暖な気候を好むため、凍結する場所では鉢栽培で楽しむのがおすすめ。日当たりのよい場所を選び、水はけがよく肥沃な土壌に植え付けましょう。鉢栽培する場合は、8〜10号鉢に植え付けます。手間をかけずともよく実りますが、摘果、袋かけをすると果実の質が上がります。 家庭での果樹菜園を楽しもう! FOTO SALE/Shutterstock.com この記事では、ビギナーでも家庭栽培しやすい果樹を取り上げました。それぞれの庭の日照条件や寒暖の環境、土壌、広さなどによって、育ちやすい果樹も絞られてくるので、その中からご自身の好みや目的に合うものを選んでみてください。ぜひ果樹を庭で育てて、甘くてジューシーな完熟果を味わいましょう。 参考文献:『決定版 はじめてでも簡単 おいしい家庭果樹づくり』 著者/大森直樹 発行/講談社 2010年11月28日第1刷発行『決定版 初めての果樹づくり』 監修/髙橋栄治 発行所/主婦の友社 2010年10月10日第1刷発行
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コルチカム(イヌサフラン)の育て方! 透明感のある美しい花を咲かせよう
コルチカムとは Maya Afzaal/Shutterstock.com 花期を迎えると、葉を展開する前に土から直接花茎を伸ばして咲く、ちょっと不思議な花姿が特徴的なコルチカム。透明感のあるピンクや白、紫などの花を、地際付近に美しく咲かせます。日本ではイヌサフランという別名でもよく知られています。 世界に60種ほどの原種がありますが、そのほとんどが秋に花を咲かせる秋咲き。園芸種も多く、秋花壇を飾るガーデンプランツとして広く利用されています。丈夫で育てやすく、多年生で植えっぱなしでも毎年美しい花が楽しめるので、ガーデナーにとっても頼れる存在です。時が経つにつれ、分球して次第に増えるのも嬉しいですね。また、大きな球根に蓄えた栄養により、土や水がなくても開花する珍しい植物で、机の上にそのまま転がしておいたり、コップやお皿などにポンと載せておくだけでも、手軽に花を楽しむことができます。 水は土がなくても花を咲かせます。Sarycheva Olesia/Shutterstock.com Carmen Hauser/Shutterstock.com 早春に咲くクロッカスや秋咲きのサフランとよく似た花を咲かせますが、まったくの別種。コルチカムはユリ科またはイヌサフラン科に分類され、クロッカスやサフランはアヤメ科に属する植物です。 数輪が寄り添うように咲くのも可愛らしい。Lamberrto/Shutterstock.com 見た目は美しくても、じつは危険な有毒植物 Digoarpi/Shutterstock.com その独特の美しい花姿から“裸の貴婦人”とも呼ばれ、ガーデンでもよく栽培されるコルチカムですが、じつは全草にコルヒチンというアルカロイド系の毒を持つ、危険な有毒植物です。コルチカムを摂取すると、腹痛や下痢、嘔吐などの中毒症状が現れ、最悪の場合は死に至ります。日本でも、誤ってコルチカムを口にしたことによる死亡事例が近年においても発生しています。イヌサフランという別名もありますが、サフランと違い、コルチカムは食用にはならないのでご注意を。また、コルチカムは鎮痛薬として用いられることもありますが、その場合にも嘔吐や下痢などの副作用が出ることがあります。 ギョウジャニンニクとの誤食が多い、コルチカムの若芽。Ekaterina Kolomeets/Shutterstock.com コルチカムの鱗茎部分はジャガイモやニンニク、タマネギなどと、春に芽吹いたばかりの葉はギョウジャニンニクとよく似ています。いずれの部分にも強い毒性があるので、誤って口にしないよう、栽培の際には家庭菜園のエリアとは別にしたり、山菜を採集する際には確認を怠らないようにするなど、十分に注意が必要です。 Mariola Anna S/Shutterstock.com コルチカムの花言葉の一つである「危険な美しさ」は、この毒性からつけられたものでしょう。また、「悔いなき青春」など、明るい花言葉も持っています。 コルチカムの品種 コルチカムには多くの原種がありますが、特にコルチカム・オータムナーレやコルチカム・スペシオサムを中心として作出された園芸品種が多く流通しています。ここでは、ガーデンでよく見かける花を中心に、コルチカムの品種をいくつかご紹介します。 alexmak7/Shutterstock.com 最も一般的な品種が、コルチカム・オータムナーレ。大きな花弁を持つピンク色の花が可愛らしく、秋のガーデンでよく見かけます。 Peter Turner Photography/Shutterstock.com 清楚な印象の白花品種も。 Flower_Garden/Shutterstock.com こちらもガーデンでよく利用される、コルチカム・スペシオサム。 Nick Pecker/Shutterstock.com ゴージャスな八重咲き大輪花を咲かせる園芸品種‘ウォーターリリー’。その名の通り、まるでスイレンのような花形が印象的です。 Andrew Fletcher/Shutterstock.com 花色が濃く鮮やかな‘バイオレット・クイーン’。 これらのほか、コルチカムには珍しい黄花で春咲きのコルチカム・ルテウムなどもあります。 コルチカムのガーデン実例 秋のガーデンを彩るコルチカム。そのガーデンでの使い方の実例を、いくつかご紹介します。 Helga_foto/Shutterstock.com グラスやチェリーセージと合わせて、秋らしいガーデン風景に。 Maya Afzaal/Shutterstock.com グラスに囲まれた中に、草丈が同程度のコルチカムをまとめて植えて。 Jaro Mikus/Shutterstock.com Philip Bird LRPS CPAGB/Shutterstock.com 花ばかりが一斉に咲くコルチカムは、群植させると見事な光景をつくります。スペースがあれば、花の川のようにデザインすることもできます。 Sophie Leguil/Shutterstock.com イギリスのキューガーデンに植えられたコルチカム・シリシカム。この品種もよくガーデンで利用されます。花が咲くまでは土や水がなくてもいいコルチカムは、ロックガーデンにも。 mubus7/Shutterstock.com 樹木の株元をカバーするように、周囲にコルチカムが群植されているのもガーデンではよく見られる光景です。 Melanie Faulstick/Shutterstock.com 芝生の中にナチュラルに咲かせたコルチカム。フランス・ジヴェルニーのモネの庭にて。 Vladiri/Shutterstock.com ボックスいっぱいに詰め込んだコルチカムを、ガーデンのアクセントに。 DimaBerlin/Shutterstock.com 花がすっくと伸びるコルチカムは、単体でポットに植えて並べても存在感があります。 Sarycheva Olesia/Shutterstock.com コンテナや可愛い器に入れて、室内で楽しむのもいいですね。 コルチカムの育て方 Artem Charkin/Shutterstock.com コルチカムは9~10月に植え付け期を迎える、夏~秋植え球根。開花期は9月中旬~11月頃で、草丈は5~30cmと、あまり大きくならないガーデンプランツです。耐寒性、耐暑性ともに強い丈夫な植物で、土質もそれほど選ばず育てることができます。 コルチカムの球根。Nadezda Verbenko/Shutterstock.com 球根に栄養分を蓄えているため、花を咲かせるだけなら土に植え付けなくても楽しむことができますが、翌年以降の開花のためには、球根をしっかり育てる必要があります。土に植えずに楽しんだ場合、花後は土に植え、春に伸びる葉をよく成長させましょう。また、水耕栽培にすると根が伸び、植え付けの際に伸びた根を傷めてしまうこともあるので、土に植えない場合は水は与えずに育てたほうがよいでしょう。 Mariola Anna S/Shutterstock.com 栽培の際は、日当たりがよい場所で管理し、水はけのよい土に植え付けましょう。光が弱いと、花色が薄くなることがあります。球根を植え付ける時は、元肥を施した土に深めに植え、土が乾いたら水やりをします。 春、葉が伸びたコルチカム。Helga_foto/Shutterstock.com 花後、早春から新芽が伸び出し、初夏まで艶のある葉が茂ります。梅雨頃に葉が枯れたら水やりをストップし、枯れた葉を取り除いて球根を休眠させましょう。水はけのよい土であれば植えっぱなしで構いませんが、高温期の長雨で球根が傷むこともあるので、梅雨前に掘り上げて風通しのよい日陰で保管しておくのもよい方法です。 Flower_Garden/Shutterstock.com 地植えの場合は数年植えっぱなしでも花を咲かせますが、分球して次第に増えるので、株が込んできたら植え直しを。鉢植えの場合は、毎年分球して植え替えをするとよいでしょう。 参考文献:「みんなの趣味の園芸」NHK「自然毒のリスクプロファイル」厚生労働省
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古くから親しまれてきたシオンってどんな花? 特徴や育て方をご紹介
シオンの概要 シオンはキク科シオン属の草花です。原産地は日本、中国、朝鮮半島、シベリアなど。日本に古くから自生してきたことから、環境にも馴染み、育てやすい植物です。しかし、日本での自生種は九州、中国地方の山間部にわずかに確認されているくらい数を減らしており、絶滅危惧種に指定されるほどになりました。ここでご紹介するシオンは、国内で園芸用として流通している種類です。 シオンは多年草に分類されており、春に新芽を出して旺盛に生育し、秋に開花。寒くなるとともに地上部を枯らして休眠し、越年してまた翌春になると新芽を出して生育を始める……というライフサイクルを繰り返します。一度植え付ければ、何年も決まった時期に開花を楽しめ、コストパフォーマンスに優れています。 シオンの花の特徴 シオンの草丈は50〜200cm。幅があるのは種類によって異なるからで、苗を購入する際は、庭のスペースに合うサイズかどうか、ラベルなどで確認するとよいでしょう。開花は9〜10月。花色は淡い薄紫で、花心は黄色。茎の頂部に咲かせる花は、一輪の直径が2.5〜3cmと小さいのですが、大変花つきがよく、満開時には色の塊となって目に飛び込み、華やかなシーンを作り出してくれます。 シオンの別名・名前の由来・花言葉 シオンは漢字で「紫苑」と書きます。「苑」は広い土地や庭といった意味があり、紫の花が群れて咲き誇る様子に由来するようです。「醜草(おにのしこくさ)」「思い草(おもいぐさ)」の別名があり、これは『今昔物語』がルーツとか。また十五夜の頃に満開になることから、「十五夜草(じゅうごやそう)」とも呼ばれています。 学名のAsterは、ギリシャ語で「星」という意味で、放射状に花弁をつける花姿を星にたとえたことから。花言葉は、「追悼」「君を忘れない」などがあります。 シオンの育て方 ここまで、シオンの基本情報や特徴、花言葉などについてご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、シオンに適した栽培環境や植え付け、水やりや施肥、日頃の管理、増やし方など、育て方について詳しく解説します。 適した栽培環境と置き場所 【地植え】 日当たり、風通しのよい場所を好みます。明るい半日陰の環境でも育ちますが、あまりに日陰では花つきが悪くなり、株もひょろひょろと徒長ぎみに伸びて軟弱な株になるので注意しましょう。また、西日が強く当たる場所は、真夏に乾燥しすぎて株が弱ったり、葉焼けしたりすることがあるので、東南側が向いています。寒さには強いので、周年植えっ放しにしてかまいません。 【鉢植え】 基本的に、日当たり、風通しのよい場所に置いて管理します。真夏は西日が当たらない場所に移動しましょう。一年を通して戸外で管理してもかまいません。 土づくり 【地植え】 植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、よく耕しておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の草花用培養土を利用すると手軽です。 植え付け・植え替え シオンの植え付け・植え替えの適期は、3〜4月上旬か10月下旬〜11月です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、根鉢をくずして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。複数の苗を植える場合は、20〜30cmの間隔を取っておきましょう。 地植えにしている場合は、数年は植えたままにしてもかまいません。しかし、大株に育って込み合ってきたら、掘り上げて株分けして植え直し、株の若返りをはかるとよいでしょう。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、7〜10号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。ポットから取り出した苗を鉢に仮置きし、高さを決めたら、根鉢を軽くほぐし、少しずつ土を入れて、植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、毎年植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して根鉢をくずし、新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 水やり 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏に水やりする場合は、気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬でもカラカラに乾燥させることのないように、適宜水やりを続けてください。 肥料 【地植え・鉢植えともに】 植え付け時に、元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。 その後は旺盛に生育する4月中旬〜5月中旬と、次々と開花する9月中旬〜10月中旬に、緩効性肥料を株の周囲にばらまき、軽く耕して周囲の土に馴染ませます。 摘心と花がら摘み 【摘心】 シオンは、苗が幼いうちに茎の先端を切り取る「摘心」を繰り返すと、よく分枝してこんもりと茂ります。茎葉が増えることで花数も多くなるので、ひと手間かけておくことをおすすめします。 【花がら摘み】 シオンの終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 病害虫対策 【病気】 シオンに発生しやすい病気は、うどんこ病、灰色かび病などです。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放置するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用する殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境下で発生しやすい病気です。ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合っていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。 【害虫】 シオンに発生しやすい害虫は、アザミウマやアブラムシなどです。 アザミウマは花や葉につき、吸汁する害虫です。スリップスの別名を持っています。体長は1〜2mmと大変小さく、緑や茶色、黒い姿の昆虫で、群生して植物を弱らせるので注意しましょう。針のような器官を葉などに刺して吸汁する際にウイルスを媒介するので、二次被害が発生することもあります。被害が進んだ花や葉は傷がついてかすり状になるので、よく観察してみてください。花がらや枯れ葉、雑草などに潜みやすいので、株まわりを清潔に保っておきます。土に混ぜるタイプの粒剤を利用して防除してもよいでしょう。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 冬越し 【地植え・鉢植えともに】 シオンは寒さに強いので、そのまま戸外で越冬できます。秋が深まると地上部を枯らして休眠するので、地際で刈り込んでおきましょう。枯れた茎葉をそのまま残しておくと病害虫の越冬地となってしまうので、株まわりをきれいにしておきます。温暖な地域では、そのままで越冬しますが、寒冷地では凍結対策として、腐葉土かバークチップをたっぷりと被せておくとよいでしょう。休眠中、地植えの場合は特に水やりは不要ですが、鉢栽培の場合はカラカラに乾燥させることのないように、控えめに水やりを続けてください。 増やし方 【株分け】 シオンは、株分けして増やすことができます。株分けの適期は3〜4月上旬か10月中旬〜11月上旬です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りをはかります。株を掘り上げて数芽ずつ付けて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、同じ姿の株が増えていくというわけです。 【挿し芽】 シオンは、挿し芽で増やすことができます。挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し芽ができないものもありますが、シオンは挿し芽で増やせます。 挿し芽の適期は5月頃です。新しく伸びた枝を2節以上つけて、切り口が斜めになるように切り取ります。採取した茎(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り取ります。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。発根後は日当たり、風通しのよい場所に移動し、十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 『今昔物語』にも登場する日本で古くから愛されてきたシオン 秋の庭を彩る美しい花として、古くから親しまれてきたシオン。花もちがよいので、たくさん咲いたらインテリアに飾って楽しむのもいいですね。生命力旺盛で、手をかけずともよく育ち、一度植え付ければ毎年開花を楽しませてくれるシオンを、ぜひ庭に取り入れてはいかがでしょうか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。




















