スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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一年草

辛いもの好きにはすでに定番⁉︎ ハバネロの栽培方法を詳しくご紹介
まずは知っておこう! ハバネロの基本情報と特徴 ハバネロはナス科トウガラシ属の植物で、原産地はメキシコのユカタン半島です。かつては世界一辛いトウガラシとしてギネスブックに認定されていました。現在はその座をキャロライナ・リーパーに譲りましたが、今でも辛いトウガラシの代名詞として親しまれています。 日本でおなじみの‘鷹の爪’とは異なり、丸みのあるピーマンのような形で、フルーティーな香りがします。 花は白い色で、「信じ合う心」という花言葉を持っています。 オレンジ色や赤色のハバネロも! 栽培される主な種類をご紹介 トウガラシの一種であるハバネロには、さらにさまざまな種類がありますが、主に栽培されている品種は次のようなものです。 オレンジ色の‘オレンジライプ’は広く出回っている品種の一つ。原産地のユカタン半島では、ほとんどがオレンジ色のハバネロです。赤い色のハバネロには‘カリビアンレッド’や‘レッドサビナ’があり、世界一辛いとしてギネスブックに認定されていたのは‘レッドサビナ’です。 ハバネロの栽培に適した環境と土づくり ハバネロを育てるには、日当たりのよい環境が大切です。できれば5時間以上、日が当たる場所で育てましょう。 土はある程度の水もちは必要ですが、基本的には水はけや通気性のよい土が適しています。鉢植えやプランターで育てる場合は市販の培養土を使うか、赤玉土6:腐葉土4などの配合の用土でもよいでしょう。地植えの場合は、あらかじめ土に腐葉土や牛ふん堆肥などの有機質と苦土石灰を混ぜ込み、植え付けの1週間前に緩効性化成肥料も混ぜ込んでおきます。 ハバネロを上手に育てるコツ ハバネロを上手に育てるには、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。 ここからは、ハバネロを育てる際のポイントについて一つずつ説明しましょう。 ハバネロは種まきから育てられる! 種まきの方法と苗づくり 5月頃になると苗が出回り、種子から育てることもできます。戸外でハバネロの種を播く場合、5月頃が適しています。発芽の適温は25℃~30℃で、夜間の温度が20℃を超える必要があるためです。ただし、5月に種まきをすると収穫が遅くなるので、4月上旬に室内で早まきして苗を作り、5月になったら植え付けてもよいでしょう。 種子は育苗ポットまたは地植えで、1つの植え穴に4~5粒ずつ播いて、薄く土を被せます。地植えの場合は間隔を40cmほどあけて播きます。土をかけすぎると発芽率が下がってしまうので、種子が隠れる程度に薄く土をかけるようにしましょう。 ハバネロの植え付けの時期とポイント ハバネロの本葉が4〜5枚まで成長したら、元気のよい苗を1本だけ残してほかは間引きます。1株だけにして育て、最初の花が咲いたら植え付けましょう。 鉢植えにする場合は、できるだけ大きな鉢に植えると、株が大きく成長して実もたくさんつきます。鉢は直径20cm以上の7〜10号鉢が適しています。60cmのプランターであれば1〜2株植えられます。 根を傷つけてしまうのを防ぐため、あまり根鉢を崩さないように注意して植え付けましょう。 土が乾いたらたっぷり水やり! ただし与えすぎには注意 種まき後は、発芽するまで土が乾かないように水やりをします。 植え付け後は、鉢土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりと水を与えましょう。気温が高くなる昼の間に土が乾いてしまうので、鉢植えの場合は午前中にたっぷり水をやるのがおすすめです。乾きやすい真夏には、夕方〜夜にも確認し、乾いていれば水やりをしましょう。 地植えの場合は雨の水分だけで足りるので、基本的には水やりは不要です。乾燥が続く場合だけ水やりをする程度でかまいません。 生育が旺盛なハバネロは定期的な追肥が必要 ハバネロは気温が上がる6月以降に生育が旺盛になります。肥料を適切に与えることで株が大きくなって実がよくつくため、収穫まで規定量の追肥をします。肥料が足りないと、実が大きく育たないため注意しましょう。 地植えの場合は、緩効性化成肥料を与えます。鉢植えも緩効性化成肥料でよいのですが、液体肥料を2週間に1回ほど与えてもかまいません。 成長してきたら支柱立てと摘心も行おう ハバネロは根の張り方が浅く、風で倒れてしまうことがあるため、支柱を立てる必要があります。ある程度育ってきたら、1m程度の支柱を立てて株を支えましょう。 また、一番花(最初に咲いた花)が咲いたところで枝分かれしますが、そこよりも下のわき芽は全てかき取ります。 ハバネロを育てるうえで注意しておきたい病気と病害虫 ハバネロは、アブラムシが葉や茎などに付きやすい植物です。見つけ次第、ホースの水で洗い流すなどして駆除しましょう。アブラムシが媒介するモザイク病にも注意が必要です。モザイク病になると、葉に濃淡のモザイク状の模様が現れます。発生した部分は取り除きましょう。喫煙者はタバコからタバコモザイクウイルスが付着していることがあるので、手入れをする前には石けんで手を洗うと安心です。 ヨトウムシも発生しやすい害虫です。葉を食べてしまう虫ですが、夜間に活動するため昼間は見つけづらいです。もし葉が食害を受けているようであれば、夜に見回ってみて、芋虫を見つけたら取り除きましょう。 カビが原因で葉や茎が白くなる、うどんこ病も発生することがあります。乾燥すると発生しやすいため注意しましょう。 ハバネロの収穫と種子の採取 ハバネロはピーマンと同じように、色づく前の緑色の時期でも収穫が可能です。色づいたものは7〜8月が収穫時期です。ヘタを1cmほどつけて収穫します。 収穫する際には実を傷つけて汁が出ないように注意しましょう。汁が手などにつくと皮膚刺激があります。心配な場合は手袋やゴーグルなどを使うと安全です。また、ハバネロの果実を触った手はよく洗い、しばらくは目や顔などを触らないようにしましょう。 種子を採る場合は、果実が熟してシワシワになるまで待ってから収穫します。果実を割って種子を取り出したら、よく水で洗って乾かし、チャック付きのビニール袋などに入れて保管しておきましょう。 ハバネロは室内で水耕栽培も可能! ハバネロは水耕栽培でも育てることができ、また空いたペットボトルを利用して栽培できるキットなども市販されています。室内でも栽培可能ですが、発芽適温や生育適温、日当たりなどに注意しましょう。初夏から秋までは十分な日光が当たるように管理します。 料理はもちろん観賞用として花や実も楽しめる ハバネロは、さまざまな料理に活用できます。サルサソースやオイル漬けなど、調味料として使うほか、パスタや煮込み料理、炒め物などに一般的なトウガラシと同じように使うことができます。手入れをする時同様、ハバネロの果実を触った後はよく手を洗い、果汁が目に入らないように注意しましょう。 料理だけでなく、白くて可愛らしい花やカラフルな実を観賞用として楽しむこともできます。 育て方のコツを押さえてハバネロを栽培してみよう! ハバネロはプランターでも収穫を楽しめ、ポイントを押さえて栽培すれば簡単に育てることができます。ぜひご自宅で育てたハバネロで、激辛料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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おすすめ植物(その他)

「シルバーリーフ」17選で庭の洗練度をアップ!
寄せ植えのアクセントにぴったりのシルバーリーフ ガーデニングを楽しむ際には、植物の花だけを考えるのではなく、葉も景観づくりの重要な要素になります。花は美しく華やかですが、花期だけにしか見ることができません。一方の葉っぱは、花後も茂って残るので長い期間楽しむことができ、葉の形もバリエーション豊か。また大きく広い範囲をカバーすることができるので、花壇や寄せ植えのベースやアクセント、暗い用土の色を隠す役としても幅広く活躍します。ガーデンで植物を栽培する際には、葉の形や美しさも考慮してみましょう。ガーデンプランツの中でも、特に美しい葉を観賞するものをリーフプランツといいますが、花を主に観賞するものにも、美しい葉を持つ植物はたくさんあります。 植物の葉は、一般的に緑色のイメージが強いですが、銅葉や黒葉、黄金葉など、さまざまな色があり、色鮮やかな葉を持つガーデンプランツを総称してカラーリーフと呼びます。今回取り上げるのは、その中でも白や銀色に輝くような色彩を持つシルバーリーフ。銀葉ともいい、特定の種類の植物を指すのではなく、このような特徴を持つ植物を総称した呼び名です。一口にシルバーリーフといっても、純白に近いはっきりした銀色を持つものから、紫がかったグレイッシュなもの、柔らかな緑白色までその色合いはさまざま。ほかの色とも合わせやすい色なので、メタリックで硬質なイメージの銀の色味を生かして、モダンな印象づくりに利用したり、パステルカラーの花と合わせて優しい色調にまとめたりと、他の花材と合わせて寄せ植えや花壇で活躍します。シルバーリーフを上手に生かすことで、ガーデンでの表現の幅がぐっと広がり、園芸の腕があがりますよ。 植物と‘銀色’ シルバーリーフに限らず、自然界に白い花は数多ありますが、実は白色の色素を持った花、というものはありません。白い花は、植物の細胞の隙間などで光が乱反射し、白く見えていることがほとんどです。シルバーリーフの場合は、緑色の色素が少ないか、細かい白い毛で覆われているために白く輝くような葉を持つことになります。そのため、多くのシルバーリーフでは、表面の毛によるふわふわモコモコとした触り心地も楽しめるおまけつき。質感の違いも、寄せ植えやフラワーアレンジの素材としてよいアクセントになりますよ。 シルバーリーフを取り入れた寄せ植え&花壇のアイデア どんな色とも合わせやすい白色のシルバーリーフは、色合わせに便利で寄せ植えや花壇のアクセントに効果的。他のガーデンプランツとも組み合わせやすいので、どんな寄せ植えにも活躍します。シルバーリーフを効果的に取り入れた、オシャレでかわいい寄せ植えや花壇のアイデアをご紹介します。 効果的にシルバーリーフを使った寄せ鉢ガーデニングの一角。ラミウムのメタリックな銀色が、足元に明るさをプラスし、ダークパープルのチューリップを引き立てています。 色とりどりの春色ガーデンの中でも、シロタエギクの群植による白色のエリアは一際目を引きます。 白いチューリップをメインに、空色のワスレナグサと紫色のラベンダー、シルバーリーフのラムズイヤーを合わせた爽やかな色合わせのガーデンの一角。チューリップの花後に立ち上ってくるラムズイヤーが枯れかけた葉をカバーしてくれるというガーデニングアイデアです。 シルバーリーフと青い花の組み合わせは相性抜群。 シルバーリーフといえば、外せないのがホワイトガーデン。白い花と合わせて印象的な白いガーデン風景づくりに活躍します。中央のシルバーリーフは、アサギリソウ。 フォルムがかっこいい植物と合わせれば、スタイリッシュでモダンな雰囲気に。 スタイリッシュで魅力的な葉を持つ シルバーリーフ17種 リクニス・コロナリア リクニス・コロナリアは、フランネルソウの別名でも知られる宿根草。細かな産毛に覆われた葉と茎はベルベットのような質感で、常緑性なので冬にも美しいシルバーリーフを観賞することができます。草丈は60cm~1mほどと高く育ち、すらりとした草姿で枝分かれしながら咲き続けるので、花壇の背景などに使うと立体感を演出。夏には鮮やかな濃いピンク色や白色の花を咲かせ、白い茎葉とのコントラストも楽しめます。 乾燥したやせ地などでもよく育つ、丈夫な宿根草ですが、反面蒸れには弱いので、日当たりと水はけのよい場所で栽培し、過湿に注意しましょう。 シロタエギク シルバーリーフの中でも代表的なシロタエギクは、寄せ植えや花壇の名脇役として、ガーデナーにとってはお馴染みの存在です。一般的に、キク科セネシオ属のセネシオ・シネラリアを指します。白く短い毛でびっしりと覆われた葉は柔らかで触り心地も楽しく、耐寒性が強いので、冬のガーデニングには欠かせません。一般的には写真のような切れ込みの入った葉ですが、切れ込みのない葉を広げてよりインパクトを与える‘エンジェルウィングス’のような品種もあります。 丈夫で育てやすいガーデンプランツですが、高温多湿時には株元が蒸れやすいので、水はけと風通しがよい場所で栽培するとよいでしょう。長く伸びすぎたり、つぼみが見えたら切り戻しをすると美しい姿を保ちやすくなります。 モクビャッコウ シルバーリーフが美しいキク科の常緑性小低木で、枝がよく分枝してこんもり茂り、葉には独特の香りがあります。冬には、小さくミモザを思わせる粒状の花が咲き、花の少ない季節をつなぐ貴重な植物です。耐寒性はあまり強くないので、鉢植えなどで室内に移動させするのがおすすめ。日当たりがよく水はけがよい用土で、乾燥気味に育てるとよいでしょう。 ヘリクリサム・シルバースノー キク科の常緑低木のヘリックリサム・シルバースノーは、銀色の細葉が茂り、耐寒性や乾燥に強いので冬の寄せ植え花材として人気です。花材が少ない冬に活躍しますが、真夏の高温や多湿には弱いので、地植えをする場合は日当たりがよく、風通しがある場所に植えるとよいでしょう。初夏に黄色の丸い花が咲きますが、梅雨時期は蒸れやすいので、枝を間引くように剪定をするとよいでしょう。 サントリナ キク科ワタスギギク属のサントリナは、和名をワタスギギク、別名にラベンダーコットンやコットンラベンダーと呼ばれるかわいい名前がついています。一見、先にご紹介したヘリクリサムに草姿が似ていて初夏に黄色の花が咲きますが、銀葉は珊瑚のようで個性的。耐寒性のある低木で爽やかな香りがあり、リースやポプリにするなどハーブとしても活用されます。 エレモフィラ・ニベア 長く伸びる枝に白銀の葉が茂り、春には先端に淡いパープルの花を咲かせるエレムルス・ニベアは、オーストラリア原産の植物。エアープランツのようなビロードに起毛した葉のため、雨などで濡れてしまうと乾燥しにくいので、雨が当たらないよう、乾燥気味に管理します。地植えでは管理が難しいので、鉢植えにして春から秋は軒下で、冬は室内の明るい場所で育てるとよいでしょう。 『白銀の葉と淡いパープルの花「エレモフィラ・ニベア」【オージーガーデニングのすすめ】』 ギボウシ(ホスタ) ギボウシの栽培は、明るい日陰や半日陰で育てるのがオススメ。乾燥が厳しい場所は避け、鉢植えの場合は水切れしないように注意しましょう。 ラムズイヤー まるで子羊の耳のような見た目と、ずっと触っていたくなるほどのもこもことした手触りが特徴のシルバーリーフ、ラムズイヤー。梅雨頃には、花穂を上げて薄紫色の花を咲かせます。葉は乾燥させてクラフトにも利用できます。寒さに強く、丈夫で、ほったらかしでもよく増えるのも人気の秘密です。 日当たりのよい場所を好みますが、高温多湿は苦手。夏は半日陰になる涼しい場所に移動するとよいでしょう。また、梅雨時には雨の当たらない軒下などに移動するとよいでしょう。株が混んできたら株分けを。 ラミウム メタリックな輝きの銀葉を持つラミウムは、低く広がるのでグラウンドカバーやハンギングバスケットに向く植物。シソ科オドリコソウ属の多年草で、初夏に咲く小さなピンクや黄花もかわいいです。シルバーリーフのほか、明るい黄金葉や斑入りの葉を持つ品種もあります。 シェードガーデンでも栽培できる植物で、日陰では花は咲きにくくなりますが、葉は美しい色が楽しめます。強い日差しの下では葉焼けすることがあるので注意しましょう。よく広がるので、株が混んできたら株分けをしましょう。 コンボルブルス・クネオルム 細かな銀色の葉を茂らせ、初夏にヒルガオに似た丸い花を咲かせるコンボルブルス・クネオルムは、ヒルガオ科の耐寒性多年草。地域によっては真冬も葉を保ち、枝分かれしてこんもり育ちます。耐寒性があるので、冬の寄せ植えにも活躍するうえ、暑さにも強く、花が咲いていない時期でも光に照らされて輝く葉を楽しめます。 ニシキシダ パープルシルバーの色合いがなんともいえず美しいニシキシダ。特徴ある葉姿とも相まって、シェードガーデンでひときわ目を引く存在です。ナチュラルな雰囲気があり、和風の庭にも洋風の庭にもよく合います。また、日本に自生するシダの仲間なので、気候に合っていて育てやすいのも嬉しいところ。 日陰で湿った場所で栽培すると、葉が大きく、発色もよくなります。日向や乾燥した土地、やせた土地では葉色が出にくくなるので注意しましょう。 ブルンネラ シルバーに緑色の葉脈が際立つ大きな葉が美しい写真の品種は、ブルンネラ‘ジャックフロスト’。ブルンネラは春早くに細い茎を伸ばしてワスレナグサによく似た青紫色の小さな花を咲かせる宿根草です。シェードガーデンで育つリーフプランツとしても代表格のブルンネラには、写真の品種のほかにもシルバーの色彩を持つ品種や斑入りなど、バリエーション豊かな品種があります。 高温や乾燥を嫌い、涼しい場所を好みます。冬から春は日が当たり、夏は日陰になる落葉樹の下などで栽培するとよいでしょう。 ヒューケラ(ツボサンゴ) ユキノシタ科の宿根草で葉色のバリエーションが多いヒューケラにも、銀色の葉を茂らせる種類がいくつかあります。写真は、銅色の葉脈が浮き立つシルバーリーフの‘シルバー・スクロール’です。この種類の他にも‘プリンス・オブ・シルバー’や‘シナバー・シルバー’などがあり、それぞれ初夏に咲く花色の違いがあるので組み合わせてカラーリーフの花壇を作るのも方法。 ヒューケラは、耐寒性が強く丈夫なカラーリーフですが、美しい葉色を維持するためにも半日陰の場所に植えるのがおすすめ。枯れた葉を見つけたら切り取って、株をきれいに保ちましょう。 エリンジウム 青みがかったような光沢のあるメタリックな銀色と、とげとげとしたユニークな形状がインパクトのある夏に咲く宿根草。写真の‘シルバーゴースト’は、同種の中でも花が最大級で、ガーデンで抜群の存在感がある品種です。庭で栽培するのはもちろん、ドライフラワーにしても個性的な姿と色合いが楽しめます。 日当たりがよく、冷涼で乾燥した気候を好むので、栽培の際は過湿に注意し、水はけのよい場所でやや乾かしぎみに管理しましょう。 『装飾的な花、オーナメンタルな姿を楽しみたい エリンジウム』 レックス・ベゴニア レックス・ベゴニアは、多肉質の茎が地下を這う、根茎性ベゴニアと呼ばれるグループに属すベゴニア。渦巻き葉や切れ込みのある葉など、形状も大きさも、そして色合いもさまざまな個性的な葉を持ち、葉の美しさを楽しむ観葉植物として人気があります。テラリウムでの栽培にもオススメです。シルバーリーフを持つ写真の品種は‘シルバー・スプレンダー’。 あまり日光を必要としないので、明るい日陰もしくは室内で育てます。耐寒性が弱いので、霜が降りる前に室内に取り込むとよいでしょう。 ユーカリ ドライフラワーやフラワーアレンジなどでもおしゃれな花材として人気のユーカリも、銀葉が美しいカラーリーフの一つです。オーストラリア原産で、コアラの餌としても聞き覚えのある人も多いのではないでしょうか。ユーカリには約600以上の種類があり、写真のような丸い葉や柳のように細長い葉などさまざま。種類によっては、庭に植えると手に追えないほど短期間で大きくなる種類もあるので、選ぶ際には注意が必要です。 日本の庭で育てるならば、ユーカリ・シデロキシロン(Eucalyptus sideroxylon var. rosea)やユーカリ・リューコキシロン‘ロゼア’(Eucalyptus leucoxylon ‘Rosea’)などを選ぶとよいでしょう。 『日本に向く「ユーカリ」の育て方【オージーガーデニングのすすめ】』 セラスチウム スノー・イン・サマー、ナツユキソウの別名の通り、細かい毛の生えた小さなシルバーリーフに、白い小花をびっしり咲かせてカーペット状に低く広がる姿は、まるで雪が降ったかのような景色に。繊細な葉は他の植物とも合わせやすく、ホワイトガーデンや寄せ植えのアクセントにオススメです。 基本的に丈夫で育てやすいですが、過湿と多肥を嫌います。日当たりがよく、やせた土地で栽培し、梅雨は雨が当たらないようにするとよいでしょう。夏越しが難しいため、暖地では一年草扱いとされることも多いです。 細かい毛に覆われたシルバーリーフの多くは、乾燥や低温に強く、高温多湿や蒸れが苦手。栽培の際には、適した環境を考慮して植え付けましょう。 ここで紹介したもののほかにも、ユニークな魅力を持つシルバーリーフのガーデンプランツはたくさんあります。ぜひ、お気に入りの種類を見つけて栽培してみてくださいね。 併せて読みたい ・夏の花壇に咲かせたい、涼しげな青い花7選 ・カラーリーフの宿根草「基本14種」寄せ植えや花壇に彩りを! ・宿根草やバラと調和するシンボルツリー「カラーリーフ落葉樹10選〜中低木編」【乙庭Styleの植物12】 Credit 写真&文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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7月、8月、9月に咲く夏の花/暑さにも蒸れにも強い!ローメンテナンスで咲き続ける超高性能な夏花新品種
花がら摘みをしなくても勝手にずっときれい! 夏の庭の優等生たち 驚異的な分枝力で夏も次々咲いてボリューミー ゴンフレナ(千日紅) ‘ラブラブラブ’ ●草丈/50〜70cm 株幅/50〜70cm 多年草 ゴンフレナはもともと乾燥や高温、直射日光に強い植物ですが、‘ラブラブラブ’はそうした特性に加え、枝分かれしてたくさんの花を咲かせるよう改良された品種です。1株で50〜70cmとボリュームたっぷりに咲いてくれるので、夏の花壇や寄せ植えの背景にぴったり。またカットしても驚異的な分枝力で花がすぐに上がり、カッティングガーデンの素材としても最適。発色も花もちもよく、花材が少なくなりがちな真夏にどんどん花を供給してくれます。切り花のほか、ドライフラワーにしても楽しめます。 【育て方のコツ】 花もちがよく花がらも目立ちませんが、長雨によって徒長してくることがあるので、株姿が乱れてきたら思い切ってカットしましょう。摘んだ花も飾って楽しめます。 青い珊瑚礁の名の通り地面を青く染め上げる エボルブルス‘ブルーラグーン’ ●草丈/20〜40cm 株幅/40〜70cm 多年草 「アメリカンブルー」の名前で知られるエボルブルスは、近年の日本の猛暑にも耐えられる貴重な植物。加えて‘ブルーラグーン’はよく枝分かれし、花と花との間隔が従来のものより狭く、咲き広がると、まさにブルーラグーン(青い珊瑚礁)のように小花が地面を青く染め上げます。草丈が低く、這うように広がるためグラウンドカバーとしてもぴったり。目にも涼しげな青花ですが、実際、グラウンドカバーを茂らせると、地温がアスファルトより10℃以上低くなることが環境省の実験で確認されています。夏の暑さ対策にもなるうえ、他品種に比べ耐寒性にも優れています。 【育て方のコツ】 切り戻しをしなくてもきれいに咲き広がりますが、梅雨前に一度切り戻すとより高密度に花が咲き、9〜10月の開花ピーク時には真っ青なカーペット状になります。 夏も真っっっ白! 新雪のようにふわふわ咲き続ける ユーフォルビア ‘ダイアモンドスノー’ ●草丈/30〜45cm 株幅/30〜45cm 多年草 ‘ダイアモンドフロスト’ ‘ダイアモンドスター’に続く八重咲きの最新品種。 ユーフォルビアはフラワーアレンジに使われるカスミソウのように、主役の花を引き立てる名バイプレーヤーで、ほとんど何もしなくても咲き続けるローメンテナンスの女王。初心者でも失敗しない確率99.9%。‘ダイヤモンドスノー’とこれまでの品種との違いは、下の写真の通りの旺盛な生育。真夏の高温期でも休むことなく、炎天下に新雪のような真っ白な花をふわふわ咲かせ続けます。八重咲きで花密度が高いので、もはや脇役を卒業し、単植で見応えたっぷりの主役級の花。寄せ植えなどの脇役に向くのは従来の品種。使い分けて楽しめます。 【育て方のコツ】 日当たりのよい場所で、適宜水やりをしていればOK。切り戻しの必要もありませんが、大きくなりすぎたなと思ったら切り戻してもOK。 ●以上の品種 プルーブンウィナーズ https://provenwinners.jp 初心者も花いっぱいに!ローメンテナンスな スカエボラ‘サンク・エール’ ●草丈/25〜30cm 株幅/40〜60cm 多年草 出身地はオーストラリア南東部で、暑さに非常に強い花。スカエボラの他品種には生育するにつれ株の中央に花が少なくなるものがありますが、‘サンク・エール’は根元から次々に分枝するので、夏を迎える頃には株全体が花で覆われます。水切れにも強く、虫もつかず、下の写真のように真夏の露地でも株を覆い尽くすように満開状態が続き、晩秋まで花が楽しめます。写真のブルーグラデーションは新品種。他に白やライトピンク、バイオレットなど7色の展開があります。 【育て方のコツ】 日当たりのよい場所で、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをしていればOK。切り戻しの必要もありませんが、大きくなりすぎたなと思ったら切り戻してもOK。 1株が40cmにも広がる新品種登場 ニチニチソウ‘フェアリースター’ ●草丈/20〜30cm 株幅/30〜40cm 多年草 花径2cm程度の花をつけるニチニチソウの極小輪シリーズで、サントリーフラワーズのオリジナル品種。もともと花つきがよく酷暑のなかでも花いっぱいになる品種ですが、2022年新発売の「パステルピンク」と「ピンクウィズアイズ」(写真左の2品種)は、これまで以上に株張りがよいのが特徴。愛らしい花姿とは裏腹に病気にも強く、生育旺盛で秋まで花を楽しむことができます。鮮やかな花色は単植でも見応えたっぷりですが、極小輪なので寄せ植えの花材としても重宝します。 【育て方のコツ】 株元が蒸れると灰色かび病やうどんこ病の心配があるので、植え込む際は深植えせず、苗の表面の土が隠れない程度で植えるのがコツ。加湿を嫌うので、水の与えすぎに注意して、しっかり土が乾いたことを確認してから水やりしましょう。大きくなると株が密になってきて株元の風通しが悪くなるので、様子をみて何本か根元から間引くように切るといいでしょう。 ●以上2品種 サントリーフラワーズ https://www.suntory.co.jp/flower/ 春から秋まで次々花が上がる ジギタリス F1 ‘パンサー’ ●草丈/50〜60cm 宿根草 イングリッシュガーデンの定番花、ジギタリス。バラとの共演にも欠かせない宿根草ですが、従来の品種との大きな違いは、バラの最盛期の5月以降も次々に花が上がり、秋まで咲き続ける点。また、これまでのジギタリスは、1本の花茎が開花してから、次の花茎が伸びて開花するまでに時間がかかりましたが、‘パンサー’は最初の花が咲く頃には次の花茎が数本〜十数本上がってくるので、1株で豪華な花姿に。タネがつかない性質のため、1輪の見頃が長いのも特徴で、切り花としても楽しめそう。暑さや病気に強く、宿根して年を追うごとに株が大きくなり、たくさんの花を咲かせます。草丈は従来より低くコンパクトなので、小さな庭やベランダガーデンでも重宝します。半日陰でもよく育ちます。 【育て方のコツ】 咲き終わった花を花茎ごとカットします。次の側枝の成長を促進し、より多くの花が楽しめます。 驚異的な花数と花もちに優れ長期間楽しめる 宿根ガーベラ ‘ガルビネア スイート’ ●草丈/30〜40cm 宿根草 ガーベラといえば、フラワーアレンジメントなどでなじみ深いカラフルな花ですが、これまで庭植えや鉢植えでは、うどんこ病・ハダニなどの病害虫や耐寒性があまり強くないため、観賞期間は限られていました。しかし、宿根ガーベラ‘ガルビネア’はそうした課題をクリア。マイナス5℃程度まで耐える耐寒性を有し、地域によって冬越しすることもできます。花は春〜冬まで咲き続け、関東以西の平地暖地では1〜3月以外は次々に花をつけます。さらに、1株で10本以上の花を同時に開花させることもあり、1本の花もちも3〜4週間と長いため、切り花としても重宝します。おすすめの「スイート」シリーズなど、ガーデナーの創造性を刺激する幅広い色展開も魅力。 【育て方のコツ】 次々に花茎が伸びるのを促進するために、咲き終わった花は株元からハサミで切り取ります。生育旺盛で葉もどんどん茂ってくるので、古い葉も株元から切り取り、花芽ができる株中心に光が当たるようにすると花つきがいっそうよくなります。11月以降、冬の期間は株が弱ることがあるので、花も葉も切り取りはいったんストップします。冬は低温で葉が紅葉するので、春先になったらそれらを取り除きます。非常に生育旺盛なので、鉢植えの場合、春に植え替えをして 根詰まりを起こさないよう1、2サイズ大きい器に植え替えましょう。 ●以上2品種 タキイ種苗 https://www.takii.co.jp よく咲く夏花をもっとよく咲かせるためのコツ 植物にとって花を咲かせるというのは、体力を使う活動です。ここまでご紹介してきた花たちは暑さに強く、よく咲き続ける性質ですが、人でいえば、咲いている間はずっとフルマラソン状態。ときどき、栄養補給をしてあげましょう。 特に土の容量が限られている鉢植えは、土の栄養がなくなってくるので、定期的に肥料を施すとよいでしょう。肥料は土の表面に置くタイプの「置き肥」と、水やりの際に水に希釈して与える「液肥」があります。置き肥は少しずつ溶け出して長く効くので1カ月に1回程度、液肥は10日〜2週間に1回程度です。どちらか一方でも構いませんし、併用すればよりパフォーマンスは上がります。液肥は植え付け後、2週間くらい経ってから使い始めます。 ペチュニアの悩みを解決! 切り戻しなしでも美しく咲く最新品種 ペチュニアを育てたことのある方のなかには、生育するにつれ、伸びた茎の先にしか花が咲かなくなり、株の真ん中が寂しくなってしまうという経験をされた方も多いのではないでしょうか。 それを回避するための作業が、切り戻し。梅雨入り前に株元15cmくらいを残して茎をバッサリ切ります。ただ、切り戻してから次の花が咲くまでには約1カ月かかります。ですから、その間は葉っぱだけになってしまいます。1カ月も葉っぱだけを見るのは寂しいですよね。でも大丈夫! 各種メーカーが開発している最新品種には、切り戻さなくても株の中心からどんどん花が上がってこんもりきれいに咲いてくれるものが登場しています。 ‘ラブリーアイ’ 耐暑性、耐雨性に優れ、夏の強い日差しの下でも褪色せず、淡く美しい花色を保ちます。花数がとても多く立体的にふんわり茂り、株の中心部もよく咲き続けます。地植えでは1株で1㎡ほどに広がります。鉢植えでも写真の通り、1株でこんなにふんわり!/タキイ種苗 ‘サフィニア JAPANレッド’ 中心部がさらに濃い色になる真紅の花がシックな雰囲気。夏の日差しに当たっても褪色せず、深みのある色を保って一際目を引きます。ジャパンフラワーセレクションの試験栽培で、切り戻しをしたものと、してないものを比較したところ、切り戻しなしでもふんわりと美しい株姿を保ちました。花壇植えにも鉢栽培にも向いています。/サントリーフラワーズ 寄せ植え制作/安酸友昭(ラブリーガーデン)、面谷ひとみ
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一年草

ビタミンカラーが鮮やか! いろいろ楽しめるマリーゴールドを育てよう
マリーゴールドの基本情報 Hatthakon/Shutterstock.com マリーゴールドは、キク科マンジュギク属(タゲテス属)の一年草です。原産地はメキシコ、中央アメリカなどで、暑さに強く寒さに弱い性質をもっています。ライフサイクルの短い一年草で、春に種を播くと5月頃から開花し始め、晩秋まで長く咲き続けますが、寒さは乗り越えられずに枯死します。 マリーゴールドの草丈は20〜100cm。ずいぶんと幅がありますが、これは種類によってコンパクトにまとまるものもあれば、支柱が必要なくらいに丈が伸びるものもあるためです。花壇に取り入れる場合は、他の草花と調和させるためにも購入前にラベルなどに書かれている草丈を確認しておくとよいでしょう。花色は黄、オレンジ、赤、白、複色など。種類によって一重咲き、八重咲き、カーネーション咲き、クラウン咲きなどの花姿が揃います。 マリーゴールドの種類 マリーゴールドにはいくつかの種類の系統があるので、それぞれについてご紹介します。 フレンチマリーゴールド HiroHero/Shutterstock.com メキシコ原産のパツラ種、またそれをもとに品種改良された品種群です。花が小さく、草丈もコンパクトにまとまり、最もポピュラーに出回っています。フランスの庭園に植えられ、そこから広まっていったために、フレンチマリーゴールドと呼ばれるようになりました。 アフリカンマリーゴールド Visharo/Shutterstock.com メキシコ原産のエレクタ種、またそれをもとに品種改良された品種群です。花は比較的大きめで、八重咲きが人気。草丈もやや高くなります。ヨーロッパに持ち込まれた後、イギリスからアフリカに渡って植栽されるようになったことから、アフリカンマリーゴールドと呼ばれるようになりました。 メキシカンマリーゴールド mizy/Shutterstock.com メキシコ原産のテヌイフォリア種、またそれをもとに品種改良された品種群です。草丈は20cm前後と小ぶりで、細い葉をもつため華奢な印象。花も小さく一重咲きで、楚々とした風情が魅力です。 マリーゴールドを上手に育てるためのポイント ここまで、マリーゴールドの基本情報や種類についてご紹介してきました。ここからはガーデニングの実践編として、適した栽培環境や種まき、植え付け、水やりや施肥、日頃の管理など、育て方について詳しく解説します。 マリーゴールドに適した栽培環境 Grigoriy Pil/Shutterstock.com マリーゴールドは、日当たりがよく、風通しのよい場所を好みます。日当たりが悪い場所では、花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロとか弱い茎葉が茂って草姿が間のびしたりするので注意。水はけ、水もちのよい土壌を好むので、地植えする場合は植え付け前に有機質資材を投入してよく耕し、ふかふかの土づくりをしておくとよいでしょう。 マリーゴールドに適した土づくり blueeyes/Shutterstock.com 【地植え】 種まき、または苗を植え付ける1〜2週間前に、腐葉土や堆肥などの有機質資材と緩効性化成肥料を投入し、よく耕してふかふかの土をつくっておきます。このように事前に土づくりをしておくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。 マリーゴールドは種まきから簡単に育てられる! giedre vaitekune/Shutterstock.com マリーゴールドは、ビギナーでも種まきから簡単に育てられますよ! 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くて多数の苗を植えたい場合は、コストカットにもなります。 ただし、マリーゴールドの苗は晩春から花苗店に出回り始めます。手軽にスタートしたいなら、苗の植え付けからがおすすめです。「1〜2株あれば十分だから、苗の植え付けから始めたい」という方は、次項の「マリーゴールドを植え付けるときに気をつけるポイント」に進んでください。 マリーゴールドの種まきの適期は4〜5月で、発芽適温は20〜25℃です。種まきから栽培する場合、花壇などに直まきすると、幼苗のうちに病気や虫の害にあいやすく、天候不順にも左右されやすいので、種まき用のトレイを利用すると、より確実です。 種まき用のトレイを準備し、市販の草花用の培養土を入れて種子を播きます。5mm厚くらいに土をかぶせ、軽く手で押さえて鎮圧しておきましょう。最後に、種子が流れ出さないように、はす口をつけたジョウロで高い位置からやわらかい水流で水やりしてください。発芽までは乾燥させないように水の管理をしましょう。5〜6日ほど経つと発芽し、双葉が揃います。 発芽したら日の当たる場所で管理し、数本込み合っている部分などがあれば抜き取って間引きましょう。もったいないからといって密になっている部分をそのままにしておくと、ヒョロヒョロと間のびした徒長苗になってしまうので、注意。 本葉が2〜4枚ついたら、トレイから抜いて鉢上げします。黒ポットに草花用の培養土を入れて、苗を周りの土ごと抜き取って植え付けましょう。日当たりのよい場所に置き、表土が乾いたら水やりして育成します。多湿になると根の張りが悪くなり、ヒョロヒョロと頼りなく伸びる徒長苗になったり、病気が発生したりするので、注意。適切な水分管理をすることがポイントです。ポットに根が少し回るくらいまでを目安に育苗します。 マリーゴールドを植え付けるときに気をつけるポイント OlegDoroshin/Shutterstock.com マリーゴールドの植え付け適期は5〜6月です。花苗店で苗を購入する際は、節間が短く茎ががっしりと締まって丈夫なものを選びましょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に苗よりも一回り大きな穴を掘り、根鉢をややくずして植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、フレンチ種は20〜25cm、アフリカン種は30〜35cmの間隔を取りましょう。草丈が高くなる高性種の場合は、支柱を立てて麻ひもかビニールタイで誘引してください。最後に、たっぷりと水やりします。 【鉢植え】 鉢の大きさは、6〜7号鉢を準備します。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。マリーゴールドの苗を鉢に仮置きし、高さを決めます。苗をポットから出し、根鉢をややくずして植え付けましょう。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。草丈が高くなる高性種の場合は、支柱を立てて麻ひもかビニールタイで誘引しておきます。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 マリーゴールドの水やり cam3957/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏に水やりする場合は、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、株が弱ってしまいます。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。マリーゴールドは乾燥すると下葉から枯れ上がってくることがあるので、水切れに注意してください。ただし、いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 マリーゴールドに肥料を与える際のポイント sasimoto/Shutterstock.com 【地植え】 植え付け時に元肥として緩効性肥料を施しておきます。強健な性質なので、その後は特に不要ですが、株に勢いがないようであれば、液肥を与えて様子を見てください。チッ素成分の多い肥料を与えると茎葉ばかりが茂って花数が少なくなるので注意します。 【鉢植え】 植え付け時に元肥として緩効性肥料を施しておきます。鉢植えの場合は水やりとともに肥料成分が流亡しやすいので、開花期に10日に1度くらいを目安に液体肥料を与え、株の勢いを保ちましょう。 マリーゴールドの管理で大切な花がら摘みと切り戻し Pixel-Shot/Shutterstock.com 【花がら摘み】 マリーゴールドは次々に花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 【切り戻し】 旺盛に生育し、一通り咲いて草姿が乱れてきたら、草丈の半分くらいまでを目安に全体を刈り込む「切り戻し」をするとよいでしょう。すると株が盛り返して勢いよく生育し、再びたっぷりと咲く花姿を楽しめます。 マリーゴールドを育てるうえで気をつけておきたい病気と害虫 muroPhotographer/Shutterstock.com 【病気】 マリーゴールドの栽培で気をつけたい病気は、灰色かび病です。 灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほどの多湿の環境下で発生しやすい病気です。ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合っていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。 【害虫】 マリーゴールドの栽培で気をつけたい害虫は、アブラムシ、ハダニなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要です。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のようなものが発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけて予防するとよいでしょう。 マリーゴールドの増やし方 Vladyslav Lehir/Shutterstock.com マリーゴールドは、種まき、挿し芽で増やすことができます。種まきの方法は、前述の「マリーゴールドは種まきから簡単に育てられる!」の項目を参照してください。 挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し芽ができないものもありますが、マリーゴールドは挿し芽で増やせます。 マリーゴールドの挿し芽は、生育期間ならいつでも可能です。新しく伸びた茎を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した茎(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り取ります。セルトレイを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。根が回ってきたら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 花壇でも鉢やプランターの寄せ植えでも楽しめるマリーゴールド Landscape Nature Photo/Shutterstock.com 丈夫でメンテナンスの手間がかからないマリーゴールドは、初夏から晩秋まで咲き続けるので、ぜひ庭やコンテナの寄せ植えに取り入れたい植物です。花壇に植える場合は、前段〜中段がおすすめ。開花期が長いので頻繁に植え替えたくない場所を選ぶのがおすすめ。スペースが広ければ群植して迫力を出してもいいですね。寄せ植えにする場合は、アフリカン種は主役に、メキシカン種は脇役として活躍。フレンチ種は珍しい品種を選べば、目を引くアクセントになります。 コンパニオンプランツとして畑でも活躍! thoughtsofjoyce/Shutterstock.com マリーゴールドは独特の香りを持っており、害虫のセンチュウを寄せ付けないことで知られています。その効果を生かし、コンパニオンプランツとして菜園などで野菜と一緒に植栽されることもあるほどです。愛らしい花を楽しみつつ、他の植物を害虫から守る目的で取り入れるのもいいですね。 長期間鮮やかな花が楽しめるマリーゴールドを育ててみよう! Irisha_S/Shutterstock.com 真夏の暑さにも負けずに元気に咲き続けるマリーゴールドは、初心者でも育てやすい草花の代表です。センチュウ対策のコンパニオンプランツとしても役立つマリーゴールドを、ぜひ庭やベランダで育ててみてはいかがでしょうか。
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樹木

夏椿ってどんな木? 椿・寒椿・ヒメシャラとの違いや育て方のコツをご紹介
夏椿の特徴 tamu1500/Shutterstock.com 夏椿は、ツバキ科ナツツバキ属の花木です。原産地は日本の本州から九州にかけて。自然樹高は10mにも達する高木ですが、剪定によって樹高をコントロールすることができます。 開花期は6月頃で、ツバキに似た花径5〜6cmの5弁花を咲かせます。透け感のある白い花は清楚なイメージで、シンボルツリーとしても人気の花木です。花は短命な一日花で、花首から自然に落ち、花がらが木にいつまでも残らないため、綺麗な姿を保ちやすいのも魅力です。 夏椿は落葉性のため晩秋から落葉し始め、11〜2月は休眠期。越年して休眠からさめた後、春の芽吹き始めの新緑は美しく、初夏の開花は華やぎを、夏は涼しい緑陰をもたらします。秋になると紅葉して季節の移ろいを教えてくれる、庭に取り入れるのにおすすめの花木です。 夏椿の花名の由来 High Mountain/Shutterstock.com 夏椿という名は、椿に似た花が初夏に咲くことから付けられました。また、「沙羅木(シャラノキ)」という別名を持っており、これは仏教の聖木とされる「沙羅双樹」にちなんだもの。しかしながら、実際の沙羅双樹はフタバガキ科サラノキ属の熱帯性常緑高木で、夏椿とは別種です。沙羅双樹は日本の寒さには耐えられないため、代用として寺社などに夏椿が「沙羅の木」として植えられるようになったという説があります。 椿・寒椿・ヒメシャラとの違い 夏椿に似た花木に、椿、寒椿、ヒメシャラがあります。ここでは見分け方のポイントについてご紹介していきます。 椿 Johnwoodkim/Shutterstock.com ツバキ科ツバキ属の常緑性花木で、樹高は5〜10m。開花期は11〜12月、2〜4月で、花色は赤、ピンク、白、複色があります。夏椿に比べてつやつやとした肉厚な葉をもつ、常緑樹です。原産地は日本、台湾、朝鮮半島、中国。昔から親しまれてきた庭木で、放任してもよく育ちます。 寒椿 zzz555zzz/Shutterstock.com ツバキ科ツバキ属の常緑性花木で、ツバキとサザンカの交雑種とされています。花色は赤、ピンク、白など。寒椿の開花期は11〜2月で、雪の降る季節に花を開くことからこの名前がつきました。夏に咲く夏椿とは対照的に、一番寒い季節に庭に彩りをもたらしてくれます。 ヒメシャラ tamu1500/Shutterstock.com 夏椿の仲間で、関東以西の本州、四国、九州の太平洋側に自生しています。夏椿よりも寒さに弱く、開花は6〜7月で、花色は白。花径は2cm程度で夏椿よりも小さく、葉も小ぶりなのが見分けるポイントです。 夏椿の育て方 ここまで、夏椿の基本情報や特徴、名前の由来などについてご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、夏椿の育て方について、詳しく解説していきます。 苗を植える時期と植え付ける場所 tamu1500/Shutterstock.com 夏椿の植え付け適期は、12〜2月です。落葉して休眠している期間が望ましいのですが、この時期以外にも花苗店やホームセンターなどでは苗を販売していることがあります。入手したらすぐに植え付けてください。 夏椿の栽培に適した環境は、日当たり、風通しのよい場所です。半日陰の環境でも十分育ちますが、暗すぎる場所では花つきが悪くなるので注意。西日が当たる場所では、夏の強い日差しによって葉が傷みやすくなるので、避けたほうが無難です。また、適度に水はけ、水もちのよい土壌を好み、乾燥に弱い性質をもっています。やや寒さに弱く、関東以西では地植えでも育ちますが、寒冷地などでは鉢栽培で楽しむほうがよいでしょう。 土づくり wavebreakmedia/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、直径、深さともに50cm程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。土づくりの後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の樹木用の培養土を利用すると手軽です。自身でブレンドする場合は、赤玉土小粒7、腐葉土3の割合で配合するのがおすすめです。 植え付け方法 AlenKadr/Shutterstock.com 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、根鉢をくずさずに植え付けましょう。最後にたっぷりと水を与えます。 地植えで育てる場合は、環境に合えば植え替える必要はありません。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、入手した苗よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。夏椿の苗をポットから取り出し、鉢の中に仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、2〜3年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 水やりの仕方 topseller/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏に水やりする場合は、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、株が弱ってしまいます。 また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、夏椿は乾燥を嫌うので、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。夏椿は乾燥を嫌うので、水切れに注意してください。ただし、いつもジメジした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、休眠している冬でもカラカラに乾燥させることのないように、適宜水やりを続けてください。 肥料の施し方 vladdon/Shutterstock.com 【地植え】 地植えで育てている場合、順調に生育していれば追肥はほぼ不要です。しかし、木の生育に勢いがないようであれば緩効性肥料を樹木の周囲にまき、クワなどで軽く耕して土に馴染ませて様子を見守ってください。 【鉢植え】 生育期に入る少し前の2〜3月に、生育を促すために緩効性肥料を株の周囲にまき、周囲の土を軽く耕して土に馴染ませましょう。また花が咲き終わった6月頃、開花のためにエネルギーを消耗した株の体力回復を目的に、お礼肥として同様に緩効性肥料を施します。 乾燥を防ぐためにはマルチング Anton Starikov/Shutterstock.com 夏椿は乾燥を嫌うので、真夏など日照りによって乾燥しやすい時期は、腐葉土または敷きワラ、バークチップなどを表土にまいてマルチングをしておきましょう。夏場は水切れしやすく、葉が傷む原因になるので、水の管理に注意してください。 剪定方法 mihalec/Shutterstock.com 夏椿の剪定適期は、落葉して休眠している12〜2月です。自然樹高は10mに達しますが、家庭で栽培するなら管理をしやすくするためにも5m以内にとどめ、剪定によって樹高をコントロールしましょう。夏椿は成長スピードがやや遅いほうです。もともと枝数が少なく、繊細な枝ぶりが美点といえるので、強い切り戻しをせずに自然に整う樹形を楽しむ剪定を心がけます。 まず樹高の半分から下の位置で幹から出ている下枝は、すべて根元から切り取ります。次に、幹の内側に向かって伸びる枝を切り、さらに込み合っている部分があれば、不要な枝を根元から切って風通しをよくしましょう。枝はどこで切ってもいいわけではなく、必ず枝の分岐点で切り取ってください。剪定した部分から雑菌が入って病気を誘発したり、木の水分を失ったりするのを防ぐために、切り口には癒合剤を塗っておきましょう。癒合剤は園芸店などで手に入ります。 増やし方 Mila Naumova/Shutterstock.com 夏椿は、挿し木、種まきで増やすことができます。 【挿し木】 挿し木とは、枝を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し木ができないものもありますが、夏椿は挿し木で増やすことができます。 夏椿の挿し木の適期は、6〜7月頃です。その年に伸びた新しい枝を10cmほどの長さで切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて管理します。その後は日当たりのよい場所に置いて育苗し、大きく育ったら植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 【種まき】 夏椿は秋に実が熟して種子が取れるので、その種子をそのまま播きます。成長は遅く、発芽は1〜2年後になるので温かく見守ってください。種まきは庭へ直に播いても、黒ポットに培養土を入れて育苗しても、どちらでもかまいません。種を播いたら3cmほど覆土し、腐葉土などで表土を覆っておきます。黒ポットで育苗する場合は、苗の大きさに合わせて鉢上げしていき、目標の樹高に育ったら植えたい場所に定植するとよいでしょう。 病気や害虫 traction/Shutterstock.com 【病気】 夏椿を育てる際に発生しやすい病気は、さび病、灰色かび病などです。 さび病は、カビによる伝染性の病気です。葉にくすんだオレンジ色で楕円形の斑点が現れます。この斑点は、やや細長くイボ状に突起するのが特徴で、症状が進むと破れ、中から粉のように細かい胞子を飛ばします。発症すると株が弱り、枯死することもあるので注意。発病した葉は見つけ次第切り取って処分し、適用する薬剤を散布して防除します。 灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほどの多湿の環境下で発生しやすい病気です。ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合っていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。 【害虫】 夏椿を育てる際に発生しやすい害虫は、チャドクガ、カミキリムシなどです。 チャドクガは蛾の幼虫で、いも虫のような姿で多数の細かい毛に覆われています。体長は20〜30mmで、ツバキ科の植物によく発生します。葉裏などに幼虫が大発生することがあり、見た目もよくないので、見つけ次第駆除しましょう。このチャドクガは毒をもっており、毛に触れるとかぶれて皮膚炎を起こすので、駆除の際には注意が必要です。毛が皮膚につかないように長袖、長ズボン、手袋を着用して作業し、枝ごと切ってビニール袋に入れて処分してください。 カミキリムシは、主に夏から秋に発生しやすくなります。カミキリムシの幼虫が幹に穴をあけて中に侵入し、木質部を旺盛に食い荒らすので注意。被害が進むと木が弱るうえ、中が空洞化して枯れてしまうこともあります。成虫が飛来して卵を産み付けるので、成虫や卵は見つけ次第捕殺しましょう。また、木の株元などにおがくず状のフンを見つけたら、木の内部で活動していると推測できます。おがくずが出ている穴に細長い針金状のノズルを差し込むタイプの薬剤を散布して駆除してください。 白く清楚な花を咲かせる夏椿はシンボルツリーとしても人気 High Mountain/Shutterstock.com 椿に似た白い花を咲かせる夏椿は、昔から日本に自生してきた花木のため環境に馴染みやすく、放任しても毎年よく花を咲かせてくれます。また、新緑、開花、紅葉と季節が巡るごとに表情を変え、四季の移ろいを鮮やかに感じさせてくれます。シンボルツリーとして人気の高い夏椿を、ぜひ庭に迎えてみませんか?
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ペチュニアの切り戻し問題を一挙解決!ふわもこ&ゆるふわカワイイ! ペチュニア「ホイップマカロン」
ペチュニア「ホイップマカロン」の愛される理由 ペチュニア「ホイップマカロン」は花弁の枚数が多く、しっかりした八重咲きのペチュニアです。ボリュームたっぷりで存在感がありながら、ふわっと優しいイメージ。花径は4〜5cmなので、他の花と合わせるのにもちょうどいいサイズ感です。そして、従来のペチュニアの特徴の一つに花弁が反り返る花形がありますが、ホイップマカロンは花弁が反りにくく、丸く整った花形なのも、寄せ植えなどでよく使っていただける理由かもしれません。ペチュニアというと夏の花のイメージだと思いますが、「ホイップマカロン」はペチュニアのなかでは耐寒性があり、春先早くから咲き出し、秋まで咲き続けてくれるので、上手に育てれば約半年間楽しんでいただけます。 ペチュニア「ホイップマカロン」の育て方のコツは夏の管理と水やり 「ホイップマカロン」は耐寒性がある反面、耐暑性はやや劣ります。ですので、真夏は半日陰の風通しのよい屋外で育て、雨に気をつけてください。最近は梅雨時からゲリラ豪雨のような強い雨が降りますが、八重咲きのペチュニアは、強い雨に打たれたり長雨で濡れ続けると、花は傷み、つぼみも開かなくなってしまいます。基本的には地植えより鉢植え向きで、屋根のある玄関ポーチや軒先などが置き場所に適しています。 ペチュニア「ホイップマカロン」には性質の異なる2シリーズがあります 「ホイップマカロン」には2つのシリーズがあります。一つはポップな色合いのノーマルカラー。そしてもう一つが繊細な色合いのプレミアムカラーです。色合いの違いだけでなく、両者は少し性質が異なり、ノーマルカラーは丈夫でビギナーの方にも育てやすい花だと思います。 一方、プレミアムカラーは、その花色と同様、性質も少し繊細で、根が細く、水分を吸い上げるスピードがゆっくりです。水やりをする際は、基本的に鉢底から水が流れ出るようにたっぷり与えますが、重要なのは次に与えるタイミングです。いったん、土がしっかり乾くまで待ってから水をあげてください。土中が乾いたかどうかは、割り箸や木製のマドラーなどを土にさして判断します。湿った土がついてくるようだったら、まだ水やりのタイミングではありません。土が乾くスピードは季節や鉢の大きさ、置き場所、お住まいの地域によって変わるので、よく見てあげることが必要です。水をやりすぎると、カビが生えたりするだけでなく、根が腐ってつぼみも開かなくなってしまいます。 プレミアムカラーは切り戻しなしでもふわふわもこもこ 株姿もプレミアム! そんなわけで、プレミアムカラーは育てるのがやや難しいと感じられるかもしれませんが、その反面、花と花の間が詰まっていて株姿がきれいに育つのも魅力です。ペチュニアを育てたことのある方の中には、生育するにつれ、伸びた茎の先にしか花が咲かなくなり、株の真ん中が寂しくなってしまうという経験をされた方も多いのではないでしょうか。それを回避するための切り戻しをしますが、切り戻しのタイミングも難しいという声もよく聞かれます。その点、プレミアムカラーは生育が進んでも株の真ん中から次々に花が上がってきて、切り戻さなくても自然にこんもり花が株全体を覆うように咲いてくれます。ですから、置き場所と水のやりすぎにさえ気をつければ、むしろ育てやすいかもしれません。 かわいく咲き続ける「ホイップマカロン」を液肥や活力剤で応援 ペチュニア「ホイップマカロン」は、長ければ4〜10月まで半年近く花を咲かせます。多くの場合は鉢栽培で限られた土の中で生育させることになるので、土には定期的に栄養分を補給してあげる必要があります。私は以下の3つの商品を使っています。 1.サカタGB液(有機液肥)/1,000倍に薄めて植え付け時に与えると根の活着が早くなります。曇天や高温など、ストレス環境に強くなります。 2.メネデール(活力剤)/微量要素の鉄をイオンの形で含む水溶液で、養分や水分の吸収を高めたり、光合成を活発にする働きがあります。 3.リキダス(活力液)/いろいろな成分が入っていますが、私が注目する成分は、コリン、フルボ酸、アミノ酸、カルシウム。カルシウムが足りないと葉っぱの先が枯れたりしますが、カルシウム不足が解消されるとすぐなおります。 ペチュニアの花がら摘みとベタベタの理由 ペチュニアの手入れの一つに、花がら摘みがあります。枯れた花をそのままにせず摘み取ることを花がら摘みといいますが、それには美観上の理由もありますし、病気を防ぐためでもあります。花がらを摘み取るとき、茎や葉に触れると指先がベタベタしてくるのですが、このベタベタはペチュニア特有の性質です。ペチュニアの原産地、南米にはハキリアリというアリがいるのですが、そのアリに葉を切り取られないようにペチュニアが出している粘液がベタベタの理由。つまり、ベタベタはペチュニア自身が害虫から身を守るために獲得した性質です。洗えばすぐに落ちますが、もし気になるようなら使い捨ての薄手のビニール手袋をするといいですよ。 「ホイップマカロン」進化系にも注目! 本当にありがたいことに、2016年に「ホイップマカロン」がデビューしてから、もう6年が経ちましたが、年々需要が伸びています。プレミアムカラーは節間が伸びにくいので、寄せ植えに入れても形が崩れにくく、多くの方が「ホイップマカロン」を使った寄せ植えをSNSにあげてくださいます。「ホイップマカロン」を通じてユーザーさん同士の繋がりができているのを見たりすると、とてもうれしいですね。また、「ペチュニアは苦手意識がありましたが、ホイップマカロンでペチュニアに対する考えが変わりました」と言ってくださる方もいて、育種者としてこんなにうれしいことはありません。 ただ、大事にするあまり過保護になったり、絶対枯らしたくないと言われる方もいて、私としてはもっと気軽に楽しんでいただければと思っています。例えば、来客の予定があるときに玄関に鉢を置いて、切り花のように1週間か2週間楽しめればOK! ぐらいの気軽さで楽しむのはどうでしょうか。 じつは今、そんなブーケみたいに咲く新しい八重咲きのシリーズを育種中なんです。1株でブーケのように大きくなって、初心者でも簡単に育てられる! そんな花を目指して奮闘中ですので、ぜひ楽しみに待っていてください。ペチュニアに限らず、一年を通して花日和の品種を流通させられるよう、これからさまざまな花の種類の育種にも取り組んでいくつもりです。魅力的な花には、人と人をつなぐような不思議な力があると、花農家になって実感しています。そんな花を、これから一つでも多く生み出せればいいなと思っています。 Information 取材協力/花日和・川上竜一さん https://hanabiyori-saitama.shopinfo.jp 花日和インスタグラム ホイップマカロンシリーズ 取り扱い Junk Sweet Garden tef*tef* https://shop.teftef.biz その他インスタで取扱店を紹介しています Junk Sweet Garden tef*tef*インスタグラム Credit 取材・まとめ/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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一年草

葉っぱまでおいしいセロリ! 栽培のコツや失敗しないポイントを大公開
セロリとは? セロリは、セリ科オランダミツバ属の一年草で、葉や茎を利用する葉菜類に分類される野菜です。原産地はヨーロッパ〜地中海沿岸で、冷涼な気候と適度に湿り気のある土壌を好み、真夏の暑さはやや苦手です。別名はセルリー。和名はオランダミツバで、オランダから日本に持ち込まれ、独特の香りを持つためにこの名前がつきました。セロリの香りは肉や魚などの臭みを消し、食欲を増進させる効果があるとされています。主に茎や葉をサラダとして利用しますが、スープの香りづけや、漬物、炒めもの、天ぷらなど、さまざまに利用できます。 セロリの特徴 セロリは、地際から茎葉を多数立ち上げて生育します。食用するのは、第一節の長さが20㎝以上になった茎葉です。主に緑色のセロリと白のセロリがありますが、種類が違うわけではありません。白いセロリは「軟白」といって、太陽が当たらないように遮光して人工的に白く仕上げています。長ネギやウドと同じですね。 セロリはトウ立ちすると茎や葉が硬くなって食用できなくなりますが、そのまま見守っていると白い花が咲きます。派手さはありませんが、レースフラワーのような楚々とした愛らしさがあるので、花を楽しむのもいいですね。来年に向けて種を採取してもよいでしょう。 セロリの花言葉 セロリの花言葉には、「真実の愛」「会える幸せ」などがあります。 セロリの育て方 ここまで、セロリの基礎知識についてご紹介してきました。では、ここからは家庭菜園の実践編として、詳しい育て方について掘り下げていきます。菜園・プランター栽培、両方の育て方について解説していきますよ! 栽培時期 家庭菜園でセロリを育てる際には、関東以西の暖地を基準にすると、5月中旬〜6月に種を播き、7月中旬〜8月中旬に苗を植え付けます(苗の植え付けからスタートしてもOK)。順調に生育すれば、10月中旬〜11月に収穫できます。成長に応じて、順次かき取りながら収穫してもよいでしょう。 栽培環境 日当たり、風通しのよい場所を好みます。冷涼な気候と適度な湿り気を好むので、夏場で乾燥が続く場合は、水やりをまめに行うとよいでしょう。 セロリの適した土壌酸度はpH5.5〜6.5です。必要であれば植え付けの2〜3週間以上前に苦土石灰を散布して土壌改良をしておくとよいでしょう。肥沃で水はけ、水もちのよいふかふかとした土壌を好みます。 種まき・育苗 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなりますね。セロリの苗は花苗店やホームセンターなどで入手できます。手軽にスタートしたいなら、苗の植え付けからがおすすめです。「2〜3株あれば十分だから、苗の植え付けから始めたい」という方は、次項に進んでください。 セロリの種まき適期は、5月中旬〜6月で、発芽適温は15〜20℃です。 種まきから栽培する場合、花壇などに直まきすると、幼苗のうちに病気や虫の害にあいやすく、天候不順に左右されやすいので、種まき用のトレイを利用すると、より確実です。 種まき用のトレイに市販の野菜用の培養土を入れて水で湿らせ、5〜8cmくらいの間隔を取って2列のまき溝を設けます。まき溝にセロリの種を重ならないように播き、好光性の性質のため覆土はごく薄くにしておきましょう。霧吹きで水をかけるか、容器に水を張ってトレイの底から吸水させるなどし、発芽までは乾燥させないように水の管理をしてください。8〜15日ほど経つと発芽し、双葉が揃います。 発芽したら日の当たる場所で管理し、苗が込み合っていれば抜き取って間引きましょう。もったいないからといって密になっている部分をそのままにしておくと、ヒョロヒョロと間のびした徒長苗になってしまうので、ご注意を。間引いた苗はベビーリーフとして利用できます。 本葉が3〜4枚ついたら、トレイから抜いて鉢上げします。黒ポットに野菜用の培養土を入れて、苗を周りの土ごと抜き取って植え付けましょう。日当たりのよい場所に置き、表土が乾いたら水やりして育成します。多湿になると根の張りが悪くなり、ヒョロヒョロと頼りなく伸びる徒長苗になったり、病気が発生したりするので注意。適切な水分管理をすることがポイントです。本葉が7〜9枚つくまでを目安に育苗します。 土づくり 【菜園】 植え付ける場所に畝幅を約60cm取り、園芸用支柱や割りばしなどで畝幅の目印を四隅に立てておきます。畝の長さは、環境や作りたいセロリの量に合わせて決めてかまいません。 植え付けの2〜3週間以上前に、苦土石灰を1㎡当たり約100g散布し、よく耕して土に混ぜ込んでおいてください。さらに植え付けの1〜2週間前に、1㎡当たり堆肥3〜4㎏、有機配合肥料100〜150gを均一にまいて、よく耕しましょう。畝の幅を約60cm取って、高さ10cmほどの畝を作ります。事前に土づくりをしておくことで、分解が進んで土が熟成し、植物の生育がよくなります。 【プランター栽培】 野菜の栽培用にブレンドされた市販の培養土を利用すると便利です。 苗の植え付け 【菜園】 セロリの苗の植え付け適期は、7月中旬〜8月中旬です。 苗は花苗店やホームセンターなどで入手できます。ヒョロヒョロと頼りなく伸びているものや、虫食い跡があるものなどを避け、節間が短くがっしりと締まって勢いのあるものを選びましょう。 1〜2週間前に土づくりしておいた畝が少しくずれていたら、幅約60cm、高さ約10cmになるようにもう一度クワを入れて調整し、表土を平らにしておいてください。畝幅の中央に植え穴を掘り、約30cmの間隔を取って苗を植え付けていきます。最後にたっぷりと水やりをしておきましょう。セロリは湿り気を好むので、株元に乾燥防止のための敷きワラをしておきます。 【プランター栽培】 8〜10号鉢に1株、標準サイズのプランターに2〜3株を目安にします。 底穴に鉢底網を敷き、底が見えなくなるくらいまで鉢底石を入れ、その上に野菜用にブレンドされた培養土を入れます。水やりの際にあふれ出さないように、ウォータースペースを鉢縁から2〜3cm残しておきましょう。苗の根鉢より一回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をくずして苗を植え付けます。最後に底から流れ出すまで、たっぷりと水やりをしましょう。 水やり 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏に水やりする場合は、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、株が弱ってしまいます。 【菜園】 地植えの場合は、下から水が上がってくるので、天候にまかせてもよく育ちますが、雨が降らずに乾燥が続くようなら、適切に水やりをして補いましょう。適度な湿り気を好むので、梅雨明け頃から夏の間は敷きわらをしておくと効果的です。 【プランター栽培】 日頃の水やりを忘れずに管理します。セロリは適度な湿り気を好むので、水切れに注意してください。梅雨明け頃から夏の間は敷きわらをしておくと効果的です。 ただし、いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 わき芽・下葉かき 【菜園・プランター栽培共通】 セロリの株が根付いた後、わき芽が出たらその都度かき取ります。このわき芽は食べられるので、サラダなどに活用できます。また、変色した下葉があれば、これも摘み取っておきましょう。生育旺盛になると、わき芽や下葉が多く出るようになるので、しっかりケアしておきます。 追肥 【菜園】 苗を植え付けた後、1カ月に1度を目安に1㎡当たり約30gの緩効性化成肥料を株の周囲にばら撒きます。その際に株の周囲をクワで軽く耕し、株元に土を寄せておきましょう。 【プランター栽培】 苗を植え付けた後、1カ月に1度を目安に緩効性化成肥料をひとつまみ程度、株の周囲にばらまきます。その際に株の周囲をスコップで軽く耕し、土に馴染ませておきましょう。 軟白 【菜園・プランター栽培共通】 青果店やスーパーで販売されているような、白い茎を収穫したい場合は、ひと手間かけることがポイントです。これは「軟白」といって、遮光資材を利用して太陽の光を当てないようにし、白い茎に仕上げます。 まず、収穫の3週間くらい前から、株の周りに厚紙やボール紙を巻いて、茎に太陽の光が当たらないようにします。すると、葉柄が白く伸びて収穫時期には軟白したセロリを収穫できますよ! この軟白は、してもしなくてもいい作業。軟白すると茎が長く伸びて柔らかめの仕上がりになります。軟白しないと葉が大きく広がってどっしりと仕上がり、香りが強くビタミンなどの栄養素も多くなります。食感の好みで選ぶとよいでしょう。 収穫 【菜園・プランター栽培共通】 茎の第一節の長さが20cm以上になったら収穫します。株ごと抜き取って一気に収穫してもいいですし、外葉から順番にかき取って収穫してもかまいません。かき取り収穫は長く収穫を楽しめますが、適期を逃すとスが入るので、収穫が遅れないようにしましょう。 セロリは主に茎の部分を食べますが、じつは葉のほうに栄養素が多く含まれています。葉もスープの香りづけやかき揚げ、薬味などに利用するとよいでしょう。 注意したい病害虫 【病気】 セロリは冷涼な気候を好むので、25℃以上の環境では病気を発症しやすくなります。特に注意したい病気は、軟腐病です。 軟腐病は細菌性の病気で、高温時に発生しやすくなります。特に梅雨明けから真夏が要注意。 成長点近くの茎、地際の部分が腐って悪臭を放つので、発症したのを見つけたら、周囲に蔓延しないようにただちに抜き取り、周囲の土ごと処分してください。予防としては、連作を避け(同じ科に属する植物を同じ場所に植え続けないようにすること)、水はけをよくしていつもジメジメとした環境にしないこと。また、害虫に食害されて傷ついた部分から病原菌が侵入しやすくなるので、害虫からしっかり守ることもポイントになります。 【害虫】 セロリの栽培で注意したい害虫は、アブラムシ、キアゲハです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついてしまうほどに。植物の茎葉について吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。 キアゲハはアゲハチョウ科の昆虫で、春から秋にかけて発生しやすく、主に幼虫がセリ科の植物を好んで食害します。幼虫がまだ小さいうちは黒地に白斑が入る姿で見つけにくいのですが、大きくなると5〜7cmほどのビッグサイズになって黒と黄緑の横縞にオレンジの斑点が散りばめられた姿を現し、ギョッとしてしまうかもしれません。若芽や葉を好み、大きくなると旺盛に葉に穴をあけて一晩で被害が拡大することもあるので注意。葉の裏表を調べ、葉に穴があいていないかチェックしておきましょう。見つけ次第捕殺します。成虫は花の蜜をエサとするので、近くに花が咲く植物を植えないこともポイントです。 料理の香りづけに活躍するセロリを育ててみよう イタリア料理には欠かせないといわれるセロリ。独特の香りは肉や魚の匂い消しやスープの香りづけによく、食欲増進の効果もあるとされています。セロリは家庭でも栽培できる野菜の一つなので、ぜひ庭やプランターなどで育てて、旬の味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 参考文献/ 『やさしい家庭菜園』 監修者/藤田智、加藤義松 発行/家の光協会 2006年3月1日第1刷 『だれでもわかる病害虫防除対策』監修者/草間祐輔 発行/万来舎 2012年4月5日第1刷
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宿根草・多年草

美しい葉の色と模様が魅力のカラジウム! 育て方のコツを押さえて楽しもう
カラジウムってどんな植物? まずは基本情報と特徴を確認 カラジウム(カラジューム)は、サトイモ科ハイモ属(カラジウム属)の球根植物です。原産地は熱帯アメリカで、7種が分布しているとされています。熱帯植物なので、暑さには強い一方で寒さには大変弱く、15℃以下になると生育が止まり、5℃以下になると球根が腐ってしまいます。「寒さの厳しい日本では到底育たない!」というイメージを持ってしまうかもしれませんが、寒くなる前に地上部を枯らして球根の状態で休眠するため、掘り上げて貯蔵しておき、翌年の春に植え直せばOKです。 カラジウムは主に葉色の美しさを愛でる観葉植物で、種類や品種によって葉の色にバラエティーがあり、コレクションする楽しみもあります。葉色はグリーンに赤やピンク、白などの斑が入り、トロピカルな表情が魅力。品種によっては小型種や大型種があり、草丈は10〜50cmと幅があります。 カラジウムの名前の由来と花言葉 カラジウムの名前は諸説あり、ギリシア語のカラディオン(カップ、杯の意味)から来ているとされています。また、インドでの呼び名となっている「ケラディ」が由来とも。和名は美しい葉を持つイモとして「錦芋(ニシキイモ)」と呼ばれました。 カラジウムの花言葉には、「喜び」「歓喜」「さわやかさ」「分かち合い」などがあります。 気をつけておきたいカラジウムの栽培環境! カラジウムは、暑さに強い一方で、寒さに弱い性質を持っています。酷暑・極寒を経験する厳しい気候の日本では、季節に応じたケアが必要です。ここでは適した栽培環境についてご紹介します。 日光の当て方と夏越しには注意が必要 基本的には、日当たりがよく、風通しのよい場所で管理します。日照不足になると、葉色が冴えなくなるので注意してください。生育適温は25℃以上と夏の暑さには強いので、戸外で管理して差し支えありません。 ただし、種類によっては真夏の強い直射日光に負けて、葉焼けすることがあります。その場合は、午前中のみ日が差す東側や、一日中木漏れ日がチラチラと差す程度の落葉樹の足元などで夏越しするとよいでしょう。鉢栽培の場合は、軒下などの半日陰の場所に移動してください。 寒さに弱いカラジウムは冬越しの環境を整えることも大切 カラジウムは熱帯性の植物のため、冬越し対策が必要です。庭植えにしている場合は、気温が15℃を下回るようになったら、鉢上げして室内に移動するか、球根を掘り上げて貯蔵するかして、冬越しさせます。 【鉢上げして室内で冬越しさせる】 株の大きさに合わせ、5〜10号鉢を用意し、植え替えます。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用培養土を半分くらいまで入れましょう。カラジウムの株を掘り上げ、根鉢を崩さずに鉢に仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。暖房の効いた部屋では乾燥しがちなので、水切れに注意して管理してください。 夜温が15℃以下になる場合は、室内に置いても枯れてしまうことがあるので、次項のように球根を掘り上げるほうがよいでしょう。 【球根を掘り上げる】 気温が15℃を下回り始めると、葉が傷んで枯れ込んできます。葉が倒れ込んできた順に付け根で切り取り、1〜2枚残った頃に球根を掘り上げます。残った葉は全て付け根で切り取っておきましょう。箱にバーミキュライトかおがくずを入れ、その中に球根を埋め込んで室内の暖かい場所で貯蔵します。 カラジウムを上手に育てるコツ ここまで、カラジウムの特徴をまとめた基本情報、把握しておきたい栽培環境などについてご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、植え付けからスタートし、水やりや施肥など日頃の管理、成長に応じたケア、増やし方などについて詳しく解説していきます。 植え付け方法と注意点 球根の植え付け 球根の植え付け適期は、4月頃です。 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、よく耕しておきます。土づくりの後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 土作りをしておいた場所に、地表から3〜5cmの深さに球根を植え付けて覆土します。複数植える場合は、約20cmの間隔を取ってください。最後にたっぷりと水を与えます。 【鉢植え】 5〜6号鉢に2〜3球を目安に球根を植え付けます。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れます。鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にウォータースペースを残し、草花用培養土を入れます。穴を掘って球根を植え付け、2〜3cmほど覆土してください。カラジウムの根は球根の上部から出てくるので、あまり浅植えにならないように注意しましょう。最後に鉢底から流れ出すまで、たっぷりと水やりします。 ポット苗の植え付け ポット苗の植え付け適期は、6月下旬〜8月です。 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、よく耕しておきます。土づくりの後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 土作りをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えます。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、10号前後の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用培養土を半分くらいまで入れましょう。カラジウムの苗をポットから取り出し、根鉢をくずさずに鉢に仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。 カラジウムの水やりで気をつけるポイント 株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏に水やりする場合は、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、株が弱ってしまいます。 また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、晴天が続いて乾燥が続く場合は、水やりをして補いましょう。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。カラジウムは乾燥を嫌うので、水切れしないようにすることが大切です。ただし、いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬に室内で栽培する場合も、カラカラに乾燥させることのないように、適宜水やりを続けてください。 カラジウムを元気に育てるための肥料の与え方 【地植え・鉢植えともに】 生育期の5〜9月は、2カ月に1度を目安に、緩効性化成肥料を株の周りにばらまき、スコップなどで軽く耕して土になじませます。 カラジウムを育てるうえで注意しておきたい病気と害虫 【病気】 カラジウムに発生しやすい病気は、白絹病などです。 白絹病は、真夏に発生しやすい病気です。土壌に生息する病原菌で、植物につくと地際から周辺に白い糸のようなものが発生し、やがて立ち枯れてしまいます。カラジウムに発生が見られたら、蔓延するのを防ぐためただちに株を抜き取り、周囲の土ごと処分してください。鉢やプランターで栽培している場合は、株は抜き取って処分し、土は黒いビニール袋に入れて1カ月ほど直射日光にさらし、熱消毒するとよいでしょう。 【害虫】 カラジウムに発生しやすい害虫は、ハダニ、イモムシなどです。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要です。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期に葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけて予防するとよいでしょう。 イモムシは、チョウやガの幼虫で、葉について食害します。放置するとどんどん葉に穴をあけていって見苦しくなるので、見つけ次第捕殺して処分しましょう。虫が苦手な場合は、土中に混ぜ込んでおく粒剤タイプの薬剤を使用するのも一案です。 カラジウムの芽かきと花芽かき 【芽かき】 カラジウムが越年して生育期を迎え、新芽が出始めた時に行う作業です。新芽の数が1〜2本しかない場合は、大きいほうの芽を切り取ってください。すると、後から複数の芽が出てきて、株が充実します。 【花芽かき】 生育期に入り、新芽が出始めると同時に花芽もつきます。カラジウムの花は観賞価値が低く、また花を咲かせると株が消耗して葉数が少なくなってしまいます。球根の中心部に他の芽よりもふっくらとした芽があれば、早めに切り取っておきましょう。 カラジウムの増やし方! 上手に分球するポイント 最初の植え付けから数年が経ち、球根が大きく育っていたら、分球して増やすことができます。春の植え付け前に、2〜3芽つけて球根を鋭利なナイフで切り分けてください。切り分けた部分には菌が入るのを防ぐために、草木灰をまぶしておきましょう。分球した球根をそれぞれに植え直します。 多彩な葉の色があるカラジウムの品種 古くから愛されているのは、白地に紫の葉脈が浮き出る‘キャンディダム’ですが、グリーンの葉に鮮やかな赤色が中央に広がる‘スカーレットビューティ’、グリーンの葉に白雪をうっすらとかぶったような風情を持つ‘ホワイトクリスマス’、長さが5〜8cmでハート形の葉がたくさん茂る、ガーデン向きの ‘ハート・トゥ・ハート’など、カラジウムの品種は多彩に揃います。 鉢植えや寄せ植え、花壇でも楽しめるカラジウム 観葉植物としての人気が高いカラジウムは、室内の明るい窓辺などに飾って、インテリアにみずみずしい彩りを添えるのにおすすめ。近年は地植え向きの品種も多く出回るようになっており、カラーリーフプランツの一つとして、花壇や寄せ植えの引き立て役としても重宝します。葉の造形が大変美しいので、切り取って一輪挿しに飾るのも素敵です。 育て方のコツを押さえて美しい葉を持つカラジウムを楽しもう! ここまで、カラジウムの特徴や育て方、品種などについて、幅広くご紹介してきました。寒さに弱いイメージがありますが、それほど気難しい植物ではありません。カラフルな葉が美しいカラジウムは、春から秋までと観賞期間が長いのもいいですね。ぜひ、インテリアやガーデンに取り入れてはいかがでしょうか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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一年草

ポピーってかわいい!まるでバレリーナのスカートのように咲くポピー
古くから親しまれている素朴な花、シャーレーポピー シャーレーポピーは、今年初めてチャレンジした花です。特に新しい花ではなく、古くから親しまれている「ヒナゲシ」という和名は、アグネス・チャンの歌でもよく知られていますよね。昨年、初めて苗を見かけて買いましたが、咲いてびっくり。虞美人草(グビジンソウ)という中国の伝説の美女の名前が別名になっている通り、あまりのかわいらしさに、すっかり虜になってしまいました。 バレリーナのスカートにぴったりだと思いませんか? シャーレーポピーは花径が7〜8cm、存在感がありながらも、とても華奢な雰囲気で咲きます。花びらはシフォン生地のようにごく薄く、花を逆さにしたらバレリーナのスカートにぴったりだと思いませんか? 朝日が射すと光を通してシベや花弁の重なりが影絵のように映し出され、なんともメルヘンチック。 シャーレーポピーはもともと一重の赤色の花ですが、交雑しやすいようで、さまざまな花色が出ます。コーラルピンクや白とピンクのバイカラー、朱色、白の八重咲きなど、実際に咲くまで、こんなにいろいろな色があるとは思わなかったので、花が開くたびにびっくり、感動、ため息の連続。大人になって、こんなに毎日胸が躍ることがあるなんて、なんて幸せなんでしょう。こうした自然からのサプライズプレゼントがあるから、庭づくりはやめられません。 シャーレーポピーは一年草で、ちょうどバラと同じ頃に咲きます。うつむいたつぼみは白い毛で覆われており、この白鳥の首のような優雅な姿も可愛いのです。つぼみがだんだん上向きになってくると、もうすぐ開花という合図。咲く前日のつぼみは天を向いています。そして緑のつぼみがパカッと2つに割れて、花が開きます。開いたばかりの花は、真ん中の写真のようにクシュクシュと折り目がついています。あの緑のつぼみの中に、花びらが小さく折り畳まれてしまわれていたのだと思うと、本当に面白いです。数時間後には花びらはピンときれいになり、少しずつ花色も変化していきます。 バラとの共演にもぴったりなシャーレーポピー シャーレーポピーは草丈が70〜80cmくらいで、ちょうどこの庭に植えている木立ち性のバラと草丈が合うのも魅力です。低すぎても花が共演できませんし、高すぎればバラがかげってしまいます。その点、シャーレーポピーはバラよりやや低めくらいで咲いてくれるので、共演にぴったり。彩りとしてしっかり活躍しながらも、茎が細く花の雰囲気も繊細なので、目立ちすぎることもなく、バラとの相性が抜群にいいのも発見でした。 写真の左端に見えるバラは、オールドローズの‘ジャック・カルティエ’。私はこのピンク色の花が大好きなのですが、まるでこの花色に合わせるように、白とピンクのグラデーションのシャーレーポピーが咲いてくれました。ここに真っ赤なポピーが咲いていたら、また違った雰囲気になると思いますが、つぼみが開くまでは何色か分からないのでドキドキします。足元のピンクの花はゲラニウム、ブルーの花はデルフィニウム‘チアブルー’などです。この少量のブルーの小花もバラやほかの花々を引き立てる名バイプレーヤー。これらの花のお話もまた改めてご紹介しますね。 華奢なシャーレーポピーの育て方 シャーレーポピーの苗を園芸店で見つけたのは、冬。米子は冬に大雪が降ることがあるので、しばらく自宅で苗を養生し、春を待って3月に植え付けをしました。ビオラの株間にシャーレーポピーの苗を置いていっているのは、この庭をデザインしてくれたガーデンデザイナーで、私のガーデニングの師匠でもある安酸友昭さん。安酸さんは花の植え替え時に庭に来てくれて、2人で役割分担しながら庭づくりをします。といっても、安酸さんはいつも苗を置く係で、私は植え付ける係です。みなさん、置く係のほうが断然楽だと思いませんか? でも適当にポンポン置いているように見えて、ちゃんと5月の景色を計算しながら配置しているので、これはとても大事な仕事なのだと安酸さんは言います。う〜ん、5月の庭を見れば納得せざるを得ません。 しばらく小さなビニールポットで養生していた苗は、ポットの中で根がグルグル回っています。このまま植えるとなかなか根が広がっていかないので、少し崩して伸びやすくしてから植えます。米子は春に強い風が吹き、植えたばかりの幼苗がクタッとなることがあるので、私はバケツの中に水を張って、そこにドボンと苗をポットごとしばらくつけてから、根を少し解いて植え付けます。その際、メネデールという植物活力液を水に薄めて入れています。根の伸びが促進されて、活着が早いようです。 https://gardenstory.jp/gardening/68481 4〜5月にかけて、細い茎が伸びてきます。この細さがシャーレーポピーの魅力でもあるのですが、風が強いと倒れてしまうこともあるので、この庭では倒れそうな株には支柱を添えています。しばしば公園などでポピーが見事に群生している風景がありますが、群生している場合は株同士が支え合って倒れる心配はありません。でも、この庭ではバラやほかの草花の間に、あまりぎゅうぎゅうにならないように植えているので、この細い茎では立っていられないこともあります。支柱はなるべく竹などの自然素材で、目立たぬように草丈に応じて変えます。以前、どうせ大きくなるのだから初めから高い支柱でいいやと思って立てたら、安酸さんに「これじゃあ、花を見てるんだか、支柱を見てるんだか分からん庭ですね」とダメ出しをされました。以来、あくまで支柱は目立たぬように気をつけています。 来年は種まきからシャーレーポピーに挑戦! 来年はもっといっぱいシャーレーポピーを植えようと思っています。でも安酸さんにその話をしたら、「シャーレーポピーの苗はあまり流通してなくて、そんなにたくさん入ってきませんよ」とのこと。それなら自分で種を播くしかありません。今年最後に咲く花に種をつけさせて、種採りをしてみようかなと思っているところです。こぼれ種でも咲くそうですが、この庭は植え替え時に土を耕してしまうので、どれだけ残ってくれるか分かりません。種まきをして苗を作ったほうが確実です。シャーレーポピーの種まきは9〜10月。みなさんも一緒にチャレンジしてみませんか? そしてどんな花が咲いたか、来年の春、みんなで教え合えたら楽しそうですね。
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ガーデン資材
![おしゃれな蚊取り線香ホルダーや小さな噴水 [夏のガーデングッズ]](https://gardenstory.jp/wp-content/uploads/2022/05/c4ca4238a0b923820dcc509a6f75849b-3.jpg)
おしゃれな蚊取り線香ホルダーや小さな噴水 [夏のガーデングッズ]
おしゃれな蚊やりをお探しの方に、アンティーク風鳥かご蚊やり 気温の高まりとともに、どこからともなく現れる蚊。彼らは気温25〜30℃で活動が活発化します。何も対策をしなければ、庭に出た途端、たちまち刺されてガーデニングどころではなくなってしまうことも。対策として蚊よけスプレーはもちろん効果がありますが、顔などに吹きかけにくいことと、ガーデニングをしているとすぐ汗で流れてしまうので、蚊取り線香も併用するのが万全。 蚊取り線香を入れる蚊取り線香ホルダー(蚊やり)といえば、古くからなぜか豚の形が定番ですが、花咲くガーデンの雰囲気によりマッチするものをお探しの方は少なくありません。そんな方におすすめなのが、「アンティーク風鳥かご蚊やり」。小鳥のモチーフがついた鳥かご風のデザインで、繊細な透かし模様と猫足もエレガント。草花の咲く庭によく馴染み、実用的でありながらオブジェとしても活躍してくれます。先端には輪っかがついているので、庭に出る際に持っていきやすく、庭木に吊しても愛らしい雰囲気になります。 夜の庭を楽しむための3WAYソーラーガーデンライト 夏は、気温が下がる夜にこそ庭を楽しみたいもの。庭に灯りをともせば、昼とはまた違った表情を見せてくれます。「3WAYソーラーガーデンライト」は太陽光で蓄電するので電源の必要がなく、暗さを感知して自動で点灯。点けたり消したりする手間がありません。2個セットなので、玄関アプローチなどにもおすすめです。揺らめくガラスを通して放たれるオレンジ色の光は風情たっぷり。美しい光が家人の帰りをやさしく迎えてくれるでしょう。 クラシカルなデザインは、昼間の庭でもフォーカルポイントになります。脚のポール部分は長さを2段階変えられ、さらに完全に取り外してテーブルや地面に置いたり、吊すこともできるので、土のないベランダガーデンなどでも灯りを楽しめます。 遠目にもかわいいアンティーク調バードケージスティック バードケージ風の鉢植え台「アンティーク調バードケージスティック」は高さが153cmあり、日当たりや風通しが確保しやすいためシェードガーデンにもおすすめ。花木と地植えの草花のちょうど間くらいに花鉢が設置でき、室内から見ても庭のアクセントになります。曲線の美しいアイアンデザインにアンティーク調のブラウンの塗装が施され、庭に馴染んで優雅な印象を与えてくれます。 3点で13,200円のdinos「よりどり3点シリーズ」でお得にゲット! 以上にご紹介した商品はdinosの「よりどり3点シリーズ」。これらを含め、150種以上のガーデングッズから好きなものを3点選んで13,200円のお得なシリーズです。 https://www.dinos.co.jp/c3/011001001/1a2/ 噴水の水音で涼を演出! ソーラーファウンテン バード 小川のせせらぎなど、自然音には人をリラックスさせる効果があることが知られています。日に日に暑さが増す庭に、水音をプラスしてリラックス&涼を演出しませんか。「ソーラーファウンテン バード」は持ち運んで庭のどこでも楽しめる小さな噴水。ソーラーパネルを電源とし、一日中水を循環させて水音を庭に流すことができます。水を飲みにきたような2羽の小鳥のモチーフも愛らしく、夏の庭を優雅に演出してくれます。 ソーラー式なので屋外に電源のない庭でも設置できます。セットのソーラーパネルは、高性能で長時間の稼働が可能。水を循環させるだけでなく、暗さを感知するとLEDライトが点灯し、夜は水音とともに灯りが楽しめます。コードは4.9mあり、ファウンテンとは離して庭の目立たない場所(太陽の当たる場所)に設置しておくこともでき、庭の雰囲気をこわしません。庭に限らず、ベランダやデッキなどにももちろん置くことができます。夏の陽光にきらめく水とせせらぎの音に癒やされてください。 ご紹介した商品はすべてdinosの「ガーデンスタイリング」で購入できます。かわいらしさと機能性を兼ね備えたグッズを取り入れて、夏こそ庭での時間を満喫しましょう。




















