スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 2026年10月5日発売の書籍第3弾『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行/KADOKAWA)予約受付中!
3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 2026年10月5日発売の書籍第3弾『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行/KADOKAWA)予約受付中!
3and gardenの記事
-
イベント・ニュース

大地の再生に奔走する環境再生医を追ったドキュメンタリー映画『杜人』
老木の桜が引き合わせた出会い 『杜人(もりびと)環境再生医 矢野智徳の挑戦』。4月15日よりアップリンク吉祥寺を皮切りに、全国順次公開中。©️Lingkaran Films 映画『杜人(もりびと)環境再生医 矢野智徳の挑戦』は、造園家・矢野智徳(やのとものり)さんの活動を追った長編ドキュメンタリー映画です。矢野さんの仕事は、私たちが想像する、いわゆる庭づくりという意味での造園からは大きくはみ出しています。矢野さんの現場は、東京の個人宅もあれば、南北朝時代から続く寺の墓地もあり、屋久島の浜、地方の農地、学校の校庭、そして日本各地の被災地など多岐にわたります。呼ばれる先には、どこにも弱った木々と傷んだ大地があります。 約3年にわたり矢野さんの仕事を撮り続け、初の長編ドキュメンタリー映画を完成させた前田せつ子監督が矢野さんと出会ったきっかけも、伐採されようとする老木の桜でした。当時、前田さんが市議を務めていた東京都国立市で、街路樹の桜を新しく植え替える伐採計画が浮上。しかし、長い間美しい花を咲かせ、歩道に緑陰をもたらしてくれた老木を慈しむ街の人々から「本当に傷んでいるのか、矢野さんに見てほしい」という声が上がりました。作業着で駆けつけた矢野さんは、一本一本の桜を眺め、触って、揺らして言いました。 「樹高を3分の2くらいに切り詰めて、根元に空気を送り込んでやって、下草、低灌木を生やしてやれば、まだ大丈夫」。「幹に空洞ができるのはからだを軽くしているんですよ。寿命なんて人間が勝手に決めているだけ」。 ©️Lingkaran Films 前田監督は、その時の矢野さんを「淡々と、でも素早く全体と細部を見て回る姿は、往診に来た昔のお医者さまに見えた」と回想します。実際、矢野さんは造園家であると同時に、「環境再生医」でもあります。環境再生医とは、NPO法人「自然環境復元協会」が制定した資格制度で、環境省「環境人材認定事業」登録資格。自身の専門性と知識をもとに、地域住民や行政・教育機関・企業・専門家などと協働し、自然環境保全や再生活動を推進できると認められた人が持つ資格です。前田監督は、矢野さんが全国各地で行っている「大地の再生」講座を、小さなビデオカメラを持って追いかけ始めました。「大地の再生」とは、いったいどういうものなのでしょう。 窒息寸前のガジュマルが息を吹き返す「大地の再生」の現場 映画は、屋久島の浜辺の一本のガジュマルの木からスタートします。ガジュマルは弱ってほとんど葉がなく、力なくようやく岩場に立っています。矢野さんはガジュマルの根元の周りの草をノコ鎌で軽く払い、移植ゴテをところどころ地面に差し込んでいきます。すると根元の周りに停滞していた水が海に向かって流れ始め、次第に波紋を描きながら勢いよく流れていきます。「すごーい」とその作業を見ていた人たちから声が上がり、矢野さんは静かに、しかし確かな口調で言います。 「これだけでガジュマルは息をし始める」 ©️Lingkaran Films その後、胴吹きを始めたガジュマルが映し出されます。「胴吹き」とは、樹木が幹や枝の途中から枝を発生させることです。株の衰弱や強度の剪定などにより、生育期に大量の葉が失われると、樹木は光合成ができなくなり枯れてしまいます。そこで、急遽栄養を得るための応急処置として、幹や枝の途中から大慌てで枝を出すのが胴吹きです。この胴吹きは、まさに窒息寸前のガジュマルが息を吹き返した証です。 「大地の再生」の基本は風と水の通り道を作ること ©️Lingkaran Films 草を払い、小さな移植ゴテで地面に穴を掘る。こともなげに見えるその作業と、それがもたらした結果に驚く間に、ストーリーは展開していきます。鎌が草刈り機になったり、移植ゴテがショベルカーになったり、道具こそ変わりますが、矢野さんの作業は基本的にどこでも同じです。矢野さんの大地の再生方法の基本は、風と水の通り道を作ること。シンプルな方法ですが、見えない空気の流れをコントロールし、見えない土中の水のよどみを突き止めるのは、簡単なことではありません。どれほどの観察と経験を積み重ねれば、目に見えないものが分かるようになるのでしょうか。 矢野さんの作業に共鳴するかのように、草木が息を吹き返し、健やかさを取り戻していく様子は、まるでファンタジーのようにも思えますが、その科学的な理論が、元編集者の監督ならではの構成で、丁寧に解説されます。 「風の草刈り」から見えてくる雑草の機能 ©️Lingkaran Films 例えば、「風の草刈り」。 草刈りをするとき、矢野さんは根こそぎ刈るようなことはしません。じっと野原を観察し、草が風で揺られる部分で切り、1株をすくように草を払います。矢野さんはそれを「風にならって刈る」といいます。草は切られた箇所から枝分かれし、地中でも同様に根が分かれて細根がたくさん発生し、コンパクトな大きさで安定します。この細根は空気の通り道となり、他の植物の根に酸素を届けて成長を促したり、雨水を大地に吸収させて地面を安定させます。ところが地際でばっさり切られると、植物は慌てて茎を伸ばし、地中には太くてまばらな「粗根(あれね)」が伸びます。すると地中は空気や水の通りが悪くなり、大雨が降ると崩れやすくなります。 「雑草と呼ばれる植物たちが、詰まっていく大地をガードしてくれるというふうに見ると、じつは雑草は、貴重な大地の機能を担う担い手だということが見えてくるわけなんですね」 矢野さんは草の一本も、アリ一匹も、大地を守る役目を担っていると話します。では私たち人間は、大地にどのような役目を担っているのでしょうか。 大地の詰まりが引き起こす激甚災害 ©️iDaps 石田伸二 いったいなぜ、大地は詰まっていくのか。映画の後半には、豪雨による被災地が数多く登場します。2018年7月西日本豪雨災害、2019年5月屋久島で記録的豪雨災害、2019年台風19号による東日本各地の水害・土石流災害。土砂崩れや河川の氾濫は自然現象でもあり、これまでにもこの地域で幾度となく繰り返されてきました。しかし、「激甚災害」といわれるほど酷い状況に見舞われるようになったのは、ここ十数年のこと。なぜ、この地域にこれほどの災害が起こったのか。復旧作業の中で現場を観察・体感した矢野さんは言います。 「強い雨によって上流の斜面が削られて土砂崩壊を起こしたのではなく、ダムや砂防堤、溜池の堤、道路やU字溝など人工構造物が水の出口を塞いでしまったことで、雨水が斜面の下に水柱のように溜まっていき、持ち堪えきれなくなって流れ下った」 「大地の再生」の術を伝える映画『杜人』 ©️Lingkaran Films 単に大雨が災害を招いたのではなく、人が作った人工構造物が激甚災害を招くまでに大地を機能不全に至らせた、というのが環境再生医・矢野さんの診断です。とはいえ、ダムも道路も現代生活を支えるインフラとして、人間社会には欠かせません。それらをなくしてしまえば大地は健全に再生し、災害を減らすこともできるでしょうが、そんな極論を口にしていられるほど現実の余裕はないということを、年々酷くなる災害は示しています。 では、どうすればいいのか。極論ではなく、具体的な術が映画「杜人」の中にあります。それこそ前田監督が初の長編映画制作へ挑んだ動機です。「風の剪定」「風の草刈り」「水切り」「水脈溝」「点穴」「空気通し」「木杭と抵抗柵」など、矢野さんが独自にたどり着いた大地の再生方法が、一つひとつ、実際に作業するときの手元や体の動きを丁寧に追って解説されています。 ©️Lingkaran Films 杜とは、「この場所を 傷めず 穢(けが)さず 大事に使わせてください」と人が森の神に誓って紐を張った場だと、矢野さんは言います。その誓いを守り、傷んだ大地の再生を行う矢野さんは、確かに杜人というタイトルにふさわしい人です。しかし大地の再生は、杜人・矢野さんにのみできる神業というわけでは決してありません。彼は映画の中でこう語っています。 「小さな移植ゴテとノコ鎌で身近な表層改善を行い空気や水を通す、そういう作業をやっていただくと、それが流域に及んで、海から山までの血管である大地に再生機能をもたらす」「本当に子どもたちでもできるんです」 映画『杜人』を海外へ。前田せつ子監督の次なる目標 前田せつ子さん。山口県生まれ、国立市在住。ソニーミュージックの出版社で音楽雑誌や映画雑誌の編集に携わった後、フリーランスに。2018年3月アップリンク主催ムービー制作ワークショップを受講。同年5月から『杜人』の撮影開始。現在『杜人』の宣伝活動を精力的に行っている。©️Lingkaran Films 前田監督は、この映画を完成させると、告知と応援団を作るために、クラウドファンディング・MOTION GALLERYに挑戦しました。スタートすると予想を遥かに上回る反響があり、初日に目標額120万円を達成し、最終的に389人の賛同を得て、594万円が集まりました。そこでプロジェクトを拡大させ、英語の字幕をつけたインターナショナル・エディションの制作を新たな目標として、現在仮の英語字幕版を作成中だと話します。 「種子の研究者の方に下訳(翻訳する際に原稿の草案としてつけた大まかな訳のこと)をしてもらい、それを字幕のプロの方にお願いしました。矢野さんの詩的な表現を英語にするのは、本当に難しくて…。かといってアカデミックな言葉にすると伝わらないのでは、と頭を悩ませながら作業をしています」(前田監督) 一方で、フランス語訳を申し出てくれる人も現れ、映画『杜人』が世界へ羽ばたく可能性が広がっています。 次の世代へ繋ぐ「子どもに伝える大地の再生」 「大地の再生」講座の様子。©️Lingkaran Films さらに、前田監督にはもう一つのエディションの構想があります。映画プロジェクトを応援してくれているある造園家からの「子どもにも分かるような映画は難しいでしょうか」という提案がきっかけで、『杜人〜チルドレンズ・エディション(仮)』という目標が生まれました。 「5歳の子どもでも最後まで見られて、小学校の授業時間内でも子どもたちが飽きずに見られるよう本質的なことだけに絞った、30~40分間程度のものを作りたいと思っています」(前田監督) 草木が育つように、枝葉を広げていく映画『杜人』。ただ、子どもたちへ大地の再生を託す前に、私たち大人ができることはたくさんありそうです。まずは映画館や自主上映会の会場へ足を運ぶことから、始めてみてはいかがでしょうか。 『杜人(もりびと)環境再生医 矢野智徳の挑戦』情報 ■2022年/日本/101分■制作・監督・撮影・編集:前田せつ子■出演:矢野智徳(造園家、環境再生医)、玄侑宗久(臨済宗妙心寺派慧日山福聚寺住職、作家)、堀信行(地理学者)、「杜の学校」スタッフ、一般社団法人「大地の再生 結の杜づくり」メンバー、「大地の再生講座」参加者の皆さんほか■上映スケジュール:https://lingkaranfilms.com/?page_id=279 ★東京都国立市で前田せつ子監督と矢野智徳さんのトークショーがあります。 ■2022年11月10日(木)13:00〜 さくらホール 上映後トーク「前田せつ子監督とワールドカフェ」申し込み先/moribito20221110★gmail.com(上記の「★」を「@」記号に置き換えてご入力ください) ■2022年11月12日(土)18:30〜 くにたち市民芸術小ホール「矢野智徳さんと前田せつ子監督」申し込み先/moribito20221112★gmail.com(上記の「★」を「@」記号に置き換えてご入力ください)
-
樹木

白い細かな花が美しいコデマリ! 主な特徴や詳しい育て方を解説
コデマリの主な特徴 ここでは、植物的な分類や特徴、ライフサイクル、似た花との見分け方など、コデマリについてもっと知りたい方に向けて、詳しくガイドしていきます。 基本情報 コデマリはバラ科シモツケ属の落葉性低木です。テマリバナ、スズカケという別名も持っています。原産地は中国東南部。中国から日本に伝わり、江戸時代初期から観賞用として愛されてきた歴史があります。切り花としてインテリアに映えるのも魅力です。 コデマリは暑さや寒さに強くて生命力も旺盛なので、一度庭に植え付ければ周年植えっぱなしでよく、放任してもよく育ちます。そのため、初心者にもおすすめの花木。樹高1〜1.5mの低木で、地際から細い枝を放射状に伸ばす樹形が特徴です。 花の特徴 コデマリの開花期は、4月中旬〜5月中旬。花径1cm以下の白い5弁花で、一つひとつの花は大変小さいのですが、集まってドーム状に咲く花序を作ります。その姿が手毬のように見えることから、「小手毬」という名前がつけられました。花序は枝葉を覆い尽くすように密生し、遠くから見ると色の塊となって目に飛び込み、満開時には素晴らしい景色を楽しめます。 葉や枝の特徴 コデマリには主幹がなく、地際から細くて長い枝を弓なりに多数出し、放射状に枝を広げます。このような樹形を「低木性株立ち」といいます。枝は柔らかく取り回しがきき、管理がしやすいのが特徴です。 コデマリの葉は細長い楕円形で、縁にはやや切れ込みが入ります。薄い質感で風を感じやすく、葉色も明るいので爽やかな印象。秋には紅葉する姿を楽しめ、冬は葉を落として休眠します。 ユキヤナギとの違い コデマリとユキヤナギは樹形や花姿が似ていることから、混同しやすいとよくいわれます。ここでは、見分け方のポイントをご紹介しましょう。 ユキヤナギは、コデマリと同じバラ科シモツケ属の花木です。花色は白で、花径は1cm弱の5弁花。樹高1〜2mの低木で、地際から細くて長い枝を弓なりに広げる「低木性株立ち」。いずれもコデマリと似ていますね。 見分けるポイントは、開花期と花姿です。ユキヤナギの開花期は、コデマリよりも少し早い4月頃。またコデマリは手毬状の花序を作りますが、ユキユナギは花序を作らずに一つひとつの小さい花が枝に密生する点が異なります。 適した栽培環境とは コデマリはどのような場所で栽培すれば、すくすく育ってくれるのでしょうか? 栽培を始める前に、適した日照条件や風通し、土壌の状態などを把握しておくことが、成功への第一歩です。ここでは、コデマリに適した栽培環境についてご紹介します。 栽培する場所 【地植え】 日当たり、風通しのよい場所を好みます。明るい半日陰の環境でも育ちますが、あまりに日当たりの悪い場所では花つきが悪くなり、株もひょろひょろと徒長ぎみに伸びて軟弱な株になるので注意しましょう。暑さ、寒さには強いので、周年植えっぱなしにしてかまいません。 土壌は、有機質に富んで、水はけ・水もちのよいふかふかの状態を好みます。粘土質では育ちにくいので、土壌改良が必要です。 【鉢植え】 基本的に日当たり、風通しのよい場所に置いて管理します。コデマリは暑さ、寒さに強いので、一年を通して戸外で管理してもかまいません。 土壌 【地植え】 植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、よく耕しておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の花木用培養土を利用すると手軽です。 育て方の基本 ここまで、コデマリの基本情報や特徴、栽培に適した環境・土壌などについてご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、コデマリの植え付けや水やり、施肥、日頃の管理、増やし方など、育て方について詳しく解説していきます。 植え付け・植え替え コデマリの植え付け・植え替えの適期は、2月中旬〜3月か10〜11月です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、根鉢を崩して植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。 地植えにしている場合は、数年は植えたままにしてもかまいません。しかし、大株に育って込み合ってきたら、掘り上げて株分けして植え直し、株の若返りをはかるとよいでしょう。 【鉢植え】 コデマリを鉢で栽培する場合は、大きくなるので10号以上の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから花木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して鉢の中に仮置きし、高さを決めたら、根鉢を軽くほぐし、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、毎年植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して根鉢をくずして小さくし、新しい培養土を使って植え直します。 水やり 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために枝葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏に水やりする場合は、気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬は落葉後もカラカラに乾燥させることのないように、適宜水やりを続けてください。 肥料 【地植え・鉢植えともに】 植え付け時には、元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。 その後は生育期に入る少し前の2月頃に緩効性肥料を、開花後の6月頃に、体力を回復させるため、速効性肥料を施します。 施肥に適したタイミング以外でも、株の状態を見て葉色が冴えず勢いがないようであれば、液肥を施して様子を見守ってください。 剪定 コデマリは株立ち状で、地際から細めの枝を放射状に伸ばす樹形が特徴です。 コデマリの剪定は、「すかし剪定」を基本とします。適期は休眠期の12〜2月。コデマリは自然に樹形が整うのですが、放任していると 次々に新しい枝が地際から伸びて込み合い、風通しが悪くなってしまいます。そこで、古い枝や細くて弱々しい枝、生育の邪魔になっている枝を選び、地際から切り取りましょう。 また、植え付けて数年経つと大きく伸びて株も衰えてきます。そこで、4〜5年に1度を目安に、花後の6月頃に地際近くですべての枝を切り取ってください。すると再び新しい枝が伸び出し、株が若返ります。 増やし方 コデマリは、株分けと挿し木で増やすことができます。 【株分け】 コデマリの株分けの適期は2月中旬〜3月下旬か、10月上旬〜11月下旬です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りをはかります。株を掘り上げて地際から出ている枝を4〜5本ずつ付けて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、同じ姿の株が増えていくというわけです。 【挿し木】 コデマリは、挿し木で増やすことができます。挿し木とは、枝葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し木ができないものもありますが、コデマリは挿し木で増やせます。 コデマリの挿し木の適期は、3月頃です。前年に新しく伸びた枝を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。発根後は日当たり、風通しのよい場所に移動し、十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じクローンになることです。 注意すべき病害虫 コデマリは、強健な性質の植物ですが、病害虫が発生することがあります。害虫が大量発生したり、病気が進行したりすると、株姿が弱って見栄えも悪くなるので、早めに防除することが大切です。 害虫 コデマリに発生しやすい害虫は、アブラムシ、カイガラムシなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目も悪いので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 病気 コデマリが発症しやすい病気は、うどんこ病です。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。症状が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用する殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 コデマリの主な種類 コデマリは、いくつかの種類が出回っています。ヤエコデマリは、コデマリの八重咲き種で、いくつもの花弁を重ねて咲くため、より華やかな雰囲気が印象的。園芸品種の‘ピンクアイス’は、新葉にピンクや白の斑が入り、つぼみはピンク色をしています。‘ゴールドファウンテン’は、春に芽吹く新葉がオレンジ色で、徐々に明るいライムグリーンに変化していくので、カラーリーフとしても利用できる品種です。 華やかなコデマリは庭でも切り花でも楽しめる コデマリを大きく育てて庭を彩れば、ダイナミックな花姿を楽しめ、また切り花にしてインテリアに飾っても枝垂れるラインが美しく、ゴージャスな雰囲気を演出してくれます。近年は八重咲き種や斑入り葉種など、新しい品種も出回るようになりました。ぜひコデマリを庭に取り入れ、素晴らしい咲き姿を愛でてはいかかでしょうか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
-
一・二年草

カラフルでもふもふの花が人気! 長く楽しめるデージーを育ててみよう
まずは、デージーの基本情報を押さえておこう! デージーは、キク科ヒナギク属の一年草です。原産地はヨーロッパや地中海沿岸で、寒さに強い性質を持っています。逆に暑さには弱く、本来は多年草に分類されますが、日本では暑さに耐えられずに枯死してしまうので、一年草として取り扱われています。ライフサイクルは短く、秋に種まきして育苗し、越年すると春から盛んに開花。夏前には株が傷んで枯死します。そのままにしておくと病害虫の発生を招くので、抜き取って次の季節に備えましょう。開花期は一般に12月下旬〜5月とされていますが、冬に咲いているのは、ほとんどが秋頃から出回る開花調整された花苗です。冬は開花したまま、生育はほぼ止まっています。3月頃から旺盛に生育し始め、次々と開花するピークは3〜5月と捉えておくとよいでしょう。デージーの花色は、白、ピンク、赤、赤紫、複色など。草丈は15〜40cmです。 デージーの花言葉と名前の由来 デージーの花言葉は「美人」「純潔」「希望」「平和」など。色別の花言葉もあり、赤い花は「無意識」、白い花は「無邪気」、ピンクの花は「希望」です。 デージーという名前は、「day’s eye」に由来しています。これは、昼間の明るい時間には花弁を開き、暗くなると閉じてしまう性質から。和名は「雛菊(ひなぎく)」で、菊の花よりもかなり小さいことから名付けられたようです。 白・ピンク・赤など! カラフルで可愛いデージーの品種 デージーは人気の高い花なので、育種が進み、愛らしい花姿の品種が多数あります。‘ポンポネット’はロングセラーの品種で、花径2cmほどの小輪種ながら、たくさんの花が咲くのが特徴。花色は赤、ピンク、白があります。‘チロリアンデージー’は最もポピュラーな品種で、花径5cmほどの大輪シリーズ。花色は濃い赤紫、濃いピンク、ベビーピンク、白などがあります。イングリッシュデージーは、ヨーロッパに広く自生する原種のデージーで、楚々として野趣感あふれる花姿はナチュラルガーデンなどで重宝します。草丈10〜15cmの矮性種の‘バンバン レッド’、‘バンバン ローズ’は、ピコティー咲きで花径は5cmほど。‘タッソーピンク’や‘タッソー ストロベリー&クリーム’は中輪ポンポン咲きで、特にもふもふ感を楽しめる品種です。 デージーによく似た近縁種! シャスターデージーとブルーデージー 名前に「デージー」とつく植物はたくさんありますが、それらはデージーとは異なる別種、別属の草花です。ここでは、その中から魅力的な花を2種ご紹介します。 シャスターデージーは、キク科レウカンセマム属の常緑性多年草で、草丈は50〜80cmです。開花期は5月中旬〜7月。日本のハマギクとフランスギクを交配して生まれた品種で、中央が黄色く花弁が白で、マーガレットに似た花を咲かせます。 ブルーデージーはキク科フェリシア属の常緑性多年草で、草丈は20〜50cmです。開花期は3〜5月と10〜12月。花心は黄色、花弁は青みの強い紫色で、そのコントラストが美しい人気の花です。 デージーを元気に育てるポイント ここまで、デージーの基本情報や特徴、花言葉、品種などについてご紹介しました。では、ここからはガーデニングの実践編として、植え付け、水やりや施肥、手入れなど日頃の管理、病害虫対策、増やし方など、育て方について詳しく解説します。 デージーの栽培環境と置き場所 日当たり、風通しのよい場所を好みます。半日陰の環境にも耐えますが、あまりに日当たりが悪いとヒョロヒョロと茎葉が間のびして軟弱な株になったり、花つきが悪くなったりするので注意。 秋に種を播き育苗して冬越しさせる場合は、冷たい風が吹きつける場所を避けましょう。霜が降りる場所では株元にバークチップやワラを敷きつめ、マルチングを施しておきます。 水はけ、水もちのよい土壌を好むので、植え付け前に有機質資材を投入し、ふかふかの土づくりを心がけてください。 デージーを植えるのに適した土づくり 【地植え】 植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、よく耕しておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の草花用培養土を利用すると手軽です。 デージーの植え付け方 デージーの植え付け適期は、10月〜11月上旬です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。苗は、小さくても節間が短くがっしりとまとまっており、ヒョロヒョロと間のびしていないものを選ぶとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、根鉢をくずして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。複数の苗を植える場合は、20cmくらいの間隔を取っておきます。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、5〜6号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めたら、根鉢を軽くほぐし、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。大きな鉢にほかの植物と一緒に植え込んで、寄せ植えを作ってもOKです。 デージーは水切れしやすい! 水やりの注意点 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。さらに生育期に入り、旺盛に茎葉を茂らせて花をたくさん咲かせるようになると、水切れしやすくなるので注意してください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 デージーの肥料で気をつけるポイント 【地植え・鉢植えともに】 植え付け時に元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。 開花期を迎えたら、月に1度を目安に緩効性化成肥料をばらまき、スコップで軽く耕して土に馴染ませます。または、10日に1度を目安に液体肥料を与えてもよいでしょう。 デージーを栽培している間に必要なお手入れ デージーは次々に花が咲くので、終わった花は摘み取りましょう。花首の下ではなく、長く伸びた花茎の根元から切り取ってください。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。種を採取したい場合は、開花が終わりそうな頃に花がら摘みをやめて、種をつけさせましょう。 デージーを育てるうえで気をつけたい病気や害虫 【病気】 デージーが発症しやすい病気は、うどんこ病、灰色かび病などです。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用する殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境下で発生しやすい病気です。ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合っていたり、花がらや枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。 【害虫】 デージーに発生しやすい害虫は、アブラムシ、ハダニなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要です。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には、葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけてやるとよいでしょう。 デージーは種まきで育てるのが一般的 デージーは、種まきで増やすことができます。種まきのメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。幼苗の状態でひと冬越すことで、春からの生育期になると旺盛に生育し、丈夫な株になります。 初心者でも比較的簡単! デージーの種まき デージーの発芽適温は20℃くらいです。種まきの適期は一般地で9月頃で、育苗して冬越しすると3月頃から開花します。寒冷地では、3月上旬に種を播き、5〜7月上旬に花を咲かせるとよいでしょう。 デージーの種は大変小さいので、種まき用のセルトレイを準備してください。トレイに市販の培養土を入れ、1穴当たり数粒ずつ播きます。デージーは発芽に光を必要とする好光性種子のため、土をかぶせる必要はありません。種が細かいので、浅く水を張った容器にセルトレイを置いて鉢底から吸水させます。発芽までは涼しい場所に置き、乾燥しないように適度な水管理をしてください。 3〜4日すると発芽し、1週間ほど経つと双葉が出揃います。発芽後は弱々しい苗を間引いて1本立ちにしましょう。残す苗の根を傷めないように、株元を押さえて抜き取ってください。その後は、日当たりがよく、風通しのよい場所で管理します。 本葉2〜3枚でいったん仮植え! 本葉10枚になったら定植しよう 本葉が2〜3枚出始めたら、セルトレイから鉢上げするタイミングです。3号の黒ポットに草花用の培養土を入れ、セルトレイから苗を抜き取って根鉢を崩さずにそのまま植え付けます。日当たり、風通しのよい場所で育苗し、7〜10日に1度を目安に液肥を与えましょう。多湿になると根張りが悪くなり、茎葉がヒョロヒョロとして間のびした株になるので、いつも湿った状態にならないようにしてください。水やりは表土がしっかり乾いてからたっぷりと与えるのが基本です。 本葉が7〜10枚ついたら、植えたい場所に定植します。 寄せ植えにピッタリのデージー! 単独でも群植しても見応えあり デージーは、コンパクトにまとまる草姿から、大鉢に寄せ植えする花材として人気があります。開花株が冬前から出回るので、同時期に出回り始めるビオラやスイートアリッサムなどと一緒に華やかな寄せ植えを作り、寂しくなりがちな冬の庭を彩ってはいかがでしょうか。低い草丈を生かし、春の花壇ではチューリップやヒヤシンス、スイセンなど、株元が寂しくなりがちな植物の手前に植えて華やかさをプラスするとよいでしょう。広い場所に群植しても見応えのあるシーンを演出できます。 カラフルなデージーを植えて庭を華やかにしよう! 草丈が低く、花壇の前面や寄せ植えの主役として活躍するデージー。キュートな花姿は古くからガーデナーの間でも愛されてきた人気の植物です。寒さに強く、ビギナーにも育てやすいので、冬から早春にかけて、庭やベランダを彩る寄せ植えを作ってみてはいかがでしょう。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
-
寄せ植え・花壇

寄せ植えの基本知識! おしゃれに仕上げるコツ
寄せ植えの基本知識 ミニバラ、ビオラ、アリッサムの寄せ植え。☆ 寄せ植えとは一つの植木鉢の中に、さまざまな種類の花苗を‘寄せ’集めて植えるガーデニングの手法の一つです。1種類の花だけを植える単植もインパクトがありますが、複数の植物を組み合わせることによって、より華やかさを出したり、繊細で複雑な雰囲気を表現することができます。いわば単植はバラだけの花束、寄せ植えは複数の花を使ったブーケや華道のようなイメージです。ですから、寄せ植えは作る人の感性や個性を生かしたり、作者の世界観を表現したりできる芸術的な楽しみがあります。 ビオラを使った冬の寄せ植え。☆ しかし、複数の植物を限られたスペースのプランターなどに一緒に植え込むため、それぞれの特性をきちんと把握することが必要。植物は種類によって生育のスピードや伸び方などの違いがあり、日当たりや水やりなど適した環境も異なるため、共存できる植物を選ぶことが大切です。 寄せ植えを作るメリットは、庭がなくても季節の花が楽しめたり、庭の中でもフォーカルポイントとして活用できることです。寄せ植えの基本を覚えて、定期的に植えつけて、季節感のあるおしゃれな暮らしを楽しみましょう。 植物育成ライトがあれば、室内でも寄せ植えをインテリアとして楽しめる。シクラメンを主役にしたクリスマスの寄せ植え。 ●庭がなくてもOK! 室内でおしゃれなガーデンライフが叶う最新グッズ 日の差す窓辺で育つ多肉植物の寄せ植え。 庭の中でも寄せ植えの鉢はフォーカルポイントとして活躍。☆ 寄せ植えで使う道具 寄せ植え作りを始める前に、まずは道具を用意しましょう。どれもガーデニングの基本的な道具なので、専用バッグやケースなどにひとまとめにしておくと便利です。 1.寄せ植えに使う手袋 素手で土を触り続けていると、思いのほか指先の水分が失われてガサガサになったり、爪に土も入るので、ガーデニング用の手袋をして作業をしましょう。薄手の手袋は指先がしっかりフィットし細かな作業もしやすいですが、布製は繊維の間から土が入り込むことがあるので、ぴったりフィットする使い捨てビニール手袋と併用するとよいでしょう。トゲのある植物などを扱う場合は、革製の手袋がおすすめです。 使い捨ての薄いビニール手袋を愛用するガーデナーも。 バラなどトゲのある植物を使う場合は革手袋を。 2.寄せ植えに使う園芸用のハサミ 園芸バサミもいくつかの種類があるが、剪定バサミをまず揃えよう。 ハサミの切れ味は植物の生育に影響します。切れ味の悪いハサミだと切り口の繊維が潰れ、そこから病気にかかったりすることがあります。スパッと切れ味のよいものを選び、使った後は必ず刃を拭いておきましょう。園芸用のハサミも、さまざまな種類や大きさのものがありますが、まずは手のサイズに合った剪定バサミがあると便利です。 3.寄せ植えに使うスコップ・土入れ 寄せ植えでは植物と植物の間に土を入れるため、細いスコップがおすすめです。土入れはたいてい3サイズがセットになっているので、使い勝手がよいでしょう。 4.寄せ植えに使うジョウロ 鉢植えの植物は水やりが欠かせません。水がシャワー状に出る、はす口のついたタイプで、取り外して使えるものが便利です。根元にしっかり水をやりたいときは、はす口を外して使います。 ●美しい庭をつくる人が愛用する便利な庭道具 寄せ植えに必要な材料の選び方 寄せ植えに使う鉢や土の選び方について解説します。土にも鉢にもさまざまなタイプがあり、植える植物に適したものを選ぶことが寄せ植え成功の第一歩です。 寄せ植えに使う「鉢」について 植木鉢のサイズは基本的に「号」という単位で呼ばれます。1号は直径約3cmで、1号数字が上がるごとに「×3」が直径の大きさと覚えておきましょう。植木鉢が小さければ小さいほど水が切れるのが早いので、寄せ植え初心者は8号鉢(直径24cm)くらいから始めるのがおすすめです。 鉢は植物の根が育つための空間ですから、その素材は生育にも影響します。ビジュアルだけでなく、素材の特性も理解して選ぶのが大切です。 ●素焼き:通気性や水はけがよく、植物の根にとって最も好環境を作りやすい。寒さで割れることがある。☆ ●陶製:釉薬をかけた陶器鉢は美しい。通気性・水はけは素焼きより劣るが、山野草のような繊細な植物でない限りあまり問題ない。温度差に強く耐久性が高い。☆ ●グラスファイバー製:ガラス繊維でできており、一見素焼きや陶製、石などのような重厚感がありながら軽量で持ち運びしやすく耐久性も高い。色・デザインバリエーションが豊富にある。☆ ●金属製:ワイヤーバスケットやブリキのバケツなどを植木鉢として代用する。水抜け用の鉢底穴がないものは自分であける必要がある。ワイヤー状のものは内側にヤシマットなどを敷いて使うが水切れしやすい。リース型などもある。☆ ヤシマットやヤシファイバー、麻布などが敷かれたワイヤーバスケット。半円状で壁掛けできるタイプ。 ●ラタンバスケット:植木鉢として利用できるよう、内側にビニールが敷かれていたり、プラスチック鉢入りで土こぼれがしないようになっているものもある。耐久年数は約1年。☆ ●Junk sweet Garden tef*tef*が教えるかわいさ120%の寄せ植えのコツ! 初心者にオススメのバスケット植え1 ●樹脂製:外見上は陶器やテラコッタ鉢に見えるが、軽量で持ち運びしやすい。 ●プラスチック製:軽くて持ち運びが楽。鉢底にスリットが入っているタイプもある。 Erhan Inga/Shutterstock.com ●木製:ナチュラルな雰囲気が魅力。水やりで腐食が避けられないため、耐久年数は約1年。鉢の下にレンガを置いて、水はけのよい状態にしておくと、もちがよい。 寄せ植えに使う「土」について 園芸店やホームセンターなどで販売されている園芸用の赤玉土。 鉢植えに使う土は、水はけと水もち(保水性)がよい市販の園芸用の培養土か、「赤玉土7割+腐葉土3割+元肥(肥料)」がおすすめです。水はけと水もちは一見、相反する作用のようですが、培養土は複数の素材が組み合わされて、どちらの作用もあるように、いわば‘ベストブレンド’されています。観葉植物や多肉植物などのように、特に水はけのよい土を好む種類向けに、ブレンドを特別に調節した植物ごとの専用園芸用土もあります。 また、土には酸性とアルカリ性という性質があり、地域によってその性質は異なります。日本の土は弱酸性のため、日本に自生するツツジやシャクナゲは弱酸性の土を好みます。同じ科のブルーベリーも弱酸性の土が栽培に適しているので「弱酸性」と書かれた用土を選んで栽培しましょう。一方、ハーブなど海外からの輸入植物の多くはアルカリ性を好みます。園芸用土はアルカリ性から中性に調整されているのでそのまま使えばOKですが、庭土などを使う場合にはそのままだと酸性が強いことがあるので、石灰を混ぜ中和してから使いましょう。このように、植物によって好む土が異なりますが、ざっくりと日本に自生するものは弱酸性、輸入種はアルカリ性と覚えておくとよいでしょう。 ●培養土がいい? 自分でブレンドする? よい土を選ぶコツ 寄せ植えに使う「肥料」について 花を咲かせるのは、植物にとってはとてもエネルギーが必要なことです。そのため、花つきよく育てるためには肥料は欠かせません。特に鉢植えで栽培する場合は、土が少なく栄養分が不足しやすいこと、水やりの際に養分が流れ出てしまうことなどから、地植えの植物に比べて施肥がより重要になります。効果的に肥料を使うことで、開花期間が長くなり、花つきよくたくさんの花を楽しむことができますよ。 寄せ植えで肥料を与えるタイミングは、主に元肥と追肥の2つです。 ●元肥(もとごえ) 草花の苗を植える時に、あらかじめ与える肥料。ゆっくり長期間効果が続く遅効性肥料や緩効性肥料で、三要素のバランスのとれた有機質肥料ベースのものがおすすめです。寄せ植えの場合は、鉢の大きさに合わせた量の肥料を培養土に混ぜ込んでおくとよいでしょう。 必要な時に必要なだけ肥料を届ける「マイガーデン粒状肥料」 土1ℓに対し8~12gが目安。10号鉢なら70~100g(女性の一つかみが約25g)です。 元肥にも追肥にも、さまざまな用途に利用できるのが、緩効性の固形肥料。寄せ植えビギナーの方はまずこのタイプの肥料を揃えるとよいでしょう。なかでも「マイガーデン粒状肥料」は、植物の成長に合わせて効率よく肥料が溶け出すので無駄がなく、長期間でもしっかり効果が持続するので、寄せ植えの元肥や追肥にぴったり。植え付け時に混ぜ込んだり、株元にばらまくだけでも手軽に使え、効果が長く続きます。根にやさしいコーティング肥料で肥料焼けもしにくいので、元肥にも安心。土に活力を与える腐植酸と植物性有機質配合で、土壌改良効果も期待できます。 ●追肥(ついひ) 植物の成長に合わせて、元肥だけでは不足しがちな養分を与える肥料を追肥といい、速効性の高いものがおすすめ。速効性の液体肥料と、緩効性の固形肥料をあわせて使うとより効果的です。また、開花期を終えた宿根草などには、消耗した体力の回復を図るためにお礼肥(おれいごえ)を与えるのもよいでしょう。花後にしっかり回復させておくことで、翌年もよりよいパフォーマンスが期待できます。 肥料切れと水切れを同時に解決! 「マイガーデン液体肥料」 草花には1,000~500倍程度に薄めたものを、1週間に1回程度与えるのが目安。鉢底から流れ出すまでたっぷりと与えましょう。 すばやく効いて、植物に元気を与えてくれる液体肥料「マイガーデン液体肥料」。肥料分を補うのはもちろん、土の保水力を向上させ、用土全体への水分浸透性を高めるモイスト成分配合なので、水切れ防止にも効果を発揮します。使うほどに土壌環境を改善し、鉢土を水切れしにくい土に変えてくれる、乾きやすい寄せ植えの鉢土にぴったりの液体肥料です。 寄せ植えの「病害虫対策」について 病害虫が発生してしまうと、花が咲かなかったり、枯れてしまったりと、せっかくの寄せ植えも楽しめなくなってしまうことも。病害虫の発生を防ぐためには、苗を購入する際に害虫や病気がいない健康な苗を選び、適宜花がら摘みや切り戻しを行いながら、風通しよく栽培することがポイントです。それに加えて、病害虫予防の資材を組み合わせるのも効果的。粒状の殺虫殺菌剤「ベニカXガード粒剤」は、植え付け時に土にまくだけ、混ぜるだけでOKなので、寄せ植えにとても使いやすくおすすめです。 まくだけで簡単に病害虫を予防できる新感覚殺虫殺菌剤! 「ベニカXガード粒剤」 病害虫の発生後に対処する殺菌殺虫剤に対し、そもそも発生を予防できるのが、「ベニカXガード粒剤」の嬉しいところ。根から吸収された殺⾍成分が植物の隅々までいきわたり、害虫の被害を最小限に食い止めてくれます。さらに、病原菌の侵⼊に似た刺激を根に与えることで植物の防御機能の強化を促し、病気に強い丈夫な株へと導いてくれるという効果も。ただし、病害虫が発生してしまってからでは効果が薄いため、スプレータイプの殺菌殺虫剤なども持っておくと安心です。 1回分は5g(ペットボトルのふた1杯分)が目安。 寄せ植えに植える「植物」について 複数の植物を合わせる寄せ植えの場合、植物を選ぶときに、外してはならないポイントがあります。 夏の一年草をたっぷり使った寄せ植え。☆ ①前述した土壌の性質の好み、日当たり・日陰、水やりの必要頻度といった、植物が好む栽培環境が大きく違っているもの同士を組み合わせると、うまくいきません。例えば、水を好む一年草とあまり水をやりすぎると根腐れしてしまう多肉植物などを組み合わせてしまうと、どちらか一方がうまく育ちません。ただし、あまり神経質になる必要もなく、一年草同士の組み合わせや一年草と宿根草の組み合わせなど、ワンシーズンだけ楽しむ寄せ植えの場合はあまり気にしなくてOKです。 白い小さな花がユーフォルビア。☆ ②植物の開花期を考えて組み合わせましょう。長く楽しむには開花期の長い一年草や常緑のリーフ類などを組み合わせると植え替えの手間がありません。なかにはユーフォルビア‘ダイアモンドフロスト’(写真内の白い小花)のように、真冬のいっときを除いてほぼ一年中咲いているものもあり、寄せ植えに重宝します。 ③植物の生育の性質にはさまざまな形態があります。這うように横に伸びるもの。下に枝垂れて伸びるもの。つるを巻きつけて伸びるもの。また、立ち上がって伸びるものは草丈がさまざまです。これらの性質を理解したうえで、いろいろな性質のものを組み合わせるとバランスのよい形になります。 これらのポイントを押さえ、あとは自由に選びましょう。寄せ植えに適した植物はとても多いので、枠にはまらず楽しみながら育ててください。たとえ失敗しても大丈夫! 植物は地域や栽培環境によって生育に違いが出るため、あなた自身の経験は、失敗も含めて書籍などよりずっと貴重なあなたの庭づくりの情報になります。ぜひ、育てやすかった植物リストや失敗した植物ランキングのメモなどをノートに書きためておくことをおすすめします。 ●Junk sweet Garden tef*tef*が教えるかわいさ120%の寄せ植えのコツ!初心者にオススメのバスケット植え2 寄せ植えの作り方プロセス それでは、寄せ植えの作り方の基本的な手順をご紹介します。難しい作業はありませんが、いったん植えてしまうと位置を変えるのが難しいので、土を入れてからすぐに植物を植えるのではなく、まずはポットのまま並べてバランスを見ます。 1 土を入れる 鉢に鉢底石を敷きます。鉢底石は植え替えの際に土と混ざってしまわないよう、排水ネットなどに入れておくと便利です。あらかじめネットに入った商品もあります。鉢底石を敷いたら、土を鉢の半分の高さまで入れます。土は市販の培養土か、「赤玉土7割+腐葉土3割」に元肥をブレンドしたものを使います。このとき、病害虫予防のため「ベニカXガード粒剤」も混ぜておくと安心です。赤玉土は粒の大きさが大粒・中粒・小粒とありますが、一般的な草花の寄せ植えには小粒が適しています。 鉢底石はネットに入れてから使うと植え替え時に便利。 2 植物の配置を決める 半分まで土を入れた鉢に、まずはポットから抜かずに花苗を仮置きしてバランスを見ます。鉢の観賞角度が一方向に決まっている場合は、正面を決めて配置します。360°から見る場合は、全方位的に美しく見えるよう配置を考えましょう。観賞角度が一方向に決まっている場合は、背の高い植物は鉢の後方へ配置し、縁にいくに従って背の低いものや枝垂れるものにするとバランスがよくなります。360°から見る場合は中央寄りに背の高いものを配置するとよいでしょう。花が咲いたときの色合いなどを考えながら、配置を考えましょう。おしゃれに見える配置は、この後に解説しています。 まずはポットから苗を出さずに仮置きする。 バランスを見てから実際に植える。 3 植物を植える 植物をポットから出したら、根をほぐします。苗によっては根がぐるぐるときつく巻いているものもありますが、そのままではきちんと育たない場合があるので、巻いている部分を切ってしまってOKです。根を一度切ることで刺激が与えられ、成長を促進します。植える順番は、背の高いものや大きなものから植えていくとやりやすいでしょう。すべての植物を植えたら、土をかぶせていきますが、鉢の縁ギリギリまで土を入れるのではなく、縁から1.5〜3cm程度は空けておきます。このスペースは水やりのための「ウォータースペース」といい、これがないと水をやったときに土が流れてしまい、次第に根が露出してしまいます。土を入れたら、土に割り箸を差し込んで前後や左右に動かすと、土中の空間が埋まり、苗と苗の間にも土がしっかり入ります。地際に新芽が出ている植物は新芽の上に土をかぶせないように注意しましょう。 根が回っている場合はほぐす。 黒田健太郎さんに学ぶLesson3 数株で素敵に! シンプル寄せ植え&コーディネート おしゃれな寄せ植えのコツ 寄せ植えの基本的な作り方を覚えたところで、次は、いかにおしゃれに、センスよく作るか、ポイントを解説します。ちょっとしたコツを押さえれば、誰でも寄せ植え上手になれますよ! 鉢を工夫する 鉢色と花色をコーディネート。☆ 寄せ植えを作る際は、どこにその鉢を置くのか考え、鉢を選びましょう。和風か洋風か、モダンかナチュラルか、置く場所の雰囲気に合ったデザインやカラーの鉢を選ぶことが、おしゃれを叶える最初のポイントです。例えば、鉢を置く場所の背景がモダンな白い壁やコンクリートの壁なら、茶色のテラコッタ鉢より、モノトーンの鉢やグラスファイバー製の鉢が合わせやすいでしょう。逆にレンガの壁や木製フェンスなどが背景になる場合には、テラコッタやラタンなどの自然素材の鉢が馴染みます。また、色釉薬のかかった鉢の場合には、鉢色と花色をコーディネートすると綺麗にまとまります。 リース型のワイヤーバスケットに多肉を寄せ植えした例。 アイアンやワイヤー製はどちらにも合わせやすく、また壁掛けタイプも多いので、省スペースで寄せ植えを楽しむことができます。壁掛けタイプの「ハンギング」と呼ばれる鉢は、窓から見えるところにかければ、室内から眺めて楽しむこともできます。 また、複数の寄せ植えを置く場合には、鉢の素材や色を統一するとスッキリとまとまり、主役の花のほうへ目がいきます。 英国ウィッチフォード社製の鉢はテラコッタの最高級品。☆ 鉢の価格もピンからキリまであり、高価なものはそれなりにデザインも品質もよく、耐久性のあるものが多いので、長く使い続けることができます。 鉢が植物で覆われたハンギングバスケット。 一方、鉢にあまりお金をかけたくない場合は、枝垂れる植物を選んで鉢縁に植えるという方法も。植物の生育とともに鉢は隠れてしまうので、容器として機能していれば OKという考え方もできます。高価な鉢も安い価格の鉢もどちらにも利点があり、使い方次第で素敵な雰囲気は作り出せます。賢く選んで楽しみましょう。 植物の配置 おしゃれな寄せ植えを作るには、まずは基本のセオリーを踏まえておきましょう。基本ができたらあとはご自身の感性で自由に楽しんでみてくださいね。 【異なる性質・形状を組み合わせる】 花色はピンク系で揃え、草丈の高いラナンキュラスを中央〜後方へ、周囲にネメシアやダイアンサスを、鉢縁に茎が少し枝垂れるペラルゴニウムを植え、ふんわりまとめた寄せ植え。☆ 「植物について」の項でも述べたように、植物にはまっすぐ上に伸びるものや、這性といってカーペットのように伸び広がるもの、下へ伸びて枝垂れるものなどがあり、異なる草丈、異なる伸び方のものを組み合わせることで、寄せ植えに立体感や調和を生むことができます。寄せ植えがおしゃれに見えない、という原因の一つには、性質が揃いすぎて単調で平面的になっている可能性があります。また、同じ性質のものばかりを狭い鉢の中に植えると、生育過程で植物同士がせめぎ合い、どれかが育たなくなるばかりか、どれも生育がイマイチで、当初のイメージ通りにならないことがあります。性質を分けると、それぞれの生育空間でそれぞれが本来の伸び方をします。バランスのよい配置の基本は、まっすぐ伸びて草丈の高くなるものは鉢の中央〜後方に、低いものはその周囲に植えること。また、鉢縁に枝垂れる植物を植えると縁まわりが隠れ、鉢と植物との一体感が生まれます。 【花色配置は絵画の基礎知識を活用】 花色を紫色に統一した寄せ植え。花材は紫の濃淡のビオラ、アリッサム、カルーナ。☆ 紫のビオラを後方へ、カーペット状に広がるアリッサムとイエローグリーンのリシマキアを鉢縁に。ビオラの花心の黄色とリシマキアをコーディネートした2色使いの寄せ植え。☆ 紫色のブラキカム、ピンクのビオラ、白色の花かんざし、プリムラの3色使いの寄せ植え。☆ 同系色または反対色といった色相による組み合わせの場合は、花色は一鉢の中に1〜3色ほどで留めておくと、まとめやすいでしょう。さらにたくさんの花色を使いたい場合には、ビビッドな色同士、また淡い色同士で揃えるというように、トーン(色調)による組み合わせを基本にすると、ガチャガチャとした雰囲気になりません。さらに上級テクニックとして、淡いトーンの中にビビッドカラーを少量「差し色」として加えるという手法もあります。配置には、絵画の遠近法が役に立ちます。暗色と明色とでは奥に暗色、手前に明色を配置すると、より立体感や奥行き感を鉢の中に演出できます。 淡い色調のペールトーンでまとめた初夏の寄せ植え。花材はペチュニア、ダイアンサス、イソトマ、へデラ。☆ 【葉にも注目】 ペチュニアの花を主役に、ワイヤープランツやヒューケラ、ルブスなどのリーフ類で囲んだ寄せ植え。☆ また、メインの花だけでなく、リーフ類も取り入れて、葉の色や形にも着目しましょう。線のようにスッとした形や小さな葉、大きな葉、斑入り、銀葉、黒葉などのカラーリーフ、ふわふわとした毛に覆われたものなど、葉も実に個性的です。自然の中でキレイだなと思うシーンと出合った時、そこにどんな要素があるのか分析しながら見ると、寄せ植えの参考になります。 寄せ植えの管理方法 寄せ植えを長くきれいに楽しむためには、こまめな手入れをしましょう。ほんの少しの時間をかけるだけでキレイが長持ちしますし、植物に触れていると気持ちがホッとするものです。毎日、楽しみながらできる寄せ植えの管理方法をご紹介します。 水やりの仕方 水やりは基本的に、どんな植物の場合でも鉢の底から水が流れ出るまでたっぷりやります。水が少なめでいい植物の場合でも、1回のやり方は同じで、頻度を減らすことで調節します。植え付け直後からたっぷり水をやり、季節によって水やりの頻度を変えます。基本的には表土の乾きを水やりの目安とします。夏は気温が高く蒸発するのが早いため、朝と夜の2回で、気温が高くなる時間帯は水が鉢の内部で高温になり、蒸れの原因になるため避けましょう。冬は毎日の水やりは不要です。多すぎると根腐れを起こし、枯れる原因になるので注意しましょう。鉢の大きさや素材によっても水やりの頻度は異なります。鉢が小さい場合や、ワイヤーやメッシュなど透水性のよい素材の場合は乾きやすいので、よく観察して水やりの頻度を調節します。 花がらを摘む 枯れた花や花が終わった後の花を「花がら(花殻・はながら)」といいます。花がらはこまめに摘み取りましょう。そのままにしておくと種子ができて成長が止まったり、次の花が咲かなくなってきますが、逆に花がらをこまめに摘んでいると、次々に花が上がって咲いている期間を長くすることができます。また、花がらを摘み取ることで株に空間が生まれ、風通しがよくなり病虫害も発生しにくくなります。花がらを摘む際は、花の根元に指をかけてやさしく上に引っ張るときれいに取れます。株ごと抜けてしまわないように注意し、指では取れにくい場合は剪定バサミでカットしましょう。 ●花を長く咲かせるテクニック「花がら摘み」とは 適宜追肥を行う 開花には多くのエネルギーを必要とします。長く花を楽しむためには、植物が開花の際に消費したエネルギーを追肥で補ってあげることが大切。適宜追肥を行うことで、花が休まずに咲き続きます。植物や肥料の種類などにより異なりますが、成長期や開花期には1~2週間に1回を目安に追肥をするとよいでしょう。追肥には、水やりと同時に与えることができる液体肥料など速効性の肥料がおすすめです。また、宿根草などは開花後にお礼肥を与えると、翌年の生育もよくなります。 シーズンで植え替える 左)春の寄せ植え。右)夏の寄せ植え。☆ 一年草の寄せ植えの場合は多くが数カ月〜半年が見頃です。花がら摘みをしても咲かなくなってきたら寿命ですから、次のシーズンの花に植え替えましょう。新しく植物を入れ替えることで、季節感を演出できます。宿根草など、毎年花が咲くものが混ざっている場合は、残したい植物の根を傷めないように丁寧に植え替えます。晩秋から冬に地上部が枯れる宿根草の場合は、来シーズンの開花期まで別の鉢で養生しましょう。また、ワンシーズン使った土は養分が抜け、病虫害の原因となる要素が含まれている場合もあるので、植え替える際は土も新しいものに入れ替えましょう。使い終わった土は次シーズンのために再生して準備しておくこともできます。 ●土の再生については『酷暑・猛暑を有効利用しよう! 暑い夏だからこそできる庭仕事』 寄せ植えはコツをつかむことが大切 おしゃれな寄せ植えは鉢と植物のバランスが重要です。鉢にも植物にもさまざまな特性や個性があるので、それらを考慮してセレクトし、配置しましょう。また、寄せ植え後のメンテナンスも美しさを保つためにも大事な作業であり、日々生育していく姿を見守ることこそガーデニングの醍醐味。玄関やテラス、庭のコーナーづくりなど、いろんな場所で季節の花を楽しみながらお手入れしてくださいね。
-
樹木

モミジとカエデにはどのような違いがある? 紅葉を自宅で楽しむ方法も解説
モミジとカエデの違いとは Kisialiou Yury/Shutterstock.com まずはモミジとカエデの違いについて解説します。 植物学的な違いはない Ian 2010/Shutterstock.com モミジは、あくまでカエデ属に含まれるいくつかの品種につけられた名前です。モミジもカエデもムクロジ科(旧カエデ科)カエデ属に分類されています。モミジ属というグループは存在しません。 英語ではカエデをmaple、モミジを特にjapanese mapleと呼びます。英語には、モミジを意味する単語はもともとありません。 日本語のモミジという言葉は、秋に草木が色づく様子を意味する動詞の「もみづ」が由来になっています。名詞化して「もみぢ」、そこから「もみじ」となりました。現在では、カエデの中でも特に、裂片が5つから9つくらいで美しい形を持つ品種を指すようになりました。一方で、カエデは「カエルの手」を意味する「かへるで」が転じて「カエデ」になったといわれています。 園芸や盆栽の世界では区別している Delpixel/Shutterstock.com 園芸の世界では、葉に切れ込みが多く、深く入ったものをモミジと呼び、それ以外の切れ込みが浅いものをカエデと呼んでいます。カエデの中には切れ込みの数が3つだけなど、モミジのように手に似た形をしていないものもあります。 盆栽の世界では、モミジは葉の形が小さく、切れ込みが深く、秋に真っ赤に色づくものを指します。カエデは葉の切れ込みが浅くて大きいものを指します。 モミジやカエデにはどんな種類がある? SunnyColoring/Shutterstock.com ここでは、モミジとカエデの代表的な品種をご紹介します。 主なモミジは3種類 Wiert nieuman/Shutterstock.com モミジの代表的な品種には、イロハモミジ、ヤマモミジ、オオモミジの3種があります。 イロハモミジは、イロハカエデとも呼ばれます。福島県以南の本州太平洋側や四国、九州の沢沿いや谷間などに自生し、黄色や赤に色づきます。葉の裂片は5〜9片です。 ヤマモミジは、北海道から本州の石川県までの日本海側に自生し、黄色や赤に色づきます。葉の裂片は9片です。 オオモミジは、ヒロハモミジとも呼ばれます。北海道や本州の太平洋側、福井県以西の日本海側、四国、九州に自生し、赤く色づきます。イロハモミジよりも大きく、葉の裂片数は5〜9片で多くは7片です。 カエデの種類はさまざま zikko2020/Shutterstock.com カエデの代表的な品種には、イタヤカエデやハウチワカエデ、手のひらのような形の葉になっていないウリカエデ、メグスリノキ、外来種のトウカエデなどがあります。 イタヤカエデは、黄葉するカエデの代表種です。北海道から九州にかけて自生し、秋になると葉が赤みを帯びた黄色になります。葉の裂片は7〜9片で切れ込みは浅いです。 ハウチワカエデは、北海道から本州にかけて自生し、朱色から濃いオレンジに色づきます。葉の切れ込みはありますが浅いです。 ウリカエデは、山によく自生しており、葉が小さく浅い切れ込みが3つあります。 トウカエデは、中国原産のカエデです。浅い3裂の切れ込みがあり、オレンジ色から紅色に変わります。街路樹として植えられているカエデは、ほとんどがこの種類です。 紅葉(モミジ)と紅葉(こうよう) Roman Samborskyi/Shutterstock.com 紅葉という漢字は、「こうよう」とも「もみじ」とも読みます。ここでは、なぜ緑色の葉が赤く色づくのか、紅葉(こうよう)の意味や仕組みについてご紹介します。 紅葉(こうよう)の意味 Koki Yamada/Shutterstock.com 「こうよう」とは秋になって葉の色が赤や黄色に色づく現象のこと。カエデやモミジ以外でも、イチョウやブナなど色の変わる植物に対して用いられます。モミジの葉や木を指す場合も同じ紅葉という漢字を使うので、紅葉と書かれていたら、前後の文脈から「こうよう」か「もみじ」かを読み分ける必要があります。 紅葉(こうよう)する仕組み YRABOTA/Shutterstock.com 紅葉(こうよう)は落葉樹が葉を落とす前の準備のために起こるもので、葉の役割を終える過程で色が黄色、赤色へと変化していく現象をいいます。葉が光合成をしなくなることでクロロフィル(葉緑素)が減って、緑の色素がなくなると、残ったカロテノイドの黄色が見えて葉が黄色く紅葉したように見えます。さらに光合成が終わるころには糖からアントシアニンが作られ、それがカロテノイドを上回る量になると葉が赤く色づいて見えるのです。 日本にある紅葉の名所をご紹介 Jo Panuwat D/Shutterstock.com 日本各地にある紅葉を楽しめるスポットをいくつかご紹介しましょう。 高尾山(東京都) Q2PHOTOSS/Shutterstock.com 都心から電車で1時間ほどとアクセスがよいのが高尾山です。高尾山の標高は、およそ599mです。 約1,200種類もの植物が楽しめ、秋は特にオオモミジやイロハモミジの紅葉が素晴らしい景色を作り出します。見頃は11月中旬から12月初旬で、紅葉の時期に合わせて「もみじまつり」などのイベントも開催されています。 浜離宮恩賜庭園(東京都) martinho Smart/Shutterstock.com 東京都中央区にある浜離宮恩賜庭園は、江戸時代から続く由緒ある大名庭園です。 11月中旬から12月上旬にかけて、園内各所でトウカエデやモミジの紅葉を楽しめます。 嵐山(京都府) MC_Noppadol/Shutterstock.com 嵐山は京都市の西部、JR京都駅から車で16分ほどの場所にあります。 古いお寺が数多くあり、紅葉の名所も多く、至るところで紅葉を楽しむことができます。紅葉の見頃は11月下旬から12月上旬です。 自宅でモミジを楽しむなら Sanga Park/Shutterstock.com 紅葉狩りに出かけて楽しむモミジもいいですが、自宅で楽しむのはいかがでしょうか。ここではモミジの育て方についてご紹介します。 庭木で育てる AnjelikaGr/Shutterstock.com 庭木におすすめのモミジは、イロハモミジかヤマモミジです。オオモミジは葉が大きく樹高も高くなりやすいため、庭木には不向きの種類です。 モミジは日当たりのよい場所を好みますが、強い日差しに当たると葉が変色してしまったり、水切れで秋になる前に葉が落ちたりすることがあるので、半日陰や午後から日陰になる明るい場所で育てるのが適しています。 水はけがよく、適度に湿度を保つ土壌を好むので、植えたい場所に腐葉土や堆肥を混ぜ込んでおくとよいでしょう。植え付けの適期は12〜3月です。植え付けてから根付くまでは意識して水やりを行う必要があります。根付いてからはよほど土が乾燥したとき以外は水やりをしなくても育ちます。 木を大きくしたくない場合や、葉が込み合ってきた場合は剪定をします。剪定の適期は11〜12月です。 害虫はアブラムシやテッポウムシに注意し、見つけたらすぐに駆除しましょう。病気はうどんこ病に注意が必要です。 鉢植えで楽しむ Steve Cymro/Shutterstock.com 鉢植えで育てる場合は、基本的に屋外で管理します。夏は半日陰に置き、冬は風が当たらない場所に移動しましょう。 土は市販の園芸用培養土や、細粒と中粒を同じ割合で混ぜた赤玉土に3割程度腐葉土を混ぜたものを使います。水やりは春と秋は1日1回、夏は朝夕2回、冬は土が乾いたときに行います。 2、3年に1度、鉢が小さくなったら一回り大きな鉢に植え替えましょう。植え替えの適期は11〜3月です。 盆栽もおすすめ JIMKOJI/Shutterstock.com モミジは盆栽で楽しむのもおすすめです。園芸店や盆栽のイベント、ネットショップなどで購入できます。 鉢植えと同様に、日当たりと風通しのよい所で育てます。夏は半日陰に、冬は霜や風が当たらない場所に置きます。水やりや注意すべき病害虫も前述の鉢植えの場合と同じです。 盆栽では、伸びすぎる前に新芽を摘んで調整したり、剪定して形を整えていきます。 モミジとカエデの違いを知って紅葉をさらに楽しもう Patrick Foto/Shutterstock.com モミジとカエデは生物学的にはどちらもカエデに分類されていますが、園芸では葉の切れ込みが深く手のような形のものがモミジ、切れ込みが浅いものがカエデと呼ばれています。 皆さんも紅葉狩りに行ったり、ご自宅で育てたりして美しい紅葉を楽しんでみてはいかがでしょうか。
-
育て方

早春の主役花、クリスマスローズをきれいに咲かせる。秋冬のお手入れをチェック!
10〜11月に購入した苗はすぐに植え替えましょう 以前に比べ、必ずしも開花株で花色や花形を見て選ばなくても、ラベルの写真とほぼ同じ花が咲くクリスマスローズが増えています。花が長もちするクリスマスローズは、開花株を買ってからでも十分楽しめますが、つぼみが上がってきて開花するまでを楽しむなら、今が買い時です。購入する時は、株元の茎が太いものを選ぶとよいでしょう。購入した2年生以上の株は、10〜11月以降は花が咲くまでにまだ成長するので、一回り大きな鉢に植え替えるのがオススメです。 植え替えに選ぶ鉢と用土 初めてクリスマスローズを育てるなら、鉢底の穴がなるべく多く、細長いプラスチック製の深鉢がよいでしょう。用土は、赤玉土と鹿沼土、小粒の軽石、腐葉土などがブレンドされた排水性がよいものを使います。ブレンドするのはハードルが高いと思う方は、市販の「クリスマスローズの培養土」を使いましょう。 黒ポットのまま夏越しをした苗も植え替えを 花が終わったら植え替えようと思っているうちに、そのまま10月を迎えた苗は、新しい葉や花芽を育てるために、一回り大きいポットへすぐ植え替えましょう。ポットから取り出したら、きっと根がよく伸びているはずです。 黒ポットのまま夏を越した苗と同様に、花後に鉢植えで育てていた苗も、できれば一度鉢から根鉢を取り出し、周囲の土を少しほぐして新しい用土を足してから植え替えをすると、より成長がよくなります。 早春の花の季節まで日向へ 日差しがやわらぎ、クリスマスローズの新しい葉が伸び始めてくる10月以降は、日が当たる場所へ移動する時期です。葉が順調に展開し、つぼみが見え始めたら古い葉を切って(根元から10㎝程度、葉柄を残すと株を傷めません)花の季節に備えましょう。
-
野菜

小松菜を家庭で栽培したい! 栄養たっぷりの小松菜をおいしく育てるコツ
小松菜を栽培する魅力 小松菜は、種まきから収穫までの期間が短く、成育期であれば30〜50日程度で収穫できる、成長のスピードが速い野菜の一つです。管理の手間もほとんどかからず、成功体験を最も得やすいので、菜園デビューのビギナーの皆さんには、スタート野菜としてぜひ選んでほしいもの。プランターで栽培してもOKなので、ベランダで気軽にチャレンジできます。ここでは、そんな小松菜のプロフィールや栄養価、種類、ライフサイクルなどについてご紹介しましょう。 小松菜の基本情報! 育てやすい野菜 yoshi0511/Shutterstock.com 小松菜は、アブラナ科アブラナ属の一年草で、葉菜類に分類されています。原産地は日本。江戸時代から東京の小松川(東京都江戸川区)で栽培され、その地名にちなんで「小松菜」と名づけられました。古くから日本で栽培されてきたことからも分かるように、日本の気候に馴染んでよく育つので、管理の手間がかからない野菜です。 小松菜は、「漬け菜」という青菜の一種です。漬け菜とは、アブラナ科に属する野菜のうち、ハクサイやキャベツのように結球しない葉菜類の総称。小松菜以外にも、ミズナ、ノザワナ、チンゲンサイなども含まれ、煮物や漬物などに向く野菜です。これらの「漬け菜」の祖先は、ハクサイやキャベツと同様に、地中海沿岸、中央アジア、東・北ヨーロッパ、ロシア周辺が原産だとされています。これらの地域に自生していた祖先が中国に伝わり、改良されてチンゲンサイやパクチョイなどさまざまな漬け菜ができました。それがさらに日本へともたらされ、各地に伝わって地方品種がそれぞれに生まれて多様化していきました。これらは「雑菜」と呼ばれる葉菜類で、小松菜も江戸で生まれたその一種です。原産地は日本とされていますが、よくよくルーツをたどれば、前述の地中海沿岸あたりまでたどり着くとされています。 小松菜の種類 liza54500/Shutterstock.com 小松菜には、在来種に近い品種と、タアサイなどとの交雑種、地方品種などさまざまな種類があります。また、人気の野菜だけに、種苗会社で品種改良が進められて、より育てやすい品種も多数生まれています。初心者なら、より育てやすく改良されたものを選ぶのもいいですね。主な品種は、以下の通りです。 ‘楽天’は、大葉で株張りがよいのが特徴。気温が低い時期でもよく成長するので、秋冬まきに向いています。‘菜々美’は夏期でもじっくり成長し、収穫適期が長い品種です。耐病性もあります。‘きよすみ’は立性の緑が濃い葉をもち、夏の暑さに強く一年を通して栽培が可能です。 小松菜は周年栽培できるだけあって、春夏作に向く品種、秋冬作に向く品種があるので、シーズンによって使い分けるとよいでしょう。 小松菜は栄養素が豊富で調理の幅も広い decoplus/Shutterstock.com 小松菜は、βカロテン、ビタミンC、カルシウム、鉄分、カリウムなどの栄養分を豊富に含む緑黄色野菜です。特にβカロテンを多く含み、髪や粘膜、皮膚の健康維持に効果があるとされています。また、カルシウムや鉄分については、意外にもホウレンソウより多く含んでいるほどです。 調理方法も幅が広く、さっと茹でて和え物やお浸しに。炒め物や汁物、煮物の具材にとオールマイティーに利用できます。また漬物にしてもよく、シャキシャキとした歯ごたえで、ごはんのお供にぴったりです。 小松菜の栽培・収穫の時期 topeng yoyoa/Shutterstock.com 小松菜の生育適温は20℃前後で、発芽適温は15〜30℃です。暑さにも寒さにも強く、厳寒期を除いて、ほぼ一年中栽培することができます。とはいっても、江戸で栽培されていた頃は、秋にタネを播いて、年末から春にかけて出回っていました。寒さにあうことで甘みが凝縮されるので、本来の旬の美味しさを得るには、秋まきが最適です。また、病害虫の心配も少なくなるのもメリットといえます。 栽培の基本として、秋まきした時の小松菜のライフサイクルをご説明しましょう。10月頃にタネを播くと、2〜3日で発芽します。その後、間引きながら育成し、45〜60日で収穫できます。なんと、種まきから2カ月以内に収穫できるというわけです! これで「小松菜は栽培しやすい」と言われる理由が分かっていただけたでしょうか。ビギナーには、失敗しない野菜としてぜひ菜園デビューにおすすめします! 小松菜の育て方 ここまで、小松菜の基本情報や栄養素、ライフサイクルなどについて、詳しくご紹介してきました。では、ここからは実践編として、菜園やプランターで栽培する方法をご案内しましょう。土づくりから種まき、日頃の管理、季節に応じた管理、病害虫対策、収穫方法などについて、初心者でも分かりやすいように、詳しく解説していきます。 日当たりや環境 Ryoko Fujiwara/Shutterstock.com 小松菜は、日当たりがよく、風通しのよい場所を好みます。比較的連作に強く、一年を通して栽培できますが、ビギナーなら春か秋に種まきして栽培するのがおすすめです。丈夫で土質を選ばず、寒さに比較的強い植物です。 土づくり blueeyes/Shutterstock.com 【地植え】 種まきの2〜3週間以上前に、小松菜を育てる場所に苦土石灰を1㎡当たり約100〜150g散布し、よく耕して土に混ぜ込んでおきます。 種まきの1〜2週間前に、苦土石灰を施しておいた場所に1㎡当たり牛ふん堆肥2〜3㎏、化成肥料(N-P-K=8-8-8)100〜150gをまいて、土にまんべんなく行き渡るようによく耕しておきましょう。 タネを播く前に土壌改良資材や元肥となる肥料を施しておくことで、時間をかけて分解されて土が熟成します。タネを播く頃にはよい土壌に育っているので、あらかじめ土づくりをしておくひと手間が、収穫成功への第一歩となりますよ! 【プランター栽培】 葉菜類の野菜用にブレンドされた市販の培養土を使うと便利です。 種まき Miyuki Satake/Shutterstock.com 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、幅60cm、高さ5〜10cmの畝をつくり、小松菜を2列分育てることにします。条間(小松菜の列の間隔)を約15cm取って、深さ1cmのまき溝を2列分つけましょう。園芸用の支柱などの棒を埋め込んで凹みを設けるのがおすすめ。まき溝に約1cmの間隔を取って、タネを播きます。溝の両側から土を寄せて、軽く表土を押さえておきましょう。最後にたっぷりと水やりをします。はす口をつけたジョウロで高い場所から水をまき、タネが水圧で流れ出さないようにするとよいでしょう。 家庭菜園では、一度にたくさんの種まきをすると、消費が追いつかなくなってしまいます。1週間〜10日くらいの間隔をおいて、少しずつタネを播く「ずらしまき」をするのがおすすめです。 【プランター栽培】 土の容量が10ℓほど入る、標準サイズのプランターを用意し、小松菜を2列分育てることにします。 プランターの底穴に鉢底網を敷き、底が見えなくなるくらいまで鉢底石を入れます。野菜用にブレンドされた培養土に、元肥として用土10ℓ当たり化成肥料(N-P-K=8-8-8)を大さじ2ほど混ぜ込んでプランターに入れましょう。水やりの際にあふれ出さないように、ウォータースペースを鉢縁から2〜3cm残しておきます。 条間を約10cm取って、深さ1cmのまき溝を2列分つけましょう。園芸用の支柱などの棒を埋め込んで凹みを設けるのがおすすめ。まき溝に約1cmの間隔を取って、タネを播きます。溝の両側から土を寄せて、軽く表土を押さえておきましょう。最後に鉢底から流れ出すまでたっぷりと水やりをします。はす口をつけたジョウロで高い場所から水をまき、タネが水圧で流れ出さないようにするとよいでしょう。 間引き Ryoko Fujiwara/Shutterstock.com 【地植え・プランター栽培】 発芽して本葉が1〜2枚ついたら、3〜4cm間隔になるように間引きます。弱々しい苗や、葉に傷がついている苗などを選んで抜きましょう。 さらに育って、本葉が3〜4枚ついたら、5〜6cm間隔になるように間引きます。 間引いた苗は、ベビーリーフとして利用できます。味噌汁やサラダなどにおすすめです。 水やり Zoom Team/Shutterstock.com 【地植え】 地植えの場合は、下から水が上がってくるので、天候にまかせてもよく育ちますが、雨が降らずに乾燥が続くようなら、適切に水やりをして補いましょう。 【プランター栽培】 土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えます。特に梅雨明け後の高温期は乾燥しやすいので、朝夕2回の水やりを忘れずに行いましょう。高温の真昼に水やりすると、すぐにお湯状になって地温が上がり、かえって株が弱ってしまうので、必ず涼しい時間帯に与えることが大切です。冬は土が乾きにくくなるので、土の湿り気具合をよく見て、乾いていたら与えます。 追肥 Singkham/Shutterstock.com 【地植え】 2回目の間引きをする際に、化成肥料(N-P-K=8-8-8)を1㎡当たり30gほど小松菜の列の間にまいて追肥します。移植ゴテで軽く耕して土になじませ、小松菜の株元に土を寄せましょう。 【プランター栽培】 草丈が7〜8cmに育ったら、化成肥料(N-P-K=8-8-8)大さじ1杯程度を目安に、株の周囲全体にばらまいて追肥します。移植ゴテで軽く土になじませ、小松菜の株元に土を寄せましょう。 注意したい病害虫 Peter Turner Photography/Shutterstock.com 病気は、葉にいびつな粉状の白い斑点が現れる白さび病、苗が地際でくびれて枯れる苗立ち枯れ病に注意。「小松菜は連作に比較的強い」とよくいわれますが、長期に連作栽培すると病気が発生しやすくなるので、適宜に輪作を心がけるようにしましょう。 害虫は、アオムシ、アブラムシ、コナガ、ハモグリバエ、キスジノミハムシなどが発生しやすくなります。春から秋にかけて、害虫が発生しやすい時期は、畝やプランターに支柱をアーチ状に仕立てて、防虫ネットをかけて被覆しましょう。物理的に害虫が外から侵入するのを防除できるので安心です。小さい虫も侵入できないように、網目が0.8mm以下の目の細かい防虫ネットを選びましょう。 小松菜の冬栽培のポイント ESOlex/Shutterstock.com 一年中種まきができる小松菜ですが、冬は土壌が凍結しない暖地に限ります。冬は発芽後に霜や雪、寒風などによって葉が傷んだり、トウ立ちしたりすることがあるので、被覆資材を使って対策するとよいでしょう。種まき後に不織布をべたがけしておき、苗が育ってきたら、支柱をトンネル状に設置し、ビニールをかけて保温するとよいでしょう。 収穫方法 yoshi0511/Shutterstock.com 種まきから収穫までの目安は、春・秋まきでは45〜60日、夏まきで25〜30日、冬まきで60〜100日くらいです。 青果店やスーパーでは30cmくらいの大株の状態で流通していることが多いのですが、家庭菜園では、草丈が20〜25cmの頃に収穫するのがおすすめ。若採りしたほうが食感が柔らかく、風味も増して本来の味わいを楽しめます。 収穫する際は、地際の茎の部分を握って一気に抜き取ります。食べる直前まで根を切らないでおくと、鮮度を保てますよ! 保存方法 jreika/Shutterstock.com 収穫後、すぐに根を水で洗い、浅く水を入れた容器に立てて入れておきます。濡らしたキッチンペーパーで包み、保存袋に入れて冷蔵庫へ。 冷凍する場合は、生のまま食べやすい大きさに切って、ジッパーつき保存袋に入れて冷凍庫へ。調理する時は、凍ったまま使ってかまいません。ゆでて粗熱をとった後、しっかりと水気を切って、小分けにしてから冷凍してもOKです。 栄養いっぱいのおいしい小松菜をつくろう! Ryoko Fujiwara/Shutterstock.com この記事では、小松菜の基本情報や栽培方法などを、ビギナーでも分かりやすいように、掘り下げて解説してきました。小松菜は栽培しやすい野菜の一つで、特に秋にタネを播くとより簡単に栽培でき、寒さにあえば甘みも増して美味しくなります。家庭で栽培すれば、草丈20〜25cmで若採りもできるので、より食感のよい小松菜を味わえるのも、醍醐味の一つといえるでしょう。ぜひこの秋から、小松菜の栽培を始めてみませんか?
-
イベント・ニュース

2022年春開催「#バラのフォトコン2022」受賞写真をご紹介
<最優秀賞>「rainylove0314」さん この投稿をInstagramで見る rainylove(@rainylove0314)がシェアした投稿 絶妙に入り混じって咲くバラとクレマチス。どれか一つが茂りすぎることもなく、ちょうどいいバランスで調和し、なおかつところどころに向こうの景色を透かしながら剪定・誘引されており、花景色作りの達人と見えます。側面がフェンス状になったアーチなのでしょうか、複数のバラとクレマチスが誘引されているにもかかわらず決して窮屈な感じはしません。風通しが確保されていることが奥行きのある写真からも分かり、この庭で心地よく育つ植物たちの息吹が伝わってきます。圧巻とか壮観というわけではない、このシーンの愛らしいサイズ感にも心が掴まれました。このワンシーンが生まれるまでの、いろいろな工夫や植物への愛情も読み取れます。こんな素敵な風景を自分の手で作って暮らすという、ガーデニングの喜びや楽しさを伝えてくれる一枚を最優秀賞に選びました。 最優秀賞のrainylove0314さんには、英国製のウィリアム・モリスの鉢(提供:澁谷商店)とガーデニングナイフ(提供:浅野木工所)をお贈りいたしました。おめでとうございます! <編集長賞>「tearosescent」さん この投稿をInstagramで見る tearose(@tearosescent)がシェアした投稿 まるで一服の絵画を思わせる写真に心奪われました。パーゴラにつるバラが優雅に絡み、視線の先で隣家を隠すフェンスにも何種かのバラが咲き、手前ではラベンダー色のバラが枝垂れ咲いています。寒さが厳しい冬につるバラのトゲと格闘しながら剪定や整理をされて、この時を待ちわびて訪れたベストシーズン。庭主さんがブルーの椅子に座ってバラの香りに包まれ、至福の時間を過ごされている光景が目に浮かびます。太陽光を受け止めて透ける葉色と影の色、その中に浮かび上がる愛らしい花色。咲かせすぎず、目に心地よい風景づくりに好感を持ち、編集長賞に選ばせていただきました。取材に行くのが楽しみです!/編集長倉重 編集長賞のtearosescentさんには、河本麻記子さんが作出した‘アジュール’の大苗をお贈りし、ガーデンストーリー編集部が取材&撮影に伺いました。おめでとうございます! <ディレクター賞>「keikorosecat」さん この投稿をInstagramで見る keikorose(@keikorosecat)がシェアした投稿 中輪カップ咲きで存在感のある‘ジャスミーナ’と、小輪一重咲きでひたむきに広がる‘バレリーナ’。ピンク色の2種のバラのバランスと調和が絶妙で、なんとなく“友情”という言葉が浮かんできました。奥に見えている赤や紫の色合いが、より今回の主役の2種を引き立ててくれています。投稿時のご本人のコメントによると、こちらは「4つ目のアーチ」とのこと。ほかの3つのアーチはどんな風だろう…とお庭の全貌への興味も湧いてくる1枚でした。/ディレクター元戎 ディレクター賞のkeikorosecatさんには、プランツタグ(提供:ベルツモアジャパン)に、美しいカリグラフィーでご希望の文字(提供:癒しのリラックスカリグラフィー教室)を書いたオリジナルプランツタグ2点をお贈りいたしました。おめでとうございます! <優秀賞>「rico.rico.m」さん この投稿をInstagramで見る 🌷りーこ🌷(@rico.rico.m)がシェアした投稿 横浜イングリッシュガーデンの名シーン。連続するバラのアーチが作るバラのトンネルが有名ですが、水平垂直をきっちり捉え、手前に葉っぱを入れたダイナミックな構図で、その場にいるような感動が味わえます。ご本人もおっしゃるとおり、こんなバラの最盛期に人が入らない写真を撮るのはほとんど不可能ですが、この日は雨模様で貴重な一枚が撮れたとのこと。きっと何度も通っていればこその傑作だと思います。植物は滴をまとうといっそう美しく見えることがあるため、私たちもあえて水をかけて撮影することもありますが、この連続アーチの緑もしっとり、花色も鮮やかに映し出され美しさが増しています。年々、入場者数が増える横浜イングリッシュガーデン、雨の日は狙い目かもしれませんね。 <優秀賞>「nonbiri_nonno92」さん この投稿をInstagramで見る のんの(@nonbiri_nonno92)がシェアした投稿 思わず笑顔になりました。両手をきちんと前で揃えてお行儀よく座った、小さなお嬢さんの‘ちょこんと感’がなんとも愛らしいです。手前にバラがぼやけて入れてありますが、画角のなかが花でいっぱいになるいい場所を見つけられましたね。撮影者さんは結構、離れた距離にいて、「はいこっち向いてー」「笑ってー」など、声をかけていることでしょう。どんなにこのお嬢さんが可愛がられているかが想像できます。愛しい人を素敵な場所で、素敵に撮って写真に残したいという思いに触れることができ、写真を見ているこちらまでなんとも幸せな気持ちになります。年頃になると写真を撮らせてくれなくなる時期もあるものですが、同じ場所に座る大きくなったお嬢さんの写真も見たいなぁと思うとともに、お嬢さんとご家族の幸せを願います。 優秀賞のrico.rico.mさんとnonbiri_nonno92さんには、神奈川・横浜市の「横浜イングリッシュガーデン」年間パスポートをはじめとした特典つき「YEGメンバーズクラブ」会員資格(一年間有効)(提供:横浜イングリッシュガーデン)とミニサイズのガーデンツール3点セット(提供:浅野木工所)をお贈りいたしました。おめでとうございます! <特別賞>「yoshirou.46」さん この投稿をInstagramで見る しろ(@yoshirou.46)がシェアした投稿 大型のバラのアーチのちょうど真ん中に太陽をとらえた瞬間ですが、バラの開花具合、お天気、雲間から太陽が出るタイミング、人がいなくなる瞬間など、クリアしなければいけない条件が多くあり、長く時間をかけて撮られた一枚なのかなと思います。構造物のラインも歪みなく中央におさめられており構図も完璧。ファインダーの上部に額縁のようにバラを配置することで、満開感を強調して華やかな印象を出しながらも、逆光によってバラだけでなく自然の美しさが映し出された壮観な一枚。太陽の光を受けグラデーションになった雲や、光を受けて輝く道など、まるで西洋絵画のようです。この写真を見ると、この公園がとてもよく考えられたデザインであることが改めて分かります。 <特別賞>「usakofleur」さん この投稿をInstagramで見る kaori Enomoto(@usakofleur)がシェアした投稿 白い紙の上にバラの花首を並べて、品種名を書き入れたマイガーデンのバラ図鑑。庭のバラでこんな花遊びができたら楽しいですね。バラのある暮らしをとても楽しんでいらっしゃることが伝わります。中輪から小輪のシュラブ樹形のバラが雰囲気よく並べられてあり、この組み合わせを見るだけでも素敵なバラのお庭が想像できます。最盛期を過ぎて褪せた花も美しく感じられるのは、センスのよさの賜物です。 <特別賞>「just_follow.my_heart」さん この投稿をInstagramで見る ©HIKARU(@just_follow.my_heart)がシェアした投稿 かわいい! その一言に尽きます。なんてお行儀よく座ってお利口さんにカメラを見つめているのでしょうか。ただ、私たち編集部は知っています。ワンちゃんをこのように撮るのが簡単ではないことを。たいていの場合はジッとさせておくのに一苦労で、そのうえカメラに目線をもらうために必死に声かけをすることになります。バラのお庭は素敵なフォトスタジオですね。モッコウバラの花枝が枝垂れる空間に灯りをプラスして、花のふわふわ&灯りのキラキラがメルヘンチックで2匹にぴったり。 <特別賞>「emuzupapa」さん この投稿をInstagramで見る 松渕仁(@emuzupapa)がシェアした投稿 撮影の順番待ちができそうな庭のフォトスポットですね。ベンチの手前にも奥にも庭が続くところから、なかなか広いお庭であることが想像できます。広い庭ではこうしたベンチやアーチなどの構造物を使って、所々にフォーカルポイントを設けると庭の風景に変化が生まれ、歩くのも楽しいものです。庭は外部空間と接しているため、電線や隣家の給湯器など意図しないものが見えがちですが、雰囲気を壊すものが見えないように、つるバラを使って庭を立体的に演出し、風景を上手にコントロールされているように思います。お庭づくりのヒントがいっぱいもらえる写真です。 <特別賞>「bluemoon_cottage」さん この投稿をInstagramで見る Bluemoon Cottage(@bluemoon_cottage)がシェアした投稿 夜のローズガーデンを写した幻想的な一枚です。建物の壁を這い登り、埋め尽くすように咲くバラが見事。手前の植栽がシンプルなグラス類で構成されているため、夜景ながらピンクのバラが際立って見えます。昼間もきっと見事な風景に違いありませんが、夜の灯りに浮かぶ庭の風景は、楽しい想像を掻き立てます。あのバラに囲まれた扉の向こうでは、誰がどんなふうに暮らしをしているのか。可憐なお姫さまか、はたまた魅惑の魔女か…。勝手な想像を巡らせてワクワクします。 特別賞のyoshirou.46さん、usakofleurさん、just_follow.my_heartさん、emuzupapaさん、bluemoon_cottageさんには、クラシックなフォルムのハンドサイズが特徴のハンドスコップまたはハンドフォーク(提供:浅野木工https://asano-mokkousho.co.jp/language/ja)をお贈りしました。おめでとうございます! <佳作>「_nanohana_2021」さん この投稿をInstagramで見る @_nanohana_2021がシェアした投稿 ピンクのグラデーションが美しいバラは‘ピエール・ドゥ・ロンサール’。世界バラ会議で殿堂入りした名花ですが、一輪でもさすがの美しさ。花が乗っているのはルバーブポットという蓋つきの特殊なテラコッタポットのようです。花枝が伸びてきたのか、ユニークなシチュエーションで目を引きました。 <佳作>「chiiiii_2021」さん この投稿をInstagramで見る CHIKA(@chiiiii_2021)がシェアした投稿 ふわふわと咲くキモッコウ、キラキラと輝く春の陽光、あどけない幼児の仕草。お子さんへの暖かな眼差しと、穏やかな日常への愛おしさをファインダーのこちら側に感じます。子育ては悩みも苦労もないわけはありませんが、すべての子がこんな春の陽だまりに包まれ育っていってほしいと願います。 <佳作>「k_shikuramen」さん この投稿をInstagramで見る kaho(@k_shikuramen)がシェアした投稿 爽やかな緑を背景に、枝垂れた枝先に咲くバラがよく映えますね。小輪のバラの横顔は、愛らしくも慎ましやかな雰囲気。花の女王といわれるバラにもさまざまな表情があり、どんな花にカメラを向けるのか、人それぞれに違うのも面白いものです。 <佳作>「ynnymilk」さん この投稿をInstagramで見る 𝕞𝕚𝕝𝕜(@ynnymilk)がシェアした投稿 絞り咲きのバラの代表‘バリエガータ・ディ・ボローニャ’。雨粒をまとって静かに咲きながらも、幾重にも重なる花弁は濃密なダマスクの香りを内包しており、そのドラマチックな香りを思わせるアップがいいですね。 <佳作>「tukusi01」さん この投稿をInstagramで見る Tukusi01(@tukusi01)がシェアした投稿 一面に広がるバラの野と雄大な富士山におおーっと感嘆の声が漏れました。白糸自然公園という場所のようですが、香りも楽しめる富士宮市の絶景スポットの一つではないでしょうか。バラもたくさんつぼみをつけて元気いっぱい! なんだかいいことが起こりそうな縁起のいい写真です。 <佳作>「shian0131」さん この投稿をInstagramで見る Mari(@shian0131)がシェアした投稿 淡いクリームイエローの‘ティージング・ジョージア’と‘ミツコ’。2つとも強香に分類されるバラで、‘ミツコ’の名前はフランスの「ゲラン」が1919年に発表した香水「ミツコ」に由来します。切り花のバラには香りがないものが多いので、こんな香り豊かなバラのブーケは、育てた人の特権ですね。 <佳作>「nocturne62」さん この投稿をInstagramで見る nocturne62(@nocturne62)がシェアした投稿 2022年にリニューアルオープンした「ぎふワールド・ローズガーデン」のローズテラスとバラ回廊。中央の大型ガゼボは晴れているとこんなふうに地面にもバラを描き出してくれるのですね。月日を追うごとにガゼボがバラで覆われ、広い園内に貴重な木陰も作ってくれるのでしょう。リニューアル一年目でまだまだこれからですが、赤いバラを画面手前に配置して華やかさを上手に演出しています。 <佳作>「myu_rosegarden」さん この投稿をInstagramで見る みゅう(@myu_rosegarden)がシェアした投稿 紫色の雲のようにふわふわと頭上を彩るのは‘マニントン・モーブ・ランブラー’。フェンスには淡い紫色の‘レイニーブルー’が咲き広がり、華やかながら紫色で統一してあるシックでおしゃれな雰囲気です。構造物のカラーも植物と馴染んで素敵ですね。バラの回廊になるはず、とのこと楽しみです! <佳作>「animauni」さん この投稿をInstagramで見る Anima uni(@animauni)がシェアした投稿 撮影者さんいわく「泣きだしそうな空に朝焼けを一滴たらしたような、もわんとした、なんとも形容し難い色をしている」 ‘ガブリエル’。ミニマムな白い空間が、繊細ながら個性の強いバラの表情に気づかせてくれます。写真も、そこに添えられた言葉も詩的で印象的。 <佳作>「yumi_rea」さん この投稿をInstagramで見る ゆみれあ(@yumi_rea)がシェアした投稿 ピンクのバラ‘ジャネット’が旺盛に育って花盛りのアーチ。庭への入り口でしょうか、一人が通れるくらいの幅のコンパクトなアーチには小型のつるバラとして扱えるシュラブがぴったりですね。下草のオルラヤが大輪のバラを引き立ててロマンチック。バラと交代に株元に茂ったアナベルが咲いてきても、きっと素敵でしょう。四季を通じた楽しみがありそうです。 佳作の_nanohana_2021さん、chiiiii_2021さん、k_shikuramenさん、ynnymilkさん、tukusi01さん、shian0131さん、nocturne62さん、myu_rosegardenさん、animauniさん、yumi_reaさんには、「マイローズばらの活力剤 480ml」と「マイローズばらの肥料 700g」(提供:住友化学園芸)をお贈りしました。おめでとうございます!
-
果樹

晩秋が植えどき! ‘おうちベリー’を育てよう
庭で育てられるベリーいろいろ ベリーにはさまざまな種類があり、それぞれ性質や育ち方が異なりますが、共通しているのはどれも生育旺盛ということ。むしろよく育ち過ぎるくらいで、地植えの場合は勢いをコントロールする事の方が育てるコツになります。 例えば、フランボワーズの名でも知られるラズベリーやブラックベリーは地植えの場合、1年で2mほど枝を伸ばすこともあり、しなやかな枝をフェンスなどに誘引し、つる植物として活用されます。どちらもバラ科キイチゴ属の植物なので、春には野バラによく似た可愛らしい花をたくさん咲かせます。 一方、カシス、カラント、フサスグリなど複数の呼び名で親しまれるスグリ類は、高さ2m前後の茂みになる低木です。花はごく小さな緑色で目立ちませんが、その後、枝いっぱいに艶やかな赤や黒の小さな実が鈴なりに実る様子は、ベリーの中でもひときわ美しい光景です。 どのベリーも魅力的ですが、環境に合わせた種類を選ぶことが‘おうちベリー’成功の秘訣。最適なベリーを選ぶためのいくつかのポイントをご紹介します。 ベリー選びPoint 1「一本で実るかどうか」 ベリーには一本で実がつくものと、2本以上なければ実らないものがあります。基本的に果実が実るには「受粉」が必要ですが、一本で実るものは「自家結実性(じかけつじつせい)」といって自分の花粉だけで受粉し、実がなります。それに対し、受粉に2つ以上の品種を必要とする「交配親和性(こうはいしんわせい)」と呼ばれるものがあります。ほとんどのベリーは一本で実りますが、ブルーベリーは異なる2品種を必要とする場合が一般的です。育てられるスペースや手間などを考慮し、選択するとよいでしょう。 ベリー選びPoint 2「つる性か木立性か」 ブラックベリーは品種によって枝が7~8m近く伸びるものがあり、フェンスやアーチなどの構造物に絡ませると花も実なりの様子も美しく眺められ、摘み取りやすいという利点もあります。ラズベリーは多くの品種は2m前後ですが、つるが暴れやすいので同様に枝を誘引する構造物があったほうが管理しやすいでしょう。鉢植えの場合にもトレリスやオベリスクを利用したほうが美しく仕立てられます。 一方、カラント類など木立になって自立できるものは、鉢植えで育てやすいのでベランダガーデンにもオススメです。鉢の大きさに比例して木も大きく成長し、収穫量も変わります。 ベリー選びPoint3「トゲの有無」 ブラックベリー、ラズベリーは品種によってトゲの有無に違いがあります。レッドカラントやブラックカラントにはトゲがありませんが、同じスグリ科のグーズベリー(上の写真)には鋭いトゲがあります。例えば防犯用であればトゲあり、小さなお子さんと摘み取りを楽しみたいならトゲなし、という選択ができます。トゲありを選ぶ場合には、手入れ用のレザー手袋も揃えることをオススメします。 ラズベリーのトゲなし品種/‘グレンモイ’、‘グレンアンプル’ ブラックベリーのトゲなし品種/‘ソーンフリー’、‘トリプルクラウン’ ベリー選びPoint4「果実以外の四季の楽しみ」 ベリーが実る季節は初夏から夏にかけての約一カ月。それ以外の季節でも楽しみたいなら、花の可愛らしいものや、紅葉の美しい種類を選ぶとよいでしょう。近年、人気が高いのはジューンベリーの名で親しまれるアメリカザイフリボク(上写真)。春に木全体を覆うように咲く真っ白な花と夏の甘い果実、秋の紅葉と見所の多い樹木です。2~3mの低木から10mほどの高木までさまざまな園芸品種があり、高木はシンボルツリーとしてしばしば家庭の庭にも取り入れられています。 おすすめのベリーを「味と育てやすさで選ぶ おすすめのベリー類6選」のページでご紹介しています。 Photo/ 1)Agnes Kantaruk/ 2)udra11/ 3)Baisa/ 4)Wolf__/ 6)MarGi/Iva Vagnerova/mahey/ Shutterstock.com
-
おすすめ植物(その他)

夜に咲く花や夜にいい香りを放つ花の特徴は? 具体的な花の種類もご紹介!
夜に咲く花や夜に香りが強くなる花の特徴は? 夜に開花する植物のほとんどは、熱帯〜亜熱帯地域が原産です。これは、暑い地域では夜に活動する昆虫などが多数いるため。開花したのちに受粉を媒介する者として、夜に活動する昆虫などをターゲットとし、種の保存戦略を高めてきたのです。花色に白や黄色が多いのは、暗がりでも目立つようにするためです。また、夜に咲く花は、甘くて濃厚な香りや蜜を持つものが多いのですが、これも媒介者を効率よく呼び寄せるために進化してきたものとされています。 夜に咲く花は、暑い地域に自生してきたものが多いので、栽培の際に注意したいのは、冬の寒さ対策です。鉢栽培を基本にして冬は室内に取り入れ、日当たりがよい場所で管理しましょう。夜の気温低下にも注意し、なるべく一日を通して気温の変化がないようにすることもポイントです。 夜に花を咲かせる(香りが強くなる)多年草・一年草・球根 草花に分類される多年草・一年草・球根植物の中から、夜に花を咲かせるものをピックアップしました。基本情報や管理のポイントを解説します。 月下美人 サボテン科エピフィルム属の多年草です。月花美人の開花期は7〜10月で、12〜13cmほどの大きな花を咲かせます。花色は白で、花弁を重ねる豪華な花姿が魅力的。夜に開花し始めて甘い香りを放ち、朝までにはしぼんでしまう一日花です。 原産地はメキシコを中心とした中南米。サボテンの一種で、高温多湿の森林内で自生してきた植物です。寒さに大変弱く、冬でも8〜10℃は必要なので、鉢栽培を基本とし、季節に応じて適地へ移動しながら管理します。草丈は100〜200cm。もともとは樹木の幹に根を張り、下向きに葉を枝垂れさせるようにして生育する特性があり、草姿が乱れやすいので支柱を立てて誘引するとよいでしょう。あまりに大きくなって持て余すようなら、シュートが100〜150cm伸びたところで先端を摘み取り、高さを抑えます。 オシロイバナ オシロイバナ科オシロイバナ属(ミラビリス属)の多年草です。日本では寒さに耐えられずに越年できないので、一年草として扱われています。開花期は6〜10月で、花色はピンク、白、赤、オレンジ、黄、複色など。ほのかに上品な甘い香りを持っています。花は夕方から咲き始めて翌朝まで開花。午前中にはしぼんでしまう短命な一日花ですが、次々と咲くので花がらをまめに摘み取り、株まわりを清潔にしておきます。 原産地はペルーなどの熱帯アメリカで、暑さに強い性質を持っています。草丈は30〜100cm。こぼれ種で増えて雑草化するほど強健な生命力を持ち、放任してもよく育つのでビギナーにおすすめです。植え付けの適期は6〜8月。日当たりと風通しのよい場所を選んで植え付けます。 ヨルガオ ヒルガオ科ヨルガオ属の多年草です。日本では寒さに耐えられずに越年できないので、一年草として扱われています。開花期は8〜9月。夕方からアサガオに似た花径10〜12cmの大きな白い花が咲き、甘い香りもあります。翌朝にはしぼんでしまう一日花ですが、開花期間中は次々に開花して長く楽しめます。ユウガオという名前で販売されていることもあります。 原産地は南アメリカのつる性植物です。つるを4〜6m伸ばすので、支柱やネットをしつらえて誘引して仕立てます。つるが硬いので、多少強引に誘引してもかまいません。暑さ対策として南側の窓前にネットを張って広く誘引すれば、グリーンカーテンとしての利用も可能。日当たりのよい場所を好むこと以外は、放任してもよく育つ丈夫な性質で、ビギナー向きです。 チューベローズ リュウゼツラン科ゲッカコウ属の球根植物です。開花期は7〜9月で、花色は白。花茎を長く立ち上げ、6弁花を多数咲かせて穂状になります。甘いフローラル系の香りで、夜になるとより濃く香るのが特徴的。香水の原料にもなっています。 原産地はメキシコで、暑さに強く寒さに弱い性質を持っています。十分気温が上がった春に植え付け、初夏から初秋に向けて開花。地上部が枯れた頃に球根を掘り上げて、バーミキュライトを入れた箱に埋め入れ、10℃以上の場所で管理します。越年後また春が来たら植え付ける……というサイクルで毎年楽しめる草花です。草丈は60〜100cmになり、花茎を長く伸ばすので、支柱を立てて誘引しておくとよいでしょう。やや湿り気のある土壌を好むので、特に真夏は水切れしないように管理するのがポイントです。 マツヨイグサ アカバナ科マツヨイグサ属の多年草です。ツキミソウとして認識されていることが多いのですが、誤認が広まってしまったためで、この夜に咲く黄色い花はマツヨイグサです。開花期は6〜8月で、花色はレモンイエロー。花径3cmほどの小花で、夕方から咲き始めて朝にはしぼみます。草丈は10〜30cmです。 原産地は南アメリカで、繁殖力が強く放任してもよく育ちます。むしろはびこりすぎるきらいがあるので、周囲の草花との調和を乱すようであれば、抜いて調整するとよいでしょう。いくつかの種類があり、オオマツヨイグサは、草丈が1〜1.5mにもなって葉を大きく広げ、花径8cmくらいの比較的大きな花が咲きます。メマツヨイグサの花径は2〜5cmで、繁殖力が強くて野生化しやすいので注意が必要。コマツヨイグサも強健ではびこりやすい性質で、花径は2〜3cmほどです。 カラスウリ ウリ科カラスウリ属の多年草です。開花期は7〜9月で、陽が落ちた頃から開花し始めます。花色は白で、4〜6弁花が反り返るように開花。大変ユニークな花姿で、白い花弁の縁は細い糸状になってレースのように見えます。夜に開花するのは、受粉のために夜に活動する蛾を呼び寄せるためで、花は朝を迎える頃には、もうしぼんでいます。 原産地は中国、日本。昔から日本の野山で自生してきた植物だけに、寒さにも強く丈夫でほとんど管理の手間がかかりません。つる性植物で、他者につるを絡ませながら生育するので、支柱やフェンス、ネット、アーチなどに仕立てて誘引する必要があります。10〜11月に直径5〜7cmのオレンジまたは朱色の果実がつきます。雌雄異株で、実をつけるのは雌株のみです。地下に塊根を持っており、冬は地上部を枯らして休眠しますが、枯れたわけではなく越年して春になると再び生育し始めます。12〜3月が植え付け適期で、塊根を入手して植え付けます。 夜に花を咲かせる(香りが強くなる)低木〜高木 樹木の中から、夜に花を咲かせるものをピックアップしました。基本情報や管理のポイントを解説します。 マツリカ モクセイ科ソケイ属の多年性つる植物です。開花期は7〜9月で、花径2cmくらいの肉厚な白い花が咲きます。夕方から咲き始め、翌朝にはややピンク色を帯び、やがてしぼんでしまう一日花です。一重咲きと八重咲きがあります。ジャスミンの一種でもあり、強い香りを放つのが特徴です。香料用として栽培され、またジャスミンティーの材料となっています。 原産地は熱帯アジアで暑さには強く、寒さに弱い性質を持っています。冬でも10℃以上は必要なので、鉢栽培を基本とし、季節に応じて適地へ移動しながら管理するとよいでしょう。つるを伸ばして生育し、自然界では150〜300cmになります。鉢栽培では剪定や切り戻しによって樹勢をコントロールし、手に負える範囲で栽培するのがおすすめ。オベリスクやあんどん仕立て用などの支柱を設置し、つるを誘引しながら管理しましょう。常緑の植物で冬もみずみずしいグリーンを楽しめますが、寒さによって地上部を枯らすことがあります。しかし地下の根は生きていることがあるので、翌春に生育し始めるのを待ってみてください。 イエライシャン ガガイモ科テロスマ属の多年性つる植物です。開花期は6〜9月で、花径2cmくらいの星形の花が咲きます。花色は咲き始めの黄緑色からオレンジ色へと変わります。咲き進むと上品な甘い香りを放ちますが、夜になると香りがより強くなります。しかし真夜中になると甘い香りはなくなるなど、時間帯によって香り方が変わる神秘的な植物です。イエライシャンは中国語で、漢字で書くと「夜来香」。日本ではトンキンカズラの別名があります。 原産地は中国やベトナムなどで、暑さには強く、寒さに弱い性質を持っています。冬でも10℃以上は必要なので、鉢栽培を基本とし、季節に応じて適地へ移動しながら管理するとよいでしょう。つるを伸ばして生育し、自然界では4〜5mになります。鉢栽培では剪定や切り戻しによって樹勢をコントロールし、手に負える範囲で栽培するのがおすすめ。オベリスクやあんどん仕立てに使う支柱などを設置し、つるを誘引しながら管理しましょう。肥料を好むので、生育期は定期的に緩効性化成肥料を与えて、株の勢いを保ちます。ただし、冬は生育が止まるので、肥料は与えずに管理してください。 ヤコウボク ナス科ケストルム属の常緑性低木です。開花期は6〜11月で、星形の花が咲きます。花色はグリーンを帯びた白。一つひとつの花は小さく、やや地味な印象ですが、多数の花を咲かせ、濃厚な甘い香りを漂わせて存在感を強めます。夜に一層強く香り、「ナイトジャスミン」の別名を持っているほどです。強烈といってもいいほど香るので、強い香りを長時間感じていると頭痛を起こしやすい敏感な方は、開花期には室内に入れないほうが無難です。 原産地は西インド諸島で、暑さには強く、寒さに弱い性質を持っています。冬でも5℃以上は必要なので、鉢栽培を基本とし、季節に応じて適地へ移動しながら管理するとよいでしょう。自然樹高は100〜300cmになりますが、剪定や切り戻しによって樹勢をコントロールし、手に負える範囲で栽培するのがおすすめ。花が咲き終わった枝は切り戻しておくと、側枝を伸ばして再び開花します。 サガリバナ サガリバナ科サガリバナ属の常緑高木です。開花期は7〜9月で、花茎が下に向かって30〜50cm伸びて多数の花を連ねます。花色は白〜淡いピンクで、糸状に長く伸びる雄しべが放射状に展開し、ふわふわとした花姿が特徴です。太陽が沈む頃から開花し始め、完全に日が落ちて暗くなった頃に満開になります。翌朝、日が昇り始める頃にすべての花を落とす一日花です。開花すると、バニラのような甘い香りを漂わせます。 原産地は東南アジア〜太平洋で、日本では沖縄など南西諸島に自生。暑さには強く、寒さに大変弱い性質を持っています。冬でも15℃以上は必要なので、鉢栽培を基本とし、季節に応じて適地へ移動しながら管理するとよいでしょう。 ニオイバンマツリ ナス科バンマツリ属(ブルンフェルシア属)の常緑性低木です。開花期は4〜7月で、花径は3〜4cmの5弁花が多数咲き、満開時には木を覆い尽くすほどになり、見応えがあります。咲き始めは紫色ですが、だんだん褪色してやがて白へ変化します。そのため1本の木で紫から白の複色の花色を楽しめ、大変華やかです。花からは芳醇な甘い香りが漂い、夜に香りが強まります。 原産地はブラジル南部やアルゼンチンで、約40種が分布。熱帯性の花木のため、暑さには強く、寒さには弱い性質を持っています。冬でも5℃以上は必要なので、鉢栽培を基本とし、季節に応じて適地へ移動しながら管理するとよいでしょう。開花期は水を欲しがるので、水切れには注意。生育旺盛で樹形が乱れやすいので、花後すぐを目安に、適宜切り戻して管理します。 香りも楽しめる夜に咲く花! 夜に咲く花は、意外にたくさんありますよね! 開花期になったら、夕方から室内に取り込んで、咲き進んでいく姿を観察するのも楽しいもの。多くは夏に開花期を迎えるので、お子さんのいる家庭では、夏休みの自由研究のテーマにしても面白いかもしれません。ぜひ夜に咲く花を栽培して、花姿や香りなどを愛でてみてはいかがでしょうか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。



















