スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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地域の取り組み

「花のまち」としてブランド力を上げる北海道恵庭市で開催中「ガーデンフェスタ北海道2022」
第39回全国都市緑化フェア「ガーデンフェスタ北海道2022」開催中 緑の大切さを認識し、緑がもたらす豊かな暮らしのある街づくりをすすめるための普及啓発事業として建設省(現・国土交通省)が提唱し、1983年(昭和58年)から全国各地で場所を変えて行われている花と緑の祭典、全国都市緑化フェア。今年は、北海道恵庭市が舞台となり、6月25日(土)から7月24日(日)まで開催されます。 フェア開催地の北海道恵庭市は、新千歳空港からJRで13分とアクセスがよく、都市機能と田園環境が共存する住みやすい街として住民に愛されています。また、個人の庭を一般に公開するオープンガーデンが盛んで「ガーデニングのまち」としても全国に知られています。ガーデニングに親しみが深い恵庭市で開催されることから、「ガーデンフェスタ北海道2022」は、メイン会場の「はなふる」と、その近隣地域「恵み野」もまちなか会場に。見学場所が幅広く用意されている花と緑の一大イベントです。 メイン会場は、フェアに先駆けてオープンした花の拠点「はなふる」です。ここは、もともと国道沿いで車でのアクセスもよく、年間の来訪者が約100万人を超える人気の施設「道と川の駅 花ロードえにわ」がありました。しかし、旅行者がもっと気軽に花と触れ合うことができる公共的な場所に変えようと整備が行われ、敷地を大幅に拡大して、2020年11月に新しい花のスポットが誕生したのです。 「はなふる」誕生までの整備監修は、「大雪森のガーデン」や「十勝千年の森」を手がけた実績のある高野ランドスケーププランニングの村田周一さんが担当。「訪れた人々には、四季折々の花や樹木の美しさを観賞するだけでなく、遊びながら自然の豊かさや変化を全身で感じてもらいたい」という願いが込められ、完成後も適切な管理がされて美しさを保つ、未来のガーデンを目指しています。 未来に残る庭を目指す7つのテーマガーデン 約9.4haの広大な土地に誕生した花の拠点「はなふる」には、「道と川の駅 花ロードえにわ」などの施設やホテルに加え、異なったコンセプトをもつ7つのガーデンが誕生しました。デザインしたのは、北海道で今活躍する12人のガーデナー。訪れた人が誰でも自由にプロの庭に触れることができる贅沢な試みです。それぞれのガーデンに込められたメッセージをご紹介します。 グラベルガーデン ガーデンデザイン:上野砂由紀(上野ファーム) テーマ:発見の庭 グラベルとは砂利のことで、ピートモスをブレンドした砂利を使い、ローメンテナンスながらも美しく健やかに植物が咲き継ぐ可能性を探る庭です。土を使わないことで、雑草が繁茂するのを抑制できるというメリットがあります。また、砂利をブレンドした土壌環境で育つのは乾燥に強い植物で、雨が少なくても育つというのも特徴です。土壌環境や地域の気候に合わせて選ぶため植物は限られますが、条件をクリアするために試行錯誤を重ねれば庭は維持できることを伝えています。 上野さんが長年庭を作り続けている旭川でも、去年の夏は雨が降らず、例年通りにはいかないという経験もありました。こういった近年の想像を超える気候変動に合わせて、いろいろなことを考えながら植物を育てていかなくてはならないと上野さん。 環境に合わせた植物を正しく選ぶことで、どんな場所でも花を楽しみ、庭づくりができるという可能性を発見するガーデンです。こぼれ種から育つものも大切にしながら、植物自身の力で変化していく庭の様子も季節の巡りの中で感じることでしょう。庭づくりをする人にとって、この庭が新しい発見の場になることを願っています。 大きなカステラが焼けるお庭 ガーデンデザイン:柏倉一統(キノ花園計画) 佐藤未季(未季庭園設計事務所) テーマ:楽しいピクニックとゆっくり本が読める庭 このガーデンは、ダイニングテーブルやライブラリー、小さな芝生の広場、小さな果樹園、木立と草原というエリアに分かれています。シートを広げてピクニックを楽しんだり、寝そべって本を読んだり、大切な人たちとパーティーをしたり、ゆったりと一人の時間を楽しんだり、ヨガをしたり、楽器を演奏したり、駆けっこしたり、ベリーの収穫を楽しんだり。ガーデンで過ごすスタイルは、じつにさまざま。思い思いに過ごしてほしいという想いを込めて設計・デザインされました。 ダイニングテーブルの周りには、差し込む光を意識した、家でも取り入れやすい身近なサイズの細やかな植栽を。並木の花壇の植栽は、わくわくして駆け出したくなるようなガーデンになっています。 この庭をデザインした2人の根幹にあるのは、「ヘルス&ハピネス、人々の健康と幸せの空間」。みんなの笑い声や歌が響き合う、新しい人とのつながりや新しい発見が生まれる気持ちのよい場所であるようにと願う庭です。 えこりん村 キッチンガーデン ガーデンデザイン:前野貴子・後藤司(アレフ 銀河庭園チーム) テーマ:おいしさが実る庭 野菜、果樹、ハーブを観て楽しめるようにとデザインされたキッチンガーデンです。色鮮やかで珍しい野菜や、可愛らしくて美味しい実をつける果樹、古来より薬用や染料として利用されてきたハーブなど、数々の植物が植えられています。見た目の美しさや心地よさだけではなく、野菜が成長していく過程や発見など「見る・知る・楽しい」がたくさん詰まった庭です。 ハンバーグレストラン「びっくりドンキー」を全国に展開するアレフが恵庭市で公開している、エコロジーをテーマにしたえこりん村で。食べられる野菜や果樹が育つ庭だからこそ、何よりも「安全・安心」にこだわり、農薬を一切使わない栽培管理スタイルを、この庭でも徹底して実践。 土づくりもSDGsに配慮。レストランから出る生ゴミと、えこりん村で飼育する動物たちのフンや敷き藁、それらを原料にして製造された「オリジナルの完熟堆肥」を使用。環境もエコもテーマにしたキッチンガーデンを提案しています。 プレイグラウンド ガーデンデザイン:新谷みどり・笹川慎太郎(十勝千年の森) テーマ:自然の中の日常を楽しむ 「私たちの日常は植物と共にある」。このプレイグラウンドは、そんな誰かの大切な一日のための場所であることを心にとめ、デザインされています。 地形や水辺、植生のもとある自然を生かしつつ、所々に石を配置。新たな植生が育まれることで、遊びたくなる空間を目指しています。 白樺の芽吹きと緑陰を愛でて歩くウッドランドと、緩やかに起伏する地形に駆け上って日向ぼっこをしたくなるグラスランド。敷地に接する河川、漁川(いざりがわ)へと蛇行する小川に誘われて、小さな池のほとりで飛び石を行くストリーム。 それぞれのエリアをつなぐのは、そこかしこに息づく植物たちと人の時間です。春のスミレとスモモの花、夏のノハナショウブやアヤメ、秋のサラサドウダンの紅葉、そして冬の白樺と雪……というようにこの場所の風景は日々変化します。季節の移ろいを感じながら、この場所でそれぞれの時間を楽しく遊んでほしいと願われた自然体の庭です。 虹色の鳥 ガーデンデザイン:土谷美紀(サンガーデン) テーマ:花と風の丘 「はなふる」の敷地北側にある小高い丘の麓付近で、とても日当たりのよい場所に虹色の鳥があります。恵庭市で多くの苗を生産するナーセリー「サンガーデン」の土谷さんが提案するのは、花数を多く取り入れた“にぎやかな花壇”。空の上から花畑を見下ろすハチドリが、楽しそうにホバリングしているような形もこの庭の特徴です。花のまち恵庭を作ってきた先人が空から見守っているようで、今もそれを繋げている人々や未来の恵庭に、いつも虹色の花が咲いていますようにという感謝を込めて。 春から秋まで長く色を楽しめるようにと、一年草・宿根草・球根・グラスが色ごとに組み合わされています。西日に輝く、黄・橙・桃・茜・紫・碧……。四季折々に変化する植物がじっくり楽しめる花壇です。 ミチノモリ ガーデンデザイン:北村真弓・高林初・田辺沙知(イコロの森) テーマ:四季の移ろいを楽しむ森のさんぽ道 季節によってさまざまな表情を魅せる森をテーマにしたエリアです。雪に覆われる北海道の長い冬までも楽しむことを意識して、カラーステムを多く取り入れています。木々が葉を落とし、モノクロの景色に変わる季節には、幹や枝が赤や黄色、緑のカラフルなグラデーションを見せます。しんとした雪景色の中でその魅力が発揮されて、訪れる人に新しい発見を届けられたらとデザインされました。 長い冬をたくましく生き抜いた先には、春の訪れを告げるスノードロップなどの小さな花が日差しを目いっぱい浴びて林床を飾ります。夏には樹木の枝葉が作る緑陰と、きらきらと風にそよぐグラスの穂、秋には紅葉や黄葉、草紅葉が秋色に燃え上がり、四季折々の表情を魅せます。日々の忙しい生活から離れ、森の息づかいや植物の力強さを感じてもらいたい…10年後、20年後と、皆さんと一緒に成長していく森の庭がつくられました。 暮らしを育む庭 ガーデンデザイン:恵庭市フラワーマスター協議会 テーマ:みんなのいこいの花畑 「住まいと暮らし」に密着した庭の楽しみ方を、恵庭に暮らす市民の知識と経験により提案するガーデンです。これまで恵庭市民に親しまれ、たくさんの人をつないできた「いこいの花畑」。そこから移植された多くの植物が、引き続き開花しています。訪れた人が「うちの庭でもやってみたい」と思えるポイントをコンパクトに詰め込んだ、庭づくりのきっかけや植え方のヒントが見つかるガーデンです。 ガーデナーが庭を通じて今伝えたい、それぞれ異なるテーマが反映された7つの最新の庭を巡ると、じつにさまざまな表現方法があると気付かされます。 イベント終了後も花の拠点として生きる公園 これまで全国緑化フェア開催のために作られた庭は、多くがフェア期間に限定されたものでした。しかし近年は、フェア後も維持管理され、観光ガーデンや公共庭園として地元に愛される憩いの場所となるケースが増えています。 この花の拠点「はなふる」も、一部の花壇やコンテストガーデン以外は、「ガーデンフェスタ北海道2022」期間終了後も残り、地元の人々が花に触れられる場所として、この先も育まれていきます。 庭は形になったら終わりではなく、維持管理が無理なく続けられることも大切なポイントです。花の拠点「はなふる」は、デザイン設計の段階で、将来の管理の労力を軽減することを意識してつくられました。日頃、庭に親しむ質の高いボランティアが地元にいることや、「はなふる」全体の植物管理をするヘッドガーデナーが早い段階から決まっていたこと、地域の植物を熟知するプロの存在なども、美しいガーデンが維持されている理由です。 また、7つのガーデンには公共の庭ではあまり使われない植物も多く取り入れられています。それは、維持管理を委ねても大丈夫という安心感があったから。「植物のメンテナンスの仕組みがあると知っていたからこそ、新しいテーマの庭づくりにチャレンジできた」とデザインを担当した上野砂由紀さんは話します。 一人の市民から始まった恵庭市の「花のまちづくり」 「子供たちが誇れるようなふるさとを残したい」との思いで、1990年に「恵み野花づくり愛好会」を設立したのは、「花のまちづくり」の仕掛け人、恵庭市在住の内倉真裕美さんです。その始まりは、毎年フラワーガーデニングコンテストを開催したことから。個人の庭が徐々に素敵になってくると、次は個人からまち並みへと範囲が拡大して本格的に「花のまちづくり」がスタート。そうして30年かけて恵庭市は現在のような「ガーデニングのまち」になりました。 今回のフェアで内倉さんは、まちなか案内のほか、コンテナガーデンのコンテストや出展庭園にも参加。SDGsをテーマにした「みんなのお庭」は、恵庭市長賞の金賞を受賞しました。また、「はなふる」敷地内にある7つの庭の一つ「暮らしを育む庭」では、市民参加の講習会の講師も務めるなど、両会場をつなぐキーパーソンでもあります。 今では全国各地で行われているオープンガーデンですが、じつは現在「ガーデンフェスタ北海道2022」が行われている恵庭市が発祥の地。1996年に公開庭園の場所を示した「花マップ」を作り、個人の庭を公開したのが、日本におけるオープンガーデンの始まりでした。いち早く花と緑に取り組み、積極的に推進している地域なのです。 メイン会場の近隣地域では、公道が花で飾られていたり、点在する庭愛好家によるオープンガーデンが開催されたりと、市民参加の花のおもてなしも「ガーデンフェスタ北海道2022」の見どころです。フェア期間中は、地域住民の有志35人がシフトを組み、「恵み野まちなか案内」として旅行者をガイド。オープンガーデンやまちなかの花の見どころを紹介しながらメイン会場まで連れて行ってくれます。「恵み野まちなか案内」さんたちは、JR恵み野駅で花マップを配布したり、除草作業なども行い、市民一丸となっておもてなしに取り組んでいます。 「恵み野花マップ&恵庭遊マップ2022」PDFダウンロード これまでオープンガーデンを訪問する機会がなかった不慣れな旅行者でも、安心して地元の愛好家の方と交流ができるうえ、新しい庭デザインの提案を幅広く見学できる第39回全国都市緑化北海道フェア「ガーデンフェスタ北海道2022」。2023年は宮城県仙台市、2024年は神奈川県川崎市での開催が予定されています。地域ごとに特色のある花と緑の祭典、お見逃しなく。 Information 第39回全国都市緑化北海道フェア「ガーデンフェスタ北海道2022」 提唱/国土交通省 主催/北海道、恵庭市、公益財団法人都市緑化機構 開催期間:2022年6月25日(土)〜7月24日(日) メイン会場:入場無料 北海道恵庭市南島松828-3 花の拠点 https://garden-festa2022.jp
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樹木

甘い香りも魅力のハニーサックル! ガーデニングで上手に育てよう
ハニーサックルってこんな花! まずは基本情報を確認 ハニーサックルは英名で、スイカズラ科スイカズラ属のつる性花木のことを指します。スイカズラ属は北半球を原産地として180種以上が分布。日本でハニーサックルとして流通しているのは、明治初期に伝わったとされる北アメリカ東部・南部原産のツキヌキニンドウ(Lonicera sempervirens)、ジャパニーズ・ハニーサックルとも呼ばれる日本原産のスイカズラ(L.japonica)、ヨーロッパ原産のニオイニンドウ(L.periclymenum)、これらを交雑させた園芸品種などです。 ハニーサックルは冬でも青々とした葉を保つ常緑性の植物ですが、寒い地域では葉を落とすことがあるようです。春から生育期に入り、初夏から秋にかけて、長い期間にわたって開花。冬は生育が止まりますが、越年して再び春になると生育し始める……というライフサイクルで、一度植え付ければ長く楽しめるコストパフォーマンスの高い植物といえます。 ハニーサックルは、つるを4〜6m伸ばし旺盛に繁茂するので、植え付ける前にスペースを確保できるかを確認しておきましょう。ただし毎年の剪定によって3mくらいに抑えるなど、手入れによって樹勢をコントロールできます。 ハニーサックルの開花期は5〜10月で、花色はオレンジ、黄、クリーム、白、赤紫など。種類によっては咲き進むと花色が変化していくものもあります。多花性で、次から次につぼみを上げて多数の花を咲かせるので、満開時には見応えがありますよ! ハニーサックルの特徴 ハニーサックルはつるを伸ばしながら、卵形の葉が茎を中心に左右対称につきます。一つひとつの花は小さいものの、花茎の頂部に集まって咲くので、大輪の花のような華やかさがあります。花には甘い香りがあるのも魅力です。 さまざまな別名を持つハニーサックル! 名前の由来や花言葉をご紹介 ハニーサックルは英名で、花の蜜を吸うと甘いことからこの名前が与えられました。和名は「突抜忍冬(ツキヌキニンドウ)」「忍冬(スイカズラ)」です。「突抜」は、花のすぐ下にある茎をはさんで左右対称につく2枚の葉の基部が接合し、あたかも葉を突き抜けて花が咲くように見える姿からこの名前がつきました。「忍冬」は、冬の寒さを耐え忍んで緑色の葉を保って冬を越すことに由来しています。 ハニーサックルの花言葉は「献身的な愛」「愛の絆」「友愛」などです。 多くの園芸品種があるハニーサックル ハニーサックルには、さまざまな園芸品種が出回っています。‘セロティナ’は、ペリクリメヌム種(ニオイニンドウ)の改良種で、花房が10cm以上になる大輪花。花弁の内側が白、外側が赤で、色のコントラストが目を引く華やかな品種です。園芸品種として作出された‘ゴールドフレーム’は、大変花つきがよいのが特徴。花弁の外側が赤で、内側はクリーム色からオレンジ色へと変化し、豪華な花姿を楽しめます。ペリクリメヌム種を改良した‘ウインドワード’は香りが強く、つぼみは濃いピンクで開花すると花弁の外側が淡いピンク、内側は白へと変化。‘セロティナ’に似ていますが、花はやや小ぶりで愛らしい姿をしています。 ハニーサックルを上手に育てるポイント ここまで、ハニーサックルの基本情報や特徴、花言葉、種類などについてご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、ハニーサックルに適した栽培環境や植え付け、水やりや施肥、日頃の管理、増やし方など、育て方について詳しく解説していきます。 ハニーサックルの栽培に適した環境 ハニーサックルは、日当たり、風通しのよい場所を好みます。半日陰の環境でも育ちますが、暗すぎる場所では花つきが悪くなるので注意。また、適度に水はけ・水もちのよい、腐植質に富んだ土壌を好みます。暑さ寒さに強いほうですが、常に冷たい風が吹きつける場所は避けたほうが無難です。 ハニーサックルの栽培に適した用土 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、直径、深さともに50cm程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の花木用の培養土を利用すると手軽です。 ハニーサックルの植え付けと植え替え ハニーサックルの植え付け適期は、3〜4月です。この時期以外にも花苗店やホームセンターなどでは苗を販売していることがあります。入手したらすぐに植え付けてください。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、根鉢を軽く崩して植え付けましょう。最後にたっぷりと水を与えます。 地植えで育てる場合は、環境に合えば植え替える必要はありません。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、入手した苗よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから花木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。ハニーサックルの苗をポットから取り出し、鉢の中に仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢をほぐして小さくし、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢を崩す程度にして植え替えてください。 ハニーサックルの水やり 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏に水やりする場合は、気温の高い昼間に行うと、すぐに水がぬるま湯のようになり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメした状態にすると根腐れしてしまうので注意。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 ハニーサックルは真夏が開花期にあたり、旺盛に生育するため、この時期は特に水を欲しがります。乾燥しやすい真夏は水切れしないように水の管理をすることが大切です。また、冬でもカラカラに乾燥させることのないように、適宜水やりを続けてください。 ハニーサックルの肥料 【地植え・鉢植えともに】 植え付け時に元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。 その後は生育が旺盛になる5〜7月に、緩効性肥料を株の周囲にばらまき、軽く耕して周囲の土に馴染ませます。 ハニーサックルの仕立て方 ハニーサックルは、つるを伸ばして他者に絡みながら生育する植物なので、「他者」となるものを用意する必要があります。例えばフェンスやアーチ、オベリスク、パーゴラ、ポールなどです。鉢栽培ではあんどん仕立て用の支柱セットを準備しておくとよいでしょう。 仕立て方は特に決まりはなく、枝同士が重なったり絡み合ったりしないように、バランスよく整理しながら構造物に誘引していきます。枝が込み合っている場合は、生育期でも適宜カットしてかまいません。各枝に日がよく当たり、風通しがよい環境をつくることが大切です。 ハニーサックルは誘引と剪定が必要 【誘引】 ハニーサックルはつる性木本に分類される植物で、他者につるを絡ませて生育し、範囲を広げていきます。しかし絡まる力が弱いので、伸ばしたい方向につるを誘引し、麻ひもやビニタイなどでとめて、バランスよく枝葉が広がるように仕立てるとよいでしょう。 【剪定】 ハニーサックルの剪定適期は、3月頃です。戸外で越冬できますが、常緑で暖地性の性質を持つので、剪定は厳寒期を除き、生育が始まる少し前の休眠期に行うのが無難です。 生育期から芽吹いた新芽に花芽ができるため、「剪定の失敗によってその年の花数が少なくなってしまった!」といった心配は無用。どこで切ってもよいので、切り戻したい位置まで切って、伸びる範囲をコントロールしてください。生育旺盛なので、つるが繁茂しすぎてほかの植物との調和を崩してしまわないよう、年に1度は切り戻して増え広がりすぎないように調整しましょう。絡んだり、重なったりして込んでいる部分があれば、どちらかを切り取って風通しをよくします。長く伸びて四方に繁茂しすぎているつるは、やや深めに切り戻しましょう。 ハニーサックルがかかりやすい病気と注意すべき害虫 【病気】 ハニーサックルは、病気にかかる心配はほとんどありません。 【害虫】 ハニーサックルに発生しやすい害虫は、アブラムシ、ハダニなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要です。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけて予防するとよいでしょう。 ハニーサックルの増やし方 ハニーサックルは、挿し木をして増やすことができます。 挿し木とは、枝を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し木ができないものもありますが、ハニーサックルは挿し木で増やすことができます。 ハニーサックルの挿し木の適期は、6〜7月頃です。その年に伸びた新しい枝を10cmほどの長さで切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて水で十分に湿らせておきます。培養土に3カ所の穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土で押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて管理します。その後は日当たりのよい場所で育苗し、大きく育ったら植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 ハニーサックルの香りは香水アロマの原料として使われている ハニーサックルはシェイクスピアが残した文学にも登場することからも分かるように、古くから人々の身近で愛されてきた植物です。華やかなフローラルの香りと蜜を持つ植物として親しまれ、香水やエッセンシャルオイルに利用されてきました。ただし、ハニーサックルから精油として抽出できる量は少ないために貴重で、高価なのが特徴です。そのため、ハニーサックルに似せた人工香料が多くて出回っていることも知っておいてください。天然精油にこだわるなら、成分表を確認しておきましょう。 ハニーサックルが名前の由来になったカクテルもある 「ハニーサックル」という名前のカクテルがあることをご存じでしょうか? ラムをベースに、レモンジュースと蜂蜜をシェイクし、グラスに注いだお酒です。なぜこの名前がつけられたのかは伝わっていませんが、ナイトライフを彩るカクテルの名前になるほどですから、いかにハニーサックルが人々に愛され、よいイメージを持たれているかがうかがえますね。 初夏に甘い香りが楽しめるハニーサックルを育ててみよう 初夏から秋にかけて、甘い香りを放つ花を次々と咲かせるハニーサックル。満開時は見応えのあるシーンを楽しめます。ぜひハニーサックルを庭に取り入れ、アーチやパーゴラ、フェンスなどに仕立てたダイナミックな景観づくりにチャレンジしてはいかがでしょうか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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一年草

トレニアは初心者向けで長く楽しめる! 育て方・増やし方をご紹介
トレニアってどんな花? 花言葉は? トレニアは、アゼトウガラシ科(アゼナ科)ツルウルクサ属(トレニア属)の草花です。原産地は東南アジア、南アフリカで、約40種の分布が確認されています。暑い地域の原産なので、寒さには弱い性質。開花期は4〜10月で、長く楽しめます。花色は青、紫、ピンク、白、黄、複色など。草丈は20〜30cmで、種類によっては這うようにして広がる匍匐(ほふく)性タイプもあります。 トレニアには、「夏すみれ」という和名があり、これは花姿がスミレにやや似ていることから。また、花言葉は「ひらめき」「可憐」「愛嬌」などがあります。 トレニアには一年草と多年草がある 日本で一般的にトレニアとして流通しているのはトレニア・フルニエリで、一年草に分類されています。十分気温が上がった頃に種まきすると、春から秋まで開花しますが、寒さに弱いので晩秋には枯死してしまう短命な植物です。ただし、近年はトレニア・コンカラーという種類も人気が高まっており、こちらは寒さ対策をすれば越年できる多年草。また、一年草と多年草を掛け合わせて作出された園芸品種も出回るようになっています。 トレニアの育て方 ここまで、トレニアの基本情報や特徴、花言葉、種類など、多岐にわたってご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、トレニアに適した環境、土づくり、植え付け、水やりなどの日頃の管理、増やし方など、育て方について詳しく解説します。 トレニアに適した環境は? 日当たり、風通しのよい場所を好みます。午前のみ日が差す東側や、一日中チラチラと木漏れ日が差す程度の半日陰の場所でも育ちますが、あまりに日当たりの悪い場所ではヒョロヒョロと間のびして軟弱になり、花つきも悪くなるので注意しましょう。 水はけのよい環境を好むので、水はけの悪い土壌であれば、腐葉土や堆肥を多めにすき込み、10〜20cmくらい土を盛って周囲よりも高くしておくとよいでしょう。 トレニアは暑さに強いので、夏は戸外で管理してかまいません。しかし、近年の日本の酷暑下では、直射日光が当たり続ける場所では弱ってしまうこともあるようです。庭植えの場合は西日が差す場所を避けたほうが無難。鉢栽培の場合は、風通しがよく涼しい場所に移動して管理するとよいでしょう。 また、冬の寒さに弱いので、多年草タイプのトレニアを庭植えにしている場合は、必ず鉢に植え替えて、暖かい場所で管理します。 トレニアに適した土を使おう 【地植え】 植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、よく耕してください。土づくりの後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の草花用培養土を利用すると手軽です。 トレニアの植え付け方法 トレニアの植え付け適期は、4〜8月です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えます。複数の苗を植える場合は、20〜30cmくらいの間隔を取っておきましょう。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、5号鉢に1株を目安にします。大きな鉢を用意して複数の苗を植えてもかまいません。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。トレニアの苗をポットから取り出し、根を傷めないように鉢の中に仮置きし、高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで十分に水を与えましょう。 鉢植えで多年草タイプのトレニアを楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出し、古い根を整理して元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備して植え替えてください。 水やりのポイントをご紹介 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏に水やりする場合は、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がり、株が弱ってしまいます。 また、多年草で越年するタイプのトレニアは、真冬に水やりする場合は、十分に気温が上がった真昼に行いましょう。気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまいます。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 鉢栽培の場合は、日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつでもジメジメとした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、多年草タイプのトレニアは冬も適宜水やりを続けてください。 日頃の手入れポイントは? 【摘心】 トレニアは、苗が小さいうちに茎の先端を切り取る「摘心」を繰り返すと、よく分枝してこんもりと茂ります。分枝すると花数も増えるので、ひと手間かけておくことをおすすめします。 【花がら摘み】 トレニアは次々に花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 【切り戻し】 6〜8月頃、草姿が乱れてきたら一度切り戻して株の若返りを図ります。地際から草丈の半分くらいの高さを目安に、深めにカットしましょう。すると再び新芽を出して株が盛り返し、再び開花し始めます。 肥料はどうやって与える? 【地植え・鉢植えともに】 植え付け時に元肥として緩効性肥料を施しておきます。その後は、5〜10月に緩効性肥料を月に1度を目安に、株の周囲にばらまいて土によく馴染ませてください。 鉢栽培の場合は、水やりと共に肥料成分が流亡しやすいので、株の状態を見て勢いがないようであれば、液肥を施して様子を見るとよいでしょう。 トレニアに発生しやすい病害虫 【病気】 トレニアが発症しやすい病気は、灰色かび病です。 灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほどの多湿の環境下で発生しやすく、ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合っていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。 【害虫】 トレニアに発生しやすい害虫は、アブラムシ、コナジラミ、アザミウマなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 コナジラミは、植物の葉裏について吸汁する害虫です。体長は1mmほどで大変小さいのですが、白いので目にとまりやすいでしょう。繁殖力が旺盛で、短期間で卵から幼虫、成虫になり、被害が拡大しやすいのが特徴。吸汁によってウイルスを媒介するほか、排泄物にすす病が発生しやすく、二次被害を呼びやすいので要注意。冬は卵やサナギの状態で雑草の中に潜み、春になると周囲に移動して活動を始めるので、雑草や枯れ葉を残さずに処分しておきましょう。大発生した時は、スプレータイプの適用薬剤を散布して対処してください。 アザミウマは花や葉につき、吸汁する害虫です。スリップスの別名を持っています。体長は1〜2mmと大変小さく、緑や茶、黒色の昆虫で、群生して植物を弱らせるので注意しましょう。針のような器官を葉などに刺して吸汁する際にウイルスを媒介するので、二次被害が発生することもあります。被害が進んだ花や葉は傷がついてかすり状になるので、よく観察してみてください。花がらや枯れ葉、雑草などに潜みやすいので、株まわりを清潔に保っておきます。土に混ぜるタイプの粒剤を利用して防除してもよいでしょう。 トレニアは種まきと挿し芽で増やせる 【種まき】 トレニアは、ビギナーでも種まきから簡単に育てられますよ! 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くて多数の苗を植えたい場合は、コストカットにもなります。 トレニアの種まきの適期は5〜6月で、発芽適温は20〜25℃です。 種まき用のセルトレイに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れて十分に水で湿らせた後、1穴当たり1〜2粒ずつ播きます。トレニアの種は「好光性種子」といって、発芽に光を必要とするため、土をかぶせないことがポイントです。種が非常に細かいので、水を浅く張った容器にセルトレイを置いて、底から給水させるとよいでしょう。 発芽までは10日ほどかかりますが、乾燥・過湿にならないように適度な水管理をしてください。発芽後は日当たりがよく、風通しのよい場所で管理します。本葉が2〜3枚ついたら根鉢を傷めないようにトレイから取り出し、3号の黒ポットに鉢上げします。さらに育苗して根鉢が充実し、十分に育ったら植えたい場所に定植します。 【挿し芽】 挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し芽ができないものもありますが、トレニアは挿し芽で増やせます。 トレニアの挿し芽の適期は、6〜9月です。新しく伸びた茎を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した茎(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り取ります。セルトレイを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。根が回ってきたら3号の黒ポットに鉢上げし、十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 丈夫で初心者向けのトレニア! 次々と咲く花を楽しもう 花つきがよく、こんもりとよく茂るトレニアは、初夏から晩秋までよく咲き続けるため、開花期の短い一年草に比べて植え替えの手間が省ける一面も持っています。強健な性質で、放任してもよく育つので、ガーデニングの初心者向け。ぜひ庭やベランダで育てて、長い期間愛らしい花姿を楽しんではいかがでしょうか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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【夏の花】丈夫な宿根草エキナセア! ハーブとしても使えるエキナセアの魅力と育て方
エキナセアってどんな花? そもそも、エキナセアとはどのような植物なのでしょうか? 「エキナセア」ってあまり聞きなれない名前かもしれませんが、じつはとても古くから、日々の暮らしに役立てられてきた歴史のあるハーブなのですよ。エキナセアの名前の由来・花の特徴をご紹介していきます。 花の特徴 エキナセアは、キク科ムラサキバレンギク属の耐寒性宿根草。別名のムラサキバレンギクは、花びらが満開になると垂れ下がり、纏(まとい)を飾る馬簾(ばれん)のように見えたことから名づけられたと言われています。花の中心部が、クリのイガのように球状に大きく盛り上がり、そのまわりに細長い花弁が放射状に広がっています。 耐暑性に優れており、花の観賞期間が長いので、夏花壇の彩りに重宝します。わい性のタイプや、背丈が70cmほどになるものまでさまざまあるので、庭の植栽バリエーションを幅広くしてくれる名脇役でもありますね。切り花としても活用できますし、花後のクリのイガ状の球の形が長く残り、ドライフラワーとしてもおすすめです。他のハーブと合わせてブーケにしても。 起源・由来 花の中心部がウニのようにトゲトゲしいことから、ギリシャ語でウニを意味する『echinos』に由来しており、花言葉は「優しさ」「あなたの痛みを癒やします」など。 エキナセアは北米原産のハーブとして、古くから北米の先住民族に用いられていたことから「インディアンのハーブ」と呼ばれています。昔は動物の噛み傷の手当や虫刺されなど、薬として広く役立てられてきた歴史があります。 エキナセアの効能はとても優秀! 後ほど詳しくご紹介しますが、現在でもアメリカではエキナセアがサプリメントとして流通していますし、ドイツでは医薬品として取り扱われていますし、ヨーロッパでは、エキナセアのチンキも暮らしの中に定着しています。チンキとは、ハーブをウォッカやホワイトリカーなどのアルコールに浸し、有効成分を抽出したものです。水では抽出できない成分もアルコールには溶けだすため、ハーブを効率よく取り入れることができるアイテムです。 色が豊富! エキナセアの種類 近年、観賞用として園芸店でも人気が高く、赤やピンク、オレンジ、黄色、白など豊富なカラーバリエーションが魅力のエキナセア。白花で草丈が低く、花つきもよい‘ホワイト・スワン’や、橙赤色の一重咲きの‘アーツ・プライド’などさまざまな種類があります。 ハーブとしてのエキナセア 庭植えにはもちろんのこと、エキナセアはハーブとしてもとても価値の高い植物です。エキナセアの効能や使用方法について、説明していきますね。 免疫力アップに 近年、エキナセアが持つ免疫力を向上させる働きが注目されています。 人には生まれながらにして持っている自己治癒力というものがあります。転んで血が出ても、かさぶたになり治癒する…そんな働きです。この自己治癒力は誰にでも備わっていますが、年齢と共に衰えてしまったり、ストレスや生活習慣、住環境などが理由で、自己治癒力が弱まってしまいます。そんな自己治癒力を高めてくれる作用を持っているのが、エキナセアなのです。 この自己治癒力の1つが免疫力と呼ばれるもの。昨今の新型コロナウイルス対策においても、免疫力をあげておきましょう、とよく言われますが、風邪やインフルエンザなども、免疫力が低下しているとかかりやすくなりますよね。免疫力が高ければ、さまざまな病気にかかりにくく、かかったとしても回復が早いというメリットが。 ハーブと呼ばれるものには、この免疫力を高める作用がある種類が多くありますが、エキナセアはその中でも特におすすめです。 エキナセアは、多糖類や糖タンパク質、揮発油、フラボノイド類など、さまざまな免疫賦活作用を持った有効成分が含まれていて、体内に入った悪い異物と闘う環境を整えてくれます。マウスでの実験で、インフルエンザAウイルス感染に対する予防効果も認められているそうです。 免疫賦活作用に加え、抗菌・抗ウイルス・消炎作用もあります。気管支や泌尿器などの感染症の予防にも役立ってくれます。 どう使う? ハーブティーがおすすめ 私は1年を通して、エキナセアをハーブティーとして飲んでいます。以前は風邪をひきやすく、体調不良に悩まされていましたが、エキナセアなどのハーブティーを毎日飲むようになってからはその効果のおかげか、風邪をひくことがなくなりました。 特に、季節の変わり目に体調を崩しやすい方や、最近体力が落ちたと感じる方には、エキナセアのハーブティー、おすすめですよ。 地上部と根の部分を乾燥させたエキナセアは、ハーブティーとして販売されており、ハーブ専門店・インターネット通販などで購入可能です。 乾燥エキナセア3gに対し熱湯150〜180mLで3分蒸らせばでき上がり。より薬効を高めたい場合は、お湯を増やして、10分ほど煮出してもOK。飲みにくい場合は、レモングラスやペパーミントなどのハーブとブレンドするか、はちみつや生姜を入れて飲むのもよいでしょう。 ハーブは薬ではありません。1杯飲んだからすぐさま免疫力が上がるというような速効性はなく、じわじわと身体に作用していきます。体調管理にハーブティーを活用してみたい場合には、1日1~3杯を1か月続けることから始めましょう。 エキナセアを育てている場合、飲用して免疫力を上げる作用を含んでいるハーブとして用いることのできる品種は限られており、アングスティフォリア、パリダ、パープレアの3種のみです。園芸種も多数ありますので、調べたうえでハーブティーをお楽しみください。 ハーブティーにする場合、軽く洗ってフレッシュのまま使用するか、もしくは1週間ほど干してドライになったものを使用します。 個人的には、フレッシュのほうがおすすめ。どうしてかというと、湿気の多い日本の一般家庭で上手においしいドライを作ることは、残念ながら難しいから。せっかく体にいい作用を期待して飲むのに、「まずい」「我慢して飲む」という経験をしてほしくないのです。私は、フレッシュのまま使えるのであれば、生葉を。冬場の葉がない時期にはドライを購入するようにしています。 なお、ハーブに含まれる有効成分を効果的に抽出するには、ドライハーブのほうが優れています。 エキナセアの摂取の注意 魅力いっぱいのエキナセアですが、注意点もあります。 これは何のハーブでも同じことですが、免疫力を上げたいからといって、1日5杯も6杯も飲むような過剰摂取は、かえって体のバランスを崩すことにもなります。めまいや吐き気を引き起こすこともあるので、1日1~3杯程度にしましょう。 そして、ハーブの作用は緩やかですが同じハーブを長期にわたって飲み続けることも、体に負担を与えます。さまざまな種類を組み合わせ、ブレンドするなどして体に負担のない飲み方をしてください。 また、お子様の場合は、乳幼児は避け、濃さを大人の1/3程度にするなど、十分ご注意ください。 【エキナセアの注意事項】 ・キク科の植物にアレルギーがある方は注意が必要です。 ・自己免疫疾患がある方はかかりつけの医師にご相談ください。 ・健康状態が気になる方は、自己判断を避け、医師にご相談ください。 エキナセアはいつ・どこで育てるといい? エキナセアはとても丈夫な植物です。鉢植えでも地植えでも栽培可能ですので、初心者さんでも安心して始められる植物の1つでしょう。エキナセアは多年草で、冬の寒さで地上部は一旦枯れますが、また来春芽を出すタイプです。日当たり、風通しのよい場所で管理し、土は水はけがよい土が適しています。 10年ほど前に植えた我が家のエキナセアもとっても元気で、たったの1株しか植えていませんが、自然にどんどん増えて、毎年こんな状態になります。 エキナセアの植え方 ご覧の通り、かなり大きくなりますので、鉢植えで育てる場合は、7号(直径21cm)以上の鉢を使用しましょう。使用する土は、一般的な培養土やハーブ用の土を使用しましょう。 株が大きく育つので、1鉢に1株で植えます。関東では、11月下旬に根元を2~3cm残して刈り取り、腐葉土やワラなどで防寒対策をしておくと、植えっぱなしで冬越しできます。土が凍結するほどの厳寒地では、掘り上げて鉢上げするなどの防寒対策が必要になりますので、ご注意くださいね。 そして、品種によりますが、背丈が1mほどになるものもあります。エキナセアの花は大きくて重いですし、台風などによって倒れてしまうことも。植え付けと同時に支柱をしておきましょう。麻ひもなどを使って、株元を支柱に括り付ければOKです。 植えた後はどうする? エキナセアの育て方! 植えたら日々の管理をしましょう。植え付けを行った後、どのように育てるのか解説していきます。 水・肥料 夏も冬も水を与えすぎないように注意します。水は毎日朝晩…などというふうに定形で決めるのではなく、土の表面がしっかりと乾いている状態になったら、与えましょう。土が湿った状態が続くと根腐れなどを起こしやすくなります。特にエキナセアは乾燥を好みますので、与えすぎは厳禁です。 追肥を施す時期は、開花前の5〜6月と秋の10月頃ですが、肥料の与えすぎは株を弱らせることになり、病気にかかりやすくなる原因にもなるので、あまり神経質になる必要はありません。 花がら摘み 花が枯れたら、花の部分はハサミでカットしましょう。その際、花の頭部分だけを切るのではなく、次の芽や葉が出ているところまで戻って、枝も切ります。この作業を「花がら摘み」と言います。花がら摘みを怠らなければ、6~9月くらいまで次々と花を咲かせてくれますよ。 枯れた葉の整理整頓 エキナセアは成長速度が速く、株が大きくなります。ちょっと目を離すと、株元が混みあってくるほど…。常に枯れた下葉はカットするようにして、整理整頓をし、株元に風が通るようにします。枯れた葉を放置しておくと、蒸れてしまい、病害虫が発生するリスクも高まります。 また、エキナセアは触ると少しチクチクする感じがあります。肌が敏感な方は、素手で触ることは避けたほうがいいかもしれません。 エキナセアの病害虫 適切な管理をしていると病害虫の発生が少ない植物です。エキナセアの病気で一番多いのは、梅雨や秋の湿度が高い時期になる「うどんこ病」。葉っぱがうどん粉をまぶしたように白く見える病気です。早期に発見し、その部分は切り取りましょう。 虫は、地際の茎にフキノメイガの幼虫が入ることがあるので、見つけ次第早めに防除します。 エキナセアの増やし方 エキナセアの増やし方は、株分けがおすすめ。種まきもできますが、品種によってタネをつくらないものもあるため注意が必要です。 株分けとは、今ある株を2つ・3つに分け、それぞれを改めて植え付け、増やしていく方法。この際、無理矢理引きちぎらないようにして、自然に分かれる位置を探します。また、細かく分けすぎると枯れることもありますのでご注意を。 植え込み後はしばらく半日陰で養生し、新芽が出てきたら日当たりのいい場所へ移動しましょう。株分けの適期は3~4月頃です。 カラフルで楽しい! ハーブとして活用できる いかがでしたでしょうか? 色の種類も豊富で、庭を華やかにしてくれるし、ハーブとしても利用できるエキナセア。虫もつきにくく、初心者さんも育てやすいので、ぜひ育ててみてはいかがでしょう。 Credit 写真&文/堀 久恵(ほり ひさえ) 花音-kanon- 代表、ガーデンセラピーナビゲーター。一般社団法人日本ガーデンセラピー協会専門講師。 生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。植物に囲まれ、日々ガーデンセラピーを実践中。埼玉県熊谷市在住。 https://kanongreen.com/
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暑い夏にこそ咲かせたい! 暑さに負けない育てやすい夏花20選
暑さに抜群に強い! 厳しい審査に合格した選り抜きの夏花20種 暑い暑い近年の夏。こんな夏にも負けずに咲く、暑さに強い夏花を育ててみませんか? 2021年に開催された東京オリンピック・パラリンピックに向けて、東京の夏にも負けない、耐暑性や耐乾性が強い植物70種目をまとめたマニュアルが、東京都農林総合研究センター主導のもとに作られました。 ●マニュアルの誕生秘話や審査基準についてはこちらの記事をご参照ください。 マニュアルに掲載されているのは、花壇苗26種、カラーリーフとグラウンドカバープランツ29種、つる植物6種、球根植物9種の計70品目。巻末には、それぞれの推奨品種なども収録されています。今回は、このマニュアルに掲載された植物の中から、ガーデンでも取り入れやすい花壇苗を中心に、20種ピックアップしてご紹介します。 1.ジニア ヒャクニチソウとも呼ばれるジニアは、その名の通り、花付きがよく長期間楽しめます。花色や花形、花の大きさのバリエーションも豊富で、他の草花と混植して花壇を彩るのにぴったり。やや耐乾性が弱く、強い乾燥により枯れ上がってしまうこともあるので注意しましょう。 ■ 学名:Zinnia ■ キク科 ■ 草丈:30~50cm ■ 耐雨性:中 ■ 耐乾性:弱 ■ 耐陰性:強 2.センニチコウ 茎の先にポンポンと咲く丸い花が愛らしいセンニチコウ。ピンクや白などの花色があり、フラワーアレンジメントやドライフラワーの花材としても人気の高い花です。丈夫で育てやすく、花がよく咲き揃うので、ガーデンの縁取りにおすすめ。コンパクトに育つ矮性種から高性種まで種類があります。 ■ 学名:Gomphrena globosa ■ ヒユ科 ■ 草丈:30~80cm ■ 耐雨性:中 ■ 耐乾性:中 ■ 耐陰性:強 3.メカルドニア 匍匐性で、可愛らしい黄色の小花をいっぱいに咲かせるメカルドニアは、夏に花咲くグラウンドカバーとしておすすめ。出荷量が少なくやや手に入りにくいですが、花がら摘みが必要なく、管理しやすい花です。花数多く咲かせるには、水はけと日当たりのよい場所で育てましょう。 ■ 学名:Mecardonia ■ オオバコ科 ■ 草丈:10~15cm ■ 耐雨性:中 ■ 耐乾性:強 ■ 耐陰性:弱 4.マリーゴールド オレンジや黄色など、元気をくれる暖色の花を咲かせるマリーゴールド。花壇に混植すれば、鮮やかな色彩をプラスしてくれます。コンパニオンプランツとしても有名で、キッチンガーデンの植栽にもよく用いられます。蒸れに弱いので、古い枝を取り除くなどして風通しよく育てましょう。 ■ 学名:Tagetes ■ キク科 ■ 草丈:20~35cm ■ 耐雨性:中 ■ 耐乾性:中 ■ 耐陰性:中 5.アンゲロニア 高温多湿な日本の夏でも生育旺盛なアンゲロニア。白やピンク、紫の穂状の花が下から順に開花し、花壇に縦のラインを演出してくれます。花が少なくなってきたら切り戻すことで、また花を楽しむことができます。 ■ 学名:Angelonia ■ オオバコ科 ■ 草丈:30~70cm ■ 耐雨性:強 ■ 耐乾性:中 ■ 耐陰性:中 6.ニチニチソウ 高温や乾燥に強くて育てやすく、過酷な環境でも次々に花を咲かせるニチニチソウは、夏を代表する花の一つです。匍匐性の品種もあり、花壇や寄せ植え、ハンギングなど、さまざまなガーデンシーンで使いやすいのも嬉しいところ。花色や花形も豊富で、フリンジ咲きなど新しい咲き姿の品種も登場しています。 ■ 学名:Catharanthus roseus ■ キョウチクトウ科 ■ 草丈:30~60cm ■ 耐雨性:中 ■ 耐乾性:強 ■ 耐陰性:強 7.トレニア 分枝がよく、たくさんの花を咲かせるトレニア。紫やピンク、白などの小花が爽やかな印象で、寄せ植えや花壇でも他の植物と合わせやすい花です。匍匐性のタイプはグラウンドカバープランツにも向いています。 ■ 学名:Torernia ■ アゼナ科 ■ 草丈:30~40cm ■ 耐雨性:中 ■ 耐乾性:中 ■ 耐陰性:強 8.ペチュニア 夏の寄せ植えの定番花であるペチュニアも、夏に強い花の一つとして押さえておきたいところ。花色や花形のバリエーションも非常に豊富で、選ぶ楽しみもあります。耐雨性が弱いため、雨の当たらない場所でのコンテナやハンギング栽培によく用いられていましたが、近年では対雨性への改良が進んでいます。 ■ 学名:Petunia ■ ナス科 ■ 草丈:20~40cm ■ 耐雨性:弱 ■ 耐乾性:中 ■ 耐陰性:中 9.サルビア ボーダーガーデンや寄せ植えでよく利用されるサルビア。鮮やかな赤から涼やかな青まで花色豊富で、矮性から背が高くなるものまで株姿もさまざまです。蒸れに注意し、水はけのよい土で育てるとよいでしょう。花数が少なくなってきたら、切り戻しをすると長く楽しめます。 ■ 学名:Salvia ■ シソ科 ■ 草丈:40~100cm ■ 耐雨性:中 ■ 耐乾性:弱 ■ 耐陰性:中 10.ユーフォルビア ユーフォルビアにはさまざまな種類がありますが、ここで紹介するのは純白の苞が小花のように茎の先につき、カスミソウに似た雰囲気を持つタイプ。どんな花とも相性がよく、花壇や寄せ植えで、花と花をつなげる存在として重宝します。栄養系の‘ダイアモンドフロスト’が有名ですが、実生系の品種も販売されています。樹液が皮膚につくとかぶれることがあるので注意しましょう。 ■ 学名:Euphorbia ■ トウダイグサ科 ■ 草丈:50~100cm ■ 耐雨性:中 ■ 耐乾性:強 ■ 耐陰性:強 11.ポーチュラカ 乾燥に強く、ピンクや黄色など明るい花色が多いのが特徴のポーチュラカは、夏の定番花の一つ。基本的に午前中にしか咲かない花ですが、最近では午後にかけて長く咲く品種が作出されています。匍匐性なので、グラウンドカバープランツとしてもおすすめです。 ■ 学名:Portulaca oleracea ■ スベリヒユ科 ■ 草丈:20~30cm ■ 耐雨性:中 ■ 耐乾性:強 ■ 耐陰性:中 12.マツバボタン 前出のポーチュラカの仲間ですが、葉が松葉のように細いのが特徴です。こちらも品種改良が進み、夕方まで咲き続く品種も登場しています。匍匐性なので、グラウンドカバープランツとして、また寄せ植えの縁取りにもよく使われます。こまめに摘心をすることで、花数多く育てることができます。 ■ 学名:Portulaca grandiflora ■ スベリヒユ科 ■ 草丈:30~50cm ■ 耐雨性:中 ■ 耐乾性:強 ■ 耐陰性:中 13.ベゴニア ベゴニアの中でもガーデナーにおなじみのベゴニア・センパフローレンスは、艶のある葉と鮮やかな花色が印象的で、暑さや乾燥に強く、花が長期間楽しめる種類です。最近はより耐暑性に優れた品種も登場し、夏花壇では欠かせない存在になっています。花がらが葉に落ちると傷む原因になることがあるので、こまめに取り除くとよいでしょう。 ■ 学名:Begonia ■ シュウカイドウ科 ■ 草丈:20~70cm ■ 耐雨性:強 ■ 耐乾性:強 ■ 耐陰性:強 14.アゲラタム ふわふわとした青や白の花が涼しげなアゲラタム。夏花壇に爽やかさをプラスする花の一つです。矮性種から高性種まであるので、花壇後方の植栽や縁取り、コンテナ栽培など、シーンに応じて使い分けるとよいでしょう。大きくなりすぎたら切り戻しを。 ■ 学名:Ageratum ■ キク科 ■ 草丈:20~60cm ■ 耐雨性:強 ■ 耐乾性:中 ■ 耐陰性:中 15.ケイトウ 夏から秋にかけて楽しめるケイトウ。寄せ植えや花壇には、ふわふわとした円錐形の穂を持つ羽毛咲き種がよく使われ、枝分かれした槍状の花穂をつけるノゲイトウも人気があります。過湿に弱いので、水はけのよい土で育てましょう。また葉も美しく、銅葉系の品種が暑さに強い傾向があります。 ■ 学名:Celosia argentina、Celosia cristata ■ ヒユ科 ■ 草丈:25~80cm ■ 耐雨性:弱 ■ 耐乾性:中 ■ 耐陰性:強 16.トウガラシ(観賞用) 丸形や細長い形など、さまざまな形や色を持つ果実が花壇や寄せ植えのアクセントになるトウガラシ(観賞用)。暑さや乾燥にも強く、夏の高温期でもよく生育します。肥沃な土壌を好み、肥料が切れると生育が鈍るので、多めに追肥をするとよいでしょう。 ■ 学名:Capsicum ■ ナス科 ■ 草丈:20~60cm ■ 耐雨性:強 ■ 耐乾性:中 ■ 耐陰性:中 17.カンナ トロピカルな雰囲気満点のカンナは、鮮やかに咲く大きな花はもちろん、斑入り葉や銅葉など、美しい葉も観賞できます。暑さや乾燥に強く、インパクトのある株姿なので、夏花壇のアクセントにぴったり。咲き終わった花房は、茎ごと切り取るとよいでしょう。 ■ 学名:Canna ■ カンナ科 ■ 草丈:40~200cm ■ 耐雨性:強 ■ 耐乾性:強 ■ 耐陰性:強 18.コリウス カラーリーフの中でも代表的な存在のコリウス。高温に強く直射日光の下でも美しい葉を保ち、夏花壇の彩りや寄せ植えのアクセントに欠かせない存在です。葉が小さいものは雨や風に強く、葉が大きいものは耐陰性に優れる傾向があるので、場所に応じて使い分けるとよいでしょう。 ■ 学名:Solenostemon ■ シソ科 ■ 草丈:70~80cm ■ 耐雨性:中(一部強) ■ 耐乾性:強 ■ 耐陰性:中(一部強) 19.ニューサイラン すらっとした長い葉を株元から立ち上げる独特の姿を持つニューサイランは、花壇の中でも存在感があり、アクセントとしても活躍します。3mにも達するような大型種からコンパクトに育つ小型種までありますが、大きく育つ品種を植える場合にはスペースを十分に確保し、水はけのよい土で育てましょう。 ■ 学名:Phormium ■ リュウゼツラン科 ■ 草丈:30~300cm ■ 耐雨性:中 ■ 耐乾性:強 ■ 耐陰性:強 20.スティパ 風になびく軽やかな姿のグラス類は、花壇に加えるとぐっとこなれた印象になる、ナチュラルガーデンには欠かせない存在。細い葉と美しい穂を持つスティパは、高温乾燥に強く、観賞価値の高いオーナメンタルグラスです。過湿を嫌うので、日当たり、水はけのよい場所で育てましょう。こぼれダネでもよく増えるので、増えすぎないように注意が必要です。 ■ 学名:Stipa ■ イネ科 ■ 草丈:30~40cm ■ 耐雨性:強 ■ 耐乾性:強 ■ 耐陰性:中 今回この記事でご紹介した20種のほかにも、暑さに強い夏花はまだまだあります。ぜひ『夏花による緑化マニュアル』などもチェックして、夏の花壇を美しく彩ってみましょう! 併せて読みたい ・[半日陰]ってどんな感じ? 植物に必要な光の量とは ・酷暑・猛暑を有効利用しよう! 暑い夏だからこそできる庭仕事 ・暑さに強い花!夏に休まない!暖地向きの宿根草21種 Credit 写真&文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 協力:東京都農林総合研究センター 参考文献:『夏花による緑化マニュアル』(東京都農林総合研究センター)
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おすすめ植物(その他)

シックかつモダンな存在感【黒葉の魅力】寄せ植えにも使える4つの植物
寄せ植えや花壇に黒葉のスパイス ダークリーフとは、黒や茶色、赤銅色に濃い紫色など、一般的な緑色ではなく暗い色を持つ葉のことを指します。色調によって、黒葉や銅葉などと呼ばれます。単体で見ても、シックで格好いい植物ですが、ガーデンや寄せ植えで明るい色の植物と取り合わせると、とても効果的。暗い色調の部分が陰になって風景に立体感が生まれるのと同時に、鮮やかな色の美しさをさらに引き立ててくれます。同じ植物でも、品種によってダークカラーの葉を持つものと持たないものがあるので、それぞれのコントラストを楽しむのもいいですね。どうしても緑色が多くなりがちな庭の中で、色彩をピリリと引き締めてくれるダークリーフは貴重なアクセントになります。葉の色を楽しむので、観賞期間が長いのも魅力です。 ダークリーフの成り立ち ダークカラーの葉を持つものは、園芸植物にはたくさんありますが、自然界にはあまり多くは見られません。それは、ダークリーフの多くが今まで長い時間をかけて選別され、固定化してきたものだから。そのため、ダークリーフの植物からさらに交配を重ねると、葉色が元の緑色に戻ってしまう場合もあります。 シックなダークリーフを持つ植物4種 オキザリス 三角形の葉を持つオキザリス・トリアングラリスなど、紫がかった銅葉がシックなオキザリスの銅葉品種はガーデンで人気がある植物です。印象的な濃い色の葉は、小さめなので主張しすぎず、どんな寄せ植えにも使いやすいのが魅力。白やピンクの小花も可愛い。 ムラサキゴテン 葉はもちろん、茎や萼まで全体が濃い紫色に彩られるムラサキゴテンは、光の角度で色彩が変化して見えるのも魅力。光をたっぷり浴びるほど、美しく発色します。 オオバジャノヒゲ 細長い常緑の葉をスッとたくさん伸ばすジャノヒゲは、グラウンドカバーにぴったりです。ダークカラーの品種‘黒竜’は、庭のアクセントとしても活躍します。 カンナ 大きく広がる葉が魅力的なカンナ。深い赤銅色の葉を持つ‘ブロンズ・スカーレット’は、独特な存在感を放ち、インパクト抜群。夏に咲かせる朱色の花も鮮やかです。 Photo/ 1,7)Nikolay Kurzenko/ 3)Transient Eternal/ 4)joloei/ 5)joloei/ 6)guentermanaus/ Shutterstock.com
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育て方

真夏の鉢植え管理で気をつけたい4つのポイント
鉢植えの植物の夏の手入れ 年々暑さが増すようにも思える日本の夏。植物にとっても過酷な暑さが続きます。特に、鉢植えの植物は、周囲の環境の影響をダイレクトに受けやすいので、夏は暑さ対策が必要です。夏の手入れで気をつけたいポイントを4つ、おさらいしておきましょう。 水やり 植物の夏の手入れで、まず重要なのが水やりです。水やりの基本は、土が乾いたときに、鉢底から流れ出るまで、たっぷりと与えること。夏場の水やりでは、これに加えて時間帯も大切な要素になってきます。というのも、夏の日中は鉢の中が高温になるため、与えた水がお湯になってしまい、根を傷めてしまう危険があるため。水やりは午前中の早い時間帯か夕方以降に行い、日中は避けるようにしましょう。水やりの際、ホースの中に残った水は熱せられてお湯になっていることも多いので、冷たくなるまで放水してから水やりを。 また、水切れも根を傷める原因となります。夏は鉢の中の水の蒸発が早いため、朝夕2回の水やりが必要な場合もあります。特に、小さめの鉢は水切れしやすいので注意が必要です。他に、緑のカーテンに利用しているアサガオの鉢などは、直射日光の当たる場所にあり、乾きやすいので、夏場は朝夕2回与えるとよいでしょう。水切れしてしまった場合、鉢より大きなバケツに水を張り、その中に鉢を沈めて回復を待ってみましょう。 水やりの際、株元に直接与えることが多いですが、夏バテしている植物は、葉に水をかける葉水をして枝葉の温度を下げてやるのも効果的です。土に水が残っているのに葉がしおれている場合などは、葉水をして涼しい場所に移し、様子を見てみましょう。地植えの場合は、根を地中に伸ばして水を得るため、鉢植えのように毎日水をやる必要はありませんが、暑い晴天が続くようであれば水やりをしたほうがよいでしょう。 置き場所 鉢植えは、置き場所を移動できるのが大きなメリット。そのメリットを生かすために、夏の鉢植えに適した置き場所を確認しましょう。 暑さや直射日光に強い植物以外の鉢植えは、樹木の下や軒下など、半日陰で風通しのよい、涼しい場所に移動します。夏の強い日差しを浴びていると、葉焼けや夏バテの原因となることもあるので、朝の短い時間、日が当たる場所などに移動し、西日は避けましょう。地植えや大きな鉢で移動ができない場合、日よけや夏に強い植物を利用して日陰をつくってやるとよいでしょう。 また、置き場所の温度も要チェック。植木鉢をベランダの床などに直接置くと、鉢に熱が伝わり、植物を傷める原因になりかねません。鉢台やすのこ、レンガなどを利用して鉢を持ち上げ、床に直接触れないようにしましょう。鉢カバーなどで、直射日光を防ぎ、鉢内の温度が上がらないようにするのも効果的です。エアコンの室外機近くは熱風が噴き出すため、植物は置かないようにしましょう。 蒸れ対策 高温多湿の日本では、梅雨から夏にかけて、蒸れが大きな問題となります。風の通る場所に置くとともに、植物自体も不要な枝葉を整理して、すっきりと風通しよく育てます。花がらは、そのままにしておくと見た目が悪いだけでなく、蒸れの原因にもなり、またタネをつくって株の体力を奪うので、こまめに取り除きましょう。また、ラベンダーなどは梅雨前に収穫を兼ねて切り戻しをすると、夏越しできる可能性が高まります。秋以降の生育にもつながるため、茂りすぎたものは軽く切り戻しておきましょう。ただし、切り戻しは植物に負担をかける行為でもあるので、それぞれの植物に合わせて行います。 肥料の量 夏の鉢では、肥料も気をつけたいポイント。夏に旺盛に生育する植物もありますが、多くは暑さで生育が鈍ります。そのような時に、鉢内に多く肥料があると、植物への負担になります。夏は肥料は控えめにしましょう。ただし、夏に花を咲かせるものや旺盛に生育するものなどは、肥料が切れると花が止まってしまったり、生育に影響が出ることもあるので、植物に合わせて与えます。 これらの基本対策のほかに、鉢にマルチングをするのも一手。防寒対策に有効なマルチングは、直射日光を遮るので、実は暑さ対策にも有効です。土の温度上昇を防ぐための夏のマルチングは、バークやワラなど通気性のよい素材を用いましょう。マルチングには、泥の跳ね上がりを防ぎ、病気の発生を抑える効果もあります。このほか、植え込む用土を、あらかじめ通気性、水はけのよいものにしておくことも、夏越しのために有効です。 外に出て行うガーデニングは、短い時間でもガーデナーにとっては大変な作業。暑い日には無理をせず、涼しくなってから行いましょう。 夏の留守中の鉢植え管理方法については、『植物を気にせず旅行に行こう! 留守中の鉢植えの水管理アイデア』をお読みください。 Photo/ 1)Alexander Raths/ 2) Silarock/ 3)Jaral Lertjamekorn/ 4)Isa Long/ 5)valda/ 6)Kateryna Ovcharenko/ 7)SIM ONE/ Shutterstock.com
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一年草

【初心者向け】ルドベキアの栽培方法! 花言葉や綺麗に育てるコツをご紹介
ルドベキアってどんな花? ルドベキアはキク科オオハンゴウソウ属(ルドベキア属)の一年草、または宿根草で、種類によってライフサイクルが異なります。一年草は4〜5月頃に苗を植え付けると7〜10月に開花し、その後は枯死するので、抜き取って処分します。一方、宿根草は開花後に地上部を枯らしますが、根は生きており、越年して翌春には再び新芽を展開します。一度植え付ければ毎年開花してくれる、コストパフォーマンスの高さが魅力です。宿根草は数年植えっぱなしにしてもかまいませんが、大株に育ってきたら掘り上げて株分けし、株の若返りを図るメンテナンスが必要です。 ルドベキアの原産地は北アメリカで、約30種が自生しています。暑さに強いルドベキアは、真夏でも株が疲れることなく爛漫に咲いて、サマーガーデンを鮮やかに彩ってくれます。冬の寒さにはやや弱く、戸外でも越冬できますが、寒い地域ではバークチップや腐葉土などを表土にまいて、マルチングをしておくとよいでしょう。生命力旺盛な性質で、病害虫に強くほぼメンテナンスの手間がかからないので、ビギナーにも育てやすい植物です。 ルドベキアの花色は、黄色、オレンジ、チョコレート色、黄色い花弁の中央に赤がのる複色など。花のサイズは種類によって小輪、中輪、大輪と多様で、花姿も一重咲きもあれば八重咲きもあります。 ルドベキアは、種類によって草丈に幅があり、40〜50cmで収まるものもあれば、150cmにも達するものもあります。タネや苗を購入する際に、草丈がどのくらいまで伸びるのかをチェックしておくと、庭のどの位置に植栽すればよいかイメージしやすいでしょう。花壇では中段〜後段に向く草花です。150cmほどになる高性種は、支柱を立てて誘引しておくと、倒伏を防ぐことができます。 ルドベキアの品種 ルドベキアは、一年草、宿根草があると前述しましたが、次のように分類されます。 一年草は、黄色い花弁と黒い花心のコントラストが美しいヒルタ種が代表的。宿根草は花弁がやや下がるフルギタ種、生育旺盛でよく増え広がるラキニアタ種、小輪の花が多数つくトリロバ種があります。 園芸品種で人気なのは、スタンダードな花姿の‘タカオ’、花心のグリーンが爽やかな‘プレーリー・サン’、八重咲きで多数の花弁を重ねる‘マヤ’、色幅のある複色小輪花が目を引く‘トト・ラスティック’、花弁が赤×黄の2色咲きで黒い花心とのコントラストが美しい‘プレーリーグロー’、シックなチェリーレッドの‘チェリーブランデー’、黒の花心と緑のガクをもつ花姿がユニークな‘グリーンウィザード’などです。 ルドベキアの名前の由来と花言葉 ルドベキアの花名は、スウェーデンの植物学者カール・フォン・リンネ氏が、ウプサラ大学で学んだ際に師事したオロフ・ルドベック氏に捧げるとして、名付けられました。ルドベキアの花言葉は、「正義」「公平」「正しい選択」「立派」「あなたを見つめる」「強い精神力」など。「正義」「公平」「正しい選択」「立派」は、オロフ・ルドベック氏が植物学の研究に際して、公正に評価する人柄だったことに由来しています。「あなたを見つめる」は黒い花心から、「強い精神力」は真夏の暑さに負けずにたくさんの花を咲かせる姿から、それぞれイメージされたのかもしれません。 ルドベキアの育て方 ここまで、ルドベキアのプロフィールや特性、種類などの基本情報について幅広くご紹介してきました。さて、これから先はいよいよ実践編です。ルドベキアに適した栽培環境や植え付け、日頃の管理、病害虫対策など、詳しく解説していきます。最後まで読み終えた頃には、ルドベキアの育て方がはっきりとイメージできるはずですよ! 栽培環境(日当たり・置き場所・用土) 日当たりがよく、風通しのよい場所を好みます。日当たりの悪い場所では花つきが悪くなるので、育てる場所は、必ず日向を選ぶことが大切です。 土壌は、水はけ、水もちのよいふかふかとした状態でよく育ちます。有機質肥料を施した肥沃な土壌が理想です。水はけの悪い場合は、盛り土をして水はけをよくし、腐葉土などをすき込んでおくとよいでしょう。 暑さに強い性質ではありますが、寒さにはやや弱いほうです。とはいっても品種によって耐寒性には幅があり、戸外で放任しても越冬するものもあります。入手した苗やタネのラベルを確認して冬越しをしてください。寒さに弱い品種にはバークチップなどを株元にマルチングするとよいでしょう。 植え付け ルドベキアの苗の植え付け適期は4〜5月です。種まきから育てた場合は、鉢上げした黒ポットの底まで根が回った頃が、定植に適したタイミングです。また、花苗店で開花株を買い求めた際は、早めに定植しましょう。 【庭植え】 腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入して土づくりをしておいた場所に、ポットよりも一回り大きい植え穴を掘って、植え付けます。複数植える場合、約30cmの間隔を取りましょう。1m以上に生育する高性種の場合は、成長後の草丈に合わせてもっと広めの間隔を取っておきます。植え付けた後には、たっぷりと水やりをしましょう。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。入手した苗より1~2回り大きな鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。ルドベキアの苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下までを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 水やり 【庭植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。真夏は朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると水の温度が上がり株が弱ってしまうので、涼しい時間帯に行うことが大切です。越冬する宿根草の品種では、冬は水やりを控えめにして管理します。 追肥 ビギナーの場合、緩効性化成肥料を常備しておくのがおすすめです。植物への汎用性が高く、ニオイがしないため扱いやすいのがメリット。開花期に与える液肥は、開花促進を目的とした配合の製品を選ぶのがおすすめです。 【庭植え】 一年草の場合は、ほとんど追肥は必要ありません。株に元気がない時には、緩効性化成肥料を与えるとよいでしょう。 宿根草は越年後、新芽が出始める前に緩効性化成肥料を株周りに施します。 【鉢植え】 それほど肥料を欲する植物でもありませんが、4〜10月の生育期間は、株の勢いを見て追肥をするとよいでしょう。1〜2カ月に1回を目安に緩効性化成肥料を株の周囲にまいて株の勢いを保ちます。花茎が上がってきた頃から開花が終わるまでは、10日に1回を目安に液肥を与えるとよいでしょう。 宿根草は越年後、新芽が出始める前に緩効性化成肥料を株周りに施します。 花がら摘み ルドベキアは次から次へと花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。花茎を伸ばした頂部に花を咲かせるので、花茎の付け根からカットします。まめに花がらを摘んで株周りを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも終わった花を残しておくと、タネをつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花をつけ、長く咲き続けてくれます。 切り戻し 一通り開花して草姿が乱れてきたら、草丈の半分くらいまでを目安に全体を刈り込む「切り戻し」をするとよいでしょう。適期は8月頃です。暑さが落ち着いて涼しくなってきたら、再び株が盛り返して勢いよく生育し、秋にはたっぷりと咲く花姿を楽しめます。 ただし、遅めに苗を入手して草姿が乱れていない場合や、真夏も花を楽しみたい場合は、切り戻さずにそのままにしておいてもかまいません。 植え替え 一年草の品種は越年しないので、抜き取って処分します。 宿根草の場合は、4〜5月に植え替えを行います。 【庭植え】 一度植え付ければ数年はそのままにしてかまいませんが、大株に育って株が込み合っている場合は掘り上げて株分けし、植え直します。 【鉢植え】 生育が旺盛なので、1年に1度を目安に植え替えます。鉢から出して根が回っていたら、ほぐして不要な根を整理して植え直します。 増やし方 【種まき】 広い庭があり、花畑をつくりたい時は、種まきをしてたくさんの苗をつくるとコストを抑えることができます。 種まきの適期は、3月か9〜10月。ルドベキアの発芽適温は20℃前後です。まず、種まき用のトレイに、赤玉土とピートモスを同量ずつブレンドした土(草花用にブレンドされた培養土を使ってもOK)を入れましょう。ルドベキアのタネを播いて薄く土をかけます。霧吹きで水やりするか、水を張った容器にトレイを入れて下から給水させましょう。種まきから10日前後すると発芽します。 発芽後は日当たりのよい場所で管理。込んでいる場所があれば、苗が徒長しないように間引きます。本葉が出始めた頃に、一度液肥を少量混ぜて水やりをし、生育を促しましょう。 本葉が4〜6枚ついたら、鉢上げのタイミングです。直径6cmの黒ポットを準備し、赤玉土とピートモスを同量ずつブレンドした土(草花用にブレンドされた培養土を使ってもOK)を入れましょう。種まき用のトレイから苗の根鉢を崩さないように取り出して、ポットに植え付けます。表土には緩効性肥料を少量置き肥し、最後にたっぷり水やりを。その後は、10日に1回を目安に液肥を施して育苗します。 【株分け】 越年して生育する宿根草は、株分けをして増やすことができます。適期は4〜5月です。植え付けから数年経ち、大株に育って込み合っているようなら、掘り上げます。ノコギリやスコップで数株に切り分けて、植え直しましょう。 病害虫 強健な性質で、病気の心配はほとんどありませんが、まれにうどん粉病が発生することがあります。葉などに白い粉をかぶったような症状が現れます。肥料の与えすぎに注意し、密に茂りすぎているところは適宜間引いて、風通しよく管理しましょう。花がら摘みや枯れ葉を整理し、常に株周りを清潔にしておくことも予防につながります。 害虫は、アブラムシやハモグリバエに注意。アブラムシは、植え付けの際に土壌に混ぜる粒剤タイプの薬剤を使うと便利です。ハモグリバエは、葉の中に潜りこんで食害し、葉に白い線が浮き出てくるので発見しやすい害虫です。見つけたら葉の上から潰すか、適応する薬剤を散布して防除します。 ルドベキアを育てよう! ヒマワリに似た黄色い花を咲かせるルドベキア。その品種は豊富で、黄色、オレンジ、チョコレート色、複色咲きなどの花色が揃うほか、一重咲きや八重咲きもあり、夏から秋にかけて庭をバラエティー豊かに彩ってくれます。この記事ではそのプロフィールから特性、育て方まで詳しく解説してきました。生命力旺盛でビギナーにも育てやすいルドベキアを、ぜひ育ててみてはいかがでしょう。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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一年草

園芸初心者でも挑戦しやすい! 百日草(ジニア)の特徴や育て方のコツをご紹介
百日草の概要 百日草は、キク科ヒャクニチソウ属(ジニア属)の一年草です。原産地はメキシコを中心とした南北アメリカ。15種類ほどが分布しているとされ、暑さに強い一方で、寒さには弱い性質を持っています。春に種子を播くと、初夏から秋まで長い期間にわたって開花し続け、秋が深まると寒さに耐えられずに枯死してしまう、ライフサイクルの短い植物です。 百日草は種類によって草丈に幅があり、20cmほどでコンパクトにまとまる種類もあれば、1m以上に達する種類もあります。開花期は5〜11月で、花色は赤、ピンク、オレンジ、黄、白、緑、複色など。花姿は多様で、小輪(5cm以下)から大輪(12cm以上)までサイズに幅があるほか、咲き姿も一重咲き、八重咲き、ダリア咲き、カクタス咲き、ポンポン咲きなど多様です。 百日草の名前の由来や別名 百日草の名前は、その名の通り初夏から秋まで長く咲き続けることにちなんでいます。和名では、ほかに「長久草」とも呼ばれていました。園芸店などでは「ジニア」の名前で販売されていることが多くなっていますが、これは学名のZinniaをそのまま読んだもの。その由来は、ドイツの植物学者ヨハン・ゴットフリート・ツィン(J.G.Zin)から来ています。 百日草の花言葉 百日草の花言葉は、「不在の友を思う」「遠い友を思う」「別れた友への想い」「絆」「いつまでも変わらぬ心」「古き佳き時代」「幸福」「注意を怠るな」など。 いずれの言葉も、百日草が長く咲き続けることによる、月日の経過を連想させるものが多くなっています。特に「注意を怠るな」は、百日草が変わらずに長く咲き続けることから、時の流れの変化を見逃してはならない、という戒めが込められています。 百日草の種類 昔から百日草として馴染み深いのはジニア・エレガンスで、園芸品種は大輪・八重咲きの「F1ドリームランド系」や、大輪・ダリア咲きの「F1サン系」がポピュラー。ジニア・エレガンスは長く愛されてきた花のため品種数も多く、アンティークカラーや複色咲き、絞り咲きなど多様で、選ぶ楽しみがあります。 また、草丈が20cmほどでコンパクトにまとまり、分枝性に優れるジニア・リネアリスは、「プチランド系」が育てやすくおすすめ。種間雑種で華やかさや育てやすさを追求した「ザハラ系」や「プロフュージョンシリーズ」も人気です。 百日草の育て方 ここまで、百日草の基本情報や名前の由来、花言葉、種類など、多方面からご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、適した栽培環境や種まき、植え付け、水やりや施肥、手入れといった日頃の管理など、育て方について詳しく解説していきます。 栽培環境と置き場所 百日草は、日当たりがよく、風通しのよい場所を好みます。日当たりが悪い場所では、花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロとか弱い茎葉が茂って草姿が間のびしたりするので注意。水はけ、水もちのよい土壌を好むので、地植えする場合は植え付け前に有機質資材を投入してよく耕し、ふかふかの土づくりをしておくとよいでしょう。 長雨を嫌うエレガンスなどの種類は、鉢栽培にして日当たりのよい軒下で栽培するのが無難です。庭植えにする場合、強い雨や水やり時の泥の跳ね返りによって病気が発生することがあるので、バークチップなどを株元に施す「マルチング」をしておくと安心です。 土づくり 【地植え】 種まき、または苗を植え付ける1〜2週間前に、腐葉土や堆肥などの有機質資材と緩効性化成肥料を投入し、よく耕してふかふかの土をつくっておきます。このように事前に土づくりをしておくことで、分解が進んで土が熟成します。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。 種まき 百日草は、ビギナーでも種まきから簡単に育てられますよ! 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くて多数の苗を植えたい場合は、コストカットにもなります。 ただし、百日草の苗は晩春から花苗店に出回り始めます。手軽にスタートしたいなら、苗の植え付けからがおすすめです。「1〜2株あれば十分だから、苗の植え付けから始めたい」という方は、次項の「苗の植え付け」に進んでください。 百日草の種まきの適期は4〜5月頃で、発芽適温は20〜25℃くらいです。 【トレイまき&育苗】 花壇などに種を直まきすると、幼苗のうちに病気や虫の害にあいやすく、天候不順に左右されやすいので、種まき用のトレイに清潔な市販の種まき用の培養土を使って種を播き、適した場所で管理すると、より確実です。 種まき用のトレイを準備し、市販の草花用の培養土を入れ、5〜6cm間隔でまき溝をつけ、溝に5〜6cm間隔で種を播きます。種を播いたら、5mm厚くらいに土をかぶせ、軽く手で押さえて鎮圧しておきましょう。最後に、はす口をつけたジョウロで高い位置からやわらかい水流で水やりし、種が流れ出さないようにしてください。発芽までは乾燥させないように水の管理をしましょう。1週間ほど経つと発芽し、双葉が揃います。 発芽したら日の当たる場所で管理し、数本込み合っている部分などがあれば抜き取って間引きましょう。もったいないからといって密になっている部分をそのままにしておくと、ヒョロヒョロと間のびした徒長苗になってしまうので、注意。 本葉が2〜4枚ついたら、トレイから抜いて鉢上げします。黒ポットに草花用の培養土を入れて、苗を周りの土ごと抜き取って植え付けましょう。日当たりのよい場所に置き、表土が乾いたら水やりして育成します。多湿になると根の張りが悪くなり、ヒョロヒョロと頼りなく伸びる徒長苗になったり、病気が発生したりするので注意。適切な水分管理をすることがポイントです。鉢上げから10日ほど経ったら、1週間〜10日に1度を目安に、薄めの液肥を与えて生育を促しましょう。ポットに根が少し回るくらいまでを目安に育苗します。 【直まき】 土づくりをしておいた場所に、百日草の種をランダムにばらまきにします。ばらまきにすると、自然に芽を出したようなナチュラルな雰囲気を演出できるのがメリットです。または、5〜6cm間隔でまき溝をつけ、溝に5〜6cm間隔で条まきにしてもかまいません。条まきは整形花壇に向いており、群植させた時の管理がしやすくなります。種を播いたら、5mm厚くらいに土をかぶせ、軽く手で押さえて鎮圧しておきましょう。はす口をつけたジョウロで高い位置からやわらかい水流で水やりし、種が流れ出さないようにしてください。発芽後は、込み合っている部分があれば間引きながら育成します。間引く際は、ヒョロヒョロと長く伸びて徒長しているもの、葉色が薄く傷んでいるもの、虫に食われているものなどを選んで抜き取りましょう。最終的に株同士の間隔を20〜25cmほど取ります。密植すると蒸れたり、病気にかかりやすくなったりするので、風通しよく管理してください。 苗の植え付け 百日草の植え付け適期は5〜6月頃です。花苗店で苗を購入する際は、節間が短く茎ががっしりと締まって丈夫なものを選びましょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に苗よりも一回り大きな穴を掘り、根鉢をややくずして植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、20〜25cmほどの間隔を取りましょう。草丈が高くなる高性種の場合は、支柱を立てて麻ひもかビニールタイで誘引してください。最後に、たっぷりと水やりします。 【鉢植え】 鉢の大きさは、6〜7号鉢を準備しましょう。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。百日草の苗を鉢に仮置きし、高さを決めます。苗をポットから出し、根鉢をややくずして植え付けましょう。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。草丈が高くなる高性種の場合は、支柱を立てて麻ひもかビニールタイで誘引しておきます。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 水やり 水やりの際は株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏に水やりする場合は、気温の高い昼間に行うと、すぐに水がぬるま湯のようになり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面が白く乾いたのを確認してから、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 肥料の与え方 【地植え・鉢植えともに】 植え付け時に元肥として緩効性肥料を施しておきます。開花期は、10日に1度ほどを目安に液体肥料を与えて、株の勢いを保ちましょう。 百日草がかかりやすい病気と対処法 百日草に発症しやすい病気は、灰色かび病、うどんこ病などです。 灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほどの多湿の環境下で発生しやすい病気です。ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合っていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。灰色かび病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用する殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用する殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 百日草が被害にあいやすい害虫と対処法 百日草に発生しやすい害虫は、アブラムシ、ハダニなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要です。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として、高温乾燥期に葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけるとよいでしょう。 咲き終わった花がらをこまめに取る 百日草は次々に花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 摘心・切り戻し剪定をして花の数を増やす 【摘心】 植え付け後、幼苗のうちに茎の先端を切り取る「摘心」を繰り返すと、下からわき芽が出て枝の数が増え、花数も多くなります。 【切り戻し】 旺盛に生育し、一通り咲いて草姿が乱れてきたら、草丈の半分くらいまでを目安に全体を刈り込む「切り戻し」をするとよいでしょう。すると株が盛り返して勢いよく生育し、再びたっぷりと咲く花姿を楽しめます。 ただし、遅めに苗を入手して草姿が乱れていない場合には、切り戻さずにそのままにしておいてもかまいません。 開花時期が長く、色とりどりの花が花壇を彩る百日草 百日草は、初夏から晩秋まで、実際に100日以上咲き続けることが名前の由来になっており、長期間にわたって開花を楽しめる花です。強健な性質で初心者でも簡単に育てられるので、ビギナーにもおすすめ。ぜひ百日草を庭やベランダに取り入れてはいかがでしょうか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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宿根草・多年草

ユリが主役の夏の庭・ユリを害虫から守る方法
バラの後に夏の庭の見どころを作ってくれるユリの花 バラの花が終わり、6月に入ると雨が続き、梅雨の晴れ間にはいきなり気温が30℃以上になるので、庭の花たちには厳しい季節です。バラの頃は何もかもが美しく咲いてくれて、どこを見渡してもきれいな庭風景でしたが、夏へ向けてはそうはいかないものです。虫も出てきますし、うどんこ病や黒点病なども出てきて、葉っぱがかじられたり黄色くなったり…。蒸して暑い日本の夏は、頑張って庭仕事をしていても、虫も病気も出るもの。庭全体をきれいに保とうとすると、とても労力がかかり庭づくりが嫌になってしまうかもしれません。ですから、夏は庭のところどころに見どころをいくつか作っておくような庭づくりをしています。するとそちらに目が向き、庭がきれいに見えるのです。視線を集中させるものをフォーカルポイントといいますが、夏の庭ではユリがその役目を果たしてくれます。 ユリの種類・花の咲き方によって植える場所をセレクト ユリの種類はとても多くて、花の雰囲気もかなり違います。上の写真は、スカシユリ系の品種です。1茎から何輪もブーケのように咲いて、ボリュームたっぷり。球根を植えて5年くらいしたら、分球してこんなにたくさん花を咲かせるようになりました。5月はピンクや赤いバラがたくさん咲いている場所を、夏はこのユリが代わって華やかに彩ってくれます。庭の奥のほうですが、草丈も私と同じくらいの高さになり、待合室の窓からも、よくピンクの花が見えます。 この花はシャンデリアリリー。スカシユリと比較すると華奢で、細い花茎を伸ばしていくつも花を咲かせます。あちこちを向きながら下から咲き上がる花々は、まさしくシャンデリアのようで、本当にワクワク。繊細で素朴な雰囲気もあり、とても気に入っているユリです。アオダモの側に植えていますが、葉陰がちょうどよいようで、球根を植えて3年目ですが、よく増えてあちこちから出るようになりました。 黒いユリは1茎に1〜2輪しか花を咲かせませんが、シックで落ち着いた雰囲気を庭にもたらしてくれます。この不思議な花色が魅力的に見えるよう、白花のアジサイ‘アナベル’の手前に植えたり、同色のリシマキア・アトロプルプレアと一緒に咲かせたり、いろいろ工夫してみています。 ユリの害虫「ユリクビナガハムシ」にご注意! ユリは植えっぱなしで何年も咲いてくれる丈夫な花ですが、一つだけ注意しないといけないのが「ユリクビナガハムシ」です。じつはある時、この虫にとんでもない目にあわされたことがあります。暖かくなるにつれ、ぐんぐんとユリの茎が伸び、つぼみがつき始め、花を楽しみにワクワクしながら暑さの中で庭仕事をしていたある日のこと。翌朝、庭を訪れてみたら、突如として庭のすべてのユリのつぼみが一つもなくなっていたのです。一つも! 何が起きたのかさっぱりわからず、目がパチパチ。でも、原因はすぐに分かりました。犯人がそこにいたのですから。それが「ユリクビナガハムシ」です。幼虫は泥を背負ったような格好で(実際は自分のフン!)、成虫は赤褐色の艶々した甲虫です。米子のすぐ隣の島根県農業技術センターの病害虫データによると、「市販の病害虫解説書には全く触れられていない」ほど、あまり知られていない害虫だということですが、成虫も幼虫もユリを食害するユリ専門の害虫です。体長1cmほどの小さな虫ながら、株を丸坊主にしてしまう大食漢。「このユリはあなた方の食用に育てているんじゃないの!」と怒ってみたものの、時すでに遅し。その年はユリの花を一輪も見ることができませんでした。 ユリの害虫対策は「オルトランDX粒剤」と「ベニカXネクストスプレー」 前述の病害虫データによると、この虫は4月下旬頃から現れるそうです。私はユリのつぼみができ始める少し前に、殺虫剤の「オルトランDX粒剤」をユリの株の周りにまきます。さらに念には念を入れて、「ベニカXネクストスプレー」もつぼみにスプレーしています。以来、私の庭ではユリクビナガハムシの被害にあうことなく、毎年きれいな花を咲かせてくれています。インスタグラムにユリの写真を載せた際、同じ被害にあわれて、もうユリを抜いてしまおうと思っている、という方がいらっしゃいましたが、私には本当にその気持ちがよく分かります。ユリの球根は秋に植え、花が咲くまでに7〜8カ月間もかかるのです。 病害虫はガーデニングをしていれば必ず遭遇することなので、私はあまり完璧に防除しようとは思っていません。バラなどもバラゾウムシにやられてつぼみを落としてしまうものもありますが、それでも残った花で十分楽しんでいるくらいです。でも、ユリクビナガハムシといったら一輪も花を残しておいてくれないのですから…。植物を丸裸にしてしまうような虫は、庭での共存が難しいタイプです。 ユリの花後の手入れ方法 ユリの花が終わったら、1/3くらい茎を残して切ります。残った葉茎で光合成し、栄養が球根に届けられ球根が太っていきます。だから特に施肥をしなくても大丈夫。その後、秋になって茎が枯れてきたら、株元からポキッと茎を折り取ります。地上部は全く何もなくなりますが、球根はそのまま土中で冬を越し、来春になるとまた芽が出てきます。スカシユリ系のユリは、まるで竹の子のように春になるとニョキッと土の上に芽をだしてきます。その力強い芽を見ると、「あっ!また会えた!」と嬉しくなります。さまざまなことが不安定な世の中にあって、季節が巡れば必ず芽を出し、花を咲かせてくれる庭の植物たちは、癒やしそのものです。




















