【初心者向け】ルドベキアの栽培方法! 花言葉や綺麗に育てるコツをご紹介
花つきがよく、次から次へとつぼみをつけて夏から秋まで元気いっぱいに咲き続けるルドベキア。生命力旺盛で暑さに強く、手をかけずともよく育つので、ビギナーにおすすめの植物です。この記事では、ルドベキアの特性や種類、育て方などについて、解説していきます。カラフルな花色が魅力のルドベキアを、きっと育ててみたくなりますよ!
目次
ルドベキアってどんな花?
ルドベキアはキク科オオハンゴウソウ属(ルドベキア属)の一年草、または宿根草で、種類によってライフサイクルが異なります。一年草は4〜5月頃に苗を植え付けると7〜10月に開花し、その後は枯死するので、抜き取って処分します。一方、宿根草は開花後に地上部を枯らしますが、根は生きており、越年して翌春には再び新芽を展開します。一度植え付ければ毎年開花してくれる、コストパフォーマンスの高さが魅力です。宿根草は数年植えっぱなしにしてもかまいませんが、大株に育ってきたら掘り上げて株分けし、株の若返りを図るメンテナンスが必要です。
ルドベキアの原産地は北アメリカで、約30種が自生しています。暑さに強いルドベキアは、真夏でも株が疲れることなく爛漫に咲いて、サマーガーデンを鮮やかに彩ってくれます。冬の寒さにはやや弱く、戸外でも越冬できますが、寒い地域ではバークチップや腐葉土などを表土にまいて、マルチングをしておくとよいでしょう。生命力旺盛な性質で、病害虫に強くほぼメンテナンスの手間がかからないので、ビギナーにも育てやすい植物です。
ルドベキアの花色は、黄色、オレンジ、チョコレート色、黄色い花弁の中央に赤がのる複色など。花のサイズは種類によって小輪、中輪、大輪と多様で、花姿も一重咲きもあれば八重咲きもあります。
ルドベキアは、種類によって草丈に幅があり、40〜50cmで収まるものもあれば、150cmにも達するものもあります。タネや苗を購入する際に、草丈がどのくらいまで伸びるのかをチェックしておくと、庭のどの位置に植栽すればよいかイメージしやすいでしょう。花壇では中段〜後段に向く草花です。150cmほどになる高性種は、支柱を立てて誘引しておくと、倒伏を防ぐことができます。
ルドベキアの品種
ルドベキアは、一年草、宿根草があると前述しましたが、次のように分類されます。
一年草は、黄色い花弁と黒い花心のコントラストが美しいヒルタ種が代表的。宿根草は花弁がやや下がるフルギタ種、生育旺盛でよく増え広がるラキニアタ種、小輪の花が多数つくトリロバ種があります。
園芸品種で人気なのは、スタンダードな花姿の‘タカオ’、花心のグリーンが爽やかな‘プレーリー・サン’、八重咲きで多数の花弁を重ねる‘マヤ’、色幅のある複色小輪花が目を引く‘トト・ラスティック’、花弁が赤×黄の2色咲きで黒い花心とのコントラストが美しい‘プレーリーグロー’、シックなチェリーレッドの‘チェリーブランデー’、黒の花心と緑のガクをもつ花姿がユニークな‘グリーンウィザード’などです。
ルドベキアの名前の由来と花言葉
ルドベキアの花名は、スウェーデンの植物学者カール・フォン・リンネ氏が、ウプサラ大学で学んだ際に師事したオロフ・ルドベック氏に捧げるとして、名付けられました。ルドベキアの花言葉は、「正義」「公平」「正しい選択」「立派」「あなたを見つめる」「強い精神力」など。「正義」「公平」「正しい選択」「立派」は、オロフ・ルドベック氏が植物学の研究に際して、公正に評価する人柄だったことに由来しています。「あなたを見つめる」は黒い花心から、「強い精神力」は真夏の暑さに負けずにたくさんの花を咲かせる姿から、それぞれイメージされたのかもしれません。
ルドベキアの育て方
ここまで、ルドベキアのプロフィールや特性、種類などの基本情報について幅広くご紹介してきました。さて、これから先はいよいよ実践編です。ルドベキアに適した栽培環境や植え付け、日頃の管理、病害虫対策など、詳しく解説していきます。最後まで読み終えた頃には、ルドベキアの育て方がはっきりとイメージできるはずですよ!
栽培環境(日当たり・置き場所・用土)
日当たりがよく、風通しのよい場所を好みます。日当たりの悪い場所では花つきが悪くなるので、育てる場所は、必ず日向を選ぶことが大切です。
土壌は、水はけ、水もちのよいふかふかとした状態でよく育ちます。有機質肥料を施した肥沃な土壌が理想です。水はけの悪い場合は、盛り土をして水はけをよくし、腐葉土などをすき込んでおくとよいでしょう。
暑さに強い性質ではありますが、寒さにはやや弱いほうです。とはいっても品種によって耐寒性には幅があり、戸外で放任しても越冬するものもあります。入手した苗やタネのラベルを確認して冬越しをしてください。寒さに弱い品種にはバークチップなどを株元にマルチングするとよいでしょう。
植え付け
ルドベキアの苗の植え付け適期は4〜5月です。種まきから育てた場合は、鉢上げした黒ポットの底まで根が回った頃が、定植に適したタイミングです。また、花苗店で開花株を買い求めた際は、早めに定植しましょう。
【庭植え】
腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入して土づくりをしておいた場所に、ポットよりも一回り大きい植え穴を掘って、植え付けます。複数植える場合、約30cmの間隔を取りましょう。1m以上に生育する高性種の場合は、成長後の草丈に合わせてもっと広めの間隔を取っておきます。植え付けた後には、たっぷりと水やりをしましょう。
【鉢植え】
草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。入手した苗より1~2回り大きな鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。ルドベキアの苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下までを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。
水やり
【庭植え】
植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。真夏は朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。
【鉢植え】
日頃の水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると水の温度が上がり株が弱ってしまうので、涼しい時間帯に行うことが大切です。越冬する宿根草の品種では、冬は水やりを控えめにして管理します。
追肥
ビギナーの場合、緩効性化成肥料を常備しておくのがおすすめです。植物への汎用性が高く、ニオイがしないため扱いやすいのがメリット。開花期に与える液肥は、開花促進を目的とした配合の製品を選ぶのがおすすめです。
【庭植え】
一年草の場合は、ほとんど追肥は必要ありません。株に元気がない時には、緩効性化成肥料を与えるとよいでしょう。
宿根草は越年後、新芽が出始める前に緩効性化成肥料を株周りに施します。
【鉢植え】
それほど肥料を欲する植物でもありませんが、4〜10月の生育期間は、株の勢いを見て追肥をするとよいでしょう。1〜2カ月に1回を目安に緩効性化成肥料を株の周囲にまいて株の勢いを保ちます。花茎が上がってきた頃から開花が終わるまでは、10日に1回を目安に液肥を与えるとよいでしょう。
宿根草は越年後、新芽が出始める前に緩効性化成肥料を株周りに施します。
花がら摘み
ルドベキアは次から次へと花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。花茎を伸ばした頂部に花を咲かせるので、花茎の付け根からカットします。まめに花がらを摘んで株周りを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも終わった花を残しておくと、タネをつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花をつけ、長く咲き続けてくれます。
切り戻し
一通り開花して草姿が乱れてきたら、草丈の半分くらいまでを目安に全体を刈り込む「切り戻し」をするとよいでしょう。適期は8月頃です。暑さが落ち着いて涼しくなってきたら、再び株が盛り返して勢いよく生育し、秋にはたっぷりと咲く花姿を楽しめます。
ただし、遅めに苗を入手して草姿が乱れていない場合や、真夏も花を楽しみたい場合は、切り戻さずにそのままにしておいてもかまいません。
植え替え
一年草の品種は越年しないので、抜き取って処分します。
宿根草の場合は、4〜5月に植え替えを行います。
【庭植え】
一度植え付ければ数年はそのままにしてかまいませんが、大株に育って株が込み合っている場合は掘り上げて株分けし、植え直します。
【鉢植え】
生育が旺盛なので、1年に1度を目安に植え替えます。鉢から出して根が回っていたら、ほぐして不要な根を整理して植え直します。
増やし方
【種まき】
広い庭があり、花畑をつくりたい時は、種まきをしてたくさんの苗をつくるとコストを抑えることができます。
種まきの適期は、3月か9〜10月。ルドベキアの発芽適温は20℃前後です。まず、種まき用のトレイに、赤玉土とピートモスを同量ずつブレンドした土(草花用にブレンドされた培養土を使ってもOK)を入れましょう。ルドベキアのタネを播いて薄く土をかけます。霧吹きで水やりするか、水を張った容器にトレイを入れて下から給水させましょう。種まきから10日前後すると発芽します。
発芽後は日当たりのよい場所で管理。込んでいる場所があれば、苗が徒長しないように間引きます。本葉が出始めた頃に、一度液肥を少量混ぜて水やりをし、生育を促しましょう。
本葉が4〜6枚ついたら、鉢上げのタイミングです。直径6cmの黒ポットを準備し、赤玉土とピートモスを同量ずつブレンドした土(草花用にブレンドされた培養土を使ってもOK)を入れましょう。種まき用のトレイから苗の根鉢を崩さないように取り出して、ポットに植え付けます。表土には緩効性肥料を少量置き肥し、最後にたっぷり水やりを。その後は、10日に1回を目安に液肥を施して育苗します。
【株分け】
越年して生育する宿根草は、株分けをして増やすことができます。適期は4〜5月です。植え付けから数年経ち、大株に育って込み合っているようなら、掘り上げます。ノコギリやスコップで数株に切り分けて、植え直しましょう。
病害虫
強健な性質で、病気の心配はほとんどありませんが、まれにうどん粉病が発生することがあります。葉などに白い粉をかぶったような症状が現れます。肥料の与えすぎに注意し、密に茂りすぎているところは適宜間引いて、風通しよく管理しましょう。花がら摘みや枯れ葉を整理し、常に株周りを清潔にしておくことも予防につながります。
害虫は、アブラムシやハモグリバエに注意。アブラムシは、植え付けの際に土壌に混ぜる粒剤タイプの薬剤を使うと便利です。ハモグリバエは、葉の中に潜りこんで食害し、葉に白い線が浮き出てくるので発見しやすい害虫です。見つけたら葉の上から潰すか、適応する薬剤を散布して防除します。
ルドベキアを育てよう!
ヒマワリに似た黄色い花を咲かせるルドベキア。その品種は豊富で、黄色、オレンジ、チョコレート色、複色咲きなどの花色が揃うほか、一重咲きや八重咲きもあり、夏から秋にかけて庭をバラエティー豊かに彩ってくれます。この記事ではそのプロフィールから特性、育て方まで詳しく解説してきました。生命力旺盛でビギナーにも育てやすいルドベキアを、ぜひ育ててみてはいかがでしょう。
Credit
文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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