トップへ戻る

真夏の鉢植え管理で気をつけたい4つのポイント

真夏の鉢植え管理で気をつけたい4つのポイント

非常に暑い日が続く近年の夏。人間の体にも厳しい暑さですが、植物にとっても過酷な季節です。今回は、特に気温の影響を受けやすい鉢植えの植物の、夏の手入れで気をつけたい大切なポイントを解説します。

Print Friendly, PDF & Email

鉢植えの植物の夏の手入れ

年々暑さが増すようにも思える日本の夏。植物にとっても過酷な暑さが続きます。特に、鉢植えの植物は、周囲の環境の影響をダイレクトに受けやすいので、夏は暑さ対策が必要です。夏の手入れで気をつけたいポイントを4つ、おさらいしておきましょう。

水やり

植物の夏の手入れで、まず重要なのが水やりです。水やりの基本は、土が乾いたときに、鉢底から流れ出るまで、たっぷりと与えること。夏場の水やりでは、これに加えて時間帯も大切な要素になってきます。というのも、夏の日中は鉢の中が高温になるため、与えた水がお湯になってしまい、根を傷めてしまう危険があるため。水やりは午前中の早い時間帯か夕方以降に行い、日中は避けるようにしましょう。水やりの際、ホースの中に残った水は熱せられてお湯になっていることも多いので、冷たくなるまで放水してから水やりを。

また、水切れも根を傷める原因となります。夏は鉢の中の水の蒸発が早いため、朝夕2回の水やりが必要な場合もあります。特に、小さめの鉢は水切れしやすいので注意が必要です。他に、緑のカーテンに利用しているアサガオの鉢などは、直射日光の当たる場所にあり、乾きやすいので、夏場は朝夕2回与えるとよいでしょう。水切れしてしまった場合、鉢より大きなバケツに水を張り、その中に鉢を沈めて回復を待ってみましょう。

水やりの際、株元に直接与えることが多いですが、夏バテしている植物は、葉に水をかける葉水をして枝葉の温度を下げてやるのも効果的です。土に水が残っているのに葉がしおれている場合などは、葉水をして涼しい場所に移し、様子を見てみましょう。地植えの場合は、根を地中に伸ばして水を得るため、鉢植えのように毎日水をやる必要はありませんが、暑い晴天が続くようであれば水やりをしたほうがよいでしょう。

置き場所

鉢植えは、置き場所を移動できるのが大きなメリット。そのメリットを生かすために、夏の鉢植えに適した置き場所を確認しましょう。

暑さや直射日光に強い植物以外の鉢植えは、樹木の下や軒下など、半日陰で風通しのよい、涼しい場所に移動します。夏の強い日差しを浴びていると、葉焼けや夏バテの原因となることもあるので、朝の短い時間、日が当たる場所などに移動し、西日は避けましょう。地植えや大きな鉢で移動ができない場合、日よけや夏に強い植物を利用して日陰をつくってやるとよいでしょう。

また、置き場所の温度も要チェック。植木鉢をベランダの床などに直接置くと、鉢に熱が伝わり、植物を傷める原因になりかねません。鉢台やすのこ、レンガなどを利用して鉢を持ち上げ、床に直接触れないようにしましょう。鉢カバーなどで、直射日光を防ぎ、鉢内の温度が上がらないようにするのも効果的です。エアコンの室外機近くは熱風が噴き出すため、植物は置かないようにしましょう。

蒸れ対策

高温多湿の日本では、梅雨から夏にかけて、蒸れが大きな問題となります。風の通る場所に置くとともに、植物自体も不要な枝葉を整理して、すっきりと風通しよく育てます。花がらは、そのままにしておくと見た目が悪いだけでなく、蒸れの原因にもなり、またタネをつくって株の体力を奪うので、こまめに取り除きましょう。また、ラベンダーなどは梅雨前に収穫を兼ねて切り戻しをすると、夏越しできる可能性が高まります。秋以降の生育にもつながるため、茂りすぎたものは軽く切り戻しておきましょう。ただし、切り戻しは植物に負担をかける行為でもあるので、それぞれの植物に合わせて行います。

肥料の量

夏の鉢では、肥料も気をつけたいポイント。夏に旺盛に生育する植物もありますが、多くは暑さで生育が鈍ります。そのような時に、鉢内に多く肥料があると、植物への負担になります。夏は肥料は控えめにしましょう。ただし、夏に花を咲かせるものや旺盛に生育するものなどは、肥料が切れると花が止まってしまったり、生育に影響が出ることもあるので、植物に合わせて与えます。

これらの基本対策のほかに、鉢にマルチングをするのも一手。防寒対策に有効なマルチングは、直射日光を遮るので、実は暑さ対策にも有効です。土の温度上昇を防ぐための夏のマルチングは、バークやワラなど通気性のよい素材を用いましょう。マルチングには、泥の跳ね上がりを防ぎ、病気の発生を抑える効果もあります。このほか、植え込む用土を、あらかじめ通気性、水はけのよいものにしておくことも、夏越しのために有効です。

外に出て行うガーデニングは、短い時間でもガーデナーにとっては大変な作業。暑い日には無理をせず、涼しくなってから行いましょう。

夏の留守中の鉢植え管理方法については、『植物を気にせず旅行に行こう! 留守中の鉢植えの水管理アイデア』をお読みください。

併せて読みたい

夏の庭で涼しく過ごそう! ボタニカルライフに涼を呼ぶ水の効果
夏の庭でありがちなガーデニングの失敗「水切れ」応急処置法
酷暑・猛暑を有効利用しよう! 暑い夏だからこそできる庭仕事

Photo/ 1)Alexander Raths/ 2) Silarock/ 3)Jaral Lertjamekorn/ 4)Isa Long/ 5)valda/ 6)Kateryna Ovcharenko/ 7)SIM ONE/ Shutterstock.com

Print Friendly, PDF & Email

人気の記事

連載・特集

GardenStoryを
フォローする

ビギナーさん向け!基本のHOW TO