初夏から晩秋まで長く咲き続けるマリーゴールドは、オレンジや黄色などのビタミンカラーの花色が魅力。生命力旺盛で、一度植え付ければ手をかけずとも元気に育つため、ビギナーにおすすめの草花です。この記事では、マリーゴールドの基本情報や種類、育て方についてご紹介していきます。

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マリーゴールドの基本情報

マリーゴールド
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マリーゴールドは、キク科マンジュギク属(タゲテス属)の一年草です。原産地はメキシコ、中央アメリカなどで、暑さに強く寒さに弱い性質をもっています。ライフサイクルの短い一年草で、春に種を播くと5月頃から開花し始め、晩秋まで長く咲き続けますが、寒さは乗り越えられずに枯死します。

マリーゴールドの草丈は20〜100cmくらい。ずいぶんと幅がありますが、これは種類によってコンパクトにまとまるものもあれば、支柱が必要なくらいに丈が伸びるものもあるためです。花壇に取り入れる場合は、他の草花と調和させるためにも購入前にラベルなどに書かれている草丈を確認しておくとよいでしょう。マリーゴールドの花色は黄色、オレンジ、赤、白、複色など。種類によって一重咲き、八重咲き、カーネーション咲き、クラウン咲きなどの花姿が揃います。

マリーゴールドの種類

マリーゴールドにはいくつかの種類の系統があるので、それぞれについてご紹介します。

フレンチマリーゴールド

フレンチマリーゴールド
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メキシコ原産のパツラ種、またそれをもとに品種改良された品種群です。花が小さく、草丈もコンパクトにまとまり、最もポピュラーに出回っています。フランスの庭園に植えられ、そこから広まっていったために、フレンチマリーゴールドと呼ばれるようになりました。

アフリカンマリーゴールド

アフリカンマリーゴールド
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メキシコ原産のエレクタ種、またそれをもとに品種改良された品種群です。花は比較的大きめで、八重咲きが人気。草丈もやや高くなります。ヨーロッパに持ち込まれた後、イギリスからアフリカに渡って植栽されるようになったことから、アフリカンマリーゴールドと呼ばれるようになりました。

メキシカンマリーゴールド

メキシカンマリーゴールド
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メキシコ原産のテヌイフォリア種、またそれをもとに品種改良された品種群です。草丈は20cm前後と小ぶりで、細い葉をもつため華奢な印象。花も小さく一重咲きで、楚々とした風情が魅力です。

マリーゴールドを上手に育てるためのポイント

ここまで、マリーゴールドの基本情報や種類についてご紹介してきました。ここからはガーデニングの実践編として、適した栽培環境や種まき、植え付け、水やりや施肥、日頃の管理など、育て方について詳しく解説します。

マリーゴールドに適した栽培環境

マリーゴールド
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マリーゴールドは、日当たりがよく、風通しのよい場所を好みます。日当たりが悪い場所では、花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロとか弱い茎葉が茂って草姿が間のびしたりするので注意。水はけ、水もちのよい土壌を好むので、地植えする場合は植え付け前に有機質資材を投入してよく耕し、ふかふかの土づくりをしておくとよいでしょう。

マリーゴールドに適した土づくり

土
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【地植え】

種まき、または苗を植え付ける1〜2週間前に、腐葉土や堆肥などの有機質資材と緩効性化成肥料を植え場所に投入し、よく耕してふかふかの土をつくっておきます。土づくりは植え付け直前ではなく、数週間前に行っておくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。

【鉢植え】

草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。

マリーゴールドは種まきから簡単に育てられる!

マリーゴールドの種
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マリーゴールドは、ビギナーでも種まきから簡単に育てられますよ! 種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くて多数の苗を植えたい場合は、コストカットにもなります。

ただし、マリーゴールドの苗は晩春から花苗店に出回り始めます。手軽にスタートしたいなら、苗の植え付けからのスタートがおすすめです。「1〜2株あれば十分だから、苗の植え付けから始めたい」という方は、次項の「マリーゴールドを植え付けるときに気をつけるポイント」に進んでください。

マリーゴールドの種まきの適期は4〜5月頃で、発芽適温は20〜25℃くらいです。種まきから栽培する場合、花壇などに種を直まきすると、幼苗のうちに病気や虫の害にあいやすく、天候不順に左右されやすいので、種まき用のトレイに清潔な市販の種まき用の培養土を使って種を播き、適した場所で管理すると、より確実です。

種まき用のトレイを準備し、市販の草花用の培養土を入れて種子をまきます。5mm厚くらいに土をかぶせ、軽く手で押さえて鎮圧しておきましょう。最後に、種子が流れ出さないように、はす口をつけたジョウロで高い位置からやわらかい水流で水やりしてください。発芽までは乾燥させないように水の管理をしましょう。5〜6日ほど経つと発芽し、双葉が揃います。

発芽したら日の当たる場所で管理し、数本が込み合っている部分などがあれば抜き取って間引きましょう。もったいないからといって密になっている部分をそのままにしておくと、ヒョロヒョロと間のびした徒長苗になってしまうので、ご注意を。

本葉が2〜4枚ついたら、トレイから抜いて鉢上げします。黒ポットに草花用の培養土を入れて、苗を周りの土ごと抜き取って植え付けましょう。日当たりのよい場所に置き、表土が乾いたら水やりして育成します。多湿になると根の張りが悪くなり、ヒョロヒョロと頼りなく伸びる徒長苗になったり、病気が発生したりするので注意。適切な水分管理をすることがポイントです。ポットに根が少し回るくらいまでを目安に育苗します。

マリーゴールドを植え付けるときに気をつけるポイント

ガーデニング
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マリーゴールドの植え付け適期は5〜6月頃です。花苗店で苗を購入する際は、節間が短く茎ががっしりと締まって丈夫なものを選びましょう。

【地植え】

土づくりをしておいた場所に苗よりも一回り大きな穴を掘り、根鉢をやや崩して植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、フレンチ種は20〜25cm、アフリカン種は30〜35cmほどの間隔を取りましょう。草丈が高くなる高性種の場合は、支柱を立てて麻ひもかビニールタイで誘引してください。最後に、たっぷりと水やりします。

【鉢植え】

鉢の大きさは、6〜7号鉢を準備します。

用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。マリーゴールドの苗を鉢に仮置きし、高さを決めます。苗をポットから出し、根鉢をやや崩して植え付けましょう。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。草丈が高くなる高性種の場合は、支柱を立てて麻ひもかビニールタイで誘引しておきます。寄せ植えの素材として大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。

マリーゴールドの水やり

水やり
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水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。

真夏に水やりする場合は、気温が上がっている昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。

【地植え】

根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。

【鉢植え】

日頃の水やりを忘れずに管理します。マリーゴールドは乾燥すると下葉から枯れ上がってくることがあるので、水切れに注意してください。ただし、いつでもジメジメとした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面が乾いたのを見はからってから、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。

マリーゴールドに肥料を与える際のポイント

肥料
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【地植え】

植え付け時に元肥として緩効性肥料を施しておきます。強健な性質なのでその後は特に不要ですが、株に勢いがないようであれば、液肥を与えて様子を見てください。チッ素成分の多い肥料を与えると茎葉ばかりが茂って花数が少なくなるので注意します。

【鉢植え】

植え付け時に元肥として緩効性肥料を施しておきます。鉢植えの場合は水やりとともに肥料成分が流亡しやすいので、開花期に10日に1度くらいを目安に液体肥料を与え、株の勢いを保ちましょう。

マリーゴールドの管理で大切な花がら摘みと切り戻し

マリーゴールド
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【花がら摘み】

マリーゴールドは次々に花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも終わった花を残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。

【切り戻し】

旺盛に生育し、一通り咲いて草姿が乱れてきたら、草丈の半分くらいまでを目安に全体を刈り込む「切り戻し」をするとよいでしょう。すると再び株が盛り返して勢いよく生育し、再びたっぷりと咲く花姿を楽しめます。

マリーゴールドを育てるうえで気をつけておきたい病気と害虫

アブラムシ
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【病気】

マリーゴールドの栽培で気をつけたい病気は、灰色かび病です。

灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほどで多湿の環境下で発生しやすい病気です。ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合いすぎていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合いすぎている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。

【害虫】

マリーゴールドの栽培で気をつけたい害虫は、アブラムシ、ハダニなどです。

アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目にも不愉快なので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。

ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要です。繁殖力が高く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期に葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけて予防するとよいでしょう。

マリーゴールドの増やし方

種まき
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マリーゴールドは、種まき、挿し芽で増やすことができます。種まきの方法は、前述の「マリーゴールドは種まきから簡単に育てられる!」の項目を参照してください。

挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し芽できないものもありますが、マリーゴールドは挿し芽で増やせます。

マリーゴールドの挿し芽は、生育期間ならいつでも可能です。新しく伸びた枝を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚取ります。セルトレイを用意して新しい培養土を入れ、水を入れて十分に湿らせておきます。培養土に穴を開け、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。根が回ってきたら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。

花壇でも鉢やプランターの寄せ植えでも楽しめるマリーゴールド

ガーデン
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丈夫でメンテナンスの手間がかからないマリーゴールドは、初夏から晩秋まで咲き続けるので、ぜひ庭やコンテナの寄せ植えに取り入れたい植物です。花壇に植える場合は、前段〜中段がおすすめ。開花期が長いので頻繁に植え替えたくない場所を選ぶのがおすすめ。スペースが広ければ群植して迫力を出してもいいですね。寄せ植えにする場合は、アフリカン種は主役に、メキシカン種は脇役として活躍。フレンチ種は珍しい品種を選べば、目を引くアクセントになります。

コンパニオンプランツとして畑でも活躍!

マリーゴールド
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マリーゴールドは独特の香りを持っており、害虫のセンチュウを寄せ付けないことで知られています。その効果を生かし、コンパニオンプランツとして菜園などで野菜と一緒に植栽されることもあるほどです。愛らしい花を楽しみつつ、他の植物を害虫から守る目的で取り入れるのもいいですね。

長期間鮮やかな花が楽しめるマリーゴールドを育ててみよう!

マリーゴールド
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真夏の暑さにも負けずに元気に咲き続けるマリーゴールドは、初心者でも育てやすい草花の代表的な存在です。センチュウ対策のコンパニオンプランツとしても役立つマリーゴールドを、ぜひ庭やベランダで育ててみてはいかがでしょうか。

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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