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秋はガーデニングのオンシーズン。今年は残暑が厳しく長かったため、庭が少々荒れ気味になっているかもしれません。枯れ茎を剪定したり、枯れ葉を取り除いたり、いったん庭を整理して、秋の花が美しく際立つようにしましょう。今月末にはハロウィンが控えているので、庭にも楽しい演出をしてみてはいかがですか。今、やっておきたい庭仕事を、ガーデニストの面谷ひとみさんに伺います。

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庭の整理をすることで病害虫被害が減らせます

今年は暑さの影響もあり、長年育ててきたベニバスモモ‘ベイリーズセレクト’や大きなつるバラが枯れてしまいました。たぶん、カミキリムシの幼虫、テッポウムシの仕業です。テッポウムシは樹木の中に入って幹の中を食い荒らす厄介な虫ですが、猛暑で幼虫の活動が活発になることがあるそうです。庭の景色として重要な役目を果たしていた木々が枯れるのは、とっても残念で悔しいことですが、仕方ありません。こういうとき私は、「また新しい植物を試す機会をもらった!」と気持ちを切り替えるようにしています。枯れてしまった樹木は、そのままにしておくと台風などで倒れて危険なので切り倒します。秋はまずこうした庭の片付けから。整理整頓、庭をきれいにすることで、新たな病害虫の被害も防ぐことができます。

間引き・透かし剪定をしましょう

夏の庭
夏の間に見通しがきかないほど植物が茂った。

病害虫を防ぐのに欠かせないのが風通し。風は見えないのであまり意識されませんが、植物が健全に育つためには太陽と水と並んで、風は重要な要素です。風通しが悪いと蒸れて病気が発生したり、害虫が隠れやすい棲み処になったりします。夏の間にボサボサと茂った株は、思い切って剪定しましょう。

剪定
茂りすぎた株は株元から「間引き・透かし剪定」。

この剪定でポイントとなるのは、枝数を減らすように「株元から切る」ことです。これを間引き剪定、あるいは透かし剪定といいます。剪定というと生け垣の刈り込みのように上部をバッサリ切ることをイメージされるかもしれませんが、これでは株の風通しは確保できません。株の間を透かすように株元から数本を剪定することで、風通しがよくなります。また、バサッと上部だけを「オンザ眉毛」風に切るよりも、この剪定の仕方のほうが、庭の雰囲気が自然です。

剪定後の庭
間引き・透かし剪定をしてすっきり。風通しも見通しもよくなった。

枯れ茎を整理しましょう

剪定
新葉を残し、春から伸びて古くなった茎はカット。

春から初夏にかけて咲いた宿根草や球根類の茎は、まだ葉をつけていますが、曲がったり葉が茶色くなったりしています。下から新しい葉が出てきているものもあるので、新葉は残し、古い葉や茎はカットしてすっきりさせましょう。球根類は葉から球根に栄養が送られているので、緑色のうちは残しておきますが、黄色くなったら役目を終了したのでカットしてOKです。

切り戻し
ユリなどの球根類も葉が黄色くなったら株元からカットしてOK。

そうこうして庭がきれいになっていくうちに、バラの株元からオガクズが出ていたりするのを発見したりします。このオガクズがテッポウムシ被害の証拠です。株元をよく見ると穴があいているので、その穴に専用のスプレーを噴射し、中にいる幼虫を退治しますが、食べ進められた枝は枯れてしまいます。

テッポウムシ
オガクズに注意!

一緒に庭づくりをしているガーデナーの安酸友昭さんは、「親のカミキリムシをやっつけたら、捨てんで死骸を株元に置いておいてください」と、またヘンなことを言います。「同胞たちがバラバラ死んどったら、あ、この庭は物騒だぞって、カミキリムシが思うんじゃないかと僕は思うんですよね。僕が母親だったら、そんな物騒な庭に子どもを産みつけんですがん」とかなんとか。本当かいなと思いながらも、でも、今のところ決定打となる予防策がないので、安酸考案の「見せしめ作戦」を試してみています。

スズメバチに注意を!

この時期は、働きバチの数が増えて攻撃性が高まる季節です。庭で片付けをしていると不意に刺激してしまったりすることがあるので、注意しましょう。黒い服は攻撃の対象になりやすいので、庭仕事をする時は避けましょう。近くにきたら、騒がずゆっくり退避を。複数回刺されるとアナフィラキシーショックを起こすことがあるので、速やかに病院へ。一度刺されたことがある方は、病院でエピペンを処方してもらい持っていたほうが安全です。

秋の花の植え付け

秋の庭

庭がすっかり片づいたら、秋に開花期を迎える一年草や多年草を植え付け、寄せ植えも秋仕様にします。秋におすすめの草花をご紹介します。

秋の庭を華やかに彩るおすすめの草花

コスモス

コスモス/ピンクや白、濃赤、黄、オレンジなど花色豊富な秋を代表する一年草。日向であればよく育ち、脇芽を上げて11月までよく咲きます。

プレクトランサスとカクテルマム

プレクトランサス(紫の花)/本来は多年草ですが、冬越しが難しいので一年草扱いです。10〜11月にかけて花の最盛期を迎えます。

カクテルマム(白とピンクの花)/株姿がコンパクトにまとまる小型のキクです。年々、花色のバリエーションが豊富になります。花もちが抜群で、寄せ植えに重宝する宿根草。

セロシア

セロシア/ケイトウの名で知られる秋の一年草。夏から植えておいたものが11月まで咲き続けます。

マリーゴールド

マリーゴールド‘ファイヤーボール’/赤からオレンジへと色変わりしながら晩秋まで咲き続けるマリーゴールド。一年草。

センニチコウ

センニチコウ/ポンポンの丸い苞(ほう)を観賞する一年草。たくさんの品種があり、花色も大きさも豊富。

秋の寄せ植えを作ろう

秋の寄せ植え

上記でご紹介したように、秋には一年草の花が豊富に出てきます。これらの花を使って、安酸さんが寄せ植えを作ってくれました。

【使った花材】

  • プレクトランサス‘マジックモナ’(紫の花)
  • ペンタス(赤い星形の花)
  • キク‘ストリームピンクバイカラー’(白とピンクの花)
  • ダールベルグデージー(黄色の花)
  • カスミソウ‘ジプシー’(鉢縁に植えた白とピンクの小花)
  • キャットテール(鉢縁に植えた赤いふわふわした花)
秋の寄せ植え
ガーデンの入り口の巨大な鉢も秋仕様に。クリニックの診察時間を待つ患者さんの目を楽しませてくれます。
秋の寄せ植え
ケイトウやチョコレートコスモス、ジニア ザハラダブルサーモン、ソラナム・パンプキン、ペンタス、キャットテールなど。

ハロウィンの庭演出をしよう

ハロウィンのカボチャ

シーズンのイベントを庭に取り入れると、楽しい季節感の演出ができます。今月末にはハロウィンが控えていますね。ハロウィンといえばカボチャ! カボチャを庭のあちこちに置くだけで、途端にハロウィンらしい雰囲気になりますよ。飾り用のカボチャは地方の「道の駅」などへ行くと巨大なものが販売されていたり、フラワーショップでもユニークな柄のおもちゃカボチャを売っています。以前、はりきって大きなカボチャをくりぬいて「ジャック・オー・ランタン」を作り、中に電球を入れて点灯したことがあります。本当に素敵な照明になったのですが、そのうち中のカボチャが腐ってショートし、大変なことに! 電気をつけるのはおすすめしません。

ハロウィンの庭
寄せ植え用の鉢にもおもちゃカボチャをいっぱい。赤い実は庭のアロニアの枝。

秋のお買い物

球根

秋は園芸店の品揃えが豊富になってくる時期です。この時期にしか並ばないものや早々に売り切れてしまうものがあるので、買い逃しがないようチェックしましょう。球根の植え付けどきはイチョウの黄葉が目安なので、まだまだ先ですが、植え付け時期になると店頭はすでに品薄です。早めに選んで確保しておくことをおすすめします。バラも今年は猛暑の影響で流通量が少なめと聞きます。早めに予約しておいたほうがよいかもしれませんね。私はガーデンストーリーを見て、早速バラをいくつか予約しましたよ!

カボチャ

やっと涼しくなって、ガーデニングを謳歌できることを嬉しく思っている方は多いのではないでしょうか。私ももちろんその1人。来年の庭へ向けての準備はもう始まっています。さぁ、庭仕事です!

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