スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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暮らし
![[冬至とは]2025年はいつ? 柚子湯にカボチャなど冬至の風習や雑学をご紹介](https://gardenstory.jp/wp-content/uploads/2019/12/0faca24395375a3e55ef9ddcc5c25f95.jpg)
[冬至とは]2025年はいつ? 柚子湯にカボチャなど冬至の風習や雑学をご紹介
冬至とはどんな日? みなさんは、冬至とはどのような日かご存じですか? まずは、冬至の意味や日程の決まり方をおさらいしてみましょう。 冬至の意味 冬至は、夏至や春分、秋分などと同じく、「二十四節気」の一つです。二十四節気とは、一年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けたもので、季節を表す言葉として使われています。その中で、北半球では一年を通じて一番夜が長い日が冬至に当たります。日照時間が一年でもっとも短く、この日を境に再び日が長くなることから、太陽の力がもっとも衰える日や太陽が生まれ変わる日として捉えられ、世界各地でさまざまな風習が伝わっています。 Designua/Shutterstock.com さて、このように、日照時間が季節によって異なる理由は、地軸の傾きにあります。地球は自転軸が傾いた状態で太陽の周りを公転しているため、季節によって太陽からの光を受けられる時間が異なり、夏や冬の変化が生まれます。北極側が太陽のほうを向く夏には、北半球で昼が長くなり、南極側が太陽のほうを向く冬は南半球で昼が長く、北半球で夜が長くなるのです。 ちなみに、新暦の6月頃に訪れる夏至は、一年を通じてもっとも昼が長い日。日本でも、冬至と夏至を比較すると、昼間の時間はなんと5時間ほども異なるのだそうです。 冬至の日程の決まり方 そんな冬至の日ですが、毎年同じ日というわけではなく、12月22日前後で年によって異なります。冬至の日程は、「定気法(実気法)」という計算式を利用して決められています。これは、天保暦から採用された二十四節気の定め方で、太陽の天球上の通り道である黄道を、15°ごとに24等分する方法です。時間で24等分する「平気法 (恒気法/常気法)」とは異なり、地球と太陽の位置関係から決定されるため、節気間の間隔は一定ではありません。 今年、2025年の冬至は12月22日にあたります。 冬至にまつわる風習は? sasaken/Shutterstock.com 先述の通り、冬至の日には、世界各地でさまざまな風習が行われています。まず、日本の主な風習をご紹介しましょう。冬至は一年で一番日が短いことから、もっとも死に近い日とされ、厄除けの行事が多く行われてきました。同時に、この日を境に運気が上昇に転じる縁起のよい日でもあります。 冬至にまつわる風習1【ん】がつく食べ物を食べる 冬至には、運気が上がる「ん」がつく食べ物を食べるという風習が、日本各地にあります。特に、名前に「ん」が2回含まれる食べ物は、運気が2倍になって縁起がよいとされています。「ん」が2回つく食材7種類、すなわち、なんきん(かぼちゃ)、にんじん、れんこん、ぎんなん、きんかん、かんてん、うんどん(うどん)を指して「冬至の七種」と呼ぶこともあります。特にうどんは、出世に必要とされる運(うん)・鈍(どん)・根(こん)に通じることから、出世に通ずる食材としても広く親しまれています。 ところで、なぜ「ん」が縁起がよいとされているのでしょうか。「ん」の音は「運(うん)」に通じることから、語呂合わせで「ん」がつくものは「運」がつくとして定着しました。また、「ん」はいろは唄でも50音でも一番終わりの音にあたり、この日を境に陰から陽に状況が転じるとされる冬至に、いったん区切りをつけるという意味で「ん」がつく食材は縁起がいいとされるという説もあります。 冬至にまつわる風習2かぼちゃを食べる さて、前述の「ん」のつく縁起のよい食べ物の中でも、冬至に特によく食べられるのがかぼちゃ(なんきん)。冬至にかぼちゃを食べる風習は江戸時代からあるそうです。かぼちゃは夏野菜ですが、保存性にすぐれ長期保存がきき、江戸時代でも冬に食べられる野菜として重宝されてきました。冬至にかぼちゃを食べることで、昔から「中風(脳卒中)」「しもやけ」「風邪」などの病気を避けることができると考えられていたそうです。 かぼちゃ粥や煮物など、地域によって冬至に食べるかぼちゃのレシピは異なり、それぞれの味が愛されています。緑黄色野菜が少なくなる冬の時期に、ビタミンEやビタミンAが豊富に含まれるかぼちゃを食べることは、現代の栄養学から見ても風邪の予防に効果的なので、冬至の日にはぜひ積極的に口にしてほしい食材です。 冬至にまつわる風習3ゆず(柚子)湯につかる ゆず湯につかるカピバラたち。Kathy Matsunami/Shutterstock.com 冬至の日のお風呂といえば、ユズを浮かべたゆず湯ですね。この風習も江戸時代から始まったものです。江戸時代には現代のように頻繁にお風呂に入る習慣はありませんでしたが、特別な日である冬至に合わせ、香りの強いユズを浮かべ、厄除けのための禊(みそぎ)として入るようになったのが始まりとされています。また、「ゆず」と「冬至」を、「融通(ゆうずう)」と「湯治」にかけているという説もあります。 ユズの皮には、代謝を円滑にして疲労回復効果のあるクエン酸や、ビタミンCが豊富に含まれていて、ゆず湯には血行促進や冷え性改善の効果があるとされ、その効能は科学的にも証明されています。香りもよいので、冬至の日には、ゆっくりゆず湯につかってリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。 冬至にまつわる風習4冬至粥を食べる 冬至にまつわる風習として、もう一つ、冬至粥を食べる風習もご紹介しましょう。冬至粥とは、冬至の朝に食べる小豆粥のこと。この冬至粥にも厄除けの意味があり、小豆の赤が邪気払いに効果があるとされています。また、お粥の材料となる小豆は栄養価が高く、疲労回復、肩こりなどに効果があり、解毒作用もあることから、二日酔いにも効果があるとされています。この冬至粥についても地域によって作り方は異なり、かぼちゃや餅を入れる地方もあります。 冬至に関する雑学は? いろいろな風習がある冬至ですが、ここでは、冬至に関するちょっとした豆知識をご紹介しましょう。 冬至に関する雑学1一番日没が早いのは冬至ではない 冬至は一年で一番夜が長い日ですが、じつは日没の時間が一番早いわけでも、日の出が一番遅いわけでもありません。日本では、日の出がもっとも遅い日は冬至の後、日の入りがもっとも早い日は冬至の前にやってきます。これらは太陽の高さや動き方によって決まります。ちなみに、太陽が真上にくる「南中」時刻も、毎日正午というわけではないんですよ。 冬至に関する雑学2一番寒い時期は冬至付近ではない また、一番日照時間が少ない日であっても、冬至の頃がもっとも寒い、というわけではありません。冬至は12月22日前後にあたりますが、一年で一番寒いとされる時期は1~2月頃で、実際に1月26日から2月4日頃の間に最低気温を更新することが多いのです。これは、気温変化が太陽の動きよりも遅れる傾向にあるためと考えられます。例えば、一日の中でもっとも気温が高くなるのは、太陽が真上に来る正午ではなく、昼の2~3時頃が一般的。この一日の気温変化と同じように、一年の気温変化も日照時間がもっとも長い夏至の頃よりも、少し遅れた7~8月頃に一番気温が上がり、日照時間の短い冬至より少し後の1~2月頃にもっとも冷え込むことになるのです。地球全体の温度変化には膨大なエネルギーが必要となるため、太陽の動きをすぐに反映できず、結果として冬至を過ぎたあとの1~2月に冷え込みが厳しくなるのです。 冬至に関する雑学3冬至は年に一度の強力開運日である この日を境に、それまで短くなっていた日照時間が長くなるように転ずる冬至。そのため、冬至の日は運気が上昇に転じる縁起のよい日だと考えられてきました。冬至は別名「一陽来福」とも呼ばれ、風水的には強いパワーを持つ日だとされています。 海外の冬至の過ごし方は? Elena Veselova/Shutterstock.com 【アジア】 中国では冬至はとても大切にされていて、餃子や餡入り餅、小豆を煮たぜんざいのようなものを食べる風習があるのだそう。台湾や中国の南部では「湯圓」(たんゆえん)というお団子のような料理を食べるのが伝統。韓国では日本と同様に、悪い気を払う効果があるとされる小豆粥を食べる風習があります。 【ヨーロッパ】 現在では、冬至だけのイベントというよりも、クリスマスとまとめて祝われる傾向にあります。クリスマスの起源の一つは、かつて古代ローマ帝国で信仰されていた太陽神、ミトラ教の冬至にあるとされています。ミトラ教では、冬至で死んだ太陽の復活を祝うお祭りが12月25日に行われていました。冬至に死と復活を繰り返す太陽の誕生日とキリスト教が結びついて、現在のイエス・キリストの生誕を祝うクリスマスになったのだそうです。また、北欧諸国でも「ユール」という冬至祭が行われ、ユールで薪を燃やして悪霊を払う行事が行われていた名残が、現在でもおなじみのクリスマスケーキ、ブッシュ・ド・ノエル(薪の形のケーキ)となって残っています。 冬至に欠かせない果樹・ユズを育ててみよう maroke/Shutterstock.com ゆず湯につかる冬至の日には、ユズは欠かせない存在。また、ゆず湯というと、甘ずっぱいホットドリンクのゆず茶を指すこともあります。どちらも体を芯から温めてくれる、寒い冬に嬉しいものですね。 ユズをはじめとする柑橘類は、じつは栽培しやすく、ガーデンで育てるのにおすすめの果樹でもあります。鉢植えでも栽培でき、地植えの庭がないガーデナーでも栽培を楽しむことができます。一株のユズを育てておけば、収穫したばかりのユズをゆず湯にたっぷり使ったり、料理の仕上げにユズの香りをプラスしたり、なんていうちょっとした贅沢ができてしまいます。ユズは実生の場合、実がなるまでに長い時間がかかるので、すぐに実を楽しみたい方は、苗から育てるのがおすすめですよ。 柑橘類の基本的な育て方については、こちらの記事をご参照ください。 ●初めてでも庭で育てられる! かんきつ類の育て方とおすすめの種類をご紹介 昔からの風習を大切に! 冬至に向けて準備を始めよう 一年で一番昼が短くなる日、冬至。この日を境に日照時間が再び長くなっていくことから、太陽が力を取り戻す重要な日とされています。昔から伝わってきた冬至の風習には、今みても健康の維持などに効果のあるものが残っています。ぜひ今一度古くからの風習を見直し、少し特別な冬至の一日を過ごしてみませんか?
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樹木

【驚異の花数】1株で1,000輪以上?! たくさん咲いてローメンテナンスな2022年「殿堂入りのバラ」をチェック!
バラを育てるときに知っておきたい3つのこと 左上‘クイーン・エリザベス’、右‘サリー・ホームズ’、左下‘ピエール・ドゥ・ロンサール’。beibaoke、Parkova、Lyona/Shutterstock.com バラは世界中で新品種が発表され、登録されているだけでも4万を超える品種があります。その膨大な数のバラの中から、自分の庭に迎える最適な花を選ぶには、どうしたらいいのでしょう。もちろん、花の色や見た目など、個人の好みが最も大きなセレクトポイントですが、そのほかに、育てるときに必ず押さえておきたいことがあります。重要なポイントは、以下の3つ。 ① バラの樹形② 開花周期③ 耐病害虫性・耐寒耐暑性 ① バラの樹形の中には「つる性(クライミング)」「木立ち性(ブッシュ)」、この2つの間の性質を持った「半つる性(シュラブ)」があります。つるバラの中には7〜8mにまでシュート(枝)が伸びるものもあり、これらは基本的にアーチや壁など構造物に誘引して仕立てるのに適しています。ですから、どこに植えるかで選ぶ樹形が変わってきます。 ② バラはいつ咲くかご存じですか? バラは咲く時期によって、主に3つに分類されます。バラが見頃を迎えるのは、主に5〜6月の春と9〜10月の秋。このうち春にしか咲かないものを「一季咲き性」、春から秋まで繰り返し咲くものを「四季咲き性」、四季咲き性ほどではないものの春以外の季節にも咲くものを「返り咲き性」と呼びます。 ③ バラには「黒点病」と「うどんこ病」という病気があり、品種によってかかりやすいものとかかりにくいものがあります。かかりやすいものは、消毒などで防除する必要があります(近年は品種改良によって、これらの病気にほとんどかからないバラも多く生み出されています)。耐寒耐暑性も同様に、品種によって異なります。 殿堂入りの‘神バラ’から選ぶのが早い! 2019年以前に「殿堂入り」を果たしたバラ。左上から時計回りに、‘パパ・メイアン’ ‘アイスバーグ’ ‘ダブル・デライト’ ‘ニュー・ドーン’。Photo/Besklubova、zzz555zzz、natayurchuk、EQRoy/Shutterstock.com せっかくバラを育てるなら、長く花が楽しめて、丈夫なバラが欲しいもの。そんな条件に叶うバラを世界基準で選出しているのが、40カ国が参加するバラの国際会議です。ここで選出される「殿堂入りのバラ」は、いわばバラのワールドカップ決定戦の勝者のようなもの。「世界中のどの環境でも育てやすい」「国や性別を超えて誰が見ても美しいと感じる」「たくさんの国で長く愛されている」というのがその選出基準です。 選出の舞台は3年に1度。「殿堂入りのバラ」は、すべての魅力を兼ね備えた‘神バラ’と言っても過言ではありません。バラ選びに迷っているなら、神バラに頼るのが確実でしょう。 初めて殿堂入りしたバラ‘ピース’。Alex Kinval/Shutterstock.com 2022年の「殿堂入り」は‘フラワーカーペット® ローズ ピンク’ 2022年、殿堂入りを果たした‘フラワーカーペット® ローズ ピンク’。 2022年10月、第19回世界バラ会議アデレード大会(オーストラリア)が開催され、「殿堂入りのバラ」にNoack Rosen(ノアックローゼン)社のフラワーカーペット® ローズ ピンクが選出されました。1976年にピースが選出されて以降、殿堂入りしたバラは、‘フラワーカーペット® ローズ ピンク’で18品種になります。 驚異の花数&ローメンテな‘フラワーカーペット® ローズ ピンク’ ‘フラワーカーペット® ローズ ピンク’でロマンチックに彩られたフェンス。家を愛らしく演出するのに最適。 【品種の特性】 1房に10輪、1株で1,000輪以上(成熟株で環境による)病気に強く手間がかからない(うどんこ病・黒点(星)病に強く定期的な薬剤散布をほとんど必要としない)四季咲き性で春から秋まで次々と花が咲く中小輪のディープピンクの半八重咲きの花が房になってたわわに咲くアーチ形の樹形で樹高60~80cm・樹幅約1mなのでコンパクトに育てられるグラウンドカバーとして用いることができる乾きに強い 同シリーズの‘ピンクスプラッシュ’。斑入りの個性的な花が庭で目を引く。 ‘フラワーカーペット® ローズ ピンク’は、ドイツのWerner Noack(ウェルナー ノアック)氏によりグラウンドカバーローズとして1988年に作出された品種で、以降花色のバリエーションが増えた同シリーズの先駆けです。ノアック氏は、以前から耐病性が高く薬剤散布が不要で、剪定などの手入れが最小限で済むローメンテナンスの優れたバラの作出に力を入れており、‘フラワーカーペット® ローズ ピンク’は、1990年には世界一厳しいことで知られるドイツのバラの評価試験「ADR」で史上最高得点を叩き出しました。 低く這うように広がる性質を生かして庭に咲かせよう 同シリーズの‘スカーレット’。 ‘フラワーカーペット® ローズ’シリーズは、圧倒的な花数を誇り、春から秋まで次々に咲き続け、植栽して2〜3年経つと1株で1,000輪以上の花を咲かせる場合もあります。樹高60~80cmとバラの中では比較的樹高が低く、カーペット状に這うように広がるので、花壇の前方へ配置して宿根草などと組み合わせたり、写真のようにバードフィーダーなどのガーデンアイテムと合わせても印象的なコーナーを作ることができます。 同シリーズの‘アップルブロッサム’。淡いピンクの花が愛らしい雰囲気。 鉢植えにすれば、溢れるようにこぼれ咲く豪華な姿が楽しめます。四季咲きで長く楽しめるので、いつも華やかにしておきたい玄関や庭の入り口、デッキなどにも向いています。今回、殿堂入りを果たしたピンク以外のフラワーカーペット® ローズシリーズも、合計で30を超える国際的な賞を受賞するなど、ワールドワイドな実績があり、初めてバラを育てる人にも頼もしい存在になってくれるでしょう。 同シリーズの‘ゴールド’。
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おすすめ植物(その他)

本物の花の香りで癒やされよう! 香りのいい花が咲く植物20選
【芳香花1】ジンチョウゲ High Mountain/Shutterstock.com ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の常緑低木です。原産地は中国中部〜ヒマラヤで、暑さにも寒さにも耐える性質です。花木に分類され、開花期は2月下旬〜4月上旬。早春に咲き始めて甘い香りを放つので、ジンチョウゲの香りで春の訪れを知る方も多いのではないでしょうか。花色は白で、外弁はピンク色。樹高は1mくらいと低く、剪定が容易で育てやすい樹木です。 植え付けの適期は4月か10月頃。西日の当たらない半日陰の環境で、水はけ・水もちのよい土壌に植え付けます。移植を嫌うので、根鉢を傷めないように作業しましょう。一度根づけば、放任してもよく育ちます。 【芳香花2】クチナシ RATCHANAT BUA-NGERN/Shutterstock.com アカネ科クチナシ属の常緑低木です。原産地は日本の東海地方以西で、やや寒さに弱い性質。花木に分類されますが、樹高は1〜2m程度なので、持て余すことなく管理がしやすいのも長所です。クチナシの開花期は6〜7月。一重咲き、八重咲きがあり、濃厚な甘い香りを漂わせます。常緑樹で、冬も葉を落とさず、みずみずしい緑を保ってくれます。 植え付けの適期は3〜4月。日当たり・風通しのよい場所を選び、直径・深さともに50cm程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込み、苗を穴に入れ、土を埋め戻して植え付けます。毎年、生育が始まる前の1月下旬〜3月と、開花後の7月頃の2回を目安に、緩効性肥料を与えましょう。また、開花直後に、伸びすぎている枝や込み合っている部分の枝を剪定します。 【芳香花3】キンモクセイ Picmin/Shutterstock.com モクセイ科モクセイ属の常緑樹です。9月下旬〜10月上旬にオレンジ色の小さな花を多数咲かせます。大変香りがよいことで知られ、日本人にとっては秋の訪れを感じさせる植物の代表といってよいでしょう。樹高は5〜6mにも達しますが、毎年の剪定によって2〜3mまでに抑えることができます。常緑樹のため、冬でもみずみずしい葉を保つのも長所。原産地は中国で、寒さにやや弱い性質です。半日陰の環境にも耐えますが、日向のほうが花つきがよくなります。乾燥すると花つきが悪くなるので、真夏は水切れしないようにしましょう。 【芳香花4】ロウバイ High Mountain/Shutterstock.com ロウバイ科ロウバイ属の落葉性花木です。12月中旬〜2月に黄色い花を咲かせ、フルーティーな甘い香りを漂わせます。原産地は中国で、暑さにも寒さにも耐える性質。江戸時代初期に日本に伝わり、茶花などに利用されてきました。自然樹高は4mほどになりますが、剪定によって庭のスペースに合う樹高にコントロールすることができます。 植え付けの適期は2月中旬〜3月。日向〜半日陰を選び、水はけのよい場所に腐葉土や堆肥をすき込んで定植。一度根づけば、放任してもよく育ちます。剪定の適期は3月頃。自然に樹形が整うので、あまり強く切り戻さずに、込み合っている部分の枝を切り取る程度にするとよいでしょう。 【芳香花5】イランイラン Krungchingpixs/Shutterstock.com バンレイシ科イランイランノキ属の常緑樹です。自生地では一年中開花しますが、日本での開花期は6〜9月。花径は5cmほどで、ややカールする長い花弁がユニークです。咲き始めはグリーンで、咲き進むと黄色やオレンジ色へと変色していきます。香水の原料になるほどの芳香をもっていますが、開花初期は香らず、開花が進むと強く香るようになります。 主に熱帯地域に自生する植物で、暑さには強いのですが、寒さに大変弱く、冬でも15℃以上は必要。鉢栽培を基本とし、季節に応じて適地へ移動しながら管理するとよいでしょう。 【芳香花6】スイカズラ Somsit/Shutterstock.com スイカズラ科スイカズラ属の半落葉性つる植物。日本原産で、「ジャパニーズ・ハニーサックル」とも呼ばれます。昔から日本に自生してきたために、放任してもよく育ちます。つるを旺盛に伸ばして4〜5mにも範囲を広げて生育するので、スペースを確保できるか、持て余すことがないか、前もって吟味しておきましょう。開花期は4〜6月で、咲き始めは花色が白から黄色へと変化していきます。爽やかな甘い香りが特徴です。 苗の植え付け適期は3〜4月。日当たり・風通しのよい場所を好みます。適度に水はけ・水もちのよい、腐植質に富んだ土壌に植え付けましょう。暑さ寒さに強いほうですが、冬は常に冷たい風が吹きつけるような場所は避けたほうが無難です。 【芳香花7】ニオイバンマツリ tamu1500/Shutterstock.com ナス科バンマツリ属(ブルンフェルシア属)の常緑性低木です。開花期は4〜7月で、花径3〜4cmの5弁花が多数咲き、満開時には木を覆い尽くすほどになって見応えがあります。咲き始めは紫色ですが、だんだん退色し、やがて白へ変化します。そのため1本の木で紫から白までの花色を楽しめ、大変華やかです。花からは芳純な甘い香りが漂い、夜には香りが強まります。 原産地はブラジル南部やアルゼンチンで、約40種が分布。熱帯性の花木のため、暑さに強く、寒さには弱い性質。冬でも5℃以上は必要なので、鉢栽培を基本とし、季節に応じて適地へ移動しながら管理するとよいでしょう。開花期は水を欲しがるので、水切れには注意。生育旺盛で樹形が乱れやすいので、開花後すぐを目安に、適宜切り戻して管理します。 【芳香花8】バイカウツギ(ベルエトワール) Peter Turner Photography/Shutterstock.com アジサイ科バイカウツギ属の落葉性低木です。原産地は日本で、本州、九州、四国に分布。昔から自生してきた植物なので、一度根づけば手をかけなくともすくすくと育ちます。樹高は2mほどで、あまり大きくなりすぎないのも長所の一つ。開花期は6〜7月で、花径3〜4cmの白い花が多数咲き、満開時は見事。基本種も香りがありますが、特に香りが強いのは‘ベルエトワール’という品種です。 植え付けの適期は2〜3月。西日が当たる場所は避け、日当たり・風通しのよい場所に腐葉土や堆肥、緩効性肥料を施して植え付けます。剪定は開花後すぐに行いましょう。 【芳香花9】ハゴロモジャスミン Patrick Civello/Shutterstock.com モクセイ科ソケイ属の半常緑性つる植物です。原産地は中国雲南省で、暑さには強いものの寒さにはやや弱い性質。つるを旺盛に伸ばして生育し、その範囲は2m以上にもなるので、スペースを確保できるか、持て余すことがないか、前もって吟味しておきましょう。開花期は3〜4月で、茎葉を覆い尽くすほどたくさんの白い花が咲きます。強く甘い香りを放つことでも知られ、その姿が見えなくても「どこかでハゴロモジャスミンが咲いている」と分かるほどの存在感を放ちます。 植え付けの適期は3月下旬〜4月上旬、または10月頃。冬の冷たい風が吹きつけない、日当たりのよい場所を選んで植え付けます。剪定は花後すぐに行い、込み合っている部分を間引いていきましょう。 【芳香花10】バラ Ann in the uk/Shutterstock.com バラ科バラ属の落葉性の低木・つる植物です。バラは花の女王とも評されるほど、世界中の人々に愛され、古くから品種改良されてきました。現在、その品種数は3万を超えるといわれます。芳香をもつことでも知られ、品種によって甘いフルーツのような香り、官能的なミルラの香りなど多様。好きな香りの品種を選ぶのもいいですね。バラの開花は5月頃が最盛期ですが、「四季咲き」や「繰り返し咲き」に分類される品種は、手入れ次第で秋にも開花します。 バラの大苗は11〜2月、新苗は5〜6月によく出回るので、お気に入りの品種を探して植え付けるとよいでしょう。日当たり・風通しのよい場所を選び、腐葉土や堆肥をすき込んだ肥沃な土壌に植え付けます。剪定の適期は、落葉後の1〜2月です。 【芳香花11】ライラック photoPOU/Shutterstock.com モクセイ科ハシドイ属の落葉性高木です。原産地はヨーロッパ南東部で、暑さにはやや弱く、寒さに強い性質。自然樹高は1.5〜6mになりますが、あまり大きくなりすぎると持て余すので、剪定によって2〜3mに抑えるとよいでしょう。開花期は4〜5月で、花色は白、赤、紫、青紫など。枝先に花穂を上げて小さな花をびっしりと咲かせ、優しい甘い香りを漂わせます。 植え付けの適期は11〜3月。暑さは苦手なので、西日が強く当たらない、日当たりのよい場所を選んでください。腐葉土や堆肥、緩効性肥料を施して植え付けます。剪定の適期も落葉期の11〜3月。はじめはあまり強く切り戻さずに、込み合っている部分を間引いて風通しをよくする程度にして樹形を整えます。 【芳香花12】スイセン Radovan1/Shutterstock.com ヒガンバナ科スイセン属の秋植え球根植物です。原産地はイベリア半島を中心に地中海沿岸で、寒さに強い性質。花色は黄、白、オレンジ、複色などで、甘い香りを放つのが特徴。花姿は一重咲き、八重咲き、ラッパ咲き、カップ咲き、バタフライ咲きなど多様です。昔から人気の高い花で、品種改良が盛ん。毎年新品種が発表されており、選ぶ楽しみがあります。草丈は10〜50cmほどで、種類によって幅があります。 10〜11月に球根を植え付けて栽培をスタートします。日当たり・風通しがよく、水はけのよい土壌が適地です。開花期は次から次に花が咲くので、終わった花はまめに花首で切り取りましょう。6月頃に地上部が枯れますが、枯死したわけではなく休眠しているため、生育期に入ると、また新芽を出します。植えたままにしてかまいませんが、大株に育ったら掘り上げて分球し、風通しのよい半日陰で保管を。秋に植え直しましょう。 【芳香花13】スイートピー perlphoto/Shutterstock.com マメ科レンリソウ属、つる性の一年草です。原産地はイタリア・シチリア島で、寒さにやや弱い傾向があります。開花期は4月下旬〜5月で、花色は赤、ピンク、紫、白、複色など。花が咲くと甘い香りが漂います。旺盛に生育し、つるは1.5m以上になるので、フェンスなどに這わせて管理するとよいでしょう。 スイートピーは連作を嫌うので、前年にマメ科の植物を植え付けていない場所を選びましょう。10〜11月に日当たり・風通しのよい場所に腐葉土や堆肥をすき込んで種を播き、間引きながら育てます。苗を購入してスタートする場合は、根鉢を崩さずに植え付けることがポイントです。3月頃から開花が旺盛になるので、10日に1度を目安に液肥を与えると、花数が多くなります。終わった花がらは早めに摘み取り、株まわりを清潔にしておきましょう。開花後は枯死するので、抜き取って処分します。 【芳香花14】ストック Yui Yuize/Shutterstock.com アブラナ科アラセイトウ属の一年草です。原産地は南ヨーロッパで、寒さに強く暑さに弱い性質。本来は多年草ですが、暑い日本の夏に耐えられずに枯死してしまうので、一年草として扱われています。秋に種を播くか、または春に苗を購入して植え付けます。3〜5月に開花、その後は枯れてしまう短いライフサイクルです。花色は赤、紫、ピンク、白など。一重咲きと八重咲きがあり、ほのかな甘い香りを持っています。草丈は20〜80cm。花茎を立ち上げて花穂を咲かせるので、草丈が高くなる品種は支柱を設置して倒伏しないようにしておきましょう。 【芳香花15】チューベローズ Sandeep Gore/Shutterstock.com リュウゼツラン亜科ゲッカコウ属の球根植物です。開花期は7〜9月で、花色は白。花茎を長く立ち上げ、6弁花を多数咲かせて穂状になります。甘いフローラル系の香りが、夜になるとより濃く香るのが特徴。香水の原料にもなっています。 原産地はメキシコで、暑さに強く寒さに弱い性質。十分気温が上がった春に植え付け、初夏から初秋に向けて開花。地上部が枯れた頃に球根を掘り上げて、バーミキュライトを入れた箱に埋め、10℃以上の場所で管理。越年後、また春が来たら植え付ける……というライフサイクルで、毎年楽しめます。草丈は60〜100cmになり、花茎を長く伸ばすので、支柱を立てて倒伏を防ぐとよいでしょう。やや湿り気のある土壌を好むので、特に真夏は水切れしないように管理するのがポイントです。 【芳香花16】ヒヤシンス baitong333/Shutterstock.com ヒヤシンスはキジカクシ科ヒヤシンス属の球根植物です。原産地はギリシャ、シリア、小アジアで、寒さに強い性質。開花期は3〜4月で、花色は赤、ピンク、白、黄、青、紫。甘い香りも魅力です。草丈は20cmほど。 球根の植え付け適期は10〜11月で、球根2個分の深さに植え付けます。複数植える場合は、球根2個分の間隔を取りましょう。寒さにあわせることが大切なので、必ず戸外で管理しましょう。春の開花が終わったら花首で切り取り、お礼肥をばらまいて球根を太らせます。6月頃に地上部が枯れたら球根を掘り上げて、風通しのよい場所に吊しておきましょう。秋に再び植え直すと、翌春にまた開花します。ヒヤシンスは水栽培でも開花するので、インテリアで楽しんでもよいでしょう。 【芳香花17】フリージア monstrose/Shutterstock.com フリージアはアヤメ科フリージア属の球根植物です。草丈は20〜50cmほど。原産地は南アフリカで、寒さにやや弱い性質。開花期は3月中旬〜5月中旬。花茎を長く伸ばした先に、ラッパ状の花をいくつも連ねます。花色は白、赤、ピンク、オレンジ、黄色、紫、複色などで、ほのかな甘い香りが魅力です。 フリージアの栽培は、球根の植え付けからスタートします。植え付け適期は9月下旬〜11月上旬。日当たり・風通しのよい場所を選び、水はけ・水もちのよい土づくりをして、5〜10cm間隔で植え付けます。終わった花がらはまめに摘み取り、株まわりを清潔に保ちましょう。夏前に地上部を枯らして休眠し、生育期になると再び新芽を伸ばします。 【芳香花18】ヘリオトロープ Anely Ruzhe/Shutterstock.com ムラサキ科キダチルリソウ属のハーブです。熱帯または温帯の地域に約250種が確認されており、種類によって一年草、多年草、低木があります。寒さには弱い性質なので、冬は鉢植えにして、霜の降りない場所に移動して越年させるとよいでしょう。草丈は種類によって10〜100cmと幅があるので、ラベルなどで確認してスペースに合うものを選んでください。開花期は4月下旬〜10月上旬。花色は紫、白で、バニラのような甘い香りです。 植え付けの適期は4〜6月か10月頃です。酸性土壌を嫌うので、庭植えにする際は、植え付け前に土壌に苦土石灰を施しておきましょう。開花期が長く、花がらが出やすいので、まめに取り除いて株まわりをきれいにしておきます。 【芳香花19】カモミール Shan 16899/Shutterstock.com キク科シカギク属のハーブです。一年草のジャーマン種と、多年草のローマン種があります。草丈は30〜90cm。開花期はジャーマン種が3〜5月、ローマン種が6〜7月で、黄色い花心の白い花が咲きます。リンゴのような甘い香りを漂わせ、花を摘んでハーブティーに利用することも可能です。 植え付けの適期は3月か10月頃。高温多湿を苦手とするので、日当たり・風通しがよく水はけのよい土壌に植え付けます。酸性土壌を嫌うので、土づくりの際には苦土石灰を散布しておきましょう。草姿が乱れてきたら、収穫も兼ねて深めに切り戻します。 【芳香花20】ラベンダー Tatsiana Khamitskaya/Shutterstock.com ラベンダーは、シソ科ラベンダー属の常緑性低木で、原産地は地中海沿岸です。耐寒性、耐暑性は品種によって異なるので、環境に適した品種を選ぶとよいでしょう。開花期は4〜7月で、花色は紫、ピンク、白。人気の高いハーブの一つで、香りには癒やし効果があります。草丈は20〜120cm。 植え付けの適期は、10月か3月下旬です。日当たり・風通しのよい場所に元肥として緩効性化成肥料を施し、苗を植え付けます。多湿を嫌うので、乾燥気味に管理するとよいでしょう。開花が終わったら、草丈の半分くらいまで切り戻します。 庭や鉢に香りのいい花や木を植えて育ててみよう Mariia Boiko/Shutterstock.com 芳純な花の香りはリラックスを誘い、心が満たされるような癒やし効果をもたらします。この記事では、官能的な香り、フルーティーな香り、爽やかな香りなど、さまざまな香りを持つ植物をピックアップしてご紹介しました。お気に入りの草花や樹木を見つけて、フレグランスガーデンをつくってみてはいかがでしょうか。
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宿根草・多年草

初心者でも扱いやすい「アジュガ」! 育て方や注意点を徹底解説
「アジュガ」ってどんな花? 庭や公園などの地際付近でよく見かける丈の低い草花。唇形の花も見覚えがあるような……? アジュガは、日本の野山に自生する種類もあるシソ科の草本植物。ここではアジュガの仲間について見てみましょう。 アジュガの特徴 アジュガ(Ajuga)は、シソ科の常緑性宿根草。日本にも、ジュウニヒトエ(A.nipponensis)やキランソウ(A.decumbens)など10種余りが自生していますが、園芸植物として普及しているのは、ヨーロッパからアジアの温帯に分布するセイヨウキランソウ(A.reptans)です。「レプタンス=匍匐する」という名前の通り、ランナーを伸ばして旺盛に広がるので、グラウンドカバーに最適。丈夫で増えやすく、日向でも半日蔭でもよく育つので、ガーデニングビギナーにも育てやすい植物です。 草丈は10〜30cm、春には長さ15cm程度の花茎がいっせいに立ち上がり、青紫やピンク、白の可憐な花を穂状につけます。そしてなんといってもその魅力は、変化に富んだ葉色の美しさにあります。ライムグリーンやブロンズ色のほか、白やピンクの斑入りなど、じつにバラエティー豊か。花壇や寄せ植えにアクセントとして取り入れれば、花物にも負けない存在感を放つことでしょう。 アジュガの種類 ‘バーガンディグロー’ 白とピンクの斑が入る美しいトリカラーのアジュガ。寒さにあたるとピンクが冴え、高温時には白が強くなり銀色を帯びます。 ‘チョコレートチップ’ 濃緑と紫のコントラストが美しい、ポピュラーな品種。葉を密に茂らせる小型種なのでグラウンドカバーや花壇の縁取りなどに使われます。 ‘キャトリンズジャイアント’ 大型のアジュガで、葉はほかの品種の倍ほど、 花茎の丈も30~40cmほどと高く伸びます。花も大きいので花期の見応えは十分。ブロンズ色を帯びた光沢感のある葉で、カラーリーフとしても通年楽しめます。 ‘ディクシーチップ’ 細めの葉を密につける小型のアジュガ。クリーム色、ピンク、赤紫と、複雑な斑が入ります。温度や日照で色が変化するので、季節ごとに趣が異なるのも魅力。 ‘ピンクシェル’ 優しい色合いのピンクの花は、日陰でいっそう目を引く存在に。花径も長く伸びるので、寄せ植えのアクセントにもなります。 アジュガの楽しみ方って? アジュガの開花期は4~6月中旬。冬にはロゼット状だった株に、春先になると花芽が現れます。長さ10~15cmほどに伸びた花茎の先に、1~2cm前後の唇形花を幾重にも重なるようにつける姿から、日本の自生種(A.nipponensis)に付けられた和名は「十二単(ジュウニヒトエ)」。鮮やかな青紫や白、ピンクといった美しい花色は、樹木の根元や林床といった日陰の場所でひと際目立つ存在です。 乾燥にやや弱いアジュガは、木漏れ日などの「柔らかな日差し」を好みます。むしろ夏場の直射日光や西日など、強い日差しに当たり続けると葉焼けを起こし、カラーリーフとしての観賞価値を損なってしまいます。1日1時間程度の短い時間でも日照が確保できれば元気に育つので、植えるものが限られる日陰のバイプレーヤーとしても頼れる存在。生育が旺盛で、一度根付けば手間をかけずに増えてくれるので、グラウンドカバーに限らず、敷石の間や花壇の縁取りなど、活用の幅も広がります。 アジュガの基本的な育て方をご紹介! アジュガを美しく育てるポイントは、適度な湿り気と強すぎない日差しの確保です。ここでは、植え付けや繁殖、管理方法など、アジュガを上手に栽培するコツをまとめました。 アジュガの植え方 アジュガを入手するには、市販の苗を購入するのが一般的です。植え付けの適期は3~6月上旬と9月中旬~11月上旬。春や秋に苗が出回りますが、寒さが残る早春の苗はロゼット状で縮こまった株が多く、本来の葉色が分かりにくいかもしれません。 アジュガは日当たりがよくても日陰でもよく育ちますが、一日中日が当たり乾燥しやすい場所よりは、日陰でもやや湿気の多い場所を好みます。とはいえ、暑い時期の過湿は根腐れを起こす原因になるので、水はけが悪い場合は、赤玉土や腐葉土、ピートモスなどをすき込んでおくとよいでしょう。このときに、緩効性肥料を少量混ぜておくと、その後に追肥をする必要はありません。むしろ多肥になると立ち枯れ病が発生しやすくなります。 伸ばしたランナーの先に次々と子株を出して広がるので、株間は20cm程度とるように。一方、鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土の小粒7に対して腐葉土やピートモスを3程度混ぜ、緩効性化成肥料を加えるとよいでしょう。 植え替えの目安と手順 地植えの場合は、基本的に植え替えの必要はありませんが、鉢植えや寄せ植えなどで葉が混み合ってくると、蒸れて枯れてくることがあります。姿が乱れてきたり、花付きが悪くなってきたと感じたら、植え替えのタイミングです。 植え替えの適期は、植え付けと同じ、春と秋。傷んだ枝を間引いて風通しをよくし、一回り大きめの鉢に植えるか、株が一回り小さくなる程度に根と茎の先端を少し切り詰めて同じ鉢に植え直します。寄せ植えにしていた株も姿が乱れてきたら一度抜き取り、同様の手順で株を整えてから植え替えます。 アジュガの剪定 咲き終わった花茎は、付け根から切り取ります。さらに、開花期が終わってから再度刈り込んでおくと、蒸れやすい夏の備えに。また、秋以降の新芽の伸びも促します。 一方、地植えの場合は、その旺盛な繁殖力を抑えるために剪定が必要となります。ランナーを伸ばして広がるため、他の植物の生育を阻害してしまうこともあるからです。広がりすぎて困る場合は、ランナーを小まめに切って、繁殖域をコントロールしましょう。 アジュガの増やし方 種子でも増えますが、植え付けられる大きさまで育てるには時間も手間もかかるので、一般的には株分けや挿し木で繁殖させます。 種子で増やす アジュガの種子は市販されていないので、種子で増やすには、花後の採取から始めます。種まきの時期は春か秋。薄く土をかぶせ、発芽するまでは乾燥させないように注意しましょう。 株分けで増やす 植え付けて数年経つと、株が混み合い、葉が黄色くなってきます。そのような株は根詰まりを起こしている可能性が大。一度鉢から抜いて、株分けを行いましょう。大株の根をほぐしながら、手で丁寧に分けていきます。2、3芽をひとまとめに分けたら、根のボリュームより一回り程度大きなポットに植え付けます。 また、ランナーについた子株もそのまま苗にできます。すでに発根している子株は、根をなるべく傷めないように掘り上げて、鉢に移植するだけです。まだ発根していない子株も、ビニールポットなどに土を入れて、その上に子株を乗せておくと発根してきます。数週間ほどして新しい葉が出てきたら、根が定着した合図。ランナーを切って親株から独立させます。 株分けに比べて時間がかかりますが、葉挿しでの繁殖もできます。新芽ではなく、すでに成長した葉を選び、生え際から一枚一枚カットして、栄養分を含まない挿し木用の培養土に挿すだけ。数週間ほどで発根が始まりますが、定植できるサイズになるまでには半年ほどかかります。 株分けでも、葉挿しでも、根がしっかりと生えそろうまでは、土が乾かないように注意しましょう。 アジュガを育てるときの注意点 育てやすいカラーリーフとしても人気のアジュガですが、葉色を美しく出すには、強い日差しは好ましくありません。とくに初夏、いきなり日差しが強くなるとダメージを受けやすいので、5月中旬以降は、徐々に茎を間引いて風通しのよい株に整えておきましょう。 一方、耐寒性は強く、北海道中南部以南であれば地植えが可能。ただし霜が降りると枯れてしまうことがあるので、寒冷地などでは敷き藁などの対策が必要になります。 斑入りの品種も多いアジュガですが、ときに、斑が入らない緑の葉が出現することも。そのような枝は成長が旺盛なので、そのままにしていると全体に広がり、斑入りの株に戻らなくなってしまうこともあります。伸びる前に付け根から切り取り、斑入りの枝のみ保持するようにしましょう。 春には可憐な花を咲かせ、一年を通して美しい葉をつけるアジュガ。丈夫で増やしやすいので、苗を増やしておけば、グラウンドカバーや寄せ植えにと、用途もさまざま。品種も豊富なので、いろいろ集めてみるのも楽しそうです。 Photo/1)EQRoy 2)Ihor Hvozdetskyi 3)High Mountain 4)Varts 5)Anna Gratys 6)Anna Gratys 7)Anna Gratys 9)karinrin 10)Alexey Lobanov 12)COULANGES 13)Anastacia Petrova 14)Ken Schulze 15)Nataliia Melnychuk / Shutterstock.com
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育て方

寒肥・置き肥・元肥・追肥・お礼肥とは?植物にあわせた肥料5つの使い方
肥料の施し方 園芸作業や庭づくりで欠かせない肥料のやり方には以下のようなものがあります。主な与え方の一つは「元肥(もとごえ)」、もう一つは「追肥(ついひ、おいごえ)」、そしてほかに「お礼肥(おれいごえ)」、「寒肥(かんごえ、かんぴ)」「置き肥(おきひ、おきごえ)」という方法があります。 表記を見れば意味が想像つくとおり、元肥は植物を植える前の土に混ぜ込んで、植物の成長の基本となる栄養を与えておくもの。追肥は植物の成長に合わせて、必要な栄養を適宜追加して与えていくもので、お礼肥は宿根草やバラ、花木などの開花後や収穫後に、疲れた株を回復させるために与える肥料のことです。寒肥は植物の成長が鈍くなる冬の間に、春の芽吹きに向けて与える肥料、置き肥は植え付けの際に土の表面近くに埋めておく肥料を指します。それぞれの使い方に合わせて、肥料の種類を選びましょう。 元肥(基肥、原肥/もとごえ)とは? 肥料の性質 植物の成長の基本となる元肥には、緩行性でゆっくり長期間効果があり、土壌改良効果もある有機質肥料がオススメ。土中の微生物を増やして土をフカフカにしてくれるので、翌年以降の植物の成長にも効果が期待できます。過剰に与えたり、根に直接触れたり、未発酵のものを使うと植物が傷んでしまう場合があるので注意しましょう。 肥料の種類 元肥に向く肥料の代表格は堆肥。有機堆肥には、牛糞堆肥や馬糞堆肥が販売されています。ほかに腐葉土も効果的。いずれも土壌改良効果があり、緩効性で肥料分は少なめ。肥料分として、緩効性で窒素(N)を多く含む油粕やリン酸(P)を多く含む骨粉などを組み合わせるとよいでしょう。 追肥(ついひ、おいごえ)とは? 肥料の性質 植物に今必要な栄養を届ける追肥には、即効性の高い液体肥料や化成肥料が向いています。化成肥料は必要な成分が調整・配合されているので、特定の栄養を集中的に供給できる点も魅力。植物の成長に合わせ、足りない栄養を補うように与えます。生育期間の長い庭木、植木、樹木などには、緩効性の肥料も組み合わせると効果的です。 肥料の種類 即効性で成分が安定している液肥や化成肥料が向きます。液肥は既定の濃度に薄めて使いましょう。有機質肥料の中では比較的即効性が高く、肥料分の多い鶏糞やリン酸(P)が豊富な魚粉も追肥に向いた肥料です。 お礼肥(おれいごえ)とは? 肥料の性質 花を咲かせた後や、果実を実らせた後の植物はエネルギーを使って疲れた状態。そんな植物には、即効性の高い化成肥料などで速やかに元気を補給してあげましょう。翌年も花を咲かせる宿根草や花木などに与えます。 肥料の種類 追肥の一種であるお礼肥も、追肥と同じく液肥や化成肥料などの即効性の高い肥料が向いています。 寒肥(かんぴ、かんごえ)とは? 肥料の性質 寒肥は、多くの植物が休眠中の冬季に与える肥料。ゆっくり効いて土壌改良にもなる遅効性の有機質肥料が向いています。寒肥のやり方は、植物の根元から少し離れた周囲に穴を掘り、その穴に肥料を入れて施します。その際、多少根を切ってしまっても、成長期でないので大丈夫。新しい根の発根が促される効果もあります。 肥料の種類 寒肥は元肥の一種。冬の間にゆっくりと分解され、春先以降に効果が出る遅効性の有機質肥料として、堆肥を主体に肥料分の多い油粕(油かす)や鶏糞を組み合わせるのがオススメです。施肥の時期が遅くなった場合には、化成肥料を使っても。 置き肥(おきひ、おきごえ)とは? 肥料の性質 植物の植え付け時に、肥料が足りなくなることを防ぐために土の表面近くに与える置き肥。水やりの度に少しずつ溶け出す固形肥料を与えましょう。土中に混ぜ込まないので、少しずつ長期間にわたって肥料を効かせることができます。 肥料の種類 置き肥も追肥の一種。匂いが少なく手軽な緩効性の化成肥料が一般的です。そのほか、固形油粕(油かす)など、固形の有機質肥料も置き肥として利用できます。 肥料の性質を知って、植物にぴったりの肥料を選びましょう 私たちが楽しむ花の美しさや果実のおいしさは、植物がエネルギーを使ってつくってくれているもの。その手助けとして、適切な肥料を与えるとより美しい花やたくさんの収穫という形で応えてくれます。それぞれの肥料の効果や特性を知ることで、必要な肥料を必要な時期に施すことができます。ただ、肥料の与えすぎは根焼けや病害虫の原因にもなり、植物の健康な成長を阻害することにもなりかねません。あくまで植物の成長の一助として、なるべく控えめに、様子を見ながらいつ与えるか、タイミングをはかるようにしましょう。 Photo/1)Africa Studio/2)Lu Mikhaylova/3)Singkham/4)sharon kingston/Shutterstock.com
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樹木

鉢植え・庭木どちらでも楽しめる「レンギョウ」の育て方や剪定のコツを解説
レンギョウの特徴と基本情報 レンギョウは、モクセイ科レンギョウ属の落葉低木です。原産地は中国ですが、朝鮮半島や日本でも自生している姿を多く見かけることができます。国内では北海道南部から九州まで幅広い地域で栽培されており、暑さ寒さに強く、日本の気候によく馴染んで旺盛に生育する植物です。丈夫な性質で刈り込みにも耐えるので、生け垣や盆栽に利用されることもあります。また、放任しても育つ特性を生かして、公園や道路など公共の場にもよく植えられている花木です。 レンギョウの樹高は1.5〜3mで低木に分類され、剪定によって樹高をコントロールすることができます。樹形は地際から直接枝を立ち上げて、放射状に伸ばす株立ちタイプ。自由で繊細な枝姿を楽しめます。 レンギョウの開花時期・見頃 レンギョウの開花期は、3月中旬〜4月中旬頃。小さな黄色い花が枝に密生し、満開になると素晴らしい景色を楽しめます。 レンギョウのライフサイクルは、以下の通りです。3月頃から生育期に入り、開花は前述のように3月中旬〜4月中旬。その後は葉が旺盛に茂ってみずみずしいグリーンの姿を保ち、晩秋になるとすっかり葉を落とします。12月頃から休眠しますが、枯れたわけではないので、そのまま見守りましょう。越年して翌春には再び生育期へ。一度植え付けると長い年月にわたって楽しませてくれる、息の長い植物です。 レンギョウの花言葉 レンギョウの花言葉は、「期待」「希望」「集中力」など。「期待」や「希望」は、春先に咲く明るい黄色い花に、寒い冬を乗り越えた先に訪れる春への憧れの気持ちを重ねたものでしょう。「集中力」は、ちょぼちょぼと長く咲くわけではなく、株全体に一気に花を咲かせて満開になる姿を表しているのかもしれません。他にも、「情深い」「戸惑い」といった花言葉もあります。原産地の中国では、「勝利」「喜び」「期待」という花言葉があり、いずれも華やかに咲く姿をイメージしてポジティブな言葉が与えられたのでしょう。 レンギョウの種類 レンギョウは、一般にレンギョウ属に分類される植物を総称して指すことが多く、いくつかの種類があります。主にガーデニング用として流通しているのは、レンギョウの他にシナレンギョウ、チョウセンレンギョウなど。シナレンギョウは、中国原産で、花弁がややねじれる特性があります。チョウセンレンギョウはシナレンギョウの変種とされ、花びらの幅がやや広いのが特徴です。レンギョウとシナレンギョウを交配して作出されたのがインテルメディアで、花が横向きに咲いてより華やかに見えるのが特徴。その園芸品種として‘スペクタビリス’がよく知られています。 レンギョウに似ている花木 サンシュユ サンシュユは、ミズキ科サンシュユ属の落葉性高木で、原産地は中国、朝鮮半島で、暑さに強い性質を持っています。低木のレンギョウに比べ、自然樹高で8mにも達します。開花期は3〜4月頃。直径2〜3cmの小さな花が集まって花房をつくり、黄色に染まる姿は見事です。 ダンコウバイ ダンコウバイは、クスノキ科クロモジ属の落葉低木で、原産地は中国、朝鮮半島。日本の野山にも自生する姿が見られます。自然樹高は2〜6mくらい。開花期は3〜4月で、小さな黄色い花が密に咲きます。開花後に展開する葉は大きく、存在感たっぷり。秋に赤から黒へ変色する実がつきます。 オウバイ オウバイはモクセイ科ソケイ属の落葉性半つる植物。枝を1.5〜3mほど伸ばします。原産地は中国で、寒さに強い性質。開花期は2〜3月で、漢字で「黄梅」と書く通り、梅に似た黄色い花を咲かせます。ジャスミンの仲間ながら香りはほとんどありません。 レンギョウの育て方のコツ これまで、レンギョウの特徴や基本情報、開花時期、花言葉、種類など、さまざまな角度からご紹介してきました。では、ここからは実用編として、育て方について、詳しく解説していきます。注意すべき管理のポイントを把握しておけば、レンギョウは初心者でも上手に育てられる花木ですよ! 育ちやすい環境に植える レンギョウは、日当たり、風通しのよい場所を好みます。日当たりの悪い場所では花つきが悪くなるので注意。ただし、西日が強く当たる場所は避けたほうが無難です。また、水はけ、水もちがよく、ふかふかとして適度な湿度を保つ肥沃な土壌を好みます。 暑さ、寒さに強く、環境に馴染みやすいので、地域を問わず育てやすい花木です。 植え付け レンギョウは、地植え・鉢植え、どちらでも育てることができます。植え付けの適期は、休眠期の12〜3月です。 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、直径、深さともに50cm程度の穴を掘りましょう。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきます。粘土質や砂質、水はけの悪い土壌であれば、腐葉土や堆肥を多めに入れるとよいでしょう。土に肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。しっかりと根づくまでは、支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぐとよいでしょう。最後にたっぷりと水を与えます。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、8〜10号鉢を準備します。樹木用に配合された培養土を利用すると手軽です。赤玉土(小粒)4、黒土3、腐葉土3の割合でブレンドした土に、元肥として緩効性化成肥料を混ぜた培養土を準備してもよいでしょう。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから樹木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から水が流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 必要な時期に肥料を与える お礼肥(おれいごえ) 地植え、鉢植えともに開花が終わった5月中旬〜下旬頃に緩効性化成肥料を与え、土によくなじませます。これは、たっぷりと花を咲かせてエネルギーを消耗した木に体力を回復させる目的で与える肥料なので、「お礼肥(おれいごえ)」といいます。「たくさん花を咲かせてくれてありがとう」という気持ちを込めて、肥料をあげてくださいね。 寒肥(かんごえ) 地植え、鉢植えともに、1〜2月頃に緩効性化成肥料を与え、土によくなじませます。これは、春の芽出しの時期のエネルギー源となることを目的に、休眠期に土に混ぜ込んでおく肥料です。 水やりの頻度に気をつける 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、真夏に晴天が続いて乾燥しすぎる場合は水やりをして補いましょう。真夏は昼間に水やりするとすぐお湯状になり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると、すぐにお湯状になり株が弱ってしまうので、朝夕の涼しい時間帯に行うことが大切です。冬は休眠し、表土も乾きにくくなるので控えめに与えるとよいでしょう。 増やす時は挿し木を行う レンギョウは、挿し木で増やすことができます。挿し木の適期は6月頃。若くて勢いのある新梢を選び、10〜15cmの長さで切り取ります。市販の園芸用の培養土を育苗用トレイなどに入れて、採取した枝を挿しておきます。直射日光の当たらない明るい場所で、水切れしないように管理しましょう。発根した根が充実したら、黒ポットなどに植え替え、日当たりや風通しのよい場所で育成します。大きく育ったら、植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、採取した株のクローンになることです。 レンギョウの剪定方法 レンギョウの剪定適期は、5月と12〜2月です。 5月の剪定は、花後の刈り込み作業を目的に行います。この時期はまだ花芽がついていないので、思い切って深く剪定してもかまいません。レンギョウは、枝葉を地際から放射状に伸ばす、株立ち状の樹形です。込み合っている場合は古い枝を元から切り取って若い枝を残しましょう。内側や下側、垂直に伸びて邪魔になっている枝も切り取り、風通しをよくします。コンパクトな樹形をキープしたい場合は、強めに切り戻してもよいでしょう。 12〜2月の休眠期に行う剪定は、込んでいる部分を切り取って風通しをよくする程度にとどめます。なぜなら、レンギョウの花芽は7月頃に形成されるので、強く剪定すると花を楽しめなくなってしまうからです。この時期は樹形を整える程度の軽い剪定をします。 レンギョウの病気と害虫のリスク 病気 レンギョウがかかりやすい病気は、うどんこ病、白紋羽(しろもんぱ)病などです。 うどんこ病は、発生すると葉の表面に白い粉が吹いたようなカビが見られます。光合成を阻害されたり、葉から養分を吸収されたりして、生育が悪くなります。放任してひどくなると枯れてしまうこともあるので注意。木の勢いがなくなり、見た目も悪いので、兆候が見られたら早期に殺菌剤などを散布して対処しましょう。乾燥する時期に発生しやすい傾向にあるので、水もち、水はけのよい土壌作りと、適切な水やりの管理が回避のカギです。窒素成分の多い肥料を与えすぎるのも、発症のきっかけになります。 白紋羽病は、発症すると、木全体の葉が縮れて枯れ込み、根や地際に近い樹皮に白灰色の菌糸束や菌糸膜が見つかります。レンギョウは適度な湿り気を好みますが、過湿にならないように管理しましょう。樹勢が弱ると発症する傾向にあるので、勢いのある健康な状態を保つことが大切です。 害虫 レンギョウにつきやすい害虫は、カイガラムシ、アオバハゴロモなどです。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫です。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせます。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 アオバハゴロモは、淡いグリーンの羽虫です。成虫は三角形状の外見が目印で、葉などについて吸汁します。幼虫は白い綿状の分泌物に覆われています。それほどの実害はありませんが、見た目が気になる場合は、適応する薬剤を散布して駆除しましょう。 レンギョウを育てる注意点 レンギョウは、病害虫や大気汚染に強く、環境に馴染みやすいので初心者でも育てやすい樹木ですが、成長が早く樹形が乱れやすい点に注意したいものです。放置すると繊細な枝ぶりの魅力が薄らぎ、こんもりと茂ってうっとうしくなり、道路や隣家にまで枝を伸ばして迷惑者になってしまうことも。剪定が苦手な方なら、いっそのことプロに依頼して定期的なメンテナンスをするのも一案です。 また、庭木として人気の花木ですが、落葉性のため冬は枝葉だけになってしまいます。道路や隣家からの目隠しとして利用するには、不向きの樹木であることを知っておきましょう。 レンギョウを植えるなら、育て方や剪定のコツをチェックしよう! レンギョウは生育が早く、定期的な剪定のメンテナンスが必要ですが、暑さ寒さに強く環境に馴染みやすいので、放任しても丈夫に育ってくれる花木です。開花期に黄色の花を満開に咲かせる姿は大変華やかで、春の到来の喜びを伝えてくれるので、ぜひ庭に迎え入れてはいかがでしょう。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 (参考文献) 上条祐一郎『切るナビ! 庭木の剪定がわかる本』NHK出版 (2017年第17刷) 『はなとやさい』2018年7月号タキイ種苗
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土作り

冬の手入れで春に違いが出る!美しいバラの庭で行われている冬の庭仕事
バラ苗の植え付けは冬の間に バラ苗が届いたら、すぐやりたいのが植え替えです。苗が植わっている鉢は、運搬を考慮して株の大きさに比べて小さなサイズになっていることが多く、そのままではすぐに根詰まりしてしまうなど、順調に生育しない恐れがあります。買ってきたら地植えにするか、元のサイズより1〜2回りほど大きな鉢に植え替えましょう。 その際、バラの根にとってよい土を用意してあげることが大事です。バラは冬の間は休眠期ですが、3月初めには目覚めて根が動き出します。そのとき、どれだけ土から栄養を補給できるかで、芽出しの勢いが違ってきます。もともと植わっているバラにも「寒肥(かんぴ)」として冬の間に肥料を施すのがバラ栽培の慣例です。 美しい庭で使われている土壌資材「バイオマイスター」 バラの美しい庭として全国的にも有名な面谷内科・循環器内科クリニック。庭を丹精する院長夫人の面谷ひとみさんは、冬は必ず庭の土壌改良を行います。土壌改良やバラの寒肥として使っているのは「バイオマイスター」。植物活力素で有名なメネデール社の土壌資材で、幅広い用途とマルチな効果を持つ便利なアイテムです。 バイオマイスターの効果を花数の違いで実感 写真は上下、同じ時期、同じ場所のバラのシーンです。上はバイオマイスター使用前の5月のバラの様子。下はバイオマイスターを使って1年後の様子です。円で囲んだ赤いバラは‘フレーズ’。手前の淡いピンクのバラは‘プリュム’。比較すると、どちらもバイオマイスター使用後は花数に圧倒的なボリュームが出て、庭での存在感が何倍にも増しています。 こちらの写真も、上下、同じ時期、同じ場所のバラのシーンです。上はバイオマイスター使用前の5月のバラの様子。下はバイマイスターを使って1年後の様子です。 「このコーナーは庭を作った当初からバラを植えていますが、5年くらいすると、場所によって以前のように花が咲かなくなってくることがあるんです。本来は扉の両側から赤いバラが咲き上がってくるように2本植えているんですが、上の写真の年は右側が全然咲かなくて。もう諦めて抜こうかなと思っていたところにバイオマイスターを使ってみたら、見事復活! ピンクのバラも盛大に咲いて、華やかさが戻りました」(面谷ひとみさん) 効果の秘密はバイオマイスターのマルチ設計 生育不良のバラの株元にバイオマイスターをマルチング。 面谷さんの庭で花数に効果の違いをもたらしたバイオマイスター。その秘密は、以下のようなバイオマイスターのマルチな成分設計にあります。 根を生育させるための肥料成分を含んでいる。土壌中の有害な菌の発生を抑えるバチルス菌や乳酸菌を含んでいる。植物と共生し、その生育を支える菌根菌などの善玉菌を多く含んでいる。厳選した有機物と鉱物をベストバランスで配合し、新鮮な空気や水が届く土壌環境設計になっている。 こうした働きから、生育不良に陥ったバラも見事復活へと導いたのです。 寄せ植えにも効果的なバイオマイスター 面谷さんは冬以外にも、年に数回の植え替えのたびにバイオマイスターを庭に使っています。「私の場合は、ほとんど上からまくだけ。袋を持って庭を回りながら、バラや大事な宿根草の株元にパラパラまいていくんです。簡単で楽でいいですよね。あとは寄せ植えするときにも元肥(もとごえ)のように土に混ぜて使っています。バイオマイスターを使うと生育がとてもよくて、花のボリュームがすごいんです」。 バイオマイスターを混ぜ込んだ土に寄せ植え。 2カ月後の様子。花のボリュームが2〜3倍になり華やか! バイオマイスターの効果的な使い方 ■鉢植えの場合 バイオマイスターを元肥として使ったバラの鉢植え。葉が繁茂し、2カ月後には花もつぼみもいっぱいに! ●植え替えをする場合、用土にバイオマイスターを20~30%混合して元肥のように使えます。その場合、ほかの堆肥や元肥は必要ありません。 ●植え替えをしない場合、バイオマイスターをマルチ資材として使用できます。良質な腐葉土とバイオマイスターを等量混ぜ、土の表面に2~3cmの厚みで敷き詰めます。 ●また、古土を再生したい場合には、その土を消毒をした後、バイオマイスターを古土に対して30%ほど混ぜると良質な培養土へ蘇ります。 ■地植えの場合 ●土壌改良を行う場合、根回りの土を掘り上げ、その土にバイオマイスターを20~30%混ぜて埋め戻します。 ●土壌改良を行わない場合、バイオマイスターをマルチ資材として使用できます。良質な腐葉土とバイオマイスターを等量混ぜ、根域土壌(根が張っている範囲の土)の表面全体を覆うように、2~3cmの厚みで敷き詰めます。 バイオマイスターでバラの株の周りをマルチングする面谷さん。 バイオマイスターでプロの農家も収量アップに大成功! 写真提供/Clover Farm バイマイスターはプロの農家からも信頼の厚い土壌改良資材です。瀬戸内のハワイとも呼ばれ、ハワイ州カウアイ島と姉妹島にもなっている山口県周防大島町。比較的温暖な気候で、温州みかんの産地としても有名なこの地で、レモンとみかんの栽培に取り組むClover Farmも、バイオマイスターを愛用しています。 写真提供/Clover Farm 畑の移設によって土壌環境の問題と病害虫の発生が重なり、年間収量が以前の10分の1にまで大幅に減少してしまったClover Farm。そんな畑の存続危機に直面しているときに出会ったのが、バイオマイスターでした。 「たまたまSNS上でメネデール株式会社のバイオマイスターのモニター企画が目に留まり、いちるの望みをかけて応募してみることにしました。バイオマイスターは花木や果樹の栽培において、土壌改良や生育促進に効果があり、前年のモニター企画でもかなり評判がよかったようで、少しでも状況を好転させられるならと思ったからです。すると担当者から連絡があり、事情を説明したところ、土壌分析と栽培アドバイスの提供を受けられることになりました」 写真提供/Clover Farm まず行った土壌分析では、排水性が悪いことと肥料分の不足が明らかに。その結果をもとに、バイオマイスターとともに、メネデールを併用することにしました。メネデールは活力剤のパイオニア的存在で、根の生育促進や光合成の活性化を目的として組み合わせました。移植した樹はまだまだ根の張りがよくなかったので、土壌にかん注*を、新たに植える苗木は事前にメネデール100倍希釈液に浸漬(しんせき)してから植え付け、その後も定期的にかん注することにより活着を促進させました。また、併せて葉面散布も行いました。バイオマイスターは土壌改良と施肥を行った後に、マルチング材として利用しました。 *かん注(灌注)とは、薄めた液剤を土中に染み込ませて効果を発揮させる処理方法。 写真提供/Clover Farm 「その後も、メネデール社から現地に来ていただいたり、継続的なアドバイスをもらいながら栽培を行った結果、期待以上の成果を得ることができました。収穫量は過去最高時の1.5倍にまで増え、果実の大きさも過去最高となり、納入先である洋菓子店や従前の顧客からは果汁が多くて甘みも素晴らしいと、とても嬉しい評価をいただきました!」 藁にもすがる思いでSNSに応募した結果、バイオマイスターとメネデールという救世主を得て、畑を復活させたばかりでなく、収量アップという快挙をなし遂げたClover Farm。 「それもこれも、丁寧で的確なアドバイスをくれたメネデールさんのおかげです。これからもバイオマイスターとメネデールを使いながら、たくさんの美味しいレモンとみかんを育てて、多くの人に味わっていただきたいですね」 愛好家からもプロからも信頼されるバイオマイスター&メネデール。あなたの庭でも、使ってみれば違いを実感できるはずです。 バイオマイスターのモニターを募集! 本記事をご覧いただいた方に朗報です! メネデール社のInstagram公式アカウントにて、バイオマイスターのモニター企画を開催予定です。応募期間は12月5日(月)〜18日(日)までですので、ご興味のある方はぜひご応募ください。 モニター企画の詳細はメネデール社のHPをご覧ください。 協力:面谷内科・循環器内科クリニック、Clover Farm
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宿根草・多年草

オレガノを育てて生活に活用しよう! 育て方や利用方法をご紹介
オレガノの主な特徴 料理の香りづけに重宝するオレガノは、植物としてどのような性質を持っているのでしょうか? ここでは、オレガノの基本情報や特徴について解説します。 基本情報 オレガノは、シソ科ハナハッカ属の植物です。原産地はヨーロッパから中央アジアで、寒さに強く、乾燥した気候を好みます。多年草に属し、一度植え付ければ越年して何年も栽培できる息の長い草花です。春に生育期を迎えると旺盛に伸びて夏に開花し、寒さが強まると生育が止まります。寒冷地では地上部を枯らすこともあるようですが、越年して再び春になると新芽を出す……というライフサイクル。強健な性質で、手入れの必要がほとんどないといっていいほどですが、逆に生命力が強すぎることがネックだともいえます。なぜなら、オレガノは地下茎を旺盛に伸ばして横に広がっていくため、環境に合うと増え広がりすぎて、他の植物との調和を乱してしまうことがあるからです。繁茂しすぎる場合は、抜き取って調整するとよいでしょう。 花や葉の特徴 オレガノの草丈は30〜90cm。茎が直立するタイプと、這うように広がるタイプとがあり、いずれも旺盛に茎葉を伸ばして、こんもりと茂ります。ハーブとして利用できるのは葉で、触ると爽やかな香りが立つのが特徴です。開花期は6〜8月で、花茎の先端に小さな花が集まって咲きます。花色はピンク、白があります。 育て方の基本 ここまで、オレガノの基本情報についてご紹介しました。ここからはガーデニングの実践編として、適した栽培環境や植え付け、水やりや施肥、手入れなど日頃の管理のほか、増やし方についても詳しく解説します。 栽培環境 オレガノは、基本的には日当たりがよく、風通しのよい場所を好みます。半日陰の環境でも育ちますが、あまりに日当たりが悪い場所では、ヒョロヒョロと茎を伸ばして軟弱になったり、花が咲きにくくなったりするので注意してください。 高温多湿の環境を苦手とするので、夏は風通しよく管理し、水を与えすぎないようにしましょう。一方、寒さには強く、一般地なら戸外で越冬させても特に防寒の必要はありません。寒冷地では株元をバークチップや敷きワラなどで覆って、マルチングをしておきます。 用土 【地植え】 植え付けの約2週間前に、苦土石灰少量、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んでよく耕してください。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 ハーブの栽培用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。 植え付け・植え替え オレガノの植え付け・植え替えの適期は、4〜5月か、10月頃です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも1回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。複数の苗を植える場合は、30cmくらいの間隔を取ってください。 庭で育てている場合、環境に合えば植え替える必要はありません。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、6〜7号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてからハーブ用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢の中に仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて、植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 水やり 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏に水やりする場合は、気温が高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつでもジメジメとした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面がしっかり乾いてから、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬に地上部が枯れても、カラカラに乾燥させることのないように、適宜水やりを続けてください。 肥料 【地植え・鉢植えともに】 強健な性質なので、1年目は植え付け時に元肥として緩効性肥料を施してあれば、追肥の必要はありません。 2年目以降は、切り戻しや収穫をした後、株の生育に勢いがない時などに、液肥を与えておくとよいでしょう。 収穫 開花する直前に、草丈の1/3を目安に刈り込みます。オレガノはフレッシュでもドライでもハーブとして利用できますが、ドライのほうが香りを強く感じられます。茎葉を束ねて縛り、風通しのよい場所に逆さに吊して乾燥させます。十分に乾いたら、密閉できる保存袋に入れて貯蔵しましょう。 収穫しない場合も、梅雨前に刈り込んでおくことが管理のポイントです。オレガノは高温多湿の環境に弱いので、刈り込んで風通しをよくすることで、蒸れによる病気の発生を抑えることができます。 病害虫 【病気】 オレガノは病気に強いほうですが、まれにうどんこ病や灰色かび病を発症することがあります。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら、病気の葉を摘み取って処分しましょう。 灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほどで多湿の環境下で発生しやすい病気です。ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合いすぎていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合いすぎている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。 【害虫】 オレガノに発生しやすい害虫は、アブラムシです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目にもよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、シャワーではじいたりして防除しましょう。 増やし方 オレガノは、種まきのほか、株分け、挿し芽で増やすことが可能です。ここでは、それぞれの作業の仕方についてご紹介していきます。 種まき 種まきするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなります。オレガノはこぼれ種で増えるほどに強健な性質なので、種まきは容易です。 種まきの適期は4月〜5月中旬か10月頃で、発芽適温は20℃くらい。種まき用のセルトレイにハーブ用にブレンドされた市販の培養土を入れ、1穴当たり数粒ずつ播きます。オレガノは発芽に光を必要とする好光性種子のため、土をかぶせる必要はありません。種が細かいので、浅く水を張った容器にセルトレイを置いて鉢底から吸水させます。発芽までは乾燥しないように適度な水管理をしてください。発芽後は、弱々しい苗を間引いて1本立ちにし、日当たりがよく、風通しのよい場所で管理します。本葉が2〜3枚出始めたら、3号の黒ポットに植え替えて育苗し、本葉が7〜8枚ついたら、植えたい場所に定植します。 株分け オレガノは株分けして増やすことができます。適期は4〜5月か10月頃です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りをはかります。株を掘り上げて数芽ずつ付けて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、株が増えていくというわけです。 挿し芽 挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し芽ができないものもありますが、オレガノは挿し芽で増やせます。 オレガノの挿し芽の適期は、4〜5月か10月頃です。新しく伸びた枝を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した茎葉(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を取ります。セルトレイを用意して新しい培養土を入れ、水を入れて十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて、乾燥させないように管理します。根が回ってきたら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 オレガノの利用方法と注意点 常備したいハーブの一つといわれるほど、人気の高いオレガノ。ここでは、利用方法や注意点について解説していきます。 さまざまな利用方法と注意点 オレガノはトマト料理や肉料理、煮込み料理などと相性がよく、ややほろ苦さを伴う爽やかな香りが特徴です。ドレッシングに加えてもいいし、クッキーやスコーンなどの生地に練り込んでも。ハーブティーとしてもおいしくいただけます。香りが強いので、調理に利用する場合はあまり入れすぎずに臭み消し程度にするとよいでしょう。 花はドライフラワーに向くので、スワッグやリースを作っても素敵。ポプリに利用するのもおすすめです。 利用にあたっての注意点 オレガノの香りは主張が強いので、他の食材のよさを生かす程度になるよう、使用量に注意しましょう。生葉は煮込むと苦みが出ることがあるので、気になる場合はドライを使いましょう。また、オレガノには子宮収縮作用があるとされているので、妊婦さんは摂取しないようにしてください。 オレガノを育てて生活に彩りを 葉に爽やかな香りをもち、料理にクラフトに大活躍するオレガノは、キッチンに常備したいハーブです。強健な性質でビギナーでも育てやすいオレガノを、ぜひ庭やベランダで栽培してみてはいかがでしょうか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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宿根草・多年草

スカシユリはどんな花? 花言葉は? 育て方のポイントや増やし方も解説
スカシユリの主な特徴 NadinD/Shutterstock.com まずは、スカシユリの主な特徴について解説します。 基本情報 Ken Kojima/Shutterstock.com スカシユリ(Lilium maculatum)は、ユリ科ユリ属に分類される球根植物です。日本が原産で、中部地方よりも北の海岸や崖などに自生しています。自生している環境にちなんで、ハマユリやイワユリなどとも呼ばれます。草丈は20〜60cm。ユリの仲間は香りが強いものが多いですが、スカシユリには香りがないのが特徴です。 花の特徴 FLORABELA/Shutterstock.com スカシユリの開花期は6~8月ですが、地域によって異なります。太平洋側に分布しているものは7~8月、日本海側は5~6月に咲きます。 ユリの多くは下向きに咲きますが、スカシユリは上向きに咲くのが大きな特徴です。花弁の付け根部分が細くなっていて、花の基部が透けて見えます。これがスカシユリという名前の由来になっています。 スカシユリの花色はさまざまで、オレンジや白、黄、赤、ピンクなどがあります。 花言葉 Elena11/shutterstock.com スカシユリの花言葉は、「注目を浴びる」「飾らぬ美」「神秘的な美」「偽り」など。花の付け根が透けており、上向きに咲く花姿から「注目を浴びる」といった花言葉がつけられたのでしょう。また「飾らぬ美」は、美しい花に香りがないことからきているのでしょうか。 スカシユリの育て方のポイント Sergio Photone/Shutterstock.com ここからは、美しいスカシユリを育てるポイントについて解説します。 栽培する場所や土壌 Deemerwha studio/Shutterstock.com スカシユリは鉢植えでも地植えでも育てることができます。日光を好む植物ですので、日当たりのよい場所で育てましょう。西日よりも、午前中に日が当たる場所のほうが適しています。 スカシユリは水はけのよい土壌を好みます。地植えの場合は植え付けの2週間前に、土に苦土石灰と腐葉土や堆肥を混ぜておきましょう。鉢植えの場合は、市販の球根植物用の土や草花用の培養土で問題ありません。赤玉土に腐葉土と川砂を混ぜて水はけをよくした土を使っても育てられます。 水やり Alter-ego/Shutterstock.com 地植えの場合は、根付いた後は基本的に自然の降雨に任せ、水やりはしなくて構いません。雨が降らない日が続いて乾燥したときのみ水やりをします。 鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。乾燥には弱いため、水切れに注意しましょう。 肥料 AngieYeoh/Shutterstock.com スカシユリはあまり肥料を必要としません。発芽して生育期に入ったら、2カ月に1度ほど緩効性化成肥料を与えるか、2週間に1度を目安に1,000倍に薄めた液体肥料を与えます。肥料が多すぎると枯れてしまうこともあるため、与える量には注意が必要です。 植え付け Damian Lugowski/Shutterstock.com 植え付けの適期は10~11月です。 地植えの場合は、球根の高さの3倍ほどの深さの穴を掘り、球根を埋めて土を被せたら、たっぷりと水やりをします。株同士の間隔は球根3つ分ほどあけましょう。 鉢植えの場合は、球根の2~3倍ほどの深さの穴を掘って植え、たっぷりと水やりをします。株の間隔は、球根1つ分ほどあけましょう。 植え替え Anton Nikitinskiy/Shutterstock.com 植え替えの適期は、10~11月です。 鉢植えの場合は、1~2年に1度は植え替えを行います。地植えの場合も、3~4年に1度植え替えをするとよいでしょう。 スカシユリは連作障害が起こりやすい植物です。植え替えをする時は新しい用土を用意するか、地植えの場合は場所を変えて植えます。 日常のお手入れ Radovan1/Shutterstock.com スカシユリが伸びてきたら、必要に応じて支柱を立てて株を支えましょう。 花後は花がらを摘み取ります。茎や葉は光合成に必要なので、枯れるまでそのまま残しておきましょう。半分くらい枯れてきたら地際で切り戻します。 冬場は、寒冷地で雪が降らない地域では、土の凍結を防ぐために腐葉土や藁で表土をマルチングするとよいでしょう。春先に芽に霜があたると傷んでしまうので、鉢植えの場合は、霜が降りない場所に移動させます。地植えの場合は霜よけをしましょう。 注意すべき病害虫 Gulnazya_art/Shutterstock.com スカシユリにつきやすい害虫は、アブラムシです。見つけ次第、すぐに駆除しましょう。 病気では、夏の高温時に発症しやすい白絹病に注意が必要です。白絹病は株元などに白い糸状のものが現れ、株や茎が腐ってやがて枯れてしまいます。茶色い小粒の「菌核」を形成するので、見つけ次第除去します。病気にかかってしまった株は、全て取り除いて処分します。 スカシユリの増やし方 Peolla/Shutterstock.com スカシユリの増やし方には、分球、木子、鱗片挿しがあります。 ここでは、それぞれの増やし方について、項目ごとに解説します。 分球 Sarycheva Olesia/Shutterstock.com 分球は、球根植物ではもっとも一般的な増やし方です。 分球の適期は10~11月で、植え替えと同時に行うと効率がよいでしょう。分球の方法は、球根を手で分けて新しい用土に植え付けます。すぐに植えられない時は、球根を乾燥させないように湿らせたバーミキュライトやピートモスなどに埋めて保存します。 木子(きご) Sarycheva Olesia/Shutterstock.com 木子(きご)は、球根植物において、親球の周りにできる子株につく、さらに小さな球根のことです。 掘り上げた球根に木子がついていたら、木子を取って新しい用土に植えると増やすことができます。木子は小さいので、成長して開花するまでには2~3年かかります。 鱗片挿し jreika/Shutterstock.com 球根は、うろこ状の鱗片が幾重にも重なった構造をしています。その鱗片をはがして用土に挿すと、成長してやがて球根になります。鱗片を挿すときは上下が逆さまにならないように注意して、2/3ほど土に埋めます。鱗片挿しでは、植えてから開花までは最低でも3年ほどかかります。 近縁種や似た品種 Storyjin/Shutterstock.com スカシユリの仲間には次のようなものがあります。 エゾスカシユリは、スカシユリの近縁種で北海道に自生しています。つぼみや葉が綿毛で覆われているのが特徴で、花色はオレンジ色のものが多いです。 ヒメユリも、スカシユリの近縁種で、東北から九州にかけて自生しています。オレンジ色の花を咲かせ、斑点があります。 上向きに咲くスカシユリで庭を彩ろう Janno Loide/Shutterstock.com スカシユリはさまざまな色があるユリの仲間で、上向きに咲くのが特徴です。日本に自生する植物なので、ポイントを押さえれば育てやすいのも魅力。ぜひ華やかなスカシユリを、自宅の庭でも楽しんでみてはいかがでしょうか。
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春を告げる可憐なヒマラヤユキノシタ! 特徴や育て方のポイントを解説
ヒマラヤユキノシタの主な特徴 楚々とした風情が魅力のヒマラヤユキノシタ。まずは、基本情報や花・茎葉の特徴、用途などについてご紹介します。 基本情報 scott mirror/Shutterstock.com ヒマラヤユキノシタは、ユキノシタ科ヒマラヤユキノシタ属(ベルゲニア属)の多年草です。草丈は20〜40cmで、常緑性のため冬でもみずみずしい葉姿を楽しめます。原産地は、東アジア〜中央アジア。寒さに強い一方で、高温多湿の環境を苦手とする性質を持っています。ヒマラヤユキノシタという名前は、学名のベルゲニア・ストラケイ(Bergenia stracheyi)に和名としてつけた名前が一般化したもの。また、エレファンツ・イヤーの別名もあります。 花や葉の特徴 shepherdsatellite/Shutterstock.com ヒマラヤユキノシタの開花期は3〜4月。花色は濃いピンク、淡いピンク、白などがあります。やや太い花茎を長く伸ばした頂部に、花径1〜3cmほどの5弁花を多数咲かせるのが特徴です。一つひとつの花は小さいものの、花序を作り出すため色の塊となり、大変華やかです。葉は厚みのある楕円形。茎は赤紫色で、地面に這うように広がります。 用途 ZUN310/Shutterstock.com 草丈が低く、這うようにして増え広がる性質なので、地表を隠してくれるグラウンドカバープランツとして活躍します。地表が覆われることで、土壌の流出防止や雑草除けにも役立ちます。また、乾燥に耐える性質のため、緩やかな斜面を生かして作るロックガーデンにも好適です。 ヒマラヤユキノシタの育て方のポイント ここまで、ヒマラヤユキノシタの基本情報や特徴、名前の由来、用途などについてご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、適した栽培環境や植え付け、水やりや施肥、気をつけたい病害虫、増やし方など、育て方について詳しく解説します。 栽培に適した場所 ikwc_exps/Shutterstock.com ヒマラヤユキノシタは、日向から半日陰まで、場所を選ばずよく育ちます。ただし、あまりに暗い場所では、ヒョロヒョロと間のびした草姿になり、花つきも悪くなるので注意。乾燥に強く、斜面やロックガーデン、雨が当たりにくい軒下でも栽培可能です。高温多湿を嫌うので、真夏は朝のみ日が差す東側や、落葉樹の足元などチラチラと木漏れ日が差すような半日陰の涼しい場所での管理が向いています。寒さには強いため特に対策の必要はなく、戸外で越冬できます。 土づくり funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、よく耕しておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の花木用培養土を利用すると手軽です。自身で用土を配合する場合は、赤玉土小粒7、腐葉土3の割合で混ぜ合わせて用いるとよいでしょう。 植え付け・植え替え Vlyaks/Shutterstock.com ヒマラヤユキノシタの植え付け・植え替えの適期は、3〜5月か、9〜11月です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘ります。苗をポットから出して軽く根鉢をほぐしたら、寝かせて茎を横にし、浅く植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。 地植えの場合、環境に合えば植え替える必要はありません。ただし、植え付けから数年が経って株が込み合ってきたら、掘り上げて株分けしてください。改めて植え直し、株の若返りをはかりましょう。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、入手した苗よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。 苗をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢の中に仮置きし、高さを決めます。茎は一方向のみに伸びていく性質があるため、新芽が伸びる方向を少しあけて配置するようにしてください。 苗を倒して茎が横向きになるように配し、少しずつ土を入れて、植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。 水やり wavebreakmedia/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏に水やりする場合は、気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、ヒマラヤユキノシタは乾燥に強い植物なので、いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。 茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬は土が乾燥しづらくなるので、与える頻度を控えめにしつつ、適宜水やりを続けてください。 肥料 New Africa/Shutterstock.com 【地植え】 植え付け時に元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。追肥として、10〜11月に、株の周囲に緩効性肥料をばらまき、軽くスコップなどで耕して土に馴染ませます。追肥の適期以外でも、生育期に株の勢いがない時などがあれば、液肥を与えて様子を見てください。 【鉢植え】 植え付け時に元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。追肥は、3〜4月と9〜11月に緩効性肥料を株の周囲にまき、スコップなどで軽く耕して土に馴染ませておきます。 日常のお手入れ Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com 【花がら摘み】 終わった花は、適宜摘み取りましょう。花首の下ではなく、長く伸びた花茎の根元から切り取ってください。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。種子を採取したい場合は、開花が終わりそうな頃に花がら摘みをやめて、種子をつけさせましょう。 【枯れ葉の整理】 生育期間中は新陳代謝を繰り返し、新葉を展開するとともに、枯れ葉も出ます。枯れて傷んだ葉を見つけたら、こまめに取り除いて株まわりを清潔にし、病害虫の抑制に努めましょう。また、生育期に入る前の2月中旬〜3月にも、冬に枯れた葉が多くあれば取り除いておきます。 夏越し・冬越し 【夏越し】 地植えにしている場合、真夏に強い日差しが照りつける環境では、遮光ネットを張って半日陰の環境を作るとよいでしょう。鉢植えの場合は、風通しがよく涼しい半日陰の場所へ移動して管理します。 【冬越し】 寒さには強いので、特に対策の必要はなく、戸外で越冬できます。 注意すべき病害虫 Decha Thapanya/Shutterstock.com 【病気】 ヒマラヤユキノシタは、ほとんど病気を発症する心配はありませんが、たまに炭そ病を発症することがあります。 炭そ病は、春や秋の長雨の頃に発生やすくなります。カビが原因で発生する伝染性の病気で、葉に褐色で円形の斑点が現れるのが特徴です。その後、葉に穴があき始め、やがて枯れ込んでいくので、早期に対処することが大切です。斑点の部分に胞子ができ、雨の跳ね返りなどで周囲に蔓延していくので、被害を見つけたらすぐに株を除去して土ごと処分しておきましょう。密植すると発病しやすくなるので、茂りすぎたら葉を間引いて風通しよく管理してください。水やり時に株全体に水をかけると、泥の跳ね返りをきっかけに発病しやすくなるので、株元の表土を狙って与えるようにしましょう。 【害虫】 ヒマラヤユキノシタに発生しやすい害虫は、カイガラムシやハダニなどです。 カイガラムシの体長は2〜10mmほど。茎などについて吸汁し、だんだんと弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要です。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけて予防するとよいでしょう。 ヒマラヤユキノシタの増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com ヒマラヤユキノシタは、種まき、株分け、根伏せで増やすことができます。それぞれの増やし方について、詳しく解説します。 種まき 種まきするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなります。 ヒマラヤユキノシタの種子は市販されていませんが、植え付けた株が開花した後につける小さな種子を採取し、それを播いて増やすことができます。種まきの適期は3〜5月か9〜11月です。 黒ポットに市販の草花用培養土を入れ、種子を数粒ずつ播き、最後にたっぷりと水やりをしましょう。発芽までは風通しのよい半日陰に置き、乾燥しないように適度な水管理をしてください。発芽後、弱々しい苗があれば適宜間引いて1本立ちにし、日当たり、風通しのよい場所で管理します。しっかりした苗に育ったら、植えたい場所に定植しましょう。種まきから開花までは3年ほどかかるので、時間をかけて見守ってください。 ※園芸品種の場合、親と同じ草姿になるとは限りません。 株分け ヒマラヤユキノシタの株分けの適期は、4〜6月か9〜11月です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りをはかります。株を掘り上げて4〜5芽ずつ付けて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、株が増えていくというわけです。 根伏せ ヒマラヤユキノシタの根伏せの適期は、3〜4月頃です。 まず、黒ポットに市販の草花用培養土を入れて、十分に湿らせておきましょう。株を掘り上げた際に、比較的太い根を採取します。4〜5cmくらいにカットして黒ポットに根を平らに置き、2cmほど土をかぶせておきます。水切れしないように管理すると、根から芽を出し、新しい個体として生育し始めます。しばらく育苗し、ポットに十分に根が回った頃に、植えたい場所に植え付けます。根伏せのメリットは、親株とまったく同じクローンになることです。 ヒマラヤユキノシタに似ている品種 シベリアユキノシタ。YURY TARANIK/Shutterstock.com ヒマラヤユキノシタは、基本的には学名のベルゲニア・ストラケイの和名です。しかし、ヒマラヤユキノシタ属は約10種が確認されており、これらもヒマラヤユキノシタとして流通することがあります。 ベルゲニア・コルディフォリアは、和名はシベリアユキノシタ。原産地はシベリアやモンゴルの森林、岩場などで、寒さに強いのが特徴。花は淡いピンクで、草丈は60cmほどになります。ベルゲニア・クラシフォリアは、和名はナガバユキノシタ。原産地は中央アジアや東アジアで、やや大ぶりに育ちます。 花の少ない季節の庭にヒマラヤユキノシタを islavicek/Shutterstock.com ヒマラヤユキノシタは寒さに強く、一年を通してみずみずしいエバーグリーンを保ちます。開花期は山野草のように可憐な風情で魅力的。一度根付けば毎年花を咲かせ、寿命が長いのも美点の一つです。ぜひ庭でヒマラヤユキノシタの栽培にチャレンジしてはいかがでしょうか。





















