スカシユリはどんな花? 花言葉は? 育て方のポイントや増やし方も解説
Ellen McKnight/shutterstock.com
皆さんはスカシユリという花をご存じですか? 名前からも分かるようにユリに似た花姿ですが、上向きに花が咲くゴージャスな見た目が魅力の球根植物です。この記事では、そんなスカシユリの特徴や育て方の基本について詳しく解説していきます。
目次
スカシユリの主な特徴

まずは、スカシユリの主な特徴について解説します。
基本情報

スカシユリ(Lilium maculatum)は、ユリ科ユリ属に分類される球根植物です。日本が原産で、中部地方よりも北の海岸や崖などに自生しています。自生している環境にちなんで、ハマユリやイワユリなどとも呼ばれます。草丈は20〜60cm。ユリの仲間は香りが強いものが多いですが、スカシユリには香りがないのが特徴です。
花の特徴

スカシユリの開花期は6~8月ですが、地域によって異なります。太平洋側に分布しているものは7~8月、日本海側は5~6月に咲きます。
ユリの多くは下向きに咲きますが、スカシユリは上向きに咲くのが大きな特徴です。花弁の付け根部分が細くなっていて、花の基部が透けて見えます。これがスカシユリという名前の由来になっています。
スカシユリの花色はさまざまで、オレンジや白、黄、赤、ピンクなどがあります。
花言葉

スカシユリの花言葉は、「注目を浴びる」「飾らぬ美」「神秘的な美」「偽り」など。花の付け根が透けており、上向きに咲く花姿から「注目を浴びる」といった花言葉がつけられたのでしょう。また「飾らぬ美」は、美しい花に香りがないことからきているのでしょうか。
スカシユリの育て方のポイント

ここからは、美しいスカシユリを育てるポイントについて解説します。
栽培する場所や土壌

スカシユリは鉢植えでも地植えでも育てることができます。日光を好む植物ですので、日当たりのよい場所で育てましょう。西日よりも、午前中に日が当たる場所のほうが適しています。
スカシユリは水はけのよい土壌を好みます。地植えの場合は植え付けの2週間前に、土に苦土石灰と腐葉土や堆肥を混ぜておきましょう。鉢植えの場合は、市販の球根植物用の土や草花用の培養土で問題ありません。赤玉土に腐葉土と川砂を混ぜて水はけをよくした土を使っても育てられます。
水やり

地植えの場合は、根付いた後は基本的に自然の降雨に任せ、水やりはしなくて構いません。雨が降らない日が続いて乾燥したときのみ水やりをします。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。乾燥には弱いため、水切れに注意しましょう。
肥料

スカシユリはあまり肥料を必要としません。発芽して生育期に入ったら、2カ月に1度ほど緩効性化成肥料を与えるか、2週間に1度を目安に1,000倍に薄めた液体肥料を与えます。肥料が多すぎると枯れてしまうこともあるため、与える量には注意が必要です。
植え付け

植え付けの適期は10~11月です。
地植えの場合は、球根の高さの3倍ほどの深さの穴を掘り、球根を埋めて土を被せたら、たっぷりと水やりをします。株同士の間隔は球根3つ分ほどあけましょう。
鉢植えの場合は、球根の2~3倍ほどの深さの穴を掘って植え、たっぷりと水やりをします。株の間隔は、球根1つ分ほどあけましょう。
植え替え

植え替えの適期は、10~11月です。
鉢植えの場合は、1~2年に1度は植え替えを行います。地植えの場合も、3~4年に1度植え替えをするとよいでしょう。
スカシユリは連作障害が起こりやすい植物です。植え替えをする時は新しい用土を用意するか、地植えの場合は場所を変えて植えます。
日常のお手入れ

スカシユリが伸びてきたら、必要に応じて支柱を立てて株を支えましょう。
花後は花がらを摘み取ります。茎や葉は光合成に必要なので、枯れるまでそのまま残しておきましょう。半分くらい枯れてきたら地際で切り戻します。
冬場は、寒冷地で雪が降らない地域では、土の凍結を防ぐために腐葉土や藁で表土をマルチングするとよいでしょう。春先に芽に霜があたると傷んでしまうので、鉢植えの場合は、霜が降りない場所に移動させます。地植えの場合は霜よけをしましょう。
注意すべき病害虫

スカシユリにつきやすい害虫は、アブラムシです。見つけ次第、すぐに駆除しましょう。
病気では、夏の高温時に発症しやすい白絹病に注意が必要です。白絹病は株元などに白い糸状のものが現れ、株や茎が腐ってやがて枯れてしまいます。茶色い小粒の「菌核」を形成するので、見つけ次第除去します。病気にかかってしまった株は、全て取り除いて処分します。
スカシユリの増やし方

スカシユリの増やし方には、分球、木子、鱗片挿しがあります。
ここでは、それぞれの増やし方について、項目ごとに解説します。
分球

分球は、球根植物ではもっとも一般的な増やし方です。
分球の適期は10~11月で、植え替えと同時に行うと効率がよいでしょう。分球の方法は、球根を手で分けて新しい用土に植え付けます。すぐに植えられない時は、球根を乾燥させないように湿らせたバーミキュライトやピートモスなどに埋めて保存します。
木子(きご)

木子(きご)は、球根植物において、親球の周りにできる子株につく、さらに小さな球根のことです。
掘り上げた球根に木子がついていたら、木子を取って新しい用土に植えると増やすことができます。木子は小さいので、成長して開花するまでには2~3年かかります。
鱗片挿し

球根は、うろこ状の鱗片が幾重にも重なった構造をしています。その鱗片をはがして用土に挿すと、成長してやがて球根になります。鱗片を挿すときは上下が逆さまにならないように注意して、2/3ほど土に埋めます。鱗片挿しでは、植えてから開花までは最低でも3年ほどかかります。
近縁種や似た品種

スカシユリの仲間には次のようなものがあります。
エゾスカシユリは、スカシユリの近縁種で北海道に自生しています。つぼみや葉が綿毛で覆われているのが特徴で、花色はオレンジ色のものが多いです。
ヒメユリも、スカシユリの近縁種で、東北から九州にかけて自生しています。オレンジ色の花を咲かせ、斑点があります。
上向きに咲くスカシユリで庭を彩ろう

スカシユリはさまざまな色があるユリの仲間で、上向きに咲くのが特徴です。日本に自生する植物なので、ポイントを押さえれば育てやすいのも魅力。ぜひ華やかなスカシユリを、自宅の庭でも楽しんでみてはいかがでしょうか。
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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