レンギョウは黄色い花を満開に咲かせて、春の訪れを知らせてくれる花木です。落葉性の低木で、丈夫な性質のため初心者でも育てやすいので、ぜひ庭木として取り入れたいもの。この記事では、レンギョウの特性や育て方など、幅広くご紹介していきます。

Print Friendly, PDF & Email

レンギョウの特徴と基本情報

レンギョウ
GumenS/Shutterstock.com

レンギョウは、モクセイ科レンギョウ属の落葉低木です。原産地は中国ですが、朝鮮半島や日本でも自生している姿を多く見かけることができます。国内では北海道南部から九州までは幅広い地域で栽培されており、暑さ寒さに強く、日本の気候によく馴染んで旺盛に生育する植物です。丈夫な性質で、刈り込みにも耐えるので生垣や盆栽に利用されることもあります。また、放任しても育つ特性を生かして公園や道路など公共の場にもよく植えられている花木です。

レンギョウの樹高は1.5〜3mで低木に分類され、剪定によって樹高をコントロールすることができます。樹形は地際から直接枝を立ち上げて、放射状に伸ばす株立ちタイプ。自由で繊細な枝姿を楽しめます。

レンギョウの開花時期・見頃

レンギョウ
lichtmaster/Shutterstock.com

レンギョウの開花期は、3月中旬〜4月中旬頃です。小さな黄色い花が枝に密生し、満開になると素晴らしい景色を楽しめます。

レンギョウのライフサイクルは以下の通りです。3月頃から生育期に入り、開花は前述のように3月中旬〜4月中旬。その後は葉が旺盛に茂ってみずみずしいグリーンの姿を保ち、晩秋になるとすっかり葉を落とします。12月頃から休眠しますが、枯れたわけではないのでそのまま見守りましょう。越年して翌春には再び生育期へ。一度植え付けると長い年月にわたって楽しませてくれる、息の長い植物です。

レンギョウの花言葉

レンギョウの花言葉
Perfontana/Shutterstock.com

レンギョウの花言葉は、「期待」「希望」「集中力」など。「期待」や「希望」は、春先から明るい黄色い花を咲かせることから、寒い冬を乗り越えた先に訪れる春への憧れの気持ちを表したものでしょう。「集中力」は、ちょぼちょぼと長く咲くわけではなく、株全体に一気に花を咲かせて満開になる姿を現しているのかもしれません。他にも、「情深い」「戸惑い」といった花言葉も見られます。原産地の中国では、「勝利」「喜び」「期待」という花言葉があり、いずれも華やかに咲く姿をイメージしてポジティブな言葉が与えられたのでしょう。

レンギョウの種類

レンギョウ
Natalia Terenteva/Shutterstock.com

レンギョウは、一般的にレンギョウ属に分類される植物を総称して指すことが多く、いくつかの種類があります。主にガーデニング用として流通しているのは、レンギョウの他にシナレンギョウ、チョウセンレンギョウなど。シナレンギョウは、中国原産で、花弁がややねじれる特性があります。チョウセンレンギョウはシナレンギョウの変種とされ、花びらの幅がやや広いのが特徴です。レンギョウとシナレンギョウを交配して作出されたのがインテルメディアで、花が横向きに咲いてより華やかに見えるのが長所。その園芸品種として‘スペクタビリス’がよく知られています。

レンギョウに似ている花木

サンシュユ

山茱萸
Jungkyu Lee/Shutterstock.com

サンシュユは、ミズキ科サンシュユ属の落葉性高木で、原産地は中国、朝鮮半島で、暑さに強い性質を持っています。低木のレンギョウに比べ、自然樹高で8mにも達します。開花期は3〜4月頃。直径2〜3cmの小さな花が集まって花房をつくり、黄色に染まる姿は見事です。

ダンコウバイ

ダンコウバイ
Daisuke Nishioka JP/Shutterstock.com

ダンコウバイは、クスノキ科クロモジ属の落葉低木で、原産地は中国、朝鮮半島。日本の野山にも自生する姿が見られます。自然樹高は2〜6mくらい。開花期は3〜4月で、小さな黄色い花が密に咲きます。開花後に展開する葉は大きく、存在感たっぷり。秋に赤から黒へ変色する実がつきます。

オウバイ

オウバイ
freya-photographer/Shutterstock.com

オウバイはモクセイ科ソケイ属の落葉性半つる植物。枝を1.5〜3mほど伸ばします。原産地は中国で、寒さに強い性質。開花期は2〜3月で、漢字で「黄梅」と書く通り、梅に似た黄色い花を咲かせます。ジャスミンの仲間ながら香りはほとんどありません。

レンギョウの育て方のコツ

これまで、レンギョウの特徴や基本情報、開花時期、花言葉、種類など、さまざまな角度からご紹介してきました。では、ここからは実用編として育て方について、詳しく解説していきます。注意すべき管理のポイントを把握しておけば、レンギョウは初心者でも上手に育てられる花木ですよ!

育ちやすい環境に植える

レンギョウの育て方
Cristina Ionescu/Shutterstock.com

レンギョウは、日当たり、風通しのよい場所を好みます。日当たりの悪い場所では花つきが悪くなるので注意。ただし、西日が強く当たる場所は避けたほうが無難です。また、水はけ、水もちがよくふかふかとして、適度な湿度を保つ肥沃な土壌を好みます。

暑さ、寒さに強く、環境に馴染みやすいので、地域を問わず育てやすい花木です。

植え付け

植え付け
Monkey Business Images/Shutterstock.com

レンギョウは、地植えと鉢植えのどちらでも育てることができます。植え付けの適期は、休眠期の12月〜3月です。

【地植え】

植え付けの2〜3週間前に直径、深さともに50cm程度の穴を掘りましょう。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきます。粘土質や砂質、水はけの悪い土壌であれば、腐葉土や堆肥を多めに入れるとよいでしょう。土に肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。

土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。しっかりと根づくまでは、支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぐとよいでしょう。最後にたっぷりと水を与えます。

【鉢植え】

鉢で栽培する場合は、8〜10号鉢を準備します。樹木用に配合された、培養土を利用すると手軽です。赤玉土(小粒)4、黒土3、腐葉土3の割合でブレンドした土に、元肥として緩効性化成肥料を混ぜた培養土を準備してもよいでしょう。

用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから樹木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際に水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から水が流れ出すまで、十分に水を与えましょう。

必要な時期に肥料を与える

  • お礼肥(おれいごえ)

庭植え、鉢植えともに開花が終わった5月中旬〜下旬頃に緩効性化成肥料を与え、土によくなじませます。たっぷりと花を咲かせることで、木がエネルギーを消耗するので、体力を回復させる目的で与える肥料で、「お礼肥(おれいごえ)」と言います。「たくさんの花を咲かせてくれてありがとう」という気持ちを込めて、肥料をあげてくださいね。

  • 寒肥(かんごえ)

庭植え、鉢植えともに、1〜2月頃に緩効性化成肥料を与え、土によくなじませます。これは、春の芽出しの時期のエネルギーの源となることを目的に、休眠期に土に混ぜ込んでおく肥料です。

水やりの頻度に気をつける

水やり
Afanasiev Andrii/Shutterstock.com

【庭植え】

植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、真夏に晴天が続いて乾燥が続く場合は水やりをして補いましょう。真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。

【鉢植え】

日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると、水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝夕の涼しい時間帯に行うことが大切です。冬は休眠し、表土も乾きにくくなるので控えめに与えるとよいでしょう。

増やす時は挿し木を行う

種まきトレイ
Taras Garkusha/Shutterstock.com

レンギョウは、挿し木で増やすことができます。挿し木の適期は6月頃です。若くて勢いのある新梢を選び、10〜15cmの長さで切り取ります。市販の園芸用の培養土を育苗用トレイなどに入れて、採取した枝を挿しておきます。直射日光の当たらない明るい場所で、水切れしないように管理しましょう。発根した根が充実したら、黒ポットなどに植え替え、日当たりや風通しのよい場所で育成します。大きく育ったら、植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、採取した株のクローンになることです。

レンギョウの剪定方法

剪定
mihalec/Shutterstock.com

レンギョウの剪定適期は、5月と12〜2月です。

5月に行う剪定は、花後に行う刈り込み作業を目的に行います。この時期はまだ花芽がついていないので、思い切って深く剪定しても構いません。レンギョウは、枝葉を地際から放射状に伸ばす、株立ち状の樹形です。込み合っている場合は古い枝を元から切り取って若い枝を残しましょう。内側や下側、垂直に伸びて邪魔になっている枝も切り取り、風通しをよくします。コンパクトな樹形をキープしたい場合は、強めに切り戻してもよいでしょう。

12〜2月の休眠期に行う剪定は、込んでいる部分を切り取って風通しをよくする程度にとどめます。なぜなら、レンギョウの花芽は7月ごろに形成されるので、強く剪定をすると花を楽しめなくなってしまうからです。この時期は樹形を整える程度の軽い剪定をします。

レンギョウの病気と害虫のリスク

病害虫
Decha Thapanya/Shutterstock.com

病気

レンギョウがかかりやすい病気は、うどんこ病、白紋羽病などです。

うどんこ病は、発生すると葉の表面に白い粉が吹いたようなカビが見られます。光合成を阻害されたり、葉から養分を吸収されたりして、生育が悪くなります。放任してひどくなると枯れてしまうこともあるので注意。木の勢いがなくなり、見た目も悪くなってしまうので、兆候が見られたら早期に殺菌剤などを散布して対処しましょう。乾燥する時期に発生しやすい傾向にあるので、水持ち、水はけのよい土壌作りと、適切な水やりの管理が回避のカギです。窒素成分の多い肥料を与えすぎるのも、発症のきっかけになります。

白紋羽(しろもんぱ)病は、発症すると、木全体の葉が縮れて枯れ込み、根や地際に近い樹皮に白灰色の菌糸束や菌糸膜が見つかります。レンギョウは適度な湿り気を好みますが、過湿にならないように管理しましょう。樹勢が弱ると発症する傾向にあるので、勢いのある健康な状態を保つことが大切です。

害虫

レンギョウにつきやすい害虫は、カイガラムシ、アオバハゴロモなどです。

カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫です。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせて行きます。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。

アオバハゴロモは、淡いグリーンの羽虫です。成虫は三角形状の外見が目印で、葉などについて吸汁します。幼虫は白い綿状の分泌物に覆われています。それほどの実害はありませんが、見た目に不愉快な場合は、適用する薬剤を散布して駆除しましょう。

レンギョウを育てる注意点

レンギョウ
Ihor Hvozdetskyi/Shutterstock.com

レンギョウは、病害虫や大気汚染に強く、環境に馴染みやすいので初心者でも育てやすい樹木ですが、成長が早く樹形が乱れやすい点に注意したいものです。放置すると繊細な枝ぶりの魅力が薄らぎ、こんもりと茂ってうっとうしくなり、道路や隣家にまで範囲を伸ばして迷惑者になってしまうことも。剪定が苦手な方なら、いっそのことプロに依頼して定期的なメンテナンスをするのも一案です。

また、庭木として人気の花木ですが、落葉性のため冬は枝葉だけになってしまいます。道路や隣家からの目隠しとして利用するには、不向きの樹木であることを知っておきましょう。

レンギョウを植えるなら育て方や剪定のコツをチェックしよう!

レンギョウ
Ihor Hvozdetskyi/Shutterstock.com

レンギョウは生育が早く、定期的な剪定のメンテナンスが必要ですが、暑さ寒さに強く環境に馴染みやすいので、放任しても丈夫に育ってくれる花木です。開花期に黄色の花を満開に咲かせる姿は大変華やかで、春の到来の喜びを伝えてくれるので、ぜひ庭に迎え入れてはいかがでしょう。

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

(参考文献)
上条祐一郎『切るナビ! 庭木の剪定がわかる本』NHK出版 (2017年第17刷)
『はなとやさい』2018年7月号タキイ種苗

Print Friendly, PDF & Email