スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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宿根草・多年草

ポットマムは鉢植え向きの洋菊! 特徴や育て方のコツを詳しく解説
ポットマムの基本情報 Katarzyna Mazurowska/Shutterstock.com 植物名:キク学名:Chrysanthemum morifolium英名:garden mum、florist’s mum、florist’s chrysanthemum和名:洋菊(ようぎく)その他の名前:ポットマム、スプレーギク、スプレーマム、西洋ギク、ガーデンマム科名:キク科属名:クリサンセマム属原産地:中国分類:宿根草(多年草) ポットマムは、キク科クリサンセマム属の落葉性多年草です。キクの原産地は中国ですが、ポットマムは20世紀半ばにアメリカで鉢植え用として作出された洋菊です。そのため背丈が低く抑えられているのが特徴です。とはいえ、庭で地植えすることもできます。暑さや寒さに強く、一度植え付ければ越年して毎年開花を楽しめます。 ポットマムの花の特徴 Photo/長田節子 園芸分類:草花開花時期:9〜11月草丈:15〜50cm耐寒性:強い耐暑性:強い花色:赤、ピンク、オレンジ、黄、白、緑、茶、複色など ポットマムの開花期は9〜11月です。花色はじつに多彩で、赤、ピンク、オレンジ、黄、白、緑、茶、複色など。花姿は、一重咲き、八重咲き、ポンポン咲きなど多様で、選ぶ楽しみがあります。ちなみに、キク科の花は小さい花が複数集まって1つの花を形成しており、ポットマムも中心部分の筒状花(とうじょうか)/管状花(かんじょうか)と、周囲の舌状花(ぜつじょうか)からなる頭花というつくりになっています。摘心や切り戻しを行うと分枝してこんもりとした株姿になり、増えた花々が茎葉を覆い尽くす満開時の姿は見応えがあります。 洋菊が生まれた過程と種類 Ole Schoener/Shutterstock.com ここでご紹介しているポットマムは洋菊の1種。洋菊は、日本で愛されていた園芸種が海を渡って西洋で品種改良された品種群です。その歴史や洋菊の種類について見ていきましょう。 洋菊が生まれた過程 菊は、もともとは中国が原産地で、8〜9世紀頃に日本にもたらされました。花の美しさから人々の心をつかんで愛される存在となり、江戸時代には品種改良も盛んに行われて幅広く普及。19世紀に育種された菊は、当時交流のあった西洋に渡り、特にイギリスで人気に火がつきました。現地でも品種改良が盛んに行われ、ヨーロッパではスプレーマムが、アメリカではポットマムが誕生。菊の学名がChrysanthemum(クリサンセマム)であることから、海外で品種改良された洋菊は、語尾に「マム」とつくことが多くなっています。 洋菊の種類 西洋で品種改良された洋菊は、ポットマムのほかに、1つの茎から分枝してたくさんの花を咲かせるスプレーマム、庭植え用として作出され、鮮やかな花色とこんもりと咲く姿で人気が高いガーデンマムなども含まれています。いわば日本に里帰りしたともいえる洋菊ですが、日本での分類は曖昧で、本来は背丈が高くなるスプレーマムを、矮化剤を使って背丈を低く調整し、ポットマムとして出荷するケースも多いようです。その場合は2年目になると矮化剤の効果が切れて、背丈が高くなることもあります。 ポットマムの名前の由来や花言葉 Steph Couvrette/Shutterstock.com 「マム」とは菊のことで、学名である「Chrysanthemum(クリサンセマム)」を短縮した呼称です。ポットマムという名前は、鉢植え(pot)の菊(mum)という意味。作出したアメリカの種苗会社がポットマムという名称で販売したことによります。一般的な菊の花言葉は「高貴」「高尚」「高潔」ですが、洋菊には「あなたを愛しています」「清らかな愛」といった花言葉もあります。 ポットマムの栽培12カ月カレンダー 開花時期:9〜11月植え付け・植え替え:3〜5月肥料:3〜10月 ポットマムの栽培環境 Photo/長田節子 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みます。日照不足だと花つきが悪くなり、株もひょろひょろと徒長ぎみに伸びて軟弱な株になるので注意しましょう。1日6時間以上の日照がある場所が理想的です。 マムは短日植物で、夜に人工灯が当たる環境では開花しないことがあります。秋になったら、夜間に外灯など人工の明かりが当たらない場所で管理するとよいでしょう。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。寒さに強いので、周年戸外で管理します。寒さにあうことで翌春に成長のスイッチが入るので、室内に取り込まないようにしましょう。 【置き場所】水はけのよい環境を好み、また蒸れや泥はねが病気の原因になるので、土を盛って周囲より高くしたり、レイズドベッドや傾斜地に植え付けたりするのもおすすめです。マルチングをして泥はねを防ぐのもよいでしょう。鉢植えの場合、開花期は雨の当たらない軒下などに移動すると、花が傷みにくくなります。 耐寒性・耐暑性 品種によって差はありますが、多くはマイナス5℃以下の気温にも耐えるため、一年を通じて屋外で栽培できます。寒冷地の場合は、軒下に移動させたりマルチングするなどの防寒対策をするとより安心です。耐暑性も高く、夏越しも問題ありません。 ポットマムの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、よく耕し、有機質に富んで水はけ・水もちのよい土壌を作ります。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の草花用培養土を利用すると手軽です。 水やり wavebreakmedia/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏は、気温の高い昼間に与えると、すぐに水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に行うようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。特に開花期間中は水を欲しがるので、水切れしないように管理しましょう。また、冬でもカラカラに乾燥させることのないように、適宜水やりを続けてください。 肥料 Singkham/Shutterstock.com 【地植え】 3〜10月までの成長期に、緩効性化成肥料を月に1度を目安に施します。 【鉢植え】 3〜10月までの成長期に、緩効性化成肥料を月に1度を目安に施します。9〜11月の開花期は、液肥も与えて株の勢いを保つとよいでしょう。 注意する病害虫 nechaevkon/Shutterstock.com 【病気】 ポットマムに発生しやすい病気は、葉枯病や白さび病などです。 葉枯病は葉に発生しやすく、赤褐色で楕円形の斑点ができます。斑点の中心部はやや淡く、少しくぼむのが特徴です。病気が進むと斑点同士がくっついて、さらに大きな斑点を形成します。葉はちぢれてやがて枯れ、ひどくなると株自体が枯死することもあるので注意。病原菌はカビの一種で、気温が20℃前後かつ多湿の環境下で発生しやすい病気です。風通しが悪く込み合っていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。水はけのよい土壌づくりをし、水やりの際は株元を狙って泥はねしないようにしましょう。被害の出た葉などは早めに摘み取って処分してください。 白さび病は、カビによる伝染性の病気です。葉の裏に白く小さな楕円形の斑点が現れます。この斑点は、やや細長くイボ状に突起するのが特徴です。症状が進むと斑点が破れ、中から粉のように細かい胞子を飛ばします。放置すると株が弱り、枯死することもあるので注意。梅雨や秋の長雨の時期に発生しやすくなります。茎葉が茂りすぎたら適宜間引いて風通しよく管理しましょう。発病した葉は見つけ次第切り取って処分し、適用のある薬剤を散布して防除します。 【害虫】 ポットマムに発生しやすい害虫は、アブラムシやヨトウムシなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 ヨトウムシは蛾の幼虫で「夜盗虫」と書き、主に夜に姿を現して茎葉を食害します。食欲が旺盛で、大きくなった幼虫は一晩で株を丸裸にしてしまうほどです。葉から食害し始めるので、異変を見つけたら幼虫がまだ若いうちに駆除しましょう。発生しやすい時期は4〜6月、9〜10月です。食害の痕が認められたら夜にパトロールして捕殺するか、適用のある薬剤を散布して防除します。 ポットマムの詳しい育て方 苗の選び方 苗を購入する際は、下葉が黄色くなっているものや葉色の悪いものは避け、葉色が濃く、ハリのあるものを選びましょう。開花株の場合は、つぼみが多いもののほうが長く楽しめます。 植え付け・植え替え AlenKadr/Shutterstock.com 植え付け・植え替えの適期は、3〜5月です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも1回り大きな穴を掘り、根鉢をくずして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。複数の苗を植える場合は、30〜40cmくらいの間隔を取っておきます。水やりや降雨時の泥はねによって病気が発生するのを防ぐために、表土にバークチップなどを敷いておくとよいでしょう。 地植えにしている場合は、数年は植えたままにしてもかまいません。しかし、大株に育って込み合ってきたら、掘り上げて株分けして植え直し、株の若返りをはかるとよいでしょう。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、6〜7号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して鉢の中に仮置きし、高さを決めたら、根鉢を軽くほぐし、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。水やりや降雨時の泥はねによって病気が発生するのを防ぐために、表土にバークチップなどを敷いておくとよいでしょう。最後に、鉢底から水が流れ出すまで、十分に水を与えます。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、毎年植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して根鉢をくずし、新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 摘心・切り戻し Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com ポットマムは、苗が幼いうちに茎の先端を切り取る「摘心」、または深めに切り取る「切り戻し」を行うと、よく分枝してこんもりと茂ります。適期は4~7月。枝葉が増えることで花数も増えるので、ひと手間かけておくことをおすすめします。 日常のお手入れ New Africa/Shutterstock.com 花がら摘み 終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 刈り取り 秋が深まると地上部を枯らして休眠するので、地際で刈り込んでおきましょう。枯れた茎葉をそのまま残しておくと病害虫の越冬地となってしまうので、株まわりをきれいにしておきます。また、晩秋からロゼット状になって冬を越す芽が出てきますが、寒さにあたることで春からの成長につながるので、過保護にして室内に取り込むことのないようにしてください。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com 「株分け」と「挿し芽」で増やすことができます。 【株分け】 株分け適期は3〜5月です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りをはかります。株を掘り上げて数芽ずつ付けて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、同じ姿の株が増えていくというわけです。 【挿し芽】 挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し芽ができないものもありますが、ポットマムは挿し芽で増やせます。 挿し芽の適期は、5〜6月です。新しく伸びた茎葉を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した茎葉(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り取ります。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、十分に水で湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。発根後は日当たり・風通しのよい場所に移動し、十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 カラフルで愛らしいポットマムを楽しもう blueplanet97/Shutterstock.com 鮮やかな色やくすんだ色など、花色の幅が広く花つきもよいために、満開時には色の塊となって目に飛び込んでくるポットマム。花姿も一重咲き、八重咲き、スプレー咲きと多様なので、選ぶ楽しみもあります。暑さ寒さに強いので、ぜひ庭やベランダ、寄せ植えなどで育ててみてはいかがでしょうか。
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おすすめ植物(その他)

ピンク色の花にはどんな種類がある? 四季ごとに分けてご紹介します!
春に咲くピンクの花 さまざまな草花が咲き誇る春に、愛らしいピンクの花を咲かせる植物をピックアップしました。 チューリップ sahinsid/Shutterstock.com チューリップは、ユリ科チューリップ属の球根植物です。原産地は中央アジア〜北アフリカで、寒さに強い性質を持っていますが、夏の暑さを苦手とします。開花期は4月頃です。花色はほかにも白、赤、オレンジ、黄、緑、紫、黒、複色などがあり、色のニュアンスもさまざま。ユリ咲き、フリンジ咲き、パーロット咲きなど個性的な花姿の品種もあります。草丈は10〜70cm。 球根の植え付け適期は10月中旬〜12月中旬で、球根2個分の深さに植え付けます。複数植える場合は、球根2個分の間隔を取りましょう。チューリップは球根を1〜2球植えるよりは、同じ品種を5〜10球ずつ植えるマス植えにすると見映えがします。寒さにあわせることが大切なので、必ず戸外で管理しましょう。初夏に地上部が枯れたら掘り上げて風通しのよい場所で管理し、秋に再び植え付けます。 ピンク色のチューリップの花言葉は、「愛の芽生え」です。 カーネーション acasali/Shutterstock.com カーネーションは、ナデシコ科ナデシコ属(ダイアンサス属)の常緑性多年草で、草丈は10〜30cm。原産地は南ヨーロッパ、西アジアで、寒さや暑さに強い性質を持っています。開花期は主に4〜6月。花色はほかに赤、白、黄、複色などがあります。植え付けの適期は3〜5月、10〜11月。日当たり、風通しのよい場所を選び、多湿を嫌うので水はけのよい土作りをして苗を植え付けます。花つきがよいので終わった花は早めに摘み、開花期が終わる頃に草姿が乱れていたら切り戻すとよいでしょう。 カーネーションの花言葉は、「無垢で深い愛」など。 芝桜(シバザクラ) jumoobo/Shutterstock.com シバザクラは、ハナシノブ科フロックス属の常緑性多年草です。原産地は北アメリカで、寒さや暑さに強い性質を持っています。草丈は10〜20cmですが、匍匐するように茎葉を100cmくらいまで伸ばして広がり、グラウンドカバーとして活躍する植物です。開花期は4月頃で、株いっぱいに咲くので広範囲に這わせるとカーペットのように一面を彩ってくれます。花色はほかに紫、白、複色など。植え付けの適期は、4〜6月か10〜11月です。日当たり、風通しがよい場所に、水はけのよい土作りをして苗を植え付けます。花後に草姿が乱れていたら切り戻し、蒸れないように管理しましょう。 シバザクラの花言葉は、「合意」「一致」「臆病な心」など。 ウメ(梅) dekitateyo/Shutterstock.com ウメは、バラ科アンズ属(サクラ属)の落葉性の花木(果樹)です。原産地は中国で、暑さ寒さに強い性質を持ち、国内の広い地域で栽培することができます。ウメは花を観賞する目的で作られた「花梅」と、実を食用として収穫する「実梅」と、大きく分けて2種類あります。開花期は、花梅が1~3月、実梅が2~3月。花の色と咲き方は、花梅は花弁が赤、ピンク、白などで、花形は一重咲きから八重咲きまで幅広くあり、実梅は花弁がピンク、白で、花形は基本的にシンプルな一重咲き。 ウメの植え付け適期は11月中旬~12月頃。ウメは自家不結実性が強いため、実の収穫を目的としている場合は、1本だけ育てるよりも、品種の異なる2本以上を一緒に栽培すると実付きがよくなります。 ウメの花言葉は、「高潔」「忍耐」「忠実」など。 モモ(桃) zzz555zzz/Shutterstock.com 桃は大きく分けて2種類あり、食用の実桃と、園芸品種のハナモモに分けられます。花を観賞するためのハナモモと食用の実桃とでは性質が異なり、ここではハナモモについてご紹介します。 桃(ハナモモ)はバラ科サクラ属の落葉性の花木です。原産地は中国で、耐寒性、耐暑性に優れています。開花期は3〜5月頃で、花色はほかに赤、白があります、樹姿は、立ち性、枝垂れ性、ほうき立ち性(ほうきを逆さにしたように、空に向かって枝が広がる形)の3つに大別されます。 桃(ハナモモ)の植え付け適期は11〜12月、または2〜3月頃。桃の木というと大きく育つイメージを持つ人も多いですが、鉢植えや盆栽として楽しむことも可能です。 桃(ハナモモ)の花言葉は、「チャーミング」「気立てのよさ」など。 サクラ Mei Yi/Shutterstock.com 桜は、バラ科サクラ亜科サクラ属の落葉性の花木です。北半球の温帯地域に広く分布し、日本では変種を合わせると100種以上の桜が自生しています。開花期は3~4月で、品種によっては10〜3月に開花するものも。花色はピンクと白で、代表的なものには、ほんのりと淡いピンクの「ソメイヨシノ(染井吉野)」や、濃いピンクの「カンヒザクラ(寒緋桜)」、白に近い「オオシマザクラ(大島桜)」などがあります。 サクラの植え付け適期は12〜3月で、品種によって一重咲き、八重咲き、枝垂れ咲きなど、多様な咲き姿や色合いを楽しむことができるため、選ぶ楽しみもあります。 サクラの花言葉は、「精神美」「優美な女性」「純潔」など。 ハナカイドウ scott mirror/Shutterstock.com ハナカイドウは、バラ科リンゴ属の落葉性の花木で、原産地は中国です。栽培適地は北海道南部〜九州で、暑さにも寒さにも強く、放任してもよく育ちます。開花期は4月中旬〜5月上旬で、花色は淡いピンクです。花茎を長めに伸ばし、径3〜4cmほどの花が半開状態で下向きに開花します。 ハナカイドウの植え付け適期は12〜3月。種類によって一重咲き、半八重咲きがあり、花つきがよく木を埋め尽くすように咲くため、大変見応えがあります。また和の雰囲気がある樹木で盆栽にも仕立てられています。 ハナカイドウの花言葉は、「艶麗」「美人の眠り」「温和」「友情」など。 ヒヤシンス kazka/Shutterstock.com ヒヤシンスは、キジカクシ科(クサスギカズラ科)ヒヤシンス属の球根植物です。原産地はギリシャ、シリア、小アジアで、ラッパのような形の小さい花をたくさん咲かせ、華やかな香りが特徴です。開花期は3〜4月で、花色はピンクのほかに赤、黄、オレンジ、白、青、紫があります。 ヒヤシンスの球根の植え付け適期は10月中旬~11月下旬頃。芽出し球根のポット苗も出回るので、苗から育てることもできます。鉢植えや地植えのほか、水耕栽培にして室内でも花を楽しめるのも魅力です。 ピンク色のヒヤシンスの花言葉は、「しとやかなかわいらしさ」など。 ラナンキュラス Volker Heide/Shutterstock.com ラナンキュラスは、キンポウゲ科キンポウゲ属の球根植物です。草丈は30~60cmと比較的コンパクトで、原産地は東ヨーロッパ、南ヨーロッパ、西アジア。開花期は3月下旬~5月下旬で、花色はピンクのほかに、赤、黄、オレンジ、白、紫、緑、複色などがあります。 種、球根、苗の3パターンから育て始められますが、初心者はある程度成長している苗からが育てやすく、暖地では11月中旬~12月中旬、寒冷地では10月上旬から11月中旬が植え付け適期です。 ラナンキュラスの花言葉は、「晴れやかな魅力」「光輝」など。 ムスカリ Peter Turner Photography/Shutterstock.com ムスカリは、キジカクシ科(ヒヤシンス科、ユリ科に分類される場合も)ムスカリ属の球根植物で、ブドウの実のような壺状の花を鈴なりに咲かせる可憐な花です。開花期は3~5月中旬、花色はピンク、黄、白、紫、緑、複色などで、特に鮮やかな青紫色のムスカリが早春の花々とともに庭を彩る姿がポピュラーです。 球根からの栽培が一般的で、植え付け適期は10~11月頃。ムスカリの球根は寒さを感じないと発芽しない性質があるので、水耕栽培をする際は、購入時期が早い場合は冷蔵庫に1カ月程度入れてから栽培を始めるのがおすすめです。 ムスカリの花言葉は、「明るい未来」「寛大な愛」など。 アネモネ Joy Baldassarre/Shutterstock.com アネモネは、キンポウゲ科アネモネ属の球根植物です。もともとは一重咲きの品種が多かったアネモネですが、品種改良によって現在は花びらが重なる八重咲き、八重咲きの一種、キク咲きの品種があります。開花期は2~5月と比較的長く、花の少ない時期に庭に彩りを与えてくれます。花色はピンクのほかに、赤、黄、白、青、紫、複色など。 アネモネは球根からの栽培が一般的で、植え付け適期は10~11月です。球根から芽が出た状態のポット苗が園芸店などで12月頃から出回るので、初心者は苗から育てるのもおすすめ。 アネモネの花言葉は、「君を愛する」「希望」「期待」など。 夏に咲くピンクの花 初夏から夏にかけてピンクの花を咲かせる植物たちです。暑くなるにつれて、ビビッドなピンクの花が目立つようになります。 デルフィニウム Sergey V Kalyakin/Shutterstock.com デルフィニウムは、キンポウゲ科ヒエンソウ属(デルフィニウム属)の多年草。ただし日本の厳しい暑さが苦手で夏越しが難しいため、日本では一年草として扱われています。原産地はヨーロッパ、アジア、北アメリカ、アフリカの山岳地帯で、寒さには強い一方で高温多湿には弱い性質です。草丈は30〜150cmで、品種によって幅があります。開花期は5〜6月。花色はほかに白、青、紫、複色があります。植え付けの適期は3月〜4月上旬または10月〜12月上旬。日当たり、風通しのよい場所に水はけのよい土作りをして植え付けます。草丈が高くなる種類は、早めに支柱を立てて倒伏を防ぐとよいでしょう。一番花が終わりかけたら花茎の元から切り取り、二番花を促します。 デルフィニウムの花言葉は、「清明」など。 クレマチス Andrea Geiss/Shutterstock.com クレマチスは、キンポウゲ科センニンソウ属(クレマチス属)の多年草です。つるを伸ばして生育する植物で、フェンスやアーチ、オベリスクなどに仕立てるとよく映えます(品種の中には立ち性・半立ち性もあります)。原産地は北半球の各地で、品種によって耐寒性や耐暑性、落葉性・常緑性などかなり性質が異なるので、選んだ品種が好む環境をしっかりと把握することが失敗なく育てるポイントです。花色はほかに白、赤、黄、青、茶、紫、複色など。咲き姿は多様で、一重咲き、八重咲きのほか、チューリップ形、ベル形などもあります。つるが伸びる範囲は品種によって幅があり、20〜300cmです。 植え付けの適期は12〜2月。日当たり、風通しのよい場所に元肥として緩効性化成肥料を施し、苗を植え付けます。開花期には終わった花を摘み取り、株まわりを清潔に保ちましょう。つるが込み合っている場所があれば、生育期に適宜切り取って調整します。 クレマチスの花言葉は、「精神の美」「旅人の喜び」「策略」など。 アルストロメリア rusty12/Shutterstock.com アルストロメリアは、ユリズイセン科ユリズイセン属(アルストロメリア属)の球根植物。原産地は南アメリカで、寒さにも暑さにもやや弱い性質です。草丈は30〜100cmで、種類によって幅があります。開花期は5〜7月。花色は、ほかに赤、オレンジ、黄、白、紫、複色などがあります。 植え付け適期は9月下旬〜10月。日当たり、風通しがよい場所に、水はけのよい土作りをして球根を植え付けます。草丈が高くなる種類は、早めに支柱を立てて倒伏を防ぐとよいでしょう。開花期には終わった花をまめに摘み取ります。 アルストロメリアの花言葉は、「華奢」「やわらかな気配」「凛々しさ」「幸い」など。 ペンタス Traveller70/Shutterstock.com ペンタスは、アカネ科クササンタンカ属(ペンタス属)の常緑性低木。花名の由来は、5つの花弁を持つことから5を意味する「ペンテ」から。原産地は熱帯東アフリカからイエメンで、熱帯植物のため暑さには強いものの、寒さには弱い性質を持っています。樹高は30〜150cmほど。星形の可愛い小花が特徴で、開花期は5〜10月、花色はほかに白、赤、紫があります。植え付け適期は5〜6月。日当たり、風通しのよい場所を選び、水はけのよい土作りをして植え付けます。終わった花は、まめに摘み取り、枝が込み合っているようなら、透かし剪定や切り戻しをして風通しよく管しましょう。 ペンタスの花言葉は、「希望」「願いが叶う」など。 ニチニチソウ(日日草) Little daisy/Shutterstock.com ニチニチソウは、キョウチクトウ科ニチニチソウ属の一年草。原産地はマダガスカルを中心に熱帯〜亜熱帯で、暑さには強い一方で、寒さには弱い性質を持っています。草丈は10〜80cm。開花期は5~11月で、花色はほかに白、赤、紫、複色があります。植え付けの適期は5〜7月。日当たりと風通しのよい場所を選び、水はけのよい土作りをして植え付けます。開花中は液肥を与えて株の勢いを保ちましょう。終わった花をまめに摘み取り、株まわりを清潔にしておきます。 日々草の花言葉は「生涯の友情」「優しい追憶」など。 アジサイ lena Chul/Shutterstock.com アジサイは、アジサイ科アジサイ属の落葉性の花木。樹高1~2mの低木で、日本では4月頃から鉢花が出回り、梅雨を代表する花として親しまれているほか、カーネーションに次ぐ母の日のギフトとして定番化し、鉢花を贈る習慣が根付いてきています。開花期は6~7月で、花色はピンクのほかに、青、紫、ピンク、赤、白、緑などがあります。 アジサイは鉢植えでも地植えでも楽しめ、植え付け適期は12〜3月。アジサイの花色は、一般的には土が酸性なら青に、アルカリ性ならピンクに花色が変わることで知られています。 ピンク色のアジサイの花言葉は、「元気な女性」「強い愛情」など。 ポピー(ヒナゲシ) Hiyoman/Shutterstock.com ポピーは、ケシ科ケシ属の一年草・多年草です。日本でガーデニング用として栽培されているのは、主にシャーレーポピー、アイスランドポピー、オリエンタルポピーです。どれも花色がカラフルで、花のサイズも大きいので、群植すると迫力があります。開花期は3〜7月(種類によって異なる)で、花色はピンクのほかに、白、赤、黃、オレンジ、複色などがあり、咲き方はシンプルな花姿の一重咲きがポピュラーですが、種類によって半八重咲き、八重咲き、フリンジ咲きなどもあります。 ポピーの植え付け適期は、タネから栽培・育苗した場合は10〜11月、花苗店で苗を購入した場合は3〜4月です。植え付けの際には根鉢を崩さずに丁寧に扱うのがポイントです。 ポピーの花言葉は、「いたわり」「思いやり」「恋の予感」など。 スモークツリー Oleg Tsarev/Shutterstock.com スモークツリーは、ウルシ科ハグマノキ属の落葉性の庭木です。夏にふわふわとした花茎を伸ばして、木が煙っているようにも見える姿から「スモークツリー」という名前がつけられました。ケムリノキ、カスミノキという別名もあります。花茎の色は、ピンク、白、赤などで、開花期は6〜8月。 スモークツリーは生命力旺盛なので、放任してもよく育ちます。一方で、繁茂しすぎる一面もあるので、家庭で栽培する場合には毎年剪定し、2〜3m以内に樹高をキープするとよいでしょう。 スモークツリーの花言葉は、「賑やかな家庭」「賢明」など。 ユリ irin-k/ shutterstock.com ユリは、ユリ科ユリ属の球根植物で、北アメリカやヨーロッパ、アジアに約100種が自生し、日本にはそのうちの15種ほどがあります。可憐なものからゴージャスなものまで、さまざまな花色、花姿、芳香をもつ品種があり、庭花としてはもちろん、祝花や花束にと、古くから親しまれています。開花期は、5~8月(品種により異なる)で、花色はピンクのほかに、赤、黄、オレンジ、白、緑、複色などがあります。 ユリの球根の植え付け適期は10~11月。また、春~初夏にポット苗で出回る品種があるため、それらを植えつけて育てることもできます。 ユリの花言葉は、「純粋」「無垢」「威厳」など。 インパチェンス Yui Yuize/Shutterstock.com インパチェンスは、ツリフネソウ科ツリフネソウ属(インパチェンス属)の一年草です。草丈は10〜40cm程度とやや低く、こんもりと茂るので花壇の前段〜中段に向いています。開花期は5〜11月と、初夏から秋までの長い期間にわたって花が楽しめるのが魅力です。花色はピンクのほかに、赤、オレンジ、白があり、花径は3〜4cmとやや小さめ。 インパチェンスの植え付け適期は5月〜7月中旬で、タネから育てる場合は4月下旬~6月までに種まきをしましょう。 インパチェンスの花言葉は、「鮮やかな人」「強い個性」「私に触れないで」など。 タチアオイ(ホリホック) Bowonpat Sakaew/Shutterstock.com タチアオイは、アオイ科ビロードアオイ属の草花。種類によって一年草、二年草、多年草があり、生育期間はそれぞれ異なります。全般的には一年草や短命な多年草とされることが多く、植えたままだと数年で絶えてしまうため、株で冬越しさせるよりも種子で更新していくほうが現実的です。春まきの場合は3~4月、秋まきの場合は9~10月に行います。一重咲きと八重咲きの品種があり、花色もピンクのほかに赤、白などバリエーション豊富。花そのものは数日でしぼんでしまいますが、次から次に花を咲かせるので飽きることなく楽しめます。 花言葉は「豊作」「あなたの美しさは気高い」など。 月見草 月見草は、アカバナ科マツヨイグサ属の淡いピンクの花を咲かせる草花で、種類によって一年草、二年草、多年草があります。原産地は南北アメリカ。開花期は5〜9月で、夕暮れ時に咲き始めるのが特徴です。咲き始めは白い花ですが、徐々にピンクへと変化し、翌朝にしぼんでしまいます。現在日本ではほとんど栽培されていませんが、それに代わってヒルザキツキミソウ(O.speciosa)がガーデニングでは最もポピュラーに普及しています。名前のとおり昼に咲き、花色は白〜ピンクがあり草丈は30〜40cm。 月見草の花言葉は、「移り気」「ほのかな恋」など。 シャクヤク(ピオニー) Kazakov Maksim/Shutterstock.com シャクヤクは、ボタン科ボタン属の多年草で、多くが大輪八重咲きで華やかな花を咲かせます。よく似たボタンとの大きな違いは、シャクヤクが草花であるのに対し、ボタンは樹木であること。花色は、ピンクのほかに、赤、オレンジ、黄色、白があり、開花期は5~6月です。 シャクヤクの植え付け適期は9~10月で、新しい根が伸びる秋以外に根をいじると生育が悪くなるため、適期以外の植え付けや植え替えは避けたほうが無難です。 ピンク色のシャクヤクの花言葉は、「はにかみ」。 秋に咲くピンクの花 初秋から晩秋にかけてピンクの花を咲かせる植物をセレクト。秋が深まるにつれて、オータムカラーに馴染む、深い色合いのピンクが多くなってきます。 オシロイバナ simona pavan/Shutterstock.com オシロイバナは、オシロイバナ科オシロイバナ属(ミラビリス属)の多年草です。原産地はペルーなどの熱帯アメリカで、暑さに強い性質を持っています。草丈は30〜100cm。開花期は6〜10月で、花色はほかに白、赤、オレンジ、黄、複色があります。こぼれ種で増えて雑草化するほど強健で、放任してもよく育つのでビギナーにおすすめ。植え付けの適期は6〜8月。日当たりと風通しのよい場所を選んで植え付けます。花は短命の一日花ですが、次々と咲くので、終わった花をまめに摘み取り、株周りを清潔にしておきます。 オシロイバナの花言葉は、「不思議な」「慎重」など。 コスモス Larcsky789/Shutterstock.com コスモスは、キク科コスモス属の一年草です。開花期は10〜11月で、秋の到来を告げる花として日本人には馴染み深いのではないでしょうか。花色は、ほかに白、赤紫などがあります。群植して観光スポットにしているところも多いように、日当たりと風通しがよければ、手をかけずとも旺盛に生育するので、初心者にもおすすめ。原産地はメキシコで、暑さには強いものの寒さには弱い性質があります。冬になると地上部が枯れて越年しないので、開花が終わったら抜き取って花壇を整理しましょう。 コスモスの花言葉は、「乙女の真心」「愛情」など。 バラ バラは、バラ科バラ属の落葉性の花木です。一番の開花期は5月頃ですが、初夏から晩秋にかけて繰り返し咲く「四季咲き」タイプを選べば、10月頃にも美しい花姿を楽しめます。この時期には昼夜の気温差が大きくなるので、初夏に咲く一番花よりも花色が冴え冴えとし、カップ咲きではより深くなるのが魅力です。つる性(つる樹形)、半つる性(ブッシュ樹形)、木立ち性(シュラブ樹形)というように、品種によって樹形が異なるので、庭の広さや環境に合うものを選ぶとよいでしょう。花色は、ほかに赤、オレンジ、黄、茶、紫、緑、白、複色などがあり、花姿も一重咲き、八重咲き、房咲き、カップ咲きなど多様で、選ぶ楽しみがあります。植え付けの適期は、休眠期の12〜2月。日当たり、風通しがよい場所に、十分に肥料を施して植え付けます。冬は落葉して休眠するので、毎年切り戻し剪定をして樹形を整えましょう。 バラの花言葉は、「あなたにふさわしい」「輝かしい」「愛嬌」「新鮮」「斬新」など。 シュウメイギク billysfam/Shutterstock.com シュウメイギクは、キンポウゲ科イチリンソウ属の半常緑の多年草で、草丈は30〜150cm。原産地は中国、台湾です。古い時代に日本に伝えられ、京都の貴船地方で自生するようになったとされています。名前の一部に「菊」がつけられていますが、実際はキンポウゲ科に属すアネモネの仲間。英語では「ジャパニーズアネモネ(Japanese anemone)」と呼ばれています。開花期は9月下旬〜10月。白の花色もあります。花姿も5弁のガクからなる一重咲きや、ガクが多数重なる半八重咲き、八重咲き、広いガクが重なって牡丹(ボタン)のような咲き姿を見せるボタン咲きなどがあります。植え付けの適期は3〜4月か9〜10月。日向〜半日陰の風通しのよい場所に、水はけ、水もちのよい土作りをして植え付けます。開花期は次々と花を咲かせるためにも、まめに花がらを摘みましょう。多年草なので、一度植え付ければ毎年開花します。 シュウメイギクの花言葉は、「薄れゆく愛情」「淡い思い」「あせていく愛」「多感な時」「忍耐」など。 リコリス リコリス(ヒガンバナの仲間)は、ヒガンバナ科ヒガンバナ属(リコリス属)の、日本や中国、ミャンマーなどを原産地とする球根植物です。細長い花弁が外にクルンと反り返り、長く伸びるしべとの対比もあって、秋の庭の主役となる存在感があります。開花期は8〜10月で、品種によっては早咲き、遅咲きのものがあるので、組み合わせて開花リレーをさせると長期間にわたって楽しめます。花色はピンクのほかに、赤、オレンジ、黄、白、紫、青、複色があり、また、花弁にキラキラとラメが入るような光沢感のある品種もあります。 リコリスの花言葉は、「情熱」「独立」「再会」など。 ネリネ(ダイヤモンドリリー) ネリネは、ヒガンバナ科ヒメヒガンバナ属(ネリネ属)の球根植物です。南アフリカ原産で、花弁がキラキラ輝くことからダイヤモンドリリーという別名があります。園芸品種としては、ネリネ・サルニエンシスをもとに改良されたものが多く流通しています。開花期は10月中旬〜12月中旬頃で、花色はほかに白、赤、オレンジ、紫、複色などがあります。花もちがよく、3週間ほどきれいな花姿を楽しむことができます。草丈は30〜40cmで、暑さに強い植物ですが、寒さに弱いため、冬は霜や凍結に注意する必要があります。 ネリネの花言葉は「また会う日を楽しみに」「忍耐」「箱入り娘」など。 ダリア Alex Manders/Shutterstock.com ダリアは、キク科ダリア属のメキシコやグアテマラを原産地とする多年草です。基本的には春植え球根植物ですが、一年草のように種から育てられるものもあります。ダリアにおいては花径10cmでも小輪と呼ばれ、大きな花では30cmに達する品種もあります。開花期は5~11月、花色はほかに赤、黄、オレンジ、白、茶、黒、複色などがあり、種類によって花色、咲き方、草丈、花径、花期のバリエーションが豊富で、数万という単位で品種数が存在しています。 ダリアの花言葉は、「華麗」「優美」など。 ミセバヤ ミセバヤは、ベンケイソウ科ムラサキベンケイソウ属の多年草。原産地は日本、中国などで、主に岩場に自生してきたとされています。暑さ寒さに強く、日本の気候によく馴染んで丈夫に育つ植物です。草丈は10〜60cm。茎葉が地際から多数出る株立ち状の草姿で、茎は直立せずにしなるようにして伸び、長くなると下垂していきます。厚みのある丸い葉が愛らしく、多肉植物としても愛されています。開花期は10〜11月で、花色はピンク。小さな花がまとまって頂部にドーム状に咲き、秋が深まるとともに葉が赤く紅葉する姿にも観賞価値があります。 ミセバヤの花言葉は、「大切なあなた」。 シュウカイドウ EQRoy/Shutterstock.com シュウカイドウは、シュウカイドウ科シュウカイドウ属の球根植物で、楚々とした風情が魅力の山野草です。暑さや寒さに強い性質をもち、関東以西では特に寒さ対策の必要はなく、戸外で越冬できます。開花期は7月下旬〜10月中旬。花色はピンク、白があり、日が差すとキラキラと光るラメのような質感が特徴です。 シュウカイドウの花言葉は、「恋の悩み」「片思い」など。 冬に咲くピンクの花 冬の寒さにも負けずに開花し続けるピンクの花色の植物を取り上げました。冬は成長がゆるやかになり花持ちがよいので、寄せ植え作りにも適した季節です。 シクラメン davidek1/Shutterstock.com シクラメンは、サクラソウ科シクラメン属の球根植物です。原産地は北アフリカから中近東、ヨーロッパの地中海沿岸。寒さに弱い性質があり、晩秋から冬の贈答用の花鉢としてのイメージをもたれがちです。しかし原種に近いガーデンシクラメンは比較的寒さに強く、ほとんど霜が降りない暖地では地植えでの栽培も可能。開花期は10~3月で、花色は、ほかに白、赤、紫、複色などがあります。花つきがよく、次々とつぼみが上がってくるので、開花期間は液肥を与え、終わった花はまめに摘み取るようにしましょう。 シクラメンの花言葉は、「清純」「思慮深い」「内気」など。 パンジー&ビオラ Norman Chan/Shutterstock.com パンジー&ビオラは、スミレ科スミレ属の一年草です。原産地はヨーロッパで、暑さに弱い性質を持っています。開花期は11〜5月と長く、開花株を購入すれば11月頃から楽しめますが、最盛期は3〜5月です。花色はピンクのほかに赤、白、オレンジ、黄、紫、青、茶、黒、複色など多様。花の大きさも小輪から大輪まで幅広く、花弁にフリルが入るものなどもあります。草丈は20〜40cm。 パンジー&ビオラの栽培は、苗の植え付けからスタートするよいでしょう。開花株は11〜4月に出回ります。日当たり、風通しのよい場所に腐葉土や堆肥などをすき込んで植え付け、乾燥したら水やりします。3月頃から開花が旺盛になるので、10日に1度を目安に液肥を与え、終わった花がらは早めに摘み取っておくと、次から次につぼみが上がってたくさん咲きます。開花期を終えたら枯死して越年しないので、抜き取って処分します。 パンジー、ビオラの花言葉は、「思慮深い」「誠実」「少女の恋」など。 スイートアリッサム Haruzo/Shutterstock.com スイートアリッサムは、アブラナ科ニワナズナ属(ロブラリア属)の一年草です。原産地は地中海沿岸北部〜西アジアで、高温多湿に弱い傾向があります。開花期は3〜5月、10〜12月で、花色は、ほかに白、赤、紫など。草丈は10〜15cmで這うように広がるので、花壇の縁取り(エッジ)などに重宝します。 ポピュラーな植物で、花苗店で容易に苗を入手できます。植え付け適期は10〜11月か3月頃。花壇に元肥として緩効性化成肥料を施して植え付けます。春にアブラムシが発生しやすいので、土中に混ぜる粒状タイプの薬剤を利用するのも一案です。花がらはまめに摘んで株周りを清潔に保ちましょう。生育して草姿が乱れてきた頃に切り戻すと、再び盛り返して開花します。夏越しはできないので、枯れたら抜き取って処分しましょう。 スイートアリッサムの花言葉は、「優美」「美しさにまさる価値」など。 ツバキ(椿) pen kanya/Shutterstock.com ツバキは、ツバキ科ツバキ属の常緑性の庭木。日本原産で、国内で作出された品種だけでも2,000種を超え、欧米でも「カメリア」と呼ばれて愛されています。開花期は9~2月、もしくは2~4月で、枝先に濃紅か紅色の直径5~7cmの花をつけます。まれに、淡紅色や白色のものもあります。真夏と厳寒期を除けばいつでも植え付けができますが、適期は春(3月中旬~4月)、梅雨(6~7月)、秋(9~10月)。日本原産のため、日当たりや土質、風や寒さといった、生育環境への適応能力が高く育てやすい花木といえます。 ツバキの花言葉は、「控えめな優しさ」「誇り」など。 サザンカ shepherdsatellite/Shutterstock.com サザンカは、ツバキ科ツバキ属の日本原産の常緑性庭木。基本的な性質や花姿がよく似ているツバキと間違われることがありますが、ほとんどのツバキが花弁をまとめて落とすのに対し、サザンカは花弁が基部で癒合していないため花が終わると花弁が1枚ずつ散ることなどから見分けられます。水はけがよく、適湿で肥沃な場所を好みます。本来、日当たりを好みますが、日陰でもよく育ちます。開花期は10〜12月、花色はほかに赤、白、斑やぼかしが入ったものなどがあります。 サザンカの花言葉は、「ひたむきさ」「理想の恋」など。 プリムラ・オブコニカ プリムラ・オブコニカは、サクラソウ科サクラソウ属(プリムラ属)の草花。本来は毎年花を咲かせる多年草ですが、暑さには弱いため、暖地では基本的には一年草扱いとなります。開花期は12月~4月で、花色はほかに黄、青、白、紫、複色など。初心者でも育てやすく、丸みのある葉の中心にサクラに似た形の愛らしい花がまとまって咲きます。咲き姿のバランスがよくコンパクトにまとまるので、他の植物とも合わせやすく、寄せ植えから花壇まで広く活躍します。 プリムラ・オブコニカの花言葉は、「しとやかな人」「青春の美しさ」など。 キルタンサス キルタンサスは、ヒガンバナ科キルタンサス属の球根植物で、原産地は南アフリカ。種によって形態や性質が大きく異なり、開花期は大きく分けると、冬咲きと初夏・夏咲きがありますが、なかには春に花を咲かせる品種も。もっとも一般的で代表的なのは、「マッケニー」とその交配種で、一般的に「キルタンサス」といえば、このタイプを指すことがほとんどです。マッケニータイプの主な開花期は冬から早春で、花色はピンクのほかに赤、黄、オレンジ、白、複色と多彩。湿気に強く丈夫なので、鉢や庭に植えっぱなしでもよく育ちます。 キルタンサスの花言葉は、「恥ずかしがり屋」「ロマンティック」など。 ピンクの実をつける植物 植物の中には、花以外にも寄せ植えや花壇、庭風景の彩りになるものがあります。ここでは、果実がピンク色で鑑賞価値が高い種類をご紹介します。 ペルネッティア ペルネッティアは、ツツジ科シラタマノキ属(ゴーテリア属)の常緑性の庭木で、5〜7月にスズランに似たベル形の白く小さな花を咲かせる植物です。10〜12月頃に1cm前後の艶やかな果実がつき、その色は種類によってさまざまで、白、ピンク、赤、紫など。園芸品種の一つである「ハッピーベリー」という名でも広く知られています。 ペルネッティアの花言葉は、「実る努力」「小さな幸せがいっぱい」「ひそかな情熱」など。 ドラゴンフルーツ TCU Tech/Shutterstock.com ドラゴンフルーツは、サボテン科ヒモサボテン属の常緑性の多年草で、中米から南米北部が原産です。日本では沖縄のほか、温暖な地域で栽培されています。サボテンなので、乾燥に強いほか、病害虫の心配も少なく、冬は室内で管理すれば家庭でも開花させて実を収穫することは十分可能です。ドラゴンフルーツといえば、果皮がピンク(赤)で果肉がピンク(赤)または白が一般的ですが、果皮が黄種類もあります。開花期は6〜10月で、月に1回、満月の頃に月下美人のような20~30cmほどの花を一晩だけ咲かせます。 ドラゴンフルーツの花言葉は、「永遠の星」「燃える心」です。 ザクロ Olga Mukashev/Shutterstock.com ザクロは、ミソハギ科ザクロ属の落葉性の果樹です。実のなる樹木として古くから親しまれているほか、夏に咲く花はタコさんウインナーのようなユニークな形をしており、観賞価値があります。また、ザクロは美容や健康に優れた効果を持つフルーツであることから、スーパーフードと呼ばれています。収穫期は10月中旬〜11月中旬。開花期は5月下旬〜6月で、花は一般的な一重咲きのほか、八重咲きなどもあります。 ザクロの花言葉は、「優美」「子孫の守護」など。 ピンクの葉をつける植物 葉の色は、緑色が一般的ですが、ピンク色に色づく葉もあります。葉色の違いも楽しみながら植物によるコーディネートが楽しめる品種をご紹介します。 ポインセチア Cora Mueller/Shutterstock.com ポインセチアは、トウダイグサ科トウダイグサ属(ユーフォルビア属)の常緑性の低木です。花びらのように見える苞(ほう)が美しく色づき、赤、白、緑のクリスマスカラーを揃えることができるので、冬に欠かせない観葉植物として親しまれています。観賞期は11~2月、葉(苞)の色は、最もポピュラーな赤のほかに、ピンク、黄、白、緑、紫、複色があります。 ポインセチアは鉢植えで育てます。シーズン前に鉢植えの状態で販売されているものを購入したら、鉢の大きさにあった鉢受け皿を準備しましょう。 ポインセチアの花言葉には、「祝福」「幸運を祈る」などがあります。 ハツユキカズラ(初雪カズラ) Itsunfotos/Shutterstock.com ハツユキカズラは、キョウチクトウ科テイカカズラ属の常緑性の庭木で、古くから日本に自生してきたテイカカズラを品種改良した園芸品種。ピンクや不定形の斑が混じる新葉が展開するのが特徴で、主に葉の美しさを楽しむつる植物。新葉はピンクから白の斑入り葉へ変化し、やがては緑一色に。晩秋以降、寒さにあたると紅葉して再びピンク味を帯び、一株でも変化に富んだ葉色が楽しめます。前年の夏にできた花芽を切り落とさなければ、翌年の5月中旬〜6月中旬に、カザグルマのような形をした白い5弁花が咲きます。 ハツユキカズラの花言葉には、「化粧」「素敵になって」「心の灯」などがあります。 アジュガ Anna Gratys/Shutterstock.com アジュガは、シソ科キランソウ属(アジュガ属)の常緑性の宿根草です。草丈は10〜30cm、開花期は4~6月中旬で、長さ15cm程度の花茎がいっせいに立ち上がり、青紫やピンク、白の可憐な花を穂状につけます。そしてなんといってもその魅力は、変化に富んだ葉色の美しさにあります。ピンクや白の斑入り、ライムグリーンにブロンズ色など、バラエティー豊かな美しい葉色が特徴で、花壇のグラウンドカバーや寄せ植えにアクセントとして取り入れれば、花々にも負けない存在感を放ちます。葉がピンク色がかるアジュガの園芸品種は、‘バーガンディグロー’、‘ディクシーチップ’など。 アジュガの花言葉は、「強い友情」「心休まる家庭」。 ワイヤープランツ ワイヤープランツは、タデ科ミューレンベッキア属の常緑性の低木です。ワイヤーのような細いつるを伸ばして生育し、長いものでは5mにも達します。葉は艶やかな明るいグリーンで、1cmほどの小さな丸い葉が密につく姿が愛らしく、観葉植物としての一面も持っています。 ワイヤープランツ‘スポットライト’は、緑の葉に白やピンクがマーブル状に入ったかわいい雰囲気が人気の園芸品種。インドアグリーンや寄せ植えのほか、這うように広がる性質から、ハンギングバスケットや花壇の縁取り、グラウンドカバーなどに好んで利用されます。 ワイヤープランツの花言葉は、「憧れ」「純愛」など。 コリウス コリウスは、シソ科コリウス属の草花で、日本では園芸的には一年草扱いとされます。観賞期間が長く、特に、暑さ厳しい真夏やガーデンの色合いが寂しくなってくる秋のガーデニング素材としても頼れる植物です。葉色は複色になっていることが多く、緑が勝るものから、ピンクや赤の葉に黄緑色の縁取りが入るもの、緑の葉に赤い斑が入るものなど、オレンジ色や赤色、紫色、黒色まで実にさまざま。他のカラーリーフにはない、ユニークで印象的なコリウスの葉色や模様は、ハロウィンの花壇や寄せ植えの演出としてもぴったりです。 コリウスの花言葉は、「健康」「かなわぬ恋」など。 カラジウム Pana88/Shutterstock.com カラジウムは、サトイモ科ハイモ属(カラジウム属)の、熱帯アメリカを原産とする落葉性の球根植物です。葉色はグリーンに赤やピンク、白などの斑が入り、トロピカルな表情が魅力。品種によっては小型種や大型種があり、草丈は10〜50cmと幅があります。 暑さには強い一方で寒さには大変弱いため、地植えにしている場合は、気温が15℃を下回るようになったら、鉢上げして室内に移動するか球根を掘り上げて貯蔵するなどして冬越しさせます。 葉がピンク色がかるカラジウムの園芸品種は、‘ハートトゥハート’、‘ローズバッド’など。 カラジウムの花言葉は、「喜び」「歓喜」「さわやかさ」「分かち合い」など。 コルジリネ Kristi Blokhin/Shutterstock.com コルジリネは、キジカクシ科センネンボク属の常緑性の庭木です。葉色はピンク、赤、黄、緑、斑入りなどで、細長い葉を放射状に伸ばす姿から「ドラセナ」の名で呼ばれることがありますが、分類上、ドラセナとは異なります。 コルジリネには、高木に育ち寒さに強い種類と、低木でコンパクトに育ち寒さに弱い種類があり、それぞれ特徴や育て方が異なるので、苗を入手する際は、その目的やどのようなシチュエーションで楽しむのかを明確にしてから種類を選びましょう。ピンク色がかる葉をもつものは、コルジリネ・エレクトリック‘ピンク’や、コルジリネ・フルティコサなど。 コルジリネの花言葉は「幸福な交際」。 ピンク色の花・実・葉をコレクションしてピンク色の植物を一年中楽しもう! Weiming Xie/Shutterstock.com ピンク色の花を咲かせる植物は数多く、一年を通して育てることができますよ! 目にとまりやすい花色なので、庭やベランダの華やかな演出に一役買ってくれるのもいいですね。ぜひ好みのピンクの花や植物を選んで、理想の景色作りをガーデニングで叶えてください。
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樹木

ツタ(ナツヅタ)を植える前に知っておきたいメリット&デメリットと育て方を解説
ツタ(ナツヅタ)の基本情報 Sodel Vladyslav/Shutterstock.com 植物名:ツタ学名:Parthenocissus tricuspidata英名:Boston-ivy、grape ivy、Japanese creeper、Japanese ivy和名:ツタ(蔦)その他の名前:ナツヅタ(夏蔦)、アマズラ(甘葛)、モミジヅタ(紅葉蔦)など科名:ブドウ科属名:ツタ属原産地:日本分類:落葉つる性木本 ツタ(ナツヅタ)はブドウ科ツタ属の落葉性つる植物です。原産地は、日本の北海道〜九州、朝鮮半島、中国。昔から日本の山野に自生してきたもので暑さや寒さに強く、育てやすい植物です。1年で1.5〜5mはつるを伸ばし、旺盛に茂っていきますが、吸盤のついた巻きひげや茎から出る気根を自ら他者に絡ませていくので、人の手による誘引の必要はありません。 春から秋にかけてはグリーンの葉を広げて面を埋め、みずみずしいシーンを演出、また秋には真っ赤に紅葉するので、季節感を楽しめるのもいいですね。夏は涼しい緑陰を作り、冬は葉を落として日差しをもたらすので、グリーンカーテンとしても利用されています。 ツタ(ナツヅタ)の花や葉の特徴 phichak/Shutterstock.com 園芸分類:観葉植物開花時期:6〜7月樹高:8m以上耐寒性:強い耐暑性:強い花色:緑 ツタ(ナツヅタ)の開花期は6〜7月。直径2〜3mmのグリーンの花なので、あまり目立ちません。秋には小さな果実を鈴なりにつけ、黒く熟した表皮には白い粉が吹いています。 葉は手のひらのような形で、3〜5裂しています。デザインのモチーフとしてさまざまに用いられる、美しい葉姿が特徴です。最大の魅力は晩秋からの紅葉。一面が真っ赤に染まる姿は見応えがあります。 ナツヅタとフユヅタの違い 冬に落葉したツタ。Daniel Sztork/Shutterstock.com ナツヅタとフユヅタは大変よく似ているので、見分けがつきにくいですよね。ナツヅタはブドウ科の落葉性つる植物で、フユヅタ(キヅタ)はウコギ科の常緑性つる植物。生育期のみ葉を茂らせ、冬には葉を落とすためナツヅタ、冬も青々とした葉姿を残すためにフユヅタとそれぞれ呼ばれるようになりましたが、別種の植物です。また、ナツヅタは気根と吸盤を使ってつるを他者に絡めますが、フユヅタは気根のみを使ってつるを這わせます。ちなみに、観葉植物として人気の高いシュガーバインは、常緑ですが、ナツヅタの仲間を品種改良したもの。アイビーはフユヅタです。 ナツヅタに分類されるシュガーバイン。KPG-Payless/Shutterstock.com フユヅタに分類されるアイビー。M88/Shutterstock.com ツタを植えるメリット・デメリット A.Luna/Shutterstock.com おしゃれな雰囲気をもつツタ(ナツヅタ)は、一度は植えてみたいつる植物として人気ですが、それなりにメリット・デメリットが顕著な植物でもあります。この項目でそれを把握して、植えるかどうか判断してください。 メリット ①つるを広い面に這わせて、みずみずしいシーンを作り出すことができます。②あまりデザイン性に優れないブロック塀やフェンスに這わせれば、目隠しすることができます。③窓前や建物に仕立てることで断熱効果・遮音効果を得られます。夏は日陰になって涼しく、冬は葉を落として陽だまりを楽しめるので、グリーンカーテンとしても利用できます。 デメリット ①生命力が旺盛で成長が早く、はびこりすぎることがあるので、メンテナンスに手間がかかります。②環境によっては虫が発生しやすくなることがあります。③建物に直接這わせると、壁を傷めてしまうことがあります。壁面にヒビなどがある場合には、そこにつるが入り込むこともあるので、ネットやワイヤーなどを張った上に、つるを這わせるなどの対策が必要です。 ツタ(ナツヅタ)の名前の由来や花言葉 Kuttelvaserova Stuchelova/Shutterstock.com ツタという名前の由来は諸説ありますが、他の木や岩肌に伝って伸びる様子から、「つたう」といわれたものが変化したという説が有力とされています。別名のナツヅタは、前述のとおり、夏に葉を茂らせて花を咲かせ、冬には落葉して見えなくなることから。また、ツタの樹液はほのかに甘く、古来甘味料の採取に利用されたという説から、アマズラ(甘葛)の別名もあります。 ツタの花言葉は「永遠の愛」「結婚」。つる植物らしい、結びつきの強さを表す花言葉です。 ツタの代表的な種類 ツタという言葉は、ツタ属全体を指すこともあります。ツタ属の中から、ここでご紹介しているツタ(ナツヅタ)以外に、ガーデニングでよく利用される代表的な種類をいくつかご紹介します。 アメリカヅタ bonilook/Shutterstock.com アメリカヅタは小葉が5つ集まり、掌状に広がる葉が特徴です。夏の青い葉や秋の紅葉が美しく、壁面緑化にもよく使われています。別名バージニアクリーパー。 ヘンリーヅタ AngieC333/Shutterstock.com ヘンリーヅタは他のツタに比べて成長がやや緩やかで、管理しやすいため、最近人気が高い種類です。こちらも鮮やかな紅葉が楽しめます。 ヴェイチイ Sodel Vladyslav/Shutterstock.com ツタ(ナツヅタ)の園芸品種で、一般種に比べるとやや小ぶりな葉を持ち、生育も穏やかで育てやすい品種です。 ツタ(ナツヅタ)の栽培12カ月カレンダー 開花時期:6〜7月植え付け・植え替え:3月下旬〜9月(真夏を除く)肥料:5〜9月 ツタ(ナツヅタ)の栽培環境 JT888/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日なたから半日陰まで、場所を選ばずよく育ちます。ただし、日照が不足すると、秋の紅葉時に発色が悪くなるので注意しましょう。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】土壌は適度に湿った場所を好みますが、丈夫で乾燥にも耐え、条件を選ばずよく育ちます。ただ、肥沃な土壌のほうがより生育が旺盛になり、枝葉をぐんぐん伸ばしていくようです。 耐寒性・耐暑性 日本の気候によく馴染み、暑さや寒さに強い性質を持っています。マイナス10℃以下にも耐え、耐寒性、耐暑性ともに高いので、基本的に冬越しや夏越しの対策は必要ありません。 ツタ(ナツヅタ)の育て方のポイント 用土 blueeyes/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料少量を混ぜ込んでよく耕してください。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 草花用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。 水やり Vladimir Gjorgiev/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏は、気温が高い昼間に与えると、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に行うようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまうので注意しましょう。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、休眠中の冬でもカラカラに乾燥させることのないように、適宜水やりを続けてください。 肥料 Pawel Beres/Shutterstock.com 【地植え】 強健な性質なので、1年目は植え付け時に元肥として緩効性肥料を施してあれば、追肥の必要はありません。2年目以降は春の芽出し前に緩効性肥料を株まわりに施します。それ以降は特に必要ありませんが、株の生育に勢いがない場合は液肥を与えて様子を見てください。 【鉢植え】 生育期の4月〜9月中旬に緩効性化成肥料を株の周囲にばらまき、軽くスコップで耕して土に馴染ませます。株の生育に勢いがない場合は、液肥を与えておくとよいでしょう。 注意する病害虫 nechaevkon/Shutterstock.com 【病気】 ツタ(ナツヅタ)に発生しやすい病気は、炭そ病、さび病などです。 炭そ病は、春や秋の長雨の頃に発生しやすくなります。カビが原因の伝染性の病気で、葉に褐色で円形の斑点が現れるのが特徴です。その後、葉に穴があき始め、やがて枯れ込んでいくので、早期に対処することが大切です。斑点の部分に胞子ができ、雨の跳ね返りなどで周囲に蔓延していくので、被害を見つけたらすぐに除去して土ごと処分しておきましょう。密植すると発病しやすくなるので、茂りすぎたら葉を間引いて風通しよく管理してください。水やり時の泥の跳ね返りがきっかけになりやすいので、株元の表土を狙ってやさしい水流で与えるようにしましょう。 さび病は、カビによる伝染性の病気です。葉にくすんだオレンジ色で楕円形の斑点が現れます。この斑点は、やや細長くイボ状に突起するのが特徴です。症状が進むと斑点が破れ、中から粉のように細かい胞子を飛ばします。放置すると株が弱り、枯死することもあるので注意。発病した葉は見つけ次第切り取って処分し、適用のある薬剤を散布して防除します。 【害虫】 発生しやすい害虫は、アブラムシ、カイガラムシなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりとついてしまうほどに。植物の茎葉について吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 ツタ(ナツヅタ)の詳しい育て方 植え付け・植え替え OlegDoroshin/Shutterstock.com 植え付け・植え替えの適期は、3月下旬〜9月です。ただし、真夏は株が弱りやすいため避けたほうが無難です。ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも1回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。 庭で育てている場合、環境に合えば植え替える必要はありません。ただし、植え付けから5〜6年経って株が込み合っているようなら、掘り上げて株分けしてください。改めて植え直し、株の若返りをはかりましょう。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、6〜7号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れます。苗をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢の中に仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、毎年は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。 剪定・切り戻し mihalec/Shutterstock.com 剪定適期は、葉を落として休眠中の12〜翌年2月。落葉している状態だと、つるがよく見えるので、作業がしやすいです。茂りすぎている部分や、これ以上範囲を広げたくない部分などをカット。剪定位置はあまり気にせずに、つるとつるとの分岐点を目安に、自由にカットしてかまいません。翌年の生育期になると、再び旺盛につるを伸ばすので、毎年同じくらいの範囲にとどめたい場合は、つるの1/2から1/3くらいまで切り戻します。 また、ツタ(ナツヅタ)は生育期に剪定してもOKです。葉が込み合っていると、病害虫を招くおそれがあるので、うっとうしく茂りすぎている部分は切り取って風通しをよくしましょう。 夏越し・冬越し Walter Pall/Shutterstock.com 【地植え】 暑さ、寒さに強いので、鉢上げして養生させるといったケアは必要ありません。 【鉢植え】 ハンギングや小鉢仕立てにして、移動しやすい状態で栽培している場合、コンクリートに囲まれたベランダやテラスなど、真夏に暑くなりすぎるようなら、風通しのよい明るい日陰に移動するとよいでしょう。寒さには強いので、戸外で越冬できます。 増やし方 Emmily/Shutterstock.com 株分け、挿し木、つる伏せで増やすことができます。 【株分け】 株分け適期は4〜5月か9〜10月です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りをはかります。株を掘り上げて4〜5芽ずつ付けて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、株が増えていくというわけです。 【挿し木】 挿し木とは、枝を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、ツタ(ナツヅタ)は挿し木で増やせます。 挿し木の適期は、4〜5月か9〜10月です。新しく伸びた枝を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り取ります。3号鉢を用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。芽が出て順調に生育し、根が回ってきたら植えたい場所へ定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 【つる伏せ】 つる伏せの適期は、4〜5月か9〜10月です。 まず、3号鉢に市販の草花用培養土を入れて、十分に水で湿らせておきましょう。つるの気根がついた部分を3〜4cmにカットします。鉢土の上に根を平らに置き、2cmほど土をかぶせておきます。これを水切れしないように管理すると芽を出し、新しい個体として生育し始めます。しばらく育苗し、ポットに十分に根が回った頃に、植えたい場所に植え付けます。つる伏せのメリットは、親株とまったく同じクローンになることです。 ツタ(ナツヅタ)を撤去する方法 Happy_Nati/Shutterstock.com 「ツタ(ナツヅタ)が繁茂しすぎて手に負えないので、もう撤去したい」という声を聞くこともあります。メンテナンスが負担になってしまうなら、処分するのも一案です。壁面やフェンスに絡ませたつるは、手作業で剥がしましょう。丈夫で育てやすい反面、大変生命力が強いので、地上部を撤去しても地中に残っている根から芽が出て、またすぐにはびこってしまうことがあるかもしれません。その場合は、植えていた部分に除草剤をまいて対処するのも1つの方法です。 ツタ(ナツヅタ)を植えるならこまめに手入れを flaviano fabrizi/Shutterstock.com ツタ(ナツヅタ)はなんといっても美しい葉姿が魅力ですが、一方ではつるが旺盛に茂りすぎるきらいがあるので、定期的なメンテナンスも必要です。とはいえ、ツタが作り出すシーンは自然のアートといえるほどに見応えがあるので、ぜひ栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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育て方

9月の庭仕事をチェック! ガーデニングカレンダー September
来年の庭の植栽プランを立てましょう 秋は宿根草や春咲き球根(チューリップやヒヤシンスなど)、バラ苗、果樹苗の買いどき、植えどきです。ホームセンターや園芸店のほかに、ちょっと変わったものを入手したいなら、専門ナーセリーものぞいてみましょう。宿根草やバラ、クレマチス、果樹など、それぞれのジャンルに特化したナーセリーがあり、通販で購入できるところもたくさんあります。Garden Story内で連載をしているショップもあるので、ぜひ検索してみてくださいね。珍しい品種、人気の植物は早期に“sold out”になってしまうので、早めに計画を立てましょう。 茂った植物を間引き&透かし剪定で庭をリフレッシュ 猛暑日が続く夏の間は、庭仕事がはかどらなかったという方、涼しくなってきたら庭の整理をしましょう。夏の間に茂りすぎた株が向こう側の景色を遮っていたり、株姿が乱れて雑然とした雰囲気になっていたりするものがあります。茂りすぎた株は、先端を切って短くするのではなく、枝数を減らすように株元付近から剪定して間引きます。このように全体をコンパクトにすると、風通しがよくなって秋以降もきれいに生育します。また、思いのほか大きくなる植物もあるので、庭全体を遠目で眺めて、不要だなと思う植物は抜き取って、リフレッシュしましょう。 水やりを夏仕様から秋仕様に Joaquin Corbalan P/ shutterstock.com 鉢植えの植物は真夏と同じように頻繁に水やりをしていると、根腐れの原因になります。水の渇き具合をチェックして、気温が下がっていることを確認したら、夏仕様から秋仕様に変えましょう。自動灌水機を1日2回に設定している方は、1回に設定し直しましょう。 種まきを始めましょう Michelle Lee Photography/Shutterstock.com 庭にかかるコストを抑えたいなら、種まきをして自分で苗をつくりましょう。ムラサキハナナ、ワスレナグサ、アグロステンマ、オルレア、リムナンテス、ロベリアなど、耐寒性の強い一年草や二年草の種まきは、9月中に終えましょう。種子から育てると時間はかかりますが、経費は苗のおよそ1/10に抑えられますし、芽吹きから観察するのも面白いものです。 冬野菜の播きどきです ホウレンソウや小カブは用土に直まきして栽培することができます(左写真は小カブ)。右上/シュンギクの若葉。右下/シュンギクは草丈20〜25cmになったら主枝を途中で折り取って収穫します。根元のわき芽が伸びたら折り取って、繰り返し収穫できます。 家庭菜園を楽しんでいる人は、そろそろ冬野菜の準備です。ダイコンやラディッシュは9月中旬に、月末頃からはハクサイ、コマツナ、チンゲンサイ、カブ、スイスチャード、ホウレンソウ、シュンギクなどの種子を播くことができます。ホウレンソウの場合は、種まきの1週間前までに苦土石灰を土にまいてなじませておきましょう。 クリスマスローズの苗を植え付けましょう Traveller70/shutterstock.com 宿根草のクリスマスローズは9月下旬頃から植え付け、植え替えを始めましょう。本格的な寒さがくる前までに、定着させておく必要があります。鉢植えは2年に1度は植え替えが必要です。植え替えをする際は、根をあまり崩さないようにしましょう。大株になったクリスマスローズは、9月後半が株分けのタイミングです。以下の記事を参考に作業を。開花は3月です。 鉢植えや樹木の台風対策 台風の季節です。暴風雨に備えて、草丈の高いものは茎が折れないようまとめて縛っておくとよいでしょう。鉢やハンギングも置き場所を見直して、飛ばされない場所へ移動しましょう。移動ができない場合は、鉢を寄せ集めて縛っておきます。アーチやフェンスなどの構造物に誘引したつる植物も留め付け箇所を増やします。樹木も株元をチェック。この時期はカミキリムシの幼虫であるテッポウムシが幹の中を食い荒らしていることがあります。弱った樹木は倒れやすいので、おがくずなどが出ていないか、ぐらつきがないかなどを確認し、必要なら支えをしたり、ロープをかけたりなどの対策をしましょう。 秋バラを咲かせるための剪定 四季咲き性のバラの多くは、この時期に剪定すると約50日後に咲きます。日数を逆算すると、9月上旬〜中旬までが剪定のタイミング。順調に花茎が成長すれば10月20日頃から11月上旬に年内最後の花が咲きます。秋に咲くバラは、春よりも小ぶりですが色が濃く、風情があります。 キンモクセイの花を収穫しましょう Lora Sutyagina/Shutterstock.com 9月下旬頃にはキンモクセイが咲き始めます。キンモクセイは花姿を楽しむだけでなく、花の甘い香りをお茶やシロップ漬けにしてもGood。チンキやシロップづくりなど活用方法を、以下でご紹介しています。 青じそは、花も実も美味しく食べられます mujijoa79/Shutterstock.com シソ栽培では、花を咲かせると葉がかたくなるので、夏は花を摘みながら育てますが、もうすぐシーズンが終わるので、そろそろ花を咲かせましょう。花の後には実ができますが、花も実も塩漬けにすると香りのよい調味料として活躍します。おにぎりやお茶漬けに入れると絶品です。 まだまだバジルを楽しみましょう ElenVik/Shutterstock.com シソ同様、バジルも花をつけると葉がかたくなるので、花を収穫した後、半分くらいに切り戻して肥料を施します。しばらくすると再び芽が展開し始めて、秋遅くまでバジルの収穫を楽しむことができます。収穫した花も捨てないで! オリーブオイルに4〜5日漬け込んでおくと、香りが移って料理に重宝しますよ。 生け垣の刈り込みをしましょう Lora Sutyagina/Shutterstock.com 生け垣の刈り込み時期です。希望の高さよりやや低めに刈ると、その後はひと月ほどで新芽が吹いて、ちょうどよい高さになります。 チャドクガにご注意を! 葉の上の黒い点々はチャドクガの幼虫のサインかも。 ツバキやサザンカ、お茶の木があるお宅は、チャドクガにご注意ください。庭木の手入れ中などに、知らずに触れてひどい皮膚炎を起こすことがよくあります。葉に集団でいることが多いので、発見したら葉ごと取り除き、袋に入れて処分しましょう。全長60cm前後の長さの高枝切り鋏を使用すると便利です。
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観葉・インドアグリーン

ペペロミアは種類豊富でコンパクトな観葉植物! 特徴や育て方のポイント、人気の品種もご紹介
ペペロミアの基本情報 Pomme Home/Shutterstock.com 植物名:ペペロミア学名:Peperomia英名:Peperomia和名:サダソウ(佐田草)科名:コショウ科属名:サダソウ属(ペペロミア属)原産地:世界の熱帯~温帯分類:多年草 ペペロミアは、コショウ科サダソウ属(ペペロミア属、Peperomia属)の多年草の総称です。 世界の熱帯~温帯に約1,000~1,400もの種が存在し、園芸品種も多くあります。 草丈は5~20cmと小型のものが多く、室内で楽しめるインテリアプランツとして人気があります。さまざまな草姿があり、主に葉が四方に伸びるロゼットタイプ、太い茎がまっすぐ伸びる木立タイプ、地面を這う匍匐(ほふく)タイプに分けられます。 花は咲いても目立たない品種が多く、葉姿を楽しむことがメイン。気を静めたり調和をもたらしたりするとして、風水的にも人気があります。あまり手がかからないため、ガーデニング初心者にもおすすめです。 ペペロミアの葉や花の特徴 Maritxu/Shutterstock.com 園芸分類:観葉植物開花時期:4〜10月草丈:5〜20cm耐寒性:普通耐暑性:強い花色:緑、黄、白、茶など ペペロミアは品種によってさまざまな葉の模様や色があります。茎が下に垂れ下がるもの、横に伸びるものなど、草姿も多岐にわたります。葉に保水し、肉厚で丸っこい多肉質な葉を持つ品種が多くある一方、細長い葉をつけるものもあります。 品種によって花の形状も異なります。尾状花序が立ち上がる種類が多いですが、小花を多数つけるタイプもあります。色は緑や黄、白、茶などですが、花が目立たない品種が多いです。 ペペロミアの名前の由来や花言葉 Nahhana/Shutterstock.com ペペロミアの名前は、ギリシア語でコショウを意味するペペリ(peperi)と「~に似た」を意味するhomoiosを組み合わせたもので、「コショウに似た」という意味です。料理で使うコショウの近縁種で、草姿が似ているところからつけられました。 花言葉は「艶やか」「かわいらしさ」「片思い」など。「艶やか」「かわいらしさ」は光沢がある品種や葉がピンク色の品種から、「片思い」は葉がハート形の品種が由来とされます。 ちなみに、スパイスとしておなじみのコショウは、コショウ科コショウ属(ピペル属、Piper属)の植物です。 ペペロミアの人気品種 ペペロミアには非常に多くの種類や品種があり、葉の形や色、草姿もさまざまです。その中から、人気の品種をいくつかご紹介します。 ペペロミア・イザベラ YuliyaD/Shutterstock.com ペペロミア・イザベラは、ぷくっとした小さな楕円形の肉厚な葉が密集する姿が特徴です。横に広がって成長し、コンパクトでインテリアになじみます。育つと下に垂れ下がるので、ハンギングにするのもおすすめです。 ペペロミア・ロッソ Pixel-Shot/Shutterstock.com ペペロミア・ロッソは、ペペロミアの中では比較的新しい品種。葉の表は光沢のある緑、葉の裏は赤色で、コントラストが鮮やか、かつシックな雰囲気です。草丈は約10cm、株張りは約15cmで、花は棒のような尾状花序です。 ペペロミア・アングラータ roottripper/Shutterstock.com ペペロミア・アングラータは、ペペロミアの代表的な品種の1つです。細く茶色い茎に濃い緑の葉をつけ、成長すると下に垂れ下がります。葉はプラスチックのような質感で、よく茂ってこんもりした株姿になります。 ペペロミア・アルギレイア Magic Gun/Shutterstock.com 通称スイカペペとも呼ばれるペペロミア・アルギレイアも人気の品種。丸い葉にはスイカの皮のような模様が入り、目を引きます。 ペペロミアの栽培12カ月カレンダー 開花時期:4〜10月植え付け・植え替え:5〜9月肥料:5〜9月 ペペロミアの栽培環境 New Africa/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】室内で鉢植えで育てるのが一般的ですが、春から秋までは戸外で育てることもできます。明るい日陰を好み、屋外で栽培する際は、陽射しが当たりすぎないよう注意することが重要です。地植えには向かないので、鉢で管理し、夜間の気温が10℃を下回るようになったら室内に取り込むようにしましょう。 【日当たり/屋内】明るい日陰を好み、春と秋はレースのカーテン越しに日光に当てるとよいでしょう。夏は直射日光を避けるようにします。室内でも10℃を下回る環境には置かないように注意してください。 【置き場所】強い直射日光が当たる場所や、エアコンの風が直接当たる場所は避けましょう。品種によってはある程度耐寒性はありますが、基本的に10℃を下回る環境には置かないように注意してください。 耐寒性・耐暑性 ある程度の耐寒性はあるため、温室を用意する必要はありませんが、10℃以下になると株にダメージが見え始め、0℃以下になると枯れてしまう品種もあります。最低気温が10℃以下になったら室内に取り込むとよいでしょう。暑さには強いですが多湿は苦手なので、夏は直射日光の当たらない涼しい場所で管理し、根腐れしないように注意します。 ペペロミアの育て方のポイント 用土 rigsbyphoto/Shutterstock.com 土は水はけのよい用土を使うことが大切です。市販の観葉植物用や多肉植物用がおすすめです。もしくは、赤玉土と腐葉土に川砂などを混ぜたものを使いましょう。 水やり Sentelia/Shutterstock.com ペペロミアは葉や茎に水分を蓄えることができるため、水やりは控えめにします。 多肉質の品種は乾燥に強いので、夏でも土の表面が乾いてから、さらに数日おいて水やりをします。葉の表面に水を吹きかければ元気に育ちます。冬は乾かし気味に、葉が乾燥しているときは霧吹きで葉水をするときれいに育ちます。土が常にじめじめしている状態は根腐れの原因となるため避けましょう。 肥料 Jus_Ol/Shutterstock.com 肥料は基本的に必要ありません。様子を見て、生育期間に葉が黄色っぽくなってくることがあれば、規定より薄めた液体肥料や緩効性肥料を施します。 注意する病害虫 Crystal Eye Studio/Shutterstock.com 【病気】 生育期間中に細菌病が発生することがあります。症状の出た葉は取り除いて処分しましょう。 【害虫】 カイガラムシやハダニが発生することがあります。 どちらも吸汁して生育を阻害するため、注意が必要です。カイガラムシの成虫は薬剤が効きづらいため、ヘラなどを使って手で駆除しましょう。ハダニはテープで駆除するか、薬剤を散布しましょう。 ハダニは高温乾燥期に発生しやすいので注意。水やりするときに、2回に1回は株全体や葉裏にも水をしっかりかけて洗い流すと、発生予防につながります。 ペペロミアの詳しい育て方 苗の選び方 苗を購入する際は、葉や茎がしおれているもの、軽く触るとぐらつくものは避け、葉がよく茂ってハリのあるものを選びましょう。 植え付け・植え替え Julia Lav/Shutterstock.com ペペロミアの植え付けや植え替えは、生育期の5~9月に行います。 鉢底から根が飛び出している、また水やりの際に土への吸収が悪いなどの状態であれば、植え替えのタイミングです。鉢から株を抜いて土を丁寧に落とし、変色して傷んでいる根や葉は切り落とします。1回り大きな鉢に植え、土は元肥を混ぜ込んだ新しいものに替えるとよいでしょう。 切り戻し・剪定 AkvarellDesign/Shutterstock.com ペペロミアが茂りすぎた場合は、ある程度枝葉を剪定して風通しをよくすることが重要です。 剪定は5~9月が適しています。込み合っているところや傷んだ枝葉をカットしましょう。ロゼットタイプの場合は、葉柄の付け根でカットします。木立タイプや匍匐タイプでは、剪定するとすぐにわき芽が出てきます。 ペペロミアの増やし方 Tipwann.H/Shutterstock.com 株分けや葉挿し、挿し芽などの方法で増やすことができます。 【株分け】 株分けの適期は5~8月です。 株分けの際は鉢から株を抜いて土を軽く落とし、株元を確認して1株あたり芽が2~3個になるように切り分けます。それぞれを新しい用土に植え付けますが、あまり細かく分けすぎないように注意が必要です。 【葉挿し】 Benno Putro/Shutterstock.com 株元から葉が出るタイプのペペロミアは、葉挿しで増やすのがおすすめです。 葉柄を2cmほど残して切り取り、清潔な用土にそのまま植えます。明るい日陰で乾かさないように管理すると、1カ月ほどで発根し、徐々にほかの葉も出てくるようになります。ただし、斑入りの品種は葉挿しで増やすと斑が消えてしまうので、株分けで増やしましょう。 【挿し芽】 Izzah Khaliifah/Shutterstock.com 挿し芽にする際は、まず茎を5cmほどにカットし、下のほうについている葉は落とします。挿し芽用の土を鉢に入れ、穴をあけて茎を挿します。 鉢は明るめの日陰に置き、乾かしすぎないように霧吹きなどで葉や茎にも水をかけて管理します。順調に育てば、1カ月ほどで発根します。 ペペロミア栽培でよくあるトラブルと対処法 Damian Lugowski/Shutterstock.com ペペロミアは比較的育てやすい観葉植物ですが、育て方が合わないと調子が悪くなってしまうこともあります。 ここではペペロミアを育てる際に起きやすいトラブルとその対処法についてご紹介します。 根腐れ evgeniia_1010/Shutterstock.com ペペロミアに元気がなく葉が変色している、土から腐った臭いがする、土の表面にカビが生えているなどの症状があれば、根腐れを起こしている可能性があります。 その場合は、鉢から株を抜いて土を落とし、水はけのよい土に植え替えましょう。根っこの腐っている部分はカットします。根腐れを防ぐためには、水やりは控えめにし、風通しのよい明るい日陰で管理することが重要です。 根詰まり AnneGM/Shutterstock.com 水やりしても浸透が遅い、鉢底から根が見えている、葉が黄色くなっているなどの場合は、根詰まりを起こしている可能性があります。 生育期に一気に成長すると、根詰まりを起こしやすくなります。そのままにすると枯れてしまうこともあるので、1回り大きめの鉢に植え替えましょう。植え替えの際は新しい土にします。 葉焼け photowind/Shutterstock.com ペペロミアは暑さには強いですが、直射日光には弱く、葉焼けを起こしやすい植物です。葉焼けが起こると、葉の色素が一部抜けて白くなったり、葉の一部が茶色く枯れたりします。 これらの症状に気付いたら、直射日光が当たらない場所に移し、葉焼けした部分は清潔なハサミでカットしましょう。 ペペロミアを室内に飾って楽しもう New Africa/Shutterstock.com ペペロミアは小型で可愛らしい葉が特徴の観葉植物です。室内で育てるのにおすすめですが多湿には弱いので、育てる際は乾燥気味に管理し、風通しのよい場所に置くのがポイントです。 非常に多くの色や模様があるので、ぜひお気に入りの品種を探して育ててみてはいかがでしょうか。
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宿根草・多年草

パンパスグラスを庭で育てるには? 室内でおしゃれに飾る方法もご紹介
パンパスグラスの基本情報 Connie Guanziroli/Shutterstock.com 植物名:パンパスグラス学名:Cortaderia selloana英名:pampas grass和名:シロガネヨシ(白銀葭・白金葭)その他の名前:お化けススキ、西洋ススキ(セイヨウススキ)科名:イネ科属名:シロガネヨシ属原産地:南米、ニュージーランド、ニューギニア分類:宿根草(多年草) パンパスグラスは南アメリカやニュージーランド、ニューギニアに自生しており、イネ科シロガネヨシ属に分類される植物です。ススキに似た姿で、草丈は1〜3m、開花時期は9〜10月です。寒さにはやや弱く、暑さには強い性質です。 栽培の難易度は低くて育てやすく、伸びた穂は切り花として飾ったり、乾燥させてドライフラワーにしたりして利用されています。 パンパスグラスの花や葉の特徴 Chrislofotos/Shutterstock.com 園芸分類:草花、グラス開花時期:9〜10月草丈:1〜3m耐寒性:やや弱い耐暑性:強い花色:白、ピンク パンパスグラスの花穂は羽毛のようにふわふわとしています。花穂は50〜70cm、草丈は3mほどにまで成長する大型のグラスです。雌雄異株の植物で、花穂の色は雄株では茶色、雌株では白色が一般的ですが、ピンクや紫がかる品種もあります。 花穂のない時期には、細く伸びた葉だけでもオーナメンタルグラスとして楽しめます。細長い葉は縁がギザギザのノコギリ状になっているのも特徴で、手入れの際は肌や手を傷つけないよう、手袋をはめるなど注意をするとよいでしょう。葉に縞のような斑が入った種類もあります。 パンパスグラスの名前の由来と花言葉 Kathryn Roach/Shutterstock.com パンパスグラスという名前は草原地帯(pampas)に生える草(grass)という意味で、和名はシロガネヨシ(白銀葭)といいます。 パンパスグラスの花言葉は「光輝」「雄大な愛」「強気な心」「人気」など。「光輝」の花言葉は花穂が日の光でキラキラと光る様子から。また「雄大な愛」や「強気な心」などは、草丈が最大で3mほどにも成長する姿に由来します。 パンパスグラスの代表的な種類 Pablo Rodriguez Merkel/Shutterstock.com パンパスグラスの主な園芸品種をご紹介します。 姫パンパスグラスとも呼ばれるプミラは、草丈180cmほどの矮性種で、白銀色の花穂が非常に美しい品種です。 近年はプミラよりもさらに小型の‘タイニーパンパ’や‘ミニパンパス’という品種も流通し、個人邸のガーデンでも育てやすい草丈50〜60cm程度のサイズで注目されています。また、草丈1m程度の‘ゴールデンゴブリン’という品種など、育てる場所に併せて選べるようになっています。 左は、‘ミニパンパス’の苗。右は、草丈1m程の‘ゴールデンゴブリン’。Photo/InfoFlowersPlants/shutterstock.com、3and garden ‘ホワイト・フェザー’は白い花穂をつけ、切り花によく利用される品種です。草丈は2〜3mにもなるので、育てる場合は広いスペースが必要になります。 ‘ピンク・フェザー’はピンク色の花穂をつける品種で、こちらも切り花によく利用されます。草丈はおよそ3mになり、育てるには広いスペースが必要です。 ‘ゴールド・バンド’は葉の黄金色の斑が特徴的な品種です。日当たりのよい場所で育てると葉の色が濃くなります。 パンパスグラスとススキとの違い ススキの穂。Zaiga Pettere/Shutterstock.com ススキはイネ科ススキ属ですが、パンパスグラスはイネ科シロガネヨシ属で、科としては同じグループですが異なる属の植物です。 ススキとパンパスグラスを見分ける際の大きな違いは、花穂のボリュームです。ススキは軽やかなのに対し、パンパスグラスは厚みがあります。草丈も異なり、ススキは1〜2mですが、パンパスグラスは矮性種でなければ2〜3mにもなります。 それぞれが好む環境も異なります。ススキは耐暑性も耐寒性も非常に高いですが、パンパスグラスは耐暑性は高いものの、耐寒性はやや低めです。 パンパスグラスの栽培12カ月カレンダー rudiPro/Shutterstock.com 開花時期:9〜10月植え替え適期:3〜7月、9〜10月肥料:不要(ただし、大きく育てたい場合は控えめに与えるようにしましょう。肥料を与えすぎると花穂が上がらず、葉だけが茂る原因になるため注意が必要です)植え付け:3〜7月、9〜10月種まき:4〜5月 パンパスグラスの栽培環境 ThomBal/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たりがよく、水はけと風通しのよい場所がおすすめです。 【日当たり/屋内】大きく育つため、屋内での鉢植え栽培より屋外での地植え栽培がおすすめです。日当たりが良く、スペースのある場所を選ぶようにしましょう。 【置き場所】暑さに強く、寒さに弱いので日当たりの良い乾燥気味の場所がおすすめです。日当たりが悪く、湿気が多い場所では穂がつかない場合があります。また、寒冷地では防寒対策をしないと株が弱ります。 耐寒性・耐暑性 パンパスグラスは耐暑性が強く、真夏の直射日光を浴びても弱ることなく元気に育ちます。暑さに強い一方、冬の寒さにはやや弱く、霜が降りるような場所では根が傷むことがあります。冬に氷点下3度以下になるような場所では、ビニールで覆ったり、株本をマルチングで覆ったりするなどの防寒対策が必要です。 パンパスグラスの育て方のポイント crystaldream/Shutterstock.com 用土 パンパスグラスは乾燥には強いものの湿気には弱く、保水力があって水はけの良い場所を好みます。水はけが悪い場所で栽培する際は、傾斜を作り、パーライトなどの土壌改良資材を土に混ぜ込むなどして土壌改良を行ってから植えるようにしましょう。 水はけさえよければ、植えつける場所の土質は選びませんが、腐葉土などの有機質を多く含む土を好むので、植え付けの際に土に混ぜ込んでおくと良いでしょう。 水やり hvostik/Shutterstock.com パンパスグラスの水やりは、基本的に自然の降雨のみで十分です。植え付け後から根付くまでの1カ月間と、真夏に雨が全く降らない日が2週間以上続いたような時だけ水やりをするとよいでしょう。 肥料 肥料も特に必要なく、過肥にしてしまうとかえって株が弱るので注意しましょう。株の元気がないときのみ、周囲の土に腐葉土をすき込みます。 注意する病害虫 パンパスグラスは病害虫に強く、病害虫の被害はあまりありませんが、つきやすい害虫として、アザミウマ、アブラムシ、エカキムシ、カメムシ、ハダニ、バッタなどがあげられます。また、かかりやすい病気としては、うどんこ病、黒星病、立枯病、斑点病などがあります。病害虫を発見したら、それぞれに適した薬剤を散布する、虫や葉を除去するなどして対処しましょう。 パンパスグラスの詳しい育て方 Mark Rademaker/Shutterstock.com 苗の選び方 苗を購入する際は、葉に傷みがなく、健康的で病気や害虫などが発生していないものを選びましょう。葉に変色や黒斑などがあるものは弱っている可能性があるので避けましょう。 植え付け・植え替え 植え付けの最適期は5〜6月です。ただしそのほかの季節でも、真夏と真冬のみ避ければ植え付けられます。 根が大きく張るので、複数株植える場合は隣り合う株の間隔を1m以上あけるようにします。植え付けの際には傷んだ根を取り除き、終わった後は水をたっぷりと与えましょう。 剪定・切り戻し stockphotofan1/Shutterstock.com 花が咲き終わったら半分くらいの高さまで切り戻します。そうすることで春から新芽が出やすくなります。冬の間は葉が枯れても防寒のためにそのままつけておき、3〜4月、新芽が伸び始める頃に取り除くとよいでしょう。葉の縁で手を切ることがあるので、手入れの際は手袋を着用するのがおすすめです。 秋の長雨や台風などで花穂が傷むことがあるので、早めに切ってドライフラワーや切り花として楽しむのも一つの方法です。 夏越し・冬越し パンパスグラスは耐暑性が高いため、夏は特に対策は必要ありません。 冬は寒冷地では霜で根が傷むことがあるため、株をビニールや寒冷紗などで覆ったり、株元をバークチップや腐葉土などで覆うマルチングなどの対策をするとよいでしょう。 増やし方 Vectorium/Shutterstock.com パンパスグラスは種まきと株分けによって増やすことができます。種まきは4〜5月が適期です。ポットに小粒の赤玉土や種まき用土を入れ、種を埋めたらたっぷりと水を与えます。発芽するまでは乾燥しないように注意しながら、成長に応じて植え替えを行いましょう。 株分けの場合は、3〜4月および9〜10月が適期です。株を掘り上げたら、根を3分の1程度に切り、株を2〜3株に分けます。分けた株を植え付けたら、根付くまでは乾燥しないように気を付けましょう。根付いたら、通常の栽培と同様に管理してください。 パンパスグラスを室内で楽しむポイント KaryB/Shutterstock.com パンパスグラスは育てるだけでなく、インテリアとして室内に飾って楽しめるのも魅力です。ここでは飾り方のポイントについてご紹介します。 庭のパンパスグラスを切り花として飾るなら Gladius Stock/Shutterstock.com 庭で育てているパンパスグラスを切り花として活用する時は、花穂が広がり出る前の皮で覆われた状態(トウモロコシの皮が実を覆っているような状態)のうちに切っておきます。穂を覆っている皮の根元付近に一周ぐるっとカッターなどで切り込みを入れて皮を外すと、内側からきれいな花穂が出てくるので、それを切り花に使います。覆っている葉も縁が鋭いので手を切らないように注意しましょう。 ドライフラワーの作り方 Volurol/Shutterstock.com パンパスグラスのドライフラワーの作り方には、ハンギング法とドライインウォーター法があります。 ハンギング法は、ドライフラワーにするパンパスグラスを麻ひもやビニールひもで吊るしておく方法です。風通しがよく湿気が少ない、直射日光が当たらない場所に1週間ほど吊るしておくと、ドライフラワーになります。 ドライインウォーター法は、花瓶などの容器に少量の水を入れてパンパスグラスを挿し、乾くのを待つ方法です。風通しがよく直射日光が当たらない場所に置き、水は足さないようにします。 おすすめの飾り方 ElenaBoronina/Irina Shatilova/Shutterstock.com パンパスグラスは1本だけでシンプルに飾るのもいいですし、数本をまとめて穂先をほぐしてふんわりとさせても見栄えよく飾ることができます。他の花と合わせてブーケやスワッグ、リースなどにしても、インテリアになじみやすくなりますよ。パンパスグラスのドライフラワーなどもよく市販されているので、庭で育てていなくても、手軽に購入して楽しむことができます。 雄大で存在感のあるパンパスグラス svetlana_apo/Shutterstock.com パンパスグラスは雄大な姿や特徴的な花穂が魅力の植物。ガーデンプランツとしてだけでなく、切り花やドライフラワーにしても楽しめます。庭のスペースに余裕がある方は、ぜひ育てて、その雄大な姿を身近に楽しんでみてはいかがでしょうか。
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宿根草・多年草

バコパ(ステラ)は寄せ植えやハンギングにもおすすめ! 特徴や育て方のポイントとは
バコパの基本情報 vaivirga/Shutterstock.com 植物名:バコパ学名:Sutera英名:Bacopaその他の名前:ステラ 科名:オオバコ科属名:スーテラ属原産地:南アフリカ分類:宿根草(多年草) バコパはオオバコ科ステラ属、季節を問わず葉が緑のままである常緑性多年草です。原産地は南アフリカ。暑さや湿度が苦手ですが、密集して葉が繁るので、風通しや鉢の湿度管理が大切です。 草丈は10〜30cmとコンパクトで這うように伸びる性質があるので、寄せ植えやハンギングなどでも好んで用いられます。花壇に植える場合は、土をやや高めに盛って、周囲をレンガや木枠で囲んで植える場所が高くなるレイズドベッドがおすすめ。レイズドベッドは通気性に優れており、高さがあるのでバコパの垂れ枝がよく映えます。 開花時期になると、緑の葉の間に小ぶりな花が目立ち、いっそう華やかな姿に。育てやすいこともあり、人気の高い園芸植物です。 バコパの花や葉の特徴 photoPOU/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:1〜6月、9〜12月草丈・樹高:約10〜20cm ※枝垂れさせる場合は30cm以上耐寒性:弱い耐暑性:少し弱い花色:青、紫、ピンク、白、複色 バコパ(ステラ)の花や葉は、小ぶりで丸みを帯びた可愛らしいシルエットが特徴です。花色は白、パステルピンク、パステルブルー、紫、複色など。花径は1cm前後で小さく、5弁花で、一重咲きや八重咲きがあります。八重咲きの品種は夏になると花弁が少なくなり、一重咲きに近い状態になることも。また、品種によっては葉に白い斑が入るものもあります。 バコパの開花期は、3〜7月、9月〜11月上旬。花つきがよく、次々と咲いて長く楽しめるのが特徴です。 楚々として愛らしく主張しすぎないため、寄せ植えなどで他の植物とも調和しやすく、脇役として活躍する花です。 バコパの名前の由来と花言葉 Kabar/Shutterstock.com バコパの名前は、近縁種であるバコパ属が由来です。本来はステラ属なので、ステラとも呼ばれています。 バコパには、可愛らしい小さな花をつけることから「愛らしい」、開花期にたくさんの花が集まるように咲くことから「家族」などの花言葉がつけられました。 また、可憐な姿にもかかわらず、開花期が長く丈夫な植物であることから、「小さな強さ」という花言葉もあります。 バコパの代表的な品種 ‘スノーフレーク’ M. Schuppich/Shutterstock.com バコパは品種改良された園芸品種もいくつか出回っています。ここでは、代表的な品種をご紹介しましょう。 スノーフレーク バコパの園芸品種のうち、最もポピュラーな品種です。花色は白で、草丈は20cm前後。這うように横へ増え広がる性質を持っているので、グラウンドカバーやハンギングバスケットの寄せ植えなどにも利用できます。 グレートピンクリング 基本種よりも花のサイズが大きめで、ピンクの花を咲かせます。花弁の中央にやや濃いピンクがのるのが特徴で、満開時には大変華やかです。草姿が乱れてきた頃に切り戻すと、数週間以内に盛り返して開花し始めます。 ライムバリエガータ 葉にライムイエローの斑がランダムに入る品種で、開花期以外にはカラーリーフプランツとして重宝します。花色は白で、清楚な雰囲気。草丈は10cm前後で、這うように広がります。 バコパの栽培12カ月カレンダー 開花時期:1〜6月、9〜12月植え替え適期:5〜8月肥料:3〜11月植え付け:3〜5月、9〜10月種まき:3〜5月 バコパは春・秋に育ちやすい植物なので、3〜5月および9〜10月が植え付けの適期です。秋から春にかけて花が見ごろになります。 バコパの栽培環境 Yulia_B/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 バコパは、日当たりのよい場所を好みます。屋内・屋外どちらでも育てられますが、いずれも日光が十分に当たる場所がおすすめです。 また、バコパは多湿を嫌います。夏は特に株が蒸れやすいので、置き場所を選ぶ際は風通しにも注意しましょう。茎が柔らかく這うように育つので、釣り鉢やハンギングバスケットなどに植え付けたり、高所に置いたりすることで、垂れ下がった枝にもしっかりと風を通せます。 なお、土壌は、水はけ・水もちのバランスがよく、有機質に富んだふかふかの状態が良いでしょう。 耐寒性・耐暑性 バコパは日光を好む一方で、暑さが弱点です。夏場は、強い日差しを避けられる場所に移動しましょう。1日のうち一定時間だけ日光が差す、半日陰と呼ばれる場所がおすすめです。 バコパは寒さにはある程度強い植物ですが、気温が氷点下まで下がる環境では凍結によって傷んでしまう恐れがあります。冬に寒さが厳しくなる地域では、室内や屋外の日当たりが良い場所など、ある程度寒さをしのげる環境が必要です。 バコパの育て方のポイント 用土 blueeyes/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んでよく耕してください。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 草花用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。 水やり cam3957/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏に水やりする場合は、気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつでもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬は用土が乾きにくくなるので、状態を見ながらやや控えめに与えるようにしましょう。 肥料 New Africa/Shutterstock.com 【地植え】 元肥として緩効性肥料を施してあれば、追肥の必要はありません。株の生育に勢いがない場合は、液肥を与えて様子を見てください。 【鉢植え】 3〜11月頃、月に1度を目安に緩効性化成肥料を少量、株の周囲にまきます。スコップなどで軽く耕し、土に馴染ませておきましょう。開花期間中は、緩効性化成肥料をやめて速効性の肥料を与えるのも一案。開花を促すタイプの液体肥料を、10日に1度を目安に与えて株の勢いを保ちます。 注意すべき病害虫 nechaevkon/Shutterstock.com 【病気】 バコパは病気を発症する心配はほとんどありませんが、まれに炭そ病にかかる場合があります。 炭そ病は、春や秋の長雨の頃に発生しやすくなります。カビが原因で発生する伝染性の病気で、葉に褐色で円形の斑点が現れるのが特徴です。その後、葉に穴があき始め、やがて枯れ込んでいくので、早期に対処することが大切です。斑点の部分に胞子ができ、雨の跳ね返りなどで周囲に蔓延していくので、被害を見つけたらすぐに除去して土ごと処分しておきましょう。密植すると発病しやすくなるので、茂りすぎたら葉を間引いて風通しよく管理してください。水やり時に株全体に水をかけると、泥の跳ね返りをきっかけに発病しやすくなるので、株元の表土を狙って与えるようにしましょう。 【害虫】 バコパに発生しやすい害虫は、アブラムシやコナジラミなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第、こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 コナジラミは、植物の葉裏について吸汁します。体長は1mmほどで大変小さいのですが、白いので目にとまりやすいでしょう。繁殖力が旺盛で、短期間で卵から幼虫、成虫になり、被害が拡大しやすいのが特徴。吸汁によってウイルスを媒介するほか、排泄物にすす病が発生しやすく、二次被害を呼びやすいので要注意。冬は卵やサナギの状態で雑草の中に潜み、春になると周囲に移動して活動を始めるので、雑草や枯れ葉を残さずに処分しておきましょう。大発生した時はスプレータイプの適用薬剤を散布して対処してください。 バコパの詳しい育て方 苗の選び方 バコパは、苗から育てるのが一般的です。流通時期は春〜秋で、園芸店やホームセンターなどで手に入ります。 バコパの苗を選ぶ際は、葉や茎、根の状態に注目しましょう。葉の色が良く、茎がしっかりとしていて、根元から葉が良く茂っている苗がおすすめです。 植え付け・植え替え AlenKadr/Shutterstock.com バコパの植え付け・植え替えの適期は、3〜5月か、9〜10月です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後に、たっぷりと水を与えましょう。複数の苗を植える場合は、20〜40cmの間隔を取ってください。 地植えの場合、環境に合えば植え替える必要はありません。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、6〜7号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。バコパの苗をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢の中に仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。大きな鉢にほかの草花と一緒に植え込んで、寄せ植えを作っても素敵です。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 日常のお手入れ 【摘心】 バコパは、苗が幼いうちに茎の先端を切り取る「摘心」を繰り返すと、よく分枝してこんもりと茂ります。枝葉が増えることで花数も増えるので、ひと手間かけておくことをおすすめします。 【花がら摘み】 バコパは次々に花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 剪定・切り戻し mihalec/Shutterstock.com 6〜9月に草姿が乱れてきたら、その都度切り戻して株の若返りをはかります。草丈の1/2〜1/3の高さを目安に、深めにカットしましょう。すると新芽を出して株が盛り返し、再び開花し始めます。 夏越し・冬越し 【夏越し】 高温多湿を嫌うので、早めに切り戻しをして風通しをよくしておきましょう。地植えで湿気が多く強光線が照りつける環境の場合は、鉢に植え替えて養生させるのも得策です。鉢栽培では、風通しがよく涼しい半日陰などに移動します。 【冬越し】 寒さには強いほうですが、戸外で冬越しできるのは凍結しない暖地のみと捉えるのが無難。霜が降りたり、霜柱ができたりする地域では、鉢に植え替えて凍結しない軒下や、日差しが届きやすい室内などに移動して管理しましょう。 増やし方 Montana Isabella/Shutterstock.com バコパは、種まき、株分け、挿し芽で増やすことが可能です。ここでは、それぞれの方法について詳しくご紹介します。 【種まき】 バコパの種まきの適期は3〜5月で、発芽適温は20〜25℃です。 種まき用のセルトレイに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れ、1穴当たり1〜2粒ずつ播きます。土はかぶせずに、水を張った容器にセルトレイを入れ、底から吸水させます。発芽までは乾燥・過湿にならないように適度な水管理をしてください。発芽後は日当たりがよく、風通しのよい場所で管理します。本葉が2〜3枚出始めたら黒ポットに鉢上げします。さらに育苗して根鉢が充実し、十分に育ったら植えたい場所に定植します。 【株分け】 バコパの株分けの適期は、3〜5月です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りをはかります。株を掘り上げて4〜5芽ずつ付けて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、株が増えていくというわけです。 【挿し芽】 挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し芽ができないものもありますが、バコパは挿し芽で増やせます。 挿し芽の適期は、4〜6月か9〜10月です。新しく伸びた茎葉を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した茎葉(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り取ります。セルトレイを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。根が回ってきたら黒ポットに植え替えて育苗し、十分に育った頃に植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 他の草花と組み合わせやすいバコパを花壇や鉢に咲かせよう Sergey Bezgodov/Shutterstock.com 這うように増え広がる草姿で、流れるような茎葉のラインが美しく、寄せ植えなどで動きを出すアクセントになってくれるバコパ。草姿が乱れても切り戻せば、若返った姿を再び見せてくれるのもいいですね。どんな花とも組み合わせやすいバコパを、ぜひ庭やベランダに取り入れてはいかがでしょうか。
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宿根草・多年草

ラティビダ(メキシカンハット)はユニークな姿の夏の花! 育て方のポイントやおすすめ品種を解説
ラティビダの基本情報 The Jungle Explorer/Shutterstock.com 植物名:ラティビダ学名:Ratibida columnifera英名:upright prairie coneflower、Mexican hat、longhead prairie coneflower和名:ヒメバレンギク(姫馬簾菊)その他の名前:メキシカンハット、ラチビダ、プレーリーコーンフラワーなど科名:キク科属名:ラティビダ属原産地:北アメリカ分類:宿根草(多年草) ラティビダの学名は、Ratibida columnifera(ラティビダ・コルムニフェラ)。メキシカンハットやヒメバレンギク、プレーリーコーンフラワーなどの別名もあります。キク科ラティビダ属の多年草で、原産地は北アメリカ。7種が分布するとされ、草丈は30~90cmで種類や品種によって幅があります。暑さにも寒さにも強く、乾燥した気候を好み、多湿が苦手です。冬には落葉しますが、越年して生育期に入ると再び新芽を出して花を咲かせることを繰り返します。一度植え付ければ毎年開花する、ライフサイクルの長い植物です。 ラティビダの花や葉の特徴 Dan Flake/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:7〜9月草丈:30〜90cm耐寒性:強い耐暑性:強い花色:赤、オレンジ、黄、茶など ラティビダの開花期は、7〜9月。花色は赤、オレンジ、黄、茶など、明るくカラフルな印象で、長く伸びる花心に下から上へ咲き上がる筒状花と、だんだんと垂れ下がる舌状花で構成されるユニークな花姿が特徴です。舌状花が落ちた後も、筒状花は残ります。葉は切り込みの入った細長い形です。 ラティビダの名前の由来や花言葉 Dan Flake/Shutterstock.com ラティビダという名前は、学名のRatibida columniferaから。「Ratibida」は、19世紀に活躍した植物学者・動物学者のConstantine Samuel Rafinesque-Schmaltz(コンスタンティン・サミュエル・ラフィネスク=シュマルツ)により名付けられました。「columnifera」は「円柱状の」という意味で、花心が長く伸びて筒状花が咲く様子を表しています。別名のメキシカンハットは、花姿がメキシコの帽子ソンブレロに似ていることに由来しています。 ラティビダの花言葉は「友情」「親しみ」です。 ラティビダの代表的な種名・品種 ラティビダ・ピナータ。Brian Woolman/Shutterstock.com 国内で流通しているラティビダのいくつかの種類のうち、ポピュラーなものをご紹介します。 ラティビダ・ピナータ 同じラティビダ属の仲間で、開花期は初夏〜秋。花径7cmほどの黄色い花を咲かせます。中央の花心は短めで、最初はグリーンからだんだん茶色へと変化。草丈が高くなるのが特徴で、最大150cmほどに達します。 ラティビダ‘レッドミジェット’ 開花期は夏〜秋で、花心が長めに伸びます。舌状花は個体差があり、黄色×赤の複色もあれば、赤一色になるケースもあるようです。交配された園芸品種で、草丈が30〜45cmとコンパクトにまとまり、扱いやすいのが特徴です。 ラティビダの栽培12カ月カレンダー 開花時期:7〜9月植え付け・植え替え:4〜6月、10月頃肥料:3月、10月(地植えはほとんど不要)種まき:4〜5月、9月下旬〜10月 ラティビダの栽培環境 Kit Leong/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みます。半日陰でも生育しますが、極端に日照が不足すると花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロとしたか弱い茎葉ばかりが茂って草姿が間のびしたりするので注意しましょう。地植えの場合は、西日が強く当たる場所は避けます。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】水はけがよく、腐植質に富んだふかふかの土を好みます。酸性に傾いた状態を嫌うので、苦土石灰をまいて土壌改良しておくとよいでしょう。多肥は好まず、やせ地でもよく育ちます。 耐寒性・耐暑性 耐寒性はマイナス15℃程度まであり、暑さや寒さに強いため、一年を通して屋外で栽培できます。 ラティビダの育て方のポイント 用土 blueeyes/Shutterstock.com 【地植え】 植え付ける1〜2週間前に、酸性土壌を改善するために苦土石灰をまき、さらに腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入し、よく耕してふかふかの土をつくっておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根の生育がよくなります。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。 水やり wavebreakmedia/Shutterstock.com 高温多湿を嫌うため、やや乾燥気味に管理します。水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えましょう。 真夏は、気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。反対に、真冬は気温が十分に上がった日中に行います。夕方に水やりすると凍結の原因になるので避けてください。 【地植え】 根付いた後は、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまうので注意。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 肥料 Singkham/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの際に元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。基本的に追肥は不要ですが、株に勢いがなかったり花つきが悪い場合は、緩効性肥料を与えて様子を見ましょう。 【鉢植え】 植え付けの際に元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。3月と10月に緩効性肥料を株元にばらまき、土に馴染ませます。 注意する病害虫 Catherine Eckert/Shutterstock.com 【病気】 病気の心配はほとんどありません。 【害虫】 発生しやすい害虫は、ハダニです。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。 ラティビダの詳しい育て方 苗の選び方 苗を購入する際は、節間が短く茎ががっしりと締まって勢いのあるものを選びましょう。 植え付け・植え替え Nataly Studio/Shutterstock.com 植え付けの適期は4〜6月か10月頃です。直根性なので、植え付けの際はあまり根をいじらないように注意しましょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗を植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、約30cmの間隔を取っておきましょう。あまり密に植え付けると、風通しが悪くなって株が蒸れることがあるので、余裕を持たせておくほうが無難です。植え付けた後は、たっぷりと水やりをしておきましょう。 環境に合えば植え替えの必要はなく、そのまま植えっぱなしにしてかまいません。 【鉢植え】 鉢の大きさは、入手した苗よりも2〜3回り大きい鉢を準備します。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れます。苗を鉢に仮置きし、高さを決めたら植え付けます。その際、苗の根が白く回っているようなら、軽く根鉢をくずしてから植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取っておきます。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していき、最後に鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して軽く根鉢をくずし、古い土や根を落として新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備して植え替えてください。 日常のお手入れ RapunzielStock/Shutterstock.com 【花がら摘み】 次々に花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫の抑制につながります。また、いつまでも花がらを残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 【切り戻し】 開花が終わった後、草姿が乱れていたら切り戻します。地際から草丈の半分〜1/3の高さを目安に、深めにカットしましょう。 夏越し Jerrold James Griffith/Shutterstock.com 【地植え】 長雨に当たると蒸れることがあるので、梅雨前に株が込み合っているようであれば、茎葉を間引くように切り取り、風通しをよくしておきましょう。 【鉢植え】 梅雨前に雨の当たらない軒下などへ移動して蒸れないようにしておきます。梅雨が明けたら置きたい場所へ移動します。 冬越し David G Hayes/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 寒さには強く、マイナス15℃くらいまで耐えるので、戸外で越冬できます。 増やし方 Montana Isabella/Shutterstock.com 種まきと株分けで増やすことができます。ここでは、それぞれの方法について解説します。 【種まき】 種まきの適期は4〜5月か、9月下旬〜10月で、発芽適温は20〜30℃です。種まきから栽培する場合、花壇などに直まきすると、幼苗のうちに病気や虫の害にあいやすく、天候不順にも左右されやすいので、種まき用のセルトレイに播いて適した場所で管理すると、より確実です。 セルトレイを使う場合は、市販の種まき用の培養土をトレイに入れて種子を播き、覆土はごく薄くしてください。種が流れ出すことのないように、水やりは水を浅く張った容器にトレイを入れ、底から給水します。発芽までは乾燥させないように水の管理をしましょう。 発芽したら日の当たる場所で管理し、苗が込み合っている部分があれば抜き取って間引きましょう。もったいないからといって密になったままにしておくと、ヒョロヒョロと間のびした徒長苗になってしまうので、注意。 本葉が3〜4枚ついたら、トレイから抜いて鉢上げします。黒ポットに草花用の培養土を入れて、根を傷つけないように苗を周りの土ごと抜き取って植え付けます。日当たりのよい場所に置き、表土が乾いたら水やりして育成します。ポットに根が少し回るくらいまでを目安に育苗し、幼苗のうちに植えたい場所に定植します。 【株分け】 株分けの適期は、4月頃です。 株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りをはかります。株を掘り上げて根を半分ほどに切り分け、再び植え直しましょう。それぞれの株が再び大きく成長し、同じ姿の株が増えていくというわけです。 ラティビダはドライフラワーにもなる JohnatAPW/Shutterstock.com ラティビダは、開花すると舌状花がだんだんうなだれて垂れ下がるようになり、中央の筒状花が上へ咲き上がっていきます。やがて舌状花が花弁を落とし、花心のみが残った頃に摘み取って、ドライフラワーにしましょう。採取した茎をいくつか束ねて麻ひもなどで縛り、直射日光の当たらない風通しのよい場所で逆さに吊して乾燥させます。1〜2週間ほどしたら、インテリアなどに飾って楽しみましょう。 ラティビダのユニークな花を楽しもう S.A. Sebastian Gnolfo/Shutterstock.com 暑さにも寒さにも強いラティビダは、乾燥ぎみに管理するのが栽培のポイント。花茎を伸ばした先にメキシコ風麦わら帽子のような花を咲かせる姿はユニークで、アイキャッチにもなります。花が終わった後、枯れていく姿も趣があり、秋の庭のアクセントとしても楽しまれています。ぜひ庭やベランダに取り入れて、ナチュラルな咲き姿を愛でてください。
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樹木

アオダモ(コバノトネリコ)はシンボルツリーに人気の庭木! 特徴や育て方、メリット・デメリットは?
アオダモの基本情報 植物名:アオダモ学名:Fraxinus lanuginosa英名:Fraxinus lanuginosa和名:アオダモ(青梻)その他の名前:コバノトネリコ、アオタゴ科名:モクセイ科属名:トネリコ属原産地:日本、朝鮮半島など形態:落葉高木 アオダモは、モクセイ科トネリコ属の落葉高木です。原産地は日本、朝鮮半島など。北海道から九州までの山地で自生してきた雑木で、日本の暑さや寒さに強い性質です。 アオダモは自然樹形で10〜15mに達し、高木に分類されています。「そんなに大きくなるんだったら、持て余してしまいそう」と、ガーデンに取り入れることにためらいを感じるかもしれませんが、これはあくまで自然の状態で、例えば山野で育った場合の最終樹高です。毎年、冬の休眠期に適切な剪定を行えば、好みの高さに抑えることができるので、ご心配なく。自然樹形が美しく、庭にナチュラルな雰囲気をもたらす、人気の高い庭木です。 アオダモの花や葉の特徴 園芸分類:庭木・花木開花時期:4〜5月樹高:10〜15m耐寒性:強い耐暑性:強い花色:白 アオダモは、4〜5月に花を咲かせます。花色は、清楚なピュアホワイト、またはやや黄色味を感じるアイボリーです。一つひとつの花は5〜6mmと小さいのですが、花穂を伸ばして多数の花をつけ、それが木全体を覆うように咲き誇るので、満開の時にはみずみずしいグリーンの葉全体に雪をまとったような姿となり、とても見ごたえがあります。 アオダモの名前の由来や花言葉 アオダモの「アオ」は、一説には枝を切って水に入れておくと、エスクリンなどの成分が溶けだし、水が青みを帯びた色になることに由来するとされています。ほかに、雨上がりに樹皮が緑青色になることや、青墨を作るために利用されたことからという説もあります。 アオダモの花言葉は、一般に「未来への憧れ」、「幸福な日々」と言われています。由来は明白ではありませんが、シンボルツリーとして取り入れるのにぴったりな花言葉です。 アオダモの樹形、株の特徴 株立ち・一本立ち(単幹)とは? 【株立ち】 根元から複数の幹が生えている樹姿のこと。複数の幹に栄養が分散されるため、比較的幹が細く繊細で優しい雰囲気になります。1株で雑木林のような雰囲気を出せるのも特徴です。 【一本立ち(単幹)】 幹が1本の樹姿のこと。1本の幹に栄養が集約されるため、太くしっかりとした幹になり、堂々とした雰囲気が出ます。 庭に樹木を取り入れる際は、育てる環境やどのような雰囲気を演出したいかなど、それぞれの樹形がもつ特性を理解して選択することが大切です。 アオダモは株立ちの樹形が多い 一般に広く販売されているアオダモの苗はほとんどが株立ちの樹形ですが、一本立ち(単幹)のアオダモも存在します。アオダモは自然樹形が美しいことが魅力の一つですが、縞模様の木肌がさらに雑木らしさを感じられ、ナチュラルな雰囲気を演出してくれます。 アオダモの木は木製バットの材料として利用されている アオダモの材木は、硬く丈夫で、弾力性に優れているなどの特徴があり、曲げ木にも適しています。これらの特性により、古くから野球の木製バットやテニスラケットの木材などの用途で利用されてきました。 アオダモの仲間 アオダモが属するモクセイ科トネリコ属には以下の樹木があります。 ヤマトアオダモ アオダモは白またはアイボリーの花弁をつけるのに比べ、ヤマトアオダモには花弁がありません。オオトネリコとも呼ばれます。 マルバアオダモ マルバアオダモはアオダモによく似た白い花が咲きます。葉っぱは鮮緑色で、葉脈上にわずかに毛がある点がアオダモとの違いです。 ミヤマアオダモ 本州、四国に分布するミヤマアオダモは、アオダモによく似ていますが、葉っぱの縁に鋭い鋸歯があるのが特徴です。 シマトネリコ ツヤのある美しい葉をつける、トネリコ属では数少ない常緑樹で、シンボルツリーとして人気です。 アオダモと名前が似ているアオハダとは? アオハダ。 樹形や名前が似ていることから混同されやすいアオダモとアオハダ。アオハダはモチノキ科モチノキ属の樹木で、アオダモと同様に雑木風の庭づくりに人気です。「アオハダ」という名の通り木肌は青みがかっており、小さく丸みを帯びた葉や、淡い緑色の丸い花びらなどの特徴から、アオダモと見分けがつけられます。 アオダモが庭木として人気のある理由 アオダモは、その家の顔となるような存在感を発揮する、シンボルツリーとして選ばれることが多い樹木です。どうしてそれほどの人気があるのか、ここではアオダモの庭木としての魅力について紐解いていきます。 どんな住宅でも合わせられる Photo/3and garden アオダモは、比較的樹高が高くなり、樹形が自然に美しく整う姿が魅力です。背丈が高くならない低木や、刈り込んで形を整えることで生け垣として魅力を発揮する樹種とは異なり、1本植えるだけで庭の主役となる風格を持っています。明るくグレーがかった幹肌はなめらかで優しく、黒肌でゴツゴツとした幹を持つ樹種のような荒々しさはありません。自然に枝を四方にバランスよく伸ばし、明るいグリーンの葉は薄くて軽やかな質感。穏やかな風にもサラサラと葉を揺らし、癒やしのひとときをもたらしてくれます。もともと日本の山野に自生する樹木なので、庭に取り入れると「フォレストガーデン」のようなナチュラルな景観づくりに一役買ってくれます。また、建物や庭のスタイルを問わず、和洋、どんな外観にもしっとりと馴染んでくれる一面も持っています。 成長速度が遅く初心者でも育てやすい アオダモは、自然樹高が10〜15mになると前述しましたが、一気に成木となるわけではありません。比較的生育スピードが遅く、ゆっくりと成長していくので、庭木の中でも管理がしやすい樹種の一つです。また、昔から日本に自生している植物なので環境に適合し、病害虫にも強いので、ガーデニングのビギナーにもおすすめです。 適した剪定を行えば高さを抑えることができる 落葉期に適した剪定を行えば、大きくなりすぎることもなく、「切っても切っても枝が繁茂して樹形が乱れるので管理が面倒、ゴミ出しも大変」ということにはならないでしょう。 落葉樹のため四季を通してさまざまな表情を見せてくれる アオダモは落葉樹のため、四季を通してさまざまな表情を見せてくれるのも魅力。すっかり葉を落として冬枯れた景色の中でも、枝をよく見ると冬芽がついていて、暖かくなるにつれ、だんだんと大きくなっていきます。3月頃にはその葉芽から新緑が吹き出し、たくましい生命力に感動せずにはいられません。初夏には白い花が雪をかぶったように株全体に咲いて、一番の見頃に。夏にはたっぷりとした緑陰が涼風を呼び込んでくれます。秋になると実をつけ、冬前には落葉。このように一年を通して姿を変えて、「またこの季節がやってきた」と四季の移ろいを強く感じさせてくれる樹木です。 冬は美しい樹形を生かしてライトアップを楽しむのも 落葉する冬の季節は、樹木の影を住宅の壁面に浮かび上がらせるシャドーライティングという手法でおしゃれなライトアップ演出をするのもおすすめです。また、樹形を生かして幹や枝に巻き付けるイルミネーションも、落葉樹ならではの楽しみです。 アオダモの苗はどこで販売されている? アオダモの苗木は、園芸店やホームセンター、ネット通販などで広く販売されています。 アオダモの栽培12カ月カレンダー 開花時期:4〜5月植え付け・植え替え:12月または3月頃肥料:2月 アオダモの栽培環境 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日向〜半日陰を好むので、風通しがよく、西日が照りつけない場所を選びます。西日が強く当たる環境だと、葉焼けを起こす場合があります。 【日当たり/屋内】一年を通じて屋外で管理します。 【置き場所】水はけ、水もちがよく腐植質に富んだ肥沃な土壌に植え付けます。 耐寒性・耐暑性 耐暑性・耐寒性に非常に優れており、-20℃ほどの気温までなら問題なく冬を越せます。 アオダモの育て方のポイント 用土・植える場所 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、直径、深さともに50cm程度の穴を掘りましょう。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきます。粘土質や砂質、水はけの悪い土壌であれば、腐葉土や堆肥を多めに入れるとよいでしょう。肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 樹木用にブレンドされた培養土を利用すると手軽です。赤玉土(小粒)7、腐葉土3の割合でよく混ぜ、配合土を作ってもよいでしょう。 水やり Afanasiev Andrii/Shutterstock.com 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをします。根付いた後は、下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、真夏に晴天が続いて乾燥しすぎる場合は水やりをして補いましょう。真夏は昼間に水やりするとすぐにお湯状になり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチすることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。真夏は気温が上がっている昼間に水やりするとすぐにお湯状になり、株が弱ってしまうので、朝夕の涼しい時間帯に行うことが大切です。一方、冬は休眠し表土も乾きにくくなるので、控えめに与えるとよいでしょう。与えた水が凍らないよう、気温が十分に上がった日中に行います。 肥料 Criniger kolio/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 2月頃に緩効性化成肥料を与え、土によくなじませましょう。生育期を迎える前に肥料を与えることで、新芽を出すエネルギーとなり、旺盛に枝葉を広げることにつながります。 注意する病害虫 feathercollector/Shutterstock.com 【病気】 アオダモは、ほとんど病気が発生しない丈夫な庭木の一つですが、幼木の時期には褐斑病(かっぱんびょう)が発生することがあります。葉に茶色の斑点ができ、だんだん大きくなって全体に広がっていき、やがて葉を落とします。病状が木全体に広がると、ほぼ落葉してしまい、樹勢が弱まるので注意しましょう。 5〜10月に見られる病気ですが、特に梅雨頃に多く発症するようです。アオダモは冬になると落葉しますが、その落ち葉に菌が潜んで越冬します。 発症が見られた場合は、落葉したすべての葉を掃き取って処分しましょう。また、新芽が出る頃に木全体と周辺の土壌に、適応する薬剤を散布して防除します。 木が大きく育って樹勢が強まると、病気を寄せつけにくくなります。 【害虫】 アオダモにはほとんど害虫の被害は出ませんが、テッポウムシが現れることがあります。テッポウムシは、カミキリムシの幼虫です。成虫が幹などに産卵し、幼虫が木の内部を1〜2年にわたって食害するため、徐々に樹勢が弱り、枯死することも。木の周囲にオガクズが落ちていたら、内部にテッポウムシがいることが疑われます。見つけ次第、侵入したと見られる穴に適応する薬剤を注入して駆除しましょう。 アオダモの詳しい育て方 選び方 一般に販売されているアオダモの苗木は、価格に幅があります。幼く小さい苗の場合は、1,000円前後で購入できます。地際から数本の幹を立ち上げる株立ちに仕立てた苗木では一気に値段が上がって、1万円以上になります。樹齢が長い苗木になるほど値段が上がるのは当然ですよね。また雑木の庭のシンボルツリーにする目的で、山に自生して自然にダイナミックな樹形を作り上げているアオダモを「山採り」して購入する場合は、大変高価になります。 幼い苗を植え、自身の手で樹形を作り上げていくか、コストはかかっても最初から樹冠を大きく広げた美しい成木を手に入れて、手っ取り早く雑木の庭のシンボルツリーにするか。それぞれご家庭の目的に応じて選ぶとよいでしょう。 植え付け SujaImages/Shutterstock.com アオダモの植え付け適期は、落葉後の休眠期で、厳寒期を除いた12月または3月頃です。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。しっかりと根づくまでは支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぐとよいでしょう。最後にたっぷりと水を与えます。 【鉢植え】 鉢の大きさは、8〜10号鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから樹木用の培養土を半分くらいまで入れます。苗木をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておきます。土が鉢内まで行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。しっかりと根付くまでは、支柱を立てて誘引しておくとよいでしょう。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えます。一年を通して日当たり、風通しのよい場所に置いて管理しましょう。 種まき 秋まきの場合は10月頃、春まきの場合は5月上旬頃に播きます。 剪定・切り戻し mihalec/Shutterstock.com アオダモの剪定適期は、休眠中の12〜2月です。 自然樹形を楽しむ庭木なので、込み合っている部分を切り取って風通しをよくする「すかし剪定」を基本にします。地際から立ち上がっている「ひこばえ」は元から切り取りましょう。木の内側に向かって伸びている「逆さ枝」、垂直に立ち上がっている「立ち枝」、勢いよく伸びすぎている「徒長枝」も元から切り取ります。 植え替え・鉢替え 鉢植えで楽しむ場合は、成長とともに根詰まりしてくるので、2〜3年に1度は植え替えることが大切です。 増やし方(種まき、挿し木) アオダモはタネを播くか、挿し木から増やすことができます。タネから増やす場合は、9月上旬から10月に採取したタネを10月から11月上旬頃までに播きます。挿し木で増やす場合は、剪定した枝を挿し穂にして増やすことができます。 夏越し アオダモは耐暑性に優れているため、特別な対処は必要ありません。 冬越し アオダモは耐寒性に優れているため、特別な対処は必要ありません。 アオダモを植えると後悔する? 庭に取り入れる際のデメリットや知っておきたいこと bluebullet/Shutterstock.com アオダモを植栽する前に知っておきたい、栽培するうえでのデメリットや管理のポイントなどをピックアップしました。「知らなかった!」と後悔しないために、ぜひ参考にしてください。 放置すると巨木になる アオダモは、自然樹形で10〜15mに達する高木です。毎年、落葉期に適した剪定をすれば樹高を抑えることができますが、手入れをせずに放任すると大木に育って、「気づいたら手に負えなくなっていた」というケースもあります。枝葉を大きく広げるので日当たりが悪くなり、アオダモの株元には植物が育たなくなってしまった、という残念な結果にも。個人邸で地植えにする場合は、シンボルツリーにするとしても、3〜4mまでに樹高を抑えたほうがよいでしょう。大きく育ってきたら、造園業者などに剪定を依頼するのも一案です。 目隠しになる? 常緑樹のシマトネリコ。 庭木を取り入れるメリットに、隣家や道路からの視線を遮る目隠しの効果があります。株立ちのアオダモであれば、軽やかな印象の目隠しとして役立つ一方で、冬には葉が落ちるため、視線が気になるという可能性もあります。その場合は、アオダモによく似た常緑樹であるシマトネリコを選ぶのもよいでしょう。 スペースが必要 アオダモは自然に樹形が整うので、大きく育ててシンボルツリーとすることでその魅力を発揮できます。そのため、ある程度枝葉を伸ばしても邪魔にならないような広いスペースを確保しておきましょう。建物やカーポートなどに近い場所に植えると、大きく育った枝が軒下などにつかえて切らざるを得なくなり、のびのびと枝葉を広げた樹形の美しさを観賞できない、というケースもあるようです。 あらゆるスタイルの庭・外構に馴染む! アオダモを育ててみよう アオダモは自然樹形が美しい落葉樹で、みずみずしい新緑から白くふんわりとした花、赤い実に紅葉と、一年を通して表情が変化していくのが最大の魅力です。環境に馴染みやすく生育スピードは緩やかで、メンテナンスの手間が比較的少ないのもいいですね。ぜひシンボルツリーとして、庭に取り入れてはいかがでしょうか。
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宿根草・多年草

クワズイモ(アロカシア・オドラ)は素敵なグリーンインテリア! 元気に育てるポイントを解説
クワズイモの基本情報 Prawit Ritchalearnwatthu/Shutterstock.com 植物名:クワズイモ学名:Alocasia odora英名:Giant elephant's ear、night-scented lily、Asian taro和名:クワズイモ(食わず芋)その他の名前:アロカシア、アロカシア・オドラ、出世芋科名:サトイモ科属名:アロカシア属原産地:熱帯アジア分類:多年草 クワズイモの学名はAlocasia odora(アロカシア・オドラ)。サトイモ科アロカシア属の常緑性多年草です。原産地は主に東南アジアで、草丈は2mほど。熱帯地域のジャングル内に自生することが多く、半日陰の環境を好みます。したがって、真夏に強い日差しを浴びると、葉焼けすることがあるので注意。太くて細長い根茎が地上部まで立ち上がり、そこから大きな葉を何本も広げる姿はダイナミックで、インテリアグリーンとしても人気があります。アロカシア属に分類されているため、アロカシアという名前で流通することもあるようです。 クワズイモの葉や花の特徴 Predrag Lukic/Shutterstock.com 園芸分類:観葉植物開花時期:6〜8月草丈:10〜200cm耐寒性:やや弱い耐暑性:強い花色:白 クワズイモの葉は、大きくなると60cmほどにもなります。根茎から茎が数本立ち上がり、四方に艶やかなハート形の葉を広げる美しいフォルムが魅力です。 開花期は6〜8月ですが、株が十分に成熟していないと咲かないようです。白い仏炎苞と呼ばれる花弁に似た苞の中に、棒状の花穂が立ち上がって甘い香りを漂わせます。 クワズイモの名前の由来や花言葉 Yurich/Shutterstock.com クワズイモは、里芋に似ているものの、食用にできないことが名前の由来です。成長が早いために「出世芋」と呼ばれることもあります。 クワズイモの花言葉は「仲直り」「復縁」など。葉がハート形をしていることが理由のようです。 クワズイモの葉。wacharagorn worasit/Shutterstock.com クワズイモの近縁の仲間 クワズイモが属するアロカシア属の植物には、クワズイモのほかにも観葉植物として流通しているものがあります。代表的な品種をいくつかご紹介しましょう シマクワズイモ lovelypeace/Shutterstock.com シマクワズイモ(Alocasia cucullata)はヒメクワズイモとも呼ばれ、ほかの近縁種と比較して葉が小ぶりで株もコンパクトなので、お部屋の狭いスペースでも育てやすい種類です。耐陰性が高いため、シェードガーデンのグラウンドカバーにも利用されます。 インドクワズイモ julie deshaies/Shutterstock.com インドクワズイモ(Alocasia macrorrhiza)はクワズイモとよく似ていて、同じようにインドアグリーンに利用されますが、耐寒性は普通のクワズイモよりもやや弱いとされています。 アロカシア・ポリー aappp/Shutterstock.com 葉につやつやと強い光沢があるアロカシア・ポリー(Alocasia × amazonica ‘polly’)は、アロカシア・アマゾニカの園芸品種で、濃い緑色にくっきりと白い葉脈が浮かぶ葉が印象的です。アロカシアの中でも流通が多く、ほかのアマゾニカ同様、細長くシャープな葉は縁部分に波打つように凹凸があります。 アロカシア・ゼブリナ Chatchai Somwat/Shutterstock.com アロカシア・ゼブリナ(Alocasia zebrina)の特徴は、葉柄の色。名前のとおり、シマウマのように暗褐色の縞模様が入ります。細長くシャープな葉もスタイリッシュで、インテリアプランツとして人気があります。 アロカシア・ブラックベルベット Zulfa Abdullah/Shutterstock.com アロカシア・ブラックベルベットは流通名で、学名はアロカシア・レギヌラ(Alocasia reginula)。その名のとおりベルベットのような質感の葉は、黒に近い濃い緑色で、葉脈部の白色と鮮やかなコントラストを描きます。コンパクトに成長する種類です。 斑入り品種 joojoob27/Shutterstock.com アロカシアには斑入りの品種もあり、大きな葉にさまざまな斑が入る様子はモダンな雰囲気で人気があります。斑の色や入り方は個性があり、バリエーション豊かです。 クワズイモは毒性に注意 Wirestock Creators/Shutterstock.com クワズイモには、シュウ酸カルシウムが含まれており、誤食すると食中毒を引き起こすので注意しましょう。特に幼児やペットのいる家庭では、インテリアグリーンとして飾った際に誤って口に入れることのないように、置き場所に配慮してください。また、切り口から出る液も、触れるとかぶれることが多いので、手入れをする際はゴム手袋を装着しておくとよいでしょう。 クワズイモの栽培12カ月カレンダー 開花時期:6〜8月植え付け・植え替え:5月中旬〜9月肥料:5〜10月 クワズイモの栽培環境 virgo1957/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】クワズイモは観葉植物として人気がありますが、地植えにしても育てられます。強い直射日光を浴びると葉焼けするため、半日陰で育てましょう。鉢植えの場合は半日陰で雨の当たらない場所に置き、冬は室内に取り込んで冬越しさせます。 【日当たり/屋内】インテリアの観葉植物として飾る場合、室内の日当たりのよい場所に置きます。真夏は葉焼けを防ぐために、直射日光を避け、レースのカーテン越しの光を当てるとよいでしょう。 【置き場所】水はけ・水もちのよい環境を好みます。暑さに強い反面寒さには弱く、関東以南の太平洋側など、温暖な地域ではバークチップなどでマルチングをすれば越冬も可能ですが、寒い地域では鉢に植え替えて、凍結しない場所で越冬させましょう。 耐寒性・耐暑性 クワズイモの耐寒温度は5℃くらいまで。必要に応じてマルチングや室内での管理など寒さ対策を行います。暑さには強いですが、強い日差しには弱いため注意しましょう。 クワズイモの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、30〜40cmの穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、再び埋め戻しておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 観葉植物用にブレンドされた、園芸用培養土を利用すると便利です。 水やり wavebreakmedia/Shutterstock.com 株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏は、気温の高い昼間に与えると、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になることがあるので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根づいた後は、下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、晴天が続いて過度に乾燥している場合は、水やりをして補いましょう。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメとした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面がしっかり乾いてから、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。受け皿にたまった水は、こまめに捨てましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。乾燥する時期は、霧吹きで葉に水をかけると、ハダニの予防になります。 施肥 New Africa/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 生育期の5〜10月は、2〜3カ月に1度を目安に、緩効性化成肥料を株の周りにばらまき、スコップなどで軽く耕して土になじませます。 注意する病害虫 Tomasz Klejdysz/Shutterstock.com 【病気】 クワズイモに発生しやすい病気は、うどんこ病、灰色かび病、軟腐病などです。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉や新梢などに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放置するとどんどん広がって光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。チッ素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 灰色かび病は葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境下で発生しやすく、ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合っていたり、枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。 軟腐病は土壌中の細菌による病気で、植物の傷口から病原菌が入り込むことによって発症します。地際部などが変色して軟らかくなり、腐って悪臭を放ちます。進行すると地上部がしおれ、地際も溶けたようになり、枯れてしまいます。発病した株は周囲に広がらないよう抜き取って処分しましょう。発生初期の段階であれば、腐った部分をすべて取り除き、新しい清潔な用土に植え替えることで復活も見込めます。菌が繁殖しやすい梅雨から秋の高温多湿な時期に発生しやすいので、水はけのよい環境にし、植え付けや強風によって植物を傷つけないよう注意しましょう。また、前年に発生した場所では同じ植物を栽培しないほうが無難です。 【害虫】 クワズイモに発生しやすい害虫は、ハダニ、アザミウマなどです。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。 アザミウマは花や葉について吸汁する害虫で、スリップスという別名を持っています。体長は1〜2mmと大変小さく、緑や茶色、黒い姿をした昆虫です。群生して植物を弱らせるので注意しましょう。針のような器官を葉などに差し込んで吸汁する際にウイルスを媒介するので、二次被害が発生することもあります。被害が進んだ花や葉は傷がついてかすり状になるので、よく観察してみてください。花がらや枯れ葉、雑草などに潜みやすいので、株まわりを清潔に保っておきます。土に混ぜるタイプの粒剤を利用して防除してもよいでしょう。 クワズイモの詳しい育て方 苗の選び方 葉に張りや艶があってみずみずしく、根や茎がしっかりしているもの、キズや病害虫の痕がないものを選ぶとよいでしょう。 植え付け・植え替え laenon/Shutterstock.com 植え付け適期は、5月中旬〜9月です。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも1回り大きな穴を掘り、根鉢をくずさずに植え付けます。最後に、たっぷりと水を与えます。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、入手した苗よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用培養土を半分くらいまで入れます。苗の根鉢をくずさずに鉢に仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から水が流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。 日常のお手入れ Flystock/Shutterstock.com 【枯れ葉の整理】 枯れている葉があれば、基部で切り取ります。切り口から傷んでくることがないように、殺菌剤を塗布しておくと安心です。切り口から出る樹液に触れるとかぶれることがあるので、ゴム手袋などをはめて作業してください。また、枯れた葉が株の周りに落ちているようなら、拾って処分しましょう。株まわりを清潔に保つことで、病害虫の予防につながります。 冬越し rangtheclick/Shutterstock.com クワズイモは寒さに弱い性質があります。庭に地植えした場合は、越冬できる暖地ではバークチップなどで株元にマルチングをして寒さ対策をしておきます。寒い地域では、鉢に植え替え、暖かい室内で越冬させます。鉢植えにして戸外に置いている場合も、暖かい室内に取り込みましょう。室内に置く際は、窓にごく近い場所では夜に冷気が伝わりやすいので、少し離れた場所に置くようにします。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com 挿し芽、株分けで増やすことができます。ここでは、それぞれの方法について解説します。 【挿し芽】 挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと、発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し芽ができないものもありますが、クワズイモは挿し芽で増やせます。 挿し芽の適期は、5月中旬〜6月です。棒状に伸びて地上に立ち上がっている根茎を地際あたりで切り取ります。採取した茎葉(挿し穂)は、葉を切り取り、半日ほど日陰に置いて、切り口を乾かします。黒ポットに新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて管理します。株として十分に育ったら、植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 【株分け】 株分けの適期は、5月中旬〜6月です。最初の植え付けから数年が経ち、株が大きく育っていたら、株分けすることができます。新しくできた子株があれば切り分けて、それぞれに鉢を用意して植え直します。 クワズイモは水耕栽培も可能 KPG-Payless/Shutterstock.com クワズイモは、ハイドロボールなどを使っての水耕栽培でも育てることができます。ここでは、揃えておきたい材料や、管理のポイントなどについてご紹介します。 用意するもの まず、クワズイモの苗、水耕栽培する容器、ハイドロボール、根腐れ防止剤を準備します。そのほか、清潔なハサミや水を入れたバケツも用意してください。クワズイモは株が大きく成長するので、大きめで深さのある容器を選ぶようにしましょう。 手順 苗をポットから出して根鉢の土を落とし、水を入れたバケツの中で根を洗います。古い根や邪魔な根があれば切り落としてもかまいません。 容器の底に根腐れ防止剤を入れ、ハイドロボールを少し入れて苗を仮置きします。苗が器とちょうどよいバランスになるように、高さを調整しながらハイドロボールを入れていきましょう。最後に、ハイドロボールに水を注ぎます。水の量は容器の1/4程度を目安にし、ハイドロボールが浸るほど水を多く入れすぎないように注意してください。 育て方のポイント ハイドロボールに植え付けたあとは、半日陰の場所に置いて管理します。水がなくなったら適宜水やりをしますが、水は入れすぎないようにするのがポイントです。肥料はハイドロカルチャー専用のものを使いましょう。 クワズイモ栽培のトラブルと対処法 KPG-Payless/Shutterstock.com クワイズイモの栽培では、思わぬトラブルが発生することがあります。ここでは、発生しやすい症状と対処法についてご紹介します。 根腐れ 水やりの頻度が多すぎると、根腐れして株が弱ることがあります。放っておくと根が呼吸できなくなり、ひどくなると枯死してしまうので注意。その兆候として見られるのは、土がなかなか乾かない、葉が変色する、葉が枯れる、茎や根茎を押すとやわらかくなっている、土に臭いやカビが発生する、などです。 根腐れの症状が起きている場合は、掘り上げて傷んだ根や塊根を切り取り、新しい培養土を使って植え直します。あまりに症状が進んでいるようであれば、挿し芽をして更新してみましょう。 葉焼け 半日陰を好むクワズイモは、強い直射日光に晒されると葉焼けしてしまいます。葉の色が抜けて白くなったり、茶色く枯れ込んだりするので、観賞価値が著しく下がってしまうので注意。真夏は特に、直射日光が当たらない場所で管理することが大切です。 クワズイモを素敵なグリーンインテリアとして楽しもう Foto by KKK/Shutterstock.com みずみずしいグリーンの葉を四方に伸ばすクワズイモは、オープンな広いリビングなどに置くと見栄えがします。ダイナミックなフォルムのクワズイモを、インテリアプランツとして迎え入れてはいかがでしょうか。





















