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今年マストバイ! プロトリーフセレクションズ激推しの多肉レアプランツ7選|多肉植物狂いVol.8

今年マストバイ! プロトリーフセレクションズ激推しの多肉レアプランツ7選|多肉植物狂いVol.8

珍奇な種類の多い多肉植物の中でも、入手が困難なレアプランツ。今回は見る目が確かなプロのバイヤー「プロトリーフセレクションズ」によって集められた美株7品種を一挙ご紹介。お値段はちょっとお高めですが、一度手に入れれば一生モノのお宝の数々。もちろん見るのはタダ! 多肉植物好きの好奇心を掻き立てる“選ばれし逸品”の世界をのぞいてみましょう!

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多肉レアプランツとは

万物想
冬型コーデックスの人気品種、チレコドン・レティキュラータス’万物想’

多肉レアプランツとは、その名の示す通り、入手が困難で希少価値の高い多肉植物のことを指します。

パキポディウムやチレコドンなどのコーデックス(塊根植物)や、サボテンではコピアポア属などが知られていますが、そのどれもが自然界での生育条件が限られているか、人間の手が届かないような場所に生息していることが多く、入手は容易ではありません。
また販売経路が特殊なこともあり、取り扱っているのは大手園芸店か、特定のナーセリー(生産者)と取り引きのある園芸店に限られます。

多肉レアプランツには、美しい花を咲かせるものや、不思議な形状をしたものなど、多様な種類があります。その希少性ゆえに、コレクターたちの間では高い注目を集めており、アイテムによっては目を疑うような額で取り引きされることがあります。

ウィンゾリーの花
パキポディウム属の中でも特に希少性の高いウィンゾリーはハイビスカスのような真っ赤な花を咲かせる。 Pix:Cacti and Things

お財布との相談はもちろん、その前に必ず確認したいのは、その多肉レアプランツの出自です。多肉レアプランツは多くが絶滅危惧か、あるいは準危惧種に指定されているため、自生地で山取りされた株(自生しているものを根こそぎ採取した株)を不正な手段で入手することは犯罪になります。そのため、合法的な手段で入手することが重要であり、購入者自身も信頼のおける園芸店を見極めることが求められます。

また、自生地で適切な管理が行われなければ、これらの希少な多肉植物が絶滅の危機に直面することもあります。実際にいくつかの品種は国際機関(CITES)により絶滅危惧種の指定をされており、国をまたいだ取り引きが禁じられています。

輸入株と実生株

多肉レアプランツには、輸入株(現地球)と実生株(輸入株から採取された種を元に何世代も経てきた国産株)の2種類があり、前者と後者では以下の違いがあります。

グラキリス比較
パキポディウム・グラキリスの輸入株(左)と実生株(右)。

【輸入株(現地球)】

  • 株の容姿:自生地の過酷な環境に適応した独特な容姿。
  • 品質:検疫法により根を切った状態(ベアルート株)で輸入されるため、栽培するには発根処理の知識と技術が必要。多くは店頭に出る前に発根処理がなされるが、そうでないものは自力で発根させなければならない。また、株ごとの優劣が顕著。
  • 価格:★★★★★(数万〜数十万)
  • 育て方難度:★★★★
  • フォトジェニック度(写真映え):★★★★★

【実生株】

  • 株の容姿:日本国内の気候に順応した穏やかな形(品種によっては輸入株と同様なものもある)。
  • 品質:国内で発芽させ管理しているため、常に安定した品質。株ごとの優劣も少ない。
  • 価格:★★★(数千〜数万。ただし、近年は種子の流通が減少しているため高値傾向にある)
  • 育て方難度:★★★
  • フォトジェニック度(写真映え):★★★★★

多肉レアプランツの育て方

冬型or夏型

多肉レアプランツには「夏成長型」と「冬成長型」の2タイプがあります。両方とも、栽培の成否は水やりが握っているといっても過言ではありません。また、水やりの頻度は品種や個体により微妙に異なるため、詳細は購入時にショップスタッフにお聞きください。

以下は一般的なコーデックスの関東圏での育て方の例です。

夏成長型の水やり

夏型のシャワー

夏成長型は春先から夏、そして秋にかけて成長し、寒くなるにつれ成長が鈍化し、冬は休眠します。成長の動きが始まる3月上旬あたりから徐々に水やりを始めます。具体的には下記を目安にするとよいでしょう。

  • 日中の気温が15℃に届く(3月)
    霧吹きで用土の表面がしっかりと湿る程度を週2回与え、緩やかに起こす。
  • 日中の気温が15℃を超える(4月)
    用土が完全に乾いている状態で、根に届くかな、くらいの量を与える。
  • 日中の気温が20℃を超える(4月下旬〜6月)
    用土が完全に乾いたら、鉢底穴から流れ出るくらいたっぷりと与える。※梅雨の時期は鉢内が蒸れないよう夕刻に行う。
  • 盛夏(7〜9月)
    用土表面が乾いたら、鉢底穴から流れ出るくらいたっぷりと与える。※梅雨同様夕刻に行う。
  • 秋季(10〜11月)
    用土が完全に乾いて2〜3日後に、鉢底穴から流れ出るくらいたっぷりと与える。
  • 冬季(12〜2月)
    ほぼ断水(完全な断水をすると稀に春の立ち上がりが遅れることがあるため、週に1回程度、気温が上がる午前中〜昼にかけての間に用土表面と株全体を霧吹きで軽く湿らせる)

冬成長型の水やり

冬型のシャワー

冬成長型は秋から冬、そして春にかけて成長し、最高気温が高くなっていくにつれ成長が鈍化し、夏は休眠します。成長の動きが始まる9月下旬あたりから徐々に水やりを始めます。具体的には下記を目安にするとよいでしょう。

  • 盛夏(7〜9月中旬)
    ほぼ断水(完全な断水をすると稀に秋の立ち上がりが遅れることがあるため、週に1回程度、蒸れを防ぐために夕刻以降に、用土表面と株全体を霧吹きで軽く湿らせる)
  • 日中の気温が25℃を下回る(9月下旬〜10月)
    霧吹きで用土の表面がしっかりと湿る程度を週2回、夕刻に与え、緩やかに起こす。
  • 日中の気温が15℃を下回る(11月)
    用土が完全に乾いている状態で、根に届くかな、くらいの量を午前中に与える。
  • 冬季(12〜2月)
    用土表面が乾いたら、鉢底穴から流れ出るくらいたっぷりと、気温が上がる午前中に与える。
  • 春季〜初夏(3〜5月)
    用土が完全に乾いて3〜4日後に、鉢底穴から流れ出るくらいたっぷりと与える。
  • 梅雨(6月)
    用土が完全に乾いて3〜4日後に、根に届くかな、くらいの量を夕刻に与える。

用土の水分状態を確認するには

ウィンゾリーと竹串

水やりのタイミングをはかる上で重要なのが鉢の中の水分状態。それを確認するのに便利なツールが竹串です。水分計を使うのも便利ですが、竹串は近所のドラッグストアやコンビニ、100円ショップなどでも販売しているため入手が容易です。試してみてはいかがでしょうか?

使い方は簡単。鉢の縁に最も近い位置で奥深くまで刺し、抜いて串の湿った状態を確認するだけ。幹に近いところを刺すと根を傷つけてしまうおそれがあるため絶対に避けてください。

ウィンゾリーの水分チェック
串チェック

写真上のように串を挿します。引き抜いた串が乾いていれば(⚪︎印)、水のあげ時。湿った土が付着していたら(×印)、水をあげるのを控えます。
慣れれば刺し時が分かるのですが、慣れないうちは日にちを置いて何回か刺し、タイミングをつかむとよいでしょう。

その他のポイント

【置き場所】

夏型も冬型も、基本的にたっぷりと陽に当ててあげましょう。ただし、品種や個体の状態によっては直射日光で葉焼けや塊根部の壊死が起きてしまうため、購入店で確認してください。

夏型冬型共に、夜間の気温が13℃を下回る場合は屋内に取り込みましょう。

【植え替えの際の用土】

水はけのよいものを使用します。市販のサボテン・多肉用土で構いません。

【肥料】

多肉レアプランツの多くは、観葉植物のように肥料を必要としません。逆に多肥状態が続くと徒長の原因となり、全体の形にも影響してきます。

ただし、適度(少量)な肥料は株の成長を促すため、目安としてはそれぞれの品種の成長期に、規定量の半分程度の液体肥料を月2回ほど与えてください。

Einstein

このように、多肉レアプランツは一般的な多肉植物よりも難度は高めですが、だからこそ育て方次第では生涯の友となります。ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

SNSとの親和性が高い多肉レアプランツ

インスタグラム

多肉レアプランツは、どの品種もユニークな形をしているため、おしゃれな鉢などと合わせて映え写真を撮る人も多く、SNSとの相性は抜群! 

Instagramを例に挙げると、人気の品種ともなれば数万の投稿が確認でき、皆がさまざまなスタイルで多肉レアプランツを楽しんでいる様子をうかがい知ることができます。また、SNSは育て方やインテリアコーディネートに関しての情報収集にもなるという利点も。多肉レアプランツを手に入れたら積極的に活用してみてはいかがでしょうか?

プロトリーフセレクションズは多肉レアプランツのパラダイス

プロトリーフセレクションズ
プロトリーフセレクションズ売り場

今回取材にお邪魔した都内の大型園芸店『プロトリーフガーデンアイランド玉川』のB2F『プロトリーフセレクションズ』は、お馴染みのコーデックスから、滅多にお目にかかれない幻の品種まで、多肉レアプランツの商品数は都内随一。ひとたび店内に入ると時間が経つのを忘れてしまうほどの多肉パラダイスが広がっています。

バイヤーの目利きもさることながら、特筆すべきはスタッフの知識の豊富さ。植物愛に溢れる親身なアドバイスには定評があります。

【店内はこんな感じ】

プロトリーフセレクションズ菊地さんの激推し、多肉レアプランツ7選

プロトリーフセレクションズ菊地さん
多肉レアプランツのことならなんでも聞いてください!

プロトリーフセレクションズのバイヤー&ショップのアドバイザーとして活躍する菊地さんに、今年マストバイの激推し7品種を紹介していただきました。

黒王丸

黒王丸
【写真の商品】高さ5.5cm 幹幅6.5cm 価格110,000円(税込)

[360°ルックス]

サボテンが好きな方なら誰もが憧れる黒王丸ことコピアポア・シネレア。南米チリ北部の沿岸という、サボテンが育つには極めて過酷な環境に自生しています。現地では厳重な保護下にあるため、輸入数も極めて激減しているサボテンで、こちらの商品は、そんな現地球のカキコです。ちなみにカキコとは、親株から分枝した子株を切り取って輸入し、国内で手塩にかけて発根させたものを指します。

国内の­ナーセリー(種苗業者)が種から育てたグリーン肌の実生株と違い、白い蝋質に覆われた幹肌は現地の過酷な環境を耐え抜いた証。質のよい黒トゲも自慢です。成長がとても遅い品種ですが、逆に言えば、この美しい造形美を長い間楽しめます。

⚫︎健康優良な株に育てるには、以下の3つのポイントを押さえてください。

  1. 温度は30〜40℃で、40℃を超えないようにしつつも、それに近い高温が理想です。
  2. 日光は必須。しかし近年の日本の太陽光は自生地よりも強烈なので、夏場は日焼けを防ぐためにも20〜30%遮光して陽に当ててください。
  3. 水やりは普通のサボテンと同じ感覚であげてしまうと徒長につながるので、成長期の春〜秋は土の表面が乾いてから10日程度経ってあげたほうがよいです。自生地では、水分といったら早朝に海から昇ってくる霧と、ごく稀に降る少量の雨ぐらいなので、とにかく自分で思っている以上に乾かし気味に管理してください。

輸入球カキコの黒王丸はサボテンの中でも特に難度高めなので、ほかのサボテンや多肉植物とは区別し、この子中心に栽培環境を整えるくらいの気持ちで慎重に育てなければ、この美しい形が崩れる可能性があります。

初心者にはおすすめできませんが、サボテンが好きな人にはぜひ一度、黒王丸の魅力を生で感じていただきたいと思います。一目見たら「こんなサボテンがこの世にあったのか!?」と、心に焼きついてしまうと思います。

オトンナ・ユーフォルビオイデス

オトンナ・ユーフォルビオイデス
【写真の商品】高さ14cm 幹幅7.5cm 広がり幅18cm 価格44,000円(税込)

[360°ルックス]

南アフリカ共和国北部の丘陵地帯から山岳部にかけて自生している冬型のコーデックス、オトンナ・ユーフォルビオイデスの現地球になります。

脱皮している生き物のような奇怪な姿の幹から生える可愛らしい多肉質の葉。初めて見る方は、このギャップを不思議そうに眺めていらっしゃいます。でもこのギャップこそ、ユーフォルビオイデスの魅力なんです。枝の先端に、葉に混じってトゲが生えているように見えますが、これはトゲではなく、花が咲いたあとに残った花柄が枯れ落ちた、その残骸。いわば、花の置き土産。

花期になると、可愛らしい黄色の小花が咲くので、幹とトゲだけの無機質な状態→多肉質の葉が生えた生命力溢れる状態(成長期)→花が咲いた可愛い状態、という3つの違ったスタイルが楽しめます。

オトンナ・ユーフォルビオイデスの花
ユーフォルビオイデスの花  Pix:jérémie Guerlet/flickr.com

ちなみに、誰がつけたのか「黒鬼城」という、ちょっと激しめの和名がついています。幹とトゲだけになる休眠期の姿からは、そんな和名がついたことにも納得しますが、写真のような成長期の愛嬌のある姿を見たら、そんな名前にはならなかったような気も…。

育て方は、基本的には前述の育て方(水やりは冬成長型を参照)の解説に則していただければ大丈夫ですが、ユーフォルビオイデスは日光浴が足りないと株の勢いが弱まるので、冬は存分に直射日光に当ててあげてください。また、この株は極乾燥地帯の自生地からやってきた輸入球なので、とにかく乾かし気味に管理してください。

パキポディウム・ウィンゾリー

パキポディウム・ウィンゾリー
【写真の商品】高さ28cm 幹幅6.5cm 価格66,000円(税込)

[360°ルックス]

白や黄色い花を咲かせるパキポディウム属の中にあって、赤い花を咲かせることで人気のバロニーと、その変異種として珍重されているウィンゾリー。こちらはウィンゾリーの実生株になります。

細長く伸びる原種のバロニーに対し、ウィンゾリーはご覧のようなとっくり形。そんな愛嬌のある姿と、バロニーとはちょっと違う丸みを帯びた赤花(前出の写真を参照)を咲かせることから、原種を凌駕する人気品種となりました。
もともとの流通量の少なさもブームに拍車がかかった一因で、今や実生でも形のよいものは手に入りづらくなってしまいました。そんな入手困難なウィンゾリーの中でも、今回は特に美形な壺形のものが入ってきたので、ぜひ店頭に見に来ていただきたいです。開花を目指すもよし、この愛嬌のある形を楽しむのもよしと、2つの楽しみが味わえます。

パキポディウムは種子の流通が年々少なくなってきていて、ウィンゾリーに至っては種子1粒あたりの価格が以前の倍の400円以上もするので、成体価格も現在は輸入株と実生株の差がほとんどなくなってきました。しかも、今後まだまだ上昇傾向にあるため、ウィンゾリーやグラキリスなどのレアパキポディウムは、今年2023年内が買い時かと思います。

育て方は、前述の育て方(水やりは夏成長型を参照)に則して行えば大丈夫です。ただ、直射日光が大好きなので、成長期はガンガン陽に当ててください。葉が日焼けするかもしれませんが、幹に葉緑体があり、葉がなくても光合成を行えるため、徐々に耐性の強い葉に生え変わってきます。

希少品種だからといって繊細にならず、ワイルドに育ててほしい株です。

ケラリア・ピグマエア

ケラリア・ピグマエア
【写真の商品】高さ9cm 幹幅5cm 広がり幅10cm 価格66,000円(税込)

[360°ルックス]

南アフリカの北西部からナミビア南部にかけての岩場に自生している冬型コーデックス、ケラリア・ピグマエアの現地球です。

魅力は、なんといってもこの木質化した幹と盆栽チックな見た目ですね。グミのようにぷにぷにとした多肉質の葉は愛らしく、女性のお客様からも大人気です。名前も可愛いですよね。ピグマエアという小種名は、現地の言葉で「小さい」を表すピグミーという言葉と、ギリシャ神話に出てくる小人戦士「ピュグマイオイ」を掛け合わせたとされていますが、確かにこの可愛さという武器には平伏します。

成長はとても遅く、この9cmという高さになるまで10年以上はかかったとみられています。冬型のコーデックスなので、前出のオトンナ・ユーフォルビオイデス同様、乾かし気味で、太陽にたっぷりと当てて、冬の夜は屋内にしまう、という管理が理想的です。

この子が家にあると想像しただけで、気分がアガりますね。僕も個人的に欲しい株です。眺めながら日本酒を一献、とかやったら最高なんだろうなぁ〜(笑)。 

ぺラルゴニウム・トリステ

ペラルゴニウム・トリステ
【写真の商品】高さ5cm 幹幅7cm 広がり幅29cm 価格66,000円(税込)

[360°ルックス]

一見すると小さな盆栽のようなペラルゴニウム・トリステの現地球です。どこか和テイストを感じさせてくれますが、日本から遥か遠く、南アフリカ中西部の山岳地帯から南部の丘陵地帯に自生する冬型のコーデックスです。

パセリのような小さな葉や、茎に白い産毛がついているのが可愛いかと思えば、木質化した塊根は古木の風格が漂うという、アンバランスな見た目こそが最大の魅力です。

この塊根、原産地では土の中に埋まっている状態で自生しているため、市場に流通しているものは観賞用に土の上にあげてあるんです。同様のコーデックス’亀甲竜’と違い、1株ごとに塊根部にまったく違う個性があり、ある株は塊根が尖っていたり、ある株は塊根が屏風のような感じだったりと、さまざまなタイプから選べるのがトリステの魅力。そういった意味では、この株は全体のバランスがとてもよく、360°どこから見ても見応えのあるフォトジェニックな株です。

この株が開花株であるかはどうかは未確認ですが、開花すると中央に紫色の筋の入った可愛らしい白花を咲かせます。

ペラルゴニウム・トリステの花
トリステの花。Pix : jeffs bulbesetpots/flickr.com

育て方は、前述の育て方に則していただければ大丈夫ですが(水やりは冬成長型を参照)、詰まった感じの形にするコツとしては、風通しのよいところでたっぷりと直射日光を当ててあげてください。

ユーフォルビア・オベサ

ユーフォルビア・オベサ
【写真の商品】高さ12cm 幹幅7cm 価格66,000円(税込)

[360°ルックス]

南アフリカ中西部の北ケープ州の石と砂が混じり合った丘陵地帯に自生するユーフォルビア・オベサの現地球です。

オベサは雌雄別株で、開花しないと雌雄判別ができませんが、この株は雌株であることが分かっています。ちなみに雌株が開花すると、それ自体が多肉植物のような奇妙な形の花を咲かせます。

ユーフォルビア・オベサ雌株の花
オベサ雌株の花は先端が3つに分かれているのが特徴。 Pix:Ravens444/flickr.com 

オベサも今流行っているため、市場でさまざまな個体を見ることができますが、この個体は古株なため、球体下部が木質化したとても味わいのある株です。厳しい環境の現地で風雨に耐えてきた証が、この木質化として現れているため、その年月に想いを馳せると自然の作り出す造形美にロマンを感じます。

卵みたいなツルスベな手触りと万華鏡をのぞき込んだときのような模様はインテリア性もあり、置いた空間にラグジュアリーなテイストを加えてくれます。

育て方は前述の育て方の項目に則していただければまず大丈夫ですが(水やりは夏成長型を参照)、なんとオベサは日照がない環境にお住まいの場合、植物用LEDライトのみで育てることもできてしまうんです! 難度の高い多肉レアプランツにあって、この育てやすさもオベサの人気の秘密なんです。
普通は植物用LEDライトのみで育てると徒長しがちなのですが、オベサに限ってはそのようなこともなく、植物用LEDライトとの相性がいいんです。それを物語る一例として、当店のお客様には室内で100本ものオベサを育てている方もおられるんですよ。

ただし、植物育成ライト1本で育てる場合、出力が弱いものだと徒長してしまうので、1〜2株あたり20Wを目安にしてみてください。

アデニア スピノーサ雌株×グラウカ雄株 (ハイブリッド株)

アデニア スピノーサ雌株×グラウカ雄株
【写真の商品】高さ12cm 幹幅10.5cm 価格55,000円(税込)

[360°ルックス]

共に、アデニア属の雌雄別株の品種、スピノーサとグラウカを掛け合わせた夏型のコーデックス、アデニア・スピノーサ×グラウカです。

単独のものだと、種子を取るためには雌雄それぞれ別株を揃えて受粉させる必要がありますが、これはその2つを雌雄で掛け合わせたハイブリッド株のため、単独で自家受粉が可能です。
下部が木質化した茶色で上部は深い緑色というツートンカラーのボディはグラウカの特徴で、葉はスピノーサ寄りの明るい緑色という、その3色のコントラストがとても美しい株です。

株の成長速度は緩慢ですが、枝が旺盛に伸びるので、伸びては切り伸びては切り、で盆栽のように形を作っていく楽しさもあり、これを数十年と味わえるので、竹馬の友のように大切にしているお客様が多いです。

育て方は前出の育て方に則していただければ大丈夫ですが(水やりは夏成長型を参照)、直射日光を長時間当てていると肌が焼けてしまうので、ボディのこの魅力的な色彩をキープするためにも、夏場は20%ほど遮光して陽射しに当てたほうがよいです。耐寒性が強いため、休眠期の冬も最低気温が8℃程度なら外で越冬はできますが、8℃を切る場合は屋内に取り込んでください。
また、枝は放置していると密になるので、リフレッシュのため1年に1回は強剪定をするのがおすすめです。

取材後記

いかがでしょうか、お宝の数々。どれをとっても多肉マニア垂涎の今をときめく逸品ばかりで、ついお財布の紐が緩んでしまいます。といっても、今回私は目の保養のみとなりますが、本記事を読み運命を感じた方は、迷わず店頭へレッツゴーです!

7つのラインナップ全てが長い人生を共にできうる素晴らしい株ばかりですからね、手塩にかけた愛株と互いに語り合う10年後、20年後、素敵だと思いませんか?
もちろん、売り場にはこの7品種以外にも素晴らしい株がたくさんありました。ぜひその目で、長年の友を見つけてください。

今回は価格もプレミアムな特集となりましたが、次回はプロトリーフセレクションズからリーズナブルな多肉植物をピックアップした激推し特集も組む予定なので、乞うご期待です!

注:掲載商品の購入をご希望の方は、事前に在庫の有無を店舗にご確認ください。

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