ほかの草花ではあまり見られない、パステルブルーの花色が美しく、ガーデンの花壇を彩る草花としても、切り花用としても大変人気の高いブルースター。この記事では、ブルースターの概要や特徴、花言葉、詳しい育て方について、深く掘り下げてご紹介します。

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ブルースターの概要

ブルースター
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ブルースターは、キョウチクトウ科(ガガイモ科)ルリトウワタ属の多年草。原産地はブラジル、ウルグアイで、暑さに強い一方で寒さにはやや弱く、生育適温は15〜25℃くらいです。広く知れ渡っている「ブルースター」の名前は、じつは品種名で、学名のOxypetalum coruleum(オキシペタラム・カウルレウム)から、オキシペタラムと呼ばれることもあります。ブルースターの草丈は、40〜100cmほど。一度植え付ければ越年して毎年開花する多年草で、冬は常緑のまま生育が止まって越冬します。

ブルースターの開花時期や花の特徴

ブルースター
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ブルースターの開花期は、5〜10月頃。花のサイズは3cmほどの5弁花です。つぼみはピンクがかったブルーですが、開花すると愛らしいパステルブルーの花を楽しめます。花茎を伸ばしながら上に咲き上がっていくので、草姿が乱れてきた頃に切り戻すと、再び茎葉を伸ばして秋まで開花します。

ブルースターの花言葉と由来

ブルースター
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ブルースターの花言葉は「幸せな愛」「信じ合う心」「星の精」「早すぎた恋」「身を切る思い」など。

「幸せな愛」は、欧米の結婚式の慣習「サムシングブルー」にちなんで、ブルースターが好んで用いられたことから。「信じ合う心」は、青い色が聖母マリアを象徴する色であることに由来します。「星の精」は、星形の花姿からで、「早すぎた恋」「身を切る思い」は、ブルーは寂しさや恋しさを表す色合いであることからとされています。

結婚式や男の子の誕生のプレゼントに使われる

ラナンキュラスとブルースターのブーケ
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西洋では、イギリスの童話集『マザーグース』の「何か古いもの、新しいもの、借りたもの、青いもの、そして靴の中に6ペンス銀貨を」という詩にちなみ、結婚式でこれらアイテムを身につけると、その花嫁は幸せになれるという言い伝えがあります。4つのアイテムを「サムシングフォー」と呼び、そのうちの「サムシングブルー」は、ブルースターが好んで用いられています。

また、ブルースターの青い星形の花は、欧米では「ベビーブルー」と呼ばれており、男の子のラッキーカラーとされています。そこで男の子が生まれたお祝いに、プレゼントとしてブルースターが贈られることが多いようです。

ブルースターの品種・種類

ホワイトスター
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‘ブルースター’は、前述のようにパステルブルーの花を咲かせるオキシペタラム・カウルレウムの品種名です。このブルースターには品種の仲間がいるのでご紹介しましょう。

‘ピンクスター’は、ピンクの花を咲かせる品種で、ブルースターの花よりはやや小ぶり。‘ホワイトスター’は白い花を咲かせる品種ですが、これは主に切り花用として流通しており、ガーデニング用の苗としてはあまり出回っていません。

ブルースターの育て方

ここまで、ブルースターの概要や開花時期、花の特徴や名前の由来、花言葉、種類など、多岐にわたってご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、ブルースターの育て方について詳しく解説していきます。

栽培環境と置き場所

土
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【地植え】

日当たり、風通しのよい場所を好みます。水はけのよい環境を好むので、水はけの悪い土壌であれば、腐葉土や堆肥を多めにすき込み、10〜20cmくらい土を盛って周囲よりも高くしておくとよいでしょう。

寒さに弱いので、霜が降りたり凍結したりする地域では、寒くなる前に鉢に植え替え、ベランダや軒下などの暖かい場所で管理するのがおすすめです。

【鉢植え】

基本的に日当たり、風通しのよい場所に置いて管理します。

ブルースターは雨に当たると花や葉にシミが出やすいので、鉢栽培している場合は、梅雨や秋の長雨の時期などは、ベランダや軒下などに移動するとよいでしょう。

また、寒さに弱いので霜が降りる前に、ベランダや軒下など日当たりがよく暖かい場所で管理してください。

植え付け・植え替え

ガーデニング
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ブルースターの植え付け・植え替えの適期は、4月下旬〜7月上旬頃です。ただし、植え付け適期以外にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。

【地植え】

土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、根鉢を崩さずに植え付けましょう。最後にたっぷりと水を与えます。複数の苗を植える場合は、20cmくらいの間隔を取っておきましょう。

庭で育てている場合、霜が降りたり、凍結したりする地域では、鉢に植え替えて冬越ししてください。越年して春の生育期を迎えたら、再び地植えに戻します。

【鉢植え】

鉢で栽培する場合は、6〜7号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。ブルースターの苗をポットから取り出し、根鉢を崩さずに鉢の中に入れて仮置きして高さを決めます。少しずつ土を入れて、植え付けていきましょう。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。

鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して軽く根鉢をくずし、太い根を傷つけずに新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢を崩す程度にして植え替えてください。

水やり

水やり
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水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。

真夏に水やりする場合は、気温が上がっている昼間に行うと、すぐに水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。

また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。

【地植え】

根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。

【鉢植え】

日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつでもジメジメとした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面が乾いたのを見はからってから、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬もカラカラに乾燥させることのないように、適宜水やりを続けてください。

肥料

肥料
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【地植え・鉢植えともに】

植え付け時に元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。

その後は5〜10月頃まで、月に1度を目安に緩効性肥料を株の周囲にばらまき、軽く耕して、周囲の土に馴染ませます。

日頃の手入れ

剪定
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ブルースターの手入れをする際に茎葉などを切り取ると、切り口から白い乳液がポトポトと流れ出します。この乳液が手などにつくと、敏感な方は強いかゆみを感じ、かぶれてしまうことがあるので注意してください。作業の際はゴム手袋などをはめておくと安心です。

【支柱の設置】

ブルースターは茎葉を伸ばした先に花をつけ、どんどん草丈が高くなっていくうちに花の重みで倒れ込んできます。早めに支柱を立ててビニタイなどで誘引し、倒伏を防ぐとよいでしょう。

【花がら摘み】

ブルースターは次々に花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも終わった花を残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。

【切り戻し】

8月中下旬頃、草姿が乱れてきたら一度切り戻して株の若返りをはかります。地際から草丈の半分くらいの高さを目安に、深めにカットしましょう。すると再び新芽を出して株が盛り返し、秋から開花し始めます。

病害虫

コナジラミ
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【病気】

ブルースターは、病気になる心配はほとんどありません。

【害虫】

ブルースターにはそれほど害虫の心配はありませんが、アブラムシ、コナジラミが発生することがあります。

アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目にも不愉快なので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。

コナジラミは、植物の葉裏について吸汁する害虫です。体長は1㎜ほどで大変小さいのですが、白いので意外と目にとまりやすいです。繁殖力が旺盛で、短期間で卵から幼虫、成虫になり、被害が拡大しやすいのが特徴。吸汁によってウイルスを媒介するほか、排泄物にすす病が発生しやすく、二次被害を呼びやすいので要注意。冬は卵やサナギの状態で雑草の中に潜んで春になると周囲に移動して活動を始めるので、雑草や枯れ葉を残さずに処分しておきましょう。大発生した時はスプレータイプの適用薬剤を散布して対処してください。

冬越し

ガーデニング
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ブルースターは寒さが苦手で、霜が降りたり凍結したりすると枯死してしまいます。しかし3〜5℃くらいまで耐え、関東以南の暖かい地域であれば越冬が可能です。庭植えにしている場合は草丈の半分くらいまで切り戻して鉢に植え替え、ベランダや軒下など霜の当たらない場所へ移動するとよいでしょう。

増やし方

種まき
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【種まき】

種まきするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなります。ブルースターはこぼれ種で増えるほどに強健な性質なので、種まきは容易です。

ブルースターの種まきの適期は4月中旬頃〜6月上旬頃で、発芽適温は20〜25℃くらいです。黒ポットに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れ、1穴当たり2〜3粒ずつ播きます。5mm程度に土を薄くかけ、はす口をつけたジョウロで高い位置から優しい水流で水やりをしましょう。発芽までは15〜20日ほどかかりますが、乾燥しないように適度な水管理をしてください。発芽後は日当たりがよく、風通しのよい場所で管理します。1カ月ほど育苗し、根が回ってくるまで充実したら、植えたい場所に定植します。

【挿し芽】

挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し芽できないものもありますが、ブルースターは挿し芽で増やせます。

ブルースターの挿し芽の適期は、5〜9月頃です。新しく伸びた枝を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。切り口からは、白い乳液がぽとぽとと流れ出てくるので、流水で洗い流しておきましょう。ブルースターの挿し芽では、この乳液が出なくなるまで洗うことがポイントです。乳液が残っていると、水あげが悪くなってしおれてしまい、失敗しがちになります。

採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を取っておきます。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水を入れて十分に湿らせておきます。培養土に穴を開け、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。根が回ってきたら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。

結婚式のブーケや男の子の誕生祝いにも使われる清楚な花を育てよう

ブルースター
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星形で清楚なブルーの花を咲かせるブルースターは、「一度は育ててみたい」と思わせる大きな魅力を持っています。欧米では結婚式に用いられたり、男の子の誕生祝いに贈られたりと、古くから愛されてきた花です。初夏から晩秋まで長く咲き、病害虫の心配もほとんどないので、ビギナーにもおすすめ。ぜひ庭やベランダで育ててみてください。

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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