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「自宅でコーヒー収穫も夢じゃない」観葉植物として人気のコーヒーノキを実らせる意外と簡単な育て方
Photoongraphy/Shutterstock.com
艶やかな美しい葉を持ち、観葉植物として人気の高い「コーヒーノキ」。じつは、性質やコツをきちんと理解して育てれば、一般家庭でも爽やかな香りの白い花を咲かせ、赤い実(コーヒーチェリー)を実らせることは決して難しくありません。
本記事では、大切な葉焼け対策や冬越しのポイントなど、自宅で「収穫から自家焙煎」という贅沢な夢を叶えるための簡単な栽培テクニックを栽培のプロが分かりやすく解説します。
目次
コーヒーノキの基本情報

植物名:コーヒーノキ
学名:Coffea arabica
英名:Arabica coffee
別名:アラビカコーヒーノキ、アラビアコーヒー
科名:アカネ科
属名:コーヒーノキ属
原産地:エチオピア、ケニア、スーダン
形態:常緑低木
コーヒーノキは、エチオピアなどが原産のアラビカ種を指すのが一般的です。艶のある葉が美しい常緑低木で、観葉植物としても人気です。丈夫なカネフォラ種も多く栽培され、ロブスタコーヒーの名で知られています。生産比率は、アラビカ種が6割:カネフォラ種が4割くらいとされます。観葉植物として流通するのはアラビカ種です。カネフォラ種の苗は、入手が難しいです。
葉のつけ根にさわやかな香りのある白い小花をたくさん咲かせ、コーヒーチェリーといわれる赤い果実がつきます。果実には2つの種子が含まれ、コーヒー豆として利用されます。
コーヒーの花を咲かせて結実させるのは、特徴などを理解して育てれば家庭の環境でも難しくありません。強い直射日光を当てると葉焼けしますが、できるかぎり明るい場所に置くことが大切です。少し葉焼けする程度なら、開花結実することが多いです。
枝にびっしりとつき、赤く熟し始めたコーヒーの実。Ronnachai Palas/Shutterstock.com
コーヒーノキの特徴・性質

樹高:5~200cm
開花期:5~6月
耐寒性: 弱い
耐暑性:やや弱い
コーヒー農園では樹高は2~3mほどになりますが、最大で5mほどに成長します。生育が早く、小苗から2~3年で開花結実します。白い花は春頃に開花し、1つの花は2日間ほど咲きます。花後にできる小さな果実は緑色から熟すにつれて赤色に変化します。熟した果肉は甘く、おいしく食べられます。
寒さには弱く、冬は室内に置きます。ある程度大きくなれば室内での越冬は比較的簡単ですが、小苗は冬の保温に十分配慮する必要があります。
コーヒーノキの栽培適地

コーヒーの栽培適地は、年平均気温23℃、昼と夜の寒暖差や雨季と乾季がはっきりしており、夏は涼しく、冬は温暖な気候です。高品質のコーヒーが収穫できる産地ほど、快適ですごしやすい傾向があります。
また日本と同じくらいか、やや少なめの年間降雨量があり、水はけのよい肥沃な酸性土壌が適します。そのためコーヒーの産地は、赤道周辺の熱帯、亜熱帯の限られた地域です。コーヒーの名産地は、ブルーマウンテンやキリマンジャロなど熱帯の高地が多いですが、栽培条件を満たせば標高の低い地域でも上質のコーヒーが収穫できます。
コーヒー農園の大敵として、さび病があります。感染すると葉裏に黄色の斑点ができ、落葉して光合成ができずに木が枯れます。最終的に農園全体の木が全滅するほどの被害になります。19世紀中頃にアフリカから世界に広まったため、アフリカではさび病に強いカネフォラ種の栽培が多く、中南米ではアラビカ種の栽培が多い傾向があります。
コナコーヒーで有名なハワイはさび病に非感染の産地でしたが、2020年以降からさび病の感染が広がり、深刻な問題になっています。
コーヒーノキの仲間
コーヒーノキは、熱帯アフリカ、熱帯アジア、オーストラリアに約130種が分布します。
ロブスタコーヒーノキ(カネフォラ種) Coffea canephora

アフリカ中央部から西部の熱帯地域が原産です。ロブスタコーヒーノキの名前は、栽培の多い変種のロブスタに由来します。
アフリカではアラビカ種より一般的に栽培され、ベトナムで最も多く栽培されます。樹高8~12mほどになり、アラビカ種に比べて葉は大きく厚みがあります。また高温多湿や低温、さび病や他の病害虫に強く、カフェイン含有量と収穫量が多いです。
苦みが強いため、ブレンド用やインスタントコーヒーなどに利用されるほか、コンデンスミルクを加えて飲むベトナムコーヒーにも使われます。近年品質が向上し、生産量が増えています。
リベリカコーヒーノキ Coffea liberica

リベリアなどの西アフリカから中央アメリカにかけての熱帯地域が原産で、樹高が20mほどまで高くなります。高温多湿に強く、熱帯の平地で栽培できますが、さび病に弱いです。コーヒーの3大原種の1つとされますが、コーヒー豆の生産量に占める割合は1%くらいで非常に少ないです。フィリピンやマレーシアなどで多く栽培され、栽培現地で多くが消費されます。
コーヒー豆は他の種類より大きく、独特の香りや風味があるといわれ、カフェイン含有量が少ないです。希少性があるため、比較的高額で取引されています。
コーヒーノキの栽培12カ月カレンダー
植え替え:5~8月
肥料:5~10月
仕立て直し:5~6月
コーヒーノキの栽培環境

適した環境
日当たりのよい場所を好みますが、気温が高い時に直射日光に当てると葉焼けします。耐陰性があるので室内でも育ちますが、暗い場所に置き続けると花が咲きません。花を咲かせるには生育期は葉焼けしにくい屋外に出し、葉焼けしない範囲で可能な限り日光に当てるようにしてください。
置き場所
夏は屋外で50%程度の遮光下に置くか、室内ではカーテン越しの日光に当てます。また春から秋の室内では、直射日光が当たらず適度に明るい北側の窓際に置くのもおすすめです。
春の5月から6月と秋の10月は屋外の午前中だけ日光が当たる半日陰、または室内のレースのカーテン越しの日光に当てます。ただし季節外れの夏日に葉焼けするので、気温の上昇が予報される日はさらに暗い場所に移動してください。4月と11月は、室内でレースのカーテン越しの日光に当てます。
冬は葉焼けの心配がほとんどないので、室内の窓の近くの場所でよく日光に当ててください。
生育温度
生育に適した温度は、15~25℃です。人間が快適で過ごしやすい時期に、コーヒーノキもよく生育します。夏は遮光下に置けば、暑さで弱ることは少ないです。
冬越し
寒さには弱いので、屋外では越冬できません。中~大型の株は、最低温度を5℃以上保てば越冬します。室内の明るい場所に置けば、越冬は難しくありません。ただし小苗は寒さに弱く、十分な保温が必要です。
コーヒーノキの育て方・日常の手入れ

水やり
5~10月の生育期は、鉢土の表面が乾いたら水やりしてください。水やりの際は、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり与えますが、受け皿に水を貯めたままにしないでください。過湿で根腐れします。
冬はやや乾かし気味に管理します。
肥料
5~10月の生育期に、3要素が等量程度含まれた緩効性化成肥料を規定量与えます。暑さが厳しい時は、液体肥料を月に3~4回、規定倍率よりやや薄めて与えるとよいでしょう。葉が落葉するなど調子が悪い場合は、肥料を与えないでください。
病害虫
枝葉が茂って風通しが悪くなると、カイガラムシが発生しやすくなります。見つけ次第ブラシなどでこすり落とします。枝葉が込みすぎた部分を定期的に切ることで予防できます。
増やし方
挿し木が難しいので、種まきで増やします。果実ができたら種子をとり、周囲のヌメリをよく洗い落としてから用土に播きます。種子は1cm程度覆土し、明るい日陰で乾かさないように管理してください。1~2カ月で発根したら、1株ずつ3号ポットなどに鉢上げします。
コーヒーノキのミニ観葉

小さな株は寒さに特に弱いので、室内の暖房の入る温かい部屋に置き、保温に十分配慮するようにしてください。窓際は温度が下がりやすいので、避けるようにします。
小苗の最低温度の目安は10℃です。ただし水やりした時に立ち枯れすることがあるので、15℃以上を保てば安全です。
また乾燥にも弱く、水切れさせると深刻な被害になりやすいです。用土の表面がおおよそ乾いたら、たっぷり水やりしてください。夏に乾燥が激しい場合は、毎日水やりします。
春に購入し、冬までにできるだけ大きく育てるのがおすすめです。小苗のうちは耐陰性が強いので、室内の明るい日陰で十分育ちます。よく生育させるには鉢替えは必ず行い、肥料も生育期間中は切らさないように与えてください。
コーヒーノキの植え替え

小苗を購入したら
数本の苗が寄せ植えになっている場合がほとんどです。大きく育てて開花結実させたい場合は、春に1株ずつ3号ポットなどに植え替えてください。
鉢植えの植え替え
生育が早いので、1~2年に1回、植え替えてください。根詰まりすると、下葉が落ちて枝の先端近くだけ葉がついた見苦しい姿になりやすいです。
5~8月に根鉢を軽くくずし、1~2回り大きな鉢に植え替えます。同時に伸びすぎた枝や込み入った枝も切るとよいでしょう。
鉢のサイズ
大きすぎる鉢に植えると、過湿気味になって根腐れしやすくなり、生育も悪くなりやすいです。やや大きい鉢や高さのある鉢を使いたい場合は、鉢底石を多く入れて水はけよく植えてください。
用土
肥沃で水はけのよい用土が適します。赤玉土小粒4:鹿沼土3:ピートモス3を混ぜた用土などを使います。
アルカリ性の用土を嫌い、微量要素欠乏症などで葉色が悪くなります。石灰やくん炭、貝類を使った資材などはアルカリ性なので、使用は避けたほうがよいでしょう。
コーヒーノキの剪定と仕立て直し

剪定に強く、葉が全くなくなるまで切っても大丈夫です。コーヒー農園では、定期的に株元近くまで強剪定して樹勢を回復させます。
コーヒーノキは、枝葉がよく茂ります。伸びすぎたり込みすぎた枝は、いつでも枝の付け根から間引くように切ってください。
下葉が落ちて長く伸び、見苦しくなった株などは、仕立て直すことができます。5~6月に、株元の幹を20~30cmくらい残して切り戻します。同時に根鉢を半分程度くずし、1~2回り小さな鉢に植え替えてください。
コーヒーノキの栽培ポイント

- 強い直射日光で葉焼けする
- 開花結実させるには葉焼けしない範囲で明るい場所に置く
- 小苗は寒さに非常に弱いので注意
- 生育が早く、根詰まりすると下葉が落ちる
耐陰性があって家庭でも十分越冬できるので、コーヒーノキを育てるのは難しくありません。上手に栽培すれば、艶のある葉だけでなく香りのよい花や赤い果実も楽しむことができます。果実から種子をとって焙煎すれば、自家製のコーヒーも味わえるかもしれません。さまざまな楽しみがあるコーヒーノキを、育ててみませんか。
Credit
文 / 小川恭弘 - 園芸研究家 -

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