「猫のヒゲ」みたいな花があるって本当? ふわふわ可愛いネコノヒゲの育て方
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ぴんと伸びた長いしべが、まるで本物の「猫のヒゲ」のようなユニークな植物をご存知ですか? ふわふわと風に揺れる白や淡いピンクの花が愛らしく、じつはハーブティーとしても楽しめる魅力たっぷりのハーブです。今回は、そんな「ネコノヒゲ」の基本情報や育て方のコツを詳しくご紹介します。
目次
ネコノヒゲの基本情報

植物名:ネコノヒゲ
学名:Orthosiphon aristatus
英名:Cat’s whiskers、Java tea
和名:ネコノヒゲ(猫の髭)
その他の名前:クミスクチン、ネコノヒゲソウ、キャッツウィスカー
科名:シソ科
属名:オルトシフォン属
原産地:アジア、オーストラリアの熱帯~亜熱帯地域
形態:宿根草(多年草)
ネコノヒゲの学名はOrthosiphon aristatus (オルトシフォン・アリスタツス)、別名はキャッツウィスカー、クミスクチン。シソ科オルトシフォン属の多年草です。自生地では多年草ですが、日本では冬越しが難しいので一年草として扱われることもあります。原産地はアジア、オーストラリアの熱帯~亜熱帯地域で、暑さに強い一方、寒さには弱い性質です。
風に揺れるネコノヒゲ。Anggy Pandu Anggara/Shutterstock.com
ネコノヒゲの花や葉の特徴

園芸分類:草花
開花時期:6〜11月
草丈:40〜100cm
耐寒性:弱い
耐暑性:強い
花色:白、淡ピンク、 淡紫
開花期は6〜11月で、花色は白、淡いピンク、淡い紫など。2㎝ほどの花からは、雄しべや雌しべが長く伸びるのが特徴的で、繊細な美しさに人気があります。草丈は40〜100cmほどで、花壇では中段向き。葉はひし形~卵形で鋸歯があり、対生します。常緑性で、冬は10℃以上を保てばみずみずしい葉姿を保ちます。
ハーブとして利用される

ネコノヒゲは爽やかな香りをもつハーブの一つで、東南アジアではハーブティーが親しまれています。収穫してドライにした茎葉を煮出して利用します。
ネコノヒゲの名前の由来と花言葉

ネコノヒゲという和名はマレー語の「Kumis Kuching=猫のヒゲ」に由来します。英名のCat’s whiskersも猫のヒゲという意味で、長く伸びるしべの様子を猫のヒゲに見立てたものです。
ネコノヒゲの花言葉は「楽しい家庭」「貢献」「進歩」などです。
ネコノヒゲに似た花
ユニークな姿のネコノヒゲに似て、しべが長く伸びる花を咲かせる代表的な植物には、クレオメがあります。

クレオメはフウチョウソウ科セイヨウフウチョウソウ属(クレオメ属)の一年草。7月~10月上旬に開花期を迎え、長いしべを持つ花を咲かせます。花色は白、ピンク、紫など。蝶が舞うような優美な姿からセイヨウフウチョウソウ(西洋風蝶草)という和名があります。草丈60~120cm。
ネコノヒゲの栽培12カ月カレンダー
開花時期:5〜11月
植え付け・植え替え:4〜6月
肥料:4〜6月、8~9月
ネコノヒゲの栽培環境

日当たり・置き場所
【日当たり/屋外】日当たり、風通しのよい場所を好みます。日当たりの悪い場所では茎葉が間伸びして徒長し、花つきが悪くなるので注意しましょう。
【日当たり/屋内】日当たりのよい場所を好み、春~秋は屋外での管理が基本。寒さに弱いため、越年させたい場合は、冬は室内の窓辺や温室などで冬越しさせるとよいでしょう。
【置き場所】春~秋は日当たりのよい場所で育てますが、夏の直射日光で葉焼けすることがあるので注意します。冬は室内の窓辺や温室などで管理します。一定の高温がキープできれば、一年を通じて花が楽しめます。
耐寒性・耐暑性
寒さには大変弱く、10℃以上の環境でなければ冬越しできずに枯れてしまいます。自生地では多年草ですが、日本では一年草として扱われることがあるのはそのためです。越年させたい場合は寒くなる前に鉢植えにして、室内で冬越しさせるとよいでしょう。暑さには強いのですが、乾燥が続くと弱るので水切れさせないようにします。
ネコノヒゲの育て方のポイント
用土

【地植え】
植え付けの約2週間前に腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、よく耕してください。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。
【鉢植え】
草花用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。自身で配合土を作りたい場合は、赤玉土小粒7、腐葉土3の割合でブレンドするとよいでしょう。
水やり

水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えましょう。
真夏は、気温が上がっている昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、株が弱ってしまうので、夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。
【地植え】
根付いた後はほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続いて乾燥するようなら水やりをして補います。真夏は特に乾きやすいので、水切れに注意して管理しましょう。
【鉢植え】
ネコノヒゲは水切れに弱いため、日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメとした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面が乾いたのを確認してから、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また越年させる場合、冬は土が乾きにくくなるので控えめにするとよいでしょう。
肥料

【地植え・鉢植えともに】
4〜6月と8〜9月に、月に1度を目安に緩効性化成肥料を株の周囲にまいて軽く耕し、土に馴染ませます。鉢栽培の場合は、水やりと共に肥料成分が流亡しやすいので、株の状態を見て勢いがないようであれば液肥を施して様子を見るとよいでしょう。
注意する病害虫

【病気】
ネコノヒゲの栽培では病気の心配はほとんどありません。
【害虫】
害虫の心配はほとんどありませんが、まれにアブラムシやハダニが発生することがあります。
アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4㎜の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。
ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5㎜ほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には、葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。
ネコノヒゲの詳しい育て方
苗の選び方
苗を購入する際は、葉の色艶がよく、株全体が引き締まってぐらついていないものを選びましょう。
植え付け・植え替え

ネコノヒゲの植え付け・植え替えの適期は、4~6月です。ただし、植え付け適期以外にも苗は出回っているので、入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。
【地植え】
土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。
庭で育てていて冬越ししたい場合は、寒くなる前に掘り上げて鉢植えにし、室内の窓辺や温室など10℃以上を保てる環境で翌春まで管理します。
【鉢植え】
鉢で栽培する場合は、6〜8号の鉢を準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢の中に入れて仮置きして高さを決めます。少しずつ土を入れて、植え付けていきましょう。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3㎝下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。
鉢植えで越年させた場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、毎年植え替えるとよいでしょう。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取ります。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。
日常の手入れ

【花がら摘み】
ネコノヒゲは次々に花が咲くので、終わった花は摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。
剪定・切り戻し

株姿が乱れてきたら、草丈の半分〜1/3くらいを目安に切り戻し、風通しよく管理します。込み合っている部分があれば、すかし剪定をしておくとよいでしょう。切り戻した後に茎葉を伸ばして生育し、再び開花します。
増やし方

ネコノヒゲは、挿し芽と株分けで増やすことができます。
【挿し芽】
挿し芽とは、茎葉を切り取って土に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し芽ができないものもありますが、ネコノヒゲは挿し芽で増やせます。
ネコノヒゲの挿し芽の適期は、5〜6月か10月頃です。新しく伸びた枝を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した茎葉(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を取ります。セルトレイを用意して新しい培養土を入れ、水を入れて十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。根が回ってきたら黒ポットに鉢上げして育苗し、十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。
【株分け】
ネコノヒゲの株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りを図ります。ネコノヒゲの株分けの適期は5月頃です。株を掘り上げて数芽ずつつけて根を切り分け、再び植え直します。それらの株が再び大きく成長し、株が増えていくというわけです。
ネコノヒゲの活用方法
ガーデンプランツとして

花穂を立ち上げて優雅に咲き、風に揺られるネコノヒゲはナチュラルガーデンにぴったりです。草丈は40〜100cmに収まりやすいので、花壇の中段向き。白や淡いピンクの花色はほかの植物と調和しやすく、派手やかな花色同士のつなぎ役にもなります。数種のハーブと一緒に植えて、芳しいハーブコーナーを作るのもおすすめです。
ハーブティーの楽しみ方

ネコノヒゲを収穫して、ハーブティーを楽しむのも一案。風通しのよい半日陰に吊るして乾燥させ、ドライにして利用します。沸騰したお湯に5〜16gほどのドライにした葉を入れ、約5分蒸らすと、爽やかな風味のハーブティーを味わえます。ハチミツやレモンを入れるのもおすすめです。
ネコノヒゲ栽培の注意点とトラブル対処法

ネコノヒゲの栽培で「うまく育たない」というお悩みの解決のため、トラブル対策や栽培の注意点についてガイドします。
よくある栽培の失敗と対策
ネコノヒゲの株に勢いがなくヒョロヒョロとか弱い茎葉しか出ない場合は、日照不足が考えられます。必ず日当たりのよい場所で栽培しましょう。生育期に鉢を室内に置いている場合は、庭やベランダなど直射日光がよく当たる場所に移動してみてください。
また、多湿によって根腐れしていることも考えられます。特に鉢栽培では、常に湿った状態にならないようにし、水やりは表土が乾いてから与えるのが基本です。
寒さにも弱く10℃以下になると枯死するので、冬越しさせたい場合は室内の窓辺や温室などの暖かい場所に置きましょう。
季節ごとの管理ポイント
遅霜の心配がなくなった晩春〜初夏が、植え付けの適期です。初夏からは開花期を迎えるので、終わった花はまめに摘んで株まわりを清潔に保ちましょう。生育期は月に1度は肥料を与えて株の勢いを保ちます。ぐんぐん生育して、株姿が乱れてきたら深めに切り戻して風通しをよくし、二番花が上がってくるのを待ちます。真夏は乾燥に注意し、水切れしないように管理してください。秋に開花が終わったら切り戻してコンパクトにし、鉢上げして室内の日当たりのよい窓辺か温室に移動します。一年草として割りきるのであれば、掘り上げて処分しましょう。
ネコノヒゲ栽培にチャレンジしよう

暑さに強く、初夏から秋まで長く咲くネコノヒゲ。白や淡いピンクの花色は、どんな草花とも組み合わせやすく、花壇に調和をもたらします。優美な花姿が魅力的なネコノヒゲを、庭やベランダに迎え入れてはいかがでしょうか。
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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