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カトレアの栽培は意外と簡単! 初心者が「温室いらず」で豪華な花を咲かせる方法
AGiraldo/Shutterstock.com
“洋ランの女王”と称され、優雅で香り高い「カトレア」。かつては温室が必要で管理が難しいとされてきましたが、実は品種改良が進み、ポイントさえ押さえれば家庭でも温室なしで育てられるようになりました。この記事では、花色や香りも豊富で、思わず集めたくなってしまう洋ランのグループ「カトレア」を、栽培の初心者でも失敗せずに豪華な花を咲かせるための、水やりや置き場所など栽培のコツを徹底解説します。
目次
カトレアの基本情報

植物名:カトレア
学名:Cattleya
英名:Cattleya
和名:日之出蘭
その他の名前:カトレヤ
科名:ラン科
属名:カトレア属
原産地:中南米の熱帯・亜熱帯地域
形態:多年草
カトレアは、ラン科カトレア属に分類されるランの仲間です。原産地は中南米で、アンデス山脈付近の標高100mから1,500mあたりの森の木々に着生しながら自生しています。多くの種は寒さに弱く、暑さには比較的強い性質があります。現在もさまざまな品種改良が行われ、大きさや花色も無数にあります。また開花期も品種によって異なり、春咲き(3~4月)、初夏咲き(5~7月)、秋咲き(9~11月)、冬咲き(12~2月)の4タイプがあります。
熱帯の鳥の声とともに眺めるカトレアの花。Rizky El Madury/Shutterstock.com
カトレアの花や葉の特徴

園芸分類:観葉植物
開花時期:3~4月、5~7月、9~11月、12~3月(品種により異なる)
草丈:~60cm
耐寒性:弱い
耐暑性:強い
花色:白、ピンク、赤、オレンジ、黄、茶、緑、紫、複色
カトレアの原種は、ブラジルやコロンビア、エクアドルなどの中南米にその多くが自生しています。
肉厚の葉と、バルブと呼ばれる水分や栄養を貯めた茎を持っているため乾燥に強いのですが、反面根が濡れた状態が長く続くのは苦手です。毎年新しい芽が親株の根元から出て、そこから花を咲かせる複茎性種です。
現在、原種のほかに多くの品種が作出され、ブラサボラ属などとの交配も盛んです。そのため、草丈10cm程度のものから60cmを超えるようなものまであり、香りもさまざまです。鉢植えにも切り花にも使われ、華やかで豪華な姿と魅力的な香りで「洋ランの女王」とも称されます。栽培適温は15〜28℃で温暖な気候を好みます。家庭で育てる場合は、真夏を除いてよく日の当たる、常に空気が流れている場所で管理しましょう。
カトレアの名前の由来や花言葉

カトレアの名前は、イギリスの園芸家ウィリアム・カトリー(William Cattley)に由来しています。自分のもとに送られた植物の梱包材料にカトレアが使われていたことがきっかけで、カトリー氏はカトレアの花を最初に咲かせた人物として知られることとなりました。なお、カトリー氏の名前をもとに植物名をつけたのは、本人ではなく植物学者のジョン・リンドリー氏です。
カトレアの花言葉は、「優美な貴婦人」「成熟した大人の魅力」「魔力」「魅惑的」など。また花色によっても異なり、紫色のカトレアであれば「優美な女性」「美しい」。白は「魅力的」「魔力」。黄色は「魅力」「気品」。ピンクは「成熟した大人の魅力」となっています。
カトレアは洋ランの代表的な種類

カトレアは観賞用の洋ランの一種であり、シンビジウムやデンドロビウム、パフィオペディルムとともに四大洋ランの一つに数えられます。ここからはカトレア以外の四大洋ラン3種と、洋ランのなかでも代表的なコチョウランについて解説します。
パフィオペディルム
Paphiopedilum

花弁の一部が袋のような形状をしたランの一緒。食虫植物のような見た目ですが、捕食はせず、ほかのランと同じく水や光、土を栄養源としています。花色は白、ピンク、黄、茶、複色など多種多様で、暑さに強く、寒さにやや弱いのが特徴です。
シンビジウム
Cymbidium

淡いピンクの柔らかい花色が特徴のシンビジウムは、ひとつの花茎にたくさんの花をつけます。華やかな印象を与えるランのなかでも、可憐でやさしい雰囲気を持つ品種です。また、洋ランの中でもとくに寒さに強く、丈夫なのもポイント。春先から9月にかけて葉芽が伸びるので、こまめに芽をかきとって株を整理しましょう。
デンドロビウム
Dendrobium

デンドロビウムにもいくつかの種類がありますが、もっともよく知られているのがノビル系と呼ばれる系統です。花色は白、ピンク、オレンジ、黄、緑などさまざまで、開花期が長く花が楽しめます。晩秋の時期に10℃以下の低温を保つのが、花つきがよくなるコツです。
ファレノプシス(コチョウラン)
Phalaenopsis

ファレノプシス、別名コチョウランは、日本では祝い事の贈り物に人気の品種です。先端に向かって優美な曲線を描きつつ垂れ下がる仕立てに沿って、いくつもの大輪の花が並ぶ姿は、豪華で華やかな印象を与えます。寒さに弱いため、室内で育てられることが多い品種です。
カトレアの栽培12カ月カレンダー
開花時期:9~7月
植え替え適期:4~5月、9月
肥料:4月~9月下旬
植え付け:12~翌年3月
カトレアの栽培環境

日当たり・置き場所
カトレアは日当たりのよい場所を好みます。室内なら鉢植えを日が当たる窓辺に置いておくなど、基本的にはたっぷりと日の光が差し込む環境で育てましょう。また、初夏から秋にかけては、寒冷紗などを活用して30%程度遮光をしつつ、十分に日を当てて管理します。
カトレアは蒸れにも弱いので、風通しのよい環境を選ぶことも大切です。
耐寒性・耐暑性

カトレアは基本的に暑さに強い植物ですが、あまりに高温になりすぎるのもよくありません。栽培適温を超える夏場は、日陰に移動しましょう。
カトレアの育て方のポイント
用土

カトレアは、自生地では木の幹や岩などに着生しています。そのため用土を選ぶ際には、水苔やウッドチップなど、保水性と空気を十分に含んでいるものが適しています。植える際には古い根を整理して、傷つけないよう慎重に作業しましょう。
水やり

もともとは樹木などに着生しているので、乾燥には強い植物です。鉢植えで管理している場合は、栽培適温内の時期は用土が乾いたらたっぷりと与えましょう。水やりの後はよく風に当ててください。30℃を超えるような時期は涼しい時間帯に水やりを行い、鉢内部の蒸れに注意しましょう。栽培適温外の時期は水やりの頻度を遅くし、乾き気味に管理します。低温期に鉢内が濡れている状態が続くと根腐れの原因になってしまうので注意しましょう。
肥料

肥料は成長期に与えます。気温が18℃を超えてカトレアの根がよく動き始めたら、緩効性の置き肥を株からできるだけ離して与えます。また新しい芽が動き出し、成長期に入ったら、専用の液肥などを10日に1回程度与えると順調に育ちます。肥料焼けを防ぐためにも、はじめは規定量より少なめに施肥し、様子を見ながら与えましょう。
注意する病害虫

カトレアはウイルスなどが原因の感染症には弱いです。アブラムシがウイルスを媒介することもありますし、水やり時に傷ついた根から混入したり、株分け時に刃物などから感染することもあります。またカイガラムシが発生することもあり、放置すると株が弱ってしまいます。病害虫については、消毒のための薬剤を利用するなど早期対処で予防を徹底しましょう。
カトレアの詳しい育て方
苗の選び方
カトレアの苗を選ぶ際の確認すべきポイントは、葉の色やバルブの状態です。葉の緑が濃くつややかなものや、バルブに張りがありシワが寄っていないものがよい状態だといえるでしょう。
植え付け・植え替え
カトレアの植え付けをする際は、水苔で根を包むようにします。その後は安定するまで支柱を添えて茎を支え、ぐらつかなくなったらウッドチップやへバーグを入れた鉢に移しましょう。植え替えの際は、古い根や茎を整理して、水をたっぷり含ませた水苔で根を包み、周囲にウッドチップやバークを入れて鉢に植え付けます。
夏越しと冬越し

気温の上昇は、鉢内部の温度上昇に繋がり、蒸れによる根腐れの危険が伴います。水やりは夜間や早朝など涼しい時間帯に行いましょう。また直射日光は、葉焼けやつぼみ焼けの原因となるため、気温が30℃を超えてきたら、風通しがよく、直射日光の当たらない環境で管理しましょう。
冬越しは、最低気温が10℃以下にならない場所で管理します。最低気温が15℃程度であれば通年屋外栽培できますが、それ以下になる地域では、室内への移動や保温設備が必要となります。低温期は乾かし気味に育てます。ほとんど成長は見られませんが、バルブ内の水分や養分を使って翌年の新芽や花芽の準備をしていますので、暖かい日中は時折霧吹きや水やりをして、バルブ内の水分が枯渇しないように補ってあげましょう。
増やし方

カトレアは状態がよければ毎年新芽を出します。その際枝分かれするので、葉数が増えて株が充実してきたら、バルブとバルブをつなぐ茎の部分を切り取って株を分けることができます。株分けを行う時期は植え替え適期の春が望ましいです。株分け後の植え付けは、通常の植え替え時と同じく根を傷つけないように注意して行いましょう。また株分け直後は直射日光には当てず、気温変化の少ない場所で管理できると、その後の経過も順調です。
カトレアを育ててみよう!

カトレアは温度や水やりに注意しないと弱ってしまったり、花を咲かせなかったりする少し癖のある植物です。現在は品種改良が進み、丈夫な種類も増えてきましたが、水やり後はすぐ乾くような用土を使い、メリハリのある水やりを心がけましょう。また、栽培適温を守ることがとても大切です。きれいな花を咲かせるためには、施肥も忘れず行いましょう。少し手がかかる反面、期待に応えて美しい花を咲かせてくれた時の喜びはより大きなものとなります。この機会に、ぜひ栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。2026壁掛けカレンダー『ガーデンストーリー』 植物と暮らす12カ月の楽しみ 2026 Calendar (発行/KADOKAWA)好評発売中!
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