新年の花アレンジは華やかに! ラン・エピデンドラムとチューリップ

新しい年の始まりには、新春にふさわしい、明るく華やかなフラワーアレンジメントを飾りましょう。本日のフラワー&フォトスタイリスト、海野美規さんのWeb上アレンジメントレッスンでご紹介するのは、ランとチューリップの2種類の花だけで作る、シンプルながら華やかなアレンジメント。むずかしい決まりやテクニックは一切なし。ちょっとしたコツと自由な発想で、アレンジメントが楽しく、上手になりますよ。
目次
明るく華やかな花アレンジでスタート

新しい年の始まりには、華やかで楽しい花アレンジを飾りたいと思います。
1月になると、フラワーショップの店頭には、チューリップやスイセン、ヒヤシンス など球根の花が並びます。一年で一番寒い時期ですが、チューリップを見かけると、ぽっと心が温かくなります。勢いよく伸びる茎や、ぽったりとした花びら、カラフルな色、どこから見ても元気になれる花です。チューリップが好きな方は多いのではないでしょうか。私ももちろん大好きです。
そしてランも、新春にふさわしい華やかさと気品を感じさせてくれる花です。
ランとチューリップのコンビで、今年のフラワーライフを明るく元気いっぱいにスタートしましょう。
ラン・エピデンドラムはカトレア似

ランの一種、「エピデンドラム」をご存じでしょうか?
スーッと伸びた茎に、小さな花がボール状になって咲きます。一つひとつの花を見てみると、「なるほど、ラン!」と納得。小さくても、あのランの女王カトレアに似ています。それもそのはず、エピデンドラムは、中南米原産のカトレアに近い仲間なのです。日本で流通しているのは、茎が長いリードステムエピデンドラムというタイプで、鉢植えで見かけることが多いかもしれません。

今回は白の‘ホワイトキャッスル’という品種を選びましたが、ほかに、黄、ピンク、オレンジと、カラフルな花色がそろっています。
とても花もちがよく、茎が丈夫ということもあって、切り花としても使いやすいランです。
使った花と器

エピデンドラムと合わせたのは、ピンクのチューリップ。2種類だけですが、「タイプの違う花の組み合わせ」「ピンク+白の色合わせ」で華やかになりました。
器は、脚付きのガラスを使います。エピデンドラムもチューリップも、茎が真っ直ぐでとても綺麗ですので、茎も見えるように。器は大小2個用意して、大きなアレンジと小さなアレンジを作ります。
大きな器 直径20cm、高さ31cm
小さな器 直径12cm、高さ18cm
花留めとして、白玉石(白玉砂利)を器の底に入れます。
この白玉石は、ホームセンターの園芸コーナーなどで購入できます。使う前に洗っておきましょう。
アレンジの手順
白玉石をかき分けて、植え込むようにして茎を入れます。同じ場所から放射状に広がるようにすると、花火のように華やかになります。また、茎がすっきりまとまって見えます。
- 器に水を1/3ほど入れます。
- 器の1/3くらいまで白玉石を静かに入れます。水を先に入れておくと、ガラスへの衝撃が少なくなります。
- 中心となるエピデンドラム3〜4本を入れます。茎は白玉石に差し込むようにします。
そのままでは長すぎる場合は、葉のギリギリのところでカットします。上のほうの葉は生かしましょう。
- チューリップも同じように入れます。放射状に広がるように入れていきましょう。
エピデンドラムもチューリップも、本数が増えてくると、白玉石に差し込むことが難しくなってきますので、石の上に置くような状態でも大丈夫です。 - 花を入れ終わったら、白玉石の少し上くらいになるように水を補充します。
すべての茎が水に浸かっているかどうか、確認しながら水を入れてください。
エピデンドラムもチューリップも、浅水(水少なめ)で管理できる植物ですので、水の入れすぎには注意しましょう。

大きなアレンジの出来上がり。部屋に陽が差し込んでくると、チューリップが開いて華やかな印象になります。
花の本数を減らし、器を変えれば、同じ手順で小さなアレンジも作ることができます。


年越しの花火
ニューヨークやパリ、ロンドンなど大きな都市の、年越しのカウントダウン。賑やかに盛大に行われる様子は、毎年テレビの中継で目にします。
日本でも賑やかなところはあるのでしょうけれど、私はやはりどちらかというと、大晦日、年越しは静かに除夜の鐘を聞く(実際は聞こえないけれど)という習慣のほうが、なんとなくしっくりするような気がします。
ハンガリーの首都ブダペストに住んでいた時のことです。当時のハンガリーは、EUに加盟したばかりの頃で、まだまだ西ヨーロッパとは違う雰囲気がありました。それに、寒さの厳しい冬の夜は、街の中も人気がまばらで、バスや地下鉄は走っている最中に停電することもしばしば。真っ暗で少し怖く感じるほどでした。ですので、大晦日もきっと静かな年越しなのでしょうと思っていました。ところが、新年日付が変わった瞬間に、パンパンパーン、ドンドンドーンと大きな音が響き始めました。初めは何が起きたのか分かりませんでしたが、カーテンを開けて外を見ると、ドナウ川のほとりの国会議事堂や、くさり橋のあたりで、花火が打ち上げられていました。雪はもう降っていないものの、雪化粧をした街と、その夜空に打ち上げられた花火とのコントラストがとても美しく、感動しました。ふだんはひっそりとしたこの街も、こんなに賑やかに年越しをするんだなと驚いたことを覚えています。
まだまだ縮小しての年越しカウントダウンの都市もあるかもしれません。佳い一年になりますようにと祈るばかりです。

Credit
写真・文/海野美規(Unno Miki)
フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
https://www.annegarden.jp/
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