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クロトンはエキゾチックな観葉植物! 特徴や育て方、知っておきたい注意点・対処法を解説
クロトンは、カラフルな葉をもつ観葉植物で、エキゾチックな雰囲気をまとっています。寒さに大変弱く、冬は室内に取り入れる必要があるため、鉢栽培で楽しむのが前提です。この記事では、クロトンの基本情報や特徴、名前の由来や花言葉、種類、詳しい育て方についてご紹介していきます。
目次
クロトンの基本情報
植物名:クロトン
学名:Codiaeum variegatum
英名:croton、fire croton、garden croton、variegated croton
和名:ヘンヨウボク(変葉木)
その他の名前:クロトンノキ
科名:トウダイグサ科
属名:クロトンノキ属(コディアエウム属)
原産地:マレー半島、太平洋諸島
分類:常緑性低木
クロトンの学名はCodiaeum variegatum(コディアエウム・バリエガツム)。「クロトンノキ」「変葉木(ヘンヨウボク)」の別名もあります。日本には江戸時代に伝来したといわれており、品種改良などによって多くの品種が誕生しています。
クロトンはトウダイグサ科クロトンノキ属の常緑樹です。原産地はマレー半島、太平洋諸島。暑さに強いものの、寒さには大変弱いので、鉢栽培にして季節によって適した場所に移動しながら管理するのがポイントです。温暖な地域であれば屋外でも育つため、沖縄ではポピュラーな観葉植物となっています。
樹高は10〜200cmほど。ただし鉢栽培ではそれほど大きくならず、まめに剪定すれば樹高をコンパクトに保つことができます。
クロトンのライフサイクルは、以下の通りです。4月頃から新芽を出して生育期に入り、7〜8月に開花。常緑樹のため、冬でもみずみずしい枝葉を保ちますが、生育は止まります。越年してまた春になると生育し始める……という繰り返しです。
クロトンの葉や花の特徴
クロトンは葉色や葉姿を楽しむカラーリーフプランツです。100種以上あるといわれ、さまざまな品種が流通しているので、選ぶ楽しみがあります。つややかな光沢のある葉が特徴で、葉色は赤、黄色、緑、斑入り種があり、トロピカルな雰囲気。日差しの当たり具合によって葉色が変化するものもあり、さまざまな表情をみせてくれるのが魅力です。葉の形状によって7つの系統に分類されており、広葉系、細葉系、鉾葉系、長葉系、らせん系、有角系、飛び葉系があります。また品種によってサイズにも幅があり、ミニサイズから大鉢で育てて映える大株まで揃います。
クロトンの開花期は、7~8月。雄花と雌花があり、長く伸ばした花茎に、ボール状の白く小さな花が連なって咲きます。
クロトンの名前の由来や花言葉
クロトンという名前は、英名から付けられたもの。以前はクロトン属に分類されていましたが、現在はコディアエウム属に分類され、名前だけが残りました。和名のヘンヨウボク(変葉木)は、突然変異しやすく、多彩な葉の色や形のバリエーションがあることが由来です。
クロトンの花言葉は「妖艶」「艶っぽい」など。
クロトンの種類は?
バラエティーに富むクロトンの中でも、人気の種や品種についてご紹介します。
‘アケボノ’
広葉系で、赤や黄色などの葉が混じるカラフルな葉をもっており、インテリア用としても大変人気があります。寒さに大変弱く、冬でも15℃以上は保つ必要があるため、冬場は暖かい室内で育てましょう。
‘サマー・プリンス’
広葉系で、アケボノの枝変わり種。ライムイエローの美しい葉が特徴的です。流通が少ないといわれる、希少な品種の一つです。
‘ゴールドスター’
細葉系で、別名「オウゴンリュウセイ」。夜空に輝く星のように、グリーンの葉に黄色い斑点がついているのが特徴です。小型の品種で、狭いスペースでも育てられます。
‘エクセレント’
鉾葉系で、鉾(ほこ)のような形をした長い葉が特徴です。グリーンの葉に黄色やオレンジ、赤などの鮮やかな葉脈が入ります。エキゾチックな雰囲気を醸し、インテリアグリーンとしても人気です。
‘キラセン’
らせん系。螺旋状にくるくると巻き、グリーンの葉に明るい黄色が差します。ユニークな観葉植物が欲しい人におすすめです。「キンセンコウ」とも呼ばれています。
トビハ
飛び葉系。長い楕円形の葉先がつる状に細くなり、その先端に再び丸みのある葉をつける個性的な葉姿をしています。葉に鈴をつけているように見えることから「グリーンベル」とも呼ばれています。市場にはあまり出回っていない、希少種です。
クロトンの栽培12カ月カレンダー
開花時期:7〜8月
植え付け・植え替え:5月中旬〜8月
肥料:5〜10月
剪定:5~8月
クロトンの栽培環境
日当たり・置き場所
【日当たり/屋外】クロトンは日当たりを好み、気温が高い春から秋は戸外で育てるときれいな葉色になります。寒さに弱いため、基本的に鉢で栽培しますが、夏花壇の素材としても活用できます。
【日当たり/屋内】観葉植物として人気のクロトンは室内で育てられます。日光に当たるほど葉の発色がよくなるので、一年を通して日当たりのよい場所に置きます。日当たりの悪い場所では、葉色が悪くなったり、ヒョロヒョロとか弱い枝葉が茂って樹形が間のびしたりするので注意しましょう。ただし、葉の厚みが薄い品種などは真夏の強い日差しを浴びると葉焼けすることがあるので、レースのカーテンなどで遮光するとよいでしょう。
【置き場所】クロトンは寒さに弱く、日本の真冬の厳しい気候を苦手とするため、基本的に鉢栽培とします。季節に応じて室内に取り込むなど、移動しながら管理しましょう。
耐寒性・耐暑性
クロトンは耐暑性が強い反面寒さには大変弱く、冬は10℃を下回る場所では木が弱ることがあるので、室内に取り込みましょう。乾燥しすぎると葉を落とすことがあるので注意します。
クロトンの育て方のポイント
クロトンは温暖な地域では庭植えでも育てられますが、日本では鉢での栽培が基本です。クロトンの鉢栽培について、育て方を詳しく解説します。
用土
クロトンは、水はけのよい土壌を好みます。市販の観葉植物用の培養土を利用すると便利です。
水やり
鉢栽培では、日頃の水やりを忘れずに管理しましょう。ただし、常に湿った状態にすると根腐れすることがあるので、水の与えすぎには注意。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまでたっぷりと与えましょう。水を与える際は、株が蒸れるのを防ぐために株全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。
成長期を迎えてぐんぐん茎葉を広げるようになったら、気候や株の状態に適した水やりを心がけましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。
真夏は乾燥しやすいので、水切れには特に注意しましょう。また、気温の高い日中に水やりすると、太陽の熱によって土の温度が上がってお湯のように熱くなってしまうことがあり、株が弱ってしまいます。真夏の水やりは、気温の低い朝か夕方に行いましょう。
一方で、冬は水やりの回数を控えめにし、真冬は十分に気温が上がった真昼に水やりをすませておくことがポイントです。
肥料
【元肥】
苗を植え付ける際に施す肥料が、元肥です。元肥を施すことで苗の初期生育を助け、茎葉をしっかり茂らせることにつながります。植え付けの際に、培養土に緩効性化成肥料を施しておきましょう。ただし市販の培養土を利用する場合、元肥配合済みのものであれば不要です。
【追肥】
植え付けた苗が順調に生育し、元肥の効き目が切れた頃に与えるのが追肥です。鉢栽培の場合は、水やりとともに肥料成分が流亡しやすいので、追肥をして株の勢いを保つようにします。肥料を与える期間は、盛んに生育する5〜10月。2カ月に1度を目安に緩効性化成肥料を表土にばらまき、軽く土になじませます。もしくは10日に1度を目安に、速効性の液肥を与えてもよいでしょう。
注意すべき病害虫
【病気】
クロトンの栽培ではほとんど病気の心配はありませんが、褐斑病や白絹病などが発症することがあります。
褐斑病は、かびによる伝染性の病気です。主に葉に褐色またはくすんだ茶色の斑点が現れ、下葉から枯れ上がっていきます。雨が多い時期に発生しやすいのが特徴です。発症した葉を見つけたら、早々に切り取って処分し、周囲に蔓延するのを防ぎましょう。適用する薬剤を葉の表と裏に散布して、防除します。
白絹病はカビが原因の周囲に伝染しやすい病気です。根や茎に発生しやすく、発症初期は地際あたりに褐色の斑点が見つかります。病状が進むと株元の土に白いカビがはびこり、やがて株は枯れてしまうので注意が必要です。土づくりの際に、水はけのよい環境に整えることが予防につながります。
【害虫】
クロトンに発生しやすい害虫は、カイガラムシ、ハダニなどです。
カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mmほど。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。
ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期に葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。
クロトンの詳しい育て方
苗の選び方
クロトンの苗を選ぶ際は、ヒョロヒョロとした苗は避け、葉の色彩や模様が濃く鮮やかで、全体にがっしりとした幹の太いものを選びましょう。
植え付け・植え替え
クロトンの植え付け・植え替えの適期は、5月中旬〜8月です。
鉢の大きさは、入手した苗よりも1〜2回りほど大きい鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。クロトンの苗を鉢に仮置きし、高さを決めます。苗をポットから出し、軽く根鉢を崩して植え付けましょう。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと水が流れ出すまで、十分に水を与えましょう。
鉢栽培の場合、植え付けてから時間が経つと成長とともに根が詰まって生育が悪くなってしまうので、2〜3年に1度を目安に植え替えましょう。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。以前に植えていた鉢よりも大きな鉢を用意して株を大きくしてもよいですし、同じ鉢を用いてサイズ感をキープしてもかまいません。鉢から株を出したら、古い根を切り取って整理し、根鉢を徐々に崩して小さくしてから植え直します。
剪定
クロトンの剪定適期は5~8月で、生育している時期に行います。どこで切り取ってもよく、切り口下の節目から新芽が出てきます。枝葉が込み合いすぎている部分を透かすように剪定していきましょう。傷んでいるものや伸びすぎているもの、内側に向かって伸びているもの、ほかの枝に絡んでいるものなどを選んで切り取ります。また、クロトンは成長に従って下葉の色があせたり、下葉が落ちてくるものも多くあります。樹形が乱れていたら、深めの位置まで切り戻して仕立て直すとよいでしょう。
増やし方
クロトンは、挿し木で増やします。
挿し木とは、枝葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し木で増やせるものとそうでないものもありますが、クロトンは挿し木で増やせます。
クロトンの挿し木の適期は、5〜7月です。新しく伸びた茎節を10〜15cmほど切り取り、白い樹液が出てこなくなるまで流水で洗い流します。採取した茎(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。3号くらいの鉢を用意し、底にゴロ土を入れてから新しい培養土を入れてます。湿らせた培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて管理します。乾かさないように水の管理をし、発根して生育し始めたら日当たりのよい場所に移動しましょう。十分に育ったら、サイズに見合った鉢に移植します。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。
クロトンの樹液には毒性があるので注意する
クロトンの栽培で注意したいのは、毒を持っている特性についてです。クロトンの茎を折ったり切ったりすると、白い樹液が出てきます。この樹液が皮膚に付着すると皮膚がかぶれたり、かゆみが出たりするので注意しましょう。幼児やペットのいる家庭では、誤って口に入れることのないようにしてください。剪定などの手入れをする場合は、ガーデニング用のゴム手袋やエプロンを着用するなどの対策が必要です。樹液が皮膚についたら、すぐに流水で洗い流してください。毒があることを把握しておき、十分注意して取り扱えばそれほど恐れる必要はありません。
クロトンは観葉植物や贈り物としてもおすすめ!
カラフルで南国的な雰囲気を漂わせる葉が魅力のクロトンは、インテリアグリーンとして好まれ、贈答にも利用されています。日差しがたっぷり差し込む明るい場所に置き、寒さ対策さえきちんとしていれば、すくすく育つのでビギナーにもおすすめ。インテリアやベランダに取り入れて、スタイリッシュに彩ってはいかがでしょうか。
Credit
文 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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