冬から春に大活躍する野菜「キャベツ」。値段の高騰が話題にもなっていますが、この時期のキャベツは格別!ぜひ味わいたい旬の野菜です。今回は、みずみずしいキャベツを主役にしたレシピとパクチーの栽培のコツを、神奈川県葉山で植物を身近に暮らしながらアンティークバイヤーとして活動するルーシー恩田さんに教えていただきます。チリパウダーやクミンを使ったドレッシングを作りパクチーを合わせる、食欲誘う香りのメキシカンコールスローです。
目次
美味しい春がやってきた!

いつの間にか冬が終わり、待ち望んだ春がやってきました。ここからは植物達が一番イキイキ! 生命の美しさが溢れ出すシーズン。まるで沈丁花の香りを合図に、一斉に目を覚ましたかのよう。耳を澄ますみたいに、鼻を澄まして香りに意識を向けると、春は華やかで柔らかい香りがします。瑞瑞しい花々や生まれたての新緑の香り、南風の優しい香りが混じり、自然と呼吸も深くなっちゃう♡ スーハースーハー。
花粉症の方には辛い季節かもしれませんが、植物にとっても私たち人間にとっても、新しい季節の始まり。今年も春を迎えられたことに感謝して、美味しい自然の恵みをセレブレートしましょう!
万能! 野菜界の王様「キャベツ」

冬から春のお楽しみといえば、やはりキャベツ。昨今はキャベツの価格の高騰がニュースになっていましたが、万能野菜「キャベツ」は、やはり他の物には変えられぬ美味しさがあります。オーブン焼きにして水分が抜けるとコクが出るし、茹でてしっとり甘いのも大好き。私の大好物「お好み焼き」の主役だし、コールスローなどのサラダにするのもいいですねぇ。兎にも角にもキャベツは野菜界の「王様」なのです。キャベツisキングオブベジタブル!

こちらは収穫したての冬キャベツ。冬キャベツは画像のようにギュッと巻いていて白っぽく、どちらかと言うと扁平気味。春キャベツはふっくらとしていて巻きが緩めです。

私のお気に入りは普通のキャベツに紫キャベツを少し混ぜること。欧米風のサラダだって、エスニックな和え物だってこの紫が入れば魔法をかけたみたいに、華やかにドレスアップしちゃうんだから♡ ちちんぷいぷい! 美味しくなーれ!
キャベツの薄い緑と鮮やかな紫、ここに緑のハーブが入ればパーフェクトなカラーリング。そう、料理の美味しさはもちろん大事ですが、見た目だって可愛くしたい!
というわけで、今回はパクチーを合わせたいと思います。
両極端なファンを持つハーブ「パクチー」

英語ではパクチーのことを「コリアンダー」と呼び、タイ語では「パクチー」、中国語では「シャンツァイ」と、世界各地で広く食用されています。
日本人にとっては慣れ親しんだ香りではないので、嫌いな人は「絶対嫌だ!」と言い、好きな人は「大好き!」と言う、両極端なファンを持つハーブです。

17歳の頃にアメリカで食べた、初めての本格的なメキシコ料理はなんだか不思議な味でした。はっきり言えば、とにかく変な味! あの店はまずいんだ。と思っていましたが、今思えばあれが「パクチー」だったのです。いつの間にかパクチーの虜になり、自分でも育てるようになりました。

パクチーの育て方はとっても簡単。いつも言いますが、ハーブってのは、ほぼ雑草(いい意味で♡) 。手をかけなくても育ってくれる頼もしいごちそうです。

ホームセンターなどで苗も売っていますが、種子から育てると無限に収穫できるので、植える場所があれば断然! 種子からの栽培がおすすめです。プランターでもバッチリ育ちます。
パクチーの種子は硬い殻に覆われているため、そのまま播くと芽が出にくい傾向にあります。発芽率を高めるために、種まき前に軽く石などでトントンと叩くとよいでしょう!

露地栽培のパクチーはスーパーで売られている物とは香りが別次元! ぜひ育ててみてください。毎日必要な分だけ収穫する豊かさは格別です。
さぁ今夜は何を作ろう! パクチーとお似合いのスパイス「クミン」を組み合わせてはいかがでしょう?
メキシカンに欠かせないスパイス「クミン」

私のキッチンで一番減りが早いスパイス、それがこの「クミン」です。セリ科の一年草で、爽やかさと刺激的な香り、そしてほのかな苦みがあります。
いかにもカレーらしい香りのエスニックなスパイスですが、じつはヨーロッパ、アジア、アメリカ大陸、アフリカ大陸など幅広い地域で何百年にも渡って愛されているスパイスです。

トルコ料理、レバノン料理、モロッコ料理、スペイン料理、メキシコ料理などに使われ、このクミンさえ味方に付ければ、いろいろな国の料理を作ることができます。案外肉じゃがや、そぼろなどの和風料理ともよく合います。
こちらも好き嫌いがはっきりと分かれるスパイス。強烈で個性的ですが、嫌よ嫌よも好きのうち。じわじわとクセになる香りなのです♡
クミンを使ったミックススパイスに「チリパウダー」というものがあります。クミン単品では苦手な方も、これなら大丈夫かも?!
万能スパイスミックス「チリパウダー」

チリパウダーは、数種類のスパイスがミックスされた混合香辛料です。
基本的には、チリペッパーに、オレガノ、クミン、パプリカなどを加えたもので、決まった組み合わせはありません。ディルやガーリックなどが入っていることも。
メキシコ料理に必要なスパイスを調合する手間を省くために、もともとは中南米料理で使われてきたものが、アメリカで製品化されたようです。とにかく便利! 肉料理やスープ、乳製品とも相性が良いので一家に一本常備してほしいスパイスです。
粉唐辛子単独の辛いチリペッパーとは別物です。どちらもチリパウダーと呼ばれることがあるので、購入時には成分を確認するのをお忘れなく!

数種類のスパイスが配合されているため、それぞれの効果のいいとこ取り。食欲促進作用、血行促進作用、整腸作用、殺菌作用などがあり、身体が冷えている時や元気のない時にチリパウダーを使うと、きっとメラメラーッ! と元気が湧き出て、アミーゴ&アミーガのように陽気に楽しくなるかも? しれません。
今回ご紹介するのはそんなチリパウダー香る、コールスロー。食べれば食べるほどお腹が空いてくる! そんなサラダです。
春キャベツとパクチーで作る季節のごちそう「メキシカンコールスロー」

サラダっていう気分じゃないんだよねぇ、もう少しパンチがほしいんだよ! ってときにもバッチリなのがこのサラダ。お肉料理のサイドにもいいし、これからの季節のバーベキューにも引っ張りだこになりそうです。クリーミーなドレッシングにみずみずしいキャベツ、コーンの優しい甘み、ピリッとしたカイエンペッパーの辛み、ライムの爽やかブリーズが最高! チリパウダーとクミンのメキシカンフレーバーで陽気に踊りたくなる、そんなサラダです。
■ 材料

- キャベツ 1/3個
- 紫キャベツ 1/4個
- 紫玉ねぎ 1/4個
- コーン缶 1カップ ※小さな缶で1缶
- 赤パプリカ 半個
- パクチー 適量
(ドレッシング材料)
- マヨネーズ 大さじ4
- サワークリーム 大さじ2
- ライム 1/2個
- チリパウダー 小さじ2
- クミン 小さじ1/2
- ガーリックパウダー 小さじ1/4
- ハチミツ 大さじ1
- お好みでカイエンペッパー 小さじ1/2 ※少し辛いほうが美味しいかもしれません!
- 塩・胡椒 適量
- お好みで飾りにパプリカパウダーなど
■ 作り方
① キャベツと紫キャベツを千切りにする。紫玉ねぎは粗みじん、パクチーは1cm程に切り、パプリカはコーンの大きさに合わせて切る。コーン缶は水分を切っておく。


② ドレッシング材料全てを、ボウルなどに入れてよく混ぜる。

③ ドレッシングを①の野菜に絡めて、冷蔵庫で30分冷やす。

④ お気に入りのお皿にコールスローを盛りつけて、飾り用のパクチーとパプリカパウダーを散らして完成!

トルティーヤチップスを添えたり、タコスにお肉と一緒に巻いて食べたり。食材もカラフル! で、とにかくなんだか元気が出るサラダです。
私たちは食べたものでできているのだから、もちろん食事は大切。それと同時に食事は毎日の生活のルーティーン。そんなに大層なことばかりはしていられないもの。スパイスを使えば簡単な料理が、いつもより楽しく美味しくなるはずです。
さぁ!春がくるわよ。心を開いて、作ったことのないレシピにトライ♡ ぜひお試しを!
Credit
写真&文 / ルーシー恩田

ルーシー・おんだ/アンティークバイヤー/IFA認定アロマセラピスト/ITEC認定リフレクソロジスト。20代に訪れたタイ・チャン島でのファスティング(断食)経験から、心・体・生活環境などを全体的にとらえることにより、本来の自然治癒力を高め病気に負けない体づくりを学び啓発される。会社員としてデザインの仕事をしながら英国IFAアロマセラピストの資格を取得。退職後は更なる経験と知識の向上のためイギリスへ渡り、英国ITEC認定リフレクソロジストの資格を取得。現在は家業のイギリスアンティークの買付と販売をしながら、アロマセラピスト的な視点で自家栽培の野菜とハーブを使ったお料理教室やワークショップを開催している。
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