オールスパイスとフェンネルが香る「ローストかぼちゃと雑穀のハニースパイスドレッシングサラダ」
毎日の食卓に欠かせない「サラダ」。バリエーションが少なく、ワンパターンになっているときには、グリルした野菜を使ってみませんか? 生野菜だけのサラダとは違う雰囲気で、脇役が主役級に。今回は、フライパンで焼いたカボチャに旬の葉物や雑穀を合わせてみました。オールスパイス香るハニードレッシングのごちそうサラダを、神奈川県葉山で植物を身近に暮らしながらアンティークバイヤーとして活動するルーシー恩田さんに教えていただきます。
目次
毎日のルーティンワーク、サラダ作り

少しでも健康に気をつかっていれば、食事の際にサラダのことを考えるでしょう。外食続きで胃が疲れているなぁ、とか。食事の彩りを考慮して、今夜はどんなサラダを作ろう? とか。サラダの定番といえば、「レタス」「トマト」「キュウリ」「ゆで卵」。色合いはパーフェクト! だけど、毎日では飽きちゃう。
メインディッシュに比べると、サラダの手札が少ない方も多いのではないかしら?
野菜は栄養価も高く、季節ごとの身体に寄り添う効能もあるので、とっても優秀です。

一口に「サラダ」といっても、本当にさまざま。使う野菜も調理法も、調味料だって星の数ほど。サラダの世界は奥深く、とっても自由なのです。
私の料理クラスでは、4品中、2〜3品がサラダです。色とりどりの野菜やスパイスを使い、まるでメインディッシュのようなサラダを作ります。

野菜を生で食べるレシピはもちろん、オーブンでグリルした根菜を葉物と合わせたり、季節のフルーツを使ったサラダもほっぺたが落ちちゃう。自家製のドレッシングだって、コツさえ分かれば無限大の組み合わせで作ることができます。ハーブやスパイスを使えば、もっとサラダ上手になれちゃう! 今回ご紹介するサラダでは、ドレッシングに「オールスパイス」を使います。ハチミツや根菜との相性が抜群!
シナモンよりも大人っぽい香りの「オールスパイス」

久しぶりの登場です、「オールスパイス」。前回の登場は確か、アップルパイジャムを作ったときかしら。

じつはオールスパイスって、汎用性が高く万能。でも、日本のキッチンでは認知度低めかもしれません。肝心の味はというと、なんだか複雑で温かい香り。なんとなくシナモンに似た雰囲気ですが、スパイスに馴染みがあれば、「ん? クローブ? ナツメグ?」と答えてしまうかも。
オールスパイスの香りは、シナモンをもっと大人っぽくした印象。漢方でも重宝され、三香子(さんこうし)と呼ばれます。その名のとおり、「クローブ・シナモン・ナツメグ」の3種の香りを併せ持つオールスパイス。爽やかな香りと、ほのかに甘く苦い後味が特徴です。

まるでミックススパイスのような雰囲気の名前で、一人三役をこなす名役者! 消化促進、血行促進、鎮痛、免疫力アップなど、いろいろな嬉しい作用を持つオールスパイス。単品のクローブ、シナモン、ナツメグと併せて使うと、それぞれのクセをうまく調和させることができます。
ナツメグの代わりにお肉料理に使うもよし、シナモンの代わりにカレーやお菓子にも。クローブの代わりとして、りんごジャムにも使える優れもの。
さぁて! 美味しいお料理を作ったら、忘れちゃいけないのが「仕上げのお化粧」♡ です。香りのよいハーブを散らして、素敵に美味しく仕上げましょう! 今回はフェンネルを使います。
サラダの彩りにはフェンネルを

サラダだけではなく、料理の仕上げにも欠かせないのがハーブ。煮込みなどの際に材料として調理するのはもちろんですが、最後の「お化粧」にも大活躍。
特にローズマリーやタイム、フェンネルは多年草でほぼ一年中収穫できるので、身近にあるとなにかと便利。その中でも細い葉が美しいフェンネルはたくさん収穫できて、花も種も採れるので特におすすめです。

今年から、新しく畑を借りました。ちょうど近所の直売所で元気そうなフェンネルの苗を見つけたので、4株買って植えました。まだ少し寒い2月でしたが、まあ大丈夫でしょう!
ディルとよく似た葉で間違えられることもありますが、全くの別物。どちらもセリ科ですが、ディルはイノンド属で、フェンネルはウイキョウ属。
よく見るとディルのほうが葉も細かく、香りも大きく違います。ディルは基本的には一年草ですが、フェンネルは多年草。フェンネルのほうが大きく育ち、地植えにすると2mにもなるたくましい大型ハーブです。

鉢植えで育てる場合は、大鉢に。直根性で移植が苦手なので、最初から大きな鉢に植え込みましょう。鉢が小さいと、大きくなる前に、とう立ちしてしまいます。
庭にスペースがあれば、ぜひ植えてみてください。手間いらずで、日当たりと水はけのよい土壌であれば、元気に育つでしょう。繊細な葉と独特な風味は、サラダにピッタリなのです。
「ハニードレッシングのグリルドカボチャと雑穀のサラダ」

さぁて! 今回のサラダは、皆さんのサラダリストに入れていただきたい、おすすめレシピ。ホクホクのカボチャに、オールスパイスの香りとハチミツの甘みがクセになるひと皿です。カボチャと雑穀を使うので、食いしん坊なアナタもきっと大満足。ドレッシングにシナモンも使いますが、オールスパイスを加えることで、グッと大人っぽい奥深さが演出されます。仕上げのフェンネルで100点満点! まるでオシャレなデリ風サラダが、あっという間に完成します。
■ 材料

- カボチャ 1/6個ほど
- ルッコラなどの葉物 適量
- 雑穀や豆のミックス 適量 ※缶詰でもOK
- 飾りのハーブにフェンネル 適量
<ドレッシング材料>
- バルサミコ酢 大さじ2
- ハチミツ 大さじ2
- オリーブオイル 大さじ4
- ニンニク 1片
- シナモン パウダー 小さじ1/4
- オールスパイス パウダー 小さじ1/4
- 塩・胡椒 適量
■ 作り方
① 1cmほどにスライスしたカボチャを、オリーブオイル(分量外)をひいたフライパンに入れ、塩(分量外)を振り、中火で火が通るまで両面焼く。


② お好みの雑穀や豆のミックスを表示どおりに茹でて、水をしっかり切っておく(缶詰でもOK)。

③ ドレッシング材料をよく混ぜておく。

④ ボウルに①と②、ルッコラなどの葉物を入れ、③のドレッシングを8割ほどかけてサクッと混ぜる。

⑤ お気に入りのお皿に④を盛りつけ、残りのドレッシングを回しかけ、フェンネルを散らして完成!

今回使った葉物は、ハンサムレタスの紫と、ルッコラです。ハンサムレタスはその名のとおり、サラダに使うととってもハンサムで格好いいサラダができちゃう。紫色の食材は、いとも簡単に見栄えが美しくなるのでおすすめです。紫玉ねぎや紫キャベツなど、最近ではスーパーで紫色のスプラウトも見かけます。色使いもサラダのお楽しみ。クリエィティブに作ってみてください。

世の中には「料理は苦行だ!」と言う方もいるでしょう。でもね、私たち人間は食べなければ生きていけませんからね。せっかくなので楽しみましょう! 楽しく(簡単に!) 作って、美味しく召し上がれ♡
Credit
写真&文 / ルーシー恩田

ルーシー・おんだ/アンティークバイヤー/IFA認定アロマセラピスト/ITEC認定リフレクソロジスト。20代に訪れたタイ・チャン島でのファスティング(断食)経験から、心・体・生活環境などを全体的にとらえることにより、本来の自然治癒力を高め病気に負けない体づくりを学び啓発される。会社員としてデザインの仕事をしながら英国IFAアロマセラピストの資格を取得。退職後は更なる経験と知識の向上のためイギリスへ渡り、英国ITEC認定リフレクソロジストの資格を取得。現在は家業のイギリスアンティークの買付と販売をしながら、アロマセラピスト的な視点で自家栽培の野菜とハーブを使ったお料理教室やワークショップを開催している。
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