ハーブの香りが決め手! シェフから教わるフレンチ風温野菜でいつもの食卓をグレードアップ
せっかくハーブを育てているのに、意外に「どうやって使ったらいいのかしら」と使いこなせていないケースは少なくありません。そんな方にぜひお伝えしたいフレンチシェフのハーブ使い。今回はプランターでもよく育てられているローズマリーやタイム、オレガノ、ベイリーフです。
目次
ハーブは加熱しすぎはNG
ローズマリーやタイム、オレガノ、ベイリーフなどは香草とも呼ばれるハーブの中でも香りの強い種類で、しばしば肉や魚の臭み消しに使われます。育てやすいのでベランダのプランターなどで栽培している人も多いと思いますが、育てたものの上手に使えないという声も聞こえてきます。料理でよく聞く失敗は、「香りがプンプンして美味しくできない」というもの。
その原因は、入れすぎももちろんありますが、ほとんどの場合は火入れの時間に問題あり。長すぎるのです。ハーブはグツグツ煮てしまうと料理を邪魔するくらい香りが強く出るばかりでなく、漢方薬のような苦味やエグミも出てしまいます。
ハーブの風味を上手に引き出すコツは短時間と油脂分

短時間で風味だけを引き出すのがハーブの鉄則です。それには油脂分がいい働きをします。ハーブの香り成分は脂に溶け出す性質があるので、バターやオリーブオイルと一緒に火を入れ、短時間で火を止めると、「プンプン」ではなく「フワッ」と香り、食材の持つ臭みを消しながら、相乗効果で美味しさが倍増します。
フランス料理では加熱処理のことを「キュイソン」といいます。煮たり、焼いたりといった料理の「基本のき」を指すほか、素材を煮る液体、つまり煮汁のこともキュイソンといいます。今回はハーブの香りをつけたキュイソンで野菜を煮て、温野菜を作ってみましょう。野菜にも独特の香りがあり、特定の香りを苦手とする人もいますが、このハーブの煮汁を使うと、とても食べやすくなります。水だけだと香りが思うように移りませんので、バターを入れた水で煮るのがポイントです。
ハーブの風味を移した温野菜とビーフのワンディッシュ

【材料】

- ハーブ(1種類でもOKです)

- 野菜類
- ベーコン
- 水 300ml
- バター 30g
- 牛肉(かたまり) 200g(市販のローストビーフでもOK)
- バルサミコソース
- 塩、コショウ少々
【作り方】
- まずハーブ風味の煮汁を作ります。先ほどもお話ししたように、ハーブの香りは油脂分に溶け出すので、水にバター、塩とともにハーブを入れて沸かし、沸騰したら火を止めます。今回、私はベイリーフ、オレガノ、ローズマリー、タイムをそれぞれ異なる鍋に入れ、4種のキュイソンを作ります。
- 野菜を下茹でします。電子レンジでもOK。
- ①の中に②を入れて浸し、人肌程度に冷めるまでそのままにします。冷めていくときに風味がしっかり入っていきます。それぞれの香りに合わせて野菜を組み合わせましたが、これはなかなか手間がかかりますので、もちろん1種類のハーブのキュイソンにすべての野菜を浸しても構いません。上の写真の組み合わせはおすすめですよ。

- バルサミコ酢を煮詰めてバルサミコソースを作ります。
(動画参照)https://gardenstory.jp/lifestyle/70160 - 牛肉をかたまりのまま表面を全面焼き、中をレアに仕上げます。
肉は室温に戻しておきます。表面に塩・コショウをすりこみ、油をフライパンに引き、中火で全体に焼き色がつくまで焼きます。焼き色がついたらアルミホイルに包んで10分程度ねかせ、スライスします。 - 野菜と牛肉を皿に盛り付け、バルサミコソースをかけて完成。ハーブ風味の野菜がフワッと香り、お肉もすっきり食べられます。面倒でなければ、野菜ごとに違うハーブの風味をつけると、口に入れるたびに「おっ!」という発見があり楽しいですよ。

ローズマリー風味のジャガイモポタージュ・ベーコンホイップクリームのせ

秋冬はポタージュが美味しい季節です。ジャガイモとポロネギの「ポタージュ・ボンヌ・ファム」は、フランス家庭料理の最も基本的なポタージュ。ローズマリー風味にして、ベーコンホイップクリームをのせると、おしゃれに仕上がります。
【材料】

- ジャガイモ 200g
- 長ネギ 50g
- バター 50g
- 砂糖 12g
- 水 600ml
- 塩少々
- オリーブオイル 150〜200ml
- ローズマリー 枝先5〜6cmを1〜2本
- ベーコン 少々
- 生クリーム 100ml
【作り方】
- オリーブオイルを温め、ローズマリーを入れて香りを出します。

- ジャガイモをイチョウ切りに、長ネギはみじん切りにし、①のオリーブオイルで炒めます。

- 水と砂糖、塩を入れ、ジャガイモに火が通るまで煮ます。煮えたら裏ごしします。ミキサーを使うと、グルテンが出て舌触りが悪くなるので、木べらなどで裏ごしします。
- ベーコンを炒めて小さく刻みます。
- 生クリームを泡立て、ベーコンを混ぜます。

- 器によそったポタージュに、ベーコンホイップクリームをのせていただきます。このベーコンホイップクリームは、パンにつけても美味しいですよ。

テラスで育てる小さなハーブガーデン

庭でもハーブを育てていますが、キッチンから近いテラスでもハーブが摘めたら便利だなと思っていたところ、ベジトラグシリーズの「ハーブプランター」を紹介してもらいました。プランターと数種類のハーブ苗、土、肥料、土回収キットと育て方レシピがセットになっているので、初心者でも始めようと思ったらすぐに開始できて便利です。

組み立て式で、内側が8つの小さな部屋に分かれており、添付の不織布の袋をセットし、その中に培養土を入れて苗を植えます。生育旺盛なハーブですが、小部屋の中では根の生育が限られるため、一つひとつが程よくコンパクトに育ち、いろいろなハーブを育てられます。

テーブルほどの高さなので、立ったまま作業ができ、水をやったり摘み取るのにも楽です。料理によく使うチャイブやフェンネルを育てていますが、しゃがまずにハーブの様子が見られるので、お客さんの目も楽しませてくれています。そのうちハーブティーに使えるミントやカモミールなども植えたいです。香りを確かめながらお客さん自身に好きなものを摘んでもらい、お茶をお出ししたりするのもいいなぁと夢をふくらませているところです。

ガーデンデザイン・施工
Credit
レシピ考案・料理 / 伊藤仁美 - レストラン「ユンヌ・フルール」シェフ -

いとう・ひとみ/20代からレストランひらまつ広尾本店、パリ16区ひらまつで勤務。その後、広尾キャーブ・ド・ポール・ボキューズ、西麻布キャーブ・ド・ひらまつなどで料理長を歴任し、レストランのみならず有名メゾンや企業、パーティーなどでのケータリング経験も多数。2015年岐阜県ひるがの高原に「ユンヌ・フルール」を開店。不定休で完全予約制。予約は1年に1度のみ受付。
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撮影・取材・まとめ / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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