夏の強烈な陽射しは、愛犬の目にもダメージを与えます。紫外線に弱いといわれる犬の目は、特にこの季節はケアが欠かせません。ハーバルセラピストの資格を持ち、ペットのための自然療法も学ぶ海野美規さんが今回作るのは、愛犬の目の健康維持に役立つアントシアニンを豊富に含むビルベリーを使ったおやつ。ビルベリー入りパンケーキと、簡単チアシードプリンの2種のレシピをご紹介します。
目次
目の病気を防ぐ愛犬のアイケア

太陽がギラギラと眩しい季節となりました。愛犬の目のケアは大丈夫でしょうか?
紫外線の目への影響は大きく、さまざまな障害の原因となることが最近の研究で明らかになってきています。通常、紫外線の多くは眼球を守っている角膜で吸収されるのですが、波長によっては水晶体や眼球の奥にある網膜にまで達するものがあり、水晶体が濁る白内障を引き起こす原因となったり、目の老化現象を促進したりと、いろいろな目の病気を誘発してしまうこともあるそうです。
紫外線の強い季節、十分に注意して過ごしたいですね。

犬の目は紫外線に弱いといわれています。そのため、紫外線が当たり続けることで、目の病気を発症するリスクが高くなります。犬用のサングラスもあるようですが、なかなか上手に着けて散歩できる犬ばかりではないでしょう。普段から、犬の目の健康に気をつけて過ごすのが大切ですね。
犬の目を守るアイケアハーブとして、以前、アイブライトやカレンジュラをご紹介しました。今回はビルベリーを取り入れて、愛犬のアイケアをしていきましょう。
ビルベリーとアントシアニン

ビルベリーは北欧原産とされ、古代ギリシャ時代から食用・薬用として使われていたといいます。強力な抗酸化作用を発揮するアントシアニンを豊富に含み、さまざまな酸化ストレス、目や心血管系の健康を保つのに効果的とのこと。ビルベリーは、アントシアニンを含む食材の代表格ブルーベリーよりも、さらに多くのアントシアニンを含んでいることでも知られています。

夏に白夜となる北欧で、太陽の光を一日中浴び続けるビルベリーは、紫外線から身を守るために、アントシアニンを豊富に含んでいるのだそうです。北欧のビルベリーの実を切ってみると、中まで濃い青紫色になっているというCMを目にした方も多いかもしれませんね。
目の健康に役立つアントシアニン
アントシアニンはポリフェノールの1種で、青紫色の天然色素です。アントシアニンには、紫外線などの有害な光によるダメージから、植物が自らの体を守るという働きがあります。人間の場合は紫外線を浴びると、メラニンという色素によって肌を黒くすることで体内に紫外線が入るのを防ぎ、細胞が傷つかないように守っていますが、植物も同様にアントシアニンという色素によって紫外線などから実(身)を守っているのです。
そんなアントシアニンが目の健康に役立つといわれ始めたのは、戦時中、夜間飛行のパイロットの間で、ブルーベリー(ビルベリー)ジャムを食べると視界がよくなるという経験談が広まったから。その後ヨーロッパで研究が盛んに行われています。ブルーベリージャムで視界良好になるなら、もっとたくさん食べたくなりますね。
ハーブとしてのビルベリー活用

ハーブとして市販されているビルベリーには、パウダータイプとホール(ドライ)タイプがあります。犬用ハーブを取り扱っている通販サイトなどで購入できます。
パウダータイプは、そのままおかずやヨーグルトにふりかけるだけでも摂取できるので、とても便利に使えます。


ホールタイプは、リンゴ酢に漬けてビルベリービネガーにするのがおすすめだと、お店のアドバイスがありました。もちろん飼い主も、ドレッシングのほか、炭酸などで割ってドリンクとして一緒に楽しめるということで、私も早速トライしてみました。ビルベリーとリンゴ酢の組み合わせ、夏にぴったりなドリンクです!
ビルベリー入りパンケーキ

瞳の健康に役立つビルベリー。紫外線が気になるこの季節は特に、愛犬にビルベリーを食べさせたい! と思い、パンケーキに入れてみることに。アイケア効果が期待できるビルベリー入りパンケーキを作ってみましょう。
<材料>

- ビルベリー(ホール) 5g
- a)ビルベリー(パウダー)2g
- a)薄力粉 50g
- a)ベーキングパウダー 小さじ1
- 卵 1個
- 豆乳 50〜60g
<作り方>
1. ビルベリー(ホール)を大さじ1のお湯(分量外)で戻しておきます。
2. ボールに卵をとき、豆乳を入れてよく混ぜます。

3. aの粉類を合わせてふるい入れます。


4. 戻しておいたビルベリーを汁ごと入れて混ぜます。


5. フライパンにオリーブオイル(分量外)をひいて、生地を流し入れて焼きます。

出来上がり!


ビルベリーのチアシードプリン

スーパーフードのチアシードを使った、混ぜるだけの簡単プリンです。夏のおやつにどうぞ。
レシピ参考:「犬と猫のためのメディカルハーブガイド」金田俊介/著
<材料>

- チアシード 大さじ2/3
- ビルベリーパウダー 小さじ1/2
- ヨーグルト 30g
- 豆乳 大さじ1
<作り方>
1. 容器に、チアシード、ビルベリーパウダー 、ヨーグルトを入れてよく混ぜます。チアシードが水分を含み、もったりしてきます。

2. 冷蔵庫で冷やして出来上がりです。
チアシードは膨らむので、一度にたくさん与えないように気をつけましょう。必ず、水分を十分含ませた状態でつぶしてから与えてください。

目の日焼けに注意
梅雨も明けて、いよいよ夏本番です。今年も猛烈に暑くなりそうですね。これからの季節は犬の目の紫外線対策が必須です。
我が家の愛犬あんは、サングラスを持っていません。日中は部屋の中で過ごし、朝晩の散歩は、太陽がギラギラしている時間を避けるようにし、外に出たらなるべく日陰を歩くように心がけています。それなのに、愛犬あんは時々、直射日光の当たる暑い窓辺で寝そべっていることがあります。「たまには日光浴しないとね」という感じなのでしょうか。私がこんなに心配しているのに。親の心子知らずです。

参考:「メディカルハーブの事典」林真一郎/編
Credit
写真&文 / 海野美規 - フラワー&フォトスタイリスト -

うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
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