バラの魅力には、花色の美しさや花びらの繊細な表情、多数の花が一度に咲くなど、さまざまな要素がありますが、皆さんはバラのどんなところがお好きですか? 数々のバラを自ら育て、バラ文化と育成方法研究家で「日本ローズライフコーディネーター協会」の代表を務める元木はるみさんに、多彩なバラの花形について18品種を例に教えていただきます。お好みのバラ選びの参考にしてください。

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バラ好きを惹きつける美しい花形

バラを何年も育てている方なら、花形のバリエーションが豊富にあることをご存じかと思います。しかし、今までバラに興味のなかった方が、バラにはさまざまな花形があることを知って興味をもたれることも、実は多いのです。

バラには、さまざまな魅力がありますが、その一つである「花形」について、今回はご紹介させていただきます。

バラの「花形」基本編

シングル咲き

シングル咲き 
品種名「フラウ・ダグマー・ハストラップ」(HRg)1914年 独 Hastrup作出

5枚の花弁のバラで、小輪から大輪まで大きさのバリエーションも豊富です。多くは、シベを見せて平咲きになります。もともと野生種はこの5弁の花弁でしたが、園芸種のなかにも軽やかなこの咲き方があり、好む人も多く、多種作出されています。

シングル咲き 
品種名「ピンク・サクリーナ」(S)2006年 仏 Meilland作出

セミダブル咲き

セミダブル咲き 
品種名「スキャボロー・フェア」(S)2003年 英 David Austin作出

シングル咲きを倍にしたような花弁数で、シベを見せて咲き、小輪から大輪までさまざまです。花弁数が増えたのは、雄シベが花弁に変化したからです。

セミダブル咲き 
品種名「ペネロペ」HMusk 1924年 英 J.Pemberton作出

ロゼット咲き

ロゼット咲き 
品種名「クラウン・プリンセス・マルガリータ」(S)1999年 英 David Austin作出

花弁が多く、オールドローズに多い花形です。4つに芯が割れる咲き方をクォーターロゼット咲きといい、緩やかなロゼット状のものから密に込んだロゼット状のものまでさまざまです。同じロゼット咲きでも、花弁の大小、形状により印象が異なります。

クォーターロゼット咲き 
品種名「スヴニール・ドゥ・ラ・マルメゾン」(B)1843年 仏 Jean Beluze作出

カップ咲き

カップ咲き 
品種名「アンブリッジ・ローズ」(S) 1990年 英 David Austin作出

外側の花弁が内側に少し湾曲し、中の花弁を包み込む咲き方で、湾曲が強いとディープカップ咲き、浅いカップはシャローカップ咲きと呼びます。

ディープカップ咲き 
品種名「ジュード・ジ・オブスキュア」(S)1995年 英 David Austin作出
カップ~シャローカップ咲き 
品種名「クイーン・オブ・スウェーデン」(S)2004年 英 David Austin作出

剣弁高芯咲き

剣弁高芯咲き 
品種名「マダム・ヴィオレ」(HT)1981年 日 寺西菊雄 作出

花弁に尖ったように見える部分が現れ、花の中心が高い咲き方です。剣弁高芯咲きよりやや尖った部分が緩やかな咲き方は、半剣弁高芯咲きといいます。また、高芯でないものもあります。ハイブリッド・ティー・ローズに多い花形です。

半剣弁咲き 
品種名「ブラックティー」(HT)1973年 日  岡本勘治郎 作出

その他の変化した花形

ここまでご紹介してきた花形のその他のバリエーションをご紹介します。

【ポンポン咲き】球形に近い咲き方で、花弁が密でダリアや菊のポンポン咲きに似ています。小輪のバラに見られます。

【カクタス咲き】花弁が尖ったシャープな形状の咲き方です。

【波状弁咲き】花弁がフリルのように波を打った咲き方で、近年とても人気があります。

また、丸弁、盆状、カーネーション咲き、芍薬咲き、ダリア咲き、菊咲き、撫子咲き、星咲きなど、表記はいろいろです。これらを組み合わせて、「波状弁ロゼット咲き」と記したり、「カップ~ロゼット咲き」と、最初はカップ咲きで時間の経過とともにロゼット咲きに変化するなどの状態を表記する場合もあります。

カーネーション咲きの「ピンク・グルーテン・ドルスト」HRg 1923年 和蘭 Grootendrost,F.j.

近年人気の「波状弁咲き」

ライラックラベンダー色のフリルが光沢を帯びて美しい。
品種名「リベルラ」(Fl)2016年 日 今井ナーサリー 作出

ピンク色の花弁の細かいフリルがぎっしり詰まっている。
品種名「レトワール」(Patio) 日 小川宏 作出

また、花心部分に小さな花弁が内側に折れ込んだように丸く並んでボタンのように見える“ボタンアイ”のある花もあります。
品種名「セント・スイザン」(S)1993年 英 David Austin作出

こちらは、白い花びらの中心に、緑のシベが覗く“グリーンアイ”がポイント。
品種名「マダム・アルディ」(D)1832年 仏 Eugene Hardy作出

バラの花はご覧の通り、本当にさまざまな花形があり、花形にも時代の流行があることが分かります。ぜひ、お気に入りのバラとローズライフをお楽しみください。

今、わたしが心惹かれる花形

ダリアのような、菊のような花形の大輪美麗花。
品種名「雅」(HT)2014年 日 Rose Farm Keiji作出
小輪の「リュータン」(Min)1971年 仏 Meilland作出

最後に私が好きな花形をご紹介すると、ロゼット咲き、カップ咲き、波状弁咲き……とたくさんあって選びきれません。ゆえに、庭にバラが増えてしまったのだと実感しました。

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Credit

写真&文/元木はるみ

神奈川の庭でバラを育てながら、バラ文化と育成方法の研究を続ける。「日本ローズライフコーディネーター協会」代表。近著に『アフターガーデニングを楽しむバラ庭づくり』(家の光協会刊)、『ときめく薔薇図鑑』(山と渓谷社)など。TBSテレビ「マツコの知らない世界」で「美しく優雅~バラの世界」を紹介。
http://roseherb.exblog.jp

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