スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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観葉・インドアグリーン

カトレアの栽培は意外と簡単! 初心者が「温室いらず」で豪華な花を咲かせる方法
カトレアの基本情報 Guta Timmen/shutterstock.com 植物名:カトレア学名:Cattleya英名:Cattleya和名:日之出蘭その他の名前:カトレヤ科名:ラン科属名:カトレア属原産地:中南米の熱帯・亜熱帯地域形態:多年草 カトレアは、ラン科カトレア属に分類されるランの仲間です。原産地は中南米で、アンデス山脈付近の標高100mから1,500mあたりの森の木々に着生しながら自生しています。多くの種は寒さに弱く、暑さには比較的強い性質があります。現在もさまざまな品種改良が行われ、大きさや花色も無数にあります。また開花期も品種によって異なり、春咲き(3~4月)、初夏咲き(5~7月)、秋咲き(9~11月)、冬咲き(12~2月)の4タイプがあります。 カトレアの花や葉の特徴 kwanchai.c/Shutterstock.com 園芸分類:観葉植物開花時期:3~4月、5~7月、9~11月、12~3月(品種により異なる)草丈:~60cm耐寒性:弱い耐暑性:強い花色:白、ピンク、赤、オレンジ、黄、茶、緑、紫、複色 カトレアの原種は、ブラジルやコロンビア、エクアドルなどの中南米にその多くが自生しています。 肉厚の葉と、バルブと呼ばれる水分や栄養を貯めた茎を持っているため乾燥に強いのですが、反面根が濡れた状態が長く続くのは苦手です。毎年新しい芽が親株の根元から出て、そこから花を咲かせる複茎性種です。 現在、原種のほかに多くの品種が作出され、ブラサボラ属などとの交配も盛んです。そのため、草丈10cm程度のものから60cmを超えるようなものまであり、香りもさまざまです。鉢植えにも切り花にも使われ、華やかで豪華な姿と魅力的な香りで「洋ランの女王」とも称されます。栽培適温は15〜28℃で温暖な気候を好みます。家庭で育てる場合は、真夏を除いてよく日の当たる、常に空気が流れている場所で管理しましょう。 カトレアの名前の由来や花言葉 Worraket/Shutterstock.com カトレアの名前は、イギリスの園芸家ウィリアム・カトリー(William Cattley)に由来しています。自分のもとに送られた植物の梱包材料にカトレアが使われていたことがきっかけで、カトリー氏はカトレアの花を最初に咲かせた人物として知られることとなりました。なお、カトリー氏の名前をもとに植物名をつけたのは、本人ではなく植物学者のジョン・リンドリー氏です。 カトレアの花言葉は、「優美な貴婦人」「成熟した大人の魅力」「魔力」「魅惑的」など。また花色によっても異なり、紫色のカトレアであれば「優美な女性」「美しい」。白は「魅力的」「魔力」。黄色は「魅力」「気品」。ピンクは「成熟した大人の魅力」となっています。 カトレアは洋ランの代表的な種類 nunawwoofy/Shutterstock.com カトレアは観賞用の洋ランの一種であり、シンビジウムやデンドロビウム、パフィオペディルムとともに四大洋ランの一つに数えられます。ここからはカトレア以外の四大洋ラン3種と、洋ランのなかでも代表的なコチョウランについて解説します。 パフィオペディルムPaphiopedilum Cyrille Redor/Shutterstock.com 花弁の一部が袋のような形状をしたランの一緒。食虫植物のような見た目ですが、捕食はせず、ほかのランと同じく水や光、土を栄養源としています。花色は白、ピンク、黄、茶、複色など多種多様で、暑さに強く、寒さにやや弱いのが特徴です。 シンビジウムCymbidium NILTON E. MAIA/Shutterstock.com 淡いピンクの柔らかい花色が特徴のシンビジウムは、ひとつの花茎にたくさんの花をつけます。華やかな印象を与えるランのなかでも、可憐でやさしい雰囲気を持つ品種です。また、洋ランの中でもとくに寒さに強く、丈夫なのもポイント。春先から9月にかけて葉芽が伸びるので、こまめに芽をかきとって株を整理しましょう。 デンドロビウムDendrobium PAUL ATKINSON/Shutterstock.com デンドロビウムにもいくつかの種類がありますが、もっともよく知られているのがノビル系と呼ばれる系統です。花色は白、ピンク、オレンジ、黄、緑などさまざまで、開花期が長く花が楽しめます。晩秋の時期に10℃以下の低温を保つのが、花つきがよくなるコツです。 ファレノプシス(コチョウラン)Phalaenopsis badboydt7/Shutterstock.com ファレノプシス、別名コチョウランは、日本では祝い事の贈り物に人気の品種です。先端に向かって優美な曲線を描きつつ垂れ下がる仕立てに沿って、いくつもの大輪の花が並ぶ姿は、豪華で華やかな印象を与えます。寒さに弱いため、室内で育てられることが多い品種です。 カトレアの栽培12カ月カレンダー 開花時期:9~7月植え替え適期:4~5月、9月肥料:4月~9月下旬植え付け:12~翌年3月 カトレアの栽培環境 kwanchai.c/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 カトレアは日当たりのよい場所を好みます。室内なら鉢植えを日が当たる窓辺に置いておくなど、基本的にはたっぷりと日の光が差し込む環境で育てましょう。また、初夏から秋にかけては、寒冷紗などを活用して30%程度遮光をしつつ、十分に日を当てて管理します。 カトレアは蒸れにも弱いので、風通しのよい環境を選ぶことも大切です。 耐寒性・耐暑性 Adhing/Shutterstock.com カトレアは基本的に暑さに強い植物ですが、あまりに高温になりすぎるのもよくありません。栽培適温を超える夏場は、日陰に移動しましょう。 カトレアの育て方のポイント 用土 AntonSAN/Shutterstock.com カトレアは、自生地では木の幹や岩などに着生しています。そのため用土を選ぶ際には、水苔やウッドチップなど、保水性と空気を十分に含んでいるものが適しています。植える際には古い根を整理して、傷つけないよう慎重に作業しましょう。 水やり Boonyisa W/Shutterstock.com もともとは樹木などに着生しているので、乾燥には強い植物です。鉢植えで管理している場合は、栽培適温内の時期は用土が乾いたらたっぷりと与えましょう。水やりの後はよく風に当ててください。30℃を超えるような時期は涼しい時間帯に水やりを行い、鉢内部の蒸れに注意しましょう。栽培適温外の時期は水やりの頻度を遅くし、乾き気味に管理します。低温期に鉢内が濡れている状態が続くと根腐れの原因になってしまうので注意しましょう。 肥料 olorcocktail/Shutterstock.com 肥料は成長期に与えます。気温が18℃を超えてカトレアの根がよく動き始めたら、緩効性の置き肥を株からできるだけ離して与えます。また新しい芽が動き出し、成長期に入ったら、専用の液肥などを10日に1回程度与えると順調に育ちます。肥料焼けを防ぐためにも、はじめは規定量より少なめに施肥し、様子を見ながら与えましょう。 注意する病害虫 gamsvest/Shutterstock.com カトレアはウイルスなどが原因の感染症には弱いです。アブラムシがウイルスを媒介することもありますし、水やり時に傷ついた根から混入したり、株分け時に刃物などから感染することもあります。またカイガラムシが発生することもあり、放置すると株が弱ってしまいます。病害虫については、消毒のための薬剤を利用するなど早期対処で予防を徹底しましょう。 カトレアの詳しい育て方 苗の選び方 カトレアの苗を選ぶ際の確認すべきポイントは、葉の色やバルブの状態です。葉の緑が濃くつややかなものや、バルブに張りがありシワが寄っていないものがよい状態だといえるでしょう。 植え付け・植え替え カトレアの植え付けをする際は、水苔で根を包むようにします。その後は安定するまで支柱を添えて茎を支え、ぐらつかなくなったらウッドチップやへバーグを入れた鉢に移しましょう。植え替えの際は、古い根や茎を整理して、水をたっぷり含ませた水苔で根を包み、周囲にウッドチップやバークを入れて鉢に植え付けます。 夏越しと冬越し Sophie Leguil /Shutterstock.com 気温の上昇は、鉢内部の温度上昇に繋がり、蒸れによる根腐れの危険が伴います。水やりは夜間や早朝など涼しい時間帯に行いましょう。また直射日光は、葉焼けやつぼみ焼けの原因となるため、気温が30℃を超えてきたら、風通しがよく、直射日光の当たらない環境で管理しましょう。 冬越しは、最低気温が10℃以下にならない場所で管理します。最低気温が15℃程度であれば通年屋外栽培できますが、それ以下になる地域では、室内への移動や保温設備が必要となります。低温期は乾かし気味に育てます。ほとんど成長は見られませんが、バルブ内の水分や養分を使って翌年の新芽や花芽の準備をしていますので、暖かい日中は時折霧吹きや水やりをして、バルブ内の水分が枯渇しないように補ってあげましょう。 増やし方 AntonSAN/Shutterstock.com カトレアは状態がよければ毎年新芽を出します。その際枝分かれするので、葉数が増えて株が充実してきたら、バルブとバルブをつなぐ茎の部分を切り取って株を分けることができます。株分けを行う時期は植え替え適期の春が望ましいです。株分け後の植え付けは、通常の植え替え時と同じく根を傷つけないように注意して行いましょう。また株分け直後は直射日光には当てず、気温変化の少ない場所で管理できると、その後の経過も順調です。 カトレアを育ててみよう! BartTa/Shutterstock.com カトレアは温度や水やりに注意しないと弱ってしまったり、花を咲かせなかったりする少し癖のある植物です。現在は品種改良が進み、丈夫な種類も増えてきましたが、水やり後はすぐ乾くような用土を使い、メリハリのある水やりを心がけましょう。また、栽培適温を守ることがとても大切です。きれいな花を咲かせるためには、施肥も忘れず行いましょう。少し手がかかる反面、期待に応えて美しい花を咲かせてくれた時の喜びはより大きなものとなります。この機会に、ぜひ栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。
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おすすめ植物(その他)

2月3日・4日の節分〜立春にやると運気が変わる⁉ 厄除け植物7選と“春を迎える”しつらえ
節分と立春は「運気の分かれ道」 節分に飾る「ひいらぎいわし」。鬼を家に近づけないようにするために玄関に飾る。hanana15/Shutterstock.com 2月3日の節分は「季節を分ける日」、翌日、2月4日の立春は「新しい年の始まり」。旧暦では、立春が1年のスタートとされており、節分はその“年越し”にあたります。豆まきで鬼を追い払うのも、玄関にヒイラギを飾るのも、すべては悪い気を払い、新しい運を迎えるため。この節目に、住まいの「気」を整えることが、1年の流れをよくする大切なアクションになります。 でもその前に、そもそも私たちが「悪い気」とか「邪気」と呼んでいるものは、一体なんなのでしょうか? 邪気とは、自然環境の「境目」に起きるストレス じつは、日本の「節分」「立春」とほぼ同時期に、厄払いや季節の切り替え儀式が世界中で行われています。例えば、中国の春節を飾る赤い装飾には魔除けの意味があり、派手な音を鳴らす爆竹は悪霊を追い払うとされ、これらは節分とほぼ同じ思想に基づきます。 トウモロコシの皮で作った人形と、編み込みの十字架、スノードロップ、キャンドルで飾ったインボルクの祭壇。vetre/Shutterstock.com また、ヨーロッパでは2月2日にキャンドルマス(聖燭祭)が行われ、ろうそくを灯して光で邪気を払い、闇と寒さの終わりを祝ってきました。また古代においてもケルト文化では2月1日または2日に春の訪れを祝い、家と土地の浄化を行うインボルクという儀式が、ローマ帝国では2月中旬に厄払いと豊穣祈願のルペルカーリア祭が行われるというように、冬の終わりには邪気払いと生命の再生儀式が古くからセットで行われてきました。 丸い黄色の形のクレープを太陽に見立てて、春の到来を祝いフランスでは聖燭祭にクレープを食べる習慣が。Sokor Space/Shutterstock.com なぜこのように同時期に世界中で同様の邪気払い儀式が行われるのか。それはこの季節が「人類最大の不調リスクシーズン」だからです。これは現代医学の統計でも、冬から春にかけて自律神経系の不調や感染症が増える傾向と一致しています。 というのも、この時期は1年でも最も寒く、日照時間も短く、免疫力も下がりがち。さらに古代では食料保存状態も最も厳しかったことでしょう。これにより自律神経が乱れ、風邪を引きやすくなったり、精神が落ち込みがちになったり、古傷が痛んだり…。邪気とは、こうした病気や体調不良、それによる不安のピークを「見えない敵」として表したものであり、鬼や悪霊という存在も、昔の人が“自然の厳しさ”を理解するために生み出したもうひとつの言葉だったのかもしれません。 “厄除け”として用いられてきた植物 植物には、空気を浄化したり、湿度を調整したり、視覚的に心を整えるという科学的な作用があります。さらに、日本では古くから、 トゲ → 魔除け 香り → 邪気払い 常緑 → 生命力・再生 といった象徴性が重ねられてきました。 つまり植物は、理屈と文化の両面から、空間を浄化する存在。節分〜立春のタイミングで植物を取り入れることは、非常に理にかなった“開運行動”なのです。 2月の節分〜立春に飾りたい「厄除け植物」7選 ヒイラギ|なぜトゲは邪気を払うのか 晩秋に白い小さな香りのある花を咲かせるヒイラギ。NASIM24/Shutterstock.com ヒイラギの鋭いトゲは、日本だけでなく世界各地で「魔除けの象徴」とされてきました。 ヨーロッパでは、同じくトゲのあるホーリー(西洋ヒイラギ)を玄関に飾ることで、悪霊の侵入を防ぐ習慣が中世から続いています。中国や朝鮮半島でも、鋭利な植物を戸口に置くことで、悪い気を跳ね返すと考えられてきました。 鋭い形状は、人間の本能的な警戒心を刺激します。その心理効果が「魔除け」という象徴へと昇華し、世界共通の文化表現になったと考えられています。 赤い実がなるのは、西洋ヒイラギ。日本のヒイラギには赤い実はつかない。Miadzvedzeva Iryna/Shutterstock.com 【Plants Data】和名:ヒイラギ学名:Osmanthus heterophyllus英名:Holly Osmanthus科名:モクセイ科属名:モクセイ属形態:常緑小高木樹高:2〜5m(鉢植え:1〜2m)開花期:10〜11月観賞期:通年(葉)日照:半日陰〜日向耐寒性:強耐暑性:強特徴・ポイント:鋭いトゲのある葉を持ち、日本では古くから魔除けの象徴。常緑で一年中美しい姿を保ち、玄関や庭木として最適。 ナンテン|「難を転ずる」=厄除け 冬に鮮やかな赤い実をつけるナンテン。 ナンテンは日本で最も親しまれてきた縁起木のひとつです。「難を転ずる」という語呂合わせに加え、常緑で冬にも葉を落とさず、寒さの中でも赤い実を結ぶ姿が、不屈・再生・繁栄の象徴とされてきました。江戸時代には、鬼門(北東)除けの庭木として、武家屋敷や町家の裏鬼門に盛んに植えられています。 初夏に咲く白い小さな花も愛らしい姿。tamu1500/Shutterstock.com 【Plants Data】和名:ナンテン学名:Nandina domestica英名:Sacred bamboo科名:メギ科属名:ナンテン属形態:常緑低木樹高:1〜3m(矮性種:30〜80cm)開花期:6〜7月観賞期:11月〜翌年2月(実)日照:半日陰〜日向耐寒性:強耐暑性:強特徴・ポイント:「難を転ずる」の語呂合わせで縁起木として定着。赤い実は冬の庭や玄関を華やかに彩る。 シキミ|香りで浄化 春にはクリーム色の小さな花を咲かせる。常緑の枝葉に香りが。shiro_ring/Shutterstock.com 植物の香りは、古代から最も強力な浄化手段とされてきました。 日本:仏前供花・線香 中国:香木による場の浄化 古代エジプト:香油による結界 ヨーロッパ:教会での香炉 いずれも共通しているのは、香りが「見えない世界」と現実世界をつなぐ媒体と考えられていた点。シキミの清涼感ある芳香は、場の空気を切り替え、精神を鎮め、空間を清浄に戻すと信じられてきました。 【Plants Data】和名:シキミ学名:Illicium anisatum英名:Japanese star anise科名:マツブサ科属名:シキミ属形態:常緑小高木樹高:2〜5m開花期:3〜4月観賞期:通年(葉・樹形)日照:半日陰耐寒性:強耐暑性:強特徴・ポイント:芳香のある葉を持ち、仏事に使われることから浄化の象徴。日陰にも強く、庭の北側に適する。*果実には強い毒があるので、花後に花がらを摘んで実がならないようにすると安心。 センリョウ|赤い実で邪気払い 艶やかな葉と赤い実が日陰を彩るセンリョウ。Shepherdsatellite/Shutterstock.com 赤は、世界中で魔除けと生命力の象徴色です。 日本:赤子の産着、鳥居 中国:春節の赤装飾 古代ローマ:戦勝の赤 ケルト:魔除けの赤糸 赤は血と太陽を連想させ、生命力の最も強い色と考えられてきました。センリョウの赤い実は、冬という“陰”の季節に現れる「陽の象徴」。だからこそ、邪気を跳ね返し、福を呼び込む存在として、正月飾りにも重用されてきました。 【Plants Data】和名:センリョウ学名:Sarcandra glabra英名:Japanese spurge科名:センリョウ科属名:センリョウ属形態:常緑低木草丈:30〜100cm開花期:6〜7月観賞期:11月〜翌年2月(実)日照:日陰〜半日陰耐寒性:強耐暑性:強特徴・ポイント:赤い実が冬に映える縁起植物。庭の下草や玄関の鉢植えに最適。 冬の白花|白色の「浄化」の力 クリスマスローズ‘プリマドレス’と早春の白花の寄せ植え。鳥取県・面谷クリニックの庭より。 白は日本では最も清浄を象徴する色。神社の御幣や巫女の装束、神事の白装束などは、すべて「穢れなき状態」を意味します。また、ヨーロッパでも白百合や白バラは、純潔・祈り・鎮魂の象徴とされてきました。スノードロップは、前述したようにケルト文化の祭り「インボルク」を象徴する再生と希望の花です。 雪の中に花を咲かせるクリスマスローズ・ニゲル。Manfred Ruckszio/Shutterstock.com この季節に咲く白い花の代表はクリスマスローズ・ニゲル。ヨーロッパには、クリスマスローズの白い原種ニゲルにまつわる美しい伝承が残されています。 「キリスト誕生の夜、贈り物を持たない羊飼いの少女が流した涙の跡から、雪の中に白い花が咲き、それを幼子イエスに捧げた」――それが、クリスマスローズのはじまりだと語り継がれてきました。 節分から立春という“切り替えの時期”に、心と空間をそっと浄める花として、これ以上ふさわしい存在はありません。 【Plants Data】和名:クリスマスローズ(ニゲル)学名:Helleborus niger英名:Christmas rose科名:キンポウゲ科属名:クリスマスローズ属(ヘレボルス属)形態:常緑性宿根草草丈:20〜40cm開花期:12月〜翌年2月観賞期:12月〜翌年3月日照:半日陰耐寒性:非常に強耐暑性:やや弱特徴・ポイント:雪の中から咲くほどの耐寒性を持つ早咲き種。節分〜立春の象徴花としても最適。 シルバーリーフ|銀色の葉を我が家の守護神に 銀葉の品種が多いアルテミシア(ヨモギの仲間)。左はアサギリソウ、右はルドビシアナ ‘シルバークイーン’。Pavaphon, PRABHU SEKHAR/Shutterstock.com 銀色は月の光を象徴する色。闇の中にさす月の光は人類にとって、安心や鎮静、守りの象徴とされ、日本では月読命(ツクヨミノミコト)という神様が、ヨーロッパではアルテミスという月の女神が守護神として存在します。 アルテミシアというシルバーリーフの名は、この月の女神アルテミスに由来します。森と野生を守り、出産と再生を司る女神の名を持つこの植物は、古くから薬草として用いられ、人の体と心を浄める存在と考えられてきました。 多くのアルテミシアが銀白色の葉を持つのも、強い光や乾燥から身を守るための進化ですが、その姿は夜の月明かりを思わせます。月は東西を問わず、闇をやさしく照らし、乱れを鎮める象徴。アルテミシアは、その静かな光を、庭や鉢の中にそっと宿す植物なのかもしれません。 海岸沿いに生育するシロヨモギ。 【Plants Data】和名:アルテミシア(総称) ※代表種:シロヨモギ、アサギリソウ、ルドビシアナなど学名:Artemisia spp.英名:Wormwood, Mugwort科名:キク科属名:ヨモギ属形態:多年草 〜 低木状多年草草丈:30〜150cm(品種により大きく異なる)開花期:7〜9月観賞期:通年(主に葉)日照:日向〜半日陰耐寒性:強耐暑性:強 場所別|2月におすすめの「厄除け植物」の飾り方 ① 玄関ポーチ・玄関アプローチ 「外から入る邪気をブロック」する最重要ゾーンです。玄関ドアの横やポーチの隅に、鉢植えを2〜3鉢並べて、厄除けコンテナガーデンを作りましょう。 中心:白花のクリスマスローズ 背景:ナンテン 足元:センリョウ ② ベランダ・バルコニー ここは暮らしの中で、毎日目に入る「浄化スポット」です。室内からよく眺められる位置に、横一列で鉢を配置してみましょう。洗濯物を干すときにも、窓を開けた瞬間にローズマリーの香りがふわっと広がり、それだけで気分まで切り替わるのを感じられます。香り・白・銀のトリオで、空気感が一気に澄みわたるこんな植栽はどうでしょうか。 左:ローズマリー 中央:クリスマスローズ 右:シルバーリーフ ③ 庭の日陰・半日陰スペース 玄関から見える庭の半日陰に、三角配置で白い花と凛とした常緑樹の緑を配置すれば、何気なく眺めるだけで、気持ちがすっと整います。 奥:ヒイラギ 中央:クリスマスローズ 右:シキミ ④ 室内のリビングや窓辺に キャンドルの灯りをスノードロップとともに。ju_see/Shutterstock.com インボルクでは、キャンドルを灯し、光の再生と春の訪れを祝います。窓辺やサイドテーブルに、スノードロップなどの白い花とキャンドルを飾るだけで、冬から春へと移ろう空気感を、室内にやさしく取り入れることができます。夜、ろうそくの灯りに照らされた白い花は、心を静かに整え、新しい季節への気持ちの切り替えをそっと後押ししてくれます。 植物と迎える、わたしの立春 季節の変わり目に、心と体が揺らぐのは、何千年も前から変わらない人間の性(さが)。だからこそ人は、植物とともに春を迎える知恵を育ててきました。植物を取り入れたら、運気を下げないためにもお世話をしましょう。お世話といっても簡単です。枯れ葉を放置しない、鉢そこの水詰まりに注意する、室内に置いたものはホコリを拭くなど、清潔を心がけることで植物が健やかに育ちます。 一鉢の緑が、あなたの暮らしの「立春」になりますように。
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樹木

日陰の庭の救世主! 北側の庭をパッと明るく 放置OKな「ヤツデ」の育て方と人気品種
ヤツデの基本情報 tamu1500/Shutterstock.com 植物名:ヤツデ学名:Fatsia japonica英名:Japanese aralia、fatsi、paperplant、false castor oil plantなど和名:ヤツデ(八手)その他の名前:テングノハウチワ(天狗の葉団扇)、テングノウチワ、ヤツデノキ、オニノユビなど科名:ウコギ科属名:ヤツデ属原産地:日本(福島県以南の本州、四国、九州、沖縄)形態:常緑性低木 ヤツデの学名は、Fatsia japonica(ファツィア・ジャポニカ)。ウコギ科ヤツデ属の低木で樹高は2〜3mほどですが、毎年の剪定によってコンパクトな樹形を保つことも可能です。常緑性で、冬でもみずみずしい葉姿を保ちます。日本固有種で、関東以西から沖縄の山野に自生し、放任してもよく育つ庭木の一つです。耐陰性が強く湿り気のある環境を好み、日陰でも生育します。また、耐塩性もあり、環境に適応してよく育つ丈夫な樹木です。 ヤツデの花や葉の特徴 Peter Turner Photography/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:10〜12月樹高:3~5m耐寒性:やや弱い耐暑性:普通花色:白 ヤツデの葉は光沢のある濃い緑色で、深い切れ込みが入る手のひらのようなフォルムが特徴。葉の長さは20~40cm、さらに15~45cmと長い葉柄を持ち、存在感があります。この葉柄により、葉が重ならないように生育することが日陰に強い理由なのだとか。斑入り品種などバリエーションもあり、シェードガーデンの庭木として活躍します。晩秋から冬に5㎜ほどの白い花が咲き、花茎の頂部に集まってドーム状になります。花が少ない時期に開花するため庭の彩りとしてよく目立ち、またハエやアブなどの昆虫の貴重な蜜源となります。開花後、たくさんつける小さな実は、緑~赤紫色~黒紫色へと色が変化し、翌年の5月頃に熟します。 ヤツデの名前の由来と花言葉 shepherdsatellite/Shutterstock.com 大きな葉には深い切れ込みが入って手のように見え、「八つ」に分かれて見えることが名前の由来です。漢字で「八手」と書きますが、7つや9つに裂けることがほとんどで、まれに5、11などもありますが、通常はいずれも奇数に分かれ、8つに分かれることはありません。ヤツデという名前になったのは、8は数が多いことを象徴し、縁起がよい数字だったためといわれています。 また、「天狗の葉団扇(テングノハウチワ)」という別名もあり、これは葉が天狗の持っている団扇に似ていることに因みます。天狗が使っている団扇と同様に、魔除けの効果があるといわれています。 ヤツデの花言葉・誕生花 tamu1500/Shutterstock.com ヤツデの花言葉は、「分別」「健康」「親しみ」など。ヤツデが半日陰のような厳しい環境でも強健に育つことから「健康」という花言葉を持っています。 諸説ありますが、12月13日、12月27日の誕生花です。 ヤツデは縁起が悪い⁉︎ 真相は? simona pavan/Shutterstock.com ヤツデは、縁起が悪い植物といわれることがあります。葉が大きいため庭に植えると鬱蒼として日陰を作ることや、わずかに毒性が含まれていることがその理由です。しかし、現在では逆に縁起がいいといわれています。その理由は、天狗の団扇のような見た目で、魔除けの効果が期待できること、葉が手の形に似ているため人を招き寄せる験担ぎにされていることからです。 ヤツデの活用シーン EVA PHOTOGRAPHe/Shutterstock.com ヤツデは半日陰の場所でもよく育つことから、日差しが少ない北側の庭や落葉樹の株元などで重宝します。また、手の形に似た葉姿から人を招き寄せる“千客万来”の願いを込めて、玄関や店先などに飾る習わしもあります。観葉植物としてインテリアをみずみずしく彩るのも素敵です。 パティオに置かれた鉢植えのヤツデ。Alex Boc/Shutterstock.com ヤツデの毒性 Arclight Artist/Shutterstock.com ヤツデは葉や茎、根などに毒性のあるサポニンを含みます。サポニンには魚毒作用があり、魚の捕獲に利用されていたこともあります。手で触れたり庭で育てたりする場合には問題ありませんが、子どもやペットが誤食しないよう注意しましょう。 ヤツデの代表的な品種 Wiert nieuman/Shutterstock.com ヤツデはさまざまな種類が揃い、表情豊かなカラーリーフとして活躍します。この章ではヤツデの品種をいくつかピックアップしてご紹介します。 斑入りのヤツデ。Imagepocket/Shutterstock.com キンモンヤツデ 葉の縁に黄色い斑が品種です。ランダムに斑が入るので葉によって表情が異なり、グリーン一色よりも暗い場所を明るく見せる効果があります。 キアミガタヤツデ 葉に黄色の斑が網目状に入る品種。全体に明るい葉色が魅力で、カラーリーフとして重宝します。 フクリンヤツデ 葉の縁に沿うようにクリーム色の斑が入る品種です。冬もみずみずしい葉色を保ちます。 ヤグルマヤツデ 葉色はグリーンで、葉の切れ込みが深く入るのが特徴です。 チヂミバヤツデ 葉色はグリーンで、葉の縁にウェーブが入るのが特徴です。 スパイダーウェブ LifeisticAC/Shutterstock.com ヤツデの園芸品種で、細やかな白い斑がランダムに入ります。‘紬絞り(つむぎしぼり)’という品種からの選抜種とされています。 叢雲錦(むらくもにしき) 葉の外側が緑色で内側が黄緑色の斑(黄三光中斑)が入る人気品種。流通が少ない貴重な種です。 ヤツデの栽培12カ月カレンダー 開花時期:10〜12月植え付け・植え替え:5〜6月肥料:3月頃剪定:3~4月種まき:5月頃 ヤツデの栽培環境 Aygul Bulte/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】半日陰を好み、日当たりの悪い庭で活躍する植物です。日なたでも育ちますが、真夏などに強い直射日光を浴びると葉焼けして葉が傷んでしまい、観賞価値が著しく低くなってしまいます。ただし、あまりに日当たりが悪いと枝葉がヒョロヒョロと伸びて間伸びした樹形になるので、植える場所の選定には留意しましょう。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】庭に植える場合は、朝のみ光が差す東側や、チラチラと木漏れ日が差す落葉樹の株元などがおすすめです。鉢植えの場合は、光が強くなる真夏は明るい半日陰の場所に置き、冬は日当たりがよく寒風が強く吹きつけない場所に置くなど、季節によって適した場所に移動して管理するとよいでしょう。土壌はやや湿り気があって、腐食質に富んだふかふかとした状態が好適。 耐寒性・耐暑性 ヤツデは暑さに強いのですが、西日が照りつける場所や乾燥しやすい場所は苦手です。寒さにはやや弱く、マイナス5℃程度までは問題なく生育しますが、マイナス5℃を下回ると葉が傷むことがあります。北海道〜東北の寒冷地では地植えを避けて、鉢栽培にするとよいでしょう。 ヤツデの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 まず一年を通して半日陰で、風通しのよい場所を選びましょう。植え付けの2〜3週間前に、直径・深さともに50cm程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。土に肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の樹木用の培養土を利用すると手軽です。自身でブレンドする場合は、赤玉土小粒6、腐葉土4の割合にするとよいでしょう。 水やり Vladimir Gjorgiev/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために枝葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。 真夏は、気温が高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続いて乾燥しているようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ヤツデは乾燥に弱いので、水切れに注意してください。ただし、いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬もカラカラに乾燥させることのないように、適宜水やりを続けてください。 肥料 New Africa/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 生育期に入る少し前の3月頃、緩効性化成肥料を株の周囲にまき、周囲の土を軽く耕して土になじませましょう。あまり肥料を多く与えると枝葉が茂りすぎて樹形が乱れやすくなるので、与えすぎには注意し、控えめに与えてください。 注意する病害虫 Decha Thapanya/Shutterstock.com 【病気】 ヤツデに発生しやすい病気は、炭疽病やすす病などです。 炭疽病は、春や秋の長雨の頃に発生しやすくなります。カビを原因とする伝染性の病気で、葉に褐色で円形の斑点ができるのが特徴です。その後、葉に穴があき始め、やがて枯れ込んでいくので早期に対処することが大切です。斑点の部分に胞子ができ、雨の跳ね返りなどで周囲に蔓延していきます。密植すると発生しやすくなるので、茂りすぎたら葉を間引いて風通しよく管理してください。水やり時に株全体に水をかけると、泥の跳ね返りをきっかけに発症しやすくなるので、株元の表土を狙って与えるようにしましょう。 すす病は、一年を通して葉や枝などに発生し、表面につやがなくなります。病状が進むと黒いすすが全体を覆って見た目が悪いだけでなく、光合成がうまくできなくなり、樹勢が衰えてしまいます。カイガラムシ、アブラムシ、コナジラミの排泄物が原因で発生するので、これらの害虫を寄せ付けないようにしましょう。込んでいる枝葉があれば、剪定して日当たり、風通しをよくして管理します。 【害虫】 ヤツデに発生しやすい害虫は、カイガラムシなどです。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mmほど。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われて、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 ヤツデの詳しい育て方 苗の選び方 苗を購入する際は、茎が太く引き締まってぐらつきがないもの、葉の色艶がよく虫食いや病気の痕がないものを選びましょう。 植え付け・植え替え Monkey Business Images/Shutterstock.com ヤツデの植え付け・植え替えの適期は、5〜6月です。ただし、植え付け適期以外にも苗木は出回っているので、花苗店などで入手したら真夏と真冬を除いて早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、根鉢を軽くくずして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。 地植えにしている場合、環境に合って順調に生育していれば植え替える必要はありません。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、入手した苗よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗木を鉢の中に仮置きし、高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3㎝下を目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から水が流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 鉢植えの場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、2〜3年に1回は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 剪定 Kamila Koziol/Shutterstock.com ヤツデの剪定適期は、3〜4月です。込み合っている場合は古い枝を元から切り取って若い枝を残しましょう。若い枝でも長く伸びすぎている場合は、強めに切り戻してコンパクトな樹形を保つとよいでしょう。萌芽力が強いので、また切り口付近から新芽が出て生育します。 また、ヤツデは葉のサイズが大きいので、込みあいすぎているようであれば古い葉を切り取って風通しをよくします。ただし、あまり葉を切りすぎると生育が悪くなることがあるので、樹形のバランスを整える程度にとどめてください。 増やし方 ヤツデは、主に挿し木、種まき、株分けで増やすことができます。 【挿し木】 挿し木とは、枝を切り取って土に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し木ができないものもありますが、ヤツデは挿し木で増やすことができます。 ヤツデの挿し木の適期は、6〜7月か9月頃です。その年に伸びた新しい枝を10〜15cmほどの長さで切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を切り取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。その後は日当たりのよい場所に置き、成長に応じて鉢増ししながら育苗し、大きく育ったら植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 【種まき】 ヤツデの実がついたら5月頃に完熟するので、そのタイミングで果実を採取して種まきします。種子を取り出して流水でよく洗い流しておきましょう。黒ポットに新しい培養土を入れて十分に湿らせ、ヤツデの種を黒ポットに数粒まきます。軽く土をかぶせ、明るい日陰で管理しましょう。本葉が1〜2枚ついたら勢いのある苗を1本のみ残し、ほかは間引いて育苗します。ポットに根が回るまでに成長したら、少し大きな鉢に植え替えて育苗します。苗木として十分な大きさに育ったら、植えたい場所に定植しましょう。 【株分け】 ヤツデの株分け適期は5〜6月です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株分けできます。株元から複数の芽が出ているときに行うとよいでしょう。株を掘り上げて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、同じ姿の株が増えていくというわけです。 初心者も育てやすい! 昔から親しまれているヤツデを庭木にしよう Tom McPherson/Shutterstock.com エバーグリーンで一年を通してみずみずしい葉姿を保つヤツデは、日陰の庭を彩ってくれる貴重な庭木。環境適応力が強く、育てやすいのも魅力です。冬に白い花を咲かせた後、越年後に果実をつけてグリーンから黒へと変化していく様子を楽しめ、季節の移ろいを感じられるヤツデを、ぜひ庭に植栽してみてください。
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樹木

【憧れの花14種】毎年植え替えなくていい? 「ラックス」と「シュラブ」で叶える、手間なしで美しい春の花壇術
皆さん、春の花壇の準備進んでいますか? yoshiex/shutterstock.com 地面に低く咲く草花ばかり植えていて、「なんだか庭が平坦で寂しい…」と悩むことはありませんか? そんな時こそ、庭に立体感や奥行きを感じさせる「花木(シュラブ)」と、圧倒的な存在感を放つ「ラナンキュラス・ラックス」の出番です。 風に揺れる優雅なラックスと、季節の訪れを告げる花木のコンビネーションは、まさに最強の組み合わせ。この春、“素敵!”と感動する、立体感のある花壇作りのヒントをご紹介します。 今や春に欠かせない花、ラナンキュラス・ラックス ラナンキュラス・ラックスは、近年ガーデニング界に革命を起こした注目の植物です。その名の由来は「Lux(光)」と「Wax(ワックス)」。太陽を浴びてピカピカと輝く、ガラス細工のような艶やかな花弁が最大の特徴です。 しかし、ラックスの真価はその「圧倒的な性質の強さ」にあります。従来のラナンキュラスは夏越しが容易ではないことが難点でしたが、ラックスは耐暑性が強く、水はけがよければ「植えっぱなし」で夏越しが可能な宿根草です。 地植えにすると驚くほど大株に育ち、春には一株から数十輪以上の花が次々と咲き誇ります。また、草丈が高く(50cm〜1m)、風に揺れる姿は優雅そのもの。今回ご紹介する「花木」とも相性がよく、株元に植えても埋もれずに、庭に美しい立体感を生み出します。 さらに花持ちも抜群で、切り花としても長く楽しめるハイパフォーマンスな植物。「美しさ」と「手軽さ」を兼ね備えたラックスは、春の庭づくりの主役として自信を持っておすすめします。 「ラナンキュラス・ラックス」イチオシ品種5選 近年、数多くのラナンキュラス・ラックスの品種が登場し、色も草姿もさまざまでコレクションする人もいるほど。平田ナーセリーの生産している品種の中から、今年咲かせたい! イチオシの品種を5種ピックアップしてご紹介します。 バイカラー咲きの新品種‘ペネロペ’ クリームホワイトにピンクの差し色が入るバイカラー咲きの2025年新品種です。花の色合いは色幅が大きく、それぞれの株に個性が出ます。‘ペネロペ’と以下の‘アポロン’の苗は、3月より発送します。 イオ咲きの新品種‘アポロン’ 名前が示す通り“太陽”を思わせる「イオ咲き」の2025年新品種です。明るいクリームイエローからレモンイエローの色幅があり、花弁も個体差があります。‘アポロン’と上記‘ペネロペ’の苗は、3月より発送します。 魅惑のピンク花 ‘ジュピター’ 濃色の鮮やかなピンク花が美しい品種です、地上部から花までの姿がまとまりやすく、鉢植えにしても地植えでも立ち姿の美しい品種です。 鮮やかに輝く赤花 ‘ハデス’ 最も赤い品種。時間とともに、赤い花弁がシェルホワイトへと変化し、輝きを増していきます。キメラといわれる2色咲きの個体が出やすい品種です。 桜貝のような美しい花 ‘アリアドネ’ 桜貝のような淡いピンクで、咲き始めから、艶やかな光沢が美しい品種。一番花はバラのような八重咲きで次第に半八重の花形に移り変わっていく姿が魅力的、日本フラワー・オブ・ザ・イヤー2012切花部門 「最優秀賞」受賞花で、切り花としても花もちのよい品種です。 ラックスからアナベルへとドラマチックに開花がバトンタッチ! 人気の花を自宅で咲かせる贅沢 ラナンキュラス・ラックスは3月下旬〜4月になると地上部が枯れ始め、休眠の準備をし始めます。5月以降は完全に休眠し地上部が何もない状態になってしまいます。少し寂しくなったその場所に新たに花を植えるのも方法ですが、土を掘る時にすでに埋まっている球根を傷めてしまわないかと、恐る恐る植え替えをされている方も多いのではないでしょうか? そこでおすすめなのが「アジサイ」です。ラナンキュラス・ラックスの花が終わった後も、庭をにぎやかにしてくれて、植え替えの手間も省けるのが、アジサイ‘アナベル’です。 アジサイ(Hydrangea)は、全国各地に多数の名所があり、初夏の到来を知らせてくれます。日本で愛される植物の一つですが、公園や神社、観光ガーデンなどで見られるアジサイは、主に西洋アジサイ(Hydrangea macrophylla)。なかでも近年は、アジサイ‘アナベル’を群生させて、一面に咲かせる名所も増えているほど、アナベルの人気が年々高まっています。また、アナベルは、フラワーアレンジやリースなどのクラフト素材としても人気があり、自分で育てていれば、好きなだけ部屋に飾ったり、ドライにしてクラフトに使えるなど楽しみがいっぱい! 切り花を都度買い求めなくても、手軽にいつでも摘んで使うことができます。 西洋アジサイ(紫陽花)とアナベルの特徴 西洋アジサイとアナベルには、それぞれに異なる特徴があるのをご存じでしょうか? 西洋アジサイのルーツは、本来日本原産のアジサイをシーボルトが母国に持ち帰ったことに始まります。その後ヨーロッパで品種改良が進み、花が大きく、華やかで豪華なアジサイが誕生しました。それが日本へ逆輸入されたものが、現在の西洋アジサイのルーツです。 それに対しアナベルは、北アメリカ原産のアジサイ。別名アメリカアジサイとも呼ばれる、アメリカノリノキ(Hydrangea arborescens)の園芸品種です。直立性の低木で、草姿も西洋アジサイとは異なります。 また、花言葉にも違いがあります。一般的なアジサイは、花色が変わることから「移り気」や「浮気」。一方、アナベルの花言葉は「ひたむきな愛」「辛抱強い愛情」。アナベルは、愛を伝えるのにもぴったりな花です。 西洋アジサイにはない「風にそよぐ草姿」も魅力 アナベルが咲く花壇。 よく見かける西洋アジサイは、剪定されて丸いドーム状の樹形をしています。葉は肉厚で、花のないシーズンでもこんもりしています。アナベルの場合は、すっとまっすぐに伸びた細い茎の先端に、手毬状の花を咲かせます。たおやかに風にそよぐ、若草色の柔らかな葉と純白の花のコントラストが、日増しに暑くなっていく庭に、爽やかな清涼感をもたらしてくれます。 土壌の酸度に左右されない花の色 krolya25/Shutterstock.com アジサイは土壌の酸度で花の色が変わることは、よく知られています。美しいパステルピンクが気に入って庭に植えたアジサイが、翌年、くすんだ青紫色で咲いた……。そんな経験はありませんか? 酸性土壌では、土中のアルミニウムが溶け出し、それを吸収したアジサイは青色に発色します。日本の弱酸性土壌では、ほとんどの場合、青みがかった花を咲かせます。しかし、アナベルは土壌の酸度に関係なく、純白の花を咲かせてくれます。ライムグリーンの小さなつぼみが日増しに大きく成長し、徐々に純白へと変化していきます。開花期間が非常に長いのもアナベルの特徴です。 剪定時期を急がないアナベル OlgaPonomarenko/Shutterstock.com 西洋アジサイとアナベルの大きな違いが、剪定する時期です。西洋アジサイもアナベルも、剪定をしなくても毎年花を咲かせてくれるのですが、大きく育って背丈が高くなると、庭のスペースを圧迫してしまいます。そこで、毎年の剪定が欠かせません。 西洋アジサイの場合、花後の7月中旬までに剪定を行わないと、翌年花が咲かなかったり、ポツポツとしか咲かないことがあります。西洋アジサイの花芽は秋までに作られるため、適期の剪定を忘れてしまうと、背が高くなりすぎたり、遅れて剪定することで花芽まで切ってしまうことがあります。 一方、アナベルの場合は、春に伸びた新梢に花芽ができます。そのため、剪定を急ぐ必要はありません。2~3月までに剪定すればOK。どこから切っても花芽ができるので失敗がありません。 剪定の仕方で楽しみ方が広がります 大きな花を楽しみたい場合は、地際付近の3節程度を残して深く剪定します。花数は減りますが、2~3本の少ない枝に養分を集中できるため、直径20~30cmもある大きな手毬のような花を咲かせます。 花数を多くして楽しみたい場合は、たくさんの新芽を出させるために枝を軽めに剪定します。多くの枝に栄養が分散するため、花は小ぶりになりますが、その咲き誇る花数は圧巻です。 他の植物とのバランスを考えて、好みに合わせて剪定してみましょう。アナベルの剪定は自由自在です。 ほったらかしドライフラワー 水を入れずに花瓶に挿して豪華な花束を楽しんでも。ドライなので、水を替えたり置き場所を選ばない手軽さがいい。Galina Grebenyuk/Shutterstock.com アナベルの花は、グリーンの小さなつぼみが徐々に大きくなり、ライムグリーンになった頃に開花します。そこからゆっくりと純白へと変化していきます。さらに時間が経つと、セピア色へと変化し、冬には天然のドライフラワーに! アナベルは、他のアジサイと比べて水分が少ないことからもドライになりやすい種類です。鞠状の花を保ったままドライになるのも魅力です。 花を摘み取らずそのままにしたアナベル。アンティークカラーの花が庭で楽しめます。 また、アナベルは押し花やプリザーブドフラワー、ドライフラワーなどにも、とても加工しやすい一面を持っています。剪定の時期を気にしなくていいこともあり、自分の好きなタイミングで花を摘み取れるので、クラフトワークには最高の素材です。 Julia Sudnitskaya/Shutterstock,com ライムグリーン〜純白〜ピンクと色が移ろう6種のアナベル アナベルには、やさしいピンク色に染まる品種も最近登場しています。純白の花を咲かせるアナベルを隣に植えれば、淡いピンクが混在するやさしいグラデーションとなって、とても美しく、そのコントラストは見事の一言。すでに基本種のアナベルを育てている人にも、ぜひ仲間に加えてほしいおすすめ品種をご紹介します。 ピコティ・シャルマン 咲き始めの淡いグリーンから、白へと変化しながら徐々にピンクが現れてくる、色変わりが楽しめる品種。ピンク系アナベルには珍しく、大輪の花を咲かせます。 ル・マニフィーク ライムグリーンの花が咲き進むと、まるで桜のように、ほんのりピンク色に色づくピンク系アナベル。可愛いパウダーピンクは、主張しすぎずナチュラルな庭にもぴったり。 ル・パルフェ 咲き始めのソフトピンクから、セピアがかったアンティークカラーへと変化していきます。春の新芽から出た脇芽にも花が咲く嬉しい特徴も。とても長く観賞できます。 ルミナ 福岡県久留米市で生まれた多花性品種。ライムグリーンで咲き始め、純白へと色変わりし、さらに時間が経つとエメラルドグリーンへと変化。自然にドライフラワーになるまで楽しめます。 ミニルビー アメリカアジサイの中で、最も濃い赤色の花が咲く品種です。つぼみは濃い赤紫色で、明るい赤とシルバーピンクのバイカラーの花が美しく、濃く深い緑葉とのコントラストが魅力です。花色は咲き進むと、グリーンへと変化します。Bronze Medal, Plantarium 2016 、Green Thumb award, Direct Gardening Association 受賞品種です。 ミディライム 青々とした緑色の花を咲かせ、丸みを帯びたコンパクトな樹形と濃い緑色の葉が大変美しいアジサイです。花色はライムグリーンからグリーンがかった白色になり、その後またグリーン色へ変化します。 世界基準の育てやすさ、植えるだけで美しい「PWのシュラブ苗」 PW(Proven Winners)とは、世界各地で厳しい試験栽培をクリアし、「育てやすさ」と「美しさ」が実証された高品質な園芸ブランドです。生育が非常に安定しているため、ガーデニング初心者でも失敗しにくいのが最大の特徴です。 【PW苗が選ばれる3つの理由】• 日本の気候に強い 病気や蒸れなどの環境ストレスに強く、日本の高温多湿な気候でも元気に育ちます。• 手間いらずで美しい 自然に草姿が整うため、難しい切り戻しなどの手入れが少なくて済みます。• 抜群の開花パフォーマンス 根張りがよく、植え付け後の成長がスピーディー。花付き・花もちもよく、次々と咲く花を長期間楽しめます。 鉢植えや花壇、寄せ植えなど用途を選ばず、植えっぱなしで毎年育つため、同じく丈夫な「ラックス」との相性も抜群です。頼もしいPWのシュラブ苗を3種ご紹介します。 ヒメライラック(矮性ライラック) 春の香りの主役として名高いライラックですが、一般的な品種は大きく育ちすぎるのが難点。そこでおすすめなのが、樹高1〜1.5mほどに収まる「ヒメライラック(矮性ライラック)」です。コンパクトなため、ラナンキュラス・ラックスが日陰になる心配がなく、高さのバランスも絶妙です。 魅力はなんといっても、視覚と嗅覚の両方で楽しめる「イングリッシュガーデン風」の演出にあります。円形でボリュームのあるラックスの花に対し、ライラックの円錐形に集まった小花はコントラストとなり、庭に美しい変化を与えてくれます。また、四季咲き性を持つ品種も多く、春以降も長く楽しめるのも嬉しいポイントです。 特におすすめの組み合わせは、清潔感のある白のラックス「グレーシス」や、優しいサーモンピンクの「エリス」。ラックスの艶やかな輝きに、ライラックの甘く上品な香りが重なり、春の庭をいっそう贅沢な空間へと格上げしてくれます。限られたスペースでも、主役級の共演を楽しみたい方にぴったりの一株です。 ノリウツギ ノリウツギとラナンキュラス・ラックスの組み合わせの最大の魅力は、春~初夏の移り変わりを感じることができる「背景としての美しさ」と「季節のリレー」です。・ラックスが満開を迎える早春、ノリウツギは瑞々しく鮮やかな新緑を芽吹かせます。・フレッシュなグリーンの葉が、ラックスの光沢ある花弁を際立たせます。 また、PWの「ノリウツギ ミニファイヤーライト」や「ノリウツギ ミニホイップ」などは、従来の品種に比べて非常にコンパクトで茎が強く、倒れにくいのが特徴。春の間はラックスに日当たりを譲りながら株元を彩り、ラックスが花を終える初夏からは、入れ替わるようにノリウツギが大きな花穂を上げ、主役の座を鮮やかに引き継ぎます。どちらも日本の暑さに強く、一度植えれば毎年楽しめる強健な性質。 ラックスの「華」とノリウツギの「気品」を組み合わせることで、春から夏へと途切れることなく続く、完成度の高い庭の風景を作り出すことができます。 シモツケ 春の庭を彩るラナンキュラス・ラックスの魅力をさらに引き立てる名脇役として、PWのシモツケ(ダブルプレイシリーズなど)は特におすすめの組み合わせです。最大の魅力は、ラックスの花期に重なる「鮮烈なリーフカラー」とのコントラストにあります。 PWのシモツケは、芽出しの時期から黄金色やキャンディーレッドなど、花に負けないほど美しい葉を展開します。この明るい葉色が、ラックスの艶やかな花弁をより鮮明に、ドラマチックに演出する「背景」として最高の役割を果たしてくれます。 また、「フォルムの対比」も絶妙です。すらりと高く伸びて風に揺れるラックスに対し、PWのシモツケは低くこんもりとまとまるコンパクトな樹形。ラックスの少し寂しくなりがちな株元をボリュームのある葉でカバーしつつ、庭に自然な高低差と立体感を生み出します。もちろん、一度植えれば毎年楽しめる強健さを持ち、特別な手間をかけずとも美しい景色を作ってくれるパートナー。 ラックスの「輝き」と、シモツケの「色彩豊かな葉」が組み合わさることで、花が咲いている時はもちろん、芽吹きの季節から春の盛りまで、一刻一刻と変化する色彩豊かな風景を楽しむことができます。 アナベルやシュラブを丈夫に育てるお手入れ【植え替え】手順を動画で解説 <準備するもの> ・苗・鉢(6~7号)・GOOD SOILバラの土・元肥として「オール・パーパス」・元肥として「野菜花実の有機肥料プラス」・土のお守り・ウッドチップやベラボン ① 「GOOD SOILバラの土」に、元肥として「オール・パーパス」と「野菜花実の有機肥料プラス」、発根を促し土を長期間健全に保つ「土のお守り」をよく混ぜ、土作りをします。 ② 苗の根鉢を軽くほぐします(葉が付いている生育期は根鉢は崩さずそのまま植えます)。 ③ ほぐした根に、「土のお守り」を軽く振りかけ、用意した①の土で植え付けます。 ④ 夏の乾燥や土の高温化を防ぐために、表土をウッドチップやベラボンなどで覆ってマルチングし、植え付け完了です。 植え替え作業が楽になる! こだわりの庭道具「燕三条のハンドスコップ&ハンドフォーク」 とことん使いやすさを追求した庭道具、ハンドスコップとハンドフォーク。製作しているのは、金物で世界的にも有名な新潟県燕三条です。柄の角度や刃のつくりなど各所に職人のこだわりが詰まったこのガーデンツールは、苗の植え替え時に、土をほぐす・穴を掘る・株分けなど、さまざまなシーンで活躍します。また、深く根を張った雑草を抜くのにも便利です。 ガーデニング初心者からプロまで、どんな方にも選ばれるツールで、プレゼントにもぴったり。刃はお手入れしやすいステンレス製。刃全体の硬度を上げるために徹底して温度管理された真空状態の炉内で焼入れ処理を行っているので、歪みにくい・折れにくい頑丈なスコップ&フォークです。 取材・写真協力/平田ナーセリー
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花と緑

季節の花の3択クイズ! 冬に芳香を放つロウバイ(蝋梅)は次のうちどれ?【Let’s Try! 植物クイズ】Vol.32
身近な花!「ロウバイ」は次の3つのどれ? Fumeezz/Shutterstock.com 真冬に香り高い花を咲かせるロウバイ。12月中旬から開花期を迎えるロウバイは、新年を彩る花にもよく利用される身近な花木。江戸時代初期に日本に渡来したとされ、寒さの中で咲く明るい色の花もかわいらしい人気の庭木で、一般には園芸品種のソシンロウバイが多く出回っています。 さて、そんなロウバイには、よく似た花がいくつかあります。今回は、正しいロウバイの写真を選ぶ3択クイズ! ロウバイは、次のA~Cのどれでしょう? A Beekeepx/Shutterstock.com B Gagarin Iurii/Shutterstock.com C High Mountain/Shutterstock.com ヒント いずれも早春~春に黄花を咲かせる花木。香りで簡単に見分けることができますが、開花期や花の姿形、樹形なども違いがあります。 正解は… ↓ ↓ ↓ ↓ C High Mountain/Shutterstock.com ロウバイの基本データ 学名:Chimonanthus praecox科名:ロウバイ科属名:ロウバイ属原産地:中国和名:ロウバイ(蝋梅、蠟梅、朧梅)別名:カラウメ(唐梅)、ナンキンウメ(南京梅)など英名:winter sweet、Japanese allspiceなど開花期:12月中旬~2月花色:黄形態:落葉性低木樹高:2~5m 花の少ない真冬に、かぐわしい香りを放つ花を咲かせるロウバイ。春のジンチョウゲ、夏のクチナシ、秋のキンモクセイとともに、四大香木にも数えられる香りのよい花木です。原産地の中国では、ウメ、スイセン、ツバキとともに、「雪中四友」として文人画の画題に好んで描かれました。小さな黄色の花は、透き通るような光沢があり、まるで蠟細工のよう。ちなみに、ロウバイという名で花もウメによく似ていますが、ウメの仲間ではありません。 ロウバイは花の中心部が赤紫色を帯びますが、ロウバイの品種であるソシンロウバイは花心まで黄色なのが特徴。香りが強く、花も一回り大きく華やかなので、庭木などにはソシンロウバイがよく利用され、街中で見かける機会も多いです。 中心部を含めて花全体が黄色のソシンロウバイ。inomasa/Shutterstock.com ロウバイは日本の気候に合って育てやすい樹木。半日陰~日なたまで特に場所を選ばず育てられ、耐寒温度もマイナス10℃前後と寒さにも強いため、あまり手をかけなくても育ちます。ただし、日照が不足すると花付きが悪くなることがあるので、多くの花を楽しみたい場合は日当たりのよい場所で育てるとよいでしょう。過湿が苦手なので、水はけのよい環境で栽培します。一度根付くと移植が難しいため、地植えにする際は場所をよく吟味してから植えるようにしましょう。 Jilin Su/Shutterstock.com 残りの選択肢の花は… A マンサク Beekeepx/Shutterstock.com マンサク科の落葉性低木。冬枯れの景色が残る2~3月に、他の花に先駆けて鮮やかな黄色の花を咲かせる、早春を代表する花木の1つです。紐のような細長い花弁を持ち、花の中心部はやや赤や紫を帯びます。昔は「マンサクがよく咲けば豊作」など吉凶を占っていたともされる身近な里山の花木で、現在も真っ先に春を告げる縁起のよい庭木として知られています。花には独特の甘い香りがあり、特にシナマンサクは香りが強いとされています。 B レンギョウ Gagarin Iurii/Shutterstock.com モクセイ科の落葉性低木。3月中旬~4月中旬に、輝くような明るい黄色の花を株いっぱいに咲かせます。ベル形の花は、花弁が4つに深く切れ込むのが特徴。樹高2~3mほどで株立ちになり、枝はよく伸びて下垂します。地面についた枝はそこから発根して増えていきます。香りはほとんどありません。 クイズ一覧はこちら!
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宿根草・多年草

大寒波、クリスマスローズは大丈夫? 開花直前の今、やっていいこと・絶対NGなこと
1月のクリスマスローズは、どんな状態? つぼみが色づいてきた1月のクリスマスローズ。 多くの品種がこの時期に迎えているのは「開花直前」の段階です。 花芽がふくらみ、しっかりと充実している つぼみに品種ごとの色が入り始める 早咲きのものはすでに開花している 株は、葉を茂らせる時期を終え、花を咲かせることにエネルギーを集中しています。このため、極端な環境変化には少しだけ弱くなるタイミングでもあります。また、細胞分裂が活発な花芽は低温障害を受けやすい部分です。特に凍結と融解を繰り返すと、細胞膜の傷みを引き起こしやすく、元に戻らないケースが出ます。 ですから、「寒さに強い=何をしても平気」ではないのが、今のクリスマスローズの状態です。 今週の大寒波で、特に注意したい理由 今週の寒波で、いちばん注意したいのは購入したばかりの苗です。地植えで何年も育っている株や、屋外で管理され続けてきた株は、すでに寒さに慣れているため、多少の冷え込みでも、簡単に傷むことはありません。 クリスマスローズ生産農家のハウスの圃場。 一方、園芸店に並ぶクリスマスローズの苗は、ハウス内や比較的暖かい場所で管理されていることが多いため、強い寒風や霜に直接当たった経験がありません。寒さに順化していない苗を、購入後すぐに寒風や氷点下にさらすと、 葉がぐったりと萎れる 花芽が傷み、育たなくなる 状態によっては、そのまま回復しない という、取り返しのつかない結果を招くこともあります。 1月にやるべき、クリスマスローズの本来の手入れ ① 株の状態チェック この時期のクリスマスローズはほぼ、開花の設計図が完成している状態です。株がどんな状態にあるか様子を見て、開花の妨げに対しては適切な対処をしましょう。 花芽が葉に埋もれている場合は、寒波が落ち着いてから邪魔になる葉を整理しましょう。 葉の色が濃すぎて柔らかいときは、肥料を与えず日中の日照と風通しを優先。 葉が黄色っぽいときは、冬の低温による一時的な吸収不良の可能性が高いので、すぐに肥料を足さずに様子を見ます。 花芽が極端に少ないときは、今から増やすことはできないため、無理な追肥はしません。来季に向けた管理に切り替えます。 ② 水やりは「控えめ・凍結回避」が基本 低温下では根の吸水能力が落ち、過湿は根腐れや細胞障害を招きやすいため、以下が鉄則。 表土が乾いてから、暖かい時間帯に 朝、鉢や土が凍っている場合は絶対に水を与えない 地植えは基本的に自然任せでOK ③ 置き場所の見直し(守りの管理) 1月は「動かさない」より「当たるものを避ける」が正解。とくに購入したばかりの苗は重要です。 寒風が直撃する場所は避ける 日中は日当たりを確保 夜、冷え込む日は軒下・玄関先へ(鉢植え) ④ 肥料は「基本与えない」 1月は基本的に追肥しないのが正解です。 肥料分は秋までに十分蓄えられている 低温期は吸収効率が悪い 窒素過多は葉ばかり茂る原因に 例外として葉色が明らかに悪い、株が極端に小さい場合のみ、ごく薄い液肥を与えます。 ⑤ 古葉取りは「条件がそろったら」 古葉が残っている株だが、寒波の最中は古葉取りを一旦ストップ。 1月の本来の古葉取りは、花芽に光を当て、蒸れを防いで病気予防をすることです。ただし、寒波の際は葉が防寒の役目を果たすため、以下の条件がそろってから古葉取りを再開しましょう。 寒波が落ち着いて数日間、気温が安定 花芽の位置がはっきり見える ⑥ 病害虫は「予防目線」で確認 1月は大発生しませんが、古葉の裏のアブラムシや風通しの悪い株元のカビをチェック。 見つけたら葉を整理し、被害葉を除去します。薬剤は予防目的で行なっておくとよいでしょう。 寒波のときにやっていいこと・NGなこと 【やっていいこと】 夜間、外気温が0℃以下になる予報の日は、夜だけ玄関先や室内の温かい場所に取り込む 昼間はよく日の当たる屋外に戻して管理する 無茎種(茎が伸びないタイプで多くが該当)は葉を取り除き、花芽に光と風を通す。 【NGなこと】 寒さに慣れていない苗を、いきなり寒風や霜に当てる 鉢や株が凍っている状態で水を与える 「寒さに強いから」と完全に放置する とくに水やりは注意が必要です。株や鉢が凍っているときに水を与えると、根を傷める原因になります。 買ったばかりのクリスマスローズ、どう管理する? この時期に購入したクリスマスローズは、いきなり本来の置き場所に出さないのが失敗を防ぐコツです。 購入後、最初の数日〜1週間は霜や強風を避けられる場所で管理 夜間に冷え込む日は一時的に玄関先などへ移動 気温が安定してきたら少しずつ屋外の環境に慣らしていく この「慣らし」のひと手間が、春の花数や花の美しさに大きく影響します。 Q&A|1月のクリスマスローズ、よくある疑問 Q. クリスマスローズは本当に寒さに強い植物ですか? A. はい。地植え株や寒さに慣れた株は強健です。ただし、販売苗は別と考え、順化を意識しましょう。 Q. 夜だけ室内に入れても問題ありませんか? A. 問題ありません。夜間だけ一時的にがポイントです。長期間室内に置くと徒長の原因になります。 Q. 夜、明るい玄関に取り込んでも大丈夫? リズムが狂いませんか? A. 問題ありません。クリスマスローズは日長に強く反応する植物ではなく、一般的な室内照明程度では生育リズムや開花に影響はありません。大切なのは、夜は冷えから守り、昼はしっかり外の光と空気に当てることです。 Q. 昼間でも気温が0℃以下の日は、外に出したほうがいい? A. 無理に外に出す必要はありません。昼間も氷点下が続く日は、明るい室内や玄関で凍結を避けるほうが安全です。 Q. いつ外に戻したらいい? 日中の最高気温が1〜2℃以上になり、霜が溶ける時間帯がある日には屋外へ出しても大丈夫です。 Q. 朝、鉢が凍っているときは水やりしてもいい? A. いいえ。完全に解けてから、気温が上がる時間帯に行いましょう。 Q. 寒波の直前や、寒波の最中に古葉取りをしてもいい? A.寒波がすでに始まっている場合はおすすめしません。古葉には寒風や冷えから花芽を守る役割もあるため、寒波が落ち着いてから行いましょう。本来、古葉取りは寒波が来る数日前に行うのが理想ですが、すでに寒波に入っている場合は無理に行わず、防寒を優先するほうが安全です。 この一週間のケアが、春の姿を決める 今週の寒波は、クリスマスローズにとって「耐えるだけの時期」ではありません。開花直前の今、ほんの少し環境に気を配ることで、 花茎がすっと立ち上がり 花色が冴え 春まで安定して楽しめる そんな姿につながっていきます。この一週間は、クリスマスローズを守るための時間であり、春の花を育てるための大切な準備期間。寒さの中でも、確実に春へ向かって育つ花の力を、ぜひ支えてあげてください。
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樹木

【冬の花】日本が誇る花木「椿(ツバキ)」初心者でも失敗しない植え付けから剪定、チャドクガ対策まで徹底解説
ツバキの基本情報 TinasDreamworld/Shutterstock.com 植物名:ツバキ学名:Camellia japonica英名:Camellia和名:ツバキ(椿)その他の名前:ヤブツバキ、ヤマツバキ科名:ツバキ科属名:ツバキ属(カメリア属)原産地:日本(本州、四国、九州、沖縄)、台湾、中国(山東、浙江)、朝鮮半島南部形態:常緑高木 Camellia japonicaという学名が示すように、ツバキは日本原産の花木。日本国内で作出された品種だけでも2,000種を超え、欧米でも「カメリア」と呼ばれて愛されています。9月から4月まで多彩な品種が楽しめ、日本の気候・風土にも適したツバキの魅力を紹介します。 ツバキ科の植物は、世界の湿潤な熱帯や暖温帯地域を中心に分布していますが、ツバキ属はすべてアジア東南部が原産です。中国南部を中心に、東は日本、西はネパール、南はインドネシアといった広い範囲に、約250種類が分布しています。 古くから庭木として親しまれている日本を代表する花木 High Mountain/Shutterstock.com 万葉集に9首もの歌が詠まれているツバキは、日本人にとって古から馴染みのある植物。ツバキが観賞用に栽培されるようになったのは中国では900年以上も前、日本では室町時代中期頃といわれています。 日本に分布するツバキには、ヤブツバキとユキツバキ(ヤブツバキの亜種ともされている)がありますが、前出のCamellia japonica(ヤブツバキ)は、日本列島とその周辺に限って自生する種で、青森県の夏泊半島が北限とされています。高さが15mにも達する常緑高木で、海岸や山地に自生。日本の照葉樹林を代表する木でもあります。9~2月、もしくは2~4月に、枝先に濃紅か紅色の直径5~7cmの花をつけます。まれに、淡紅色や白色のものもあります。 ツバキの花や葉の特徴 traction/Shutterstock.com 園芸分類:庭木・花木開花時期:11〜12月、2〜4月樹高:5〜10m耐寒性:強い耐暑性:強い花色:赤、ピンク、白、黒、複色 ツバキは、花が少ない冬に開花期を迎えて長期間咲き続けるため、冬を彩る花の代表格になっています。花序は単項花序、花径は4cm以下の極小輪から4〜7cmの小輪、7〜10cmの中輪、10〜13cmの大輪、13cm以上の極大輪などさまざまです。花の色や咲き方も多様で、咲き方には一重や八重咲きのほか、ラッパ咲き、獅子咲き、蓮華咲きなどがあります。 葉は濃い緑色で、厚みと光沢があり、周囲がギザギザになっています。常緑樹木のため、年間を通して艶やかな葉を茂らせます。樹高は1〜2mのものが多いですが、5~10mを超えるものもあります。 ツバキの名前の由来や花言葉 marinatakano/Shutterstock.com ツバキという名前は、葉が厚く光沢があることから「厚葉木(あつばぎ)」または「艶葉木(つやばぎ)」、「光沢木(つやき)」に由来するとの説があります。 一方、和名では「春に咲く木」との「椿」という国字(和製の漢字)があてられています。日本人がこの花木に寄せる思いの深さが伝わってきます。日本では古くから、材の硬さを生かして器具や彫刻の材料にするほか、灰は媒染材に、種子は灯火や化粧用の油にと、有用な植物資源として利用してきました。 ツバキの花言葉は、「誇り」「控えめな優しさ」です。花の色によって異なる花言葉もあります。赤いツバキの花言葉は「気取らない優美さ」「控えめな素晴らしさ」「謙虚な美徳」。白いツバキは「完全なる美しさ」「至上の愛らしさ」「申し分のない魅力」。ピンクのツバキは「控えめな愛」「控えめな美」「慎み深い」です。 ツバキの代表的な種類と仲間 獅子咲き品種 'Jury's Yellow' SariMe/Shutterstock.com 古くから観賞用に用いられてきたのは、日本原産のヤブツバキ、ユキツバキ、サザンカ、中国原産のトウツバキ4種でしたが、近年では、花形や花色、香りなど、たくさんの原種が栽培されるようになり、カタログ販売などで多様な原種苗が入手できるようになりました。 原種だけをみても、直径が数cmに満たない極小輪から10cmを越える大輪まで、花色も白、桃色、紅色、黄色、さらに絞りや斑入りのものまでバラエティに富んでいます。 植物の栽培技術が向上した江戸時代には、選抜や育種により、ツバキにも多くの名花が誕生しました。これらが、1800年代にヨーロッパに紹介されると、短期間で世界中に普及。現在では、欧米やオーストラリア、ニュージーランドなどでも交雑育種が進んでいます。 ヤブツバキ系 ‘侘助’ Hope Dorman/Shutterstock.com 有名なものは‘侘助’、‘黒椿’、‘袖隠’といったヤブツバキの古典品種があり、ほかにも熊本県で発展した肥後椿や、サザンカにも‘東雲’、‘獅子頭’、‘富士の峰’といった古典的な品種があります。日本では‘侘助’に代表される一重のものが好まれますが、欧米や中国では八重咲きや牡丹咲き、獅子咲きといった豪華な花形が人気のようです。 ユキツバキ系 ‘乙女椿’ phototenki/Shutterstock.com 侘助系の一重の品種には、‘太郎冠者’、‘白侘助’などがあります。侘助系以外の一重品種には、‘加茂本阿弥’や‘玉霞’、‘金魚椿(錦魚葉椿)’などがあります。 八重咲きには‘藻汐’、‘草紙洗’、‘大虹’、‘羽衣’など、牡丹咲きは‘光源氏’、‘京牡丹’、‘神楽獅子’など、獅子咲きは‘紅荒獅子’、‘薩摩’、‘菱唐糸’などの品種があります。 サザンカ系 ‘勘次郎’ Taow Phitchanee/Shutterstock.com ツバキの栽培12カ月カレンダー 開花時期:2~4月、11~12月植え付け・植え替え:3月中旬~4月、6~7月、9月中旬~10月肥料:2月頃(地植え)、3月頃(鉢植え)剪定:3~4月 ツバキの栽培環境 ptera/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】 日当たりのよい場所はもちろん、日陰でも栽培が可能です。ただし、花をたくさん咲かせたい場合は日当たりのよい場所に置くようにしましょう。耐寒性は強いですが、冬に乾いた北風に当たると、つぼみが落ちたり枯れたりすることもあるので、風が当たらない場所を選ぶとよいでしょう。 【日当たり/屋内】 屋外での栽培が基本です。 【置き場所】 日当たりがよく、水はけと水もちがよい土壌を選ぶとよいでしょう。屋外で栽培をしている場合、冬の寒さと乾燥が厳しい地域では、冬の間は室内に移動させると安心です。 耐寒性・耐暑性 ツバキは耐寒性、耐暑性ともに強い植物ですが、夏の暑さと日差しが強すぎるとストレスを感じるため、寒冷紗などで日よけをすると良いでしょう。また、冬の寒さと乾燥が厳しい地域の場合は、寒冷紗やビニールシートで防寒対策を施すとよいでしょう。 ツバキの育て方のポイント 用土 DedovStock/Shutterstock.com ツバキは、水はけがよい、有機物の多い弱酸性の土を好みます。水はけが悪いと根腐れを起こしやすいので注意が必要です。 鉢植えの場合は、市販の園芸用の培養土を使いましょう。自作する場合は、赤玉土1、鹿沼土1、腐葉土またはバーク堆肥を1の割合で混ぜると、栽培に適した土になります。 水やり ITP Media/Shutterstock.com 水はけのよい土壌を好むツバキに、過度の水やりをすると根腐れの原因になってしまいます。とはいえ、鉢植え、地植えともに、植え付けてから2年未満の株は、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。特に、根の張りが遅くなる鉢植えは、乾燥によるダメージが大きいため、土が乾いていないかチェックを忘れずに。 黄変した葉のツバキ。 また、開花期の株は、花弁を広げるために水を必要とするのでたっぷりと与えましょう。地植えで植え付けてから2年以上経つ株は水やりの必要はありませんが、雨が少なく土の表面が乾く真夏は、たっぷりと与えます。高温乾燥の時期は時間帯にも気をつけたいもの。日中の水やりは葉焼けや新芽を傷める原因となるので、朝か夕方に行いましょう。 肥料 vladdon/Shutterstock.com 地植えは2月に、鶏フンなどの有機質肥料もしくは緩効性の化成肥料を、寒肥として株元の周辺に埋めておきます。鉢植えは3月にお礼肥として化成肥料を株元に。また秋にも同様に置き肥をしておくと、つぼみが充実します。酸性(pH4.5~6.0)を好むツバキは、用土がアルカリ性になると葉が黄色くなって弱ってきます。そのため、石灰や草木灰などアルカリ性の肥料は施さないようにします。 注意する病害虫 チャドクガ traction/Shutterstock.com 花弁に茶褐色の不規則な病斑が生じる「花腐れ菌核病」や、枝枯れの原因になる「炭疽病」、葉が餅上に肥大する「もち病」などが主な病気です。菌核病や炭素病は、病気にかかった部分を放置すると伝染が広がるので、つみとって焼き捨て、マンネブダイセンを散布します。 もち病は、バシタック水和剤を新葉が展開する前から散布しておくと予防になります。 ツバキにつく害虫といえば、チャドクガです。早ければゴールデンウィークあたりから、後半は7月下旬から8月にかけて発生します。チャドクガは葉裏に産卵して、ふ化後しばらくは葉裏に集団でかたまってつきますが、数週間すると分散して被害が拡大します。名前の通り、毛に毒があるので、刺されると痛痒くかぶれます。駆除にはスミチオンやマラソン乳剤などが有効で、スプレー式殺虫剤も多く市販されています。カイガラムシやアブラムシもつきやすい害虫です。排せつ物を栄養源に「すす病」も発生するので、薬剤での早めの予防・駆除を心がけましょう。 ツバキの詳しい育て方 苗の選び方 ツバキを育てるには、苗木を入手して植えるのがポピュラーな方法です。一般的な品種は、園芸店やガーデンセンターなどでも売られていますが、展示会や植木市、カタログによる通信販売などを利用すれば、原種や外国産の品種も入手できます。 苗木を選ぶ際は、葉の色つやが良く、黄色くなっていないものを選びましょう(ただし、葉が黄味がかる品種もあります)。また、幹が太くしっかりとしていて枝にぐらつきがないこと、つぼみが多すぎないことなども苗選びのポイントです。購入時には、苗木に品種名や品種の説明ラベルが付いていることも確認しておきましょう。 植え付け・植え替え NEWMANM/Shutterstock.com 地植えの場合、真夏と厳寒期を除けば、いつでも植え付けができますが、適期は春(3月中旬~4月)、梅雨(6~7月)、秋(9月中旬~10月)の3回。強く剪定した木や、鉢植えにする場合は適期に行いましょう。 地植えの場合は、苗の根鉢の倍程度の深さと幅に掘り、有機質を含む堆肥などを混ぜておくとよいでしょう。深植えにならないよう、かつ、すき間のできないように植えたら、根元に十分水をやります。地面が凍結するような寒冷地では、敷き藁やビニールなどでマルチングを施します。 Beautiful landscape/Shutterstock.com 鉢植えの場合は、排水のよい用土を選び、根腐れを防ぐことに注意を払いましょう。排水性、保水性に優れた酸性の赤玉土や鹿沼土に、有機質の腐葉土やピートモスなどを混合するとよいでしょう。根張りをよくするには、大きすぎる鉢はNG。根鉢より一回り大きめを目安に選びましょう。鉢底に深さ1~2cm程のゴロ土を敷いてから、用土を入れます。苗をポットから抜いたら、根の先を1~2cm切り取って中央に置き、竹箸などでつきながら隙間ができないように用土をしっかりと入れていきます。 鉢の底穴から根がはみ出してきたら、植え替えのタイミングです。もとの根鉢の一部や底のゴロ土を落とすように少しほぐしてから、一回り大きい鉢に植え付けと同じ要領で植えます。 剪定・切り戻し Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com 剪定は花が終わった3~4月が適期です。ツバキは花を咲かせ終えると、新芽を作る準備に入り、翌年の花芽は新しく伸びる新梢の先に付きます。そのため、枝の間引きや切り戻し、全体的に枝を短く切って樹形を整える強剪定は、芽吹きが始まる前のこの時期に行います。 剪定を行う際は、大きく伸びている枝から先に切り、伸びた枝から出る「立ち枝」や、幹に向かって戻る「戻り枝」を切り戻して木の幹が透けて見えるようにします。枝の先端は、立ち枝を作らないよう、下向きの葉を残して切るようにします。一枝に3~4枚程度の葉を残すように切るのがポイントです。剪定後は化成肥料や油かすなどの肥料を与えます。 日常の手入れ ツバキの種子。traction/Shutterstock.com 椿の実は、古来より油を抽出するほか、生薬などにも利用されてきました。ただし、食用には向きません。若い株に実が付いたら、株の負担になるため早めに取り除いたほうがよいでしょう。鉢植えの場合も同様に、翌年の花を楽しみたい場合は実は取り除くとよいでしょう。 増やし方 挿し床に挿したツバキの枝。 発根しやすくて手間もかからないツバキは、一般的には挿し木で増やします。適期は6月下旬~8月上旬。9月末までには発根させて、鉢上げできるようにしましょう。挿し穂には、生育の旺盛な木から、今春伸びた新しい枝を選びます。大きい葉は半分に切り、1枝に2~4枚の葉がつくように下処理を施します。挿し床には、肥料分のない清潔な土を用意。赤玉土や鹿沼土、気流砂、バーミキュライトなどの細粒が適しています。 ほかにも、取り木や接ぎ木といった方法もあります。また、実生(種子を播く)で繁殖することができますが、園芸品種では親と同じ花は咲きません。 ツバキが縁起が悪いというのは本当? tukanomanoiro/Shutterstock.com 日本ではかつて、ツバキは縁起が悪い花とされていたことがあります。ツバキの花は、花びらを一枚ずつ散らすことなく、花ごとポトリと落ちます。これが、武士が切腹するときに介錯で首が落ちる様を連想させる、という理由からです。 ただし、武士の中にもツバキを愛した人はいましたし、江戸時代にはツバキブームが起こり、江戸城や大名屋敷にはさまざまなツバキの品種が集められたと言われています。このことから、江戸時代に高嶺の花だったツバキを植えることができない町人たちが、やっかみ半分に広めた作り話という説もあります。 日本では、ツバキは古事記や日本書紀にも記されているほど古くから日本人に愛でられてきた花木です。元来、神聖で繁栄を象徴する木と考えられてきた縁起のよい木でもあります。また、千利休が茶会で好んで活けた花としても知られていて、決して縁起が悪い花ではありません。 ただし、花が落ちるイメージや、縁起が悪いという迷信を気にする人もいるので、贈り物やお祝いの席に飾る際は事前に相手に確認するなどしておくとよいでしょう。 ツバキ科の植物 紅茶や緑茶になる「茶の木」も、じつはツバキ科ツバキ属です。ほかにも、ツバキの仲間には、私たちの生活に関わりの深い植物が多くあります。 サザンカ mamesuke/Shutterstock.com 日本原産で、北海道を除くほぼ全域で自生。高さ5~6mになる常緑小高木で、暖かな産地に育ちます。野生のサザンカは白花で、香りがあるのが特徴。江戸時代以降、園芸化が進み、ツバキと同じく多くの品種があります。ツバキが春に咲くのに対して、サザンカは秋から冬に咲くものが多く、花が少なくなる季節の庭に華やかさを提供してくれます。 チャノキ itangkwaz/Shutterstock.com 紅茶や緑茶、ウーロン茶など、世界中で飲用されている〝茶=tea〟は、Camellia sinensisの葉です。原産地は中国西南部で、ベトナムからインドにかけての熱帯山地や、亜熱帯、暖温体の森林で自生しています。タンニン含有量の高い変種のアッサミカは主として紅茶用に、耐寒性がありタンニン含有量の少ない変種シネンシスが主として緑茶用に栽培されています。 モッコク Skyprayer2005/Shutterstock.com 海岸に近い山地に生える常緑高木。整った樹形と落ち着いた雰囲気で、光沢のある葉に赤い葉柄も美しく、優れた庭園樹です。かつてはツバキ科とされていましたが、近年ではモッコク科(Pentaphylacaceae)として分類されるようになりました。 サカキ Khun Ta/Shutterstock.com 神前にお供えする玉串にされるサカキ(マサカキ)。山地に自生していますが、神社の境内に植えられて、御神体とされていることもあります。6~7月に、直径1.5cmほどの白い5弁花をつけ、果実は黒熟します。モッコクと同じく、現在ではモッコク科に分類されています。 ヒサカキ Skyprayer2005/Shutterstock.com 暖地の林床に時勢するヒサカキは、生け垣や庭木として植えられ、サカキの代用として神事にも使われます。春につける小さな壺形もしくは鐘形の白い花には、強い異臭があります。ヒサカキも現在はモッコク科に分類されています。 花や葉を楽しむことができるツバキの栽培を楽しもう! Natalie Board/Shutterstock.com 日本原産のツバキとサザンカは、日本の気候にマッチした育てやすく、花木に初挑戦というガーデナーにもおすすめの植物です。品種を選べば、秋から春までと楽しめる時期も長く、開花する植物が少ない季節に華やかさを与えてくれます。茶花にもよく使われるツバキは、一輪挿しにしてもさまになりますし、水に浮かべたり、洋風の器に活けたりとアレンジもききます。自分で育てたお気に入りの花を、部屋にも飾ってみてはいかがでしょう。 Bildagentur Zoonar GmbH/Shutterstock.com
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ガーデン

「第4回東京パークガーデンアワード夢の島公園」ガーデナー5名の“庭づくり”をレポート
第4回のコンテスト会場の全貌 今回の舞台となる「夢の島公園」は、運河に囲まれた人工島内にある海辺の都立公園です。かつてはゴミの埋立地として知られていましたが、そのイメージを払拭すべく、ユーカリやデイゴ、ソテツなど異国情緒漂う樹木が多く植えられています。コンテスト会場の背後に広がるユーカリの大木群と、今回制作するガーデンがいかに調和するかも、見どころのひとつです。 コンテストガーデンのエリアには、あらかじめ事務局によって、木枠で縁取られた1.2×10mの波打つ花壇が2対1組で設置されています。黒土をメインとした客土が施され、ガーデナーたちはそれをベースに、植栽計画に沿って土壌を整え、苗や球根を植え付けました。土壌改良や施肥の方法はデザイナーによって異なります。 各花壇は高さ約15cmの木枠で縁取られているため、見学者がうっかり手前の植物を踏んでしまう心配がなく安全。 作庭が完了した12月下旬の様子。カラス避けの水糸が張られたガーデンもあり、スタートからガーデンの様相が大きく異なっている。 ガーデン制作にあたり、デザイナーが踏まえておくこと コンテストガーデンAの作庭の様子。 デザイン・植栽について ・コンテストのテーマ「海辺のサステナブルガーデン」を踏まえ、宿根草をメインとしたガーデンを制作すること。・ロングライフ・ローメンテナンスで、コンテスト終了後も持続可能な花壇を制作すること。・国内市場で流通している植物のみ使用可能(採取した植物は使用不可)。・公園内で爆発的に繁殖するおそれがある植物は使用不可。・主たる植物は宿根草を使用すること。容易に制御が可能な、草本類に近い木本類は使用可能(全ての植物は高さ2m以内に限る)。・ 構造物やガーデンオーナメント、バイオネスト等の設置は不可。植物のみで構成すること。 コンテストガーデンBの作庭の様子。 メンテナンスについて ・展示期間中(2025年12月~2026年12月末)は入賞者がメンテナンスをし、それ以降は事務局が管理。・補植は可能。・最低限植物の状態を保つ週1回程度の灌水は事務局が行う。・薬剤の散布は不可。自然素材の忌避剤の使用についても不可。・メンテナンス計画を提出すること。 コンテストガーデンEの作庭の様子。 区画・土壌について ・花壇の基礎土壌は、既存の土壌の下を約50cm掘削し、浸透性処理を施している。・事務局にて準備した土を使用して整備を行うが、ガーデン制作時に施肥など土壌改良が可能。・事務局にて既存地盤の上に盛土(5cm内外)を行い、植栽基盤厚を確保。・各コンテストガーデン区画は、土留め機能を有する部材で囲った状態で引き渡す。 コンテストガーデンCの作庭の様子。 【審査基準】 公園の景観と調和していること/ 公園利用者の関心を得られる工夫があること/公園利用者が心地よく感じられること/植物が会場の環境に適応していること/造園技術が高いこと/四季の変化に対応した植物(宿根草など)選びができていること/「持続可能なガーデン」への配慮がなされていること/メンテナンスがしやすいこと/テーマに即しており、デザイナー独自の提案ができていること/総合評価※各審査は別途定める規定に従い、審査委員による採点と協議により行われます。 コンテストガーデンDの作庭の様子。 「第4回 東京パークガーデンアワード」作庭 5人のガーデンデザイナーの庭づくりのこだわりをチェック! コンテストガーデンA花の巡り、風と大地の詩 松田 恵(東京都)さん率いる作庭メンバーの皆さん。 ◆使用資材◆ 土壌改良材:桐生砂、くん炭、有機石灰、矢作砂、バットグアノ入り有機堆肥完熟腐葉土 ◆ガーデン制作工程◆ 桐生砂、有機石灰を混ぜ込む準備をする。 さらにくん炭を加え、混ぜ込みながら耕す(左)。/宿根草のポット苗を配置する(右)。 ポット苗を植え込む。長期的に花を咲かせる植物には、バットグアノ入り有機堆肥と完熟腐葉土を、乾燥を好む植物には矢作砂を植穴の底にすき混む。植栽後は、土の表面は水はけを良くするため平らにする。 球根植込みチーム(左)。/球根数量確認(右)。 球根を配置する。 球根配置完了(左)。/球根を植込みし、最後に全体に水やりする。 【作庭完了】 ◆デザイナーのこだわり◆ 乾いてやせた土地が好きな植物をたくさん入れているため、土壌を豊かにせず、可愛がりすぎないように育てる予定です。華やかな開花のリレーが楽しめるように、彩り豊かなガーデンを目指します。 コンテストガーデンB潮風に揺れるプレイフルガーデン-Playful Garden Swaying in the Coastal Breeze- MOTe. (モト)茂木大樹(東京都)さん率いる作庭メンバーの皆さん。 ◆使用資材◆ 土壌改良材:赤土小粒、堆肥(籾殻、糠、ピーナツの殻、そば殻を燻蒸で発酵させたもの)マルチング材:マルチバーク(のり付き) ◆ガーデン制作工程◆ まずは樹木を配置。基本的に植え穴を掘って植えるが、レベルを上げて植えたいものは穴を掘らずにそのまま置く。 赤玉土と堆肥を載せていき、樹木の根鉢を覆いながらレベルの起伏を作る(左)。/根鉢のまわりに水を入れて土中の隙間をなくしてなじませる(右)。 赤玉土と堆肥で起伏を作り、表面を木の板でなだらかに整える(左)。ユーカリの枕木を数個用いてステップを設ける(右)。 宿根草のポット苗を配置してバランスを確認する(左)。/樹高2m以内の規定に合わせて伸びすぎている樹木の枝を剪定(右)。 ポット苗・球根を植え付ける。 グラスの枯れ葉を除去(左)。/マルチバークで表土にマルチングをする(右)。 【作庭完了】 ◆デザイナーのこだわり◆ オージープランツが多いので栄養はそれほど必要ないと考え、もともとの土壌に発酵させた堆肥を加える程度に留めています。堆肥は籾殻や米糠、ピーナツの殻、ソバ殻を燻蒸で発酵させたものを用いました。ソバ殻の炭素分が多く、空気の層を作ることができるので、根の伸長を促してくれます。 植え付けは、植え穴を掘らずに根鉢を土の上に載せるだけで堆肥を盛ることで高さを出して風景に立体感を作り、微気候を生み出しています。植栽は花の彩りは控えめに、常緑の植物を多く使って瑞々しい緑を生かしつつ、植物の直線的、造形的なフォルムを楽しんでいただけるようにしています。 コンテストガーデンCStewardship Garden: The Way ぐりんぐりん 横田拓伸(東京都)さん率いる作庭メンバーの皆さん。 ◆使用資材◆ 土壌改良材:堆肥(植物の枝葉を15年ほど寝かしたもの)、米糠(肥料としても有効)ライン引きのための材:赤玉小粒マルチング材:ウッドチップ、洗い砂、クルミの殻その他:ユーカリの枝葉 ◆ガーデン制作工程◆ 斜めのラインの位置出しをして、花壇の縁に目印のテープを貼る。 土壌を耕したあと、堆肥と米糠を加えて混ぜ耕す。 位置出しで貼ったテープの目印を頼りに、小粒の赤玉土を使って表土に斜めのラインを描く。その後、ポット苗や球根を配置。 苗と球根を植え付ける(左)。/球根を植え付けた場所に棒切れで目印を立てる(右)。 ウッドチップをマルチングする(左)。/ガーデンの端にはウッドチップでマルチングをせず、洗い砂を敷いて砂浜の風景をつくる(右)。 ガーデンの一部に溝をつくり、その両側に棒を2本渡してユーカリの葉を敷き詰める。また、その傍らにクルミの殻を敷き詰めるコーナーをつくる。 【作庭完了】 ◆デザイナーのこだわり◆ 人間もマッチョだけじゃダメ、健康であることが大切なように、植物もなりたい大きさで育つように、ここの環境に合う植物を持ってきました。栄養分は堆肥のみで、そこに米糠を加えて微生物の働きを促します。積極的にサポートするのは植え付け時のみ。土中の微生物は地域で種類が違うので、堆肥はこの会場に近い場所で生育する植物の枝葉を15年ほど寝かしたものにしました。 コンテストガーデンDSurFIVE Garden PICNIC garden design 河野友香(栃木県)さん率いる作庭メンバーの皆さん。 ◆使用資材◆ 土壌改良材:エコロベース、堆肥元肥:マグァンプ大粒ライン引きのための材:赤玉小粒マルチング:バークチップ ◆ガーデン制作工程◆ よく耕してから、エコロベースソイルを盛土する。 微生物系の土壌改良材(ミラクルバイオFDS)を加えて混ぜ込み、起伏を作りながら表面を平らにする。 デザイン通りのゾーニングのラインを赤玉小粒で描く。 25cmほどにカットした木の幹を3本1束にして、5cmほど顔を出すようにして埋め込む。後々のメンテナンスのときを考え、片足を踏み込める小さな足場を作った。 ポット苗と球根を配置し、植え込む。 花を咲かせる苗の株穴には、マグァンプL(大粒)を適量入れる(左)。/球根を植え込む(右)。 植えた苗のまわりに堆肥をまく(左)。/最後にバークチップでマルチングする。 【作庭完了】 ◆デザイナーのこだわり◆ 海に近く風の強い夢の島公園の環境を踏まえ、宿根草の根張りを最優先に考えて選びました。エコロベースソイルを盛土することで、しっかりとした根張りに必要な水はけと通気性を確保して、微生物系の土壌改良材(ミラクルバイオFDS)を加えて団粒構造をつくり、バークチップのマルチングで乾燥と雑草を抑えました。あわせて、花付きが安定し来園者に長く楽しんでもらえるよう、ゆっくり効く化成肥料(マグァンプ大粒)を必要最小限加えました。 コンテストガーデンE「東京サバンナ・バイ・ザ・ベイ」 〜地の記憶と環境を翻訳する庭 本田ハビタットデザイン 本田直也(北海道)さん率いる作庭メンバーの皆さん。 ◆使用資材◆ 土壌改良材:黒土マルチング材:マルチバーク ◆ガーデン制作工程◆ 花壇全体に黒土を載せ、苗を配置する。 苗の植え付け(左)。/バークマルチでマルチングをする(右)。 【作庭完了】 ◆デザイナーのこだわり◆ 今回植え付けたのはグラス類など宿根草なので、排水性と少しの保水性があれば十分と考え、栄養分は極力少なくして植物の成長を抑え気味にしました。以前、動物園でゾウのフンを堆肥にバタフライガーデンをつくった際、一年目から背丈を越すほど成長してしまい(なかには2mを超すものも!)、開花の見頃を迎えるタイミングに倒れてしまったり、切り戻しせざるを得なかったり。「肥料が多くて見苦しくなる」という過去の苦い経験を踏まえました。 コンテストガーデンを見に行こう! Information 都立夢の島公園「グリーンパーク」内所在地: 東京都江東区夢の島2-1電話: 03-3522-0281https://www.tokyo-park.or.jp/park/yumenoshima/index.html#traffic開園時間:常時開園※サービスセンター及び各施設は、年末年始は休業。営業時間等はサービスセンターへお問い合わせ下さい。入園料:無料(一部有料施設あり)アクセス:東京メトロ有楽町線(Y24)・JR京葉線・りんかい線「新木場」下車、徒歩7分。東京メトロ東西線「東陽町」(T14)から都バス(東陽町-新木場、東陽町-若洲海浜公園)「夢の島」下車。高速湾岸線「新木場インター」より5分駐車場:有料
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花と緑

「都道府県の花」3択クイズ! 秋田県の花は次のうちどれ?【Let’s Try! 植物クイズ】Vol.31
「秋田県の花」は次の3つのどれ? Shirakami/Shutterstock.com 世界遺産の白神山地や日本一深い田沢湖などの自然、城下町の風情が残る角館をはじめとする歴史や文化に触れられるスポットに加え、名湯として知られる乳頭温泉郷や、竿燈まつりや花火大会などのお祭りやイベントなど、見どころにあふれた秋田県。そんな秋田県を象徴する「木」は秋田杉、「鳥」はヤマドリ、「魚」はハタハタです。それでは、秋田県の花は、次のA~Cのどれでしょう? A ワラビ Masayuki/Shutterstock.com B カタクリ JIANG TIANMU/Shutterstock.com C フキノトウ JIANG TIANMU/Shutterstock.com ヒント 春の訪れを告げる代表的な植物の1つ。山菜としても人気です。 正解は… ↓ ↓ ↓ ↓ C フキノトウ(フキ) JIANG TIANMU/Shutterstock.com フキノトウの基本データ 学名:Petasites japonicus科名:キク科属名:フキ属原産地:日本、中国、朝鮮半島和名:フキ(蕗)フキノトウの別名:ばっけ、ばんけ、款冬(かんとう)、蕗の姑(ふきのしゅうとめ)などフキノトウの英名:butterbur shoot、butterbur scape、Fuki budなど開花期:4~5月花色:白黄色、白~帯紫色形態:多年草(宿根草)草丈:30~200cm程度(部位による) 春を代表する山菜の1つとして古くから親しまれているフキノトウ(蕗の薹)。フキのつぼみのことで、独特の香りとほろ苦さがある春の味覚です。秋田県では別名「ばっけ」とも呼ばれ、NHKが全国から「郷土の花」を募集したことをきっかけに、昭和29年に秋田を象徴する花「ふきのとう」として制定されました。 フキの葉。HACOBE/Shutterstock.com フキはキク科フキ属の多年草で、細長い葉柄の先に一部が切れた円形のような腎円形の大きな葉をつけます。この葉柄部分も食用にされる身近な野菜です。早春に地下茎から花茎を出して花を咲かせますが、この若い花茎がフキノトウ。雌雄異株で、雄株は花粉があるため薄黄色、雌株は白~帯紫色の花を咲かせます。花茎からそのまま葉を伸ばすのではなく、花が終わった後に地下茎から葉柄を出します。雌株は花茎も伸びて結実しますが、繁殖は主に地下茎によって行われます。 tkyszk /Shutterstock.com フキノトウは花が開くと固くなり、アクも強くなってしまうため、つぼみの状態がおいしいとされています。収穫できる時期は1~3月と地域によっても異なりますが、雪解けとともに出てくる春の味覚。独特のほろ苦さと香りで、てんぷらや和え物などとして人気があります。 zikko2020 /Shutterstock.com 自宅で育てる場合は、半日陰で風通し・水はけのよい場所に植えます。乾燥を嫌い、直射日光の当たらない涼しい木陰などがおすすめです。春にはフキノトウとしてつぼみを、春~初夏にかけてはフキとして葉柄を収穫できます。葉柄は50~60cmの長さに成長したら収穫のタイミングです。冬は地上部を枯らして休眠しますが、翌年も再び芽吹いて何年も楽しめます。 クイズ一覧はこちら!
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樹木

冬に「花」と「実」が同時に見られる!? 珍しくてかわいい庭木「イチゴノキ」の魅力と育て方
イチゴノキの基本情報 m.e.s.t.o.c.k/Shutterstock.com 植物名:イチゴノキ学名:Arbutus unedo英名:strawberry tree和名:イチゴノキ(苺の木)その他の名前:ストロベリーツリー科名:ツツジ科属名:イチゴノキ属原産地:地中海沿岸~アイルランド形態:常緑性低木 イチゴノキの学名は、Arbutus unedo(アルブツス・ウネド)、英名はストロベリーツリーです。日本名は英名をそのまま訳して広がったとされています。ツツジ科イチゴノキ属の低木で、冬でもみずみずしい葉姿を保つ常緑樹です。原産地は地中海沿岸、アイルランドで、寒さに強い性質をもっています。樹高は2〜3mですが、毎年の剪定によって樹高を抑えることも可能。日本にもたらされたのは戦後といわれていますが、一般に広がってきたのは21世紀に入ってからです。 イチゴノキの花や葉の特徴 MacBen/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:11〜12月樹高:2〜3m耐寒性:普通耐暑性:普通花色:白、ピンク イチゴノキの開花期は11〜12月です。同じツツジ科のブルーベリーに似た、ベル形の白またはピンク花を咲かせます。花のサイズは1cm弱で小さいのですが、多数連なって咲くので見応えがあります。葉はダークグリーンで6〜10cmの楕円形。やや厚みのある革質で、縁には細かな切れ込みの鋸歯があるのが特徴です。 果実が熟すのは開花翌年の晩秋で、11月下旬〜2月にかけて色づきます。果実は緑からオレンジ、赤へと変化していき、その愛らしい姿にも観賞価値があります。開花中のタイミングで実が色づくため、花と色鮮やかな実が同時に楽しめ、華やかな姿になります。果実に毒性はなく食用できますが、甘みは薄く淡白な味なので、ジャムなどに加工するか観賞用として楽しむことが多いです。 イチゴノキの名前の由来と花言葉 lenic/Shutterstock.com イチゴノキという名前は、イチゴのように真っ赤に熟す実が由来。英名も「Strawberry tree」です。もっともバラ科ではなくツツジ科に属し、姿もイチゴよりもヤマモモに似ています。また、種小名のunedoはラテン語の「unum edo(1回食べる)」に由来します。これは古代ローマの博物学者、ガイウス・プリニウス・セクンドゥスの言葉からきているそうで、美味しくないためまた食べようとは思わないという意味だとか。 イチゴノキの花言葉は「あなただけを愛します」「後が楽しみ」「節約」などです。 イチゴノキの代表的な種類 Iv-olga/Shutterstock.com イチゴノキ属は、約15種の分布が確認されています。ここでは、主なものについてご紹介します。 ヒメイチゴノキ 南ヨーロッパが原産地。イチゴノキより樹高が低く1.5〜3mほどで、コンパクトにまとまります。開花期や収穫期はイチゴノキと同様です。花や果実が美しいので、観賞用として洋風庭園に用いられることが多くなっています。 ベニバナイチゴノキ Maria Papworth/Shutterstock.com ヨーロッパが原産地。ピンク〜赤い花を咲かせるのが特徴です。樹高は5〜10mほど。開花期や収穫期はイチゴノキと同様です。 「イチゴノキ」と「ヤマモモ」との違いは? 左がイチゴノキ、右がヤマモモ。HJBC、litchima/Shutterstock.com 赤い実をつけることから「イチゴノキ」と呼ばれていますが、イチゴはバラ科の多年草で、色が似ているという意外に共通点はほぼありません。イチゴが実る季節は春ですが、イチゴノキは晩秋から冬にかけてが収穫期間です。 イチゴノキの果実は、むしろヤマモモと似ていますが、ヤマモモはヤマモモ科ヤマモモ属の常緑樹なので似て非なるものです。見分けるポイントは、開花期と収穫期の違い。ヤマモモの開花期は3〜4月、実がなる時期が5〜6月であるのに対し、イチゴノキの開花期は11〜12月、収穫期は11月下旬〜翌年2月です。 イチゴノキの栽培12カ月カレンダー 開花時期:11〜12月植え付け:3〜4月、10〜11月肥料:2〜3月剪定:2月下旬〜3月下旬挿し木:6月中旬〜7月中旬 イチゴノキの栽培環境 Masarik/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所が適しています。西日が強く当たらない場所や、真冬に寒風が吹きつけない場所を選びましょう。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】水はけ・水もちのよい環境を好み、極端な乾燥には注意が必要です。ツツジ科の植物は酸性土壌を好む傾向にありますが、イチゴノキはアルカリ性土壌にも適応し、あまり土質にこだわる必要はありません。また塩害に強く、海岸沿いで栽培することも可能です。移植を嫌うため、地植えの場合は場所をよく吟味して植え付けましょう。 耐寒性・耐暑性 生育適温は15~30℃。若い苗木はやや寒さに弱いですが、成木になればマイナス10℃前後まで耐えます。ただし、乾いた寒風や霜で傷むことがあります。耐暑性も比較的ありますが、35℃以上の高温や強い西日で弱ることがあるため注意が必要です。 イチゴノキの育て方のポイント 用土 blueeyes/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、直径・深さともに50cm程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。土に肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 庭木用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。 水やり Vladimir Gjorgiev/Shutterstock.com イチゴノキは水はけがよく乾燥気味の環境を好みますが、根が細いため極端な乾燥を嫌います。また植え付け直後や苗木の状態では乾燥に弱いため注意しましょう。 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために枝葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。 真夏は、気温が高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、木が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて枝葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、晴天が続いて乾燥している場合は水やりをして補いましょう。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまうので注意。土の表面が乾いてから、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。枝葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。冬は休眠し、表土も乾きにくくなるので控えめに与えるとよいでしょう。 肥料 Singkham/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 生育期を迎える前に施す寒肥として、2〜3月に有機肥料を与えます。地植えの場合は、幹のすぐ下ではなく樹冠の下あたりに施すと、肥料成分が根からよく吸収されます。 注意する病害虫 Decha Thapanya/Shutterstock.com 【病気】 イチゴノキはほとんど病気の心配はありませんが、うどんこ病やすす病が発生することがあります。 うどんこ病はカビによる伝染性の病気で、葉、新梢、つぼみの表面が白く粉を吹いたような状態になります。放置するとどんどん広がって光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発生しやすくなります。うどんこ病が出たら病葉を摘み取って処分し、適応のある殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 すす病は、一年を通して葉や枝などに発生する病気で、発生すると表面につやがなくなります。進行すると黒いすすが全体を覆って見た目が悪いだけでなく、葉に広がると光合成がうまくできなくなり、樹勢が衰えてしまいます。カイガラムシ、アブラムシ、コナジラミの排泄物が原因となるので、これらの害虫を寄せ付けないようにしましょう。込んでいる枝葉があれば、剪定して日当たり、風通しをよくして管理します。 【害虫】 イチゴノキに発生しやすい害虫は、カイガラムシ、アザミウマなどです。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10㎜。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われて薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 アザミウマは花や葉について吸汁し、スリップスとも呼ばれます。体長は1〜2㎜で大変小さく、緑や茶色、黒の姿をした昆虫です。群生して植物を弱らせるので注意しましょう。針のような器官を葉などに差し込んで吸汁する際にウイルスを媒介するので、二次被害が発生することもあります。被害が進んだ花や葉は傷がついてかすり状になる異変が見られるので、よく観察してみてください。花がらや枯れ葉、雑草などに潜みやすいので、株まわりを清潔に保っておきます。土に混ぜるタイプの粒剤を利用して防除してもよいでしょう。 イチゴノキの詳しい育て方 苗木の選び方 Ionut Cenac/Shutterstock.com がっしりと締まって勢いがある苗木を選びましょう。枝がヒョロヒョロと間のびしているものや葉色が冴えないもの、虫食い痕のあるものは避けたほうが無難です。 植え付け・植え替え wavebreakmedia/Shutterstock.com イチゴノキの植え付け適期は3〜4月か、10〜11月です。ただし、花苗店などでは植え付け適期以外でも苗木が出回っていることがあります。入手したら、植えたい場所へ早めに定植しましょう。ただし、真夏や真冬の気候が厳しい時期は避けたほうが無難です。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗木の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って、深植えにならないよう植え付けます。その際、根を傷めないように注意しましょう。苗木がぐらつくようであれば、しっかり根付くまでは支柱を設置してビニタイや麻ひもなどで誘引し、倒伏を防ぎましょう。最後にたっぷりと水を与えます。 細根性で移植を嫌うため、植え替えは避けたほうが無難です。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、8〜10号鉢を準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから庭木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗木を鉢に仮置きし、高さを決めて植え付けます。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 鉢植えで楽しむ場合は、成長とともに根詰まりしてくるので、2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出し、根鉢を軽くくずして新しい培養土を使って植え直しましょう。植え替え後1週間〜10日くらいは、半日陰の場所に置いて養生させます。 乾燥対策 La Huertina De Toni/Shutterstock.com イチゴノキは水はけのよい環境を好む一方、極端な乾燥を嫌うため、乾燥が心配な場合は株元にワラなどをマルチングしてカバーするとよいでしょう。 受粉 AtlasStudio/Shutterstock.com イチゴノキは自家受粉で結実します。虫が媒介して授粉するため、放任してもある程度果実がつき、観賞用なら特に手入れをする必要はありません。よりたくさんの果実を実らせたいのなら人工授粉をするのもよいでしょう。人工授粉は晴れた日の開花後まもない午前中に行うとよいでしょう。開いたばかりの花数輪から筆や綿棒などに花粉をまとわせて採取し、別の花の雌しべにこすりつけるようにします。 収穫 Olenaduygu/Shutterstock.com イチゴノキの収穫適期は、11月下旬〜翌年2月です。完熟した実から適宜摘み取って収穫します。生食できるほか、ジャムなどにも加工可能です。 剪定 mihalec/Shutterstock.com 剪定の適期は、2月下旬〜3月下旬頃です。 成長が遅めで樹形も自然に整いやすいので、深く切り戻すというよりは、込み合っている部分の枝を切り取って間引き、風通しをよくする程度の剪定でOK。強い剪定は生育不良の原因になることがあります。長く伸びすぎている徒長枝、枯れ込んでいる枝、地際近くから発生するひこばえなどを選んで切り取りましょう。また、込み合っている部分があれば、内側に伸びている枝、下向きに伸びている枝、垂直に伸びている枝、ほかの枝に絡んでいる枝などを選んで切り取ります。枝を切る際は、枝分かれしている部分まで遡って、付け根で切ると自然に形が整います。途中で切ると枯れ込むので注意しましょう。また、枝先を切り詰める刈り込みをすると、花芽などを落としてしまうため開花や結実に影響が出ることがあります。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com イチゴノキは、種まきと挿し木で増やすことができますが、一般的には挿し木で増やします。 挿し木とは、枝を切り取って土に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、イチゴノキは挿し木で増やせます。 イチゴノキの挿し木の適期は、6月中旬〜7月中旬です。その年に伸びた勢いのある枝を2〜3節つけて切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を取り除いておきます。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。その後は日当たりのよい場所に置いて育苗し、鉢上げしながらほどよく育ったら、植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 かわいい花と実で観賞用としても人気! シンボルツリーにおすすめ barmalini/Shutterstock.com スズランのようなベル形の小さな花をたわわに咲かせる姿は愛らしく、果実をつけるとグリーンからオレンジ、赤へと色づいていく過程も美しいイチゴノキ。花の少ない冬の時期に見頃を迎え、ガーデンを彩る庭木にもおすすめです。ぜひ植栽してみてください。





















