スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中! 2026年10月5日発売の書籍第3弾『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中! 2026年10月5日発売の書籍第3弾『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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花と緑

「靫葛」ってどんな植物? 正解できたらすごい難読植物名漢字クイズ
密かに人気上昇中!「靫葛」ってどんな植物? Fumeezz/Shutterstock.com 実際に育てていても、漢字で表記されると案外分からない植物も多いもの。普段呼んでいるのとは違う名前があったり、意外な漢字表記があったり、植物の漢字も面白いものです。 そんな植物の漢字表記の中から、身近な植物に関するものをクイズで出題! 今回のお題は「靫葛」。あなたはこの漢字が表す植物が分かりますか? ヒント ユニークな姿からコアなファンも多い、代表的な食虫植物。 正解は… ↓ ↓ ↓ ↓ ウツボカズラ Benno Putro/Shutterstock.com ウツボカズラの基本データ 学名:Nepenthes科名:ウツボカズラ科属名:ウツボカズラ属原産地:東南アジアを中心とした熱帯地域和名:ウツボカズラ(靫葛、靫蔓)別名:ネペンテス英名:Nepenthes、tropical pitcher plants、monkey cupsなど開花期:6~7月花色:黄、黄緑、白、クリーム形態:つる性多年草草丈:0.5~15m 葉の先端に虫をとらえるための袋を持つ、ユニークな姿の食虫植物ウツボカズラ。ウツボカズラという名前は、ウツボカズラ属の植物全体、またはその1種であるNepenthes rafflesiana Jackを指します。低地から高地まで幅広い地域に生息し、世界で150種以上が知られていて、交配種も多数あります。 ウツボカズラの袋の中には消化液が入っていて、中に落ちてきた虫を消化して養分を吸収します。食虫植物の中では大型で、その独特のエキゾチックな姿や特徴的な性質からファンが多く、観賞用としても人気が上昇中の植物です。 Suekarsa Suchai/Shutterstock.com ウツボカズラの特徴は、なんといってもその壺のように見える捕虫袋(瓶子体)。これは葉が変形したもので、葉の中央を走る太い脈が長く伸び、その先端が膨らんで捕虫袋になります。ウツボカズラは“落とし穴式”の食虫植物で、袋の中に虫を落とし、底にたまった消化液で消化するという仕組みを持ちます。そのため、袋の入り口や内側は虫が足をかけられないようツルツルとしているのが特徴。蓋は雨よけの役割を果たすとともに、蓋の裏や袋の入り口には蜜腺があり、甘い蜜を出して虫を誘き寄せています。未熟な袋は蓋が締まっていますが、成熟すると蓋が開いて虫が捕まえられる状態になります。 ウツボカズラの捕虫袋は種類によりさまざまな形状があり、また高い場所につく袋(上位袋)と低い位置につく袋(下位袋)の形が大きく異なることもあります。 葉の先端からつながる捕虫袋。葉の脈が変化して袋になっています。Jee1999/Shutterstock.com ウツボカズラはつる性で樹木などに絡まって成長し、つるは長いもので15mにもなります。開花期は日本では主に6~7月で、十分に成長した株は、黄緑色やクリーム色などの小さく地味な花を穂状に咲かせます。雌雄異株で、雄花と雌花が別々の株に咲きます。 Jee1999/Shutterstock.com ウツボカズラには大きく分けて標高の低い土地に自生する「ローランド種(低地性種)」、標高の高い山岳地帯に自生する「ハイランド種(高地性種)」があります。また、自生地の標高や交配により、その中間的な特徴を持つものもあります。 ローランド種は暑さに強い反面、冬の寒さに弱いため冬越しに保温が必要。一方、ハイランド種は日本の夏の暑さに弱く管理が難しいため、あまり流通していません。一般に広く流通しているものは、日本の気候にも適応しやすく栽培しやすいローランド種や強健な交配種が中心となっています。 Santi P/Shutterstock.com 食虫植物というと、虫を与えなければいけないのかと考えてしまうかもしれませんが、普通の植物と同様に、水と光があれば十分に育ちます。 一般的にウツボカズラは温暖で日当たりのよい環境を好みます。ただし、強い直射日光を浴びると葉焼けすることがあるので、夏は遮光をするなど注意しましょう。高温多湿を好み、乾燥と低温が苦手です。冬越しの際は15℃以上を保つようにし、20℃を下回る頃から室内に取り込む準備をするとよいでしょう。 Suekarsa Suchai/Shutterstock.com 植え付けや植え替えは5~6月の気温の高い時期が適期。水苔のみか、鹿沼土など水はけのよい土に植え付けます。水苔で育てている場合は、毎年取り替えて植え直すとよいでしょう。水分を好みますが、過湿にすると根腐れすることがあるので注意が必要です。空中の湿度が高い環境を好み、霧吹きで株全体に水をかけると調子よく育ちます。湿度は50%以上をキープするとよいでしょう。4~10月の成長期には枝がよく伸びますが、枝が長く伸びると捕虫袋が付きにくく、また管理しにくくなるので、5月頃に下から5節くらい残して切り戻します。 Sergey Chirkov/Shutterstock.com 「靫葛」の由来とは? jessicahyde/Shutterstock.com ウツボカズラの漢字表記は「靫葛」または「靫蔓」。「靫(うつぼ)」は矢を入れて持ち運ぶための筒状の容器のこと、「葛・蔓(かずら)」はつる草のこと。ウツボカズラの捕虫袋をこの容器に見立て、つる性であることが由来となっています。 クイズ一覧はこちら!
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寄せ植え・花壇

8月下旬はまだ全部植え替えなくてOK! 晩夏から秋へ、玄関先を素敵に整える4つのコツ
この一枚に、晩夏から秋へつなぐヒントがいっぱい! まずは、冒頭の写真の武島さんの玄関まわりを少し離れたところから眺めてみましょう。玄関へ続くアプローチには、まだ元気に咲く夏の花。その奥には寄せ植えがあり、壁面やフェンスには秋の訪れを感じさせるリンドウのハンギングも加わっています。そして、写真の手前、花壇の縁をふんわりと彩っているピンクの花は、ペチュニア‘さくらさくら’です。 ここにある植物は、夏から育ててきた植物を生かしながら、手を入れるところには手を入れ、秋の気配を少しずつ加えて育てています。じつはこの一枚の中に、晩夏から秋へ庭をきれいにつなぐヒントがいくつも隠れています。1つずつ見ていきましょう。 コツ1 元気な夏の花は抜かない。まだまだ秋まで楽しめる 夏の間たっぷり花を咲かせた植物は、8月下旬になると枝が長く伸びたり、株姿が乱れたりすることがあります。 武島さんの庭で花壇の縁をやわらかなピンク色に彩っているペチュニア‘さくらさくら’も、夏から秋へつないで楽しめる花の一つ。株が元気なら、長く伸びた枝や花数が減った部分を軽く切り戻し、枯れ葉や傷んだ枝を取り除いて株姿を整えます。気温が落ち着いて新芽が伸びれば、秋に再び美しい見頃を迎えることが期待できます。 晩夏から初秋は秋雨や台風も増える時期。枝葉が混み合った株は風通しが悪くなりやすいため、不要な枝葉を整理しておくことは蒸れを防ぐうえでも役立ちます。ただし、厳しい暑さが続いているときや株が弱っている場合は、強い切り戻しは避けましょう。植物の状態を見ながら整えることが大切です。 切り戻した後は、活力剤や液肥を与えて生育をサポートしてあげましょう。 コツ2 秋らしさを「少しだけ」先取りする 夏の花を生かしながら季節感を変えたいなら、秋を感じさせる植物を一鉢だけ加えてみましょう。武島さんが選んだのは、リンドウ‘アシロブーケ アクア’。淡い青紫色の花がこんもりと咲く姿は、夏の鮮やかな花々とは少し違った、涼やかで落ち着いた雰囲気です。ここでは、いくつもの植物を組み合わせるのではなく、リンドウだけでハンギングを仕立てています。 一種類の植物でも、まとまりのあるボリュームで見せれば十分な存在感。複雑な寄せ植えをつくらなくても、季節の植物を一つ選ぶだけで取り入れられるアイデアです。 しかも玄関のように毎日目にする場所なら、その効果は大きなもの。夏の花々の中に青紫色のリンドウが加わるだけで、景色の中にひと足早く秋がやってきます。庭全体を変えなくても、一鉢から季節は変えられるのです。 スティック式のハンギングスタンドを使って、花壇の上部を華やかなハンギングバスケットで彩って。 こちらは庭に向かう扉の前の小さな花壇。白、淡いピンク、濃いピンクの花色を混ぜたニチニチソウのハンギングバスケットが華やかです。ニチニチソウは暑さに強く、長く花を楽しめる夏の草花。まだ株が元気なら、「秋になったから」という理由だけで抜いてしまう必要はありません。花がらや黄変した葉を取り除くだけでも、夏を越した植物はすっきりと見違えます。 ニチニチソウのハンギングバスケットの下には、ピンクベージュのセロシア(ケイトウ)でほんのり秋らしさをプラス。このセロシア ‘スマートルック ロマンティカ’は、夏の気温が高い時期は色が淡く、晩秋にかけて気温が低くなると色が濃く、葉色も赤味を帯びてシックな雰囲気になっていきます。夏から秋は、そんなふうに色変わりしていく植物たちの表情の変化も楽しめる季節です。 小さな花壇もハンギングをプラスするとこんなに華やか。 コツ3 花だけに頼らない。「葉」を主役にする 晩夏から初秋の玄関まわりで、もう一つ活用したいのがリーフ類です。武島さんの小さなコーナーでは、花をたくさん咲かせるのではなく、シダ類をはじめ、明るいグリーンや斑入りの葉、赤みを帯びた葉など、さまざまな観葉植物のリーフを組み合わせています。 花がなくても寂しく見えないのは、単に「緑を集めている」わけではないから。葉の色だけでなく、大きさ、形、質感、葉の向きや枝垂れ方まで異なる植物を重ねることで、花に負けないほど豊かな表情が生まれます。 長雨や台風などで花が傷みやすい季節にも、葉そのものを観賞する観葉植物を上手に取り入れると、景色を保ちやすくなります。 また、花が少なくなってくる季節ほど、リーフの存在感は大きくなります。夏から秋へ移る端境期こそ、葉を「脇役」ではなく「主役」として考えてみましょう。 玄関前で、ニチニチソウとともに強い存在感を放っているのが、大きなイモの葉のコロカシア‘ブラックマジック’。小さなニチニチソウの花に対して、まったくスケールの違う大きな葉を合わせることで、景色にメリハリが生まれています。さらに、高さのある葉が加わることで視線が上下に動き、限られた玄関前にも奥行きが感じられるようになります。 そしてもう一つ注目したいのが、鉢を一つずつ独立して考えていないこと。左右のハンギング、大きな葉の寄せ植え、そして背景となる玄関扉まで含めて眺めると、すべてが1つのコーディネートになっています。 「この鉢をどう植えるか」だけでなく、ちょっと視点を引いて「ここから見える景色をどうつくるか」。それが小さなスペースを豊かに見せるための大切な視点です。 コツ4 置く場所がなくなったら「壁」を庭にする 玄関周りのような小さなスペースでは、植物を増やしたくても、鉢を置ける場所には限界があります。そんなとき、武島さんが活用しているのが壁やフェンスなどの垂直面です。 ハンギングバスケットなら、床面積をほとんど使わずに植物を飾ることができます。しかも目線の高さに花や葉が加わることで、植物が足元だけに並んでいる場合とはまったく違う立体感が生まれます。 「何平方メートルあるか」という床の広さだけで考えず、上・中・下まで1つの空間として考えると、もう鉢を置くところがない」と思っていた場所にも、新しいガーデニングスペースが見つかります。 「狭いからできない」を、「ここにも飾れる」に変える 玄関前に1鉢。壁面に1つのハンギング。奥行きのない小さな花壇。家の脇に残った、ほんのわずかなスペース。武島さんの庭を見ていると、ガーデニングに必要なのは必ずしも広い庭ではないことに気づきます。むしろ、家のまわりにある小さな空間を見つけて、「ここなら何ができるだろう」と考える。その積み重ねが、家全体を花のある景色へと変えていきます。 ハンギングバスケットや寄せ植え、玄関まわり、奥行きのない花壇、壁面、つる植物——。武島由美子さんが長年培ってきた、限られたスペースを生かして花のある暮らしを楽しむアイデアは、今秋刊行予定の書籍でも豊富な実例とともに詳しくご紹介します。 広い庭がなくても、花のある暮らしは作れる。 この秋はまず、毎日通る玄関先を眺めて、「ここにも何かできるかな?」と考えるところから始めてみませんか。 購入者限定の動画レッスン付き! 初めてでも迷わず作れる『ハンギング&寄せ植え』バイブルが予約開始 『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』 著者:ガーデンストーリー定価:2,200円(本体2,000円+税)発売:2026年10月5日判型:B5判 ページ数:160ページ発行:KADOKAWAISBN-10:4049027313ISBN-13:978-4049027310 Amazon特典「ハンギング設計シート」 作る前に花苗の種類や色、植える位置を整理できる「ハンギング設計シート」。バスケットの図に花の配置を書き込みながら、完成イメージを組み立てられます。必要な苗や資材を記入できる買い物リスト付きで、園芸店での苗選びから植え込みまでをサポート。自分だけのハンギング作りに役立つ、実用的な購入者限定特典です。 Rakuten特典「初めてでも作れるハンギング動画」 購入者限定の動画レッスンでは、ハンギングバスケット作りのポイントを実演します。花苗を選ぶときの見方や植え込む順番、全体を丸く美しく仕上げるコツなど、本の写真だけでは伝わりにくい手の動きや苗の扱い方を分かりやすく解説。難しそうに見えるハンギングバスケットを、初めての方にも気軽に楽しんでいただける特別レッスンです。 『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』もくじ Chapter1 「小さな空間を華やかに彩るハンギング」 地面がなくても、花を咲かせられる「ハンギング」基礎知識ハンギングの魅力 ①〜⑤壁に、フェンスに、椅子の背に。飾り方いろいろハンギングバスケットの基本の作り方数種類を組み合わせて作るハンギング〈動画つき〉ハンギング作りに役立つツール Chapter2「ハンギングと寄せ植えを重ねて景色を作る」 地面がなくても、花景色を作れる「寄せ植え」武島さんの寄せ植えセオリー寄せ植えの作り方初心者でもうまくいくリースの寄せ植え Chapter3「小さな花壇を生かして景色をより立体的に」 奥行きのない花壇を立体的に見せる5つの工夫つるバラの誘引と剪定春夏秋冬の玄関の花風景 Chapter4「小さなコーナーも見違える季節のしつらえ」 春 小さな芽吹きを集めて夏 涼やかな花のコーナー秋 ハロウィンの演出冬 小さなクリスマスのしつらえ Chapter5「小さな工夫を重ねて広がる庭景色」 広い庭景色を作る6つの視点アーチと小径 / 小径と花壇 / 色や植栽で場面を分けるくつろぐ居場所を作る / 小径の先へ視線を導く日陰にも見せ場を作る / 端境期を彩る STORY いつも花のあるほうへ心を戻してSTYLE 動きやすくて、気分が上がるガーデンファッションTOOLS 機能的でおしゃれなガーデンツール Chapter6「覚えておきたい植物の基本の手入れ」 様子を見る / 掃除 / 花がら摘み / 水やり / 切り戻し / 植えどき・抜きどきハンギング・寄せ植えにおすすめの花図鑑91種WORKS 花のある暮らしを育てる場所 武島由美子さんと Anne’s Garden
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ストーリー

子どもと若者が育てた、小さな緑のじゅうたん 公園はどう変わり始めたのか
歓楽街の公園に響く、歓声 「水、たまってる!」 8月のある日曜日、朝10時すぎ、川崎市川崎区の東田公園。その一画に広がる小さな緑のじゅうたんの周りに、学生たちが集まっていた。地面を這うようにびっしりと葉を広げているのは、グラウンドカバープランツのクラピアだ。彼らが覗き込んでいるのは、前日からクラピアの葉を覆っておいた透明なビニール袋。内側には水滴がつき、底には少量の水がたまっている。葉から水分が放出される「蒸散」を、自分たちの目で確かめる実験だ。 蒸散によって得られた水の水質を確かめてみようと、相談する学生たち。 今度は地面の温度を測る。クラピアが覆っている場所は約26℃。すぐそばの砂利がむき出しになった場所は約36℃。 「10℃も違う!」 この日は曇りがちで、真夏としては比較的穏やかな天候だったが、学生たちが測った表面温度には約10℃の差があった。 しゃがみ込んで葉の間をのぞけば、今度は生き物探しが始まる。バッタがいた。シジミチョウやキタテハも見つかった。 「前はいなかった生き物がいるね」 小さな緑の中に、次々と発見がある。観察が一段落すると、彼らは水鉄砲を手にして、クラピアへ水を飛ばす。あっちからも、こっちからも水が飛び、時には人にもかかる。歓声を上げて走り回り、キャッキャと笑いながら、小さな緑のじゅうたんに水を与えていく。 笑い声が弾ける、穏やかな公園の風景。 しかし、ここはほんの数年前まで、こんなふうに子どもが集まる場所ではなかった。 「子どもは遊びに行ってはいけない」といわれた公園 東田公園は、川崎駅東口から徒歩約10分。「商店街の中にある身近な公園」と位置づけられている。園内には広場や遊具、コミュニティーハウスもある。 しかし、公園から少し視線を移すと、その立地の特殊さが分かる。東田町で、営業種目が飲食店に分類される施設を編集部で集計すると400以上。そのうちの6割以上が「バー」に分類される。公園入り口のすぐそばには、女性の姿を大きく掲げた派手な看板が並び、取材した日曜日の朝も、道路には前夜の名残を思わせるゴミが点在し、朝から酒を飲んでいる人の姿もあった。 かつてはここに店舗から出たと思われる粗大ゴミが置かれていた。 今、公園の一画にクラピアが緑のじゅうたんを広げている辺りは、かつて不法投棄が目立つ場所だった。周囲の店舗が入れ替わる際などには、ソファやタンスといった大型の廃棄物まで捨てられていた。毎日ゴミを拾っても、朝に1袋、夕方にまた1袋がいっぱいになり、ブルーシートを住まいにする人もいて、地域では「子どもは遊びに行ってはいけない」といわれる公園だったという。 ところが今、その場所に近隣の保育園の子どもたちが、毎朝遊びに来るようになった。公園の姿を変えたものは一体、何なのか。 始まりは「公園をきれいにしたい」 変化のきっかけをつくったのが、「まちびらき隊」。先ほどクラピアを観察していた学生たちがメンバーだ。 まちびらき隊は、NPO法人「姿勢教育の孝心会」のもとで活動する子ども・学生主体のグループ。東田公園内には同法人が運営する「コミュニティーハウスさくら」があり、そこを拠点として、毎週日曜日の10時15分から定期活動を行っている。 この日の活動には、クラピアを開発している株式会社グリーンプロデュースの井上まきさんが手入れの助言や新たな壁面緑化プロジェクトの相談役として参加した。 活動が始まったのは2021年。「公園をきれいにしよう」。そんな純粋な思いから近隣の友だち同士が集まり、まず始めたのはゴミ拾いだった。代表は次の世代へと引き継がれながら活動が継続され、初期から現在まで参加を続けているメンバーもいる。 彼らは、ただ用意された活動に参加するのではない。自分たちで地域の問題を見つけ、「どうしたら変えられるか」を考え、実際の行動へとつなげていく。イベントを企画し、チラシを作り、必要なら行政への申請書を用意する。商店街にプレゼンし、地域や企業にも協力を呼びかける。企画、チラシ制作、司会、写真・動画撮影、SNS発信など、活動を実現するための役割も細かく分担し、その一つひとつを子どもたち自身が担っている。 こうした活動のやり方は、上の世代から下の世代へと受け継がれてきた。大学生が高校生に、高校生がさらに年下の子どもたちに、遊びも交えながら活動の意義や方法を伝える。そうして少しずつ、「自分たちの街は、自分たちで変えられる」と考える仲間を増やしてきた。 「禁煙」か「分煙」か。東田公園が抱えていた課題 最初は、捨てられているゴミを、くる日もくる日もひたすら拾った。活動日の日曜だけでなく、学校からの帰り道にも、クリスマスにも、お正月にも。それでも遊具のすぐ側や彼らが花を植えた花壇の中にも、酒瓶や空き缶、ペットボトルにたばこの吸い殻、傘、メガネ、服など、ありとあらゆるゴミが繰り返し捨てられた。 公園入り口に散乱するたばこの吸い殻を拾う子どもたち。ひまわりの花壇の中にも空き缶が。写真/まちびらき隊 自分が植えた花の上が、そんな惨状になった時の気持ちを想像してみてほしい。どれほど悲しく、無力感にさいなまれるだろうか。しかし、彼らは諦めるでもなく、誰を責めるでもなく「なぜゴミは減らないのか」と考えた。例えば、たばこの吸い殻。メンバーである子どもたち自身は、もちろんたばこを吸わないが、彼らは吸う人の立場になって、捨てる場所がないことも吸い殻が散乱する一因なのではないかと考えた。 興味深いことに、東田公園では行政もまさに同じ課題に向き合っていた。川崎市は2024年3~4月、東田公園を含む市内6公園で禁煙の試行を実施し、利用者アンケートを行っている。東田公園では105人が回答。「公園での喫煙をどう思いますか」という問いに対し、「禁煙がいい」が45%、「分煙がいい」が42%だった。ほぼ真っ二つである。 市全体に寄せられた意見にも、「吸い殻のポイ捨てが怖い」「子どもへの副流煙が心配」という声がある一方、「灰皿があればそこで捨てる」「スモーキングエリアを設ければ、そこで吸ってほしいと言える」という分煙を求める声があった。 つまり、「吸う人を締め出すのか、何も規制しないのか」という2択ではなく、異なる立場の人が利用する公共空間で、どう折り合いをつけるかという課題が、現実に突きつけられていたのである。 公園に新設された喫煙所を清掃する「まちびらき隊」の高校生。写真/まちびらき隊 東田公園で実験的に禁煙が導入された際、まちびらき隊は、活動を続けるなかで、むしろたばこの吸い殻のポイ捨てが増えたと感じたという。そこで市に対し、喫煙する人がルールを守って利用できる場所の設置を働きかけた。川崎市はその後、公園を原則禁煙としながら、常駐管理者のいる一部公園に「喫煙可能スペース」を設ける方針を決定。2025年7月1日から、東田公園にも設置された。 「ゴミを捨てないで」。子どもの言葉が大人に届いた また、まちびらき隊はポスターを作るイベントを開催し、たくさんの子どもたちが描いた絵とメッセージを公園中に掲げた。書かれているのは、どれもシンプルな言葉ばかりだ。 「ゴミをすてないで」「お花を大切に」「みどりだいすき!」「公園を大切に」「ちきゅうをきれいに」「まちをきれいに」 すると活動を続けるうちに、不法投棄は見られなくなり、少しずつゴミも減ってきたという。 「僕たちがゴミを拾うからだけではなく、ポスターでメッセージすることによって、ゴミを捨てる人自体も減ったのだと思います」と、初期から活動するメンバーが話してくれた。 誰かがこの公園を大切にしているというメッセージ。それがゴミを捨てようとする人の手を、とどまらせている。 次に挑戦したのは「緑」だった 「まちびらき隊」が現在ゴミ拾いと並行して取り組んでいるのが、東田公園を緑化するプロジェクトだ。まず挑戦したのは、クローバーだった。土を耕してタネを播き、緑のじゅうたんをつくった。一度は茂った。しかし、夏の暑さで枯れてしまった。もう一度挑戦しても、夏を越せない。試行錯誤は4年間続いた。 そこで彼らは、自分たちで植物を調べ始めた。 「川崎市は工業地帯で、二酸化炭素を多く排出しているんです。それを吸収して温暖化を防ぐことにもつながればいいなと思って、暑さに強いという条件とともに、CO2吸収という検索ワードも入れて調べたら、出てきたのがクラピアだったんです」。 クラピアは、沖縄などに自生する在来種イワダレソウを原種として品種改良された、地面を這うように広がるグラウンドカバープランツだ。暑さに強く、小さな丸い葉が密に広がることで、雑草の発生を抑えやすく、雑草対策などにも利用されている。また、根が地中深く1m近くまで伸びるため、豪雨による土壌の流出防止や雨水の浸透効果などの環境機能が注目されている。 つるはしとシャベルだけで砂利の地面を耕すまちびらき隊メンバー。写真/まちびらき隊 ただし、その植栽は簡単ではなかった。クラピアは地中深く根を伸ばすという資料を読んだ彼らは、予定地43平米を50cmの深さで掘り進めた。掘ると、中から石が次々と出てきた。それを1つずつ取り除きながら、半年ほど地道な土づくりを続けた。その後、専門家の植栽指導を受けてクラピアを175株植栽。土づくりから約1年をかけ、公園の一画に緑のじゅうたんを育て上げた。心配していた8月の猛暑にも枯れることなく、瑞々しい緑が広がり、愛らしい花も咲く。 2025年秋、資材の購入など、まちびらき隊の活動を支援する川崎中央ロータリークラブと一緒にクラピアを植栽した。 こうした彼らの活動は行政からも評価され、2025年には、「かわさきSDGs大賞2025」の地域・社会部門で最優秀賞を受賞。川崎市は、中高・大学生が主体となり、幼児や小学生の意見を取り入れながら、行政、企業、商店街、地域団体と連携して実現している点などを高く評価した。 活動を通して、子どもたち自身にも変化が生まれたという。大学生の一人は、「植物にこれまで興味がなかったけれど、この活動を始めてから、どうしてここに生えているのかなとか、植物の働きについて興味を持って調べるようになりました」と話す。また、横浜から電車とバスを使い、この活動に参加している高校生は「学校だけではないコミュニティを持って、仲間と一緒になんでもチャレンジできることがとても楽しい」と教えてくれた。 緑は、人の心に何をもたらすのか 緑がもたらすものは、景観の美しさだけではない。WHOは都市の公園や緑地について、心理的なリラックスやストレスの軽減、人とのつながりや身体を動かす機会を生み出し、さらに暑さや騒音など都市生活の負担を和らげることで、心身の健康を支える可能性があるとしている。 東田公園を考えるうえで、興味深い研究もある。米国フィラデルフィアで、荒廃した空き地541カ所を対象に行われた無作為化比較試験だ。空き地を清掃したうえで芝生や樹木を植え、継続して管理する「緑化」を行った場所と、清掃だけを行った場所、何もしない場所の3つを比較した。 その結果、緑化した場所の近隣住民では、対照群と比較して「抑うつを感じる」という回答が41.5%減少した。貧困線以下の地域に限ると、その減少はさらに大きかった。一方、ゴミを取り除いて管理するだけの介入では、同じような精神面の改善は確認されなかった。 同じフィラデルフィアの別の無作為化比較試験では、荒廃した空き地を緑化・管理した周辺で、住民の安全感や屋外利用にも変化が確認され、貧困地域では一部の犯罪指標も減少した。 もちろん、「緑を植えれば犯罪がなくなる」「クラピアを増やせばゴミが捨てられなくなる」と単純化することはできない。しかし、こうした研究を東田公園の変化に重ねてみると、興味深い共通点が見えてくる。ゴミを取り除くだけではなく、植物を植え、誰かが継続して手入れすることで、「ここは放置されていない場所だ」と感じられる風景が生まれていることだ。 「捨てちまえ」と思わせない場所へ すでにゴミが散乱している場所に、もう1つ空き缶を置くのは気が咎めない。「どうせ汚い」「誰も気にしていない」、そう思えば心理的なハードルは低くなるものだ。 公園入り口の花壇。まちびらき隊が中心となり、毎年、春にはチューリップ、夏にはひまわりを育てている。写真/まちびらき隊 けれど、その場所に花の絵とともに「公園が好き」という文字がある。昨日までむき出しだった土に緑が広がっている。花が咲き、誰かが水をやっている。毎週日曜日には、若者たちが手入れをしにやって来る。そうなれば、そこはもう、「誰も気にしていない場所」ではない。 さらに、前述の研究の中に示された、緑化された環境が人の心身にもよい影響をもたらす可能性も注目すべき点だ。 緑の心地よさは、利用する人を選ばない 公園の緑化と聞けば、その先に子どもが遊び、家族がピクニックを楽しみ、地域の人が花を眺めるような、穏やかな景色を思い浮かべる人が多いだろう。けれど、東田公園を訪れる人はそれだけではない。 周囲の店で働く人もいる。酒を飲んだ帰りの人もいる。仕事の合間にたばこを吸いに来る人。何かがうまくいかず、ただ一息つきたい人もいるかもしれない。 そうした人たちは、「荒れた公園」を説明するための景色ではない。彼らもまた、この街に暮らし、働く一人の人間だ。そして、家でも職場でも店でもなく、お金を払わずにただ木陰に腰を下ろすことのできる公園を、むしろ強く必要としているかもしれない。少し疲れたとき、社会とのつながりからこぼれ落ちそうになったとき、足が向くのが公園という場所なのかもしれない。 公園は誰のためにあるのか 「公園は誰のためにあるのか」という問いは、東田公園だからこそ浮かび上がってくる。まちびらき隊がこれまでやってきたことは、そこで問題を起こす誰かを排除することではなかった。ゴミを拾い、子どもたちの言葉を掲げ、喫煙する人にもルールを守れる場所を用意し、そして荒れた地面を耕して緑を育てている。 彼らの目下の目標は、この緑のじゅうたんのエリアを広げ、公園を緑でいっぱいにすることだ。 「この公園を拠点に、街中へも緑を広げて、温暖化とか社会の課題を解決できたらいいなと思い描いています」と代表を務める学生の一人は話した。 ほんの数年前まで、「子どもは遊びに行ってはいけない」といわれていた東田公園。今、その一画には小さな緑のじゅうたんが広がり、日曜日になると子どもたちが集まってくる。その緑のそばでは、子どもも、大人も、この街で働く人も、ただ通りかかった人も、同じ公園の利用者だ。 小さな緑のじゅうたんが広げようとしているものは、植物の葉だけではないのかもしれない。
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宿根草・多年草

コロンと丸い葉がかわいい! ウォーターマッシュルームを枯らさずに室内で楽しむ栽培のコツ
ウォーターマッシュルームの基本情報 LIN MEI CHEN/Shutterstock.com 植物名:ウチワゼニクサ学名:Hydrocotyle verticillata var. triradiata英名:Whorled Marshpennywort、Water pennywort、Pennywort、Money plantなど和名:ウチワゼニクサ(団扇銭草)その他の名前:ウォーターマッシュルーム、ウォーターコイン、タテバチドメグサなど科名:ウコギ科属名:チドメグサ属原産地:北アメリカ形態:常緑多年草 ウォーターマッシュルームは、ウコギ科チドメグサ属に分類される抽水植物(水底の土に根を張り、水面上に茎や葉を突き出して育つ水生植物)で、原産地はアメリカです。湿地や河川などの水辺で育ち、水中でも陸上でも育てられます。繁殖力が非常に強く、観賞用として各国に輸入されて野生化し、日本でも暖地を中心に帰化が確認されています。 ウォーターマッシュルームの花や葉の特徴 Albin Raj/Shutterstock.com 園芸分類:水生植物開花時期:6〜10月草丈:5〜25cm耐寒性:普通耐暑性:強い花色:白 ウォーターマッシュルームは、6~10月にかけて開花します。花は径2mmほどと、とても小さな5弁花で、伸ばした花茎の節にまとまって咲きます。 水中では匍匐(ほふく)茎を伸ばし、節から発根してどんどん増えていきます。水中でも湿った土でも育ち、根元を水につけた状態で水面に葉を出したり、根元から葉まで水中に沈めた状態でも育ちます。葉は互生し、5~25cmの長さの葉柄の先に、1~5cmほどの光沢がある円形の葉をつけます。葉の縁には浅く切れ込みが入ります。 e.sgtp/Shutterstock.com 寒さには比較的強く、寒冷地を除いて屋外の水中で越冬可能。葉は常緑で、寒さにあたると水面より上の葉は枯れたようになりますが、暖かい室内で育てれば冬も緑が楽しめます。 ウォーターマッシュルームの名前の由来と花言葉 Wirestock Creators/Shutterstock.com ウォーターマッシュルームという名前は、丸くてかわいらしい葉がキノコに似ていることから名付けられました。「ウチワゼニクサ(団扇銭草)」という和名は、葉の形が硬貨に似ているおり、団扇のような柄があることから。また、「ウォーターコイン」という別名でも親しまれています。 LILLIAN_GZ/Shutterstock.com ウォーターマッシュルームの花言葉は「希望」です。キノコのように生える様子が希望を象徴しているという説や、細い茎が場所を選ばずどこまでも伸びていこうとする姿に由来するという説もあります。力強く成長する姿が、人々に前向きな気持ちを与えてくれる植物です。 ウォーターマッシュルームの楽しみ方と注意点 Yustika Muharastri/Shutterstock.com 涼しげでかわいらしい姿のウォーターマッシュルームは、さまざまな方法で楽しむことができます。アクアリウム、ビオトープ、メダカの水草などに利用するのはもちろん、株元が水につかる程度の水位で育ち、乾かさなければ陸上でも育つので、鉢植えや水苔植え、ハイドロカルチャー、観葉など、用途に応じて自由に取り入れることが可能です。ただし、水草は河川などに逸出すると、小さな1片からでも再生して爆発的に増えることがあるため、屋外で栽培する場合は十分な注意が必要。室内で栽培する場合も、処分する際は野外に捨てずにゴミ袋に入れて処分するなど、野生化しないよう対策しましょう。 ウォーターマッシュルームの種類 Job Narinnate/Shutterstock.com ウォーターマッシュルームには、いくつかの種類が存在しますが、品種はさほど多くありません。改良によって小型化された品種は「ミニマッシュルーム」や「ピグミーマッシュルーム」といった名前で流通しています。 ミニマッシュルームは草丈が約7cmのロゼット型水草で、コンパクトなサイズ感が魅力です。基本的な育て方は、通常のウォーターマッシュルームと同じです。 ウォーターマッシュルームを育てる際に必要なアイテム Gulsina/Shutterstock.com ウォーターマッシュルームを育てるために必要な基本の道具は以下です。 ウォーターマッシュルームの株 鉢 培養土 肥料(液体肥料) ハサミ 手袋(植え付け時など) ジョウロ(鉢植えで育てる場合) 水槽(水槽で育てる場合) これらのアイテムはホームセンターや園芸店、通販サイトなどで購入できます。事前に品ぞろえや入荷状況を確認しておくと安心です。 ウォーターマッシュルームの栽培12カ月カレンダー 開花時期:6〜10月植え付け・植え替え:4〜9月肥料:4〜9月 ウォーターマッシュルームの栽培環境 Elvie Lins/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】春から秋にかけては、日当たりがよく、午後には日陰になるような場所がよいでしょう。 【日当たり/屋内】半日以上日が当たる窓辺など、明るい場所を好みます。 【置き場所】水温が上がりすぎると枯れてしまうことがあるので、午後に直射日光が当たるような場所は避けましょう。水の中でも育つため、水槽に沈めて栽培するか、鉢植えの場合は鉢ごと水につけ、株元が水につかるように水位を調節するとよいでしょう。 耐寒性・耐暑性 耐寒温度は約3℃で、寒冷地を除いて屋外でも冬越しができます。気温が下がると水面から出ている葉は枯れることがありますが、水中の葉は枯れません。水面が凍っても株自体には影響がないため、枯れた葉は切り取ってしまいましょう。春になって気温が上昇すると新芽が出てきます。ただし、水が完全になくなったり、根まで凍ったりすると株が枯れてしまうため、寒冷地では室内で越冬させるほうが安全です。 ウォーターマッシュルームの育て方のポイント 用土 Nor Gal/Shutterstock.com 土は赤玉土や荒木田土、水生植物専用土などが適しています。特に荒木田土などの水田の土は水が濁りやすいものの、株の育成には向いています。また、ハイドロカルチャーで育てる方法もあり、ビオトープで使用する場合には、洗って再利用できるボラ土もおすすめです。 水やり NPvancheng55/Shutterstock.com ウォーターマッシュルームは1年を通して水を切らさないように管理します。陸上で育てる場合は、水が切れるとすぐに枯れてしまいます。過度の水で根腐れする心配はありませんが、水がまったく循環せず水質が悪化していると枯れてしまう恐れがあるので注意しましょう。冬でも水切れさえしなければ、問題なく冬越しできます。 【地植え】 株が水に沈みすぎない程度の水深に植えます。 【鉢植え】 水の入った容器に鉢植えごと沈め、株の根元まで水につかっている状態にすると管理しやすいです。 肥料 Katherine_lynx/Shutterstock.com ウォーターマッシュルームは生育が旺盛で、肥料を与えなくても育ちます。ただし、葉を増やしたり花つきをよくしたい場合は、少量の肥料を与えると効果的です。生育期である4~9月の間は、1~2カ月に1回緩効性の化成肥料を与えるか、液体肥料を規定量の倍に薄めて与えるようにしましょう。 注意する病害虫 LindartLine/Shutterstock.com ウォーターマッシュルームは非常に丈夫な植物なので、病害虫の心配はほとんどありません。初心者でも安心して栽培できます。 ウォーターマッシュルームの詳しい育て方 植え付け・植え替え suprabhat/Shutterstock.com 植え付けに適した時期は、生育期である4~9月です。植え付け後は、春から秋にかけて屋外や室内の日がよく当たる場所で管理し、水温にも注意しながら育てます。 【地植え】 地植えの場合は、水に沈みすぎない水深の場所を選びましょう。 【鉢植え】 鉢植えの場合は、用土を入れた鉢に植え付けてから水につけます。根を水苔で包んでポットなどに入れ、水槽内に植え付けることもできます。 【水栽培】 水槽やボトルアクアリウムなどの水の中で育てます。水中で育てると、葉が小さくなる傾向があります。 【ビオトープ】 ビオトープでは、底に敷いた用土に直接植えるとトロ舟などの容器全体に根や茎が広がってしまうため、鉢植えにしたものを沈めるほうが管理しやすいでしょう。 植え替え Octopus16/Shutterstock.com 植え替えに適した時期は、生育期である4~9月です。 植え替えは2年に1回程度が目安。根が詰まってきたら、大きめの鉢や容器に植え替えるようにしましょう。株を大きくしたくない場合は、地下茎を切って好みの大きさに整えてから植え替えると、コンパクトに育てることができます。 剪定・切り戻し Verra Widhi/Shutterstock.com ウォーターマッシュルームは、茎や根を伸ばして鉢の外にまで繁殖することがあります。鉢植えから伸びた茎が、スイレン鉢などの外側の容器に敷いた土に根を張ることもあるため、増えすぎたと感じたら地下茎を切り戻して調整しましょう。切り取った茎は、新たに株を増やす際にも利用できます。株が増えすぎて混み合ってきた場合は、余分な地下茎を切って大きさを整えると、見た目もすっきりします。 剪定した茎葉を処分する際は、野外に逸出しないよう、可燃ゴミとして処分しましょう。 増やし方 Pheobus/Shutterstock.com ウォーターマッシュルームは、株分けで増やすことができます。植え替えや剪定の際に切り取った地下茎を別の場所に植えるだけで新たな株が育ちます。 寒冷地など、屋外で育てている株の冬越しに不安がある場合は、あらかじめ株分けして増やしておくと安心です。小さい株を作って冬の間は室内で管理しておけば、万が一枯れてしまっても、春から栽培を再開することができます。 ウォーターマッシュルームの栽培に関するQ&A grapestock/Shutterstock.com ここからはウォーターマッシュルームを育てる際によくある疑問にお答えします。 Q. 水中生物と一緒でも大丈夫? Bukhta Yurii/Shutterstock.com A. ウォーターマッシュルームは水草の中でも比較的丈夫なため、熱帯魚やエビなどの水中生物と一緒に育てることができます。食べられてしまうことはあまりなく、丈夫なのでどんどん繁殖・成長します。また、水中生物に害を与えることもなく、水質に注意すれば安心して共存させることが可能です。 Q. 枯れる理由と対処法は? rivaldyadilla/Shutterstock.com A. ウォーターマッシュルームが枯れる原因は、主に日光不足、栄養不足、水不足などです。特に根まで干上がってしまったり、株が凍ってしまった場合には、枯れてしまうことがあります。ただし、日当たりのよい場所に移動すれば、元気な葉を再び出すことも多く、環境を整えることで回復する可能性があります。 鉢植えでも水中でもOK! 室内のインテリアに取り入れてみよう Tri Windarti/Shutterstock.com ウォーターマッシュルームは、丸くてかわいらしい葉が特徴です。丈夫で、水中でも鉢植えでも育てることができるので、ガラス容器や小型水槽を用いて水中で栽培したり、ハイドロカルチャーや水耕栽培で育てるのもおすすめです。繁殖力が非常に強いので、増えすぎないよう注意しましょう。 インテリアの彩りにもピッタリなので、小さな鉢植えなどにして育ててみてはいかがでしょうか?
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宿根草・多年草

「今から植えるの?」秋の庭を劇的に華やかにする「夏植え球根」とは?
球根植物とは Nadezda Verbenko/Shutterstock.com 球根植物は、宿根草に分類される草花で、根や茎が肥大して水分や養分を蓄える器官をもっているのが特徴です。花を咲かせた後に葉を茂らせて光合成を行い、球根を太らせて養分を蓄えます。その後は地上部を枯らして休眠期に入ります。球根を掘り上げて貯蔵するか、植えたままにしてよいかは、育てる球根によって異なりますが、一年草のように半年ほどで枯死することはなく、上手に管理すれば毎年開花を楽しめる、息の長い植物です。一般に「球根」と呼ばれるのは養分を蓄える器官で、鱗茎、球茎、塊茎、根茎、塊根の5つに分類されています。また、種類によって植え付けに適した時期が異なり、主に春植え、夏植え、秋植えがあります。最もポピュラーなのは秋植え春咲きのもので、クロッカスやアネモネ、チューリップなどがあります。 夏植え球根とは ZanozaRu/Shutterstock.com 夏に植え付けると、秋に咲くのが夏植え球根です。開花が終わると葉を茂らせて光合成を行い、地下に養分を蓄えます。その後、春から夏にかけて地上部を枯らして休眠するライフサイクルです。9〜10月に開花するものが多く、種類によっては冬まで咲くものもあります。比較的植え付けから開花までが短いのが特徴です。休眠中の球根を植えたままにしてよいのか、掘り上げて貯蔵する必要があるのかは種類や栽培地域によって異なるので、ラベルに記載された説明書きなどで確認して、適切に越年させるとよいでしょう。 夏植え球根の栽培上のポイント 夏に植え付けるタイプの球根植物の栽培のポイントについて、解説します。 栽培環境 funnyangel/Shutterstock.com ほとんどの球根植物は、日当たり・風通しのよい場所を好みます。明るめの半日陰の場所でも栽培は可能ですが、日なたに比べて茎や葉がひょろひょろと徒長気味に伸び、花数は少なくなるようです。 植える場所には堆肥や腐葉土などの有機質資材を混ぜ込み、水はけと水もちのバランスが取れた、ふかふかとした土を作るとよく育ちます。 植えっぱなしにして越年するものもあれば、寒さに弱いものもあるので、入手した品種のラベルに書かれている性質を確認しておくとよいでしょう。寒さ対策としては、腐葉土や落ち葉などをかぶせる「マルチング」をしておくのもおすすめです。 植え付け Richard Griffin/Shutterstock.com 夏植え球根の種類にもよりますが、植え付けの適期は6月中旬〜9月中旬です。花苗店などに出回る開花株を買い求めた場合は、早めに定植します。 球根植物は、1株のみ咲かせるより、同じ品種で球根を5〜10球まとめ植えし、一斉に咲かせると華やかに演出できます。 【地植え】 腐葉土や堆肥などの有機質資材をすき込んで土づくりをしておいた場所に、それぞれの球根に適した大きさの穴を掘り、植え付けます。たくさん植える場合は、適した間隔を開けましょう。最後にたっぷりと水やりをしておきます。 【鉢植え】 土は、草花の栽培用にブレンドされた市販の培養土を利用すると便利です。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を入れます。球根を植え付ける深さや間隔は、ラベルの説明に従ってください。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。最後にたっぷりと水やりをしておきます。 開花株を入手した場合は、ポットよりも1〜2回り大きな鉢を用意します。軽石を1〜2段分入れてから培養土を入れ、入手した株をポットから出して根鉢をくずさずに植え付けましょう。 日常の管理 Ivanko80/Shutterstock.com ●水やり 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えましょう。真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がって株が弱るので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。また、真冬は、気温が低くなる夕方に水やりすると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に行いましょう。 【地植え】 地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、真夏に過度の乾燥が続く場合は水やりをして補いましょう。 【鉢植え】 鉢栽培では土が乾きやすいので、日頃から水やりを忘れずに管理します。とはいっても、毎日水を与えればいいというものでもありません。なぜなら、気温や湿度など天候の状況によって、土の乾き具合が異なるからです。動物が毎日食事を必要とするのとは異なり、植物は毎日水を与えて土がジメジメと過湿の状態になると、根腐れして枯れてしまうこともあるので注意。土の状態を見てから水やりするのがポイントで、基本は、土の表面が白っぽく乾いたら、鉢底から水が流れ出すまでたっぷりと与えます。また、茎葉がだらんと下がって勢いがなくなっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 一方で、真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕の水やりを欠かさないようにします。 ●肥料 【地植え・鉢植え共に】 球根植物は、肥大した根に養分を蓄えているため、植え付け時に元肥を施してあれば、開花までは特に追肥は不要です。開花した後は株が消耗している状態なので、地上部が枯れて休眠するまでは月に1度を目安に緩効性肥料を施し、球根を太らせましょう。根の発育を促すリン酸やカリ分が多めに配合された肥料を選ぶとよいでしょう。 ●花がら摘み 花が終わったら、花茎の先端にある花房の下で切り取ります。花茎は光合成をして球根を充実させるのに一役買ってくれるので、残しておきましょう。 花がらをいつまでも残しておくと、腐って病気を招いたり、種子を作ろうとして養分がそちらに集中し、株がエネルギーを消耗して球根が太れない結果になってしまいます(中にはヒガンバナのように種子をつけない種類もあります)。早めに切り取って株まわりを清潔に保ちましょう。 球根の掘り上げ OlegDoroshin/Shutterstock.com 球根は、植え付けてから数年経つと大きく太って充実します。植えっぱなしで込み合ってきたと感じたら、地上部の葉が枯れた後に、掘り上げてみましょう。大きくなった球根は自然にいくつかに分球できるので、それぞれ球根をはずし、離して植え直すと増やすことができます。 夏植え球根は、すぐに植え直して越年できるものと、掘り上げて次の植え付けまでネットなどに入れて風通しのよい場所で保存したほうがよいものがあります。種類によって掘り上げ後の対処の仕方が異なるので、入手した球根のラベルに書かれた説明に従うとよいでしょう。 夏植え球根の楽しみ方 夏植え球根は、花数が少ないものが多いので、球根を5〜10個ほどまとめ植えしたほうが迫力が出ます。また、夏植え球根は、葉よりも先に花茎を伸ばして開花するタイプが多く、株元には葉がないために寂しく見えがちに。そのため、草丈の低い秋咲きの植物やカラーリーフを手前に植えておくのがおすすめです。 おすすめの夏植え球根6選 夏に植え付けるタイプの球根植物はたくさんありますが、その中からビギナーでも失敗が少なく、育てやすいものをピックアップしました。ぜひ栽培にチャレンジしてください。 リコリス Picmin/Shutterstock.com リコリスは、ヒガンバナ科ヒガンバナ属(リコリス属)の球根植物。原産地は日本や中国、ミャンマーなど東アジアの地域で、10〜20種が確認されています。秋の彼岸頃に咲くヒガンバナや、山野などで見かけるキツネノカミソリ、ナツズイセンなどもリコリスの仲間です。日本でも自生している種類があるということは、ビギナーでも比較的育てやすい草花だといえます。 リコリスは葉よりも先に花茎を伸ばし、頂部に花を咲かせます。数輪の花弁が外側に向かって放射状に並ぶ、エレガントな咲き姿が大変華やか。細長い花弁が外にクルンと反り返り、長く伸びるしべとの対比もあって、秋の庭の主役となる存在感があります。植え付け適期は7〜8月で、開花期は9月中旬です。花色は赤、オレンジ、黄、白、ピンク、紫、青、複色があり、バラエティー豊か。花弁にキラキラとラメが入るような光沢感のある品種もあります。 リコリスの草丈は20〜50cmで、花壇の中段などに向いています。花茎を伸ばした先端に花を咲かせるときには、まだ葉が出ていないので株元がぽっかりと空いてしまいます。その空間を埋めるように、草丈の低い草花やカラーリーフプランツを組み合わせるとよいでしょう。 コルチカム Mariola Anna S/Shutterstock.com コルチカムは、イヌサフラン科イヌサフラン属(コルチカム属)の球根植物。原産地は欧州、北アフリカ、中東、中央アジアで60種ほどが分布しており、暑さにも寒さにも強い性質です。植え付け適期は8〜月で、開花期は9月中旬〜10月。花色はピンク、紫、白、黄など。草丈は5〜30cmで、葉よりも先に花茎を伸ばし、頂部に花を咲かせます。早春から葉を伸ばすので追肥をしておくとよいでしょう。地上部が枯れた6月頃に掘り上げて、植え付け適期まで風通しのよい場所で貯蔵します。 コルチカムは土に植え付けずに、窓辺などに置いておくと茎葉を伸ばして開花するほど強健なので、開花までインテリアて楽しむのもいいですね。ただし、コルチカムの球根はアルカロイドの一種コルヒチンを含み、毒性があるので、幼児やペットなどが誤って口に入れることのないように管理してください。 ネリネ marineke thissen/Shutterstock.com ヒガンバナ科ヒメヒガンバナ属(ネリネ属)の球根植物。原産地は南アフリカで、暑さには強く寒さには弱い性質です。植え付け適期は4〜9月、開花期は10月中旬〜12月中旬で、花色は赤、ピンク、オレンジ、紫、白、複色など。花弁に光が当たるとキラキラと光るラメのような質感から、ダイヤモンドリリーの別名もあります。草丈は30〜40cmほど。2〜3年は植えっぱなしにしてもいいのですが、一般に流通しているネリネは耐寒性の弱いサルニエンシスをもとに品種改良されたものが多いため、鉢栽培にして越年させるほうが無難です。 サフラン ZhakYaroslav/Shutterstock.com アヤメ科サフラン属(クロッカス属)の球根植物。もともとは染料や香料、薬用などに利用されてきました。原産地は地中海沿岸で、寒さに強く、暑さにはやや弱い性質をもっています。植え付け適期は8〜9月、開花期は10月中旬〜12月上旬で、クロッカスに似た花を咲かせます。花色は紫で、芳香があるのが特徴です。草丈は10〜15cmとやや低いので、花壇の前面などに向いています。5月頃から地上部を枯らして休眠期に入るので、梅雨前までには掘り上げて風通しのよい涼しい場所で管理しましょう。鉢栽培の場合は、夏にあまり雨の当たらない涼しい場所へ移動できれば、数年は植えたままにしてもかまいません。 ステルンベルギア flaviano fabrizi/Shutterstock.com ヒガンバナ科キバナタマスダレ属(ステルンベルギア属)の球根植物。原産地はヨーロッパ南東部〜アジア南西部で、5〜種が確認されており、寒さに強い性質です。植え付け適期は8〜9月、開花期は主に9月下旬〜10月中旬。花色は黄色で、クロッカスに似た花姿をしています。草丈は10〜25cm。水はけが悪い土壌では夏に球根が腐りやすいので、6月頃に葉色が黄変して地上部が枯れたら掘り上げ、植え付けまで風通しのよい涼しい場所で保管しておきましょう。 オキザリス ASakoulis/Shutterstock.com カタバミ科のカタバミ属(オキザリス属)の球根植物。原産地は主に南アフリカ、中南米で800〜850種が確認されており、世界中に分布しています。日本で流通しているのは20種ほどで、秋咲きタイプのほか、春咲きタイプ、四季咲きタイプもあります。秋咲きタイプの植え付け適期は8〜10月で、開花期は10〜12月。花色は紫、ピンク、白、黄、オレンジ、複色などがあります。草丈は5〜30cm。光に反応して花を開き、暗くなると閉じる性質があるので、一日を通して日当たりのよい場所で栽培しましょう。 夏植え球根で外空間を彩り豊かに John R Martin/Shutterstock.com 夏植え球根は、植え付け後、比較的短い期間のうちに花が咲き始めるため、ほとんど放任してもよく、ビギナーにおすすめの草花です。花のフォルムが美しく、花色もカラフルなものが多いので、庭や空き地、ベランダを華やかに彩るのに一役買ってくれます。ぜひ夏咲き球根の栽培にチャレンジしてはいかがでしょうか。
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樹木

【秋の七草】ハギ(萩)の育て方・剪定のコツ! 初心者でも失敗しない栽培ポイントや種類も解説
ハギ(萩)の基本情報 tamu1500/Shutterstock.com 植物名:ハギ学名:Lespedeza英名:bush clover、Japanese cloverなど和名:ハギ(萩)その他の名前:ニワミグサ(庭身草)、ノモリソウ(野守草)など科名:マメ科属名:ハギ属原産地:日本を含む東アジア、北アメリカ形態:落葉低木 ハギの学名はLespedeza (レスペデザ)。マメ科ハギ属の落葉低木の総称で、原産地は日本を含む東アジア、北アメリカ。日本では古くから親しまれ、『万葉集』にも多く詠まれています。日本の山野に自生してきたため放任してもよく育ち、ビギナーにも育てやすい花木です。園芸においては、ハギの中でもミヤギノハギ(Lespedeza thunbergii)がよく栽培されています。地際から細い枝を多数伸ばす「株立ち」の樹形で、やわらかく弓なりに伸びる枝を生かして一輪挿しや掛け花器などに飾るのもおすすめ。花の美しい秋の七草の1つとしても有名です。 秋の七草とは? Yoshihide KIMURA/Shutterstock.com 萩(ハギ)、女郎花(オミナエシ)、桔梗(キキョウ)、葛花(クズ)、尾花(ススキ)、撫子(ナデシコ)、藤袴(フジバカマ)が、秋の七草の顔ぶれです。万葉集に収録されている山上憶良が詠んだ歌「秋の野に 咲きたる花を 指折り数ふれば 七種(ななくさ)の花」「萩の花 尾花 葛花 瞿麦(ナデシコ)の花 女郎花 また藤袴 朝貌(あさがお)の花」の2首が由来で、「朝貌の花」は桔梗を指すとされています。 春の七草(芹[セリ]薺[ナズナ]、御形[ゴギョウ]、繁縷[ハコベラ]、仏の座[ホトケノザ]、鈴菜[スズナ]、清白[スズシロ])は1月7日に1年の無病息災を願って七草粥に用いるのに対し、秋の七草は花の美しさを楽しみます。 ハギ(萩)の花や葉の特徴 acchity/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:6〜10月樹高:1.5~2m耐寒性:強い耐暑性:強い花色:赤紫、白、ピンク、黄 ハギは直径1~1.5cmの蝶のような花を咲かせます。開花は主に7~9月、見頃は9月頃ですが、品種によっては6月中旬から開花します。枝は1m以上伸び、満開になると花の重みで枝垂れて風にそよぐ姿を楽しめます。葉は丸みのある楕円形で三枚小葉。しなやかな枝とソフトな印象の小葉とのバランスがよく、花のない時期も楽しめます。 ハギ(萩)の名前の由来と花言葉 tamu1500/Shutterstock.com ハギの名前の由来については諸説ありますが、春に地際から新芽が出ることから「生芽(はえき)」「生え木(はえき)」と呼ばれ、さらに「はぎ」に変化したといわれています。 英名に使われる「Bush clover」は、ブッシュ(茂み)のような株姿で、クローバーのような三枚葉を持つことにちなんでいます。 tamu1500/Shutterstock.com ハギの花言葉は「柔軟な精神」「思案」「内気」など。「柔軟な精神」は、しなやかに枝垂れる樹形の印象から。「思案」「内気」は小さな花がうつむくように咲く、慎ましい姿にちなんでいます。 諸説ありますが、9月6日、9月24日、10月1日の誕生花です。 ハギ(萩)の種類 Yoshihide KIMURA/Shutterstock.com ハギは、ハギ属に分類される植物の総称です。ここでは、代表的なハギの種類についてご紹介します。 ヤマハギ tamu1500/Shutterstock.com 山野では最もポピュラーなハギで、漢字で「山萩」と書きます。花色は赤紫、紫などで、樹高は1.5〜2m。枝は開花期になってもほとんど枝垂れず、ハギの中でも楚々とした雰囲気の株姿が特徴。ナチュラルガーデンなどで活躍します。 ミヤギノハギ zzz555zzz/Shutterstock.com 漢字では「宮城野萩」と書きます。樹高は2mほどになり、ほかのハギに比べてよく枝垂れ、花つきがよく花色が鮮やかなのが特徴。7月頃から開花するため「夏萩」とも呼ばれています。園芸用として最も広く栽培されて人気があるほか、庭園や公園などにも植栽されています。 ニシキハギ 漢字では「錦萩」と書き、本州中部地方以西〜九州に自生しています。樹高は2〜3mで、あまり垂れ下がらず直立するのが特徴です。花は赤紫色で、花穂もあまり枝垂れません。葉の両面に産毛があります。 シラハギ tamu1500/Shutterstock.com 漢字では「白萩」と書き、「シロハギ」「シロバナハギ」と呼ばれることもあります。諸説ありますが、ミヤギノハギの1品種とする説が主流です。7〜9月に白い花を咲かせ、清涼感のある姿が楽しめます。樹高は1〜2mで、放射状に枝を広げます。 江戸絞り 白地に赤い絞りが入る花が7〜9月に咲きます。枝はあまり垂れず、樹高は1〜2m。和風・洋風問わず、どんな庭にも調和しやすい優しげな花色が魅力です。 ハギの栽培12カ月カレンダー 開花時期:6〜10月植え付け・植え替え:11〜12月、2月中旬〜3月中旬肥料:1〜3月(元肥)剪定:12月〜翌年2月 ハギの栽培環境 Yoshihide KIMURA/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい環境を好みます。日照が不足すると、花つきが悪くなるので注意しましょう。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】乾燥がやや苦手で、適度に水はけ・水もちのよい土壌づくりをすることが大切です。土質は選ばず、やせ地でもよく育ちます。 耐寒性・耐暑性 暑さや寒さに強いため夏越しや冬越しの対策は不要で、1年を通して戸外で管理できます。 ハギ(萩)の育て方のポイント 用土 Wstockstudio/Shutterstock.com 【地植え】 まず1年を通して日当たり・風通しのよい場所を選びましょう。植え付けの2〜3週間前に、直径・深さともに50cm程度の穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきます。水はけのよい環境を好むので、土を盛って周囲より高くしておくとよいでしょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 庭木用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。自身で土づくりする場合は、赤玉土小粒5:腐葉土3:鹿沼土2でブレンドし、元肥として緩効性肥料を混合するとよいでしょう。 水やり Akin Ozcan/Shutterstock.com 株が蒸れるのを防ぐために株全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えましょう。 真夏は、気温が高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に行うと凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて枝葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理します。根付いた後は、ほとんど不要です。ただし、晴天が続いて過度に乾燥している場合は水やりをして補いましょう。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。枝葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、水やりを欠かさないように注意します。冬は休眠するので、土の状態を見て控えめに与えましょう。 肥料 sasimoto/Shutterstock.com ハギはマメ科の植物で、根に根粒菌がついて共生関係にあります。根粒菌は空気中の窒素を固定し、植物に供給してくれるので、ほかの植物と比べて肥料は少なめにするとよいでしょう。 【地植え】 植え付け時に元肥として緩効性肥料を施してあれば、追肥は不要です。ただし、株に勢いがないようであれば、液肥を与えて様子を見ましょう。 【鉢植え】 生育期に株に勢いがないようであれば液肥を与えて様子を見ましょう。 注意する病害虫 schankz/Shutterstock.com 【病気】 ハギに発生しやすい病気は、うどんこ病や黒星病などです。 うどんこ病はカビによる伝染性の病気で、葉・新梢・つぼみなどの表面が白く粉を吹いたような状態になります。放置するとどんどん広がって光合成ができなくなり、株が弱ります。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。病害部は摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 黒星病は、カビによる伝染性の病気です。雨が多い18〜25℃の環境を好むため5〜7月に発症しやすく、葉などに被害が現れます。黒っぽくて丸い斑点が全体に広がっていくのが特徴です。日当たり・風通しが悪いと発病しやすいので、込み合っている枝などは、すかすように剪定して発生を防ぎましょう。病気にかかった後に剪定した枝や落ち葉は、地中に残らないように処分することも大切です。また、適用のある殺菌剤を散布して防除します。 【害虫】 ハギに発生しやすい害虫は、アブラムシやカイガラムシなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすく、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われて薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 ハギ(萩)の詳しい育て方 苗木の選び方 葉の色艶がよく、株元がしっかりして病害虫の痕がないものを選ぶとよいでしょう。 植え付け・植え替え Jurga Jot/Shutterstock.com 植え付け・植え替えの適期は11〜12月か2月中旬〜3月中旬の、厳寒期を除いた落葉期です。ほかの時期に苗木を入手した場合は、植えたい場所へ早めに定植します。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも1回り大きな穴を掘って植え付けます。最後にたっぷりと水を与えます。 地植えの場合、しっかり根付いて順調に生育していれば、植え替えの必要はありません。 【鉢植え】 8〜10号鉢を準備します。鉢が小さいと水切れしやすくなるため、やや大きめのサイズを選ぶとよいでしょう。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから庭木用の培養土を半分くらいまで入れます。苗を鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 成長とともに根詰まりしてくるので、1〜2年に1回を目安に植え替えましょう。植え替えの前に、水やりを控えて鉢内の土を乾燥させておくと作業がしやすくなります。鉢から株を取り出し、根鉢を少しずつくずして不要な根を切り取り、1/3くらいまでを目安に根鉢を小さくします。これ以上大きくしたくない場合は同じ鉢を用い、もう少し大きくしたい場合は2回りくらい大きな鉢に植え替えます。手順は植え付け方法の項目を参考にしてください。 剪定・切り戻し Opas Chotiphantawanon/Shutterstock.com 剪定の適期は、葉を落としてから芽が出る前の休眠期の12月〜翌年2月です。ハギは春に新しく伸びた枝に花芽がつき、古い枝には花が咲かないので、すべての枝を地際からばっさりと刈り込んでかまいません。花芽がつく6月以降の生育期に剪定すると花つきが悪くなるので注意しましょう。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com ハギは、株分けまたは挿し木で増やすことができます。 【株分け】 ハギの株分け適期は、11〜12月か2月中旬〜3月中旬です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株分けできます。株元からばっさりと切った後に株を掘り上げて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、同じ姿の株が増えていくというわけです。 【挿し木】 挿し木とは、枝葉を切り取って土に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、ハギは挿し木で増やせます。 挿し木の適期は、6月頃です。新しく伸びた枝を10〜15cmつけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。発根後は日当たり・風通しのよい場所に移動して育苗します。苗木の生育とともに鉢増しし、十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じクローンになることです。 初心者にもおすすめ!ハギ(萩)を育てて庭に風情を取り入れよう tamu1500/Shutterstock.com 古くは万葉集にも詠まれた、秋の花を代表するハギ。昔から日本の山野に自生してきたため、暑さや寒さに強く、放任してもよく育ちます。野趣感のある花姿は和洋を問わず、ほかの植物とも調和しやすいので、庭に取り入れてみてはいかがでしょうか。 🎙️ 音声でも楽しむ「ガーデンストーリーラジオ」ハギの魅力や育て方、剪定のコツを音声でご紹介しています。Spotifyで聴く | Apple Podcastsで聴く 併せて読みたい
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花と緑

「都道府県の花」3択クイズ! 新潟県の花は、次のうちどれ?【Let’s Try! 植物クイズ】
「新潟県の花」は、次の3つのどれ? onemu/Shutterstock.com 日本有数の米どころとして知られる新潟県。魚沼産コシヒカリなどのブランド米をはじめ、酒米の栽培も盛んで、有名な日本酒銘柄も多数あり、絶品グルメの数々も楽しめます。また、佐渡島や越後湯沢温泉、星峠の棚田、長岡花火など、四季折々の美しい景色やイベントを堪能できる観光スポットも豊富。世界屈指の豪雪地帯で、日本に初めてスキーが伝わった地でもあります。 そんな新潟県を象徴する「木」はユキツバキ、「鳥」はトキ。それでは、新潟県の花は、次のA~Cのどれでしょう? A ヒマワリ Ai-ai0612/Shutterstock.com B チューリップ masamasa3/Shutterstock.com C ボタン Nick Pecker/Shutterstock.com ヒント ガーデンでもよく利用され、世界中で多くの人に愛される花。育てやすさも魅力です。 正解は… ↓ ↓ ↓ ↓ B チューリップ masamasa3/Shutterstock.com チューリップの基本データ 学名:Tulipa科名:ユリ科属名:チューリップ属原産地:中央アジア~北アフリカ和名:鬱金香(うこんこう、うっこんこう)別名:牡丹百合(ぼたんゆり)英名:Tulip開花期:3月中旬~5月上旬花色:白、赤、ピンク、黄、オレンジ、紫、緑、黒、複色形態:多年草(球根)草丈:10~70cm 春を代表する花の1つ、チューリップ。世代を問わず愛されるシンプルでかわいい花形に、カラフルな色が揃い、世界中で人気のあるユリ科の球根植物です。 新潟県は、日本におけるチューリップ球根生産の発祥地。冬は降雪により適度な湿度が保たれ、春先の気温上昇が穏やかなことなどが、チューリップの栽培に適した気候なのだそう。オランダから数万球の球根を輸入し、現在の新潟市で初めて栽培したことが始まりだといわれています。現在もチューリップの切り花の出荷量は全国1位、球根の出荷量は全国2位を誇り、海外への輸出も行われています。NHKが全国から「郷土の花」を募集したことがきっかけで「新潟県の花」の候補に選ばれ、昭和38(1963)年に制定されました。 新潟県内の花畑に咲くチューリップ。usukkey/Shutterstock.com 園芸品種も膨大にあり、花姿はチューリップらしい一重咲きから、八重咲き、ユリ咲き、フリンジ咲き、パーロット咲きなどさまざま。近年はナチュラルな印象で毎年咲く原種系チューリップも人気です。ほとんどのチューリップは1本の茎に1つの花が咲きますが、1本の茎に複数の花が咲く「枝咲き」や「スプレー咲き」と呼ばれるものもあります。 華やかで存在感があるパーロット咲きのチューリップ。Alex Manders/Shutterstock.com 鮮やかなオレンジ色にシャープな花形が人気のユリ咲き品種‘バレリーナ’。Solodov Aleksei/Shutterstock.com 春が近づくとふっくらとつぼみを膨らませ、誰もが春の花としてイメージするチューリップは、庭に季節感を演出する植物にぴったり。すでに開花のためのエネルギーを蓄えている球根花なので、ビギナーでも失敗なく咲かせられるのも魅力です。チューリップには大きく分けて早咲き種、中生咲き種、遅咲き種があり、品種を組み合わせると3月中旬~5月上旬まで2カ月近く咲き継がせることができます。 夏場に球根を冷蔵・低温処理して冬を疑似体験させ、冬に咲かせる「アイスチューリップ」というのもあります。 irina.volkova/Shutterstock.com チューリップは日当たりと水はけのよい場所で育てます。一定の低温にさらされることで花が咲くため、しっかり寒さにあてるよう屋外で育てるとよいでしょう。 チューリップなどの秋植え球根を失敗なく咲かせるポイントは、植え付けのタイミング。植え付け時期の目安は、イチョウが黄葉になる時期です。園芸品種の場合は球根を太らせるのが難しく、翌年以降も同じような花が咲くとは限りませんが、原種系は丈夫で毎年繰り返し咲いてくれます。 植え付け後にたっぷりと水やりをした後は、地植えの場合は自然の降雨に任せ、特に水やりをしなくても大丈夫。地上部がないと水やりを忘れてしまいがちですが、鉢植えの場合はカラカラに乾かしてしまわないよう、鉢土の表面がしっかりと乾いたら水やりをしましょう。翌年以降も花を咲かせたい場合は、開花後は花がらを摘み、葉が自然に黄色く枯れるまで、そのまま栽培を続けましょう。 T.W. van Urk/Shutterstock.com クイズ一覧はこちら!
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花と緑

星形の花が咲く危険な雑草! 身近なこの野草の名前は?【Let’s Try! 植物クイズ】
ナスやジャガイモの花によく似た厄介な外来雑草 夏~秋にかけて、ジャガイモの花にそっくりな可愛らしい星形の花を咲かせるこちらの野草。北アメリカを原産とする帰化植物で、日本でも関東地方を中心に全国に分布し、道端や畑、河川敷などでよく見かけます。白や淡紫の星形~五角形の花は径2.5cmほどで、花冠が5裂し、花の中央には雌しべが1本、その周囲を取り囲むように、よく目立つ黄色の葯(やく)がついた雄しべが5本あります。 もう少し離れて全体の様子を見てみましょう。 High Mountain/Shutterstock.com 花茎を伸ばし、房状の花序で数個~10個の花がまばらに咲きます。草丈は20~90cm。茎や葉には鋭いトゲがあります。葉は長さ8~15cmで互生し、縁には波状の大きな鋸歯があってギザギザとした印象。両面に星状毛が密生し、中央の脈にはまばらにトゲがあります。 High Mountain/Shutterstock.com 繁殖力が強くて根絶が難しく、毒性や鋭いトゲがあるだけでなく、作物にも悪影響を与えることから、厄介な外来雑草として問題視されています。 さて、この野草はなんでしょう? 正解は… ↓ ↓ ↓ ↓ ワルナスビ High Mountain/Shutterstock.com ワルナスビの基本データ 学名:Solanum carolinense科名:ナス科属名:ナス属原産地:北アメリカ和名:ワルナスビ(悪茄子)別名:ノハラナスビ、オニナスビなど英名:Apple of Sodom、Devil's tomato、thorn eggplantなど形態:多年草草丈:20~90cm ワルナスビは北アメリカ原産のナス科の多年草で、日本を含め世界的に帰化している外来雑草です。ほぼ全国に分布していると見られ、道端や畑、荒れ地、河川敷など身近な場所に生育しています。開花期は6~9月で、花後にはミニトマトによく似た橙黄色の液果をつけます。未熟な実にはスイカのような縞模様がありますが、熟すと消えていくのが特徴。ジューシーな果実は一見美味しそうに見えますが、実を含め全草が有毒なので、口にしてはいけません。秋から冬にかけて地上部は枯れますが、翌年には再び芽を出します。 縞模様がある未熟なワルナスビの実。Gerry Bishop/Shutterstock.com 熟した実。Mike Truchon /Shutterstock.com ワルナスビという名前は、野菜のナスに花や葉が似ている一方で、トゲや毒があり、繁殖力が強くて始末が悪いことから付けられたそう。ノハラナスビ、オニナスビなどの別名も、ナスに似ていることが由来です。ちなみに、和名「ワルナスビ」の名付け親は有名な植物学者の牧野富太郎で、著書『植物一日一題』の中にそのエピソードも登場します。 日本には明治時代に牧草に混入して非意図的に導入されたと考えられていますが、繁殖力が強く、現在では広い範囲に帰化しています。 kazutaka.Japan/Shutterstock.com ワルナスビの花は淡紫か白で、白い花のものはシロバナワルナスビとも呼ばれます。花は径2.5cmほどの星形~五角形。中央には1本の雌しべと、花粉が詰まった黄色い葯が目立つ5本の雄しべがあり、雄しべは葯を支える花糸(かし)が、葯よりも短いのが特徴です。多くは雌しべの花柱が雄しべよりも長く、柱頭が葯の中央から突出しますが、花によっては雌しべのほうが短く、柱頭がほとんど見えないものもあります。 ワルナスビの葉。tamu1500/Shutterstock.com 茎や葉の中央を走る主脈上には鋭いトゲがあります。ワルナスビのトゲは、秋になって枯れても残るため、注意が必要。葉の長さは8~15cmで、縁には波状の大きな鋸歯が入ります。 Honki Kumanyan/Shutterstock.com 厄介者扱いされるワルナスビ High Mountain/Shutterstock.com ワルナスビは全草に有害なアルカロイド、ソラニンを含む有毒植物。ソラニンはジャガイモの芽や緑色に変色した皮に多く含まれることで知られ、嘔吐や下痢などの症状を引き起こします。特に家畜がワルナスビの実などを誤食すると、最悪の場合は死亡することもあります。熟した実は、見た目がミニトマトに似て美味しそうなので、小さなお子さんが口にしないよう注意が必要です。毒性に加え、鋭いトゲがあるためうかつに触れず、除草も大変です。 また、ナス科の植物なので、畑に生えると、同じ科のナスやジャガイモ、トマトといった作物の連作障害を引き起こし、作物の品質や収穫量を低下させる原因にもなります。直接畑に生えなくとも、近くの土地に育っているだけで、害虫であるニジュウヤホシテントウやホオズキカメムシの温床になり、畑に害虫を呼び込むこともあります。 さらには生育旺盛で、種子や地下茎からもよく繁茂し、抜き取ろうとしても切れた地下茎から再生するなど、一度茂ってしまうと根絶が困難です。 tamu1500/Shutterstock.com 花は可愛らしいのですが、毒やトゲがあり、農作物や家畜に被害を与え、駆除が難しいと、人間にとってはまさに「ワル」の名にふさわしい雑草。英語でも「Apple of Sodom(ソドムのリンゴ)」「Devil's tomato(悪魔のトマト)」などの悪名で呼ばれるほどです。 ワルナスビに似た植物 左がナス、右がジャガイモの花。yamaoyaji, Tadashi Okabe/Shutterstock.com ワルナスビはナス科で、ナスやジャガイモなど身近なナス科の野菜とよく似た花を咲かせます。 イヌホオズキ。tamu1500/Shutterstock.com また、ワルナスビに似た花を咲かせる野草に、イヌホオズキもあります。こちらもナス科の一年草で、有毒。日本全土に分布します。 白い花はワルナスビによく似ていますが、より小さく花径は6~7mm。茎葉にトゲはありません。葉縁は波のような鋸歯が入ることが多いですが、なめらかなこともあり、ワルナスビほど目立ちません。ワルナスビとの大きな違いは果実で、イヌホオズキの実は黒く熟します。 クイズ一覧はこちら!
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樹木

猛暑でも休まず咲き続ける! 病害虫にも強くて初心者向けの「ランタナ」失敗しない育て方
ランタナの基本情報 Nopparat Khokthong/Shutterstock.com 植物名:ランタナ学名:Lantana camara英名:Lantana和名:七変化(しちへんげ)別名:ランタナ・カマラ科名:クマツヅラ科属名:シチヘンゲ属(ランタナ属)原産地:メキシコ、熱帯アメリカ形態:常緑性低木 ランタナは、クマツヅラ科シチヘンゲ属(ランタナ属)、立ち性~半つる性の常緑性低木。原産地はメキシコから熱帯アメリカにかけての地域で、近縁の種との交配種も含めてランタナといわれます。 日本における歴史としては、江戸時代末期に園芸植物として渡来したことが始まりです。繁殖形態は虫媒花であり、核果(種子)は風雨や鳥などの動物によって遠方に運ばれます。 Ibenk_88/Shutterstock.com ランタナの仲間は世界の熱帯から亜熱帯地域に約110種が広く分布します。多くの種類は、アメリカの熱帯から亜熱帯地域が原産地です。花の美しい種類もありますが、日本で一般に流通するのは匍匐性で花や葉が小さいコバノランタナだけです。 熱帯地域原産の植物の中でも、夏の暑さに特に強いのが特徴。真夏でも次から次へと開花し、庭を明るく彩る樹木です。一方で、冬の寒さには強くなく、マイナス3~マイナス5℃以下になる地域では、地植えでの越冬は厳しくなります。寒冷地では鉢栽培にして楽しむのがおすすめ。春先に地植えして開花を楽しみ、晩秋に鉢に植え替えて凍結しない暖かい場所に移動するという具合に、地植えと鉢上げを繰り返して一年を過ごしてもよいでしょう。 ランタナの花や葉の特徴・開花時期 園芸分類:庭木開花時期:5〜10月樹高:30〜200cm耐寒性:やや弱い耐暑性:強い花色:オレンジ、黄色、赤、ピンク、白、複色 ランタナの開花時期は、5〜10月です。真夏に中休みをすることなく、絶え間なく咲き続けてくれます。花色は、オレンジ、黄色、赤、ピンク(赤紫)、白など大変多彩で、複色のものが多いです。品種によっては、花が咲き進むにしたがって黄色からオレンジに変わるもの、クリーム色からピンクに変化するものなどがあります。また、花が咲かない時期も庭を彩ってくれる、斑入り葉をもつ品種もあります。 ランタナの花は一つひとつは小さいのですが、花茎を伸ばした先に集まって、直径2〜3cmの球状になります。次から次へとつぼみを上げてくる多花性で、夏の季節にはたっぷりと咲く姿がガーデンの主役となるでしょう。 ランタナの樹高は30〜200cm。樹高の幅が広い理由は、人の背丈くらいまで高くなる立ち性タイプ、枝が地を這うようによく伸びる匍匐性タイプ、低い位置で比較的まとまって鉢栽培にも向くコンパクトタイプがあるからです。 ランタナの種類や品種によって樹形が異なるので、花壇の後方または前方に使いたいのか、鉢栽培にしたいのかなど、ガーデニングの用途やデザインによって選ぶとよいでしょう。 ランタナの名前の由来や花言葉 Stanley Ford/Shutterstock.com ランタナの名前の由来は、ラテン語で「曲げる」という意味の「lentare」から来ているという説が有力とされていますが、実際は定かではありません。しなるように生育する樹形に由来しているのかもしれませんね。日本では、「七変化」という別名があります。これはランタナ(カマラ種)の花が咲き進むにしたがって、色が変化するさまから名づけられたとされています。 ランタナの花言葉は、「厳格」「確かな計画」「協力」「合意」など。「厳格」「確かな計画」は、半年以上の長い期間にわたって絶え間なく咲き続けるため、堅実さをイメージさせることから。また、「協力」「合意」は、小さい花が集まって、より大きな花として魅せる咲き姿が由来しているようです。 ランタナの種類・品種 JAKKRIT SAELAO/Shutterstock.com ランタナの仲間は約110種あるとされていますが、ガーデニングで主に栽培されているのは、ランタナ・カマラとコバノランタナで、これらを交雑させた園芸品種なども多く出回っています。 ランタナ・カマラ Lantana camara ランタナ・カマラは樹高約2mの低木で、花色が変化していく特性があります。熱帯では、他の樹木などにもたれかかるように生育すると、6mまでの高さになることがあります。野生種に近い種類はトゲが目立ち、群落を形成すると人が容易に入れなくなります。 コバノランタナ Lantana montevidensis Quang nguyen vinh/Shutterstock.com ボリビア、ブラジルからアルゼンチンが原産のコバノランタナは、花や葉がランタナ・カマラより小さく、枝をつるのように伸ばして這うように伸びます。タネはほとんどできません。平坦な場所では地面を低く覆うように生育しますが、枝が壁や樹木などによりかかって上方向に伸びることもあります。花色は紫色と白色があり、カマラのようには変化しません。 ‘コンフェッティ’ Lantana camara ‘Confetti’ ayakka3/Shutterstock.com ピンクとイエローの2色咲きが華やかな、ランタナの園芸品種。立ち性で生育旺盛です。 ‘バリエガタ’ Lantana camara ‘Variegata’(=L. camara ‘Samantha’ ) Gurcharan Singh/Shutterstock.com 葉に明るい黄緑色の斑が入ったカラーリーフが楽しめる、ランタナの園芸品種。樹形はドーム状で低くまとまりやすいです。黄色の花が咲き、タネはほとんどできません。 「スーパーランタナ」シリーズ Manfred Ruckszio/Shutterstock.com 1株でこんもりと丸くまとまる樹形で多花性の「スーパーランタナ」シリーズ。‘トロピカルサンセット’や‘ムーンホワイト’、‘レインボーオレンジ’、‘サニーイエロー’など、さまざまな色の品種があります。 ‘トロピカルサンセット’はオレンジやピンク、黄色の小花が1つの房に集まっている、常夏の南国を思わせる華やかな品種です。1つのポットで50~60cmほどに育ちます。 ほのかに甘い爽やかな香りが楽しめる白い花弁のスーパーランタナ‘ムーンホワイト’は、2018年のフラワー・オブ・ザ・イヤー最優秀賞に選ばれています。連続開花性に優れますがタネがほとんどできないため、花がら摘みの必要はないでしょう。 ‘レインボーオレンジ’は赤色がかった鮮やかなオレンジが特徴。暑さに強く、花つきがよいため、夏の庭にぴったりの品種です。 明るい黄色の花が目を引く‘サニーイエロー’は、丸くまとまった花房が特徴の品種です。ほかの品種と同じく開花期が長いため、長い期間花を楽しめます。 「ブルーミファイ」シリーズ nnattalli/Shutterstock.com 世界初のタネができない品種です。タネに栄養が取られないので、特に夏の連続開花性に優れます。樹形はドーム状で、コンパクトにまとまります。 代表的な種類は‘ブルーミファイ・レッド’や‘ブルーミファイ・ローズ’、‘ブルーミファイ・ピンク’、‘ブルーミファイ・マンゴー’など。それぞれ咲き始めから満開にかけて花色が変化するのが特徴です。 ‘ブルーミファイ・レッド’は黄色から赤みがかったオレンジへ、‘ブルーミファイ・ローズ’は黄色からサーモンピンク、その後は赤味の強いピンクへと変化します。‘ブルーミファイ・ピンク’は黄色からピンクへ、‘ブルーミファイ・マンゴー’は黄色から明るいオレンジに変わります。 ランタナに似た花 ヒメイワダレソウ Doikanoy/Shutterstock.com ヒメイワダレソウ(リッピア)は、クマツヅラ科イワダレソウ属の外来種で、グラウンドカバープランツとして植栽されることもある多年草。日本では「生態系被害防止外来種リスト」に掲載されているため、栽培の際には適切な管理が必要です。匍匐性の品種やコバノランタナに似ていますが、花が非常に小さく葉もやや小さいです。 クラピア photo/3and garden 沖縄に自生するイワダレソウを品種改良した宿根草で、踏みつけにも耐える丈夫なグラウンドカバープランツとして人気です。ヒメイワダレソウは、タネが飛んで繁茂するのに対し、クラピアはタネをつくらないという特徴をもち、広がる範囲を人がコントロールすることができる環境に配慮した日本生まれの植物としても近年注目されています。よく似たヒメイワダレソウと同じく、花や葉が小さいです。 バーベナ Kabar/Shutterstock.com 種類や品種によって葉の形がかなり違いがありますが、宿根性のバーベナ、花手毬シリーズなどの品種がよく似ています。花手毬は、ランタナにないカラフルな単色の花色があり、茎が木質化せず葉や茎が濃い緑色で柔らかい印象です。 ランタナを植えてはいけないといわれる理由とは? La Su/Shutterstock.com ランタナは、じつのところ自生している熱帯地方では「植えてはいけない」といわれている植物なんです。こんなに可愛いのに、どうして!? 繁茂しすぎてしまう恐れがある 1つ目の理由は、ランタナが自生地では爆発的に繁殖し続けてしまうほど生命力が旺盛だということ。世界の侵略的外来種ワースト100に選ばれており、日本においては、生態系に被害を及ぼす恐れがある外来生物として、環境省が作成する「生態系被害防止外来種リスト」に掲載されており、小笠原や沖縄など、一部地域では野生化していると言われています。 日本でも年々温暖化が進んでいるため、自生地である熱帯地域で繁殖が問題になっているように、注意が必要になってくる可能性があります。 冬に霜が降りにくい関東南部の地域でも、こぼれ種で増えることが多くなっています。増えすぎないように花がら摘みをすると労力がかかり、繁茂しすぎないように剪定を繰り返すと開花数も減ってしまいます。近年はコンパクトで結実しない品種がよく流通するので、こうした品種を育てれば問題ないでしょう。 毒性がある 2つ目の理由は、ランタナのタネには「ランタナン」と呼ばれる毒が含まれていること。食べると、下痢や呼吸困難、最悪の場合は死に至る可能性もあります。幼い子どもがいる家庭では、口にすることのないよう注意しましょう。 トゲがあるので注意 「植えてはいけない」といわれるほどの理由ではないかもしれませんが、こぼれ種で増えたようなランタナには、茎や葉に細かなトゲがある場合があり、素手で触ると痛みを感じる恐れがあります。手入れをする際にはガーデニンググローブを着用するか、一般的に流通しているトゲのない品種を育てるとよいでしょう。 ランタナの栽培12カ月カレンダー 開花時期:5〜10月植え替え適期:5〜9月肥料:5〜10月植え付け時期:4〜10月(梅雨時期と真夏を除く) ランタナの栽培環境 pangcom/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】水はけがよく日当たりのよい場所が最適ですが、半日陰の環境でも生育可能。ただし、日当たりがよいほうが花つきがよく、木も間延びせずにがっしりと締まって旺盛に枝葉を伸ばします。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】ランタナはあまり寒さに強くないため、寒風を避けた霜が降りない場所で育てましょう。関東南部以北や寒冷地では鉢栽培にして楽しむのがおすすめ。冬も温暖な地域では、増え広がりすぎてしまうことがあります。タネがつかない品種を育てるようにしましょう。 耐寒性・耐暑性 夏の暑さに大変強いのが特徴。真夏でも次から次へと開花し、庭を明るく彩る樹木です。一方で、冬の強い寒さには耐えないので、マイナス5℃以下になる地域では、地植えでの越冬は厳しくなります。 ランタナの育て方のポイント 用土 DedovStock/Shutterstock.com 【地植え】 まず、一年を通して日当たり、風通しのよい場所を選びましょう。植え付けの2〜3週間前に、直径・深さともに50cm程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 草花などに広く使える、一般的な培養土を利用すると手軽です。または、赤玉土小粒7:腐葉土3を混ぜた用土などを使います。 水やり cam3957/Shutterstock.com 【地植え】 植え付け後2~3週間は、表土が乾いたら水やりしてください。乾燥には比較的強いので、根付けばその後水やりしなくても育ちます。ただし真夏に晴天が続いて葉がしおれてきたら、水やりするとよいでしょう。 真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりが必要な場合があります。 真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝夕の涼しい時間帯に行うことが大切です。冬は生育が止まるので、控えめにして管理します。 肥料 Vaakim/Shutterstock.com 【地植え】 5月と9月の年に2回を目安に、緩効性化成肥料を株周りにまいて土に混ぜ込みます。 【鉢植え】 5〜10月に3要素が等量、またはリン酸が多めの緩効性化成肥料を規定量与えてください。 夏の開花期間中は、液肥に切り替えるのもおすすめです。暑さが厳しい時は化成肥料は濃度が濃くなりやすいので、液体肥料のほうが安全です。開花を促すリン酸を多めに配合した液体肥料を10日に1回を目安に与えると、次々に花を咲かせてくれます。ただし真夏は液体肥料の倍率を通常の半分程度に控えて与えてください。 注意する病害虫 病害虫の心配はほとんどなく、手がかかりません。 ランタナの詳しい育て方 苗の選び方 苗を購入するときは、ヒョロヒョロと徒長したものや病害虫の痕があるもの、葉が黄色くなっているものを避け、葉の色つやのよい苗を選びましょう。また、ポットを触ってみて、根でカチカチになっていないか(根詰まりしていないか)どうかも確認するとよいでしょう。 植え付け・植え替え J-Amethyst Photography/Shutterstock.com 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。最後にたっぷりと水を与えます。 【鉢植え】 ポット鉢を入手した場合は5~6号鉢に植替え、最終的に8~10号鉢に植えます。用意した鉢の底穴が1つしかない場合は鉢底ネットを敷き、草花用の培養土を半分くらいまで入れます。 苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 ランタナはよく育つ植物なので、根詰まりを防ぐために鉢植えの場合は毎年植え替えましょう。鉢から株を引き上げる際に根の状態をチェックして、必要に応じて根切りを行います。大きく育てたい場合は一回り大きな鉢に、成長を抑えたい場合は同じサイズの鉢に植え替えましょう。 花がら摘み Ketut Mahendri/Shutterstock.com 開花期間中、終わった花がらは、まめに摘み取りましょう。花びらは自然に落ちやすいのですが、タネをつけると株がエネルギーを消耗し、花数が少なくなるので、株の勢いを保って次々と咲かせるためにも一手間かけてください。終わりかけた花や、すでに花びらを散らして綿棒のような状態になったものを、花茎の根元から切り取りましょう。終わった花がらを放置せずに、まめに整理して株周りを清潔に保つことで、病気の発生を予防することにもつながります。 種まき Bakusova/Shutterstock.com 種まきで増やすことは可能ですが、雑草化するためおすすめしません。また、種子で増やした場合の株はトゲができて花付きが悪く、枝が伸びすぎて扱いにくくなる可能性が高いというデメリットがあります。 剪定・切り戻し RapunzielStock/Shutterstock.com ランタナの剪定適期は、生育期間中の4〜11月です。樹勢が強く旺盛に枝葉を伸ばすので、定期的に切り戻したり、透かしたりして、広がりすぎないように樹形をコントロールすることが大切です。 樹形が乱れてきたら、ドーム状になるように草丈の半分くらいまで切り戻しましょう。すると枝数が増えて再び盛り返し、花数も多くなります。樹形が乱れるごとに切り戻しを繰り返すとよいでしょう。開花が終わったら、再び切り戻して冬越しを。 夏越し 鉢植えの場合、真夏は水切れに注意し、晴れた日は毎日水やりしましょう。鉢底から水がよく流れ出るまで、たっぷり水を与えます。小株や根詰まり気味の株、枝葉がよく茂った株などは、朝夕2回の水やりが必要なことが多いです。 地植えの場合は基本的には自然にまかせて問題ありませんが、晴天が続いて乾燥しすぎる場合は、水やりをして補いましょう。 冬越し 冬は落葉し地上部の多くは枯れたような状態になるものの、関東以西では霜が降りない環境で冬越しできる場合があります。不織布などで寒風を避けるカバーをかけたり、落ち葉を被せるなどすると冬越しの成功率は上がります。 寒さの厳しい地域では、霜が降りる前の10月中に鉢上げし、室内で0℃以上を保てば越冬します。鉢上げする際は通常より小さめの鉢を使用し、腐葉土などの有機物を入れずに赤玉土小粒などで植えてください。 増やし方 挿し木(挿し芽)の適期は5〜9月。春に伸びた若くて勢いのある枝を選んで切り取ります。市販の園芸用の培養土を育苗用トレイなどに入れて、採取した枝葉を挿しておきます。直射日光の当たらない明るい場所で、水切れしないように管理を。発根したら黒ポットなどに植え替えて育成します。大きく育ったら、植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、採取した株のクローンになることです。 種子で増やすのは、前述のようにおすすめしません。 ランタナ栽培でよくあるトラブルQ&A 花が咲かない 花が咲かない主な原因としては、日照不足や肥料の過不足、結実などが挙げられます。 ランタナは日当たりの良い環境を好むため、日照が不十分だと花つきが悪くなってしまいがちです。 また、ランタナはやせた土地でも育つ強い植物です。肥料を与えすぎると繁殖の必要性が下がり、花が咲かないことがあります。反対に、肥料が不足していても栄養不足で花つきが悪くなるので注意しましょう。 実をつけることでエネルギーが偏り、花を咲かせる力が無くなってしまうことも。花を十分に楽しみたいなら、花がら摘みを適宜行い結実を防ぎましょう。 しおれる 鉢に植えたランタナの花は、水切れによってしおれてしまうことがあります。開花期間中はより多くの水を必要とするので、特に注意が必要です。 基本的には、土の表面が乾いたら水やりのタイミング。花や葉の元気が無くなるのも水切れのサインなので、すぐに水をあげましょう。 なお、水やりを十分に行っていても花がしおれてしまう場合は、根詰まりの可能性があります。ランタナは成長が早く根詰まりを起こしやすいので、根の不調が疑われる場合は、植え替えを検討しても良いでしょう。 葉が黒く枯れる ランタナは寒い空気に触れると、葉が黒く変色して落ちることがあります。暖地以外では冬になると落葉しますが、冬越しが適切にできていれば翌春には新しい葉が芽吹くでしょう。 暑い時期に葉が黒く変色したり枯れたりするのは、日光による葉焼けや根詰まりなどの可能性があります。 また基本的には病害虫に強いものの、ハダニが原因で葉が弱ることもあります。気になったら、葉の裏をチェックしてみましょう。 冬に枯れる ランタナは暖地以外では、冬になると落葉して枯れ枝のようになります。しかし、本コラムで紹介した冬越しができていれば、翌年以降も葉や花を楽しめます。冬越しをする場合は、晩秋から準備をはじめておきましょう。 なお、ランタナは開花期が長く、1年かぎりの栽培でも花を十分に楽しめます。冬越しが難しい場合は、一年草として扱ってもよいでしょう。 初心者にも! 暑さに強いランタナは夏花壇にぴったり Kaprisova/Shutterstock.com ランタナは生育旺盛で、近年の厳しい夏の暑さにも耐えられる、夏花壇にぴったりの花です。長い開花期間のなかで変化する花色が面白く、見る人を楽しませてくれるでしょう。丈夫で育てやすく、病害虫にも強いので初心者にもおすすめです。 ランタナは鉢植え、花壇のどちらでもよく育ちます。華やかな見た目ですが、主張が強すぎないので、ほかの花とも組み合わせやすいでしょう。葉がよく茂るので、芝生の緑ともよくなじみます。また、匍匐性のある品種はグランドカバーとしても活用できます。 ランタナを植える際は、十分にスペースを取りましょう。分枝力が強く大きくなるペースが早いので、株が小さなうちからほかの植物としっかりと空けておくことが大切です。
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「実がならない」「収穫時期が分からない」を解決! カボチャ栽培で初心者がつまずかないための基本ポイント
カボチャの基本情報 umaruchan4678/Shutterstock.com 植物名:カボチャ学名:Cucurbita maxima(西洋カボチャ)、Cucurbita moschata(日本カボチャ)、Cucurbita pepo(ペポカボチャ)英名:Pumpkin、Squashなど和名:カボチャ(南瓜)その他の名前:ナンキン(南京)、トウナス(唐茄子)、ボウブラなど科名:ウリ科属名:カボチャ属原産地:南北アメリカ形態:一年草 カボチャは、ウリ科カボチャ属の果菜類です。学名は、西洋カボチャがCucurbita maxima、日本カボチャがCucurbita moschata、ペポカボチャがCucurbita pepo。原産地は南北アメリカで、暑さには強いものの寒さには弱い性質で、生育適温は20〜25℃。つるを長く伸ばして生育する一年草です。 カボチャの由来・歴史 Alf Ribeiro/Shutterstock.com カボチャの栽培は、紀元前7000〜5500年にメキシコで始まったとされています。大航海時代の探検家・コロンブスがアメリカ大陸から欧州に持ち帰ったことで広く普及したようです。日本へは、1541年にポルトガルの船が大分県に漂着した際、日本カボチャがもたらされました。また西洋カボチャは1863年にアメリカから、ペポカボチャは明治初期にアメリカやヨーロッパなどから伝わったとされています。 カボチャの特徴 Nach-Noth/Shutterstock.com 園芸分類:野菜開花時期:6〜7月収穫時期:6月下旬~9月つるの長さ:2~2.5m生育適温:17~20℃耐寒性:弱い耐暑性:やや弱い花色:黄色 カボチャは、つるを長く伸ばして成長します。畝につるを這わせる「地這い栽培」が一般的で、広いスペースが必要です。ミニカボチャなら支柱を立ててネットを張り、つるを仕立てる「立体栽培」ができます。 カボチャの葉は大きくて縁は丸みを帯び、表面や茎には細かいトゲがあるのが特徴です。雌花と雄花が咲き、雌花は子房が丸く膨らんでおり、雄花は子房が膨らんでいないので見分けるのは容易です。早朝に雄花を取って雌花に人工授粉すると、確実に結実できます。 カボチャの栄養価 Nungning20/Shutterstock.com カボチャは、β−カロテン、食物繊維、たんぱく質、カリウム、カルシウム、ビタミンC、ビタミンB₂、ビタミンEなどを豊富に含んでいます。長期保存ができるため、野菜が不足する冬の貴重な栄養源として食されてきました。「冬至にカボチャを食べると風邪をひかない」ともいわれ、風邪の予防、長生き、お金に困らないなど、厄落としのような意味合いもあったようです。 カボチャはサラダやスープ、煮物、天ぷらなどのほか、パンプキンパイやパンプキンプディングなどお菓子づくりにも利用されています。また、種子やワタも食べられます。種子は炒めたり、オーブンで焼いたりしておつまみにできるほか、クッキーやパウンドケーキ、サラダのトッピングなどに用いるのもおすすめです。中国やベトナムなどのアジア諸国では、若いつるも食されています。 種子も食用に利用されます。Erhan Inga/Shutterstock.com カボチャの名前の由来と花言葉 Magic cinema/Shutterstock.com カボチャという名前は、ポルトガル語の「Cambodia abbora(カンボジャ・アボボラ)」が由来で、「カンボジアのウリ」という意味。ポルトガル人がカンボジアの産物として持ち込んだ際に「カンボジャ」と呼ばれたものが転訛したようです。 漢字では「南瓜」と書き、「南蛮から持ち込まれた瓜」を意味しています。「南京(なんきん)」という別名もありますが、これは中国の寄港地「南京」に由来。また、「中国から来たナス」という意味で「唐茄子(とうなす)」という別名も。 英名では「Pumpkin(パンプキン)」や「Squash(スクワシュ)」。日本ではカボチャといえばパンプキンですが、一般的に食用にされる皮がカボチャの総称は「Squash」、ハロウィンによく見られる皮がオレンジ色のカボチャなど、一部のペポカボチャのみ「Pumpkin」と呼ばれます。 カボチャの花言葉は「広大」。ずっしりと重いカボチャの存在感が由来とされています。諸説ありますが、7月31日、12月21日、12月31日の誕生花です。 カボチャの種類 カボチャ属には11系統があり、そのうち5系統が栽培されています。日本では西洋カボチャ、日本カボチャ、ペポカボチャの3系統が栽培されているので、今回はそれらの特性や主な品種などについてご紹介します。 西洋カボチャ Nungning20/Shutterstock.com 日本で最もポピュラーに栽培されているカボチャです。アンデス山脈高地の冷涼な地域で栽培されてきたため、暑さに弱いとされてきましたが、近年は品種改良が進んで暑さに強い品種が出回るようになりました。甘みがあり、ほくほくとした食感で、「えびすカボチャ」「栗カボチャ」とも呼ばれています。果皮は一般的な濃いグリーンのほか、白いものもあります。主な品種は‘グラッセ’、‘えびす’、‘ロロン’、‘夢味’など。 日本カボチャ HikoPhotography/Shutterstock.com 主に近畿地方以西で作られ、「日向カボチャ」や「鹿ヶ谷カボチャ」「縮緬カボチャ」などさまざまな地方品種がありますが、最近はあまり作られなくなっています。メキシコ~中央アメリカの熱帯地域で栽培化された系統で、暑さに強いのが特徴です。西洋カボチャより小ぶりで、ねっとりした食感が楽しめます。主な品種は、‘はやと’、‘早生小菊’など。 ペポカボチャ BearFotos/Shutterstock.com ズッキーニや、茹でると素麺状になるそうめん南瓜、オモチャカボチャ、ハロウィンで飾られるジャック・オ・ランタン用の大きなカボチャなどがペポカボチャに属しています。北アメリカ南部の乾燥した気候のもとで栽培化されました。ズッキーニでは‘ダイナー’、‘オーラム’などが主な品種です。 カボチャの栽培12カ月カレンダー 開花時期:6〜7月収穫時期:6月下旬~9月種まき:3月下旬〜5月中旬植え付け:4月下旬〜5月肥料:6月中旬~7月中旬 カボチャの栽培環境 umaruchan4678/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい環境を好みます。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】カボチャはつるを伸ばして生育する性質があります。地面につるを這わせる「地這い栽培」にするなら、2㎡ほどのスペースを確保する必要があります。 耐寒性・耐暑性 ウリ科の中では比較的耐寒性はあるものの、寒さにはあまり強くないため、最低気温8~10℃、最低地温が12℃以上になった頃を目安に定植しましょう。 カボチャの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 土づくりは、種まき、または苗の植え付けの2〜3週間前にスタートします。 1株につき2㎡のスペースを取り、その中央に畝幅40〜50cm、長さ70〜80cmを取って四隅に支柱などを立てて畝の目印にしておきます。畝にする場所に苦土石灰100〜150gを散布してよく耕し、土に混ぜ込みましょう。 さらに、植え付けの1〜2週間前に、目印をつけておいた畝の中央に深さ約15cm、長さ50〜60cmの溝を掘り、堆肥0.5L、有機配合肥料180〜200g、熔リン肥50g、緩効性化成肥料(N-P-K=8-8-8)50gを均一にまき、埋め戻して、高さ15cmの畝を作ります。 土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、根張りがよくなります。 種まき Icosaurus/Shutterstock.com カボチャはビギナーでも種まきから育てられます。種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境になじみやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなります。 ただし、カボチャの苗は5月頃から花苗店に出回り始めるので苗の植え付けからスタートするのもよく、「1〜2株あれば十分だから、苗の植え付けから始めたい」という方は、「植え付け」の項に進んでください。 カボチャの種まき適期は、一般地で3月下旬〜5月中旬。発芽地温は25~30℃です。 【直まき】 土づくりをしておいた場所に、点まきします。1カ所に2〜3粒を目安に、平らな面を上に向けて播きます。覆土は種の厚みの3〜4倍を目安にしましょう。発芽地温が高めなので、ビニールトンネルやホットキャップなどで保温するとよいでしょう。はす口をつけたジョウロで高い位置からやわらかい水流で水やりし、種が流れ出さないようにします。発芽後、本葉が2〜3枚ついたら1本を残してほかは間引いてください。間引く際は、弱々しく徒長している苗、葉色が冴えない苗、葉に虫食いの痕がある苗などを選びます。 【ポットまき】 まず、3〜4号の黒ポットに十分に湿らせた野菜用培養土を入れ、種を3粒ずつ平らな面を上に向けて播きます。覆土は種の厚みの3〜4倍を目安にしましょう。発芽地温が高めなので、25~30℃前後になるよう保温すると確実です。最後にたっぷりと水やりしておきます。発芽後、本葉が1枚ついた頃に、1本を残してほかは間引きます。間引く際は、弱々しく徒長している苗、葉色が冴えない苗、葉に虫食いの痕がある苗などを選びます。順調に生育し、本葉が3〜4枚ついたら定植します。 植え付け Vlyaks/Shutterstock.com カボチャの植え付け適期は4月下旬〜5月。種まき後30日前後、本葉が4~5枚になったタイミングを目安に定植します。 畝の中央に苗を植え付け、たっぷりと水を与え、竹ひごなどで仮支柱を立てておきます。株元には敷きわらをしておくとよいでしょう。 水やり Osetrik/Shutterstock.com 菜園の場合は、下から水が上がってくるので、天候にまかせてもよく育ちます。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補いましょう。 親づるの摘心・子づるの整枝 Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com 本葉が5〜6枚ついたら、親づるの先端をハサミで切り取って芯をとめます。すると子づるが伸びてくるので、勢いのある子づるを3本のみ残し、ほかは元から切り取りましょう。残した子づるは、3方向へ伸ばしてUピンでとめ、伸ばしたい方向へ誘導します。 追肥 VH-studio/Shutterstock.com 成長初期に窒素肥料分が多いと、つるばかり伸びて花や実がつかない「つるぼけ」になりやすくなります。そのため、元肥はやや控えめにし、追肥でコントロールするとよいでしょう。 子づるを整枝した後と果実がついた頃に、化成肥料を40〜50gほど、つるの先に与えます。 人工授粉 子房に膨らみがあるのが雌花。Rukman Limbu/Shutterstock.com カボチャには雄花と雌花があります。雌花は花の下に子房の膨らみがあり、雄花にはないのが見分けるポイントです。人工授粉は、花が新鮮なうちがよく、午前9時頃までに行いましょう。雄花を切り取って花弁をはずし、雌花の柱頭に花粉をしっかりとこすりつけます。 摘果 Bukhta Yurii/Shutterstock.com 1株につき、4〜5個に絞って収穫すると、充実したカボチャになります。多くなりすぎるようであれば、傷がついたものや変形しているものなどを選んで、まだ実が小さいうちにハサミで切り取っておきましょう。 実の保護と玉直し Danita Delimont/Shutterstock.com 残した実は、地面についたままにしていると傷んでしまう恐れがあるので、ワラやもみ殻を実の下に敷いて保護しておきましょう。また、日光がまんべんなく当たるよう、時々果実をひっくり返す「玉直し」をしましょう。玉直しをしないと、光が当たらない場所が白くなって色むらができることがあります。 収穫 ヘタがコルク状になり始めたカボチャ。もう少し待って完全にコルク化してから収穫。Tanasak kotama/Shutterstock.com 収穫の適期は6月下旬〜9月で、地域により異なります。西洋カボチャは開花後40~45日経って、ヘタがコルク状になっていること、日本カボチャは開花後25~40日でヘタが褐色になり、果面に白い粉が吹き出してくることが収穫タイミングの目安。ヘタをハサミで切り取って収穫しますが、収穫後すぐに食べるよりはしばらく置いたほうが、味がよくなります。風通しのよい涼しい場所に2週間ほど置いて追熟しましょう。 注意する病害虫 schankz/Shutterstock.com 【病気】 発生しやすい病気は、うどんこ病、モザイク病などです。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気で、葉やつぼみの表面が白く粉を吹いたような状態になります。放置するとどんどん広がって光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、茎葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると発生しやすいので注意。病害部は摘み取って処分し、適用する殺菌剤を散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 モザイク病はウイルス性の病気で、アブラムシやアザミウマ、コナジラミなどが媒介となって発症します。したがって、発生しやすい時期はアブラムシなどが活動する春から秋にかけて。主に花や葉にモザイク模様が現れます。症状が進むとウイルスの種類によっては葉などが縮れてきたり、湾曲して変形したりし、株の生育が著しく悪くなります。治療効果のある薬剤はないので、抜き取って土ごと処分し、周囲に蔓延するのを防ぎましょう。アブラムシ対策をしておくことが、病気の抑制につながります。 【害虫】 発生しやすい害虫は、アブラムシ、ウリハムシなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。 ウリハムシは、特にウリ科の野菜に発生しやすい害虫です。黄褐色の成虫は体長1cmほどで4〜5月、7〜8月に葉や果実を網目状に食害します。白い幼虫は体長1cmほどで6〜7月に根を食害します。いずれも多発すると日中にしおれるようになり、やがて枯死します。見つけ次第捕殺するか、適用のある薬剤を散布して防除しましょう。黄色い色を好むので、市販の黄色い粘着シートを配して誘引捕殺する方法もあります。 料理でも観賞用でも楽しめる! 育てやすいカボチャを栽培してみよう! ishoots/Shutterstock.com カボチャは栄養価が高く、煮物やスープ、揚げ物、サラダ、お菓子づくりにと用途が広い野菜です。家庭菜園で、おいしいカボチャづくりにチャレンジしてはいかがでしょうか。






















