スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
-
ハーブ

スパイシーな香り漂うカレープラントの育て方|枯らさないコツは? 食べられるの? 剪定や夏越しの方法を徹底解説!
カレープラントの基本情報 JasminaS/Shutterstock.com 植物名:カレープラント学名:Helichrysum italicum英名:curry plant、Italian strawflower、immortelle、everlastingなど和名:カレープラントその他の名前:カレープランツ、エバーラスティング科名:キク科属名:ムギワラギク属原産地:地中海沿岸形態:常緑亜低木 カレープラントの学名はHelichrysum italicum 、キク科ムギワラギク属(ヘリクリサム属)の常緑低木で、多年草として扱われます。原産地は地中海沿岸で乾燥した気候を好み、寒さに強く、一般地では周年戸外で管理できます。高温多湿を苦手とするので、日本での栽培では夏越しがポイントになります。 カレープラントの花や葉の特徴 LifeCollectionPhotography/Shutterstock.com 園芸分類:ハーブ開花時期:7〜8月樹高:40〜50cm耐寒性:やや強い耐暑性:普通(多湿に弱い)花色:黄 開花期は7~8月で、花色は黄色。花茎を伸ばした先に小さな花が集まってドーム状に開花します。乾燥に強くドライフラワーにするのもおすすめです。 高さ40~50cmほどで、花壇では中段あたり向き。葉は披針形で互生し、常緑性で、冬もみずみずしい葉姿を保ちます。茎葉は産毛で覆われているため、日差しを受けると反射してシルバーグリーンに見え、カラーリーフプランツとして利用できます。一年中庭やベランダをみずみずしく彩り、寄せ植えのアクセントにしても素敵です。 カレープラントの特徴はなんといってもそのカレーに似た香り。葉はスープやピクルスなどの香りづけ程度には利用されることもありますが、苦みが強く消化に悪いため、一般的に食用には適しません。 Esin Deniz/Shutterstock.com カレーのような香りの正体 wisely/Shutterstock.com カレープラントの茎葉に触れると、カレーのようなスパイシーな香りが漂います。これはカレープラントに含まれる主要成分はネリル・アセテートやα-ピネンといった精油成分によるもの。料理に使用するというよりは、ドライフラワーやリースなどのクラフトに利用されることが多いようです。本物のカレー粉の原料としてカレープラントが用いられることはありません。 カレープラントの名前の由来と花言葉 martin.dlugo/Shutterstock.com カレープラントという名前の由来は、茎葉に特徴的なカレーの香りがあることから。属名のHelichryaumは、ギリシャ語で「太陽」や「金色の」を意味します。また、乾燥させても葉の銀白色や花色があまり色あせないことから、「エバーラスティング(永遠)」や「イモーテル(不滅)」と呼ばれることもあります。 カレープラントの花言葉は「不滅の愛」「黄金の輝き」「刺激」「独創的」などです。 カレープラントとカレーリーフ )左/カレープラント、右/カレーリーフIva Vagnerova、Gurcharan Singh/Shutterstock.com カレーのようなスパイシーな香りをもつ植物は、カレープラントのほかにカレーリーフがあります。こちらはミカン科ゲッキツ属の常緑低木オオバゲッキツの別名で、香辛料として利用されます。ナンヨウザンショウ(南洋山椒)とも呼ばれ、葉はサンショウの葉を大きくしたような羽状複葉。樹高は4~6mになり、7~9月に白い花を咲かせます。姿形は異なりますが、名前は似ているため、購入の際には混同しないようにしましょう。 カレープラントの栽培12カ月カレンダー 開花時期:7~8月植え付け・植え替え:4〜6月、10月頃肥料:3〜6月、10〜11月種まき:3~5月、9~10月 カレープラントの栽培環境 Fabio Pagani/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たりがよく、風通しのよい場所を好みます。日当たりが悪い場所では、ヒョロヒョロとか弱い茎葉ばかりが茂って草姿が間のびするので注意しましょう。強い日差しを浴びると傷むことがあるので、西日は避け、夏は半日陰で管理するのが無難です。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】自生地は乾燥した気候のため、高温多湿を苦手とし、水はけのよい土壌を好みます。地植えでは西日が当たる場所を避け、朝のみ光が差し込む東側か、太陽が高く上がる日中は、木漏れ日がチラチラとさす落葉樹の足元など半日陰の環境を選ぶとよいでしょう。鉢植えの場合、寒さが厳しい地域では、冬は霜が降りない軒下などに移動するとよいでしょう。 耐寒性・耐暑性 カレープラントは寒さに強く、マイナス5℃くらいまで耐えるので寒冷地を除き戸外で越冬できます。ただし凍結する寒い地域では株元にバークチップなどでマルチングをしておき、地上部の茎葉に不織布をかぶせて対策しておくとよいでしょう。暑さには強いですが、高温多湿が苦手で蒸れに弱いため、夏前に切り戻して風通しをよくし、水はけよく管理します。 カレープラントの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 酸性の土壌を嫌うので、植え付ける3〜4週間前、植える場所に苦土石灰を散布してよく耕しておきましょう。さらに植え付ける1〜2週間前に腐葉土や堆肥、緩効性肥料を植え場所に投入し、よく耕して水はけのよい土壌をつくっておきます。水はけの悪い場所では、川砂やパーライトなどを施して土壌改良し、周囲より土を盛っておくとよいでしょう。土に肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 ハーブの栽培用に配合された、市販の園芸用培養土を利用すると便利です。 水やり IrinaSol/Shutterstock.com カレープラントは細かな産毛を株全体にびっしりとまとっているため、茎葉に水がかかると蒸れやすくなるので、水やりの際には注意が必要です。株全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えるようにしましょう。 真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がってすぐお湯になり、株が弱ってしまうため、夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。反対に、真冬は気温が十分に上がった日中に行います。夕方に水やりすると凍結の原因になるので避けてください。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉を伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は、地植えの場合はほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。ただし、多湿を嫌う性質のため、与えすぎには注意し、いつもジメジメしている環境にならないようにしてください。 土の表面が十分に乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、水やり忘れに注意します。冬は生育が止まって表土も乾きにくくなるので、控えめに与えるとよいでしょう。 肥料 Sarycheva Olesia/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 土づくりの際に、元肥として緩効性肥料を施しておきます。追肥はほとんど必要ありませんが、株に勢いがないようであれば、生育期の3〜6月と10〜11月に液肥を与えて様子を見ましょう。多肥にすると徒長して株姿が乱れやすいため、肥料を控えめに管理するのがポイントです。 注意する病害虫 nechaevkon/Shutterstock.com 【病気】 病気の心配はほとんどありませんが、灰色かび病にかかることがあります。 灰色かび病は花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境で発生しやすい病気です。ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれています。風通しが悪く込み合いすぎていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合いすぎている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。 【害虫】 害虫の心配はほとんどありませんが、アブラムシやハダニが発生することがあります。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついてしまうほどに。植物の茎葉について吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目にも不愉快なので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期に葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。 カレープラントの詳しい育て方 苗の選び方 苗を購入する際は節間が詰まってがっしりとし、勢いのある株を選びましょう。 植え付け・植え替え Vasyliuk/Shutterstock.com 植え付け・植え替えの適期は5〜6月か10月頃です。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、根鉢よりもひと回り大きな穴を掘って苗を植え付けます。複数の苗を植える場合は、50〜60cmの間隔を取っておきましょう。植え付けた後に、たっぷりと水やりします。 地植えの場合は、環境に合えば植え替えの必要はなく、そのまま植えっぱなしにして構いません。 【鉢植え】 苗を単植するなら、鉢のサイズは、6〜8号鉢を準備します。 鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。苗を鉢に仮置きし、高さを決めたら、軽く根鉢をほぐして植え付けましょう。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3㎝下を目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもかまいません。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して根鉢をくずし、古い土や根を落として新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 剪定・切り戻し Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com 茎葉が密に茂り、風通しが悪くなってきたら、適宜切り戻して株の若返りをはかります。樹高の半分くらいまでを目安に深めにカットし、枝が込み合っている部分があれば間引くように透かし剪定をしましょう。梅雨前に行うと、株が蒸れるのを防ぎ、風通しよく管理することができます。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com カレープラントは挿し木で増やします。 挿し木とは、茎葉を切り取って土に挿しておくと、発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し木ができないものもありますが、カレープラントは挿し木で増やすことができます。 カレープラントの挿し木の適期は、5〜6月か10月頃です。新しく伸びた茎葉を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります(挿し穂)。水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を半分くらい取ります。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水を注いで十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。明るい日陰に置いて適宜水やりをしながら管理し、発根して十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 カレープラントが枯れる原因と対処法 Muhlbach/Shutterstock.com カレープラントの栽培にあたって、「うまく育たない」「枯れてしまったのはどうして?」といった質問が寄せられることがあります。この章では、考えられる原因などについて紐解きます。 過湿による根腐れ カレープラントは乾燥した気候地域に自生している植物で、雨の多い日本の多湿な環境を苦手としています。鉢栽培では特に、水やりのしすぎで常に土が湿った状態になっていると、根腐れしてしまうことがあるので注意しましょう。水やりは表土が白っぽく乾き切っているのを見はからってから与えるようにしてください。 日照不足 カレープラントは日当たりのよい環境を好みます。日当たりの悪い場所や室内などに置くと、茎葉がひょろひょろと伸びて徒長し、やがて葉を落として弱っていくので注意。地植えの場合は6時間以上しっかりと日が当たる場所に定植し、鉢植えの場合は必ず日当たりのよい場所に置くようにしましょう。 蒸れ 蒸れは夏の高温多湿の環境下で発生しやすくなります。茎葉が込み合っている部分があれば透かし剪定をして風通しをよくしておきましょう。また茎葉全体に産毛をもっているので、株全体に水をかけると蒸れやすくなります。水やりの際は、茎葉に水がかからないようにし、必ず表土に与えるようにしてください。 冬の寒さ カレープラントは寒さに強いほうで、マイナス5℃くらいまでは耐えますが、凍結する地域では寒さ対策が必要です。地植えにしている場合は地上部を不織布で二重、三重に覆って冷気に当たらないようにしておき、株元はバークチップなどを厚めに敷いてマルチングをしておくとよいでしょう。鉢植えは日当たりのよい軒下など、凍結しない場所に移動しておきます。 香りと見た目の両方を楽しめるカレープラントを育ててみよう Scisetti Alfio/Shutterstock.com カレープラントはシルバーグリーンの茎葉が美しく、また夏に開花する黄色い花は簡単にドライフラワーにできます。リースやスワッグづくりなどに利用できるので、用途の幅が広いハーブの一つです。スパイシーな香りが魅力のカレープラントをぜひ育ててみてください。
-
一・二年草

庭を格上げする「ラークスパー」の魅力。涼しげで上品な花を美しく咲かせる栽培のポイント
ラークスパーの基本情報 Bubushonok/Shutterstock.com 植物名:チドリソウ学名:Consolida ajacis 英名:larkspur、doubtful knight's spur、rocket larkspurなど和名:チドリソウ(千鳥草)その他の名前:ラークスパー、ラクスパー、ヒエンソウ(飛燕草)など科名:キンポウゲ科属名:コンソリダ属原産地:ヨーロッパ南部形態:一年草 ラークスパーの学名はConsolida ajacis。キンポウゲ科コンソリダ属の一年草です。原産地はヨーロッパ南部。生育適温は10〜20℃で比較的冷涼な気候を好み、寒さには強い一方で、夏の暑さには耐えられずに枯死します。日本には明治初期にもたらされたようです。草丈は80〜120cmで株幅も取るので、地植えにする際は広めのスペースを確保するとよいでしょう。初夏を彩る花として人気が高いこともあって園芸品種も多く、一重咲きや八重咲きなど選ぶ楽しみがあります。 ラークスパーの花や葉の特徴 Melinda Nagy/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:5〜7月草丈:80〜120cm耐寒性:強い耐暑性:弱い花色:青、紫、白、ピンクなど ラークスパーの開花期は5〜7月。花色はブルー、紫、白、ピンクなどで、それぞれ色幅があります。デルフィニウムに似ていますが、ラークスパーは一年草で、葉がより細かく繊細なのが異なる点です。花径2〜3cmほどで一つひとつの花は小さいのですが、花穂を長く伸ばし、総じて30輪ほども連ねるのでダイナミックな咲き姿を楽しめます。花弁のように見えるのは萼片が変化したもので、実際の花弁は中心部にあり、花の後ろには距がつくのが特徴的です。葉は細く裂けて糸状になり、花後は莢ができます。 花の後ろに長く伸びる距があるのが特徴。soba_apple/Shutterstock.com ラークスパーの名前の由来と花言葉 olko1975/Shutterstock.com ラークスパーの和名は「千鳥草(チドリソウ)」。また「飛燕草(ヒエンソウ)」という別名もあります。どちらも鳥の名前が入っているのは、花姿が鳥が飛んでいるように見えることが由来となっています。ラークスパーは英名で「Larkspur」。「lark」はヒバリ、「spur」は鳥の足の後ろにある、上に向かって伸びる蹴爪のことです。直訳すると「ヒバリの蹴爪」で、ラークスパーの花の後ろに距があることにちなんでいます。 Pilar Andreu Rovira/Shutterstock.com ラークスパーの花言葉は「自由」「陽気」「快活」です。カラフルな花姿をイメージしたものと考えられます。 ラークスパーは毒性に注意 Bing Dwen Dwen/Shutterstock.com キンポウゲ科の植物には毒があるものが多く、ラークスパーも全草、特に種子に毒性のあるアルカロイドを含む有毒植物です。子供やペットが誤って口にしないように注意が必要です。ガーデンで栽培している分には基本的に問題はありませんが、皮膚に触れるとかぶれることもあるため、手入れの際は手袋を着用するとよいでしょう。 ラークスパーの代表的な種類と品種 ラークスパーは花色の幅もあり、また園芸品種も多くあります。人気の品種を一部ご紹介します。 ‘アールグレイ’ クラシックな印象のニュアンスカラーの園芸品種。くすんだモーブピンクは、どんな草花にもよく似合います。半八重、八重の花姿もエレガント。 ‘ミスティラベンダー’ グレーがかったシックなラベンダーカラーが特徴的。落ち着きのある色合いが人気です。八重~半八重咲き。 ‘マーベラスピンク’ 八重~半八重咲きの穂咲き大輪種。従来の繊細な印象に対し、サーモンピンクの花が密についてボリューム感のある品種。 カンヌ系 耐病性に優れ、八重〜半八重の大輪で花のボリューム感があるカンヌ・シリーズ。白に青紫の覆輪が爽やかな‘ブルーピコティ’、濃い桃色に淡いピンクの絞りが入る‘ローズストライプ’、濃い青紫色が目を引く‘ディープブルー’、純白の‘ホワイト’などの品種があります。 ‘かぐや姫’ ピンクの花弁に紫の絞りが入る、珍しい絞り柄のラークスパー。見元園芸が生産する希少な品種。 ルリヒエンソウ Nick Pecker/Shutterstock.com 学名はConsolida regalis。青紫がかった花を咲かせ、ややコンパクトに生育します。園芸店ではこちらもラークスパーやチドリソウとして販売され、明確に区別されないことも多いです。 ラークスパーとデルフィニウムの違い 左がラークスパー、右がデルフィニウム。Yulcha、Nadezhda Nesterova/Shutterstock.com ラークスパーは、もともとはデルフィニウムの一種として同じデルフィニウム属に分類されていましたが、現在では、ラークスパーはコンソリダ属に分類されています。デルフィニウムは宿根草が多いのに対し、ラークスパーは一年草であるという違いがあります。花姿や草姿はよく似ていますが、大きな違いは葉の形。ラークスパーの葉はデルフィニウムのものよりも細かく裂け、コスモスの葉に似た糸状になるのが特徴です。ただしデルフィニウムは系統により葉の形が異なり、深く切れ込むものもあります。 ラークスパーの栽培12カ月カレンダー Helga_foto/Shutterstock.com 開花時期:5〜7月種まき:10月〜11月上旬植え付け:3~4月、11〜12月肥料:3月、10〜11月 ラークスパーは秋まき一年草で、一般地でのライフサイクルは次の通りです。 秋に種まきをして育苗し、年内に定植。越年して春になると旺盛に生育し始め、5〜7月に開花します。開花が終わると夏越しできずに枯死する、短いライフサイクルです。とはいえ、こぼれ種で増えるほど強健で種まきが容易なので、種子を採取して種まきすれば毎年開花を楽しめます。 ラークスパーの栽培環境 Bubushonok/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり、風通しのよい場所を選びます。日当たりの悪い場所では、花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロとしたか弱い茎葉が茂って草姿が間のびしたりするので注意しましょう。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】連作を嫌うため、キンポウゲ科の植物を植えていた場所を数年は避けることがポイント。水はけ、水もちのよい環境を好み、酸性に傾いた土壌を嫌う性質があるので、土づくりの際に苦土石灰を散布して土壌の酸度調整をしておきます。植え付け前に腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入してよく耕し、ふかふかの土づくりをしておくとよいでしょう。 耐寒性・耐暑性 寒さには強く、耐寒温度はマイナス12~マイナス15℃。ただし、霜に当たると株が傷むため、霜除け対策をしておくと安心です。高温多湿に弱く、夏に枯れる一年草として扱われます。 ラークスパーの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの1カ月ほど前に苦土石灰を、表土がうっすらと白くなる程度に散布してよく耕しておきます。さらに植え付ける1〜2週間前に腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入し、よく耕して水はけのよい土壌をつくっておくとよいでしょう。植え付けの少し前に土づくりをしておくことで次第に分解して土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の草花用培養土を利用すると便利です。 水やり Zoom Team/Shutterstock.com 株が蒸れるのを防ぐために株全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。なお、種まきしたあと、育苗中の冬は夕方に水やりすると凍結の原因になるので、十分に気温が上がった真昼に行いましょう。 【地植え】 地植えの場合は根付いた後はほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続いて乾燥し、茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、多湿にすると株が弱るので、水の与えすぎには注意。土の表面がしっかり乾いてから鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。成長期を迎えてぐんぐん茎葉を広げるようになると、水を欲しがるようになります。気候や株の状態に適した水やりを心がけましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 肥料 Sarycheva Olesia/Shutterstock.com 多肥を嫌うので、地植えの場合は十分に土づくりをしていれば追肥の必要はありません。鉢栽培の場合は、生育期に株の勢いがないようであれば、液肥を与えて様子を見ましょう。 注意する病害虫 schankz/Shutterstock.com 【病気】 発生しやすい病気は、灰色かび病やうどんこ病などです。 灰色かび病は花や葉に褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。気温が20℃ほど、かつ多湿の環境で発生しやすく、ボトリチス病、ボト病などとも呼ばれます。風通しが悪く込み合っていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなるので注意。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込み合っている場合は、間引いて風通しよく管理しましょう。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。茎葉やつぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放置するとどんどん広がって光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用する殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 【害虫】 ラークスパーに発生しやすい害虫は、アブラムシやヨトウムシなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 ヨトウムシは蛾の幼虫で、漢字で「夜盗虫」と書き、主に夜に姿を現して茎葉を食害します。大きくなった幼虫は食欲が旺盛で、一晩に株を丸裸にしてしまうほどです。葉から食害し始めるので、異変を察したら幼虫がまだ若いうちに駆除しましょう。発生しやすい時期は4〜6月、9〜10月です。食害の痕が認められたら夜にパトロールして補殺するか、適用のある薬剤を散布して防除します。 ラークスパーの詳しい育て方 種まき Taras Garkusha/Shutterstock.com ラークスパーは、ビギナーでも種まきから育てられます。種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなります。 ただし、ラークスパーの苗は春から花苗店に出回り始めます。手軽にスタートしたいなら、苗の植え付けからのスタートがおすすめです。「1〜2株あれば十分だから、苗の植え付けから始めたい」という方は、後ろの「植え付け」の項に進んでください。 ラークスパーの種まき適期は一般地で10月〜11月上旬で、発芽適温は15〜20℃です。まず、種まき用のトレイに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れ、十分に湿らせます。種を1〜2粒ずつまいて5mmほど覆土します。最後に浅く水を張った容器に入れて、底から水を給水します。これはジョウロなどで上から水やりすると水流によって種が流れ出してしまうことがあるからです。発芽までは明るい半日陰で管理し、乾燥しないように適度に底から給水しましょう。発芽まで10〜15日ほどかかります。 発芽後は日当たりのよい場所で管理します。勢いがあって元気のよい苗を1本のみ残し、ほかは間引きましょう。ヒョロヒョロと伸びて弱々しい苗や葉が虫に食われている苗、葉が黄色くなっている苗などを選んで間引きます。本葉が3〜4枚ついたら花壇や鉢などの植えたい場所に植え付けます。 植え付け Vasyliuk/Shutterstock.com ラークスパーの植え付け適期は種まきして育苗した場合は11〜12月です。花苗店で苗を購入する場合は3〜4月です。花苗店で苗を購入する際は、節間が短く茎ががっしりと締まって丈夫なものを選びましょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に苗よりもひと回り大きな穴を掘り、根鉢をくずさずに植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、20〜30cmの間隔を取りましょう。最後に、たっぷりと水やりします。 【鉢植え】 鉢の大きさは、6〜7号鉢を準備しましょう。 用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。ラークスパーの苗を鉢に仮置きし、高さを決めます。苗をポットから出し、根鉢をくずさずに植え付けましょう。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと水が流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 支柱・摘心 NinaMalyna/Shutterstock.com 【支柱】 ラークスパーは草丈が高くなるため、早めに支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぎましょう。 【摘心】 ラークスパーは草丈が10cmほどの幼苗のうちにも茎の先端を切り取る「摘心」をしておくと、分枝して株張りがよくなります。 日常の管理 Aleksei Golovanov/Shutterstock.com 【花がら摘み】 ラークスパーは次々に花が咲くので、終わった花穂は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。 夏越し・冬越し xpixel/Shutterstock.com 【夏越し】 ラークスパーは一年草で、夏前には枯死するので夏越しする必要はありません。開花が終わり、茎葉が枯れてきたら抜き取っておきます。 【冬越し】 寒さに強いほうですが、種まき後に定植して冬越しする場合は、株元にワラやバークチップなどを施してマルチングをしておくとよいでしょう。 増やし方 sophiecat/Shutterstock.com ラークスパーは種子を採取し、種まきして増やすことができます。ただし、園芸品種の場合は必ずしも親と同じ花が咲くとは限りません。 【種子の採取】 種子を採取したい場合、開花期の終わりが見えてきたら花がら摘みをせずに、そのままにしておくと莢がつきます。茶色く変色したら完熟したタイミングなので莢を採取し、中から種子を取り出しましょう。密閉できる袋に入れておき、種まきの適期(10〜11月)まで保管します。 【こぼれ種でも増える】 花がら摘みをやめると莢がつくので、そのままにしておきます。完熟すると自然に莢が弾けて周囲に飛び散り、適期になると発芽して生育し始めるので幼苗のうちに掘り上げて植えたい場所に定植しましょう。連作を嫌うので、別の場所に移したほうがよく育ちます。 ラークスパーの育て方を知り上品な花を楽しもう bykot photo/Shutterstock.com 強健な性質で、ビギナーでも種まきから容易に育てられるラークスパー。花穂を長く伸ばしてダイナミックに咲き誇るので、縦のラインを強調して庭に華やぎをもたらしてくれます。ぜひラークスパーの栽培にチャレンジしてみてください。
-
花と緑

季節の花の3択クイズ! イングリッシュガーデンに欠かせないジギタリスは次のうちどれ?
初夏を彩る美しい花!「ジギタリス」は次の3つのどれ? Fumeezz/Shutterstock.com 5~6月、すらりと伸ばした花穂にベル形の花を咲かせ、見ごたえのある景色を演出するジギタリス。ヨーロッパや北アフリカ、中央アジアなどを原産とし、花が美しいことから観賞用として特に洋風の庭で人気があります。園芸品種が多く、草丈や花色のバリエーションが豊富。耐暑性が弱く、日本では夏に枯死することが多いため、基本的に二年草として扱われますが、近年では暑さに強く本来の宿根草として楽しめる品種も登場しています。日本ではキツネノテブクロ(狐の手袋)という名でも親しまれていますね。 さて、そんなジギタリスには、よく似た花がいくつかあります。今回は、正しいジギタリスの写真を選ぶ3択クイズ! ジギタリスは、次のA~Cのどれでしょう? A Oliver Xiao/Shutterstock.com B fotografiko eugen/Shutterstock.com C Joe Kuis/Shutterstock.com ヒント いずれも初夏に開花期を迎え、長い花穂を伸ばして花を咲かせる宿根草ですが、花姿や斑点の有無などに違いがあります。 正解は… ↓ ↓ ↓ ↓ C Joe Kuis/Shutterstock.com ジギタリスの基本データ 学名:Digitalis科名:オオバコ科属名:ジギタリス属(キツネノテブクロ属)原産地:ヨーロッパ、北東アフリカ~中央アジア和名:キツネノテブクロ(狐の手袋)別名:フォックスグローブ英名:foxglove開花期:5~6月花色:白、ピンク、紫、黄、オレンジ、茶、複色形態:二年草・宿根草草丈:30~200cm 長いすらっとした花穂に釣鐘形の花が咲きあがる、独特で優美な花姿から、開花期が重なるバラとともにイングリッシュガーデンを彩る初夏の花として人気が高いジギタリス。草丈が高く、開花期には存在感がある大型のガーデンプランツで、花壇の後方に配置するのにもおすすめです。 ヨーロッパでは古くから身近な花として親しまれてきた存在で、花色や草丈のバリエーションも豊富にあります。園芸店などで多く出回っているのはジギタリス・プルプレアの園芸品種。近年では暑さに強く翌年以降も楽しめる丈夫な交配種も多く登場しています。 ジギタリスの和名のキツネノテブクロは、英名のfoxgloveをそのまま訳したという説が一般的です。 Oliver Hoffmann /Shutterstock.com ジギタリスは長い花穂をつけ、釣鐘形の花が下から上へと螺旋状に咲き進みます。草丈は30~200cmと幅があります。花の内側には白く縁取りされた濃色の特徴的な斑点が入るものが多いですが、品種によっては斑点がないものもあります。冬や1年目のジギタリスは下葉のみのロゼット状の状態で、暖かくなると茎を伸ばして花を咲かせます。葉は卵状の長楕円形で、株元や茎下部の葉には葉柄がありますが、茎上部の葉は小さく葉柄がありません。 Wirestock Collection/Shutterstock.com ジギタリスは日当たりと水はけ、風通しのよい場所で管理します。酸性土を嫌うため、植え付けの際は苦土石灰などで中和しておくとよいでしょう。また植え付け時に根を傷めないように注意します。高温多湿に弱く、夏越しに挑戦する場合は半日陰の涼しい場所に移動するとよいでしょう。ただし、温暖な地域では対策をしても夏を越せずに枯れてしまうことが多いため、基本的には夏に枯れる二年草として扱うのが気軽です。 Kristen Prahl/Shutterstock.com ジギタリスはジギトキシンなどの強心配糖体を含む有毒植物で、毒草としてもよく知られています。全草に毒性があるため、取扱いには注意が必要。特に若葉が、健康被害が報告される以前は食用とされていたコンフリーに似ているため、誤食による死亡事故も発生しています。栽培する際は、食用の植物と離して植栽するなど配慮しましょう。 Job Narinnate/Shutterstock.com 残りの選択肢の花は… A デルフィニウム Oliver Xiao/Shutterstock.com キンポウゲ科の多年草。5~6月に、花穂を長く伸ばして、青や紫、白、ピンクの花を咲かせます。大きく分けて、びっしりと咲いて華やかなエラータム系と、まばらに花がついて華奢な印象のシネンセ系、中間的なベラドンナ系の3タイプがあります。ジギタリスの花が釣鐘形になるのに対し、デルフィニウムの花は一重~八重で平らに開き、後ろに距があるのが特徴。また、デルフィニウムに多い鮮やかな青の花色は、ジギタリスにはほとんどありません。 B バーバスカム fotografiko eugen/Shutterstock.com ゴマノハグサ科の多年草。6~7月に花穂を伸ばして花を咲かせます。1本の花茎を伸ばすジギタリスに対し、花穂が分枝することもあり、また花も平開して中心が濃い色合いになるのが特徴。日本各地に野生化しているビロードモウズイカの仲間で、大輪で華やかな種類もあり、ガーデニングでもよく利用されます。 クイズ一覧はこちら!
-
樹木

まるで黄金のシャワーの「エニシダ」の育て方| 甘い香りと蝶のような花を毎年楽しむ剪定のコツ
エニシダの基本情報 LFRabanedo/Shutterstock.com 植物名:エニシダ学名:Cytisus scoparius英名:Scotch Broom、the common broom和名:エニシダ(金雀枝)その他の名前:エニスダ科名:マメ科属名:エニシダ属原産地:ヨーロッパ、北アフリカ、カナリア諸島、アジア形態:常緑性低木 エニシダは漢字で「金雀枝」と書き、学名はCytisus scoparius。マメ科エニシダ属の花木です。原産地はヨーロッパ、北アフリカ、カナリア諸島、アジア。暑さや寒さに強いほうですが、地植えにするなら東北以南の平地で、寒冷地では冬越し対策が必要です。開花を充実させるためには日当たり、風通しのよい場所に植えることが大切。水はけのよい環境を好み、根が粗いので移植を嫌います。 エニシダの花や葉の特徴 Marek Mierzejewski/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:5〜6月樹高:2〜3m耐寒性:強い耐暑性:強い花色:黄 エニシダの開花期は5〜6月。細い枝にチョウのような花形の黄色い花を多数連ね、甘い香りを放ちます。エニシダは前年の枝に花を咲かせますが、古い枝は花付きが悪くなりやすいため、タイミングを見計らって剪定し枝を更新することが大切です。花は1〜2cmほどで一つひとつは小さいのですが、枝葉を覆い尽くすように咲くので、満開時には見応えがあります。花後の8~10月にはマメ科らしい莢ができ、熟すと自然に弾けて飛んでいきます。 Furiarossa/Shutterstock.com エニシダは常緑性~半常緑性の低木で、寒冷地など環境によっては冬に葉を落とすこともあります。樹高は2〜3mほどの低木で、地際から多数の幹を立ち上げて生育する株立ちの樹形になります。低木ながらも株幅にボリュームが出るので、庭に植えるならある程度のスペースを確保しておく必要があります。毎年の剪定によって、コンパクトな樹形を保つことも可能です。 エニシダの名前の由来と花言葉 MacBen/Shutterstock.com エニシダという名前はラテン語の「genista(ゲニスタ)」に由来し、それが日本に伝わった際に訛ってエニシダになったとされています。漢字では金雀枝と書き、小さな黄色い花が群れ咲く様子を、金の雀にたとえたもの。エニシダの英名はScotch broomやthe common broomで、broomは「ほうき」という意味です。ヨーロッパでは、昔はエニシダの枝を使ってほうきを作っていたとされ、魔女がまたがって飛ぶほうきもエニシダで作られているという伝承があります。 エニシダの花言葉は、「博愛」「謙虚」「謙遜」「清楚」「清潔」「豊穣」「卑下」などです。 エニシダとミモザの違い 左がエニシダ、右がミモザ。bykot photo、artifex.orlova/Shutterstock.com エニシダとミモザはどちらも黄色い花を咲かせることから、混同されることもあるようですが、ここで違いを整理しておきましょう。エニシダはマメ科エニシダ属の常緑低木で、5〜6月にチョウに似た花姿の花を咲かせ、株立ちの樹形が特徴です。ミモザはマメ科アカシア属の常緑樹で、3月頃にポンポンのような小さな丸い花を咲かせます。樹高は5〜10mほどになる高木です。 エニシダの代表的な種類 国内で流通している、エニシダの種類についてご紹介します。 ヒメエニシダ Wut_Moppie/Shutterstock.com エニシダよりも樹形がコンパクトにまとまる矮性種で、庭植えでは樹高1mほど。鉢栽培にしても十分楽しめ、園芸店にもよく流通しています。エニシダよりも寒さに弱いので、冬は鉢上げして凍結しない場所で越冬させるとよいでしょう。 シロバナエニシダ シロバナエニシダ。LFRabanedo/Shutterstock.com 白い花を咲かせるのが特徴で、樹高は3〜4mほど。落葉性のため、冬には葉を落とすのがエニシダと異なります。 エニシダの栽培12カ月カレンダー 開花時期:5〜6月植え付け・植え替え適期:3月中旬~4月肥料:2~3月剪定:6月中旬~7月中旬 エニシダの栽培環境 tamu1500/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たりと風通しがよい場所を選びます。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本ですが、寒冷地では冬は室内に取り込むとよいでしょう。 【置き場所】低木ですが、株立ちになって横に広がりやすいので、広めの場所を確保しておくとよいでしょう。多湿を嫌うため、水はけのよい場所を選ぶのがポイント。また、エニシダは移植を嫌うため、植え場所は事前に十分吟味しておきましょう。 耐寒性・耐暑性 エニシダの耐寒温度はマイナス5~マイナス10℃と寒さに耐えるほうですが、栽培適地は東北地方以南の平地です。寒冷地では鉢栽培にして冬は暖かい場所に移動して管理するとよいでしょう。耐暑性もあり、日本の夏の暑さにも比較的耐えますが、真夏は西日を避けた半日陰で管理するのが無難です。 エニシダの育て方のポイント 用土 Wstockstudio/Shutterstock.com 【地植え】 まず一年を通して日当たり・風通しのよい場所を選びましょう。植え付けの2〜3週間前に直径、深さともに50cm程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。土に肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 花木用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。 水やり topseller/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために枝葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。 真夏に水やりする場合は、気温が高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、木が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて枝葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、晴天が続いて乾燥している場合は水やりをして補いましょう。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理しますが、エニシダは多湿を嫌うので与えすぎに注意。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。枝葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、水切れしないように注意します。冬は休眠し、表土も乾きにくくなるので控えめに与えるとよいでしょう。 肥料 Pawel Beres/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 植え付け時には、元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。 越年後は、毎年生育が旺盛になる前の2〜3月に緩効性肥料を与え、土によくなじませましょう。生育期を迎える前に肥料を与えることで、新芽を出すエネルギーとなり旺盛に枝葉を広げることにつながります。 追肥はほとんど必要ありませんが、生育期に葉色が冴えず、木に勢いがないようであれば、液肥を与えて様子を見るとよいでしょう。 注意する病害虫 【病気】 エニシダは特に病気の心配はありません。 【害虫】 エニシダに発生しやすい害虫は、コガネムシやアブラムシなどです。 コガネムシは主に5〜8月に発生しやすい昆虫です。成虫の体長は2〜3㎝。主に葉を旺盛に食害し、網目状態になっていたら近くにいることが疑われます。外部から飛来してくるので防除しにくく、見つけたらすぐに捕殺して対処しましょう。また、土中に産卵されると、今度は幼虫が根を食い荒らして株を弱らせます。幼虫は食欲旺盛で、根のほとんどを食いつくすため、枯死に至ることもあるので注意が必要です。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 エニシダの詳しい育て方 苗木の選び方 葉色が鮮やかで、葉に変色や病害虫の痕がなく、幹がぐらつかずしっかりとしたものを選ぶとよいでしょう。 植え付け・植え替え Jurga Jot/Shutterstock.com エニシダの植え付けの適期は3月中旬〜4月です。ただし、花苗店などでは植え付け適期以外でも苗木が出回っていることがあります。入手したら、植えたい場所へ早めに定植します(ただし、真夏と真冬を除く)。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って、根を傷めないように植え付けます。苗木がぐらつくようであれば、しっかり根付くまでは支柱を設置してビニタイや麻ひもなどで誘引し、倒伏を防ぎましょう。最後にたっぷりと水を与えます。 庭植えの場合は、環境に合って順調に育っているようであれば、植え替えの必要はありません。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、10号以上の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから花木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。エニシダの苗木をポットから取り出して根鉢をあまり崩さずに鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3㎝ほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。苗木がぐらつくようであれば、しっかり根付くまでは支柱を設置してビニタイや麻ひもなどで誘引し、倒伏を防ぎましょう。最後に、鉢底から水が流れ出すまで、十分に水を与えます。 鉢植えで楽しむ場合は、成長とともに根詰まりしてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切で、適期は3が中旬〜4月です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。エニシダは根が粗く移植を嫌うので、鉢から株を取り出したら根鉢をあまり崩さずに、新しい培養土を使って植え直しましょう。 剪定 Opas Chotiphantawanon/Shutterstock.com エニシダの剪定適期は6月中旬〜7月中旬です。花芽は7月下旬頃から形成されるので、タイミングを逃して遅い時期に切ると、来年の開花が望めなくなってしまいます。「剪定は花後すぐに行う」と覚えておくとよいでしょう。 エニシダは株立ち状で、地際から細めの枝を放射状に伸ばす樹形が特徴です。そこで、エニシダの剪定は「すかし剪定」を基本とします。古い枝や細くて弱々しい枝、生育の邪魔になっている枝を選び、枝の途中で切らずに分岐部まで遡るか、地際から切り取って整理しましょう。 冬越し xpixel/Shutterstock.com 【地植え】 エニシダは寒さに強いほうですが、寒さが厳しい地域では株元にワラやバークチップなどを厚めにマルチングしておくとよいでしょう。 【鉢植え】 寒い地域では寒風が吹きつける場所を避け、日当たりのよい日だまりなどに移動しておきます。 増やし方 エニシダは、挿し木や種まきで増やせます。ここでは、それぞれの方法について解説します。 【挿し木】 挿し木とは、枝葉を切り取って土に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、エニシダは挿し木で増やせます。 エニシダの挿し木の適期は、6月下旬〜7月上旬頃です。新しく伸びた枝を10cm以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。発根後は日当たり、風通しのよい場所に移動して育苗します。苗木の生育とともに鉢増しし、十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じクローンになることです。 【種まき】 エニシダの種まき適期は3月中旬〜下旬です。自家採種する場合は、10月頃に莢を採取して種子を取り出し、春まで保存しておきましょう。 黒ポットに新しい培養土を入れて十分に水で湿らせます。エニシダの種子を黒ポットに数粒播いて2〜3cm土をかぶせ、明るい日陰で管理。発芽した後は日当たりのよい場所に置きましょう。本葉が2〜3枚ついたら勢いのある苗を1本のみ残し、ほかは間引いて育苗します。ポットに根が回るまでに成長したら少し大きな鉢に植え替え、鉢増ししながら育苗します。苗木として十分な大きさに育ったら、植えたい場所に定植しましょう。 エニシダの栽培でよくある質問と回答 przemyslaw lesniarek/Shutterstock.com エニシダの栽培でよく寄せられる質問について回答します。 エニシダは毒性がありますか エニシダは全草にアルカロイド系のスパルテインなどの有毒成分を含んでいます。誤って口に入れると頭痛、嘔吐、血圧降下、呼吸困難を引き起こすとされているので、幼い子どもやペットのいる家庭では、誤食のないように取り扱ってください。 エニシダを「植えてはいけない」と言われる理由は? エニシダは寿命が短いことや、樹形が乱れやすく持て余しやすいこと、毒性があることなどが原因だとされています。しかし、適切な管理をすれば庭木として十分楽しめます。 エニシダが大きくなりすぎたのですがどうしたらいいですか エニシダは株元から多数の幹を出して成長するので、株幅が大きくなりやすい特性を持っています。茂りすぎると見映えがしないばかりか、風通しが悪いことで病害虫が発生するリスクも大きくなるので、適宜剪定をしてコンパクトにまとめましょう。古い枝や細い枝、風通しを悪くしている枝などを地際から切り取って、株幅を小さくします。 エニシダが枯れる原因は何ですか 水やりの過多・不足、日照不足、病害虫の発生などが考えられます。日当たり・風通しがよく、水はけのよい環境に植え付け、適した水管理が大切です。枝が込み合いすぎると病害虫が発生しやすくなるので、適宜透かし剪定を行い、風通しよく管理しましょう。 エニシダの輝く花を身近に愛でて、季節感を豊かに Kazakov Maksim/Shutterstock.com 輝くような黄色い花を咲かせるエニシダは甘い香りも魅力的で、人気の高い花木の一つです。株立ちの樹形を生かして、ボリューム感を出すこともできます。剪定で適した大きさにコントロールし、庭やベランダで美しい花姿を楽しんではいかがでしょうか。
-
雑草対策

見つけた雑草を逃さない! 4月下旬、伸び始めた草の「速効撃退」を目指す除草剤の賢い使い分け
4月下旬、ぐんぐん伸びる雑草はピンポイントで狙って枯らす 雑草がみっしりと生え始めた住宅周囲の犬走りのスペース。 夏が近づくにつれ、勢いを増す雑草たち。雑草対策の定番といえば、準備がいらない草むしりですが、むしってもむしっても1週間後には元通り……というしぶとい雑草による負のループに悩まされる方も多いことでしょう。特に、夏は雑草の勢いが強く、酷暑の中での草むしりは体への負担も大きいものです。 伸び始めた雑草にかけて除草ができる「草退治STRONGシリーズ シャワータイプ草退治ストロングシャワーGT」。 炎天下での草むしりを回避するために、まくだけで手軽に雑草対策ができる除草剤が頼れる相棒になります。すでに伸び始めた雑草には、雑草にかけることで直接攻撃できる「茎葉処理剤」というタイプがおすすめ! 主にシャワータイプや濃縮タイプなどの液体タイプの除草剤で、雑草の茎葉から有効成分が吸収され、素早く枯らす速効性の高さが特長です。この時期、まだ雑草が生い茂らないうちに使うことが、その効力を100%発揮させるコツ。雑草が伸び始めるいまが対処のベストタイミングです! 根までしっかり枯らしたい場所に! 一度まけば来年の春まで手入れ不要な「草退治STRONG」シリーズ 「草退治STRONG」シリーズ。粒タイプ、シャワータイプ、濃縮タイプが容量別にラインナップ。 除草剤には特徴ある多くの製品がありますが、中でも「二度と雑草が生えないでほしい」「雑草との戦いはもうたくさん!」という声に応えて開発された草退治シリーズ史上最強の除草剤が、KINCHO園芸の「草退治STRONG」シリーズ。粒タイプ、シャワータイプ、濃縮タイプが揃い、いずれも草退治シリーズの除草剤では、それぞれのタイプ内において効果の持続期間が最長。対応する雑草の種類も多く、一度散布すれば、最長1年間まきなおす必要なく長く雑草対策をしてくれるスグレモノです。 セイタカアワダチソウにシャワータイプの「草退治メガロングシャワーGT」を使用して約1カ月後の様子。根までしっかり枯れているのが分かります。 これだけ守れば安心! 「草退治STRONG」シリーズ使用の鉄則5箇条 ① 「絶対に生やしたくない」場所の最終兵器 コンパクトな容器ながら広い範囲をカバーできる濃縮タイプ「草退治メガロングFL」。 草退治シリーズ史上最強の「草退治STRONG」シリーズは、植物を徹底的に長く枯らすため、植栽予定地には使用できません※。ガーデンや家庭菜園で使いたい場合は、草退治セーフシリーズ シャワータイプ「グリーンスキットシャワー」など、植栽地に適した製品を選びましょう。 ※濃縮タイプ「草退治メガロングFL」は樹木の足元の下草除草には使用できます。 ② 傾斜地や強風時などはNG 傾斜地や強風時など、予定外の場所に流れてしまうような場所での使用は避けましょう。隣家の敷地や植栽帯の近くなど、近くに枯らしたくない植物がある場合も避けたほうが無難です。 ③ 散布後1日は立ち入り禁止 candysartistry、Jayzyeap/Shutterstock.com 子どもやペットがいる場合、除草剤の散布当日はまいた場所に立ち入らないように注意が必要。翌日以降は散布場所に入っても大丈夫です。また、作業する際は手袋・マスクを着用し、長袖・長ズボンで肌に付着しないような恰好で作業を。ラベルなどに記載の注意事項を守って安全に使用しましょう。 ④ 一度にまききらないのがコツ 「縦に散布」と「横に散布」を数回繰り返すのがコツ。 一度の作業で全部まこうとすると、途中で足りなくなったりムラができたりと失敗しがち。1回で終わらせたい気持ちを少し我慢し、縦横の往復を繰り返して散布することで、失敗なく均一にまくことができます。 ⑤ 「天気がいい日」がチャンス! ARNIK PRATAMA/Shutterstock.com シャワータイプ、濃縮タイプの除草剤は、どちらも雑草の茎葉から直接有効成分が吸収されることで枯れるため、薬剤が洗い流されてしまう雨の日に使っても十分な効果を発揮できません。少なくとも、散布当日は雨が降らない日に散布するのが、せっかくの作業をムダにしない秘訣です。 雑草が成長し始める4月下旬からは“液体タイプ”の「草退治メガロングシャワーGT」&「草退治メガロングFL」が特におすすめ! Boris_Kyiv/Shutterstock.com 「草退治STRONG」シリーズの中でも、雑草が伸び始めたこれからの季節に特に効果絶大なのが、茎葉から直接有効成分が浸透するシャワータイプの「草退治メガロングシャワーGT」と、薄めて使う濃縮タイプの「草退治メガロングFL」。粒タイプでは対応しにくいつる性の雑草や枯らしにくいドクダミにもしっかり対応します。 雑草が成長しすぎると効きにくいことがあるので、まだ小さなこの時期に対処するのが“雑草フリー”のポイント! 大きく成長した雑草がある場合、刈りはらってから使用するひと手間が除草剤の効果をぐっと高めます。 【シャワー vs 濃縮】あなたにピッタリなのはどっち? 失敗しない「除草剤」選び シャワータイプ「草退治メガロングシャワーGT」手軽さ&速効性抜群! 気づいた時にサッと使えて根までしっかり退治 サイズは2L、4.2L、ソフトパック入3Lの3サイズ。 キャップを開ければすぐに使えるシャワータイプは、圧倒的な手軽さがメリット。駐車場などはもちろん、玄関前や道路脇といった小さなスペースで使うにもぴったりです。最短翌日から効果が見え始める速効性に加え、散布後は成分が土壌に移行。「今ある草を枯らす」だけでなく「次の草を生やさない」ダブルの力で、最長11カ月の雑草フリーを実現します。 キャップを開けてすぐまける口付き容器。 計算された持ち手(グリップ)で、重たいボトルでもまきやすい。 枯らしにくいドクダミ・スギナ・ササ・ヤブガラシ・ゼニゴケなどに キャップを開けてそのまままくだけ! 使いやすい無臭タイプ 最速翌日から効き始め、最長11カ月雑草フリーに 1Lあたり最大100㎡をカバー 持ちやすいグリップの2L、徳用サイズの4.2L、ゴミが少ないエコなソフトパック3Lの3サイズ 濃縮タイプ「草退治メガロングFL」草退治シリーズ史上コスパ最強! 広い面積を一網打尽にしたいなら 必要な分量だけを希釈して使え、コンパクトサイズで収納や廃棄もラクラク。 濃縮タイプは希釈のひと手間が必要なので、手軽さではシャワータイプに劣りますが、自分で希釈して使う分、コストを抑えつつ広い面積全体をしっかりカバーできるコスパのよさが特長。小さな容器で広範囲をカバーするので持ち運びやすく、家から離れた広い空き地や駐車場などの雑草を一掃するのに最適です。 濃縮タイプは希釈して使用するため、たっぷり使えます。沈殿を防ぐため、計量は容器を振ってから。 ドクダミ・スギナ・ササ・クズ・ゼニゴケなどに 最速2~3日後に効き始め、最長9カ月効果が持続 樹木の足元の除草にも使える 250mL入りで最大2500㎡をカバー 希釈容器&散布容器(ジョウロなど)が必要。普段の水やり用とは別に用意を 近くに水道がある場所で使いやすい 4月下旬に雑草を撃退すれば、今年の夏はもう怖くない! Anastasija Vujic/Shutterstock.com 雑草の成長スピードが上がる4月下旬。はびこる前のこの時期に先手を打っておくことが、夏の“雑草退治タイム”を趣味や家族で過ごす楽しい時間に変える秘訣です。 今ある草を素早く枯らすだけでなく、その後の発生もしっかり抑えてくれる「草退治STRONG」シリーズなら、何度も繰り返していた面倒な草むしりからあなたを解放してくれます。 手軽に今すぐ始めたいなら「シャワータイプ」 広い範囲をまとめてお得に管理したいなら「濃縮タイプ」 庭の広さやライフスタイルに合わせて最適な1本を選び、今年は雑草知らずの状態をキープし、「雑草に振り回されない夏」を手に入れませんか? 今なら購入者限定でキャンペーン実施中! 現在、KINCHO園芸では「草退治STRONG」シリーズの購入レシートによる応募で旅行カタログやリカバリーウェアが当たるキャンペーンを実施中! ぜひこの機会にご応募ください。 対象商品:「草退治STRONG」シリーズ全商品 応募期間:2026/3/1(日)~2026/6/7(日) ※レシート対象期間は5/31(日)まで 散布場所のBefore/Afterの写真応募で当選確率UP! △効果は環境により異なります。
-
ガーデン&ショップ

特別な時間を過ごせる英国式庭園「横浜イングリッシュガーデン」 ローズ・フェスティバル開催
横浜イングリッシュガーデンが「一年で最も美しい季節」到来 入口からおよそ50mにわたりバラを這わせた大型アーチが連なる「ローズ・トンネル」。淡いピンクの‘マニントン・マウブ・ランブラー’やサーモンピンクの‘フランソワ・ジュランヴィル’、紫の‘アイヴァンホー’などが頭上を埋め尽くします。写真は、昨年5月中旬の様子。現在の庭の様子やバラの開花状況は、InstagramやHPでご確認ください。 4月中旬から日々花開くバラが増えている「横浜イングリッシュガーデン」に、一年で最も美しい季節がやってきました! 園内に一歩足を踏み入れれば、目の前には無数のバラが大アーチを縁取る、夢のようなローズトンネルが皆さまをお迎えします。そして右に進めば、ワインレッドやパープル、ダークレッドのバラとクレマチスが混ざり咲き、足元にはブロンズリーフの植物がコラボするシックな印象の「ローズ&クレマチスガーデン」です。 2026年横浜イングリッシュガーデン バラの開花予想 2026年4月22日見頃となった‘エンジェル・フェイス’。周囲の株は、つぼみがいっぱい! 3月下旬に‘カナリーバード’の開花から始まり、‘リージャン・ロード・クライマー’などの極早生品種に続けて、早生品種の‘アイズ・フォー・ユー’や‘禅’などのバラが続々と咲き継ぐ園内は、バラに彩られるエリアばかり。今年のバラの開花は、例年より早いペースとなる見込みで、5月のゴールデンウィーク後半~明けてすぐ頃が園内全体の最盛期を迎えそうです(ローズトンネルは、連休明け位からが見頃の予想です)。*現在の庭の様子やバラの開花状況は、InstagramやHPでご確認ください。 「ローズ&クレマチスガーデン」に植栽されている多くのバラは、素晴らしいダマスク香を放ちます。 ‘ラプソディー・イン・ブルー’や‘ベルベティ・トワイライト’、‘真夜’……。ぜひ豊かな香りを確かめて。 圧倒的な花に包まれて時間を忘れる癒やしの庭 枝垂れるように仕立てられた‘プレッツァ’やアーチ仕立ての‘マリー・キュリー IYC2011’をはじめ、‘パーパ・ジョン・ポールⅡ’、‘プリンセス・オブ・ウェールズ’、‘アイズバーグ’、‘グラミス・キャッスル’など多数の白バラを主役に、白色の宿根草、白斑入りの植物を組み合わせた「ローズ&ペレニアルガーデン」。白花に囲まれるホワイトガーデンが時を忘れさせてくれます。 さらに先へ進み、アーチを抜けると、白バラが眩しく輝く別世界に迷い込んだり……。どこも見渡す限りバラが咲き、贅沢な時間が過ごせるガーデンです。 この季節は、バラだけでなく株元に茂る宿根草などの草花も美しい花々を咲かせています。バラに寄り添うように咲くオルレア、思わず触りたくなるふわふわなラグラスの穂、風に揺れるたおやかなアグロステンマ、お互いを引き立て合うクレマチスの花々……。バラの開花とぴったり合う草花が選ばれており、庭づくりのヒントもいっぱい見つかります。 世界最高水準の管理下で育つバラたち 「横浜イングリッシュガーデン」に咲くバラは、約2,200品種 2,800株に上り、国内外でも屈指のコレクション数を誇ります。今では希少な古い品種をはじめ、よそでは見ることができない国産品種、さらには最新の品種まで多彩なセレクション。これら多くのバラたちを最高のパフォーマンスで咲かせるには、管理のテクニックが必要です。 スーパーバイザーの河合伸志さん率いる「横浜イングリッシュガーデン」のガーデナーたちによるバラの管理水準の高さは、世界的にもトップクラスと評され、海外の専門家が見ても驚くようなレベル。最高品質のバラが、それぞれの品種本来の特性を発揮し、景色として楽しめるだけでなく、一つひとつの品種をじっくり観賞できるのも、この庭の大きな特徴です。 情熱的な赤いバラが主役のエリア「ときめきガーデン」。 通常閉じられている「ときめきガーデン」がバラの時期限定でオープン。ときめく縁結びのガーデンになればと願いを込めてつくられた、情熱的な赤いバラが主役のエリアです。‘恋心’や‘ラスティング・ラブ’など、恋愛にまつわるバラが多数植えられています。思い出に残るデートスポットとしておすすめです。 バラの時期限定「早朝プレミアム開園」のお楽しみも! 例年好評の「早朝プレミアム開園」も開催します。時に露をまとい、シャキッとした新鮮な朝のバラは、ひと際美しい表情を見せます。また品種によっては、朝と日中では異なる印象の香りを放つ花があります。じっくりとバラの聞香をするのも通の楽しみ方。 朝の光は日中の光に比べると写真撮影に適していて、混み合わない早朝プレミアム開園タイムのみ三脚の使用も可能です。美しい写真をカメラに収めたい方には見逃せない期間、ぜひ早起きをして出かけましょう。 「早朝プレミアム開園」の開催は、4/25(土)~5/17(日)の期間限定で、通常の開園時間より2時間早く入園いただけます。朝8:00開園~9:30受付終了(10:00より通常開園)。料金は、大人2,600円/小中学生1,300円(通常入園料+「早朝プレミアム開園」イベント料金(大人800円/小中学生400円)年間会員は無料。 ※10時より通常開園となります(9:30~10:00の時間帯にはご入園いただけません)。「早朝プレミアム開園」にご入園された方は、そのまま通常営業時間帯もご滞在いただけます。 ●「早朝プレミアム開園」のチケット販売は、事前予約(電子チケット)のみとなります。当園窓口での当日入園券の販売はございません。電子チケット(楽天・アソビュー・じゃらん)のみ販売です。コチラから購入いただけます。 <特別展示>Imperial Roses 〜皇室ゆかりのバラ展示〜 4/23より開花期間中、ガーデン出口付近「ヨコハマくらし館」入り口横に展示いたします。2022年の展示の様子。 例年人気の企画、皇室に由来するバラ「エンペラーズ・ローズ」が、本年も期間限定で展示します。美智子上皇后のバラ‘プリンセス・ミチコ’と‘エンプレス・ミチコ’、‘プリンセス・アイコ’など、全12品種の展示を今年は、ガーデン出口付近「ヨコハマくらし館」入り口横に展示。豪華な花々を一堂に観賞できる貴重なこの機会をお見逃しなく。 上段左から/‘ハイネス・雅’、‘ハイネス・愛’、‘プリンセス・アイコ’、‘プリンセス・ヒサコ’ 中段左から/‘プリンセス・サヤコ’、‘プリンセス・チチブ、‘プリンセス・ミチコ’、’プリンセス・ミカサ’ 下段左から/’プリンセス・ナガコ’、‘エンプレス・ミチコ’、‘プリンセス・ハナコ’、‘プリンセス・タカマツ’。ガーデン出口を出て右手奥「ヨコハマくらし館」入り口付近に開花期間中展示されます。 園内でお気に入りの香りを探そう! 豊潤な香りはバラの醍醐味 芝生エリアに植るブルガリアンローズ。昨年より枝数も増え、今年も開花が始まっています。顔を近づけて芳醇な香りを確かめよう! 2023年に駐日ブルガリア共和国大使館より譲り受けた「ブルガリアンローズ」は、香りのバラの代表ともいうべき存在であり、最も上質な香りのバラの一つです。その香りは、華やかでいわゆるバラらしい香り。花に顔を近づけて香りを深く吸い込めば、体全体がバラに包まれたかのよう。人々を幸福にするバラの香りに見せられて、バラの虜になる人も多くいます。横浜イングリッシュガーデンに咲くバラのなかにも、香りがよい品種が数々あり、咲き立ての香りを自由に味わえます。ぜひ、お気に入りのバラの香りを見つけてください。 スーパーバイザー河合伸志が選ぶ「横浜イングリッシュガーデン」に咲く香りのバラ5選 芳純(ほうじゅん) モダン・ローズで最もよい香りのバラの一つとされ、その名の通り豊潤なローズの香りがあり、同時に爽やかさも奥底に感じられる。化粧品会社によってこの香りをイメージした商品が誕生している。 アンブリッジ・ローズ 柔らかな色彩に豊満な印象のカップ咲きの花には、強いアニス(ハーブの一種)のような香りがある。やや薬臭い印象の個性的な香りのため、好き嫌いがはっきりと分かれる。 シルバー・シャドウズ グレーの陰影を感じる薄紫の花には、甘さと爽やかさを兼ね備えた香りがある。目を瞑りその香りを深く吸い込むと、新緑の森の中にたたずんでいるかのように思えてくる。 アンヌ=マリ・ドゥ・モランヴィル パールのような小さな花には不思議な香りがある。香りの研究者いわく「カメムシの香り」とのこと。怖い物見たさで、ぜひ嗅いでみるのも一興。まさかバラにこんな香りがあるとはと驚くかもしれない。 ドゥフトボルケ ボリュームのある大きな花には、熱帯の果実を思わすような濃厚な香りがあり、その強さに思わず頭がくらくらしそうになる。古くより香りの名花として知られる品種で、品種名は「香りの雲」の意味。 何度も訪れたくなるバラの開花リレー 淡いピンクやモーヴカラーのバラを主役に、ピンク、青、紫などのハーブ類、ライムリーフの植物などを組み合わせた明るい色相の「ローズ&ハーブガーデン」。 2026年の横浜イングリッシュガーデンでは、3月下旬に極早生のバラが咲き始めました。今年のバラの開花は例年より早いペースとなる見込みで、5月のゴールデンウィーク後半~明け頃より全体の最盛期を迎える予想です。ゴールデンウィーク前後は気温がまださほど高くないため、花色がしっかりと発色し、また最も力のある房の中央のつぼみが開く時期。一輪の花をじっくり眺めたり、クローズアップして写真を撮るのに最適なタイミングです。 毎年、新しいバラが追加植栽され、進化した景色が楽しめます。左は、ホルトノキに10株のつるバラ‘ローゼンホルム’を絡め、所々にクレマチスやホタルブクロも競演するバラのシーズンのフィナーレを飾る演出♪ 右は、ローズトンネルの最後のバラと‘ローゼンホルム’の壁、アジサイディスプレイが同時に楽しめました(2025年5月下旬)。 5月下旬になると最晩生のバラが咲き始めます。この頃にはローズトンネルの突き当たりにピンクのバラの壁が現れ、池の脇には赤いバラの柱が出現。8mの高木に絡むバラや白花がふわりと咲くアーチなど、訪れる度に景色が変化し、見どころが絶えません。そして同時期に、庭の主役の座はそっとアジサイたちに引き継がれ、季節は巡ります。バラとアジサイが一緒に楽しめる貴重な時期もお見逃しなく。 バラ満開の園内で優雅な時間を過ごそう 約2,200品種 2,800株のバラが咲く「横浜イングリッシュガーデン」に一歩入れば、そこは非日常の癒やしの空間。咲き立てのバラの香りを嗅いだり、日に照らされて輝く花々に出会った感動を写真に撮ったり、木陰のベンチで家族や友人、恋人と語らったり……。一年で最も美しいガーデンで、ぜひ今年一番の素敵な思い出を作ってください。 日が傾く夕方も庭散策におすすめの時間帯です。ベンチに腰掛け、バラ咲く風景を存分に眺める贅沢な時間をお過ごしください。 ‘バラの国’ブルガリアの魅力を知る2日間!「ブリガリア・フェア」※会期は終りました 左・中/香料を取るためにブルガリアで古くより栽培されている本家本元のブルガリアン・ローズ(写真は今年4月22日の様子)。駐日ブルガリア共和国大使館マリエタ・アラバジエヴァ大使を通し、ブルガリア国立バラ研究所から寄贈された貴重な1株が横浜イングリッシュガーデンに植樹されています。右/4月28日(火)15:30(予定)から、駐日ブルガリア共和国大使のお名前にちなみ命名されたバラ「Marieta」(マリエタ)の記念植式を、「ローズ&シュラブガーデン」芝地にて行います。 2023年、駐日ブルガリア大使館より寄贈された「ブルガリアン・ローズ(ロサ・ダマスケナ、トリギンティペタラ、カザンラク)」の株が植樹されて4年目を迎える今年は、4/28(火)・29(水祝)に「ブルガリア・フェア」を開催! 駐日ブルガリア共和国大使館の後援により、見て・聞いて・食べて・買って、ブルガリアを満喫できる貴重な2日間です。ぜひ横浜イングリッシュガーデンで、ブルガリアを旅する気分で体験してください。 ブルガリアン・ローズが植る芝生のエリアでは、ブルガリアの民族衣装をまとったダンサーが「ブルガリア・フォークダンス」を披露するほか、ブルガリアの魅力を紹介する講演会、伝統的なブルガリア刺繍のワークショップなど、‘バラの国’ブルガリアの魅力を堪能するイベントです。併設の「YEG Original SHOP」では、ブルガリアンローズを用いたジャムやエリキシール、フレグランスなどのブルガリアン関連雑貨を販売するほか、エントランス付近では、ブルガリア産ワインやブルガリア伝統陶器、ブルガリアの魅力が詰まった書籍の出張販売、ブルガリア料理のキッチンカーもやって来ます! 併せてお楽しみください。 2023年に初開催となった「ブルガリア・フェア」イベント報告記事はこちら『至高のバラ「ブルガリアン・ローズ」が横浜イングリッシュガーデンに登場』 民族衣装をまとったダンサーが「ブルガリア・フォークダンス」を披露 園内「ローズ&シュラブガーデン」芝生エリアにて、色鮮やかな民族衣装をまとったダンサーが軽快なリズムと華麗なステップの「ブルガリア・フォークダンス」を披露します。日時:4/28(火) 11:00、13:00、14:00頃予定 4/29(水祝) 11:00、13:00、14:00、15:00頃予定 4/28(火)13:30〜 「バラの国の歴史・文化を紐解く〜『日本とブルガリア 交流の歴史』〜」 さまざまな魅力を持つバラの国・ブルガリアの知られざる文化やその歴史、日本との関わりなどについて、駐日ブルガリア共和国大使館 文化部 コストヴァ・イリヤナ氏が講演する貴重な機会。 *参加費無料。横浜イングリッシュガーデンに隣接する「ヨコハマくらし館」イベントスペースにて座席数20席ほどで行います。 ブルガリア刺繍のワークショップや民族衣装・パネル展示ほか ◾️美しい色と伝統的な模様のブルガリア刺繍を体験していただけるワークショップを開催します。講師:山美イレン氏(エンブロダリスタジオ羅美那)日時:4/28(火)・29(水祝)各日2回 11:00〜12:00/13:00〜14:00場所:「ヨコハマくらし館」イベントスペース参加費:500円(税込)*事前予約制(4/14より予約受付開始) tel.0120-1849-29までお電話にてご予約ください。◾️ブルガリア語で使用される文字「キリル文字」のスタンプを作って自分の名前を表してみよう!日時:4/28(火)・29(水祝)*予約不要・参加自由場所:「ヨコハマくらし館」イベントスペース *ヨコハマくらし館イベントスペースでは、ブルガリアの歴史や文化を紹介する展示パネルやブルガリアの民族衣装の展示もお見逃しなく。
-
樹木

今が一番美しい!「藤の花」の見頃時期と自宅で育てるための豆知識と種類まとめ
藤(フジ)の基本情報 Marina Andrejchenko/Shutterstock.com 植物名:フジ学名:Wisteria floribunda英名:Japanese wisteria和名:藤その他の名前:ノダフジ科名:マメ科属名:フジ属原産地:日本形態:落葉性つる植物 藤はマメ科フジ属に分類される植物で、学名は Wisteria floribundaです。英語での名前はJapanese wisteriaで、日本原産の落葉つる性木本です。 花は蝶のような小花が房状に垂れ下げるように咲きます。つる植物である特性を生かして、公園や観光地などで日除けのために藤棚が作られることが多い植物です。 藤(フジ)の花や葉の特徴 MartinKr/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:4月下旬~5月中旬樹高: 50cm〜10m以上耐寒性:普通耐暑性:普通花色:紫、白、ピンク、黄 藤の花の花序は約100cm。花をよく見ると、上に1枚、下に4枚の花弁がついている蝶形花と呼ばれる形をしています。中央から下に向かっておしべとめしべがついており、下の花弁から顔をのぞかせています。 葉は先が尖った楕円形をしており、左右対称に並んでいる奇数羽状複葉です。一般的に緑一色ですが、品種によっては黄色の斑が入っているものもあります。 藤(フジ)の名前の由来や花言葉、贈るときの注意点 Ursula Page/Shutterstock.com フジの名前の由来には諸説ありますが、多くはその見た目を指す言葉が変化したというものです。たとえば、花が風に吹かれて舞い散る様子から「吹き散る」が変化して「ふじ」となったという説や、花穂が垂れる様子をあらわした房垂花(ふさたりはな)が変化したという説が有名です。また、茎に節があることから「ふし」と呼ばれ「ふじ」に変化したという説もあります。 フジの用途を名前の由来とする説もあります。フジのつるが鞭の材料であったことから「ムチ」「ブチ」が変化したという説、つるの皮を加工して布を織る際に使用したことから「綜打ち(ふうち)」が変化したという説などが代表的です。 なお、学名・英名のWisteriaはアメリカ人の医師Caspar Wisteriaが由来だとされています。 Inna Giliarova/Shutterstock.com 藤の花言葉は「優しさ」「歓迎」「決して離れない」「恋に酔う」「忠実な」など。藤の花は女性を象徴する花とされてきたため、女性らしい言葉が多くなっています。日本ではかつて藤を女性、松を男性に見立てて、2つを並べて植える風習もありました。 見た目の美しさから贈り物にもぴったりの藤の花は、「ふじ」という音の響きが「不死」を連想させて縁起もよいとされています。しかし、「不治の病」を連想させることもあるため、病気の方への贈り物にはあまり好ましくないともいわれています。 紫だけじゃない! 藤(フジ)の花色 Aleksandra_Iarosh/Shutterstock.com 藤の花といえば紫色を思い浮かべる方が多いと思いますが、じつは他にもさまざまな花色があり、淡い紫や淡い赤紫、ピンク、淡いピンク、白、黄などが知られています。色によって花言葉が異なり、紫では「君の愛に酔う」、白色では「可憐」などがあります。 花全体は白色で、花弁の先端のみが淡い紅色に染まっているアケボノフジも、よく知られている園芸品種です。花色の濃い部分が紅を差した唇のように見えることから、口紅藤とも呼ばれています。 ノダナガフジは淡い紫色と濃い紫色の2色で構成されている花です。フジのなかでも花穂が長く、濃淡のある紫色の花が垂れ下がる姿には迫力があります。 藤(フジ)の花が見頃を迎える季節 segawa7/Shutterstock.com 藤の花の開花時期は、4~5月。最も見頃となるのは5月で、ゴールデンウィークには各所で藤まつりなどが開催されます。 色によって若干開花時期が異なり、薄紅、紫、白、黄の順に開花していきます。 同じ頃にはツツジやシャクナゲなども見頃を迎えます。 藤(フジ)の花の代表的な種類 Gringoann/Shutterstock.com じつは藤にはさまざまな種類があります。 ここからは藤の代表的な品種についてご紹介します。 ヤマフジ(山藤) KO-TORI/Shutterstock.com ヤマフジは日本原産の藤で、本州や四国、九州に自生しています。 花序と呼ばれる房状の花の部分は10~20cm、木の全長は20mを超すほどの大きさになります。つるが右肩上がりの右巻きになっているところで、後述のノダフジと見分けられます。 ノダフジ(野田藤) nnattalli/Shutterstock.com ノダフジは日本原産の藤で、本州を中心に山野に自生しています。 花序は30~60cmでヤマフジよりもやや長く、木の全長はヤマフジと同じく20mを超すほどの大きさになります。つるはヤマフジとは逆の、左肩上がりの左巻きです。 シナフジ(支那藤) Paolo Bona/Shutterstock.com シナフジは中国原産の藤で、中国では「紫藤」と呼ばれています。花序は15~30cm、全長は10~20mになります。シナフジは別名ニオイフジとも呼ばれ、バニラのような甘い香りがあるのが特徴です。 アメリカフジ MaryAnne Campbell/Shutterstock.com アメリカフジはアメリカ原産の藤です。花序は10cm程度、全長も5m未満と、他の藤と比較すると小ぶりなのが特徴です。つるがそれほど長く伸びないので、棚づくりにせずー般的な樹木のような育て方もできます。 藤(フジ)を自宅で育てることはできる? Sally B/Shutterstock.com 花が頭上から降り注ぐような、美しい藤の花を自宅で楽しみたいと考えている方も多いのではないでしょうか。 じつは藤棚を作るスペースがなくても、鉢植えや庭植えで育てることができます。鉢植えのほうが根の成長が制限されて花つきがよくなり、何もしなくても咲くといわれるほど育てやすいのが藤の特徴です。盆栽仕立てにして楽しむこともできます。 藤(フジ)の栽培12カ月カレンダー 開花時期:4月下旬~5月中旬植え替え適期:2~4月肥料:1月下旬~2月、5月中旬~6月上旬植え付け:2~4月 藤(フジ)の栽培環境 nnattalli/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 藤は日当たりのよい場所を好む植物です。日なた~半日陰に置いて、十分に日を当てながら育てましょう。 植える場所は水はけがよく、適度に土の湿度が保たれる場所がよいでしょう。土が乾燥すると生育に悪影響が及ぶので注意が必要です。 耐寒性・耐暑性 ある程度の耐暑性、耐寒性があります。成長期にあたる夏は、高い気温で土壌が乾燥し、水切れしやすいので気を付けましょう。 冬は休眠期に入り落葉しますが、基本的に冬越しは必要ありません。 藤(フジ)の育て方のポイント では、藤の花を自宅で咲かせるにはどのように育てればよいのでしょうか。 藤の花は、ポイントを押さえれば綺麗に咲かせることができます。ここからは藤の花を育てる方法について、詳しく解説します。 用土 Piyaset/Shutterstock.com 用土は、水はけがよく適度に保水性を有したものが適しています。 市販品なら園芸用培養土で問題ありません。自作する場合は、赤玉土と腐葉土を7:3で配合しましょう。 地植えする場合は、土を手で軽く握って土壌チェックを行います。手を開いても土が崩れず、指でつつくと崩れる程度がちょうどよいバランスです。 手を開いたときに土が崩れる場合は乾燥しすぎなので、保水性の高い黒土などを混ぜ込みましょう。指でつついても土が崩れない場合は水はけが悪いので、川砂などで調節します。 水やり ITP Media/Shutterstock.com 生育や花付きを悪くしないために、水切れしないよう注意が必要です。鉢植えの場合は土の表面が乾いてからたっぷりと水やりをします。目安として春や秋は1~2日に1回、夏は1日に1~2回、冬は土が乾いたら水やりをしましょう。 肥料 Singkham/Shutterstock.com 肥料は、株の周りに施肥のための溝を掘り、冬には寒肥として堆肥などの有機物に草木灰を混ぜたものを施します。花後にはお礼肥として同じように施肥溝を作り、油かすなどを施します。 注意する病害虫 Decha Thapanya/Shutterstock.com 【病気】 藤に発生しやすい病気は、斑点病やさび病、こぶ病(がんしゅ病)などがあります。 斑点病は葉に茶色っぽい斑点が出る病気です。さび病はカビの仲間で、金属に発生するさびのような物体が葉につきます。 こぶ病(がんしゅ病)は幹や枝にこぶのような突起ができる病気です。接ぎ木をした部分に発生することもあります。 いずれも風通しが悪いことが発生の原因になるので、生育環境に注意しましょう。 【害虫】 藤につきやすい害虫は、カイガラムシやカメムシ、フジノキクイムシ、マメコガネ、マメドクガなど。 カイガラムシやカメムシは葉や茎について、樹液を吸って植物を弱らせます。フジノキクイムシは幹を、マメコガネやマメドクガは葉をかじる害虫です。 藤(フジ)の詳しい育て方 苗の選び方 苗を選ぶ際に大切なのは、どのように増やした苗かという点です。フジの苗には種から育てた実生苗と、接ぎ木から育てた接ぎ木苗があります。 藤は成長がゆっくりで、芽吹いてから花をつけるまでにかなりの年数を要する植物です。そのため、成熟した木の枝から枝を採った接ぎ木苗の方が花つきや成長が早く、早く開花を楽しめます。 花色や花の咲き方、樹形なども品種によって異なるので、好みのものを選びましょう。 植え付け・植え替え Susan Law Cain/Shutterstock.com 藤は種子と苗から育てられますが、新品種を作るのでない限り、種子からはまず育てません。花が咲くまでに早くて3年はかかるからです。通常は育てやすく、早く花を楽しめる苗から育てます。 苗を植える場合、植え付けの適期は11~3月です。鉢植えでも地植えでも育てられますが、地植えの場合は日当たりのよい場所を選びましょう。 鉢植えの場合、植え付け後は2~3年に1度植え替えをします。 仕立て方 nnattalli/Shutterstock.com 藤の仕立て方はさまざまな種類があります。 王道なのは藤棚です。地植えのフジをネットや紐などで誘引し、藤棚の天井に達するまで伸ばします。その後は自然と藤棚につるが広がるのにまかせましょう。 ネットや木製のトレリスを設置した壁に這わせる壁面仕立てもあります。一見立ち木のようにも見える、おしゃれな仕立て方です。 途中まで支柱を立てて、つるが木の幹のようにしっかりとしてきたら支柱を外せば、立木仕立てになります。 鉢植えの場合も同様です。支柱や紐に這わせたり、立木仕立てにしたりして楽しめます。 日常のお手入れ 花が咲き終わった後は、花がら摘みを行いましょう。そのままにしておくと実をつけるため、エネルギーを消耗して株が弱ってしまいます。 株を元気なまま保ち、次の開花期にもたくさん花をつけるためには、こまめな花がら摘みが大切です。 剪定・切り戻し Richard Griffin/Shutterstock.com フジは初夏の花後と冬の落葉後に剪定が必要です。つるがどんどん伸びていくため、剪定せずそのままにしてしまうと幹に日が当たらず、花が咲かなくなってしまいます。 初夏の花後剪定では、混み合っている不要な枝や、伸びすぎた枝の先端を切ります。この際、花房の付け根から2cmほどの茎を残すか、2~3つの芽を残しておくと花つきが良くなります。葉は残しておきましょう。 冬の剪定では、花芽がついていない不要な枝や、枯れた枝、伸びすぎた枝、内向きに生えている枝などを切ります。長さを調節する選定では、1本の枝につき3~5つほどの花芽を残しておきましょう。根元から生えている「ひこばえ」も剪定します。 初夏の花後剪定から冬の剪定までの間は、一切剪定をしません。つるが邪魔になった場合は、つるを巻いてまとめておきましょう。 増やし方 Maverick76/Shutterstock.com 藤は挿し木や接ぎ木で増やすことができます。 挿し木や接ぎ木には春の3~4月か、秋の9月頃が適しています。 挿し木の場合は、太くて元気のよい枝を15~20cm切り取って挿し穂とします。植えてから1カ月ほどで発根するので、根が育ったら鉢上げ、または定植しましょう。 接ぎ木は種子から2~3年育てた藤の苗を台木として行いますが、さまざまな技術が必要なので、一般家庭ではあまり行われない方法です。 藤(フジ)の花の名所 境内に50株以上の藤が咲く「亀戸天神社」。kavram/Shutterstock.com 藤の花の名所は日本各地にあります。代表的な名所には次のような場所があります。 藤島体育館周辺(山形県・鶴岡市) あしかがフラワーパーク(栃木県・足利市) 亀戸天神社(東京都・江東区) 岡崎城公園(愛知県・岡崎市) 平等院 鳳凰堂(京都府・京都市) 才ノ神の藤(京都府・福知山市) 春日大社 萬葉植物園(奈良県・奈良市) 白毫寺(兵庫県・丹波市) 藤公園(岡山県・和気町) 和気公園(鹿児島県・霧島市) など。 世界遺産「平等院」の藤棚。ryota.www/Shutterstock.com 規模の大きさや花の美しさ、歴史の長さなど、それぞれに魅力があります。藤の花が咲く頃に、ぜひ足を運んでみましょう。 名所の感動をあなたのお家にも。意外とカンタンな藤(フジ)の栽培に挑戦しよう CrispyPork/Shutterstock.com 4〜5月にかけて見頃を迎える藤の花。全国各地の名所で、頭上から降り注ぐような満開の藤棚を見上げるのは素晴らしい体験です。その幻想的な美しさを、ご自宅で身近に楽しめたらもっと素敵だと思いませんか? 「大きな藤棚を作るスペースがない…」と諦める必要はありません。藤は鉢植えでも十分に育てることができ、むしろ鉢植えの方が根の成長が制限されて花つきがよくなるため、初心者でも育てやすい植物です。日当たりの良い場所に置き、水切れに注意しながら適切な剪定を行えば、毎年美しい花を咲かせてくれます。 今年の春は名所へ出かけて藤の魅力に触れるとともに、ぜひご自宅のベランダや庭に藤の苗を迎えて、あなただけの可憐な花を育ててみてくださいね。
-
樹木

【今が植え時】日陰でも育つ? 庭の主役にしたい「西洋アジサイ&アナベル」正しい選び方と育て方
季節の変わり目を華やかに伝える花、アジサイ Photo/Julia Lototskaya/Shutterstock.com 庭の植物たちが一斉に目を覚ます季節がやってきました。バラも咲き始め、庭の彩りが増えるこの時期に、ぜひ栽培の準備を始めたいのが、初夏の主役花「アジサイ」です。 しとしとと降る雨の中、青やピンクの花を咲かせるアジサイ(Hydrangea)は、梅雨の季節の風物詩。かつては「雨の中に咲く控えめな花」という印象が強かったアジサイですが、近年の品種改良は目覚ましく、バラのように華やかな八重咲きや、アンティークな色合いに変化するものなど、そのバリエーションは驚くほど豊かになっています。 日本古来の奥ゆかしさを湛える「ガクアジサイ(Hydrangea macrophylla f. normalis)」、手まり状のボリュームが愛らしい「西洋アジサイ(Hydrangea macrophylla)」、円錐形の花を咲かせる「ノリウツギ(Hydrangea paniculata)」の仲間。それぞれの個性に合わせて場所を選んだり、鉢植えでコンパクトに仕立てたりと、日本の住環境に寄り添ってくれる育てやすさも人気の秘密です。 地植えはもちろん鉢植えでも楽しめて、近年では母の日のプレゼントとしてもカーネーションに次ぐ人気の鉢花となっています。 植える場所で色が変わる? 知っておきたいアジサイの特性 Photo/Marina Andrijchenko/Shutterstock.com アジサイといえば、大きな特徴の一つが、土壌の酸性度による色変わり。酸性の土壌では青い花を、アルカリ性の土壌ではピンクの花を咲かせます。これは、花の持つアントシアニンという色素と、土壌に含まれるアルミニウムの作用によるものだそう。酸性土壌ではアルミニウムが溶け出して根から吸収されやすくなり、アントシアニンと結合して青色を発色、アルカリ性土壌ではアルミニウムが溶け出しにくくなるため、花弁のアントシアニンは赤色を発色します。 Photo/hasetetsu/Shutterstock.com 土壌の酸性度と花色との関連は品種によっても異なり、アントシアニンを持たない白花品種のアメリカアジサイ‘アナベル’などは常に白い花を咲かせますし、土壌に関係なくきれいに発色する品種もありますが、花色と異なる色を発色させる土壌に植えると、紫色に近い色合いになることがほとんどです。ちなみに、雨は弱酸性のため、雨が多い日本の土壌は弱酸性の場所が多く、日本で見られるアジサイは青系のものが多いのだそうですよ。 ヨーロッパに渡って生まれた西洋アジサイ Photo/DenisProduction.com/Shutterstock.com 日本に自生するアジサイは、古くは万葉集にも見られますが、書物への登場は意外と少ない花。食用にも薬用にもならず、場所によって花の色が変化する様子から「化け花」「七変化」などと呼ばれ、移り気でネガティブなイメージを持たれていた時代もあったようです。そんなアジサイでしたが、日本を訪れた外国人にとっては魅力的な花であり、オランダ人医師のシーボルトをはじめ、多くの西洋人が日本のアジサイをヨーロッパへ紹介しました。西洋で改良の進んだアジサイは、西洋アジサイとして日本に逆輸入され、現在ではガーデンプランツとして広く人気を博しています。 西洋アジサイと‘アナベル’の異なる特徴 Bloodberry/vm2002/shutterstock.com アントシアニンを持たない‘アナベルは’、北アメリカ原産のアジサイ。別名アメリカアジサイとも呼ばれる、アメリカノリノキ(Hydrangea arborescens)の園芸品種です。姿も西洋アジサイとは異なり直立性の低木で、風にそよぐ草姿も魅力。また、花言葉も異なり、アナベルの花言葉は「ひたむきな愛」「辛抱強い愛情」。アナベルは、愛を伝えるのにもぴったりな花です。 さらには、‘アナベル’は他のアジサイと比べて水分が少ないため、花を摘み取らずそのままにしておくと純白からセピア色へと変わり、天然のドライフラワーになります。自分で育てていれば、剪定時期を気にせず好きなタイミングで花を摘み取れるため、好きなだけ部屋に飾ったり、押し花やプリザーブドフラワーなどのクラフトワークを楽しむのにも最高の素材です。 切り花を都度買い求めなくても、手軽にいつでも摘んで使うことができます。 色変わりが美しい‘アナベル’6選 アナベルには、やさしいピンク色に染まる品種も最近登場しています。純白の花を咲かせるアナベルを隣に植えれば、淡いピンクが混在するやさしいグラデーションとなって、とても美しく、そのコントラストは見事の一言。すでに基本種のアナベルを育てている人にも、ぜひ仲間に加えてほしいおすすめ品種をご紹介します。 ピコティ・シャルマン 咲き始めの淡いグリーンから、白へと変化しながら徐々にピンクが現れてくる、色変わりが楽しめる品種。ピンク系アナベルには珍しく、大輪の花を咲かせます。 ル・マニフィーク ライムグリーンの花が咲き進むと、まるで桜のように、ほんのりピンク色に色づくピンク系アナベル。可愛いパウダーピンクは、主張しすぎずナチュラルな庭にもぴったり。 ル・パルフェ 咲き始めのソフトピンクから、セピアがかったアンティークカラーへと変化していきます。春の新芽から出た脇芽にも花が咲く嬉しい特徴も。とても長く観賞できます。 光(キラリ) 「光(キラリ)」は従来種のアナベルよりも新芽に花芽がつきやすいタイプで、草姿もコンパクトで扱いやすいのが特徴です。 まだ流通が少ない希少品種です。 ミニルビー アメリカアジサイの中で、最も濃い赤色の花が咲く品種です。つぼみは濃い赤紫色で、明るい赤とシルバーピンクのバイカラーの花が美しく、濃く深い緑葉とのコントラストが魅力です。花色は咲き進むと、グリーンへと変化します。Bronze Medal, Plantarium 2016 、Green Thumb award, Direct Gardening Association 受賞品種です。 ミディライム 青々とした緑色の花を咲かせ、丸みを帯びたコンパクトな樹形と濃い緑色の葉が大変美しいアジサイです。花色はライムグリーンからグリーンがかった白色になり、その後またグリーン色へ変化します。 世界基準の育てやすさ「PW」ブランドのノリウツギ ノリウツギ4種。左上から時計回りに、「ミニホイップ」「ミニファイヤーライト」「グランデライムパンチ」「マキシファイヤーライト」。 多種多様なアジサイの中でも、少し変わった魅力で注目を集めているのが「ノリウツギ(ピラミッドアジサイ)」です。一見すると別種のように見え、名前もアジサイとついていませんが、じつは日本にも自生する立派なアジサイの仲間。梅雨どきに咲く一般的なアジサイより少し遅れて、7月から8月の盛夏に花を咲かせる「夏のアジサイ」として親しまれています。 ノリウツギ4種の花房。左上から時計回りに、「ミニホイップ」「ミニファイヤーライト」「グランデライムパンチ」「マキシファイヤーライト」。 最大の特徴は、その花の形。手まり状ではなく、円錐形(ピラミッド形)に花が連なるダイナミックな姿が特徴です。また、‘アナベル’同様に春の枝に花がつく「新枝咲き」のため、冬にどこで切っても失敗なく咲かせられます。さらに、アジサイの中では珍しく直射日光に非常に強いため、日当たりのよい庭の主役にも最適です。 秋に向けて花色が変わるノリウツギ4種。左上から時計回りに、「ミニホイップ」「ミニファイヤーライト」「グランデライムパンチ」「マキシファイヤーライト」。 中でも「ミニファイヤーライト」は、シリーズ最小級のサイズながら、ライムグリーンから濃いピンクへ劇的に色づくドラマチックな品種。一方の「ミニホイップ」は、株を覆い尽くすほど大きな花穂が魅力で、秋にはアンティークな淡いピンクへと移ろいます。 この4種のノリウツギは、世界各地で厳しい試験栽培をクリアし、「育てやすさ」と「美しさ」が実証された高品質な園芸ブランドとして、近年注目されている「PW(Proven Winners)」ブランドの苗というのも、注目ポイントです。 【PWブランドの苗の特徴】• 日本の気候に強い 病気や蒸れなどの環境ストレスに強く、日本の高温多湿な気候でも元気に育ちます。• 手間いらずで美しい 自然に草姿が整うため、難しい切り戻しなどの手入れが少なくて済みます。• 抜群の開花パフォーマンス 根張りがよく、植え付け後の成長がスピーディー。花付き・花もちもよく、次々と咲く花を長期間楽しめます。 母の日のギフトにもおすすめ! 個性花アジサイ5選 万華鏡 贈り物として圧倒的な憧れの的を集めているのが島根県産のアジサイ「万華鏡」です。島根県のアジサイ研究会が開発し、県内の限られた生産者のみが栽培を許されている「島根県限定生産」の希少ブランド。2012年に日本一の称号を得たその姿は、繊細な覆輪(ふくりん)が重なり合い、まさに万華鏡のような幻想的な美しさです 星あつめ 「万華鏡」と同じく島根県のアジサイ研究会が歳月をかけて生み出したブランドアジサイ「星あつめ」。最大の特徴は、名前の通り、夜空に輝く星々をかき集めて花束にしたような、繊細な八重咲きの装飾花です。一つひとつの花びらが小さく、それらが密集して大きな手まり状になる姿は、まるでジュエリーのような気品を漂わせます。 この品種も島根県内の限られた生産者のみが栽培を許されている「限定生産」の希少品。その希少性と美しさから、母の日の特別な贈り物として近年人気が急上昇しています。 咲き始めから終わりにかけて、色がゆっくりと移ろう様子は、季節の歩みを教えてくれるかのよう。鉢植えとしてコンパクトに楽しめるため、ベランダや玄関先の限られたスペースでも、自分だけの「小さな宇宙」を愛でることができます。 月虹(ムーンボウ) 「月虹(げっこう)」ピンク系とブルー系。 今、特別な物語を秘めた品種として注目されているのが、福岡・久留米産の「月虹(げっこう)」です。名の由来は、ハワイで語り継がれる「ムーンボウ(夜の虹)」の伝説にあります。満月の前後、特定の条件が揃った夜にだけ現れるこの虹は、現地で「最高の祝福」「先祖の霊からのメッセージ」と信じられ、「見た者には人生最大の幸運が訪れる」と言い伝えられています。 「月虹(げっこう)」ピンク系とブルー系。 そんな奇跡の虹を映したかのように、咲き始めから終わりまで刻一刻と色彩を変え、ガク咲きから手まり咲きへと変化する姿は、まさに生命の輝きそのもの。大切な人への「幸せを願う贈り物」として、これ以上のものはありません。 黒軸アジサイ「ブラックスチールゼブラ」 洗練された都会的な表情を持つ、黒軸アジサイ「ブラックスチール・ゼブラ」は、名にもある通り、漆黒(ブラックスチール)の茎が特徴。一般的なアジサイの茎は緑色ですが、このゼブラは光沢のある深い黒色で、純白の花びらや鮮やかな緑の葉との鮮烈なコントラストを生み出します。まるでモノトーンのインテリアのような佇まいは、「可愛らしいアジサイ」のイメージを覆すスタイリッシュさです。 また、花が進むにつれて白から淡いグリーンへと変化していく様子も美しく、その過程でも黒い茎との対比が常に際立ちます。 アジサイの育て方ポイント Marina Andrejchenko/Shutterstock.com アジサイは、病害虫にも強く、庭植えにすれば特別な手入れを必要としません。耐陰性もありますが、花つきや発色をよくするためには日当たりのよい場所に植えたほうがよいでしょう。やや湿った土壌を好み、水をよく吸い上げるので、鉢植えにする場合は水切れに注意を。水が不足すると、花つきや生育に影響が出ることがあります。庭植えの場合も、晴天が続いて土が乾きすぎているようであれば水やりをします。植え付けは、葉が落ちている時期に行います。鉢植えの場合は、数年に一度植え替えをしましょう。 アジサイの剪定はタイミングに注意 Natallia Ustsinava/Shutterstock.com アジサイは生育がよく、年々大きくなるため、株の大きさを保ったり、花の咲く高さを抑えるには剪定が必要です。剪定の際には、翌年の花芽を落としてしまわないよう、花後すぐに、花から2節ほど下の部分で切り戻しましょう。9月中旬以降に切り戻しをすると、花芽を落としてしまい、翌年の花の数が減ってしまうことがあります。秋色アジサイなど、秋まで花を観賞できる種類の場合は、剪定の際に花芽を落としてしまわないよう特に注意しましょう。 大きくなりすぎたり樹形が乱れたりして仕立て直したい場合、休眠期に思い切って株元近くから強剪定を行うと、しばらくして新しい芽が吹いてきます。ただし、花芽を落としてしまうため、翌年は花が咲かないこともあります。 失敗知らず! 自由自在な剪定ができるアナベル OlgaPonomarenko/Shutterstock.com 多くのアジサイは秋までに翌年の花芽ができるため、7月中旬までに剪定を終えないと花が咲かなくなるリスクがあります。しかし、‘アナベル’は春に伸びた新しい枝に花芽がつくため、2~3月までに剪定すればよく、時期を急ぐ必要がありません。どこから切っても花芽ができるため失敗がなく、深く切れば直径20〜30cmの大きな花を、浅く切ればたくさんの小ぶりな花を楽しめるなど、好みに合わせた剪定が可能です。 アジサイを丈夫に育てるお手入れ【植え替え】手順を動画で解説 <準備するもの> ・苗・鉢(6~7号)・GOOD SOILバラの土・元肥として「オール・パーパス」・元肥として「野菜花実の有機肥料プラス」・土のお守り・ウッドチップやベラボン ① 「GOOD SOILバラの土」に、元肥として「オール・パーパス」と「野菜花実の有機肥料プラス」、発根を促し土を長期間健全に保つ「土のお守り」をよく混ぜ、土作りをします。② 苗の根鉢を軽くほぐします(葉が付いている生育期は根鉢は崩さずそのまま植えます)。③ ほぐした根に、「土のお守り」を軽く振りかけ、用意した①の土で植え付けます。④ 夏の乾燥や土の高温化を防ぐために、表土をウッドチップやベラボンなどで覆ってマルチングし、植え付け完了です。 植え替え作業をラクにする庭道具「燕三条のハンドスコップ&ハンドフォーク」 とことん使いやすさを追求した庭道具、ハンドスコップとハンドフォーク。製作しているのは、金物で世界的にも有名な新潟県燕三条です。柄の角度や刃のつくりなど各所に職人のこだわりが詰まったこのガーデンツールは、苗の植え替え時に、土をほぐす・穴を掘る・株分けなど、さまざまなシーンで活躍します。また、深く根を張った雑草を抜くのにも便利です。 ガーデニング初心者からプロまで、どんな方にも選ばれるツールで、プレゼントにもぴったり。刃はお手入れしやすいステンレス製。刃全体の硬度を上げるために徹底して温度管理された真空状態の炉内で焼入れ処理を行っているので、歪みにくい・折れにくい頑丈なスコップ&フォークです。 あなたのお庭にぴったりなアジサイを見つけよう! Khomulo Anna/shutterstock.com アジサイは病害虫にも強く、ガーデニング初心者でも安心して育てられるのが大きな魅力です。日陰がちな場所でも育ちやすく、地植えはもちろん、鉢植えでコンパクトに楽しむこともできる品種があるので、住環境に合わせて無理なく取り入れられます。 ぜひこの記事を参考に、あなたのお庭やベランダの環境に合ったお気に入りの品種を見つけて、初夏のガーデン風景や花のクラフトづくりなど楽しんでみてくださいね。
-
ガーデンデザイン

春の庭がぐっと美しくなる理由 白い花木と草花をつなぐ木漏れ日の力
庭に春を知らせる白い花の花木たち 光の色が変わったことで、私は春の到来を感じます。米子の冬は、晴れの日が本当に少なく、曇りか雨のことがほとんど。ときには雷まで鳴って、空全体が重たく低く垂れこめるような日も珍しくありません。庭に出ても、土も枝も空気もどこか湿り気を帯びていて、色彩まで眠っているように見えます。だからこそ、長い冬のあとにようやく青空がのぞく日が来ると、それだけで胸がふっと軽くなります。 刷毛のようなウワミズザクラの花。樹高は10m以上になるので、庭木としては定期的な剪定が必須。 その青空を背景にして、庭の花木に白い花が咲き始めると、春が目に見える形で立ち上がってきます。たとえばウワミズザクラ。枝先にふわりと立ち上がる白い花穂は、桜のような華やかな塊ではなく、細かな花が集まって、光を含んだ刷毛のよう。若葉のやわらかな緑のあいだから、こぼれるように咲いている姿には、どこか野の木らしい素朴さがあります。でも、その素朴さが春の空にはとてもよく似合うのです。 10年近く庭を彩ってくれたプルヌス・バージニアナ‘ベイリーズセレクト’。近年、虫の被害によりやむなく別の樹木に変更した。自然樹形で樹高7m前後。 今はもうこの庭にはなくなってしまったプルヌス・バージニアナ‘ベイリーズセレクト’の花もまた、この季節ならではの美しさがあります。銅葉の印象が強い木ですが、春の若葉はやわらかな緑色で、白い花との対比はとても印象的です。 そうした花木の株元には、小さな春の草花たちが咲いています。原種のチューリップやスイセン、アネモネ、フリチラリア、ムスカリ、クロッカスなどの球根類、そしてビオラやイオノプシジウム、イングリッシュデージーなどの小さな花々。ことさらに主張するわけではないのに、木の下のやわらかな光の中で、それらが入り混じって咲く様子は、小花柄のリバティプリントを広げたかのようです。 赤いしべが愛らしいアロニア。2m前後で樹高が止まる低木。 木の形ではなく、木の下に落ちる光まで考える 時間の流れとともに模様を変えていく木漏れ日の小道。 春の庭が美しいのは、ただ色々な花が咲くからだけではありません。小道の土の上に葉の影が揺れ、草花のあいだに光の粒がこぼれ、風が通るたびにその模様が静かに動いていく。その様子を見ていると、庭の美しさは花の色だけではできていないのだと、改めて感じます。 ブ〜ンという羽音も庭の楽しいBGM。 この庭をつくってくださったガーデンデザイナーの安酸友昭さんは、庭の魅力や心地よさを作っているのは、植物の色や形だけではなく、光や影、草花が風に揺れる風情、香り、そこに訪れる虫たちの気配まで含めたものだとおっしゃいます。植物を人の手で植え、整えることはできても、その瞬間の木漏れ日や、風にそよぐ枝葉の動きまでは留めておけません。でも、留めておけないからこそ、心に残る景色になるのだと思います。 樹木の剪定はすべて安酸さんにお願いしていますが、その剪定は単なる管理作業ではなく、庭の体験そのものを形づくる大切なデザインなのだと思います。枝をどう残し、どこを透かし、どこに抜けをつくるか。その判断一つひとつが、春の光のやわらかさにも、夏の涼しさにも、冬の日だまりにもつながっていくのです。 木の姿は見上げれば分かりますが、その木が本当に庭にもたらしている価値は、見上げた姿だけでは測れません。木の下に立ったときにどんな光が落ちるのか。そこにどんな空気が流れるのか。安酸さんは、その木が庭全体に生み出す気配も含めて剪定してくれているのではないかと思うのです。 樹木は景色であると同時に、草花のための環境でもある 庭の入り口に咲くジューンベリーの花。自然樹形で5m前後で、剪定で樹高をコントロール。 この庭の樹木の多くは落葉樹で、春に花を咲かせてくれるのはプルヌス・バージニアナ‘ベイリーズセレクト’、ウワミズザクラ、ジューンベリー、アロニア。すべて白い花が咲きます。落葉樹のよさは、季節ごとにその役割を変えてくれるところにあります。春、まだ葉が出そろう前には、枝のあいだからやわらかな日差しがたっぷりと差し込みます。その光を受けて、木の下では原種の球根類や原種シクラメン、クリスマスローズ、ビオラたちが、いちばんよいタイミングで花を見せてくれます。 ジューンベリーの株元に咲く原種チューリップ。 夏になると葉が茂り、今度は強い日差しを遮って、地面の乾きすぎも防いでくれます。秋になり落葉してくると、地面に日が当たるようになると、原種シクラメンが咲いてきます。冬には落葉して、ふたたび低い日差しを地表に届けてくれる。樹木は、季節を通して庭の環境を調整してくれている大切な役目を果たしています。 ウワミズザクラの株元に咲く、へスペランサ・ククラータやクリスマスローズ。どちらも夏は休眠するので落葉樹の下が適地。 私は、庭の植物が無理なく育っている景色が好きです。がんばって咲かせている、という感じではなく、その場所に合った植物が、その場所に合った姿で自然に咲いている庭に心惹かれます。こうした景色は、花だけを選んでいても生まれないのだと思います。どこに木を置くか、その木が何年か後にどのくらい枝を広げるか、葉を落としたときに冬の光がどう入るか、春の木漏れ日が足元にどう届くか。そういう時間の流れまで含めて考えられているからこそ、草花が心地よさそうに見える環境ができるのだと思います。 春の球根花、クロッカスと一年草のイオノプシジウム。一年草ですが、この木漏れ日の環境が合っているようでこぼれ種で増える。 安酸さんは、花を飾るように並べるのではなく、植物どうしが支え合う関係をつくっておられるのだと思います。樹木は上の層で光を整え、その下で草花が季節を受けとめる。さらにその足元には、虫たちが訪れ、風が通り、影が落ちる。庭は平面的な花壇ではなく、上から下まで、時間も含めて重なり合う空間なのだと感じます。 樹木は、花を引き立て、庭の外をやわらかく隠す この庭の木々を見ていると、樹木には本当にいくつもの役割があるのだと感じます。春に白い花を咲かせ、足元の草花が育つ環境を整え、木漏れ日をつくってくれますが、それだけではありません。私にとって木々は、ほかの植物を美しく見せる背景でもあり、庭の外にある現実の風景をやわらかく受け止めてくれる存在でもあります。 ウワミズザクラの爽やかな緑を背景に、淡いピンクのつるバラがよく映える。 私は淡いピンクのつるバラが好きなのですが、その色合いは繊細なぶん、背景によって印象が大きく変わると感じています。やさしく、夢のある色ですが、一歩間違えると輪郭があいまいになったり、甘く見えすぎたりもします。そんなときに、樹木の葉や枝の存在が本当に大きいのです。 プルヌス・バージニアナ‘ベイリーズセレクト’の銅葉が、つるバラの‘ポールズ・ヒマラヤン・ムスク’の桜のように淡い色を浮き立たせてくれる。 特に、プルヌス・バージニアナ‘ベイリーズセレクト’の銅葉は、この庭の中でとても大切な役割を果たしてくれていました。銅色を帯びた葉は、深く落ち着いた色を持ちながら、春の光の中では重く沈みすぎず、むしろ景色にほどよい奥行きを与えてくれます。その前に淡いピンクのバラが咲くと、花色がふわっと浮かび上がるように見えるのです。主役として前に出すのではなく、そっと支えるような背景。その控えめな力が、私はとても好きです。 庭づくりをしていると、つい花そのものの美しさに目が向きますが、じつは花をどう見せるかは、その後ろに何があるかで大きく変わるのだと思います。花色、葉色、枝の線、光の当たり方。そうしたものが重なって、はじめて風景の印象が決まる。この庭の樹木は、ただそこに立っているのではなく、ほかの植物の美しさまで計算に入れたうえで、景色の後ろ側を支えてくれているのだと感じます。 そしてもうひとつ、私がこの庭でありがたいと思っているのは、木々が庭の外の景色をやわらかく隠してくれることです。ここは両側を道路に挟まれた場所で、一方は車通りが多く、もう一方は民家が並ぶ生活道路です。小道の先には駐車場もあり、少し視線が抜けるだけで、どうしても日常の生活感が目に入ってきます。けれど安酸さんは、その“見えてしまう先”をとても丁寧に扱ってくださいました。 アーチ仕立てのつるバラとウワミズザクラの枝葉が庭の向こうの道路を隠してくれる。 庭の端に立つ木々や植栽は、目隠しのようにただ遮るのではなく、視線を自然に受け止めてくれます。向こう側にあるものを完全に断ち切るのではなく、木の幹や枝葉の重なりによって少しずつ遠ざけ、庭の空気の中に溶かしていくような感じです。コンビニの看板や行き交う車がまったく見えなくなるわけではないのに、庭の中に立つと不思議と気にならない。その感覚は、単に植物が多いからではなく、どこに何を置けば景色が落ち着くのかを、安酸さんがよく見極めておられるからだと思います。 ウワミズザクラが光を受けて輝く午後。ベンチも木陰に置くと絵になる風景に。 私はこの働きを、庭の“フレーム”のようなものだと感じています。絵でも額縁があることで視線が定まり、ひとつの世界として見えてくるように、庭もまた、どこまでを景色として感じさせるかがとても大事なのだと思います。細長いこの庭が、実際の広さ以上に奥行きを持って感じられるのも、木々が空間の輪郭を整えてくれているからです。見せたい方向は開き、見せたくない方向はそっとやわらげる。その加減が絶妙で、だからこそ庭に入ると、周囲の現実から少し離れたような気持ちになれます。 こうして考えると、樹木は本当に多層的な存在です。花を咲かせて春を知らせ、木漏れ日をつくり、足元の草花を育て、バラを引き立て、外の景色を整える。そのどれかひとつだけでも庭にとって大切ですが、それらが同時に働いているからこそ、この場所には奥行きが生まれているのだと思います。 寄せ植えでも木漏れ日を感じさせる安酸さんの寄せ植え。 私がこの庭で心地よいと感じる理由も、きっとそこにあります。花がきれい、木が美しい、というだけではなく、それぞれが支え合いながら景色をつくっている。その重なりがあるから、庭がひとつの完成された風景として感じられるのだと思うのです。 庭を美しくするのは留めておけないもの 光を受けて輝くラナンキュラス・ラックス。 こうして振り返ると、この庭には本当にたくさんの工夫が重ねられているのだと感じます。けれど、その一方で、庭の美しさは人の手でつくった部分だけでは完成しないのだという安酸さんの言葉にとても共感します。どれほど植栽を考え、光の入り方を整え、景色を構成したとしても、最後にその場を生きた風景にしてくれるのは、やはり人には留めておけないものだからです。 光が若葉を通って小道に落ちるときのやわらかな明るさ。風が吹いて枝先がそよぎ、そのたびに地面の影がほどけたり重なったりする様子。花のまわりを虫がふっと横切り、気づけばどこかへ飛んでいく、その一瞬。そうしたものは、待っていても同じ形では二度と現れません。きれいだなと思う瞬間の多くが、じつはそういう“決めきれないもの”の中にあることに気づかされます。花がたくさん咲いていること自体もうれしいのですが、それだけではなく、偶然のような一瞬が重なって、庭はただ整った空間ではなく、心がほどける場所になるのだと思います。庭は、人の手ですべてを支配する場所ではなく、自然の働きがきちんと生きるように整える場所なのかもしれません。春の花木が咲くたびに、そのことをまた新しく感じている今日この頃。そんな庭を、私はとても愛おしく思っています。
-
花と緑

「鬱金香」ってどんな花? 正解できたらすごい難読植物名漢字クイズ
春の花といえば!「鬱金香」ってどんな植物? Fumeezz/Shutterstock.com 実際に育てていても、漢字で表記されると案外分からない植物も多いもの。普段呼んでいるのとは違う名前があったり、意外な漢字表記があったり、植物の漢字も面白いものです。 そんな植物の漢字表記の中から、身近な植物に関するものをクイズで出題! 今回のお題は「鬱金香」。あなたはこの漢字が表す植物が分かりますか? ヒント 春をイメージさせるカラフル&キュートな親しみやすい花は、子どもから大人まで大人気。誰もが一度は育てたことがあるのでは? 正解は… ↓ ↓ ↓ ↓ チューリップ(うこんこう) Neirfy/Shutterstock.com チューリップの基本データ 学名:Tulipa科名:ユリ科属名:チューリップ属原産地:中央アジア~北アフリカ和名:鬱金香(うこんこう、うっこんこう)別名:牡丹百合(ぼたんゆり)英名:Tulip開花期:3月中旬~5月上旬花色:白、赤、ピンク、黄、オレンジ、紫、緑、黒、複色形態:多年草(球根)草丈:10~70cm すっきりとしたシンプルな姿に、幅広い花色が揃うカラフルなチューリップは、春を代表する花の1つ。ユリ科チューリップ属の球根植物で、世界中で人気があり、数えきれないほどの品種があります。園芸品種の咲き姿は、一般的にイメージしやすい一重咲きのほか、八重咲き、ユリ咲き、フリンジ咲き、パーロット咲きなどさまざま。近年はナチュラルな印象で毎年咲く原種系チューリップの人気も高まっています。 原種系チューリップのツリパ・クルシアナ・シンシア。photoPOU/Shutterstock.com チューリップは、花壇はもちろんプランターや鉢植えでも咲かせることができ、ガーデンの春らしい演出にぴったり。色彩が鮮やかなものが多く、色の組み合わせを考えながら球根を植えこむのも楽しいものです。 開花期間は1~2週間ほどですが、早咲きの種類は主に3月下旬から、中生咲き種は4月中旬から、そして遅咲き種は4月下旬から開花と、開花期に1カ月近い差があるので、種類を選べば開花リレーも楽しめます。 Neirfy/Shutterstock.com チューリップは日当たりと水はけのよい場所で育てます。一定の低温にさらされることで花が咲くため、しっかり寒さにあてるよう屋外で育てるとよいでしょう。 チューリップなどの秋植え球根は、球根の中で花を咲かす準備や栄養が蓄えられているため、植え付け時期を守れば失敗が少なく初心者にもおすすめ! 植え付けの目安はイチョウが黄葉になる時期です。園芸品種の場合は、翌年以降も同じような花が咲くとは限りませんが、原種系は丈夫で毎年繰り返し咲いてくれます。 Michael Warwick/Shutterstock.com 鉢植えにする場合、鉢にチューリップの球根を仕込み、その上にパンジー&ビオラなどの秋から冬にかけて咲く花を一緒に植えるダブルデッカーという植え方をすれば、秋冬の寄せ植えとして楽しんだ後に春にチューリップが咲いて変化が生まれ、植え替えなしでも春の寄せ植えにチェンジします。 草丈の違う種類を組み合わせても。Alexander Narraina/Shutterstock.com 「鬱金香」の由来とは? Jirasak Chaon/Shutterstock.com チューリップの漢字「鬱金香」は、中国語表記が由来とされています。中国での「鬱金」は、カレーのスパイス・ターメリックとして、また肝臓ケアの健康食品としてもおなじみのウコンの塊根から取れる生薬や染料、香料のこと。その香りに似ていることから、「鬱金」+「香」で名づけられたといわれます。ただし、現代の園芸品種のチューリップは香りが控えめなものが多いため、実際に嗅いでみて「カレーの匂いがする!」と感じることはまずありません。 ちなみに、「チューリップ」という名前は諸説ありますが、トルコ語でターバン(頭に巻く布)を意味する「tulipan(チュリパン)」に由来するという説が一般的。トルコ人に「この花はなにか」と尋ねたところ、花の形が「ターバン」に似ていると答えたのを花の名前と勘違いしたのが由来だとするエピソードもあります。 tomo_terad/Shutterstock.com クイズ一覧はこちら!





















