スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
-
育て方

冬の手入れができなかった人へ。春先でも間に合う鉢植えバラの手入れ方法
冬に作業できなかった人のためにこれだけはやっておきたい春先の鉢植えバラの手入れ 剪定や植え替えなど、バラは花の咲かない冬の時期にやっておくべき作業がいくつかあります。それらの作業は本来なら冬の間に行うのがベストですが、初めてのバラ栽培でタイミングを逃したり、忙しかったりと、冬のバラの手入れができなかった人もいるはず。そんな人たちのために、春先に葉を展開した後からでも間に合う、バラのお手入れ方法をご紹介します。冬の間に剪定や植え替えといった必要な作業を完了させた人は、これらの手入れは必要ありません。 春先の手入れでは、まず必要以上にバラをいじらないことが大切なので、最低限の世話にとどめます。枯れ枝や勢いのない枝を軽く剪定し、育てている鉢が小さくなっている場合は、一回り大きな鉢へと植え替える鉢増しを行いましょう。暖かくなり、すでに樹液が動き出している状態では強い剪定はかえってダメージになってしまいますが、剪定をすることで少しでも樹高を下げ、株のバランスをよくすることができるので、様子を見ながら行います。 春先の剪定方法 剪定前。既に葉が大きく展開している。 剪定は、本来であれば芽が動き始める前に行います。剪定適期は、関東以西の平地でバラが休眠している12月下旬から2月末頃。適期に行う剪定方法は『バラの専門家が教える! 鉢植えで育てるバラの剪定方法』の記事をご覧ください。 春先になり、すでに新芽を吹いている場合、剪定は枯れた枝や弱った枝、弱小枝などを取り除き、樹高を下げるように少し枝を剪定します。すでに樹液が動いているため、強い剪定を行うと株へのダメージが大きく、かえってマイナスに。樹高を少しでも下げて株のバランスをよくするイメージで軽い剪定を行うにとどめ、強く切り詰めることは避けましょう。 葉を展開するだけでなく、すでに小さなつぼみを付けていることも。 剪定の手順 1.茶色い枯れ枝を付け根から切ります。 2.枯れ枝と同様に、勢いがなく、今後枯れてしまいそうな枝も付け根から切ります。 3.花を付けない細く弱々しい枝(弱小枝)を切ります。 4.枝の途中から勢いのある枝が伸びている場合、その枝を残して上部の勢いのない枝を切り、樹高を下げます。本来であれば切り戻しをして樹高を下げたいところですが、この時期にはすでに樹液が動いているため、切り詰めてしまうとバラへのダメージが大きいため、このような剪定にとどめます。 枝の途中からつぼみが付いた勢いのよい枝が伸びているので、つぼみの付いた枝を残し、それより上の部分を分岐点から切る。 剪定後。軽い剪定にとどめたため、大きな変化は見られません。不要な枝を除いて風通しをよくし、勢いのない枝を切ったことによって、樹高をやや抑えてバランスよく育てることができます。 鉢が小さい場合は、続いて一回り大きな鉢へ植え替える鉢増しの作業を行います。 大きな鉢へ植え替えることで、春から初夏にかけての成長期に根詰まりや水切れを起こす確率を下げることができます。植え替え作業の時も、あまり根をいじらないように注意しましょう。 鉢増し作業のやり方 準備 一回り大きなサイズの鉢鉢底石培養土肥料 鉢増しの手順 1.植え替え用の鉢に鉢底石を底が見えない程度に敷き、その上に培養土を入れます。培養土を入れる際には、根鉢の大きさを考えて、鉢土の表面が鉢の縁の数cm下になるようにします。 2.バラを元の鉢から抜きます。根鉢を崩す必要はありませんが、大苗の植え替えではそれほど根が回っていないため、自然に少し崩れることもあります。また、表面の土を軽く落とし、雑草のタネなどを払い落としておきます。 3.鉢の中心にバラを据え、株と土の間に隙間ができないようにしっかりと土を入れます。軽くゆするとうまく土を詰めることができます。土が入ったら、鉢底から流れ出るまでしっかりと水やりをし、肥料が切れているようであれば、必要に応じて肥料を与えます。肥料の分量は種類により異なるため、袋に記載されている量に従ってください。 春先に行う駆け込み作業はこれで終了。 もちろん冬の適期に作業をするのがベストですが、冬の間に必要な作業をすることができなかった人も、ここで紹介した作業だけでもやっておくと、初夏の開花だけでなく翌年以降の生育にもつながります。気が付いた時に、ぜひ作業を終わらせておきましょう。
-
一年草

【大人気】カンパニュラ・メディウム(ツリガネソウ)の育て方! 魅力から育成法まで徹底解説!
カンパニュラ・メディウムについて知ろう ベル形の花を鈴なりに咲かせるカンパニュラはダイナミックな存在間で、よく「一度は育ててみたい」といわれるガーデナーの憧れの草花。ここでは、カンパニュラ・メディウムの花姿や基本情報、品種などについてご紹介していきます。 カンパニュラ・メディウムってどんな花? I AM JIFFY/Shutterstock.com カンパニュラ・メディウムの開花期は、5〜7月です。花色は淡いピンク、白、紫など。草丈は50〜100cmになり、花穂を長く立ち上げて、5〜6cmほどのベル形の花を次から次に咲かせます。大変華やかな印象ながら茎葉は細くて繊細なイメージも併せ持ち、和にも洋にも合う花姿です。 基本情報 Tatyana Bakul/Shutterstock.com カンパニュラ・メディウムは、キキョウ科ホフルブクロ属の一年草または二年草です。原産地は南ヨーロッパで、寒さに強く高温多湿に弱い性質を持っています。そのため日本の酷暑を乗り切ることができず、夏前には枯死してしまいます。 草丈は50〜100cmになるため、支柱を立てて倒伏を防ぐとよいでしょう。花壇では中段〜後段がよく、草丈の低い草花と低木や中高木のつなぎ役にもなります。 カンパニュラ・メディウムの学名はCampanula mediumと表記。「カンパニュラ」はラテン語で「鐘」を意味しており、花姿から連想して名付けられたようです。日本には明治時代に伝えられ、風鈴草(フウリンソウ)または釣鐘草(ツリガネソウ)の名前で親しまれてきました。花言葉は、「感謝」「誠実」「節操」など。カンパニュラ・メディウムの花姿を教会の鐘に見立てて、教会での教えを連想させる言葉が与えられました。 カンパニュラ・メディウムの品種 wanvinai samsee/Shutterstock.com カンパニュラ・メディウムは園芸品種も多く出回っています。二年草を一年草に改良し、タネを秋に播いたら翌年の春に咲く「メイ」シリーズが初心者にはおすすめ。花径3cmほどの小輪種が愛らしい「チャイム」シリーズや、花弁が二重になる‘カップアンドソーサー’、草丈が40〜50cmの矮性種でコンテナにも向く「タキオン」系などもあります。 カンパニュラ・メディウムの栽培環境 カンパニュラ・メディウムの栽培には、どんな環境が適しているのでしょうか? 暑さに強い? それとも寒さに強い? 日照条件や土壌条件は? 最初に性質を把握しておくと、庭のどこで育てればいいのかが見えてくるはずです。ここでは、適した栽培環境についてご紹介します。 適した栽培環境 liu yu shan/Shutterstock.com カンパニュラ・メディウムは日当たりがよく、風通しのよい場所を好みます。日当たりが悪い場所では、花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロとか弱い茎葉が茂って草姿が間のびしたりします。 涼しい気候を好み、日本の真夏の高温多湿の環境を大変苦手とするので、二年草を種まきから育苗する場合は、風通しがよく涼しい場所で管理しましょう。 一方で寒さには強く、戸外で越冬できます。低温にあわないと花がつかなくなるので、室内には入れないようにしましょう。寒さが厳しい地域では、株元をバークチップなどでマルチングし、防寒対策を。鉢栽培では日当たりのよい軒下など、凍らない屋外で管理します。 また、酸性に傾いた土壌を嫌う性質があるので、植え付け前に苦土石灰をまいて土壌改良しておくとよいでしょう。多湿に弱いので、地植えの場合は盛り土をするなど、水はけのよい土壌づくりが大切です。 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 植え付ける1〜2週間前に、酸性土壌を改善するために苦土石灰をまき、さらに腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入し、よく耕してふかふかの土を作っておきましょう。土壌改良資材や肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。 カンパニュラ・メディウムの育て方 ここまで、カンパニュラ・メディウムの基本情報や種類、適した栽培環境などについて触れてきました。ここからはガーデニングの実践編として、育て方について詳しく解説していきます。ぜひ参考にしてください。 種まき・育苗 カンパニュラ・メディウムは、ビギナーでも種まきから育てられます。種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広く、たくさんの苗を植え付けたい場合は、コストカットにもなりますね。 1〜2株が手に入れば十分という方は、フラワーショップなどで花が咲き始めた頃の苗を入手して、手軽に植え付けからスタートするのがおすすめです。次項へ進んでください。 カンパニュラ・メディウムの発芽適温は20℃前後。種まきの適期は、二年草タイプは5〜6月頃で、一年草タイプは8月下旬〜9月中旬頃です。 種まき用のトレイを準備して市販の草花用の培養土を入れ、種が重ならないように均一にばらまきます。カンパニュラ・メディウムは「好光性種子」といって発芽に光が必要な性質なので、土をかぶせないことがポイントです。トレイよりも一回り大きな容器に水を浅く張り、種を播いたトレイを入れて下から吸水させましょう。発芽までは表土に新聞紙をかけて、雨の当たらない風通しのよい場所に置き、乾燥させないように管理。種まきから10日前後で発芽が揃います。 発芽したら、暑さが苦手なため風通しがよく涼しい半日陰の場所に置き、込み合っている部分があれば適宜間引いて間隔をあけます。その際は勢いのある苗を残し、ヒョロヒョロと徒長して弱々しい苗を引き抜くとよいでしょう。 本葉が出始めたら、トレイから抜いて鉢上げします。黒ポットまたはセルトレイに草花用の培養土を入れて、苗を周りの土ごと抜き取って植え付けましょう。根を傷めないように、丁寧に取り扱うことがポイントです。暑さが一段落して過ごしやすくなったら日当たりのよい場所に置き、多湿にならないように、表土が乾いたら水やりして育成します。7〜10日に1度を目安に、液肥を与えて生育を促しましょう。苗が充実したら、9月下旬〜10月中旬頃に植えたい場所へ定植します。 苗の植え付け Vasyliuk/Shutterstock.com 種まきして育苗した場合、二年草タイプ、一年草タイプともに植え付けの適期は温暖地で9月下旬〜10月中旬頃です。冬が来る前に定植する場所に植え付けてしっかり根が張るように育成し、寒さを乗り越えられるように株を充実させておきます。 フラワーショップで苗を購入してスタートする場合は、春から苗が出回り始めるので、入手次第植え付けます。購入の際は、節間が詰まってがっしりと締まった、勢いのある苗を選びましょう。 【地植え】 土作りをしておいた場所に、根を傷めないようにポットから苗を出し、深植えにならないように植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、20〜25cmの間隔を取っておきましょう。植え付けた後に、たっぷりと水やりします。草丈が高くなるので支柱を立てておき、丈が伸びてきたら誘引して倒伏を防ぎましょう。 【鉢植え】 鉢の大きさは、6号以上のものを準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。苗を鉢に仮置きして高さを決めてから、根を傷めないようにポットから出して植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。草丈が高くなるので、支柱を立てておき、伸びてきたら誘引して倒伏を防ぎましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 水やり cam3957/Shutterstock.com 株が蒸れるのを防ぐために、茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 【地植え】 根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理しますが、多湿を嫌う性質なので、水の与えすぎに注意します。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチすることが、枯らさないポイントです。冬は乾きにくいので水やりは控えめにし、気温の上がる昼頃に与えるようにします。 肥料 Vitalii Stock/Shutterstock.com ●元肥 苗を植え付ける際に施す肥料が、元肥です。元肥は苗の初期生育を助け、茎葉をしっかり茂らせることにつながります。 【地植え】 植え付ける前に腐葉土や堆肥などの有機質肥料を施しておきましょう。 【鉢植え】 鉢植えの場合、市販の培養土には肥料が含まれていることが多いので、元肥を施す必要があるかどうか確認し、必要な場合は緩効性化成肥料を与えます。 ●追肥 植え付けた苗が順調に生育し、元肥の効き目が切れた頃に与えるのが追肥です。 【地植え】 秋に植え付けた場合は、生育が盛んになる少し前の3月上旬頃に、緩効性化成肥料を施すとよいでしょう。春に植え付けた場合は、元肥を施してあれば十分。あまり与えすぎると、茎葉ばかりが旺盛に茂り、かえって花つきが悪くなることもあるので注意します。ただし生育が悪いようなら、速効性のある液肥を与えて様子を見ましょう。 【鉢植え】 鉢栽培の場合は、水やりとともに肥料成分が流亡しやすいので、追肥をして株の勢いを保つようにします。春から生育が盛んになるので、3月頃に緩効性化成肥料を表土にばらまき、軽く土になじませます。開花期には、10日に1度を目安に速効性のある液肥を与えてて株の勢いを保ちましょう。開花促進の効果がある、リン酸やカリ分などを多く含んだ液肥を選ぶと花つきがよくなります。 花がら摘み mihalec/Shutterstock.com 花が終わったら、早めに摘み取りましょう。株周りを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなるので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして長く咲き続けてくれます。 病害虫 nechaevkon/Shutterstock.com 【病気】 カンパニュラ・メディウムに発生しやすい病気は、菌核病、灰色かび病などです。 菌核病は気温が低い時期に、多湿の状態になると発症しやすい傾向にあります。地際の部分に発生しやすいので、株に元気がない場合は注目してみてください。初期は小さな斑点が現れ、次第に大きくなって灰色の病斑になります。ひどくなると枯死し、周りの株にも病気を広めてしまうので注意。病株を発見したら、抜き取って処分し、周囲の草花に蔓延しないようにします。 灰色かび病は、花や葉に発生しやすく、褐色の斑点ができて灰色のカビが広がっていきます。多湿で風通しが悪く、込み合っていたり、終わった花や枯れ葉を放置していたりすると発生しやすくなります。花がらをこまめに摘み取り、茎葉が込みすぎている場合は間引いて風通しよく管理しましょう。 【害虫】 カンパニュラ・メディウムに発生しやすい害虫は、アブラムシ、ヨトウムシなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉について吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 ヨトウムシは蛾の幼虫で、夜に活動して葉を食い荒らします。食欲旺盛で、一晩のうちに丸裸にされてしまうことも。葉の裏に卵が産み付けられるので、孵化直後の幼齢のうちに退治するのがポイントです。または、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するタイプの殺虫粒剤を利用してもよいでしょう。 楽しくカンパニュラ・メディウムを育てよう! pic0000/Shutterstock.com この記事では、カンパニュラ・メディウムの基本情報や品種、育て方まで、多岐にわたってご紹介してきました。花茎をすらりと伸ばして、ベル形の花を横向きにびっしりとつける咲き姿は艶やかで、育てる喜びを与えてくれます。初心者でも気軽に育てられるので、ぜひガーデンに迎えてはいかがでしょうか。
-
樹木

早春に美しく咲くヒュウガミズキ! 特徴や育て方を詳しく解説
ヒュウガミズキの基本情報 ponsulak/Shutterstock.com 植物名:ヒュウガミズキ学名:Corylopsis pauciflora英名:Buttercup winter hazel和名:ヒュウガミズキ(日向水木)その他の名前:ヒメミズキ科名:マンサク科属名:トサミズキ属原産地:日本分類:落葉性低木 ヒュウガミズキの学名は、Corylopsis pauciflora(コリロプシス・パウキフロラ)。マンサク科トサミズキ属の落葉樹です。原産地は日本の福井県、京都府、兵庫県北部。「ヒュウガ」という名前がついていますが、宮崎県には自生していません。日本の山野に自生してきたことから暑さや寒さに耐え、育てやすい花木の一つです。樹高は2〜3mの低木で、樹形がまとまりやすく、大きくなりすぎないので管理しやすい庭木です。楚々とした雰囲気は茶花として好まれ、フラワーアレンジでもよく利用されています。 ヒュウガミズキの花や葉の特徴 F_studio/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:3月下旬樹高:2〜3m耐寒性:強い耐暑性:強い花色:黄 ヒュウガミズキの開花期は、3月下旬頃です。花色は淡い黄色で、花径1〜2cmほどの5弁花がうつむくように、やや下向きに開花します。1つの花序に花が1〜3輪垂れ下がるのが特徴です。葉が展開する前に花が咲くので、パステルイエローの花を連ねて満開になる姿は見事です。花にはほのかな甘い香りもあります。 ヒュウガミズキの名前の由来や花言葉 Payless Images/Shutterstock.com ヒュウガミズキという名前の由来には諸説あり、トサミズキより小さいことから、ヒメミズキと呼ばれていたのが、なまってヒュウガミズキになったという説や、近畿北部を治めていた明智日向守光秀の名にちなんでいるという説もあります。 ヒュウガミズキの花言葉は「思いやり」「信頼」「神秘」などです。 ヒュウガミズキに似た花 トサミズキ。Nnattalli/Shutterstock.com 花木の中には、ヒュウガミズキと似た花を咲かせるものがいくつかあります。ここでは、その代表的な3種を取り上げて、ご紹介していきます。 トサミズキ トサミズキはヒュウガミズキと同じマンサク科トサミズキ属の落葉樹。四国地方原産で、名前のとおり高知県の山地に自生しています。ヒュウガミズキよりも枝葉や花が大きく、1つの花序に花が5〜10個垂れ下がり、より華やかに見えるのが相違点です。また、トサミズキはガクや実に産毛がありますが、ヒュウガミズキにはありません。 コウヤミズキ コウヤミズキはヒュウガミズキと同じマンサク科トサミズキ属の落葉樹。本州の中部地方より西と四国、九州に分布しています。1つの花序に花が4〜5個つき、ヒュウガミズキよりやや多く、葯が赤紫なのが見分けるポイント。また、コウヤミズキは葉柄や枝、果実にはほとんど産毛がありません。 シナミズキ シナミズキはヒュウガミズキと同じマンサク科トサミズキ属の落葉樹。原産地は中国西南部です。香りが強く、ニオイトサミズキ、カオリトサミズキなどの別名も持っています。1つの花序に花が7〜8個つき、ヒュウガミズキよりやや多いのが特徴です。 ヒュウガミズキの栽培12カ月カレンダー 開花時期:3月下旬植え付け・植え替え:12月中旬〜3月肥料:2〜3月、5月 ヒュウガミズキの栽培環境 Nokzd/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たりと風通しのよい場所を好みます。半日陰の場所でも育ちますが、あまりに日当たりがよくないと花つきが悪くなってしまうので注意しましょう。 【日当たり/屋内】屋外での管理が基本です。 【置き場所】水はけ、水もちがよくてやや湿り気のある、有機質に富んだ土壌を好みます。強い乾燥を嫌うため、乾燥する時期は、根元にバークチップなどでマルチングをしておくとよいでしょう。 耐寒性・耐暑性 日本の気候に馴染みやすく、暑さ寒さに耐えるので、一年を通して戸外で管理でき、冬越し対策なども特に必要ありません。 ヒュウガミズキの育て方のポイント 用土 Wstockstudio/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、直径・深さともに50cm程度の穴を掘りましょう。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 花木用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。 水やり Afanasiev Andrii/Shutterstock.com 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて枝葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は、下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、真夏に晴天が続く場合は朝か夕方の涼しい時間帯に水やりをして補いましょう。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。枝葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。真夏は気温の高い昼間に水やりすると、水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝夕の涼しい時間帯に行うことが大切です。冬は休眠し、表土も乾きにくくなるので控えめに。与える際は、気温が十分に上がった日中に行います。 肥料 New Africa/Shutterstock.com 【地植え、鉢植えともに】 植え付け時には、元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。 越年後は、毎年2〜3月に緩効性肥料を与え、土によくなじませましょう。生育期を迎える前に肥料を与えることで、新芽を出すエネルギーを補給し、旺盛に枝葉を広げることにつながります。また、開花後の5月頃に、お礼肥として緩効性肥料を与えておきましょう。 注意する病害虫 Decha Thapanya/Shutterstock.com 【病気】 ヒュウガミズキに発生しやすい病気は、うどんこ病です。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、やがて樹勢が衰えてしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 【害虫】 ヒュウガミズキに発生しやすい害虫は、カイガラムシ、コナジラミなどです。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 コナジラミは、植物の葉裏について吸汁する害虫です。体長は1mmほどで大変小さいのですが、白いので目にとまりやすいです。繁殖力が旺盛で、短期間で卵から幼虫、成虫になり、被害が拡大しやすいのが特徴。吸汁によってウイルスを媒介するほか、排泄物にすす病が発生しやすく、二次被害を呼びやすいので要注意。冬は卵やサナギの状態で雑草の中に潜み、春になると周囲に移動して活動を始めるので、雑草や枯れ葉は残さずに処分しておきましょう。大発生した場合はスプレータイプの適用薬剤を散布して対処してください。 ヒュウガミズキの詳しい育て方 苗の選び方 苗木を選ぶ際は、枝ぶりがよく、病気や害虫の痕がないものを選ぶとよいでしょう。ガーデニング初心者の場合、あまり小さな苗木よりもある程度大きいものを選んだほうが、植え付け後の管理が楽です。 植え付け・植え替え wavebreakmedia/Shutterstock.com ヒュウガミズキの植え付け・植え替え適期は、落葉したのちの休眠期にあたる、12月中旬〜3月です。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。しっかりと根づくまでは、支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぐとよいでしょう。最後にたっぷりと水を与えます。根付いたら、支柱を取り外してもかまいません。 地植えの場合、環境に合って健全に育っていれば、植え替えの必要はありません。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、10号以上の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから樹木用の培養土を半分くらいまで入れ、苗木を鉢に仮置きして高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足して植え付けます。しっかりと根づくまでは、支柱を立てて誘引しておくとよいでしょう。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えます。一年を通して日当たり・風通しのよい場所に置いて管理しましょう。根付いたら、支柱を取り外してもかまいません。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え適期は開花が終わった頃の4月下旬〜5月上旬です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出し、軽く根鉢をくずして新しい培養土を使って植え直しましょう。 剪定 mihalec/Shutterstock.com ヒュウガミズキの剪定適期は、休眠期の2月頃か、花後すぐの5月頃です。 ヒュウガミズキは比較的樹形が自然に整うので、それほど剪定には手がかりません。地際から出てくるひこばえは付け根から切り取り、枯れ枝や木の内側に向かって伸びている「逆さ枝」、垂直に立ち上がっている「立ち枝」、勢いよく伸びすぎている「徒長枝」なども元から切り取りましょう。また、込み合っている部分があれば、日当たり・風通しがよくなるように、透かし剪定をします。 ヒュウガミズキの増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com ヒュウガミズキは、株分け、種まき、挿し木で増やすことが可能です。ここでは、それぞれの方法について解説します。 【株分け】 株分けの適期は、12月中旬〜3月です。 株を植え付けて越年したのち、大きく育ったら「株分け」をして増やすことができます。株を掘り上げて数芽ずつ付けて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、同じ姿の株が増えていくというわけです。あまり小分けにすると弱ってしまうので、注意しましょう。 【種まき】 ヒュウガミズキは開花後に果実をつけ、10月頃に熟します。そのタイミングで果実を採取し、種を取り出して種まきします。 黒ポットに新しい培養土を入れて十分に水で湿らせます。種を黒ポットに数粒播いて軽く土をかぶせ、明るい日陰で管理。発芽した後は日当たりのよい場所に置きましょう。本葉が2〜3枚ついたら勢いのある苗を1本のみ残し、ほかは間引いて育苗します。ポットに根が回るまでに成長したら、少し大きな鉢に植え替えて育苗します。苗木として十分な大きさに育ったら、植えたい場所に定植しましょう。 【挿し木】 挿し木とは、枝を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、ヒュウガミズキは挿し木で増やすことができます。 挿し木の適期は、6月中旬〜7月か、9月頃です。その年に伸びた新しくて勢いのある枝を10〜15cmほどの長さで切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を数枚切り取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、その上に新しい培養土を入れて水で十分に湿らせておきます。培養土に3カ所の穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて管理します。その後は日当たりのよい場所に移し、ポットに根が回るまでに成長したら、少し大きな鉢に植え替えて育苗します。苗木として十分な大きさに育ったら、植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 枝もののヒュウガミズキを楽しむコツ Nathapon Triratanachat/Shutterstock.com 年末から2月頃にフラワーショップなどでヒュウガミズキの枝ものが出回るようになり、特につぼみがついたものは、お正月の活け込みによく利用されています。ヒュウガミズキを活ける際は、余分な葉を取り除き、切り口に剪定バサミで十文字に切れ込みを入れてから水揚げするのがポイントです。水は毎日替えましょう。 楚々とした雰囲気が魅力のヒュウガミズキを咲かせよう Traveller70/Shutterstock.com ヒュウガミズキは早春に黄色い花を咲かせ、たっぷりと咲く満開時には見応えがあります。小ぶりで樹形が自然にまとまりやすく、放任してもよく育つので、ビギナーにもおすすめ。ぜひ庭木として取り入れてはいかがでしょうか。
-
宿根草・多年草

イカリソウは美しい花が魅力! 特徴や育て方のポイントを詳しく解説
イカリソウの基本情報 High Mountain/Shutterstock.com 植物名:イカリソウ学名:Epimedium grandiflorum var. thunbergianum英名:barrenwort、bishop's hat、fairy wings、horny goatweed和名:イカリソウ(碇草、錨草)その他の名前:淫羊霍(いんようかく)、三枝九葉草(さんしくようそう)科名:メギ科属名:イカリソウ属原産地:日本分類:宿根草(多年草) イカリソウはメギ科イカリソウ属の多年草で、「三枝九葉草(さんしくようそう)」の別名も持っています。原産地は日本で6種が確認されており、主に中部地方以北の本州が自生地で、比較的寒さに強い性質です。草丈は30〜50cm。落葉性のため、冬は落葉して地下で休眠しますが、越年して生育期を迎えると新芽を出すというサイクルを繰り返す、息の長い植物です。 イカリソウの花や葉の特徴 YUMIK/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:4〜5月草丈:30〜50cm耐寒性:強い耐暑性:強い花色:赤紫、ピンク、白、黄 イカリソウの開花期は4〜5月。花色は赤紫、ピンク、白、黄があり、40cmほど長く伸ばした花穂に数輪の花を連ねます。花径は3〜7cmで4枚の花弁は反り返り、2cm前後の細長い距を四方に突き出す個性的な花姿が特徴です。葉はマットな質感の楕円形で、3つに分かれた枝に、それぞれ3枚ずつ葉をつけます。 イカリソウの名前の由来や花言葉 High Mountain/Shutterstock.com イカリソウは漢字で「錨(碇)草」と書き、船を海の上で一定の場所にとどめておくために使用する錨(いかり)に花姿が似ていることから名付けられました。別名の「三枝九葉草」は、3つに分かれた枝に、それぞれ3枚ずつ葉をつけることに由来します。 イカリソウの花言葉は「君を離さない」「旅立ち」など。いずれも「錨」のイメージから与えられたものです。 イカリソウの種類 イカリソウは、国内で6種類が分布しています。ここでは、主な種類についてご紹介します。 トキワイカリソウ F_studio/Shutterstock.com 漢字で「常盤錨草」と書き、常緑性で葉を残したまま越年するのが特徴です。主に本州中部地方〜山陰地方の日本海側で、雪の多い山野に自生します。草丈は30〜60cmで、花色は白〜赤紫、花径は3〜4cm。 キバナイカリソウ saiglobalnt/Shutterstock.com 漢字で「黄花錨草」と書き、花は淡い黄色。主に本州の近畿以北の日本海側、北海道などに自生しており、中国や朝鮮半島にも分布しています。草丈は30〜60cm。 バイカイカリソウ footageclips/Shutterstock.com 漢字で「梅花錨草」と書きます。主に中国地方、四国、九州の林などに自生しています。比較的開花期間が長く、花色は白。花径は1cm前後で、距がないのが特徴です。草丈は20〜30cm。 イカリソウの栽培12カ月カレンダー 開花時期:4〜5月植え付け・植え替え:5月下旬〜7月上旬肥料:3〜9月 イカリソウの栽培環境 tamu1500/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】晩秋から早春にかけては日当たりがよく、晩春から秋までは半日陰となる落葉樹の下などで育てます。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】自生地では落葉樹の株元などに見られるので、地植えなら同様の環境になるよう、乾燥の激しい場所は避けて、落葉樹の下などで育てます。鉢植えの場合も、似たような環境に移動しながら管理するのがおすすめ。落葉樹が葉を落として休眠する晩秋から早春にかけては日当たりのよい場所に置き、落葉樹が緑陰を作る晩春から秋にかけては、木漏れ日がチラチラと差すような半日陰に移動します。夏も涼しく風通しのよい場所で管理しましょう。冬になると休眠するので、日当たりの条件はあまり気にする必要がなくなりますが、霜が降りない明るい軒下などに移動してください。 耐寒性・耐暑性 耐寒性・耐暑性ともにあるので、一年を通して屋外で管理できます。ただし、冬は北風にさらされないような場所に置き、常緑種は風よけをするか、積雪がある地域なら雪の下に埋めてもかまいません。夏は風通しのよい半日陰で管理しましょう。 イカリソウの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、よく耕しておきます。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 市販の草花用培養土を利用すると手軽です。自身で用土を配合する場合は、赤玉土小粒7、腐葉土3の割合で混ぜ合わせるとよいでしょう。 水やり Ivanko80/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏は、気温の高い昼間に与えると、すぐに水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に行いましょう。 【地植え】 根付いた後は、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメとした状態にしておくと、根腐れの原因になります。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬は土が乾燥しづらくなるので、与える頻度を控えめにしつつ、適宜水やりを続けてください。 肥料 Sarycheva Olesia/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 植え付け時に元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。追肥として、生育期の3〜9月に、10日〜2週間に1度を目安に液肥を与えます。真夏は薄めに希釈して与えるとよいでしょう。 注意する病害虫 POOJA SAINI/Shutterstock.com 【病気】 イカリソウは病気の心配はほとんどありませんが、多湿な環境下では白絹病や軟腐病にかかることがあります。 白絹病はカビが原因の、周囲に伝染しやすい病気です。根や茎に発生しやすく、初期は地際あたりに褐色の斑点が見つかります。病状が進むと株元の土に白いカビがはびこり、やがて株は枯れてしまうので注意が必要。病株を発見したら、周囲に蔓延させないためにただちに抜き取り、土ごと処分してください。土づくりの際に、水はけのよい環境に整えることが予防につながります。 軟腐病は細菌性の病気で、高温時に発生しやすくなります。特に梅雨明けから真夏が要注意。 成長点近くの茎、地際の部分や根が腐って悪臭を放つので、発症したのを見つけたら、周囲に蔓延しないようにただちに抜き取り、周囲の土ごと処分してください。予防としては、連作(同じ科に属する植物を同じ場所に植え続けること)を避け、水はけをよくしていつもジメジメとした環境にしないこと。また、害虫に食害されて傷ついた部分から病原菌が侵入しやすくなるので、害虫からしっかり守ることもポイントになります。 【害虫】 イカリソウに発生しやすい害虫は、アブラムシ、ナメクジなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 ナメクジは、花やつぼみ、新芽、新葉などを食害します。体長は40〜50mmで、頭にツノが2つあり、茶色でぬらぬらとした粘液に覆われているのが特徴。昼間は鉢底や落ち葉の底などに潜んで姿を現しませんが、夜に活動します。植物に不快な粘液がついていたら、ナメクジの疑いがあるので夜にパトロールして捕殺してください。または、ナメクジ用の駆除剤を利用してもよいでしょう。多湿を好むので風通しをよくし、落ち葉などは整理して清潔に保っておきます。 イカリソウの詳しい育て方 苗の選び方 花や葉の色艶がよいものを選びましょう。葉先が乾燥しているものは避けたほうが無難です。 植え付け・植え替え AlenKadr/Shutterstock.com 植え付け・植え替えの適期は、5月下旬〜7月上旬です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。 庭で育てている場合、環境に合えば植え替える必要はありません。ただし、植え付けから数年が経って株が込み合ってきたら、掘り上げて株分けしてください。改めて植え直し、株の若返りをはかりましょう。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、入手した苗よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢の中に仮置きして高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくし、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。 夏越し・冬越し Hiyoman/Shutterstock.com 【夏越し】 地植えにしている場合、真夏に強い日差しが照りつける環境では、6〜9月頃に遮光ネットを張って半日陰の環境を作るとよいでしょう。鉢植えの場合は、風通しがよく涼しい半日陰の場所へ移動して管理します。 【冬越し】 寒さには強いのですが、地植えの場合は、常に寒風にさらされるような場所は避けましょう。鉢植えの場合は、霜が降りない軒下などに移動します。 イカリソウの増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com イカリソウは、種まき、株分けで増やすことができます。ここでは、それぞれの方法についてご紹介していきます。 【種まき】 種まきのメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなります。 種は市販されていないので、開花した後につける小さな種を採取します。種は熟した後にはじけ飛んで落ちてしまうので、開花後に袋掛けをしておくとよいでしょう。種まきの適期は5月頃です。イカリソウの種は乾燥に弱いため、採取したあとに長く保存することができません。種を採取したらすぐに播くことがポイントです。 黒ポットに市販の草花用培養土を入れ、種を数粒ずつ播き、最後にたっぷりと水やりをしましょう。発芽までは風通しのよい半日陰に置き、乾燥しないように適度な水管理をしてください。発芽後、弱々しい苗があれば適宜間引いて1本立ちにし、日当たり、風通しのよい場所で管理します。しっかりした苗に育ったら、植えたい場所に定植しましょう。種まきから開花までは3年ほどかかるので、時間をかけて見守ってください。 ※園芸品種の場合、親と同じ草姿になるとは限りません。 【株分け】 株分けの適期は、5月下旬〜7月上旬です。植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りをはかります。株を掘り上げ、根茎の節に付いている芽を傷めないように根を切り分け、再び植え直しましょう。根が乾くと株が弱るので、できるだけ手早く作業することがポイントです。細かく分けた株が再び大きく成長し、株が増えていきます。 イカリソウは食べられる High Mountain/Shutterstock.com 3〜4月の新芽が出始める頃に、新葉と花を採取します。葉は和え物や油炒め、天ぷらなどに、花は三杯酢で酢の物にするとよいでしょう。 イカリソウの愛らしいユニークな花姿を愛でよう shepherdsatellite/Shutterstock.com 比較的育てやすい山野草として、昔から栽培されてきたイカリソウ。くるりと巻いた花弁と細長く伸びる距のコンビによるユニークな花姿が魅力です。庭やベランダに個性をもたらすアイキャッチとして、ぜひ取り入れてはいかがでしょうか。
-
宿根草・多年草

薬用植物として有名な「どくだみ」の育て方・効用・副作用・駆除方法などをご紹介
どくだみとは Doikanoy/Shutterstock.com 身の回りのあちこちで見かけるどくだみ(学名Houttuynia cordata)は、日本国内のどこででも栽培できる植物です。日本だけでなく中国や東南アジアなどに広く分布し、アジアの至るところに生えています。 日本では古くから「十薬(ジュウヤク)」と呼ばれ、薬草として利用されてきましたが、東南アジアではよりカジュアルに、野菜やハーブのように食用されています。 薄暗く湿った場所によく生えますが、梅雨に入る頃に咲かせる白い花は可憐で美しいものです。どくだみ茶などに利用するもの以外は、雑草として扱われることが多いようですが、太い地下茎を伸ばして広範囲に広がっていくため、駆除しようとするとなかなか手ごわい植物です。 近年は八重咲きの花や、白、黄色、赤などの葉模様が入った観賞用の品種も作られるようになっており、シェードガーデンを明るく演出するグラウンドカバーとしても利用することができます。掘り上げたときや刈り取ったときに根や茎を傷つけると独特の香りがしますが、乾燥させると匂いは薄くなります。 どくだみの効用 wasanajai/Shutterstock.com どくだみは「十薬」とも呼ばれるように、多くの効能がある薬用植物です。 葉や茎にはさまざまなミネラルが含まれていますが、もっとも豊富に含まれているもののひとつがカリウムです。 カリウムは利尿作用があるミネラルで、体内の水分を体外に排出させてくれる働きがあります。水分と一緒に体内の有毒物質や老廃物も同時に体外に排出してくれるので、デトックス効果が期待できます。最近ちょっとむくみが気になるというときには、どくだみ茶を飲んでみるといいかもしれません。 塩分の摂りすぎは高血圧の原因となりますが、これは体内の塩分濃度が高くなると浸透圧の関係で体内に水分が多くなって血液の量も増え、同じ太さの血管であってもたくさんの血液が通ることになるからで、血管に負担がかかるのが問題になります。 そこでカリウムを適切に摂取すると、体内のナトリウムや過剰な水分を排出できるのです。また、どくだみには血管の老化を抑えるクエルシトリンという成分が含まれているため、相乗効果でより高い高血圧予防を期待できます。また、クエルシトリンには炎症を抑える作用もあるといわれています。 胃炎や胃潰瘍の症状があるときには、コーヒーなどのカフェインを含む刺激物は飲まないほうがよいといわれますが、どくだみ茶なら体に優しそうですね。 このクエルシトリンや、同様にどくだみに含まれるイソクエルシトリンには緩下作用があり、便秘解消効果も期待できます。そのほか、クエルセチンには脂肪の吸収を抑制する効果があるなど、ダイエットをするときにも強い味方になってくれそうです。 どくだみの副作用 yellowdays/Shutterstock.com どくだみの利用法で一番ポピュラーなのは、お茶として飲むこと。 お茶といっても、カフェインが含まれていないため、体への負担も少なく、刺激物を摂取することに抵抗がある時や、寝る前にも飲むことができます。 どくだみにはカリウムが豊富に含まれていますが、腎臓の機能が低下していたり、高カリウム血症になっている場合は、カリウムの利尿作用が負担になることがあります。 また、高カリウム血症を起こしやすい薬を飲んでいるときも、同様に注意が必要です。 どくだみには緩下作用があるため便秘を改善する効果があるといわれていますが、飲みすぎると下痢を起こすこともあるので気をつけましょう。また、体質によっては少ない量でも下痢になりやすい場合もあります。そのほか、大量に飲むと光線過敏症になる可能性があります。 どくだみ茶を飲む場合は、いきなりたくさん服用せず、体調の様子を見ながら飲むようにしましょう。 どくだみの育て方 wasanajai/Shutterstock.com どくだみはとても丈夫で増えやすく、育てやすい植物です。 苗を手に入れたら、厳寒期以外はいつでも植え付けてもかまいませんが、一年のうちで本格的に暖かくなる4月や、残暑が落ち着いて植物が育ちやすい10月頃が、根付きやすくなります。 あまり植え場所は選びませんが、日当たりがよく、ほどよく土に湿り気がある場所だとよく育ち、花も咲きやすくなります。 日当たりが悪い場所や、乾燥しすぎたり湿りすぎているような場所でも育ちますが、草姿が悪くなったり、花が咲きにくくなることがあります。斑入りや葉に模様が入った品種は、よく日が当たる場所のほうが葉色がきれいになります。 庭植えの場合は、いったん根付いてしまえば水やりはほとんど必要ありません。鉢植えの場合は、鉢土が乾いたら適宜水やりをしましょう。 鉢植え、庭植えのいずれも、凍結には注意が必要です。 どくだみの駆除方法 photoschmidt/Shutterstock.com どくだみはとても生育が旺盛で、よく増えます。 増えすぎるとほかの植物の生育が妨げられたりすることもあるので、適宜数を減らす必要が出てくることもあります。また、ほかの植物が植えてあるところに雑草として生えてくる場合もあるので、そうした際の駆除の方法をご紹介します。 根から抜き取る amiangretka/Shutterstock.com 一株一株手で抜いていく方法です。 どくだみは地下茎を伸ばして株を増やします。根が残っていると、そこから新しい株が出てきますので、土を掘り起こして根をたぐって取り除いていくのが確実です。 出てきたばかりの葉は赤みを帯びているので、春先に赤い葉が出てきたら、大きくなる前に抜いていきましょう。 また、どくだみが生えている場所の土を大きく掘り上げて、古い根を選り分けて取り除くのも効果的です。 熱湯 showcake/Shutterstock.com 家にあるケトル(やかん)と水があればできる方法でお手軽です。 除草剤などを買ったり、使ったりしたくない場合にも使える手段です。 なお、ほかの植物に熱湯がかかると傷むので、ドクダミにだけかけるようにしましょう。 ほかに植物がない場所であれば、お湯を沸かしてかけるだけなので楽ですが、地下茎は生きているので、また生えてきます。 要するに、地上部だけを刈り取ったのと同じ状態なので、お湯を沸かす手間を考えると、手で抜くほうが確実で手軽です。 重曹 focal point/Shutterstock.com 除草剤を極力使いたくない人におすすめの方法です。 重曹は人体にあまり害がなく、除草剤より危険度が低く駆除することができます。 100円ショップなどで手に入るので、お手軽に試しやすい方法でもあります。 しかしながら、どくだみを刈り取り、残った切り口に重曹をかけて駆除する方法で、やや手がかかるうえ、効果も確実とはいえません。 かなり時間と気持ちに余裕がある人向けの方法です。 塩 Melica/Shutterstock.com 植物は塩がたくさんある場所では生きていけません。 地面に塩をまくことで、根が水を吸う力が低下し、結果的に植物が枯れます。 この特性を使って除草をすることも可能なのですが、一度でも塩をまいた土地は植物を育てるのには適さなくなり、またコンクリートや鉄筋など建物の基礎が傷むことがあるため、絶対にまかないようにしましょう。 さらに、土の中にある根まで届くようにするためには、かなりの塩の量が必要になり、広い範囲に大量の塩をまいたところに雨が降って、雨水が隣に流れていった場合は、隣家の植物が枯れてしまうこともあります。 除草剤 Pixavril/Shutterstock.com 除草剤を使うと、効果的にどくだみを駆除することができます。 おすすめの除草剤は「グリホサート系」と呼ばれるもので、これは葉から入った成分が根に届き、根から枯らすことができます。 薬剤は日光や微生物の働きで分解され、ほかの動植物に影響を与えることがありません。 どくだみにだけ塗ることで、ほかの植物を枯らしたりすることなく使うこともできます。 広い範囲だとスプレーなどで噴霧したほうが効率的に作業できますが、ほかの植物にもかかってしまうため注意しましょう。 除草剤を効かせるためには、葉に薬を塗ればよいので、例えば手に薬をつけて葉を触っていくという方法があります。 もちろん素手で薬に触れてはいけないので、まずゴム手袋をし、その上にさらに軍手をします。手袋を二重にした手をバケツなどに用意した除草剤に浸し、その手でどくだみの葉を触っていきます。 こうすることで、ほかの植物に除草剤をかけず、どくだみだけに確実に薬剤を塗ることができます。 筆や刷毛などでどくだみにだけ塗っていくのでもよいのですが、手のほうが作業が簡単です。 ドクダミ茶の作り方 Hitdelight/Shutterstock.com 採取したどくだみを使って、どくだみ茶を作る方法をご紹介します。 どくだみの有効成分がもっとも多くなるのは、白い花が咲く6〜8月です。花が咲いてきたら、地上から5cmほどのところから刈り取りましょう。 刈り取ったどくだみはよく水洗いし、水を切ってから乾燥させます。ドライフラワーのように、束にして吊しておくとよいでしょう。そして、葉をつまんでパリパリに砕けるくらいまで乾燥させたら、保存しやすい大きさにカットします。 焦げないようにフライパンで乾煎りして、よく水分を飛ばしたら、密閉容器に入れて保存します。 使う分だけ適量取り出して、煎じて飲むなどして利用しましょう。 おすすめの育てやすい薬用植物 Marika Kosheleva/Shutterstock.com どくだみのほかにも、育てやすくて利用しやすい薬用植物がいろいろあります。そのほかの薬用植物を紹介します。 カキドオシ Orest lyzhechka/Shutterstock.com 日本では北海道から九州にまで自生するシソ科の多年草です。 野原や道端にも生えるごく一般的な植物で、どくだみと同じようにどこでも育つ植物ですが、やや乾燥を嫌うので、十分な湿り気がある場所に植えたり、鉢植えにする場合には水切れに注意しましょう。 よく広がるのでグラウンドカバーとしても使え、斑入りの品種もあります。 4〜5月、9月下旬〜10月など、穏やかで暖かい時期に植え付けます。 冷え性や低血圧に効果があり、日干しして細かく刻んだものを湯船に入れて入浴するなどして利用することができます。 ウコン Photoongraphy/Shutterstock.com 二日酔いに効果があることでよく知られているウコンは、胃炎や吐血、痔や月経不順に効果があります。 ウコンは東南アジア原産のショウガ科の植物で、ショウガと同様に根を利用します。 蒸して乾燥させたものを煎じて飲んだりするほか、痔や切り傷、腫物には、粉末にして水で練ったものを患部に塗って使います。 東南アジア原産なので、育てる場合は寒さに気をつける必要があります。 植え場所に腐葉土や堆肥をたっぷり混ぜ込んで植え付け、晩秋に葉がなくなったら、上に腐葉土を厚くかぶせて防寒するとよいでしょう。 乾燥を嫌いますが、水がたまるような環境も苦手なので、水はけのよい場所と用土で、表土にマルチングをして乾燥を防いで育てます。 薬用植物の活用方法 Sebastian Duda/Shutterstock.com どくだみをはじめとした、薬用植物を使う方法についてご紹介します。 【薬草茶】 お茶として飲む方法です。 薬用植物を入れたポットやカップにお湯を加えたり、ヤカンで煮出して成分を引き出して利用します。 保存しやすいこともあり、乾燥させたものを利用することが多いですが、未乾燥の生の状態で利用することもあります。 乾燥させる場合は、よく洗ったら干して、細かく砕きます。よい香りが立つまで乾煎りし、お茶として煎じて飲用しましょう。 【塗り薬】 柔らかくして患部に貼ったり塗ったりするやり方です。 アルミホイルで包んで柔らかくなるまで蒸したら、繊維質を取り除いて練ります。患部に塗ったり、ガーゼに広げて貼り薬として利用します。 【薬草風呂】 入浴剤として利用する方法です。 よく洗った薬草を刻んで布の袋に入れ、お風呂に入れて利用します。 どくだみを育ててみよう nalinda117/Shutterstock.com どくだみはどこでもよく見かける、育てやすい植物です。 それだけ身近にある植物でありながら、さまざま薬効が期待できる、とってもお役立ちな植物。うまく活用すればヘルシーな生活にも役立つので、ぜひ自分で育てて、お茶にするなど暮らしの中で活用してみましょう。 どくだみがうまく育ったら、ほかの薬用植物の栽培にも挑戦してみてはいかがでしょうか。
-
暮らし

【二十四節気】桜咲く春分。目だけでなく舌でも季節を感じる桜とは?
二十四節気 春分 3月20日頃 四季を彩る花・桜 世の中に たえて桜のなかりせば 春の心は のどけからまし(古今和歌集) 在原業平が平安時代に詠んだこの歌をはじめ、日本では古来より桜が愛され、多くの人が心を寄せてきました。現代でも、入学式などの人生の節目に、空気までかすみがかったようにあたりを染め上げる桜の美しさは、日本の春を象徴する景色。桜の花は日本の国花ともいえます。 zum87/Shutterstock.com そんな桜の中でも多くの人がまず思い浮かべるのが、“ソメイヨシノ(染井吉野)”でしょう。淡い色合いの花が一斉に咲いてはらはらと散る光景こそ、まさに桜のイメージ。その景色を見るために桜の名所に出かけていく人も多く、春の風物詩となっています。もちろん名所でのお花見も素敵ですが、家で桜を育てると、また違った季節の楽しみを味わうことができます。ゆったり夜桜を眺めたり、静かにくつろげるのは自宅ならではの楽しみです。 MIZO/Shutterstock.com 私たちの庭でもし桜の木を植えるならと考えると、各地の名所でゆったり枝を伸ばすような大木になってしまうのでは? と心配になるかもしれません。ですが、桜にはたくさんの種類があるので、成長がゆっくりな品種やコンパクトに生育する品種を選べば大丈夫です。鉢植えにして、庭の片隅で育てることもできます。 庭植えにおすすめの花や実を楽しむ桜 フジザクラ(富士桜) annaj77/Shutterstock.com Prunus incisaバラ科 サクラ属大きくても2~3mと、コンパクトに生育するためマメザクラ(豆桜)とも呼ばれる富士桜。鉢植えでも育てやすい品種です。 サトウニシキ(佐藤錦) Prunus vaium ‘Satounishiki’バラ科 サクラ属最高級のサクランボ。管理に少し手間がかかりますが、その分完熟もぎたてのサクランボの味わいは格別です。 仙台八重紅枝垂れ桜 Cerasus spachiana Lavalee ex H.Otto f. spachiana‘Yaebenishidare’バラ科 サクラ属しなやかに垂れ下がる枝の様子が華やかな八重咲き品種。きれいなピンク色も魅力。 サワーチェリー weha/Shutterstock.com Prunus aviumバラ科 サクラ属実も楽しめるサワーチェリー(酸果桜桃)は、5月下旬頃から収穫できる「アーリーリッチモンド」や、小ぶりでルビー色の「ノーススター」など。摘果や摘葉の必要がなく実ります。 身近に桜が咲く暮らしの楽しみ Marty Oishi/Shutterstock.com 桜の木が身近に一株あるだけで、蕾の膨らみから一分咲き、五分咲き、満開、散り際、新葉の展開まで、一連の変化を観察することができます。時には野鳥がやってきて、さえずりが聞こえてきたりして、家族との会話もきっと増えますよ。ほんのり白く輝くような桜の花や、まん丸で色鮮やかな八重の桜など、自宅で咲いたら、ぜひ一枝花瓶に活けて室内に飾りましょう。庭で咲いた桜を部屋に飾る… 花のある暮らしの楽しみのひとつです。 tomertu/Shutterstock.com 桜が咲いたら、桜の塩漬けを作ったりドライフラワーにしたり、暮らしを豊かにしてくれる魅力たっぷりの花木です。 春のサクランボを楽しもう A_Lesik/Shutterstock.com サクランボが実る品種なら、花が終わってもアクセサリーのような可愛い実姿を楽しめます。目だけではなく舌でも季節を感じることができ、もぎたてを贅沢に味わえるのも自家栽培ならではの楽しみ。 オススメのサクランボは、「サワーチェリー(酸果桜桃)」と呼ばれる種類です。コンパクトで自家受粉する品種が多く、庭でも育てやすいでしょう。春先に株全体に咲かせる白い花も、ソメイヨシノに劣らぬ美しさです。「佐藤錦」などの甘い品種に比べると、酸味が強い「サワーチェリー」ですが、火を通すと香りが高く、美しい色合いのジャムやコンポートになります。たくさん収穫できたら、小瓶に詰めてお裾分けするのもいいですね。 サワーチェリーのジャムの作り方 Murni/Shutterstock.com サワーチェリーの種を取り、砂糖とレモン汁を加えて火にかける。中火でアクを取りながら、とろみがつくまで煮詰める。味を見て、必要なら砂糖やレモン汁を加えて冷ます。好みで、香りづけにキルシュヴァッサー(サクランボのリキュール)などを加えても。 istetiana/Shutterstock.com 真っ赤なジャムをパウンドケーキなどに焼き込めば、ほんのり色づいたサクランボケーキに。クレープにジャムを巻いて朝食に、生クリームとサクランボを添えて、紅茶と一緒に午後のティータイムにもぴったりですよ。桜が咲く素敵な季節をぜひ、楽しんでくださいね。
-
家庭菜園

ニンジン(人参)を自分で栽培したい! ニンジンの基本的な栽培方法や注意点などをご紹介
身近だけど意外と知らない! ニンジンってどんな野菜? ニンジンは根菜類に分類され、根の収穫を目的に栽培します。スーパーなどでは一年中手に入る馴染みの野菜ですが、「旬はいつ?」「どんな種類がある?」などと問われれば、もやっとしてうまく答えられないのではないでしょうか。ここでは、ニンジンの基本情報について詳しく解説します。 ニンジンの基本情報 Val Weston/Shutterstock.com ニンジンは、セリ科ニンジン属の根菜類で、原産地は中央アジアです。細長い東洋系品種と、太くて短い西洋種があります。 東洋系ニンジンは、16世紀頃に中国経由で日本に伝わりました。お正月に縁起食としても食べられる金時ニンジンが有名で、甘みが強くて臭みが少なく、和食によく合います。根が長く成長するため家庭菜園には向きませんが、日本では古くから栽培されてきました。 一方、西洋ニンジンはトルコで栽培されるようになり、12〜13世紀にヨーロッパに伝わったとされています。日本へは19世紀初頭にもたらされました。東洋系に比べて根が太くて短いのが特徴です。戦後の日本で急速に普及し、ニンジンといえば東洋種だったのが逆転して、現代では西洋種のほうがポピュラーになっています。 家庭菜園で栽培されるのはほとんどが西洋ニンジンで、より育てやすいもの、食味のよいものをと、品種改良が進んでいます。おすすめの品種は、初心者でも育てやすい‘向陽二号’、揃いがよく尻詰まりもいい‘恋むすめ’、低温下での生育と太りに優れる‘いなり五寸’、甘くて栄養価に優れる‘Dr.カロテン5’などです。コンテナで栽培するなら、ミニニンジンの‘ピッコロ’、‘ベビーキャロット’などが向いています。変わり種を育ててみたいなら、紫ニンジンの‘パープルスティック’、‘ダークパープル’などもありますよ! ニンジンの栄養 Kovaleva_Ka/Shutterstock.com ニンジンは緑黄色野菜の一つで、カロテンを多く含んでいます。「カロテン」という言葉がニンジンの英名である「キャロット」に由来していることからも分かるように、カロテンの含有量は他の食材の比ではありません。ほかにもビタミンC、カルシウム、葉酸、食物繊維、鉄分なども含む栄養豊富な野菜です。 ニンジンは細かく刻んでサラダに利用できるほか、きんぴらやかき揚げ、煮込み料理、漬物にと汎用性が高く、常備野菜の一つとなっています。キャロットケーキやキャロットゼリーなど、スイーツにもアレンジできますよ! 旬ってあるの? おすすめの栽培時期は? teatian/Shutterstock.com ニンジンは、年に2回栽培することができます。 一般地では春まきが3月下旬〜5月上旬で、順調に生育すれば6月下旬〜8月中旬頃に収穫できます。夏まきは6月下旬〜7月中旬で、収穫は9月下旬〜2月頃です。寒冷地や暖地では、種まきや収穫のタイミングが少しずれるので、購入したニンジンの種袋をよく確認して、適期に播くとよいでしょう。 年に2回栽培できますが、同じ場所で連作すると土壌のバランスが崩れてネコブセンチュウなどの病害虫が発生しやすくなります。必ず輪作を心がけるようにしてください。 ニンジンの畑の準備 Sleepyhobbit/Shutterstock.com ニンジンを栽培する際には、栽培場所の準備が大切です。同じ科の野菜を続けて同じ場所で育てると、連作障害が出て生育が悪くなるので、前作にセリ科の植物を栽培していない場所を選びましょう。また、土の中に硬いものや土の塊など、異物が混入している場合は取り除いて、十分耕すことがポイント。ニンジンの根が成長する際に異物に触れると、股根になるなど変形してしまうからです。 種まきの2〜3週間以上前に、苦土石灰を1㎡当たり約100g散布し、よく耕して土に混ぜ込んでおきます。さらに植え付けの1〜2週間前に、1㎡当たり堆肥約500g、化成肥料(N-P-K=8-8-8)約100gを全面に散布し、よく耕して平らにならしておきましょう。土作りをして時間をおくことで、分解が進んで土が熟成します。 種まき Sadasiba sb/Shutterstock.com 【菜園】 ニンジンの種まきの適期は、一般地で春まきが3月下旬〜5月上旬、夏まきが6月下旬〜7月中旬。発芽適温は15〜20℃です。 根菜類に分類されるニンジンは、直根性で移植を嫌います。そのため、種まきからスタートするのが鉄則です。 幅60cm、高さ5〜10cmの畝を作ります。畝の長さは作りたい量や広さに応じて自由に決めてかまいません。畝の中央に、園芸用の支柱などを押し当てて深さ7〜8mmのまき溝をつけます。そのまき溝に、1cm間隔でニンジンのタネを播いていきましょう。溝の両側から土を寄せて薄くタネにかぶせ、軽く手のひらで押さえます。ニンジンは好光性種子といって、発芽に光を必要とするので、「覆土は薄く」を心がけてください。 タネを播いた後、保湿のために不織布を畝全体にかけ、風で飛ばされないように土を盛るか、Uピンなどの金具でしっかり固定しておきましょう。最後に、ジョウロにはす口をつけて、柔らかい水流になるように高い位置から水やりをします。 ニンジンは、種まきから発芽までが難しい野菜です。タネは保水力がないので、発芽までは毎日水やりをして乾燥させないように管理しましょう。種まきから発芽までは、7〜10日ほどかかります。 【コンテナ栽培】 コンテナで普通サイズのニンジンを育てるのは難しいのですが、ミニニンジンの品種を選べば、十分に栽培可能です。種まきの適期は、3月下旬〜5月、7月中旬〜9月上旬です。 標準サイズのコンテナを準備。底穴にネットを敷き、底が見えなくなるくらいまで鉢底石を入れ、その上に野菜用にブレンドされた培養土を入れます。水やりの際にあふれ出さないように、ウォータースペースを鉢縁から2〜3cm残しておきましょう。園芸用支柱などを使い、手前と後ろに10〜15cmほどの間隔をあけて2本のまき溝をつけます。溝の深さは5mmほどが目安です。ミニニンジンの種を1cm間隔でまき、溝の両側から土を寄せて薄くタネにかぶせ、表土を軽く手で押さえます。最後にジョウロにはす口をつけて、底穴から流れ出すまでたっぷりと水やりしましょう。発芽までは乾燥させずに管理することがポイントです。 生育中のポイント ニンジンは「種まきから発芽までが難しい」とよくいわれる野菜です。しかし発芽がしっかり揃えば、後は管理が楽な野菜ともいえます。ここからは、日頃のケアについてご紹介していきます。 水やり Osetrik/Shutterstock.com 【菜園】 根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、真夏に雨が降らずに乾燥が続く場合は水やりをして補いましょう。真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 【コンテナ栽培】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチすることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると、水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝夕の涼しい時間帯に行うことが大切です。 間引き Inga Gedrovicha/Shutterstock.com ニンジンは「共育ち」と表現され、苗が幼い時は隣同士の茎葉が触れるほどの密植状態で育てます。ニンジンの葉をよく見てみましょう。葉には細かく切れ込みが入っていますね。そのため、葉が重なっても光が届きやすくなっていて、苗同士の生存競争が穏やかなので、急いで間引きをする必要のない野菜です。勢いのある苗を残すように見定め、徐々に株間を広げていくようにしましょう。また、ニンジンは初期生育が遅く、周囲に雑草が生い茂ると負けてしまい、生育が悪くなります。間引くタイミングで、周囲に雑草があれば抜き取っておくとよいでしょう。 間引いた苗は、間引き菜として利用できるので捨てないで! 柔らかくてセリ科独特の風味があります。お浸しや天ぷら、味噌汁の具などに利用するのがおすすめです。ニンジンの葉は傷むのが早いので、販売はされていないのですが、抜きたては柔らかく、美味しく食べられます。これぞ家庭菜園の醍醐味ですね。 【菜園】 1回目の間引きは、本葉が1〜2枚展開した頃に行います。ひょろひょろと長く徒長している苗や弱々しい苗を選び、苗が3〜4cm間隔になるように間引きましょう。残す苗の根を傷めないように、株元を押さえて抜き取り、残した苗には周囲の土を寄せて倒れないようにしておきます。 2回目の間引きは、本葉が5〜6枚ついた頃を目安にしましょう。最終株間が10〜12cm間隔になるように間引いていきます。 【コンテナ栽培】 発芽して双葉が揃ったら、3cm間隔になるように間引きます。また、2週間ほどしたら、5〜6cm間隔になるように間引きます。残す苗の根を傷めないように、株元を押さえて抜き取り、残した苗には周囲の土を寄せて倒れないようにしておきましょう。 追肥 Vaakim/Shutterstock.com 【菜園】 2回目の間引きの際に、化成肥料(N-P-K=8-8-8)1㎡当たり約30gを株の周囲にばらまいて軽く耕します。周りよりも少し高めになるように、株にしっかりと土を寄せておきましょう。 【コンテナ栽培】 2回目の間引きから2週間ほど経ったら、化成肥料(N-P-K=8-8-8)約10g(ひとつかみほど)を株の周囲に均一にばらまき、土になじませて株に土寄せをします。その後は2週間に1度を目安に、同様に追肥をします。 病害虫 JimCochrane1/Shutterstock.com ニンジンは、比較的病害虫に強い野菜です。しかし、キアゲハの幼虫がつきやすいので注意しましょう。日頃からパトロールしてキアゲハが発生していないか確認を。気づかないでいると、食欲旺盛なため茎葉を丸裸にされてしまうことも。派手な縞模様の幼虫は体長4〜5cmと大きく、一見ギョッとしますが、ひるまずにニンジンを守ってあげましょう。見つけるのは簡単なので、すぐに捕まえて処分します。 人参の収穫方法 LedyX/Shutterstock.com 【菜園】 品種にもよりますが、種まきから約90日ほどが収穫のタイミングです。根の直径が5〜7cmになり、肩の部分が張り出しているような株から収穫していきます。地際の茎を持って、一気に抜き取りましょう。収穫が遅れると、実割れすることもあるので、適期を逃さずに。とはいえ、実割れして品質は落ちても食べることはできます。 【コンテナ栽培】 種まきから11〜12週間後が収穫のタイミングです。根が充実したものから順に収穫していきましょう。 人参にありがちな生育不良など 【股根になっている】 ニンジンの根が、1本ではなく数本に分かれてしまうことを「股根」「岐根」などといいます。ニンジンは直根性の植物で、1本の根がまっすぐ伸びる性質があるため、タネを播いた後に移植をすると、股根になってしまいます。ですから、植え替えは厳禁です。また、土中に石や未熟な堆肥などがあると、成長する時に根が当たって分かれてしまうことがあります。土作りの際にはしっかり耕して、異物があれば取り除いてふかふかの土にしておきましょう。 ただし、股根になっているからといって、食べられないわけではありません。食味が落ちるわけでもなく、きれいにできた1本の根と同様に調理して食べられます。思いがけず面白い形をしたニンジンができるのも、けっこう楽しいものです。 【ニンジンの肩が変色している】 生育中に、ニンジンの根元が緑色になっていることがあります。これは、土寄せが足りずに肩が表土から出てしまい、日光が当たったことが原因です。ニンジンの根は太陽の光が当たると、光合成を始めて緑色に変色してしまいます。追肥の際に、しっかりと土寄せをしておくのがポイントです。 ニンジンが緑化しても腐っているわけではなく、ジャガイモのように食中毒を起こしやすくなるわけでもありません。緑化していないニンジンと同様に食べることができます。ただ見栄えが悪いというだけなので、捨てずに普通に調理してかまいません。 収穫した人参の保存方法 Africa Studio/Shutterstock.com 収穫後は、すぐに根の際で葉を切り取り、土を洗い流しましょう。水気をしっかり切り、1本ずつキッチンペーパーなどにくるみ、密閉できる袋に入れて冷蔵庫で保存します。細切りやイチョウ切りなど、調理方法によって切り方を変え、1回の調理に使う分量ごとに小分けにして密閉袋に入れ、冷凍してもOKです。 また、掘り上げたニンジンを20cmほどの穴を掘って埋め戻しておくと、長期間保存しておくことができます。 病気や生育不良に注意しながらおいしい人参を育てよう! この記事では、ニンジンの基本情報や栄養素、種類、菜園やコンテナでの栽培方法について、掘り下げてご紹介してきました。ニンジンは発芽さえうまくいけば、ほぼ成功といわれる、比較的育てやすい野菜です。ぜひ家庭での栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
-
おすすめ植物(その他)

黄色い花は春に多いというのは本当? 花の種類と花言葉を知って育ててみよう!
春には黄色い花が多い? kojihirano/Shutterstock.com 春になると、黄色い花をよく見かけるようになりますね。日本で咲く花のうち、黄色は2番目に多い花色で、じつに国内で咲く花の3割にのぼるとされているのです。 春に黄色い花が多いのはなぜなのか。それは植物の種の保存戦略に理由があります。じつのところ、ハチなどの昆虫は、黄色いものに集まりやすいという習性があるのです。植物が花を咲かせ、受粉して子孫を残そうとする場合、受粉を媒介する昆虫たちを呼び寄せるために、黄色い花を咲かせるとされています。特に早春に咲く花に黄色が多いのは、昆虫が活発に動き始める前、ようやく活動し始めたばかりの数少ない虫たちにいち早く見つけてもらうためなのです。植物たちの巧みな生存戦略が隠されているとはいえ、まだ寒い時期にいち早く咲く黄色い花を見つけると、春の到来を予感して心が躍りますね! 春によく見る黄色い花と花言葉 ここでは、春によく見かける黄色い花10種と、その花言葉をご紹介します。 チューリップ Ulada/Shutterstock.com チューリップは、ユリ科チューリップ属の球根植物です。原産地は中央アジア〜北アフリカで、寒さに強く、夏の暑さを苦手とします。開花期は4月頃です。花色は、ほかに赤、ピンク、オレンジ、緑、紫、黒、複色などがあり、色のニュアンスもさまざま。ユリ咲き、フリンジ咲き、パーロット咲きなど個性的な花姿の品種もあります。草丈は10〜70cm。黄色いチューリップの花言葉は「見込みのない恋」。3人の男性にプロポーズされた少女が思い悩み、黄色いチューリップに自らの姿を変えたというヨーロッパの伝説に由来しています。育て方の詳細は、後半の項目を参照してください。 タンポポ Nataliia Yankovets/Shutterstock.com タンポポは、キク科タンポポ属の多年草です。原産地はヨーロッパ。日本でも雑草化して野山に自生する姿が見られることからも分かるように、放任して手をかけずともよく育ちます。タンポポの花言葉は「思わせぶり」「愛の神託」「真心の愛」「別離」など。開花期は3〜6月です。黄色い花が愛らしいタンポポですが、庭に植えるとこぼれ種であちこちから顔を出し、繁茂しすぎて他の植物との調和を乱しやすいので注意してください。 菜の花 shepherdsatellite/Shutterstock.com 菜の花は、アブラナ科アブラナ属の一年草です。日本では菜の花畑が各所にあり、一斉に咲いて黄色いカーペットのように景色を染める様子は見応えがあります。花言葉は「快活」「豊かさ」「明るさ」など。春の訪れを告げる明るい花姿からイメージしてこれらの言葉が与えられたとされています。種まきは関東地方の平地で9〜10月、冬を乗り越えて翌春の3〜4月に開花。早生種では12月頃から咲くものもあります。こぼれ種で増えていくほど生命力が強く、寒さにも強くて大変育てやすい植物です。菜の花は、観賞用、菜種油用、食用に栽培され、おひたしや和え物など、料理に使われるものは菜花(なばな)と呼ばれます。 ミモザ Nastasya_Sav/Shutterstock.com 日本で一般にミモザと呼ばれているのは、ギンヨウアカシア。マメ科アカシア属の常緑高木で、自然樹高は5〜10mですが、剪定でコントロールできます。原産地はオーストラリア南東部で、寒さ暑さに強い性質。開花期は3月頃で、一つひとつの花は丸くて小さいのですが、木を覆うほどによく咲きます。他の春の草花たちが咲き始める少し前に満開になるので、春の喜びをより強く感じさせてくれます。またシルバーグリーンの葉が美しく、冬でもみずみずしい葉姿を楽しめるので、シンボルツリーにおすすめ。マメ科の植物らしく、開花後には中に種が入ったサヤが多数つきます。ミモザの花言葉は「秘密の恋」「感受性」「思いやり」など。日当たり、風通しのよい場所に植え付け、強風による倒伏を防ぐために支柱を立てて栽培するとよいでしょう。成長が早いので、毎年の剪定が必須です。一般の家庭の庭では3〜4mの樹高をキープするようにするとよいでしょう。翌年の花芽が8月にはできるので、それ以降の剪定は避け、花後すぐに込み合っている部分を切り取って樹形を整えます。 ロウバイ Yoshihide KIMURA/Shutterstock.com ロウバイは、ロウバイ科ロウバイ属の落葉性花木です。樹高は4mほど。原産地は中国で、暑さ・寒さに強い性質です。開花期は12月中旬〜2月で、つやつやとした黄色い小さな花を咲かせます。葉を出す前に満開になるので、黄色い花が目に飛び込んで青空とのコントラストも美しいものです。ロウバイの花言葉は「ゆかしさ」「慈しみ」「先導」「先見」など。栽培適地は、日向〜半日陰です。多湿の環境を嫌うので、土壌改良資材をすき込み、盛り土をして高くするなど、水はけのよい土壌づくりがポイント。植え付けの適期は落葉期の11〜12月。自然に樹形が整うので、剪定は、込んでいる部分を切って風通しをよくする程度でOKです。 スイセン Jan Gessberg/Shutterstock.com スイセンは、ヒガンバナ科スイセン属の秋植え球根植物です。原産地はイベリア半島を中心に地中海沿岸で、寒さに強い性質を持っています。花色は、ほかに白、オレンジ、複色など。花姿は一重咲き、八重咲き、ラッパ咲き、カップ咲き、バタフライ咲きなど多様です。昔から人気の高い花で、品種改良が盛ん。毎年新品種が発表されており、選ぶ楽しみがあります。草丈は10〜50cmで、種類によって幅があります。スイセンの花言葉は「自己愛」「神秘」「私の元へ帰って」「尊敬」など。10〜11月に球根を植え付けて栽培をスタートします。日当たり、風通しのよい場所で、水はけのよい土壌が適地です。開花期は次から次に花が咲くので、終わった花はこまめに花首で切り取りましょう。6月頃に地上部が枯れますが、枯死したわけではなく、休眠してまた生育期に入ると新芽を出します。数年は植えっぱなしでかまいませんが、大株に育ったら掘り上げて分球し、風通しのよい半日陰で保管を。秋に植え直しましょう。 レンギョウ Vlad_art/Shutterstock.com レンギョウは、モクセイ科レンギョウ属の落葉樹です。樹高は1.5〜3mの低木。地際から細い枝を立ち上げて密生し、ややしなる低木株立ちの樹形をしています。原産地は中国で、暑さ寒さへの耐性は普通程度。開花期は3〜4月で、細い枝にびっしりと小さな花を咲かせる姿は見応えがあります。レンギョウの花言葉は「期待」「希望」「集中力」など。植え付けの適期は、落葉期の12〜2月。日当たり、風通しのよい場所を選び、水はけ・水もちがよく、適度に湿度を保つ土壌を好みます。翌年の花芽は7月頃にできるので、強い切り戻しや刈り込みは花後すぐに行いましょう。落葉期の剪定は、込み合っている部分を透かす程度にし、古くなった枝は地際で切り取って新しい枝に切りかえます。 マンサク billysfam/Shutterstock.com マンサクは、マンサク科マンサク属の落葉樹。樹高は2〜3mの低木です。原産地は日本で、昔から野山に自生してきたため寒さ暑さに強く、環境に馴染んで放任してもよく育ちます。開花期は2〜3月で、新葉を出す前の枝にびっしりと花をつける姿は大変華やか。花色は、ほかに赤、オレンジ、茶があります。マンサクの花言葉は、「ひらめき」「魔力」「霊感」など。植え付けの適期は、落葉期の寒い時期を除く11月か3月頃。日当たりのよい場所を選び、水はけ、水もちのよい土壌づくりをして植え付けます。剪定は、花が終わった後に、込んでいる部分をすかす目的で余計な枝を切り、根元から出るひこばえや枯れ枝などを切り取りましょう。 フリージア monstrose/Shutterstock.com フリージアは、アヤメ科フリージア属の球根植物です。草丈は20〜50cm。原産地は南アフリカで、寒さにやや弱い性質を持っています。開花期は3月中旬〜5月中旬。花茎を長く伸ばした先に、ラッパ状の花をいくつも連ねます。花色はほかに白、赤、ピンク、オレンジ、紫、複色など。フリージアの花言葉は「あどけなさ」「純潔」「慈愛」「憧れ」などがあり、黄花は「無邪気」。栽培は、球根の植え付けからスタートします。植え付け適期は9月下旬〜11月上旬。日当たり、風通しのよい場所を選び、水はけ、水もちのよい土作りをして5〜10cm間隔で植え付けます。終わった花はまめに摘み取り、株まわりを清潔に保ちましょう。夏前に地上部を枯らして休眠し、生育期になると再び新芽を伸ばします。 ‘ゴールデンクラッカー’ zzz555zzz/Shutterstock.com ‘ゴールデンクラッカー’はキク科ユリオプス属の常緑低木で、学名はEuryops virgineus ‘Golden Cracker’、ユリオプス・バージネウス種の園芸品種です。樹高は50〜150cm。原産地は南アフリカで、寒さには強いものの真夏の暑さが苦手です。開花期は1〜5月。枝に切れ込みが細かく入った小さい葉を枝に密につけ、小さな花を多数咲かせます。‘ゴーデンクラッカー’の花言葉は「心躍る」「祝福」「美しい日々」「明るい愛」など。植え付けの適期は9月頃。日当たり、風通しのよい場所に、水はけのよい土作りをして植え付けます。樹形が乱れてきたら、開花後の5月頃に切り戻すとよいでしょう。 黄色いチューリップを育ててみよう Real_life_Studio/Shutterstock.com 春に咲く黄色い花の中でも、最も人気が高く、初心者でも育てやすいチューリップの育て方をご紹介します。球根は植え付けする時期である秋から園芸店などで入手できます。 球根の植え方 Elena Zajchikova/Shutterstock.com 球根の植え付け適期は10月中旬〜12月中旬です。球根を購入する際は、ふっくらとして重みがあり、傷がないものを選びましょう。 チューリップを植える場所は、日当たりがよく、風通しのよい環境を選びます。植え付ける1〜2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性化成肥料をよく混ぜ込んで耕し、土作りをしておきましょう。あらかじめ土づくりをしておくと、ゆっくりと分解が進んで熟成し、植え付ける頃には適した土壌になっています。植え付けの際は、球根2個分の深さに、尖ったほうを上にして植えます。複数植える場合は、球根2個分の間隔を空けましょう。チューリップは球根を1〜2球植えるより、同じ品種を5〜10球ずつ植えるマス植えにすると見栄えがします。 鉢植えにする場合は、5号鉢に3球を目安に植え付けます。用土は、市販の草花用に配合された培養土を利用すると便利です。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を入れます。水やりの際にすぐあふれ出さないよう、土の量は鉢縁から2〜3cm下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。球根は、2個分の深さの穴に、等間隔を取って植え付けます。チューリップの栽培では、冬の寒さにあわせることが大切なので、必ず戸外で管理しましょう。 庭植え、鉢植えともに、植え付けた後にたっぷりと水やりをします。 水やりの方法と肥料の与え方 Osetrik/Shutterstock.com 水やり 【地植え】 水やりは、地植えの場合は地中から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、晴天が続いて乾燥し、葉がしなびた状態になっている場合は、水やりをして補いましょう。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。真冬に水やりする場合は、夕方に与えると凍結の原因になるので、十分に気温の上がった真昼に行います。 肥料 12月中旬に緩効性化成肥料を株の周囲に均一にばらまき、土によく馴染ませます。 しおれたら切り取る mihalec/Shutterstock.com 翌年も開花させるために球根を掘り上げる場合は、花が咲き終わったら、早めに花首を切り取ります。いつまでも終わった花を残しておくと、種をつけようとして株が消耗するからです。 球根を掘り上げよう Vasyliuk/Shutterstock.com 花が終わったあと、地上部には茎葉が残りますが、6月頃に黄色く変色して枯れるまではそのままにしておきます。葉が光合成をして養分を球根に送り、翌年の発芽や開花のためのエネルギーを蓄えるためです。植えっぱなしで翌年も同じ場所で再び芽吹きますが、移動する必要がある場合は、地上部が完全に枯れたら、枯れ葉を処分し、球根を掘り上げます。土を丁寧に落とし、ネットなどに球根を入れて風通しのよい日陰などで保管しましょう。秋の植え付け適期になったら再び球根を植え付けます。 黄色い花で明るい気分に stock_studio/Shutterstock.com 緑が少なくなって、冬枯れた景色が寂しかった庭。そこへ黄色い花がいち早く咲き始めると、輝くように明るくなり、一気にみずみずしく生命力にあふれたシーンを作り出してくれます。春の喜びを強く感じられる演出として、黄色い花を咲かせる植物を、ぜひ庭やベランダに取り入れてみませんか?
-
育て方

3月の庭仕事をチェック! ガーデニングカレンダー March
「寒の戻り」にご注意を Gayane/shutterstock.com もうすっかり春! と嬉しくなるような暖かな日があるかと思えば、首をすくめるような寒い日があったり。3月は暖かな日と寒い日が交互にやってきます。いったん暖かい日が続いたあと、一時的に急に寒くなることを「寒の戻り」といいます。ちょうどこの頃植物は芽吹いてきますが、霜に当たると新芽が傷むので、天気予報に注意して寒くなるようなら室内に取り込むなど、防寒対策を忘れずに。 春野菜のタネの播きどき。でも播きすぎに注意 Pim/shutterstock.com 温暖地では春野菜のタネの播きどきです。ジャガイモ・ニンジン・キャベツ・レタス・ルッコラ・ブロッコリー・カブetc。ジャガイモやタマネギなど保存のきく野菜以外は、1週間程度ずらして数回に分けてタネ播きをすると、少しずつ収穫できて長く楽しめます。タネ袋に入っているタネを全部播いてしまうと、一度に大量のレタスやキャベツができて途方に暮れることになります。タネを播くときには家族でどれくらい食べられそうかなど、収穫時のことも考えましょう。ベビーリーフ類はタネ播きから20日程度で収穫できるので、初心者にもオススメ。 花がら摘みで開花期間を長く パンジーやビオラは暖かくなるにつれ、次々に花をつけます。咲き終わった花がらをそのままにしておくと、タネをつけて咲かなくなってしまいますが、こまめに花がらを摘んでいれば5月まで花を楽しむことができます。また、プリムラ類はこの頃に一回り大きな鉢に植え替えをするか、地植えにすると開花期間が長くなります。 スイセンやムスカリ、ヒヤシンス、スノーフレークなどが順番に咲いては花期を終え、しおれ始めます。花が咲き終わったら、切り取る手入れを。房咲きの花は、しおれた花だけを切り取り、ヒヤシンスのように1茎に何輪もまとまって咲くものは、地際付近の花茎の根元で切り取ります。 「啓蟄(けいちつ)」に虫現る 毎年3月5〜6日頃は「啓蟄」といい、冬の間に眠っていた虫たちが活動を始める頃とされています。春の最初の頃に出てくる虫といえば、テントウムシ。テントウムシは可愛らしいだけですが、テントウムシを見つけたら餌のアブラムシもいると思って植物をチェックしましょう。アブラムシは爆発的に数が増えるので、まだ少ないうちに駆除しておくのがベター。昆虫の被害は最初が肝心ですから、お出かけ前のチェックを習慣にしてしまいましょう。 バラの「芽かき」をしましょう anemad/shutterstock.com バラが一斉に芽吹いてくる頃です。その中で1箇所から同時にたくさん芽が出ている場合があるので、株の内側に向かっている芽は若芽の時点で取り除きます。この作業を「芽かき」といいます。全ての芽を育てると、枝が混みすぎて病気や害虫の温床になりがちです。芽の時点である程度間引いておくと、病害虫コントロールも楽に済みます。ただし、ミニチュアローズ系は枝が多いほうがこんもり華やかに咲いてくれるので、そのままでも構いません。 観梅シーズン&梅まつり MI7/Shutterstock.com お花見といえば桜ですが、桜の前に日本各地の梅林で花が見頃になります。暖かな週末にお出かけしてみては。白梅は特に香りがよいものがあるので、枝に顔を近づけて香りも楽しみましょう。全国的にも有名な偕楽園のある茨城県水戸市では、例年2月中旬~3月中旬頃まで梅まつりが開催されています。 ※梅まつりの開催の最新の情報は各主催者のHP等でご確認ください。
-
樹木

庭木にも食用にも? ヤマボウシの特徴から育て方まで徹底解説!
ヤマボウシとは Peter Turner Photography/Shutterstock.com ヤマボウシは、ミズキ科サンシュユ属(ヤマボウシ属)の落葉高木で、原産地は日本、朝鮮半島、中国。日本では沖縄、九州、本州の山地に自生しており、環境に馴染みやすく初心者でも育てやすい樹木です。江戸時代には欧米に渡り、美しい花木として人気を博しています。 花色は白、うっすらとグリーンを帯びた白、ピンクなどがあります。花色と書きましたが、花に見える部分は苞で、葉が変化したものです。苞はもちがよいので、観賞期間も長いのが長所といえます。花は苞の中央にあるグリーンの球状のものです。 名前の由来 islavicek/Shutterstock.com ヤマボウシの名前は、比叡山延暦寺の僧兵である白い頭巾をかぶった山法師をイメージして名付けられたとされています。苞の中央に集まるグリーンの球体の花が坊主頭に、4弁の白い苞が頭巾のように見えたのでしょうか。 学名は、Cornus kousa。属名の「Cornus」は、ラテン語で「つの」という意味で、材質が堅いことからこの名前がついたようです。 英語では「Kousa dogwood」「Japanese dogwood」と呼ばれています。これは樹皮を煮た汁を犬の皮膚病の治療に使うことからとされていますが、諸説あるようです。 開花時期、見頃は? Iva Vagnerova/Shutterstock.com ヤマボウシの開花時期は、5〜6月です。春に開花する花木が一通り咲き終えた端境期に爛漫と咲くので、ひときわ目立つ存在となります。花茎を伸ばした頂部に白い4弁の苞がつき、その中央にボール状の淡いグリーンの花が咲きます。 ヤマボウシのライフサイクルは、以下の通りです。3月頃から新芽を出し、葉をたくさん茂らせます。5〜6月に開花し、9月頃には赤い実が熟し、収穫することができます。11月頃に紅葉を楽しんだ後は、すべての葉を落として休眠。新緑、開花、結実、紅葉と、一年を通して表情を変え、四季の移ろいを伝えてくれる樹木です。 ヤマボウシの花言葉 MirSiwy/Shutterstock.com ヤマボウシの花言葉は、「友情」です。端境期にあふれるように咲いて存在感をアピールする樹木として人気が高く、花言葉に気持ちを託してプレゼントに利用されることもあるようです。 ヤマボウシの品種 Ken Schulze/Shutterstock.com ヤマボウシは人気の樹木だけに、さまざまな園芸品種が生まれています。従来種に比べて大変花つきがよく、木全体を覆い尽くすように咲く‘ミルキーウェイ’、濃いピンク色が目を引く‘ミスサトミ’、葉に白い斑が入ってカラーリーフとして利用できる‘ウルフアイ’がおすすめです。 また、常緑のヤマボウシも出回っており、大変花つきのよい‘月光’、黄色味が強く大輪の‘金陽’、白い花弁の縁にほんのりとピンク色が差す‘レッドムーン’などがあります。 ハナミズキとの見分け方 左が丸みのある苞を持つハナミズキで、右がやや先端が尖る苞を持つヤマボウシ。Leene(左), tamu1500(右)/Shutterstock.com ヤマボウシは、ハナミズキと外見がそっくり。それもそのはず、ハナミズキは和名を「アメリカヤマボウシ」といいます。ヤマボウシは日本原産で、ハナミズキはアメリカ原産の外来種です。ヤマボウシは苞の先端が少し尖っているのに対し、ハナミズキの苞は全体に丸みを帯びているので、じっくりと見比べるとその違いが分かります。また、花が咲く時期によって見分けることもできます。ヤマボウシの開花期は5〜6月で、4月中旬〜5月中旬に咲くハナミズキよりも遅く見頃を迎えます。 ヤマボウシは食べられる? 秋に実をつけるヤマボウシ。じつはこの実は食べられることをご存じですか? ここでは、ヤマボウシの実にスポットを当ててご紹介します。 実が食べられる! nnattalli/Shutterstock.com ヤマボウシは、5〜6月頃に開花した後、9月頃に小さな実をつけます。表面は赤またはオレンジ色で、十分に熟したら食べることができますよ! この実の利用の仕方はさまざま。生でも、乾燥させてドライフルーツとして楽しんでもOK。また、ジャムや果実酒に加工しても美味しくいただけます。果肉にはたくさんの種が入っていますが、香りがよく甘みがあります。マンゴーやバナナのような風味が特徴で、ビタミンやカロテン、アントシアニンなどが含まれ、疲労回復の効果があるとされています。 ジャムの作り方 JanoJano/Shutterstock.com 熟した実をよく洗い、ヘタと硬い皮の部分を取り除き、ボウルに入れます。果肉を軽くつぶして砂糖を入れながら混ぜ合わせ、1時間ほど寝かせましょう。鍋に移して中火にかけ、沸騰したらザルなどで果肉をこす作業を繰り返します。こし終えたら火にかけて、木ベラで混ぜながら焦げないように水分を飛ばし、とろみが出てきたらレモンを加えて完成。冷えたら煮沸消毒しておいた瓶に入れて保存します。 ヤマボウシの実は意外に甘いので、砂糖は少しずつ入れて味見をしながら調整していくとよいでしょう。 果実酒の作り方 Peter Titmuss/Shutterstock.com 収穫したヤマボウシの実をよく水洗いし、ヘタと皮の硬い部分を取り除きましょう。キッチンペーパーなどで水気を拭き取り、煮沸消毒しておいた保存瓶に実を入れて実の3倍の量のホワイトリカーを入れます。ホワイトリカー1ℓに対し氷砂糖100g、レモン1/4個を目安に、作る量に合わせて氷砂糖とレモンを加え、しっかりふたをして寝かせましょう。2〜3カ月後に果肉を取り出し、さらに半年以上寝かせたら飲み頃です。 庭木として人気! High Mountain/Shutterstock.com 新緑、開花、結実、紅葉と表情を変え、季節感を強く感じられる落葉樹として人気が高いヤマボウシ。軽やかな葉をつける野趣漂う樹姿ながら、開花期には木全体が花で覆われ、大変華やかな姿を見せてくれるので、シンボルツリーにもおすすめです。成長スピードはやや遅めで、樹形も自然に整います。地植えではほとんど水やりの手間がいらず、病害虫にも強いため、初心者でもメンテナンスしやすい樹木です。 ヤマボウシの育て方 ここまで、ヤマボウシのプロフィールや魅力、利用の仕方などについて、ご紹介してきました。ここからはガーデニングの実用編として、詳しい育て方について解説していきます。ぜひ栽培の参考にしてください。 植え付け SujaImages/Shutterstock.com ヤマボウシの植え付け適期は、落葉したのちの休眠期にあたる、12〜3月です。 【地植え】 日当たりと風通しがよく、西日が照りつけない場所を選びます。また、水はけ、水もちがよく腐植質に富んだ肥沃な土壌を好みます。 植え付けの2〜3週間前に、直径、深さともに50㎝程度の穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきます。粘土質や砂質、水はけの悪い土壌であれば、腐葉土や堆肥を多めに入れるとよいでしょう。肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 土作りをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。しっかり根づくまでは、支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぐとよいでしょう。最後にたっぷりと水を与えます。 【鉢植え】 樹木用にブレンドされた培養土を利用すると手軽です。赤玉土(小粒)7、腐葉土3の割合でよく混ぜ、配合土を作ってもよいでしょう。 鉢の大きさは、8〜10号鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。苗木をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。しっかりと根づくまでは、支柱を立てて誘引しておくとよいでしょう。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えます。一年を通して日当たり、風通しのよい場所に置いて管理しましょう。 鉢植えで楽しむ場合は、成長とともに根詰まりしてくるので、2〜3年に1度は植え替えることが大切です。 水やり Vladimir Gjorgiev/Shutterstock.com 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、真夏に晴天が続いて乾燥しすぎる場合は水やりをして補いましょう。真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチすることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると、水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝夕の涼しい時間帯に行うことが大切です。冬は休眠し、表土も乾きにくくなるので控えめに与えるとよいでしょう。与える際は、気温が十分に上がった日中に行います。 肥料 Vaakim/Shutterstock.com 地植え、鉢植えともに2〜3月頃に緩効性化成肥料を与え、土によくなじませましょう。生育期を迎える前に肥料を与えることで、新芽を出すエネルギーとなり旺盛に枝葉を広げることにつながります。 注意する病気や害虫 feathercollector/Shutterstock.com 【病気】 ヤマボウシがかかりやすい病気は、うどんこ病、すす病です。 うどんこ病は、発生すると葉の表面に白い粉が吹いたようなカビが見られます。光合成を阻害されたり、葉から養分を吸収されたりして生育が悪くなります。放任してひどくなると枯れてしまうこともあるので注意。木の勢いがなくなり、見た目も悪いので、兆候が見えたら早期に殺菌剤などを散布して対処しましょう。梅雨の時期に発生しやすい傾向にあるので、水もち、水はけのよい土壌作りと、適切な水やりの管理が回避のカギです。窒素成分の多い肥料を与えすぎるのも、発症のきっかけになります。 すす病は、カビの一種が原因で、植物に黒い粉が吹いてすすがついたような状態になるのが特徴です。樹勢が衰えるうえに見た目も悪いので、発見次第適用する薬剤を散布して防除しましょう。 【害虫】 ヤマボウシにはほとんど害虫の被害は出ませんが、テッポウムシが現れることがあります。テッポウムシは、ゴマダラカミキリの幼虫のことです。成虫が幹などに産卵し、幼虫は1〜2年にわたって木の内部を食害するので、徐々に樹勢が弱り、枯死することも。木の周囲にオガクズが落ちていたら、内部にテッポウムシがいることが疑われます。見つけ次第、侵入したと見られる穴に薬剤を注入して駆除しましょう。 剪定 mihalec/Shutterstock.com ヤマボウシの剪定適期は、休眠中の12〜2月です。 開花のための花芽ができる期間は7月下旬〜8月です。ヤマボウシの開花期は5〜6月で花芽分化期に大変近く、花後に剪定すると花芽分化に影響することがあるので、避けたほうが無難です。剪定適期の12〜2月には、尖った葉芽とふっくらと丸い花芽の見分けがつきやすいので、この時期に形を整える程度の剪定を行います。 地際から立ち上がっている「ひこばえ」は、元から切り取りましょう。木の内側に向かって伸びている「逆さ枝」、垂直に立ち上がっている「立ち枝」、勢いよく伸びすぎている「徒長枝」も元から切り取ります。1カ所から3本以上の枝が出ることが多いので、間引いて枝を透かすとよいでしょう。 育てる時のポイント ingehogenbijl/Shutterstock.com ヤマボウシは、5〜10mほどにまで成長する樹木です。樹高を抑える剪定によってコンパクトにまとめることはもちろん可能ですが、たっぷりと枝葉を茂らせることで、本来の魅力を発揮できます。シンボルツリーとして大きく育てたい場合は、余裕のある広い場所に植えましょう。日当たりが悪くなってほかの植物が育たないとか、軒や車庫に枝葉がぶつかって邪魔になってしまうなど、後々トラブルにならないよう配慮が必要です。 ヤマボウシは、種まきして育てることも可能ですが、発芽率が低く、花を咲かせるまでには7〜8かかります。そのため、苗木の購入からスタートするのが一般的です。 また、比較的乾燥を好み、水やりをしすぎると根腐れしてしまうこともあるので注意。適切な水分管理をして、健やかに育てましょう。 自分で育ててみよう! Photology1971/Shutterstock.com この記事では、ヤマボウシの魅力や特性、育て方について詳しく解説してきましたが、その魅力をお伝えできたでしょうか。ヤマボウシは新緑・開花・結実・紅葉と姿を変えるので、季節の巡りを強く感じることのできる樹木です。ぜひシンボルツリーとして庭に植えてはいかがでしょうか。





















